高齢者の誤嚥性肺炎の初期症状とは?見逃しやすいサインと予防法を解説

誤嚥性肺炎は、高齢者に多く発症する肺炎の一種で、食べ物や唾液などが誤って気管に入ることで起こります。日本人の死因の上位を占める疾患であり、特に75歳以上の高齢者では肺炎の約7割が誤嚥性肺炎といわれています。しかし、高齢者の誤嚥性肺炎は典型的な肺炎の症状が現れにくく、初期症状を見逃してしまうケースが少なくありません。本記事では、高齢者の誤嚥性肺炎の初期症状について詳しく解説し、早期発見のポイントや予防法についてお伝えします。ご家族の介護をされている方や、高齢者の健康管理に携わる方はぜひ参考にしてください。

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目次

  1. 誤嚥性肺炎とは
  2. 高齢者に誤嚥性肺炎が多い理由
  3. 高齢者の誤嚥性肺炎の初期症状
  4. 見逃しやすい誤嚥性肺炎のサイン
  5. 誤嚥性肺炎の診断方法
  6. 誤嚥性肺炎の治療法
  7. 誤嚥性肺炎を予防するために
  8. 誤嚥性肺炎が疑われるときの対応
  9. よくある質問
  10. まとめ

この記事のポイント

高齢者の誤嚥性肺炎は発熱・咳が出にくく、食欲低下・活動性低下・意識変化などが初期症状となりやすい。口腔ケア・食事姿勢の改善・嚥下体操が予防に有効で、いつもと違う様子があれば早期受診が重要。

🎯 誤嚥性肺炎とは

誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液、胃液などが誤って気管や肺に入り込むことによって引き起こされる肺炎です。通常、私たちが食事をするとき、食べ物は食道を通って胃に送られます。このとき、喉頭蓋という蓋のような組織が気管の入り口を塞ぎ、食べ物が気管に入らないようにしています。しかし、この仕組みがうまく働かなくなると、食べ物や唾液が気管に入り込んでしまいます。これを誤嚥といいます。

誤嚥そのものは健康な人でも起こることがありますが、通常は咳反射によって異物を排出することができます。しかし、加齢や疾患によって免疫力や咳反射が低下していると、誤嚥した物質に含まれる細菌が肺で増殖し、肺炎を引き起こします。これが誤嚥性肺炎です。

🔸 誤嚥性肺炎の種類

誤嚥性肺炎には、大きく分けて2つのタイプがあります。1つ目は、食事中や食後に食べ物や飲み物を誤嚥することで起こる顕性誤嚥です。むせや咳き込みを伴うことが多く、誤嚥したことに気づきやすいのが特徴です。2つ目は、睡眠中などに唾液や胃液を誤嚥することで起こる不顕性誤嚥です。本人も周囲も誤嚥に気づかないまま肺炎を発症するため、発見が遅れやすいという問題があります。高齢者では、この不顕性誤嚥による肺炎が多いとされています。

Q. 高齢者の誤嚥性肺炎の初期症状にはどんなものがありますか?

高齢者の誤嚥性肺炎では、発熱や咳などの典型的な症状が出にくい点が特徴です。代わりに、食欲低下、倦怠感、活動性の低下、意識がぼんやりするといった非特異的な症状として現れやすいため、「いつもと様子が違う」という変化を見逃さないことが早期発見の鍵となります。

📋 高齢者に誤嚥性肺炎が多い理由

誤嚥性肺炎は高齢者に特に多く発症します。その背景には、加齢に伴うさまざまな身体機能の低下が関係しています。ここでは、高齢者に誤嚥性肺炎が多い理由について詳しく見ていきましょう。

🦠 嚥下機能の低下

嚥下とは、食べ物を口から胃まで送り込む一連の動作のことです。嚥下には、舌、喉、食道などの筋肉が協調して働く必要があります。しかし、加齢とともにこれらの筋肉が衰えると、嚥下のタイミングがずれたり、食べ物を送り込む力が弱くなったりします。その結果、食べ物が気管に入りやすくなり、誤嚥のリスクが高まります。

