
ある日ふと気づいたら、耳の付け根のあたりにしこりがある。触ると少し痛い気もするし、押すと動く気がする。こうした経験をしたことがある方は意外と多いのではないでしょうか。
😰 「これって病気?」「放置して大丈夫?」
そのしこり、2週間以上消えていないなら要注意です。
この記事を読めば、受診すべきかどうか・どの科に行けばいいか、すぐにわかります。
自己判断で放置するのはキケン!まずは原因を知ることが大切です。
💡 この記事を読むとわかること
- ✅ 耳の付け根のしこりの主な原因(粉瘤・リンパ節など)
- ✅ すぐ受診すべき危険なサインの見分け方
- ✅ 何科に行けばいいかがひと目でわかる
- ✅ 治療方法・日常生活での注意点
🚨 こんな人はすぐ読んでください!
- 🔸 しこりが2〜4週間以上消えない
- 🔸 硬くて動かない・急速に大きくなっている
- 🔸 痛み・発熱・倦怠感をともなっている
目次
- 耳の付け根にしこりができる主な原因
- 粉瘤(アテローム)とは
- リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)について
- 耳下腺・耳介周囲の腫瘍について
- その他のしこりの原因
- しこりの特徴から原因を見分けるポイント
- 受診が必要なサインとは
- 何科を受診すればよいか
- 診察・検査の流れ
- 治療方法について
- 日常生活での注意点
- まとめ
この記事のポイント
耳の付け根のしこりは粉瘤・リンパ節腫脹・耳下腺腫瘍など原因が多岐にわたり、多くは良性だが、2〜4週間以上消えない・硬くて動かない・急速に増大する場合は耳鼻咽喉科や皮膚科への受診が推奨される。
💡 耳の付け根にしこりができる主な原因
耳の付け根周辺には、皮膚・皮下組織・リンパ節・唾液腺・神経・血管など、さまざまな組織が集まっています。そのため、しこりができる原因も多岐にわたります。
まず大きく分類すると、皮膚や皮下組織に由来するもの、リンパ節に由来するもの、唾液腺(耳下腺)に由来するもの、骨や軟骨に関連するものなどが挙げられます。また、良性のものと悪性のものがあり、多くの場合は良性ですが、まれに悪性腫瘍が隠れていることもあるため、自己判断だけで放置するのは避けた方が安心です。
具体的な原因としては、粉瘤(アテローム)、リンパ節腫脹、耳下腺腫瘍、脂肪腫、神経線維腫、皮膚線維腫、ガングリオン、さらにはニキビや毛嚢炎など炎症性のものなど、さまざまな疾患や状態が考えられます。それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
Q. 耳の付け根にできるしこりの主な原因は何ですか?
耳の付け根のしこりは、粉瘤(アテローム)・リンパ節腫脹・耳下腺腫瘍・脂肪腫・ニキビや毛嚢炎など多岐にわたります。多くは良性ですが、まれに悪性腫瘍が含まれることもあるため、自己判断だけで長期間放置することは避けることが推奨されます。
📌 粉瘤(アテローム)とは
耳の付け根のしこりで最もよく見られる原因の一つが、粉瘤(ふんりゅう)です。医学的にはアテロームまたは表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれます。
