目の周りの赤みやかゆみは皮膚科へ|原因と治療法を解説

目の周りに赤みやかゆみが出ると、見た目の気になりやすさだけでなく、日常生活への支障も大きくなります。「化粧品が合わなかっただけかな」と自己判断して市販薬を使い続けても、なかなか改善しないというケースは少なくありません。目の周りの皮膚は顔のなかでも特に薄くデリケートな部位であるため、原因を正しく把握したうえで適切なケアや治療を受けることが大切です。この記事では、目の周りの赤みやかゆみを引き起こす主な原因から、皮膚科での診断・治療の流れ、日常生活でできるセルフケアまでを幅広く解説します。


目次

  1. 目の周りの皮膚の特徴と赤みやかゆみが起こりやすい理由
  2. 目の周りの赤みやかゆみを引き起こす主な原因
  3. 症状から考えられる疾患の種類
  4. 皮膚科を受診すべきサインとは
  5. 皮膚科での診察・検査・治療の流れ
  6. よく使われる治療薬と注意点
  7. 目の周りの症状に対するセルフケアと予防策
  8. コンタクトレンズ使用者が特に気をつけるべきこと
  9. 子どもの目の周りの赤みやかゆみについて
  10. まとめ

この記事のポイント

目の周りの赤みやかゆみはアレルギー・感染症・アトピーなど原因が多様で、自己判断による市販薬の長期使用はステロイドによる眼圧上昇リスクもあるため、1週間以上症状が続く場合は皮膚科を受診し、正確な診断と適切な治療を受けることが重要である。

🎯 1. 目の周りの皮膚の特徴と赤みやかゆみが起こりやすい理由

目の周りの皮膚は、身体のなかでも最も薄い部位のひとつとされています。顔のほかの部位と比べると皮下脂肪が少なく、皮脂腺の数も限られているため、外部からの刺激に対してとても敏感に反応します。また、まばたきという動作を1日に数千回繰り返すことで、皮膚への摩擦や引っ張りが継続的にかかる環境にあります。

さらに、目の周りはアイメイクやスキンケア製品が触れる機会が多い部位です。ファンデーションやアイシャドウ、マスカラ、アイライナーといった製品の成分が皮膚に残留しやすく、クレンジング時の摩擦も加わることで刺激が蓄積されやすい環境が作られています。

皮膚のバリア機能が低下すると、アレルゲンや刺激物質が皮膚内部に侵入しやすくなり、炎症反応が引き起こされます。目の周りはもともとバリア機能が弱い部位であるため、一度炎症が起きると繰り返しやすいという特徴があります。乾燥した季節や花粉の多い時期、免疫力が下がっているときにも症状が悪化しやすくなることを覚えておくとよいでしょう。

Q. 目の周りの皮膚が炎症を起こしやすい理由は?

目の周りの皮膚は体の中でも特に薄く、皮下脂肪や皮脂腺が少ないためバリア機能が弱い部位です。まばたきによる継続的な摩擦に加え、アイメイクやクレンジングの刺激が蓄積しやすく、アレルゲンが侵入しやすい環境にあるため、一度炎症が起きると繰り返しやすい特徴があります。

📋 2. 目の周りの赤みやかゆみを引き起こす主な原因

目の周りに赤みやかゆみが現れる原因は多岐にわたります。大きく分けると、アレルギー性のもの、刺激性のもの、感染症によるもの、体質や内因性のもの、の4つに分類できます。

🦠 アレルギー性の原因

花粉、ハウスダスト、ダニ、ペットの毛などは代表的な吸入アレルゲンです。これらが目の周りの粘膜や皮膚に付着すると、免疫システムが過剰反応し、かゆみや赤みを引き起こすことがあります。花粉症の季節に目の周りが特にひどくなるという方は多く、花粉性の結膜炎と皮膚炎が同時に起きているケースも珍しくありません。

また、化粧品や洗顔料、目薬などに含まれる特定の成分に対してアレルギー反応を起こすこともあります。防腐剤・香料・色素・乳化剤などがアレルゲンになりやすい成分の代表例として知られています。新しいコスメや製品を使い始めてから症状が出た場合は、アレルギー性の接触皮膚炎を疑う必要があります。