💧 咳反射の低下

健康な人であれば、異物が気管に入ると反射的に咳が出て、異物を排出しようとします。しかし、高齢者では加齢や脳血管障害などの影響で咳反射が弱くなっていることがあります。咳反射が低下すると、誤嚥しても気づかないまま異物が肺に到達してしまい、肺炎を引き起こす原因となります。

⚡ 免疫力の低下

高齢になると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。若い人であれば、多少の細菌が肺に入っても免疫システムによって排除されますが、高齢者では細菌を十分に排除できず、肺炎に発展しやすくなります。また、低栄養状態や持病の影響で免疫力がさらに低下している場合は、より一層注意が必要です。

✨ 口腔内の衛生状態

口腔内には多くの細菌が存在しており、口腔ケアが不十分だと細菌が増殖します。高齢者では唾液の分泌量が減少し、口腔内の自浄作用が低下するため、細菌が繁殖しやすい環境になります。この細菌を含んだ唾液を誤嚥すると、肺炎の原因となります。

🏥 基礎疾患の影響

脳卒中やパーキンソン病、認知症などの神経疾患を持つ高齢者は、嚥下機能や咳反射が障害されやすく、誤嚥性肺炎のリスクが高くなります。また、糖尿病や慢性呼吸器疾患、心疾患などの持病がある場合も、肺炎が重症化しやすい傾向があります。


🏥 基礎疾患の影響


🎯 高齢者の誤嚥性肺炎の初期症状

誤嚥性肺炎の初期症状を知っておくことは、早期発見・早期治療につながる重要なポイントです。しかし、高齢者の場合は典型的な肺炎の症状が現れにくいことがあり、注意が必要です。ここでは、高齢者に見られる誤嚥性肺炎の初期症状について解説します。

🌡️ 発熱

肺炎の代表的な症状の1つが発熱です。細菌感染に対する身体の防御反応として体温が上昇します。しかし、高齢者では免疫反応が弱いため、感染していても高熱が出ないことがあります。37度台の微熱程度にとどまったり、平熱のままであったりすることも珍しくありません。普段の体温よりも少し高い状態が続く場合は、肺炎の可能性を考える必要があります。

💨 咳・痰

咳や痰も肺炎の典型的な症状です。誤嚥性肺炎では、黄色や緑色の痰が出ることがあります。しかし、高齢者では咳反射が低下しているため、咳があまり出ないこともあります。また、痰を自力で排出できず、喉の奥でゴロゴロと音がする程度にとどまることもあります。食事中や食後にむせることが増えた場合は、誤嚥が起きているサインかもしれません。

🫁 呼吸の変化

誤嚥性肺炎になると、肺の機能が低下して呼吸に変化が現れることがあります。息切れや呼吸が速くなる、安静にしていても息苦しそうにしているなどの症状が見られた場合は注意が必要です。高齢者の場合、本人が息苦しさを訴えないこともあるため、周囲の人が呼吸の様子を観察することが大切です。

🍽️ 食欲低下

肺炎を発症すると、全身の倦怠感や食欲不振が現れることがあります。高齢者で急に食事量が減った、食べる意欲がなくなったという場合は、何らかの体調不良のサインである可能性があります。誤嚥性肺炎の初期症状として食欲低下が現れることもあるため、見逃さないようにしましょう。

😴 倦怠感・だるさ

何となく元気がない、いつもより活動性が低下している、ぼんやりしている時間が増えたなどの症状も、誤嚥性肺炎の初期に見られることがあります。高齢者は体調の変化を言葉で表現することが難しい場合もあるため、普段の様子との違いに気を配ることが重要です。

Q. むせない誤嚥でも肺炎になる可能性はありますか?

はい、むせを伴わない「不顕性誤嚥」でも誤嚥性肺炎は発症します。特に高齢者では睡眠中に唾液や胃液を誤嚥するケースが多く、本人も周囲も気づかないまま肺炎が進行することがあります。口腔内の細菌を減らすための日常的な口腔ケアが、不顕性誤嚥による肺炎の予防に有効です。