粉瘤は、皮膚の表皮細胞が皮膚の内側に入り込んで袋状の構造(嚢腫)を形成し、その中に角質や皮脂などが溜まってできる良性の腫瘍です。身体のどこにでもできますが、耳の周囲や耳の後ろ、耳の付け根付近は特によく発生する部位の一つです。これは皮脂腺が豊富で、毛穴が詰まりやすい構造になっているためです。
粉瘤の特徴としては、以下のような点が挙げられます。
まず、しこりの中央に小さな黒い点(毛穴の開口部)が見えることがあります。これは粉瘤に特徴的なサインであり、確認できれば粉瘤を疑う一つの根拠になります。次に、しこりは比較的表面に近い場所にあり、押すと少し動く感覚があります。痛みは通常ありませんが、細菌感染を起こすと炎症が生じ、赤く腫れて痛みが出ることがあります(炎症性粉瘤)。
炎症を起こした粉瘤は、見た目がニキビや膿瘍に似ているため、自己判断で押しつぶしたり、針で刺して内容物を出したりしようとする方もいますが、これは感染を悪化させる原因になるため避けるべきです。また、無理に内容物を押し出しても嚢腫の袋自体が残っているため、再発するのが一般的です。
粉瘤そのものは悪性化することはほとんどありませんが、自然に消えることもなく、放置すれば徐々に大きくなる傾向があります。根本的な治療としては、外科的切除(嚢腫ごと摘出する手術)が必要です。炎症がない状態であれば、局所麻酔下での日帰り手術で対応できることが多く、治療も比較的シンプルです。
✨ リンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)について
耳の付け根にできるしこりの原因として、リンパ節の腫れも非常に多く見られます。耳の周辺には、耳前リンパ節・耳後(乳様突起)リンパ節・顎下リンパ節・頸部リンパ節など、多数のリンパ節が集まっています。これらが何らかの原因で腫れると、しこりとして感じられることがあります。
リンパ節が腫れる原因は大きく、感染症によるもの、炎症性疾患によるもの、腫瘍(転移性・原発性)によるものに分けられます。
感染症によるリンパ節腫脹は最もよく見られるものです。風邪(上気道炎)、扁桃炎、中耳炎、外耳道炎、歯周病、皮膚の感染症(とびひ、毛嚢炎など)、伝染性単核球症(EBウイルス感染症)などが代表的です。感染症に伴うリンパ節腫脹では、しこりが押すと痛いことが多く、発熱や喉の痛みなど他の症状を伴うことがほとんどです。原因となっている感染症が治まれば、リンパ節の腫れも自然に引いていくことが多いです。
一方、痛みがない、あるいは少ない状態でリンパ節が腫れ続けている場合は、腫瘍性の原因も考える必要があります。悪性リンパ腫(リンパ節自体にできるがん)や、頭頸部がん(口腔がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がんなど)のリンパ節転移が代表例です。ただし、こうした悪性疾患が原因のリンパ節腫脹は相対的にまれであり、多くの場合は感染症によるものです。
リンパ節腫脹の特徴としては、しこりが比較的柔らかく、押すと少し動く(可動性がある)ことが多いです。悪性の場合は硬く、周囲に癒着して動かないこともあります。また、複数のリンパ節が同時に腫れている(複数のしこりがある)場合は、感染症の可能性が高い一方で、リンパ腫や転移性腫瘍の可能性も念頭に置く必要があります。
