ベピオゲルの赤みはいつ引く?副作用の原因と正しい対処法を皮膚科医が解説

ニキビ治療薬として皮膚科で処方される「ベピオゲル」は、高い効果が期待できる一方で、使い始めに赤みやヒリヒリ感といった副作用が現れることがあります。「この赤みはいつまで続くの?」「使い続けて大丈夫なの?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、ベピオゲルによる赤みがいつ頃引くのか、副作用が起こる原因や正しい対処法について詳しく解説します。ニキビ治療を安心して継続するために、ぜひ参考にしてください。


目次

  1. ベピオゲルとは?基本情報と特徴
  2. ベピオゲルの副作用で赤みが出る理由
  3. ベピオゲルの赤みはいつ引く?時期の目安
  4. 通常の刺激症状とアレルギー性かぶれの見分け方
  5. 副作用を軽減するための正しい使い方
  6. 赤みが引かない場合の対処法
  7. ベピオゲルと他のニキビ治療薬との違い
  8. ベピオゲル使用中の日常生活での注意点
  9. よくある質問(Q&A)
  10. まとめ

1. ベピオゲルとは?基本情報と特徴

ベピオゲルの概要

ベピオゲルは、有効成分として「過酸化ベンゾイル」を2.5%含有するニキビ治療薬です。欧米では50年以上の使用実績があり、日本では2015年から保険適用で処方されるようになりました。日本皮膚科学会が発行する「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」においても、推奨度Aとして高く評価されている治療薬です。

ベピオゲルは半透明のゲル状の外用薬で、1日1回洗顔後に患部に塗布して使用します。なお、2023年にはベピオローションも発売され、より保湿効果の高い製剤も選択できるようになりました。

2つの作用機序

ベピオゲルは、以下の2つの作用によってニキビを改善します。

まず1つ目は「抗菌作用」です。過酸化ベンゾイルは皮膚に塗布されると分解され、「フリーラジカル」と呼ばれる活性酸素を発生させます。このフリーラジカルがニキビの原因菌であるアクネ菌や黄色ブドウ球菌の細胞膜やDNAを直接破壊することで、強力な殺菌効果を発揮します。

2つ目は「角層剥離作用(ピーリング作用)」です。過酸化ベンゾイルは角質細胞同士の結合を緩めて角層の剥離を促進し、毛穴の入り口(毛漏斗部)の角質肥厚を改善します。これにより毛穴詰まりが解消され、ニキビの根本原因にアプローチできます。

耐性菌ができにくいという大きなメリット

従来のニキビ治療に使われてきた抗菌薬(抗生物質)は、長期間使用すると細菌が薬に対して抵抗力を持つ「耐性菌」が発生するリスクがありました。そのため、抗菌薬の長期使用は避けることが求められてきました。

一方、ベピオゲルはフリーラジカルという物理的・化学的な作用で菌を死滅させるため、従来の抗菌薬とは全く異なるメカニズムで効果を発揮します。欧米で50年以上使用されていますが、過酸化ベンゾイルに対する耐性菌の報告は確認されていません。そのため、長期間にわたって継続使用が可能であり、ニキビの再発予防(維持療法)にも適しています。


2. ベピオゲルの副作用で赤みが出る理由

なぜ赤みや刺激感が生じるのか

ベピオゲルを使い始めると、多くの方が赤みやヒリヒリ感、皮むけ、乾燥といった症状を経験します。これらは「刺激症状」と呼ばれ、過酸化ベンゾイルの薬理作用に起因する反応です。

過酸化ベンゾイルは角層を剥離させるピーリング作用を持っています。このピーリング作用により、皮膚の最も外側にある角質層が薄くなり、一時的にバリア機能が低下します。その結果、皮膚が外部からの刺激を受けやすくなり、赤みや乾燥、ヒリヒリ感が生じるのです。

これは薬が「効いている証拠」でもあります。毛穴の角質肥厚を改善するために必要な作用が皮膚表面にも影響を与えているため、ある程度の刺激症状は避けられない場合があります。