⚠️ 見逃しやすい誤嚥性肺炎のサイン

高齢者の誤嚥性肺炎は、典型的な肺炎の症状が出にくいため、見逃されやすいという特徴があります。ここでは、見逃しやすい誤嚥性肺炎のサインについて詳しく解説します。ご家族や介護者の方は、以下のような変化に注意してください。

🧠 意識レベルの変化

高齢者が誤嚥性肺炎を発症すると、意識がぼんやりする、反応が鈍くなる、傾眠傾向になるなどの症状が現れることがあります。これは肺炎による低酸素状態や全身状態の悪化が原因です。認知症がある方の場合、認知症の悪化と誤解されることもありますが、急に意識状態が変化した場合は肺炎を含めた身体疾患を疑う必要があります。

🌀 せん妄

せん妄とは、急性の意識障害の一種で、注意力の低下、見当識障害、幻覚などの症状が現れます。高齢者が肺炎などの感染症にかかると、せん妄を発症することがあります。夜間に落ち着きがなくなる、つじつまの合わないことを言う、実際にはないものが見えると訴えるなどの症状が見られた場合は、身体的な問題が背景にある可能性を考えましょう。

📉 活動性の低下

普段は自分で歩いていた人が急に歩けなくなった、ベッドから起き上がる気力がない、趣味や好きなことへの関心がなくなったなどの変化も、誤嚥性肺炎のサインである可能性があります。高齢者の場合、肺炎の症状が咳や発熱ではなく、活動性の低下として現れることがあるためです。

⏰ 食事時間の延長

嚥下機能が低下している高齢者では、食事に時間がかかるようになります。以前は30分程度で食べ終わっていたのに、1時間以上かかるようになった、食事中に疲れてしまう、口の中に食べ物を溜め込んでなかなか飲み込まないといった変化は、嚥下障害のサインです。嚥下障害がある状態で食事を続けると、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

🗣️ 声の変化

食後に声がガラガラになる、湿った声になるという変化は、喉に食べ物や唾液が残っていることを示唆しています。これは嚥下機能の低下を示すサインであり、誤嚥が起きている可能性があります。また、食事と関係なく声がかすれる、声が出にくくなるといった変化も、嚥下に関わる筋肉や神経の問題を反映していることがあります。

⚖️ 体重減少

嚥下障害があると、十分な食事量を摂取できなくなり、徐々に体重が減少することがあります。また、誤嚥性肺炎を繰り返していると、体力が消耗し、さらに体重減少が進みます。急激な体重減少は、何らかの健康問題を示すサインですので、注意が必要です。

📊 SpO2(酸素飽和度)の低下

パルスオキシメーターで測定できるSpO2(酸素飽和度)は、血液中の酸素の量を示す指標です。通常は96%以上ですが、肺炎になると肺でのガス交換がうまくいかなくなり、SpO2が低下することがあります。在宅で介護をしている場合、パルスオキシメーターを用意しておくと、体調変化の早期発見に役立ちます。SpO2が93%以下に低下している場合は、医療機関への受診を検討しましょう。

🔍 誤嚥性肺炎の診断方法

誤嚥性肺炎が疑われる場合、医療機関ではさまざまな検査を行って診断を確定します。ここでは、誤嚥性肺炎の診断に用いられる主な検査方法について解説します。

📌 問診・身体診察

まず、医師は症状の経過や食事の様子、むせの有無などについて詳しく聞き取りを行います。また、聴診器を使って肺の音を確認します。肺炎がある場合、呼吸音に異常が聞かれることがあります。発熱や呼吸数、脈拍、血圧などのバイタルサインも確認します。

🩸 血液検査

血液検査では、炎症の程度を示すCRP(C反応性タンパク)や白血球数などを調べます。これらの数値が上昇している場合は、体内で感染や炎症が起きていることを示唆します。また、腎機能や肝機能、電解質なども確認し、全身状態を評価します。

📸 胸部X線検査(レントゲン)