Q. 耳の付け根のしこりで受診すべき症状は何ですか?
耳の付け根のしこりが2〜4週間以上消えない場合、急速に大きくなっている場合、硬くて動かない場合、痛みや発熱を伴う場合、顔面神経麻痺や体重減少などの全身症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されます。
🔍 耳下腺・耳介周囲の腫瘍について
耳の付け根の前方から下方にかけては、耳下腺(じかせん)という唾液腺が位置しています。耳下腺は顔の側面から顎の方向にかけて広がる比較的大きな腺で、ここに腫瘍が生じることもあります。
耳下腺腫瘍の約80%は良性とされており、その中で最も多いのが多形性腺腫(たけいせいせんしゅ)です。多形性腺腫はゆっくりと成長するしこりで、表面が滑らかで硬く、可動性があることが多いです。痛みがないことが特徴で、数年かけて徐々に大きくなることもあります。まれに悪性化することがあるため、発見された場合は経過観察または手術が必要です。
ワルチン腫瘍(腺リンパ腫)も耳下腺によく見られる良性腫瘍の一つです。喫煙者に多く、両側性に発生することもあります。多形性腺腫に比べて柔らかめで、押すと少し弾力がある感触がします。
耳下腺腫瘍の約20%は悪性腫瘍(耳下腺がん)です。悪性腫瘍の場合は、しこりが急速に大きくなる、硬い、皮膚に固着している、顔面神経麻痺(顔の表情筋が動かなくなる)を伴うなどの特徴が見られることがあります。ただし、良性腫瘍か悪性腫瘍かを症状だけで判断することは難しいため、しこりに気づいたら専門医による評価が重要です。
また、耳介そのものや耳介周囲の皮膚にできる腫瘍として、皮膚がん(基底細胞がん、扁平上皮がん、悪性黒色腫)も考えられます。耳は紫外線を受けやすい部位であり、長年にわたる紫外線暴露が発症のリスク因子になり得ます。
💪 その他のしこりの原因
耳の付け根にできるしこりには、上記以外にもさまざまな原因が考えられます。
脂肪腫は、皮下脂肪組織が異常増殖して生じる良性の腫瘍です。柔らかく、押すとぐにゅっとした弾力があり、表面は滑らかです。痛みはほとんどなく、ゆっくりと大きくなることがあります。悪性化することはほとんどなく、見た目や大きさが気になる場合は手術で摘出できます。
ニキビや毛嚢炎は、皮膚の毛穴に皮脂や細菌が詰まって炎症が起きた状態です。耳の付け根の皮膚にも毛穴があるため、こうした皮膚トラブルが生じることがあります。赤みや痛みを伴い、比較的表面にあることが多いです。適切なスキンケアや場合によっては抗菌薬の使用で改善することが多いです。
石灰化上皮腫(毛母腫)は、毛包の細胞から生じる良性の皮下腫瘍です。石灰化(石灰が沈着)しているため、触ると硬く、ゴツゴツした感触があることが特徴です。若年者に多く、顔・頸部・上肢などに生じやすいですが、耳の周囲にも発生することがあります。
副耳(ふくじ)は、先天性の異常で耳の前方に余分な皮膚や軟骨の突起が生じるものです。生まれながらに存在することが多く、成長とともに目立つようになることもあります。副耳自体は機能的な問題はほとんどありませんが、外見上の理由から手術で切除することが可能です。
さらに、耳介血腫(耳介の軟骨膜と軟骨の間に血液が溜まる状態)、耳介軟骨炎(耳の軟骨の感染症)、ケロイド(ピアスの穴などの傷跡が過剰に盛り上がったもの)なども、耳の付け根や耳周囲のしこりとして認識されることがあります。
🎯 しこりの特徴から原因を見分けるポイント
しこりの原因を完全に見分けることは専門家でも難しいですが、いくつかのポイントを確認することで、おおよその見当をつける参考になります。以下に主なチェックポイントをまとめました。
硬さについて確認してみましょう。柔らかくぷよぷよしている場合は脂肪腫の可能性があります。ゴムのような弾力がある場合は粉瘤や耳下腺腫瘍が考えられます。石のように硬い場合は石灰化上皮腫や悪性腫瘍の可能性もあります。一般的に、悪性腫瘍は良性腫瘍に比べて硬いことが多いとされていますが、これだけで判断することはできません。
動きやすさ(可動性)についても確認が重要です。押すと動く(可動性あり)場合は、粉瘤・脂肪腫・リンパ節腫脹などの良性疾患が多いです。周囲に固着して動かない場合は、悪性腫瘍や炎症による癒着が疑われます。
痛みの有無も重要な情報です。押すと痛い場合は炎症性のもの(炎症性粉瘤、感染によるリンパ節腫脹、毛嚢炎など)が多いです。痛みがない場合は、粉瘤(非炎症期)・脂肪腫・耳下腺腫瘍・悪性腫瘍などが考えられます。悪性腫瘍では痛みがないことも多いため、「痛みがないから安心」とは言い切れません。
大きさと変化のスピードも重要な指標です。急速に大きくなる場合は感染症による炎症や悪性腫瘍の可能性があります。ゆっくりと成長する場合は良性腫瘍(粉瘤・脂肪腫・耳下腺腫瘍)が多いです。数日で縮小する場合はリンパ節の一時的な腫れ(感染症に伴うもの)の可能性があります。
全身症状の有無も確認しましょう。発熱・喉の痛み・鼻水などの感染症状を伴う場合はリンパ節腫脹(感染症由来)が疑われます。体重減少・倦怠感・寝汗などを伴う場合は悪性リンパ腫なども考慮する必要があります。