副作用の発生頻度

臨床試験のデータによると、ベピオゲルの主な副作用の発生頻度は以下のとおりです。

皮膚剥脱(皮むけ)が約15.3%、紅斑(赤み)が約12.3%、皮膚刺激感が約11.4%、皮膚乾燥やかゆみなども報告されています。

特に使用開始後2週間以内は副作用が出やすい時期とされています。1ヶ月目の刺激感の発現頻度は約30%ですが、2ヶ月目以降は約10%まで減少することがわかっています。つまり、多くの方は使い続けることで肌が薬に慣れ、副作用が軽減していくのです。

皮膚のバリア機能と薬の関係

私たちの皮膚は、角質層が何層にも重なることで外部の刺激から体を守る「バリア機能」を持っています。角質層は約2週間〜4週間のサイクルで入れ替わり(ターンオーバー)、常に健康な状態を保っています。

ベピオゲルの角層剥離作用は、このターンオーバーを促進する形で毛穴詰まりを改善します。しかし、使い始めの時期は皮膚がこの作用に慣れていないため、一時的にバリア機能が乱れ、赤みや乾燥といった症状が現れやすくなります。

肌が新しい状態に適応するまでには一定の時間が必要です。焦らずに継続することが、ニキビ治療成功の鍵となります。


3. ベピオゲルの赤みはいつ引く?時期の目安

一般的な経過:2週間〜1ヶ月で落ち着くケースが多い

ベピオゲルによる赤みやヒリヒリ感などの刺激症状は、使用開始から2週間〜1ヶ月程度で徐々に落ち着いてくるのが一般的です。

製薬会社のマルホ株式会社による患者向け情報でも、「1ヵ月を過ぎると刺激を感じる頻度は減っていきます」と案内されています。これは、皮膚が過酸化ベンゾイルの作用に慣れ、バリア機能が回復していくためです。

具体的な経過の目安は以下のとおりです。

使用開始〜2週間は副作用が最も出やすい時期です。赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥などの症状が現れやすくなります。この期間は少量から始め、肌の様子を見ながら使用することが大切です。

2週間〜1ヶ月になると、多くの方で症状が軽減し始めます。皮膚が薬に慣れてきて、刺激を感じる頻度が減っていきます。

1ヶ月以降は刺激症状がほぼ落ち着き、継続使用しやすくなります。この頃からニキビへの効果も実感しやすくなってきます。

効果を実感できる時期

ベピオゲルの効果を実感し始める時期は、個人差がありますが、一般的に2週間〜3ヶ月程度とされています。

臨床データでは、3ヶ月間の使用でニキビが約62%減少したという報告があります。つまり、副作用が落ち着く1ヶ月頃から効果が現れ始め、3ヶ月を目標に継続することで、より明確な改善が期待できるということです。

「赤みが出たから効果がない」「肌の状態が悪くなった」と早期に治療を中断してしまう方も一定数いますが、これは非常にもったいないことです。ベピオゲルは一定期間しっかり塗り続けることで効果を発揮する薬ですので、医師の指示に従って治療を継続することが重要です。

個人差がある理由

赤みが引く時期には個人差があります。以下のような要因が影響することがあります。

肌質については、もともと敏感肌の方や乾燥肌の方は刺激を感じやすく、症状が長引く傾向があります。

ニキビの重症度も関係します。ニキビが多い部位や炎症が強い部位では、薬の作用がより強く現れることがあります。

季節や環境の影響として、乾燥しやすい冬場や、空調の効いた環境では刺激症状が出やすくなります。

使用方法も重要です。適量を守らずに多く塗りすぎたり、保湿を怠ったりすると、副作用が強く出ることがあります。


4. 通常の刺激症状とアレルギー性かぶれの見分け方

注意すべきアレルギー性接触皮膚炎

ベピオゲルの副作用には、時間の経過とともに軽減する「通常の刺激症状」と、使用を続けると悪化する「アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)」の2種類があります。この2つを見分けることは非常に重要です。

アレルギー性接触皮膚炎は、日本人において100人中2〜3人程度の頻度で発生する可能性があります。薬の成分そのものに対してアレルギー反応が起こるため、使い続けても改善せず、むしろ悪化していきます。