胸部X線検査は、肺炎の診断に欠かせない検査です。肺炎がある場合、肺に白い影が写ります。誤嚥性肺炎では、誤嚥した物質が重力で落ちやすい場所、つまり右肺の下葉や両肺の背側に病変が見られることが多いとされています。

🔍 CT検査

胸部X線検査では分かりにくい場合や、より詳細な評価が必要な場合には、CT検査を行うことがあります。CT検査では、肺の断面画像を撮影することで、病変の広がりや性状をより正確に把握できます。

🍽️ 嚥下機能検査

誤嚥性肺炎の原因となる嚥下機能の低下を評価するために、嚥下機能検査を行うことがあります。代表的なものに、嚥下造影検査(VF)と嚥下内視鏡検査(VE)があります。嚥下造影検査では、バリウムなどの造影剤を含んだ食品を飲み込む様子をX線で撮影し、嚥下の過程を確認します。嚥下内視鏡検査では、鼻から細い内視鏡を挿入し、喉の動きを直接観察します。これらの検査により、誤嚥の有無や嚥下機能の状態を詳しく評価できます。

Q. 誤嚥性肺炎を家庭で予防する具体的な方法は何ですか?

誤嚥性肺炎の家庭での主な予防策は4つです。①毎食後の歯磨き・うがいによる口腔ケアの徹底、②食材をやわらかくする・とろみをつけるなど食形態の工夫、③食事中はやや前かがみで座り食後30分は横にならない姿勢管理、④食前に首や舌を動かす嚥下体操の実施、が効果的とされています。

💊 誤嚥性肺炎の治療法

誤嚥性肺炎と診断された場合、適切な治療を行うことで多くの場合は回復が期待できます。ただし、高齢者や基礎疾患のある方では重症化しやすいため、早期の治療開始が重要です。ここでは、誤嚥性肺炎の主な治療法について解説します。

💉 抗菌薬療法

誤嚥性肺炎の治療の中心は、抗菌薬(抗生物質)の投与です。誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が原因となることが多いため、口腔内常在菌に効果のある抗菌薬が選択されます。軽症の場合は内服薬で治療できることもありますが、重症の場合は入院して点滴で抗菌薬を投与します。通常、1〜2週間程度の治療で改善が見られますが、高齢者では回復に時間がかかることもあります。

🫁 酸素療法

肺炎によって血液中の酸素濃度が低下している場合は、酸素療法を行います。鼻カニューレや酸素マスクを使って酸素を投与し、体内の酸素濃度を維持します。重症の場合は、人工呼吸器による呼吸管理が必要になることもあります。

🍎 栄養管理

誤嚥性肺炎の急性期には、誤嚥を防ぐために一時的に絶食とすることがあります。この間は、点滴で水分や栄養を補給します。肺炎が改善してきたら、嚥下機能の評価を行い、安全に食べられる食形態から徐々に食事を再開します。嚥下機能が著しく低下している場合は、経管栄養(胃瘻や経鼻胃管)を検討することもあります。

🏃‍♂️ リハビリテーション

誤嚥性肺炎の治療において、リハビリテーションは重要な役割を果たします。呼吸リハビリテーションでは、痰の排出を促し、肺機能の回復を助けます。また、嚥下リハビリテーションでは、嚥下に関わる筋肉のトレーニングや、安全に食事を摂るための練習を行います。早期からリハビリテーションを開始することで、寝たきりを防ぎ、日常生活への復帰を促進します。

🦷 口腔ケア

治療中も口腔ケアは非常に重要です。口腔内の細菌を減らすことで、新たな誤嚥性肺炎の発症を予防できます。歯科医師や歯科衛生士による専門的な口腔ケアを受けることも効果的です。

🛡️ 誤嚥性肺炎を予防するために

誤嚥性肺炎は、一度発症すると繰り返しやすい疾患です。また、肺炎を繰り返すたびに全身状態が悪化し、生活の質が低下していきます。そのため、予防が非常に重要です。ここでは、誤嚥性肺炎を予防するための具体的な方法を紹介します。