しこりの中央に黒い点(毛穴の開口部)が見える場合は粉瘤が強く疑われます。皮膚の色調変化(黒ずみ・赤み)がある場合は皮膚がんやケロイドなどが考えられます。
Q. 粉瘤を自分で潰してはいけない理由は何ですか?
粉瘤を自分で押しつぶしたり針で刺したりすると、細菌感染を悪化させるリスクがあります。また、内容物を出しても皮膚内に嚢腫の袋が残るため、ほとんどの場合再発します。根本的な治療には、医療機関での嚢腫ごと摘出する外科的切除手術が必要です。

💡 受診が必要なサインとは
耳の付け根にしこりができた場合、すべてのケースですぐに受診が必要というわけではありませんが、以下のような状態に当てはまる場合は、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
しこりが2〜4週間以上経っても消えない場合は受診の目安です。感染症に伴うリンパ節の腫れは、原因が治まれば数週間以内に縮小することが多いです。それ以上続く場合は、別の原因を考える必要があります。
しこりが急速に大きくなっている場合も注意が必要です。数日〜数週間で明らかに大きくなっている場合は、感染症の急性増悪や悪性腫瘍の可能性を考えて受診しましょう。
しこりが硬く、周囲に固着している(動かない)場合は悪性腫瘍の特徴の一つです。この場合は早急な評価が必要です。
痛みや赤み・熱感が強い場合は炎症または感染の可能性があり、放置すると悪化することがあります。特に発熱を伴う場合は早めに受診してください。
複数のしこりが同時にある場合は、リンパ腫や感染症など全身的な原因を考える必要があります。
顔面神経麻痺の症状(目が閉じにくい、口角が下がるなど)を伴う場合は、耳下腺の悪性腫瘍が顔面神経に影響している可能性があり、緊急性が高い症状です。
体重の急激な減少・原因不明の発熱・寝汗などの全身症状を伴う場合は、悪性リンパ腫などの全身性疾患を考慮する必要があります。
以前と比べて皮膚の色が変わった・形が不整形になったなど、皮膚の変化を伴う場合は皮膚がんなどの可能性を検討する必要があります。
逆に、しこりが小さく(1cm以下程度)、押すと動く、痛みがなく変化していない、感冒や感染症の後に気づいた、という場合は、まずは1〜2週間経過を見て変化がないか確認してみても良い場合もあります。ただし、心配な場合はためらわずに受診することをお勧めします。
📌 何科を受診すればよいか
耳の付け根のしこりについては、受診する診療科に迷う方も多いかと思います。原因によって適切な診療科が異なりますが、以下を参考にしてください。
まずかかりつけ医(内科・家庭医)への相談が最もアクセスしやすい選択肢です。初期評価を行い、必要に応じて専門科へ紹介してもらうことができます。