2つの症状の違い

通常の刺激症状の特徴として、使用開始直後から現れ、軽度〜中等度の赤みやヒリヒリ感が見られます。塗った部分にのみ症状が出て、時間とともに(2週間〜1ヶ月で)軽減していきます。皮むけや乾燥を伴うことが多いです。

一方、アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の特徴として、使用後しばらくしてから(2〜3週間後など)突然悪化することがあります。強い赤み、激しいかゆみ、腫れを伴い、塗った部分を超えて広がることがあります。ジュクジュクとした浸出液が出たり、水疱ができたりすることもあります。使い続けても改善せず、むしろひどくなります。

使用を中止すべき症状

以下のような症状が現れた場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があります。すぐにベピオゲルの使用を中止し、処方医に相談してください。

強いかゆみが続く場合、ジュクジュクした腫れや浸出液がある場合、顔全体や首にまで赤みや腫れが広がった場合、使い続けても症状が改善せず悪化している場合、これらのいずれかに該当する場合は要注意です。

アレルギー性接触皮膚炎を起こした場合は、過酸化ベンゾイルを含む薬剤(ベピオゲル、デュアック配合ゲル、エピデュオゲルなど)は今後使用できなくなります。ただし、他のニキビ治療薬への切り替えは可能ですので、医師と相談して代替の治療法を検討しましょう。


5. 副作用を軽減するための正しい使い方

基本的な使用方法

ベピオゲルの基本的な使い方は、1日1回、洗顔後に患部に塗布することです。以下の手順で正しく使用しましょう。

まず洗顔を行います。ぬるま湯で顔を濡らし、洗浄力の強すぎない洗顔料をよく泡立てて優しく洗います。スクラブ入りの洗顔料は肌への刺激が強いため、使用を避けましょう。

次にスキンケアを行います。化粧水や乳液でしっかり保湿します。保湿剤はベピオゲルの刺激を軽減する効果があります。

続いてベピオゲルを塗布します。顔全体に塗る場合は、人差し指の先端から第一関節までの量(1FTU:約0.5g)が目安です。おでこ、両頬、鼻、あごの6カ所に薬を置き、まんべんなく広げます。こすらずに優しく塗ることがポイントです。

最後に手を洗います。塗り終わったら、必ず手を綺麗に洗ってください。薬が手についたまま髪や衣類に触れると、脱色の原因になります。

副作用を軽減するコツ

副作用を最小限に抑えながら治療を続けるためのポイントをご紹介します。

まず少量・狭い範囲から始めることが重要です。使い始めは、いきなり顔全体に塗るのではなく、10円玉大程度の狭い範囲から始めましょう。数日かけて様子を見ながら、徐々に塗る量と範囲を増やしていきます。

しっかり保湿することも大切です。ベピオゲルを塗る前にしっかり保湿することで、刺激を軽減できます。保湿剤はヒルドイドやプロペト、白色ワセリンなど処方薬のほか、市販の低刺激性でノンコメドジェニックテスト済みの製品でも構いません。お風呂上がりは5分以内に保湿することで、乾燥を防ぐ効果が高まります。

刺激が強い場合は洗い流すことも有効です。塗布後にヒリヒリ感が強い場合は、10〜15分程度経ってから薬を洗い流しても問題ありません。過酸化ベンゾイルは10〜15分程度で皮膚に浸透するため、その後洗い流しても効果に大きな影響はありません。