👴 刺激性の原因

アレルギー反応ではなく、単純な刺激によって皮膚が炎症を起こす場合もあります。これを刺激性接触皮膚炎と呼びます。目を強くこする習慣、クレンジングの際の過度な摩擦、刺激の強い洗顔料の使用などが原因となります。また、エアコンや乾燥した室内環境も皮膚のバリア機能を低下させる一因となります。

🔸 感染症による原因

細菌や真菌(カビ)、ウイルスによる感染が目の周りの炎症を引き起こすこともあります。まぶたの縁に沿った細菌感染による眼瞼炎、ヘルペスウイルスによる帯状疱疹や単純ヘルペスなどがその代表です。これらは適切な治療を受けなければ症状が長引いたり悪化したりする可能性があるため、早期の受診が重要です。

💧 体質や内因性の原因

アトピー性皮膚炎の方は目の周りに症状が出やすく、慢性的に繰り返すことがあります。また、脂漏性皮膚炎という皮脂分泌の異常によって起こる疾患も目の周りに影響することがあります。こうした体質由来の疾患は、外部からの刺激を減らすだけでは改善が難しく、医療機関での継続的な管理が必要です。

💊 3. 症状から考えられる疾患の種類

目の周りの赤みやかゆみにはさまざまな疾患が関係しています。症状の特徴から可能性のある疾患を把握しておくと、受診の際にも役立ちます。

✨ 接触性皮膚炎(かぶれ)

接触性皮膚炎は、特定の物質が皮膚に触れることで起こる炎症です。アレルギー性と刺激性の2種類に分かれますが、目の周りでは化粧品や日用品が原因となるアレルギー性接触皮膚炎が多く見られます。皮膚が赤くなり、かゆみが強く出るのが特徴で、水疱(小さな水ぶくれ)を伴うこともあります。原因物質との接触をやめると徐々に改善しますが、何が原因なのかを特定するためにはパッチテストが有用です。

📌 アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、遺伝的なアレルギー体質を背景に、皮膚バリア機能の低下と免疫の異常が重なって発症する慢性炎症性疾患です。目の周りは特に症状が出やすい部位のひとつで、かゆみが強く、かくことで皮膚が厚くなる(苔癬化)こともあります。長期にわたって繰り返す場合は、眼科的な合併症(白内障や網膜剥離など)のリスクにも注意が必要です。

▶️ 眼瞼炎(がんけんえん)

眼瞼炎はまぶたの縁が炎症を起こした状態で、細菌感染や脂漏性の変化、アレルギーなどが原因となります。まぶたの縁が赤くなり、かゆみや灼熱感、目やにの増加などの症状が見られます。慢性化しやすく、繰り返し再発するケースも多いです。まつ毛の生え際に細かいかさぶたやふけのようなものが付着していると、眼瞼炎の可能性が高まります。

🔹 花粉症・アレルギー性結膜炎に伴う皮膚症状

花粉症などのアレルギー性結膜炎では、目そのもののかゆみとともに、目の周りの皮膚にも赤みやかゆみが広がることがあります。目をこすることで皮膚への物理的な刺激が加わり、皮膚炎が二次的に起こるケースも少なくありません。花粉のシーズンと症状の出現が一致する場合は、このパターンを疑うとよいでしょう。

📍 脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が活発な部位(頭皮、鼻の周り、眉間、耳のまわりなど)に起こりやすい炎症性疾患です。目の周りや眉の部分にも症状が出ることがあり、皮膚が赤くなってフケのような鱗屑(りんせつ)が付着するのが特徴です。マラセチアという常在真菌が関与しているとされており、ストレスや疲労、免疫の低下で悪化しやすい傾向があります。

💫 帯状疱疹・単純ヘルペス

ヘルペスウイルスによる感染症も目の周りに症状を起こすことがあります。単純ヘルペスは唇だけでなく目の周りにも水疱を形成することがあり、帯状疱疹では片側のみに激しい痛みと赤み、水疱が現れます。特に帯状疱疹が目のまわりや額に出た場合は、角膜などへの影響(眼部帯状疱疹)が懸念されるため、早急な受診が必要です。

🦠 乾癬(かんせん)

乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、皮膚が赤くなり、銀白色のかさぶた状の鱗屑が付着するのが特徴です。顔や目の周りに出ることもあり、かゆみが伴う場合もあります。乾癬は根治が難しい疾患ですが、適切な治療で症状のコントロールが可能です。

Q. 目の周りのかゆみで考えられる皮膚疾患の種類は?

目の周りのかゆみや赤みには複数の疾患が関係します。化粧品などが原因の接触性皮膚炎、慢性的に繰り返すアトピー性皮膚炎、まぶた縁が炎症を起こす眼瞼炎、皮脂分泌異常による脂漏性皮膚炎、花粉症に伴う皮膚症状、ヘルペスウイルスによる帯状疱疹などが代表的な例として挙げられます。

🏥 4. 皮膚科を受診すべきサインとは

目の周りの赤みやかゆみが出た場合、「少し様子を見てから」と考える方も多いかもしれません。しかし、次のようなサインが見られる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

まず、症状が1週間以上続いている場合です。市販のかゆみ止めや保湿剤を使用しても改善しないときは、自己判断での対処に限界がある可能性があります。特定の疾患が隠れている可能性もあるため、医師に診てもらうことが大切です。

次に、症状が急に悪化した場合です。赤みが広範囲に広がる、皮膚が腫れてくる、強い痛みが伴う、水疱が出てきたといった変化があれば、速やかに受診してください。特に片側だけに水疱と痛みが出ている場合は帯状疱疹が疑われ、早期の抗ウイルス薬投与が予後に大きく影響します。

また、視力の変化や目のかすみ、目やにの増加など、眼症状が伴っている場合も注意が必要です。皮膚科と眼科の両方を受診する必要がある場合もあります。

さらに、ステロイド外用薬を長期間自己判断で使用し続けている場合も受診のタイミングとして重要です。ステロイドは正しく使えば有効な薬ですが、目の周りという特殊な部位での長期使用は眼圧上昇や白内障などのリスクがあるため、医師の管理のもとで使用することが望まれます。

⚠️ 5. 皮膚科での診察・検査・治療の流れ

皮膚科を受診すると、まず医師による問診と視診が行われます。問診では、症状がいつ頃から始まったか、どのような経過をたどっているか、使用している化粧品やスキンケア製品、薬などについて確認されます。アレルギー歴や家族歴、最近の生活環境の変化なども重要な情報です。

視診では、皮膚の状態を詳しく観察します。赤みの範囲や形状、皮膚の質感(乾燥しているか、ジュクジュクしているか)、水疱やかさぶたの有無などをチェックすることで、多くのケースはこの段階でおおよその診断がつきます。

必要に応じてパッチテストが行われます。パッチテストは、アレルギー性接触皮膚炎の原因物質を特定するための検査です。背中や前腕に候補となる物質を少量貼り付け、48時間後と72時間後(場合によっては7日後)に反応を確認します。化粧品の成分や金属などがアレルゲンかどうかを調べるのに有効な方法です。

血液検査によってアレルギーの有無や特定のアレルゲンに対するIgE抗体を調べることもあります。花粉・ハウスダスト・ダニなど、吸入性アレルゲンへの反応を把握することで、より適切な治療方針が立てられます。

感染症が疑われる場合は、患部の細菌培養検査や真菌検査(KOH法)が行われることがあります。原因菌を特定することで、最適な抗生物質や抗真菌薬を選択できます。

Q. 目の周りへのステロイド外用薬の長期使用は危険ですか?

目の周りはほかの部位よりもステロイド外用薬の皮膚吸収率が高く、長期使用によって眼圧上昇や白内障、皮膚が薄くなるリスクがあります。市販のステロイド薬を自己判断で使い続けることは危険です。必ず皮膚科医の指示のもとで、適切な期間と用量を守って使用することが重要です。

🔍 6. よく使われる治療薬と注意点

目の周りの赤みやかゆみに対して皮膚科で処方される薬には、外用薬と内服薬があります。また、疾患の種類によって使用される薬の種類も異なります。

👴 ステロイド外用薬

接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などの炎症性疾患に対して、ステロイド外用薬が使用されます。炎症を抑える効果が高く、かゆみや赤みを比較的短期間で改善できます。ただし、目の周りはほかの部位よりもステロイドが皮膚に吸収されやすく、長期使用によって眼圧が上昇したり、皮膚が薄くなったりするリスクがあります。医師の指示に従った適切な使用が不可欠です。