🦷 口腔ケアの徹底

口腔ケアは、誤嚥性肺炎予防の基本です。毎食後の歯磨きやうがいを習慣化し、口腔内を清潔に保ちましょう。入れ歯を使用している方は、入れ歯の清掃も忘れずに行います。自分で口腔ケアが難しい場合は、介護者がサポートしたり、訪問歯科診療を利用したりすることも検討してください。口腔ケアによって口腔内の細菌数を減らすことで、誤嚥しても肺炎になりにくくなります。

🍽️ 食事の工夫

嚥下機能が低下している方は、食事の形態を工夫することで誤嚥を防ぐことができます。とろみをつける、食材を小さく刻む、やわらかく調理するなどの方法があります。また、水分はむせやすいので、とろみ剤を使ってとろみをつけると飲み込みやすくなります。ただし、食形態の変更は嚥下機能の評価を踏まえて行う必要があるため、言語聴覚士や管理栄養士などの専門家に相談することをおすすめします。

🪑 食事中の姿勢

食事中の姿勢も誤嚥予防に重要です。できるだけ座った姿勢で食事をとり、やや前かがみになると食べ物が食道に入りやすくなります。ベッド上で食事をする場合は、上半身を45度以上起こし、頭部を軽く前に傾けた姿勢が推奨されます。食後もすぐに横にならず、30分から1時間程度は上半身を起こした状態を保つことで、胃の内容物が逆流して誤嚥するリスクを減らせます。

🏃‍♀️ 嚥下体操

食事の前に嚥下体操を行うことで、嚥下に関わる筋肉をほぐし、スムーズに飲み込めるようになります。具体的には、首を回す、肩を上げ下げする、頬を膨らませる、舌を動かすなどの運動があります。毎食前に数分間行うだけでも効果があるとされています。

💪 全身の筋力維持

嚥下機能は全身の筋力と関連しています。日頃から適度な運動を行い、筋力を維持することが誤嚥予防につながります。散歩や体操など、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。正月の運動不足を室内で解消!自宅でできる効果的なエクササイズ10選で、室内でできる運動方法について詳しく解説していますので、参考にしてください。

🚭 禁煙

喫煙は気道の繊毛運動を障害し、気管に入った異物を排出する機能を低下させます。また、肺の免疫機能も低下させるため、誤嚥性肺炎のリスクを高めます。喫煙している方は、禁煙に取り組むことが肺炎予防に効果的です。

💉 肺炎球菌ワクチンの接種

肺炎球菌は、肺炎の原因菌の1つです。高齢者は肺炎球菌ワクチンの定期接種の対象となっており、接種することで肺炎の発症や重症化を予防できる可能性があります。かかりつけ医に相談して、ワクチン接種を検討しましょう。

🏥 基礎疾患の管理

糖尿病や心疾患、呼吸器疾患などの基礎疾患がある方は、これらの疾患をきちんと管理することが肺炎予防につながります。定期的に医療機関を受診し、処方された薬をしっかり服用しましょう。

Q. 誤嚥性肺炎が疑われるとき、すぐに救急受診が必要なサインは?

以下の症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診してください。呼吸が苦しそう・顔色が悪い、唇や爪が紫色になっている、呼びかけに反応しないまたは意識がぼんやりしているケースは、重症肺炎や呼吸不全を示す可能性があります。また、SpO2が93%以下に低下している場合も受診の目安となります。

🚨 誤嚥性肺炎が疑われるときの対応

高齢のご家族に誤嚥性肺炎が疑われる症状が見られた場合、どのように対応すればよいのでしょうか。ここでは、具体的な対応方法について解説します。

⚡ 早めの医療機関受診

発熱、咳、痰、食欲低下、元気がないなどの症状が見られた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。高齢者の肺炎は急速に悪化することがあるため、様子を見すぎないことが大切です。かかりつけ医がある場合は、まずそちらに相談するとよいでしょう。持病の薬が切れた!年末年始に薬がなくなった時の対処法と受診先で、緊急時の対応について詳しく解説していますので、参考にしてください。