耳鼻咽喉科は、耳の付け根のしこりに対して最も専門性が高い診療科の一つです。耳・鼻・喉・頸部のリンパ節・耳下腺・顎下腺などを専門としており、耳周囲のしこりについて幅広く対応してもらえます。耳鼻咽喉科の中でも「頭頸部外科」を標榜しているクリニックや病院は、耳下腺腫瘍・頭頸部がんの診療について特に経験が豊富です。
皮膚科は、粉瘤・脂肪腫・ニキビ・毛嚢炎・皮膚がんなど、皮膚に関連したしこりに対応しています。しこりが皮膚の表面に近く、皮膚疾患が疑われる場合は皮膚科への受診が適しています。
形成外科・美容外科は、粉瘤・脂肪腫・副耳・ケロイドなどの手術的治療を専門としています。良性の皮下腫瘍の摘出手術を希望する場合は、形成外科を受診するのも一つの選択肢です。
外科(一般外科)も粉瘤や脂肪腫などの摘出手術に対応しており、近くに専門科がない場合の選択肢として有効です。
血液内科は、悪性リンパ腫が疑われる場合に専門的な診療を行います。他の専門科からの紹介によって受診するケースが多いです。
迷った場合は、まず耳鼻咽喉科か皮膚科、またはかかりつけ医に相談するのがスムーズです。
✨ 診察・検査の流れ
耳の付け根のしこりで受診した際には、どのような診察や検査が行われるのか、事前に知っておくと安心です。
問診では、しこりに気づいたのはいつか、大きさや硬さに変化があるか、痛みはあるか、発熱などの全身症状はあるか、最近感冒や感染症にかかったか、ピアスや外傷の有無、喫煙・飲酒の習慣、既往歴などを聞かれます。これらの情報が診断の重要な手がかりになります。
視診・触診では、しこりの大きさ・形・硬さ・可動性・皮膚との癒着・圧痛の有無などを確認します。耳鼻科では耳の内部(外耳道・鼓膜)、口・喉・鼻などの確認も同時に行われます。
超音波検査(エコー検査)は、しこりの内部構造を非侵襲的に確認できる有用な検査です。しこりが液体成分を含むのか固形なのか、血流はあるのか、周囲のリンパ節の状態はどうかなどを確認できます。外来で簡単に行える検査であり、しこりの初期評価として非常によく使用されます。
CT検査・MRI検査は、しこりの詳細な位置や周囲組織との関係を確認するために行われます。特に、耳下腺腫瘍や悪性腫瘍が疑われる場合、手術前の評価として重要です。MRIは軟部組織のコントラスト分解能が高く、耳下腺腫瘍の評価に優れています。
血液検査は、感染症(炎症反応の確認、EBウイルスや他のウイルス感染の確認)や全身状態の評価として行われます。
細胞診・組織生検は、針を刺してしこりから細胞や組織を採取し、顕微鏡で確認する検査です。良性か悪性かを最終的に診断するために必要な場合があります。細針吸引細胞診(FNA)は、細い針で行うため比較的侵襲が少なく、外来でも実施可能です。より正確な診断が必要な場合は、コア針生検や切開生検が行われることもあります。