🔸 タクロリムス外用薬(プロトピック)

タクロリムス外用薬はアトピー性皮膚炎などに使用される非ステロイド系の免疫抑制外用薬です。ステロイドの副作用が懸念される目の周りや顔などのデリケートな部位への使用に適しています。使用開始時に一時的な刺激感(ほてり感や熱感)を感じることがありますが、多くの場合は数日で慣れてきます。

💧 抗ヒスタミン薬(内服)

アレルギー反応によるかゆみを抑えるために、抗ヒスタミン薬の内服が処方されることがあります。眠気が出るタイプと出にくいタイプがあり、日常生活のスタイルに合わせて選択されます。花粉症の季節には、症状が始まる前から服用を開始する「初期療法」が有効な場合もあります。

✨ 抗菌薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬

感染症が原因の場合は、原因微生物に応じた薬が処方されます。細菌性の眼瞼炎には抗菌薬の外用薬や点眼薬、真菌感染には抗真菌薬の外用薬、ヘルペスウイルスによる感染には抗ウイルス薬の内服が用いられます。

📌 保湿薬・バリア機能修復薬

皮膚のバリア機能を修復・維持するための保湿薬(ヘパリン類似物質含有製剤など)も重要な治療薬のひとつです。炎症を抑える薬と並行して保湿を行うことで、皮膚の回復を促し、再発を予防します。

📝 7. 目の周りの症状に対するセルフケアと予防策

皮膚科での治療と並行して、日常生活でのケアも症状の改善や再発防止に役立ちます。ここでは、目の周りの赤みやかゆみに対して日常的に実践できるセルフケアと予防策を紹介します。

▶️ 目をこすらない習慣をつける

かゆみがあると無意識に目をこすってしまいがちですが、これが症状を悪化させる大きな原因になります。摩擦によって皮膚のバリア機能がさらに傷つき、炎症が広がるだけでなく、花粉などのアレルゲンを目に擦り込んでしまう可能性もあります。かゆみを感じたら、こすらずに冷たいタオルを当てて冷やすか、処方された抗ヒスタミン薬を使用しましょう。

🔹 洗顔とクレンジングは優しく丁寧に

メイクを落とす際の摩擦は、目の周りの皮膚に大きなダメージを与えます。オイルタイプやミルクタイプのクレンジング剤を使って、強くこすらず優しくなじませるようにしましょう。ウォータープルーフのマスカラやアイライナーは落としにくいため、専用のポイントリムーバーをコットンに含ませてそっと押し当てるように使うと摩擦を最小限に抑えられます。

📍 適切な保湿を行う

目の周りの皮膚は乾燥しやすいため、洗顔後はすぐに保湿を行うことが大切です。アイクリームや保湿乳液を指の腹で優しくなじませるようにしましょう。成分は香料・アルコール・防腐剤(パラベンなど)が少ないシンプルなものを選ぶと刺激を抑えられます。特定の保湿成分に対して敏感な場合は、皮膚科医に相談してから選ぶのが安全です。

💫 化粧品はシンプルで低刺激なものを選ぶ

目の周りに症状がある期間は、アイメイクを控えるか最小限にとどめることが理想です。どうしてもメイクが必要な場合は、成分がシンプルで皮膚科医テスト済み(パッチテスト済み)の製品を選びましょう。マスカラやアイライナーなどのポイントメイクは特に成分が濃くなりやすいため、使用する製品の見直しが症状改善につながることもあります。

🦠 花粉・ハウスダスト対策を行う

花粉症やハウスダストアレルギーがある方は、環境整備も重要です。花粉の多い時期は外出時にメガネやマスクを着用し、帰宅時は玄関で服や髪を払ってから入室するようにしましょう。室内では空気清浄機を活用し、布団や枕カバーはこまめに洗濯することで、アレルゲンへの曝露を減らせます。

👴 生活習慣を整える

十分な睡眠、バランスの取れた食事、過度なストレスを避けることは、免疫機能を維持し皮膚のバリア機能を保つうえで基本的かつ重要な取り組みです。特にアトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎はストレスで悪化しやすいため、リラックスできる時間を意識的に作ることも有効です。