刺激が強い場合は1日おきに塗る方法もあります。毎日塗ると刺激が強すぎる場合は、1日おきに使用することで肌を慣らしていく方法もあります。

夜に塗布することも推奨されます。紫外線に当たると副作用が出やすくなるため、夜の洗顔後に塗ることが推奨されています。

塗布量の目安

部位別の塗布量の目安は以下のとおりです。

顔全体の場合は1FTU(人差し指の先から第一関節までの量、約0.5g)です。額のみ、頬のみ、顎のみなど部分的に使用する場合はその3分の1程度が目安です。

ベピオローションの場合は、手のひらに1円玉大(直径約2cm)が顔全体に塗れる量の目安となります。

1本15gの容量で、顔全体に毎日使用した場合は約1ヶ月で使い切る計算になります。


6. 赤みが引かない場合の対処法

1ヶ月以上経っても改善しない場合

通常、ベピオゲルの刺激症状は1ヶ月程度で落ち着いてきますが、それ以上経過しても赤みが引かない、あるいは悪化している場合は、以下の原因が考えられます。

アレルギー性接触皮膚炎(かぶれ)の可能性については、前述のとおり、強いかゆみ、ジュクジュクした腫れ、広範囲への症状拡大がある場合は、アレルギー反応の可能性があります。すぐに使用を中止して医師に相談してください。

使用方法が適切でない場合もあります。塗りすぎや、保湿が不十分な場合に刺激が長引くことがあります。正しい使用方法を再確認しましょう。

肌質との相性が悪い場合もあります。もともと敏感肌の方は、ベピオゲルの刺激に耐えられないことがあります。ベピオローションへの切り替えや、他の治療薬への変更を検討する必要があるかもしれません。

医師に相談すべきタイミング

以下のような場合は、自己判断で使用を続けずに、処方医に相談することをおすすめします。

強い赤みやかゆみが続く場合、腫れや浸出液(ジュクジュク)がある場合、1ヶ月以上経過しても症状が改善しない場合、症状が悪化している場合、日常生活に支障をきたすほど辛い場合、これらに該当する場合は早めの受診をお勧めします。

医師はあなたの症状を診察したうえで、使用量の調整、使用間隔の変更、ベピオローションへの切り替え、他のニキビ治療薬への変更、ステロイド外用薬などによる炎症の治療など、適切な対応を提案してくれます。

代替治療薬について

ベピオゲルが合わない場合は、以下のような他のニキビ治療薬への切り替えが検討されます。

ディフェリンゲル(アダパレン)はビタミンA誘導体で、毛穴詰まりを改善する作用があります。ベピオゲルとは異なる作用機序のため、ベピオゲルでアレルギーが出た方でも使用できる場合があります。

ベピオローションはベピオゲルと同じ過酸化ベンゾイル2.5%を含みますが、保湿効果が高い乳剤性ローションです。ゲルよりも刺激が少ないため、敏感肌の方や乾燥が気になる方に適しています。ただし、過酸化ベンゾイルへのアレルギーがある場合は使用できません。

外用抗菌薬としてダラシンTゲル、アクアチム、ゼビアックスなどがあります。アクネ菌への抗菌作用がありますが、長期使用による耐性菌の問題があるため、通常は短期間の使用に限られます。


7. ベピオゲルと他のニキビ治療薬との違い

主なニキビ治療薬の比較

現在、日本で保険適用されている主なニキビ治療薬には、以下のようなものがあります。それぞれの特徴を理解しておくと、治療への理解が深まります。

ベピオゲル(過酸化ベンゾイル2.5%)は抗菌作用と角層剥離作用の両方を持ち、白ニキビから赤ニキビまで幅広く効果があります。耐性菌ができにくいため長期使用が可能で、妊娠中も使用可能です。主な副作用は赤み、ヒリヒリ感、皮むけ、乾燥です。

ディフェリンゲル(アダパレン0.1%)はビタミンA誘導体で、異常な角化を抑制し毛穴詰まりを改善します。ニキビ跡の色素沈着にも効果が期待できます。妊娠中は使用禁忌(催奇形性の可能性)であることに注意が必要です。主な副作用は赤み、乾燥、皮むけで、多くは2週間程度で軽減します。

デュアック配合ゲル(過酸化ベンゾイル3%+クリンダマイシン1%)は過酸化ベンゾイルと抗菌薬の配合剤で、炎症性ニキビに効果的です。抗生物質を含むため、通常は短期間(3ヶ月程度)の使用に限られます。