Q. 耳の付け根のしこりは何科を受診すればよいですか?
耳の付け根のしこりは、耳鼻咽喉科または皮膚科への受診が適しています。耳鼻咽喉科はリンパ節・耳下腺など耳周囲のしこり全般に対応し、皮膚科は粉瘤・脂肪腫・ニキビなど皮膚に近いしこりを専門とします。判断に迷う場合はかかりつけ医への相談が最初のステップとして有効です。
🔍 治療方法について

耳の付け根のしこりに対する治療は、原因によって大きく異なります。
粉瘤(アテローム)の治療は手術による摘出が基本です。炎症がない時期であれば、局所麻酔下で嚢腫を丸ごと切除する手術が行われます。日帰り手術で対応できることがほとんどで、手術時間は病変の大きさにもよりますが、30分以内で終わることが多いです。炎症を起こしている場合は、まず抗菌薬の投与や切開排膿を行い、炎症が落ち着いてから根治のための摘出手術を行います。炎症が残ったままの状態で切除しようとすると、出血が多かったり、嚢腫の袋が完全に取れなかったりすることがあるため、時期を見極めることが重要です。
リンパ節腫脹の治療は原因によって異なります。感染症に伴うものであれば、原因疾患(扁桃炎・中耳炎など)の治療を行えば、自然に縮小することがほとんどです。細菌感染の場合は抗菌薬が使用されます。悪性リンパ腫が原因の場合は、化学療法・放射線療法などが中心となります。転移性リンパ節の場合は、原発巣の治療が優先されます。
耳下腺腫瘍の治療は手術(耳下腺摘出術)が標準的です。良性腫瘍の場合は腫瘍を含む耳下腺の一部または全部を切除します。この手術では顔面神経の保護が重要であり、経験のある頭頸部外科医が担当します。術後に一時的な顔面神経麻痺が生じることがありますが、多くの場合は回復します。悪性腫瘍の場合は、手術に加えて放射線療法や化学療法を組み合わせることがあります。
脂肪腫の治療は、症状がない場合は経過観察でも構いませんが、大きくなる・見た目が気になる・周囲の組織を圧迫するなどの場合は手術で摘出します。局所麻酔下での外来手術で対応できることがほとんどです。
ニキビ・毛嚢炎の治療は、まずスキンケアの見直しや抗菌薬(外用・内服)が基本です。膿が溜まっている場合は切開排膿を行うこともあります。繰り返す場合は、皮膚科での専門的なケアが有効です。
ケロイドの治療は、ステロイドの局所注射・圧迫療法・シリコンジェルシートの使用・冷凍療法・放射線療法など、複数の方法があります。治療に抵抗性を示すことも多く、専門医との相談の上で方針を決めることが重要です。
💪 日常生活での注意点
耳の付け根にしこりがある場合、日常生活でいくつかの点に注意することで、悪化を防いだり経過を把握しやすくなったりします。
しこりを無理に押さない・刺さないことが大切です。粉瘤などを自分で潰そうとすると、感染を広げたり、炎症を悪化させたりするリスクがあります。また、嚢腫の袋が残るため再発することがほとんどです。
耳周囲の清潔を保つことも重要です。耳の付け根は汗や皮脂が溜まりやすく、衛生状態が悪いと感染リスクが高まります。入浴時に優しく洗い、清潔を保つようにしましょう。ただし、過度な刺激は避けてください。
しこりの変化を記録しておくことをお勧めします。大きさや硬さ、痛みの有無などを定期的に確認し、変化があればその内容を記録しておくと、受診時に医師へ的確な情報を伝えられます。スマートフォンで写真を撮っておくのも有効です。
紫外線対策も意識しましょう。耳の付け根や耳周囲は紫外線を受けやすい部位です。長時間屋外にいる場合は、帽子の着用や日焼け止めの使用を心がけることで、皮膚がんのリスクを低減できます。
ピアスについても注意が必要です。ピアスの穴からの感染や、体質によってはケロイドが形成されることがあります。感染の兆候(赤み・腫れ・分泌物)がある場合は、ピアスを外して医療機関を受診してください。ケロイドができやすい体質の方は、ピアス装着自体を慎重に考える必要があります。
喫煙については、耳下腺腫瘍(特にワルチン腫瘍)のリスク因子とされています。禁煙は全身の健康にもつながるため、禁煙支援を積極的に活用することをお勧めします。