📝 受診時に伝えること

医療機関を受診する際は、以下の情報を伝えられるように準備しておくと、診断の助けになります。症状がいつから始まったか、食事中のむせの有無、最近の食事量の変化、普段と比べて気になる変化、服用している薬、既往歴などです。

🚨 緊急性の判断

🚨 緊急度高!以下の症状があればすぐに受診

  • 📌 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
  • 📌 唇や爪が紫色になっている
  • 📌 意識がぼんやりしている、呼びかけに反応しない

これらは重症の肺炎や呼吸不全を示唆するサインです。

🏥 入院が必要な場合

誤嚥性肺炎の重症度によっては、入院治療が必要になることがあります。入院の判断は医師が行いますが、一般的に高齢者や基礎疾患のある方、酸素飽和度が低い方、経口摂取が困難な方などは入院治療の対象となりやすいです。入院中は、抗菌薬の点滴や酸素療法、栄養管理などが行われます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

当院では、ご家族から「高齢の親の様子がいつもと違う」という相談が冬季に特に増加する傾向があります。多くの場合、発熱や咳といった典型的な肺炎症状は軽微で、食欲低下や活動性の減少として現れることが多いです。早期発見が回復の鍵となりますので、少しでも気になることがあれば遠慮なくご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

❓ よくある質問

誤嚥性肺炎は治りますか?

適切な治療を行えば、多くの場合は改善します。ただし、高齢者や基礎疾患のある方では重症化しやすく、回復に時間がかかることもあります。また、一度発症すると再発しやすいため、治療後も予防に努めることが重要です。

誤嚥性肺炎の初期症状はどのくらいで現れますか?

誤嚥から肺炎の症状が現れるまでの期間は、誤嚥した物質の量や種類、本人の免疫状態などによって異なります。数時間から数日で症状が現れることが多いですが、不顕性誤嚥の場合は気づかないうちに進行していることもあります。

むせない誤嚥でも肺炎になりますか?

はい、むせない誤嚥(不顕性誤嚥)でも肺炎になります。むしろ高齢者ではむせない誤嚥が多く、発見が遅れやすいため注意が必要です。睡眠中に唾液を誤嚥していることもあるため、口腔ケアをしっかり行うことが予防につながります。

誤嚥性肺炎を繰り返さないためにはどうすればよいですか?

口腔ケアの徹底、食事形態の工夫、食事中の姿勢の改善、嚥下リハビリテーションの継続などが有効です。また、嚥下機能の評価を受けて、自分に合った予防策を専門家と相談することをおすすめします。

誤嚥性肺炎になりやすい人の特徴はありますか?

高齢者、脳卒中やパーキンソン病などの神経疾患がある方、認知症の方、寝たきりの方、口腔衛生状態が悪い方などが誤嚥性肺炎になりやすいとされています。また、胃食道逆流症がある方も、胃液の誤嚥によって肺炎を起こすリスクがあります。

家庭でできる誤嚥性肺炎のチェック方法はありますか?

食事中のむせ、食後の咳や痰、声の変化、食事時間の延長、体重減少などに注意してください。また、パルスオキシメーターがあれば、SpO2の変化を確認することもできます。普段の様子をよく観察し、変化があれば早めに医療機関に相談しましょう。

✨ まとめ

高齢者の誤嚥性肺炎は、発熱や咳といった典型的な症状が現れにくく、初期症状が見逃されやすいという特徴があります。食欲低下、元気がない、意識がぼんやりするなどの非特異的な症状にも注意を払い、いつもと違う様子があれば早めに医療機関を受診することが大切です。また、口腔ケアの徹底や食事の工夫、適切な姿勢での食事など、日常生活での予防策を継続することで、誤嚥性肺炎のリスクを減らすことができます。ご家族の介護をされている方は、本記事で紹介した初期症状やサインを参考に、日々の健康観察に役立てていただければ幸いです。関連記事として、冬の脱水症状は高齢者に多い?原因・症状・予防法を詳しく解説高齢者の室内低体温症とは?原因・症状・予防法を詳しく解説もあわせてご覧ください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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