エピデュオゲル(過酸化ベンゾイル2.5%+アダパレン0.1%)はベピオゲルとディフェリンゲルの配合剤で、両方の作用を併せ持ちます。効果は高いですが、刺激も強く出やすいため、他の薬で慣れてから使用することが多いです。

ベピオゲルの位置づけ

日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ベピオゲルは急性炎症期の赤ニキビ、白ニキビの両方に対して推奨度Aとされています。また、炎症が落ち着いた後の維持療法にも適しており、ニキビ治療のベースとなる薬剤として位置づけられています。

耐性菌の問題がなく長期使用が可能という特性から、特に以下のような方に適しています。

ニキビが繰り返しできやすい方、長期間のニキビ治療が必要な方、抗生物質の使用をできるだけ避けたい方、妊娠中または妊娠を希望している方などです。


8. ベピオゲル使用中の日常生活での注意点

紫外線対策の重要性

ベピオゲルを塗布した部分が紫外線に当たると、副作用が発生しやすくなります。これは過酸化ベンゾイルの角層剥離作用により皮膚のバリア機能が一時的に低下し、紫外線の影響を受けやすくなるためです。

日中の外出時は、日焼け止めを必ず使用し、帽子や日傘を活用して紫外線を避けましょう。このような理由から、ベピオゲルは夜に塗布することが推奨されています。

漂白作用への注意

ベピオゲルに含まれる過酸化ベンゾイルには漂白作用があります。これはヘアカラー剤のブリーチと同じ原理で、髪や衣類、寝具などに付着すると脱色してしまう可能性があります。

以下の点に注意してください。塗布後は手を必ず洗うこと、髪の生え際に塗る際は髪に付かないよう注意すること、白や淡い色の衣類や枕カバーを使用するか、タオルなどでカバーすること、薬が乾いてから就寝することなどです。

スキンケア製品の選び方

ベピオゲル使用中は、以下のようなスキンケア製品を選ぶと、副作用を軽減しながら治療を続けやすくなります。

洗顔料については、低刺激性で洗浄力がマイルドなものを選び、スクラブ入りは避けましょう。保湿剤は低刺激性でノンコメドジェニックテスト済み(ニキビができにくいと確認された)の製品がおすすめです。日焼け止めは紫外線吸収剤不使用の低刺激タイプが適しています。

一方、ベピオゲル使用中に避けた方がよい成分もあります。レチノール(ビタミンA誘導体)、AHA・BHAなどのピーリング成分、高濃度ビタミンCなどは、併用すると刺激が増強される可能性があります。

メイクについて

ベピオゲルを塗った後、メイクは可能ですが、薬がしっかり乾いてから行いましょう。朝にベピオゲルを使用する場合は、塗布後しばらく時間を置いてからメイクや日焼け止めを塗ることで、薬の成分が広がりすぎるのを防げます。

ファンデーションは油分の少ないパウダータイプがおすすめです。メイク落としの際は、クレンジングオイルをたっぷり使い、肌を直接こすらないように優しく落としましょう。


9. よくある質問(Q&A)

Q1. ベピオゲルの赤みは何日くらいで引きますか?

個人差がありますが、一般的に2週間〜1ヶ月程度で刺激症状は落ち着いてきます。使い始めの1〜2週間が最も副作用が出やすい時期で、その後は皮膚が薬に慣れて症状が軽減していきます。1ヶ月を過ぎても改善しない、あるいは悪化する場合は、アレルギー性接触皮膚炎の可能性があるため、医師に相談してください。

Q2. 赤みが出ても使い続けて大丈夫ですか?

軽度〜中等度の赤みやヒリヒリ感であれば、多くの場合は使い続けることで改善していきます。ただし、強いかゆみ、ジュクジュクした腫れ、広範囲への症状の拡大がある場合は、使用を中止して医師に相談してください。これらはアレルギー反応の可能性を示すサインです。

Q3. 保湿剤とベピオゲルはどちらを先に塗ればいいですか?

まず保湿剤(化粧水、乳液など)を塗り、その後にベピオゲルを塗ります。先にベピオゲルを塗ってから化粧水を塗り広げると、ベピオゲルの有効成分が健康な皮膚にまで広がってしまい、副作用のリスクが高まります。

Q4. ベピオゲルはニキビ部分だけに塗ればいいですか?