経過観察中であっても、「以前より大きくなった」「痛みが出てきた」「発熱した」などの変化があれば、早めに再受診するようにしましょう。「少し前から気になっていたが、様子を見ているうちに大きくなってしまった」というケースも少なくないため、気になることがあれば早めに専門家に相談することが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の付け根のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが、粉瘤やリンパ節腫脹など良性の原因であることがほとんどですが、中には耳下腺腫瘍など専門的な治療が必要なケースも見受けられます。「痛みがないから大丈夫」と自己判断で長期間様子を見てしまう方も少なくないため、2〜4週間以上しこりが続く場合や、急に大きくなってきた場合は、どうぞお気軽に早めにご相談ください。原因を正確に診断したうえで、患者様一人ひとりに合った最適な治療方針をご提案できるよう、丁寧に対応してまいります。」
🎯 よくある質問
しこりが2〜4週間以上経っても消えない場合は受診の目安です。また、急速に大きくなっている、硬くて動かない、痛みや発熱を伴うといった場合は、期間にかかわらず早めに医療機関を受診してください。心配な場合はためらわずにご相談することをお勧めします。
耳鼻咽喉科または皮膚科への受診が適しています。耳鼻咽喉科はリンパ節や耳下腺など耳周囲のしこり全般に対応でき、皮膚科は粉瘤・脂肪腫・ニキビなど皮膚に近いしこりに対応しています。迷った場合はかかりつけ医に相談するのが最初のステップとして有効です。
自分で潰すことは避けてください。無理に押しつぶしたり針で刺したりすると、感染を悪化させるリスクがあります。また、内容物を出しても嚢腫の袋が残るため、ほとんどの場合再発します。根本的な治療には医療機関での外科的切除が必要です。
多くの場合は粉瘤やリンパ節腫脹など良性の原因によるものです。ただし、まれに悪性腫瘍が隠れていることもあります。硬くて動かない、急速に大きくなる、顔面神経麻痺や体重減少を伴うといった場合は悪性の可能性も考慮し、早めに専門医の評価を受けることが重要です。
原因によって異なります。粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍は局所麻酔による日帰り手術で対応できることが多く、比較的シンプルな治療です。一方、感染症によるリンパ節腫脹は原因疾患の治療で自然に縮小することがほとんどです。まずは正確な診断を受けたうえで、適切な治療方針を専門医と相談しましょう。
💡 まとめ
耳の付け根にできるしこりの原因は、粉瘤・リンパ節腫脹・耳下腺腫瘍・脂肪腫・ニキビ・毛嚢炎・ケロイドなど非常に多岐にわたります。多くの場合は良性のものですが、まれに悪性疾患が隠れていることもあるため、自己判断だけで長期間放置することは避けた方が安心です。
しこりが2〜4週間以上消えない、急速に大きくなっている、硬くて動かない、顔面麻痺や体重減少などの症状を伴うといった場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。受診先としては耳鼻咽喉科・皮膚科・形成外科などが適しており、迷った場合はかかりつけ医に相談するのが最初のステップとして有効です。
治療方法は原因によって異なりますが、粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍は日帰り手術で対応できることも多く、適切な診断と治療によって多くのケースで改善が期待できます。耳の付け根のしこりに気づいたら、まず専門家に診てもらい、原因を正確に把握することが大切です。自己判断での放置や無理な処置は避け、適切な医療機関での評価を受けることをお勧めします。
📚 関連記事
- 新宿で粉瘤を形成外科で治すなら|手術・治療法・費用を解説
- 顔の粉瘤を除去したい方へ|新宿で治療を受ける前に知っておきたいこと
- 粉瘤は保険適用で治療できる?新宿で受けられる手術の費用と流れを解説
- 粉瘤のくりぬき法とは?新宿で受けられる治療の特徴と流れを解説
- ニキビ治療は新宿の皮膚科へ|原因・種類・治療法を徹底解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫・アテローム)、脂肪腫、皮膚がん(基底細胞がん・扁平上皮がん・悪性黒色腫)、ケロイドなど皮膚由来のしこりに関する診断基準・治療ガイドラインの参照
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・副耳・ケロイド・石灰化上皮腫など耳周囲に生じる良性皮下腫瘍の外科的治療法(摘出手術・切開排膿など)および形成外科的処置に関する情報の参照
- 厚生労働省 – 耳下腺腫瘍・悪性リンパ腫・頭頸部がん(口腔がん・咽頭がん・喉頭がん)などのがん種に関する基本情報、受診勧奨の目安および国内のがん対策に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