ニキビができている部分だけでなく、ニキビができやすい部分全体に広く塗ることが推奨されています。これは、目に見えていなくても毛穴の中にはニキビの初期段階(マイクロコメド)が存在していることが多く、予防的に塗ることで新しいニキビの発生を防ぐ効果があるためです。ただし、使い始めは少ない範囲から始め、徐々に広げていくのがポイントです。

Q5. ベピオゲルは市販で買えますか?

いいえ、ベピオゲルは医療用医薬品であり、市販では購入できません。医師の診察を受け、処方箋をもらう必要があります。皮膚科を受診して、ニキビの状態を診てもらったうえで処方してもらいましょう。

Q6. ベピオゲルで逆にニキビが増えることはありますか?

まれに、使い始めに一時的にニキビが増えたように見えることがあります。これは「好転反応」とも呼ばれ、毛穴の詰まりが解消される過程で、隠れていたニキビが表面化することで起こります。また、過度な乾燥や刺激によってバリア機能が低下し、一時的に肌トラブルが起きることもあります。保湿をしっかり行いながら継続し、2〜3ヶ月経過しても改善しない場合は医師に相談してください。

Q7. 妊娠中・授乳中でも使用できますか?

ベピオゲルは、妊娠中・授乳中でも使用可能とされています。ただし、安全性が完全に確立されているわけではないため、使用する場合は必ず医師に相談し、治療によるメリットがリスクを上回ると判断された場合にのみ使用してください。

Q8. 何歳から使用できますか?

12歳以上が対象となっています。12歳未満の小児に対する安全性は確立されていないため、使用できません。

Q9. ベピオゲルとディフェリンゲルの違いは何ですか?

どちらも毛穴詰まりを改善する作用がありますが、作用機序が異なります。ベピオゲルは過酸化ベンゾイルの角層剥離作用と抗菌作用で効果を発揮します。ディフェリンゲルはビタミンA誘導体(レチノイド)で、角化異常を抑制して毛穴詰まりを改善します。

大きな違いとして、ディフェリンゲルは妊娠中使用禁忌(催奇形性の可能性)であるのに対し、ベピオゲルは妊娠中も使用可能です。また、ディフェリンゲルはニキビ跡の色素沈着にも効果が期待できますが、ベピオゲルにはその作用はありません。

Q10. ベピオゲルはいつまで使い続ければいいですか?

ニキビが改善した後も、再発予防のために継続使用(維持療法)することが推奨されています。ニキビができやすい年齢・時期は、たとえ症状が良くなった後も継続使用することで、ニキビができにくい肌を維持できます。具体的な使用期間については、医師と相談しながら決めていきましょう。


10. まとめ

ベピオゲルは、抗菌作用と角層剥離作用の2つの作用でニキビを改善する、非常に効果的な治療薬です。耐性菌ができにくいため長期使用が可能であり、日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aとして高く評価されています。

ベピオゲルによる赤みやヒリヒリ感などの刺激症状は、使用開始後2週間〜1ヶ月程度で徐々に落ち着いてくるのが一般的です。これは薬の作用による一時的な反応であり、皮膚が慣れることで軽減していきます。

副作用を軽減しながら治療を続けるためには、少量・狭い範囲から始めること、しっかり保湿すること、夜に塗布すること、紫外線対策を行うことが大切です。

ただし、強いかゆみ、ジュクジュクした腫れ、広範囲への症状拡大など、アレルギー性接触皮膚炎を疑う症状が現れた場合は、すぐに使用を中止して医師に相談してください。

ニキビ治療は継続が重要です。副作用が辛いと感じたときは、自己判断で中止せずに、まずは処方医にご相談ください。適切な対処法を見つけながら、きれいな肌を目指しましょう。

当院では、患者様一人ひとりの肌の状態やライフスタイルに合わせた最適なニキビ治療をご提案しています。ベピオゲルの使用についてご不安な点がある方、ニキビでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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