Q. 子どもの目の周りが赤くかゆい場合の注意点は?

子どもは皮膚が薄くステロイド外用薬の吸収率が大人より高いため、大人用の市販薬を使用することは避けてください。子どもは症状を正確に伝えられないことも多く、目を頻繁に触る・不機嫌になるなどのしぐさを保護者が観察することが大切です。症状が見られた場合は皮膚科を受診し、年齢に適した薬を処方してもらいましょう。

💡 8. コンタクトレンズ使用者が特に気をつけるべきこと

コンタクトレンズを日常的に使用している方は、目の周りの赤みやかゆみが出た場合に特別な注意が必要です。コンタクトレンズが直接目に触れているため、目薬の使用タイミングや種類、レンズのケア方法が症状に影響することがあります。

まず、コンタクトレンズ装用中に目の周りのかゆみや赤みが出ている場合は、レンズの装用をいったん中止してメガネに切り替えることをおすすめします。コンタクトレンズそのものが原因でアレルギー反応(巨大乳頭結膜炎など)を起こしている可能性があるからです。

コンタクトレンズ用の洗浄液や保存液に含まれる成分(特に防腐剤)がアレルゲンになることもあります。このような場合は、防腐剤フリーの製品への切り替えや、使い捨てレンズへの変更が有効な場合があります。

また、アイメイクの成分がコンタクトレンズに付着し、目への刺激となることもあります。メイクはレンズ装用後に行い、メイクオフはレンズを外してから行うのが基本のルールです。コンタクトレンズ対応と表示された化粧品を選ぶことも一定の効果があります。

皮膚科を受診する際は、コンタクトレンズを使用していることを必ず伝えましょう。処方される外用薬や点眼薬の種類が変わる場合があります。

✨ 9. 子どもの目の周りの赤みやかゆみについて

子どもは大人に比べて皮膚がさらに薄くデリケートであるため、目の周りに症状が出やすい傾向があります。特にアトピー性皮膚炎を持つ子どもでは、目の周りが慢性的にかゆくなりやすく、目をこすりすぎることで「デニー・モルガン線」と呼ばれる目の下の二重のしわが形成されることがあります。これはアトピー性皮膚炎の特徴的なサインのひとつとして知られています。

子どもは自分で「かゆい」「痛い」を正確に伝えることが難しい場合もあります。目をよく触る、不機嫌になる、目を細めるといったしぐさが見られたら、目の周りの皮膚の状態を確認してみましょう。

子どもの皮膚炎に対して大人用のステロイド外用薬を使用することは避けてください。子どもは薬の皮膚吸収率が高く、副作用のリスクが大人よりも高いためです。必ず小児科や皮膚科を受診し、年齢や症状に適した薬を処方してもらうことが重要です。

また、子どもの場合は食物アレルギーが目の周りの皮膚炎に関係しているケースもあります。特定の食品を食べた後に症状が悪化するようであれば、アレルギー検査を受けることも選択肢のひとつです。

学校や保育園での生活においても、砂やほこりが目の周りに付着しやすかったり、感染症が広がりやすかったりするため、清潔を保つことと早めの受診が子どもの場合には特に大切になります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、目の周りの赤みやかゆみを訴えて来院される患者さんの多くが、化粧品や花粉などを原因とする接触性皮膚炎やアレルギー反応によるものであり、自己判断で市販薬を長期間使用した後にご来院されるケースも少なくありません。目の周りは皮膚が非常に薄くデリケートな部位であるため、ステロイド外用薬の不適切な使用による眼圧上昇などのリスクも考慮しながら、一人ひとりの原因に合わせた治療を丁寧にご提案しています。症状が続く場合は自己判断での対処に頼りすぎず、どうぞお気軽にご相談ください。」

📌 よくある質問

目の周りの赤みやかゆみはどのくらい続いたら皮膚科に行くべきですか?

市販薬を使用しても1週間以上症状が改善しない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。また、赤みが急に広がる・水疱が出る・強い痛みを伴う・視力に変化があるといった場合は、期間にかかわらず早めに受診してください。自己判断での対処には限界があるため、症状が続く場合はお気軽にご相談ください。

目の周りのかゆみに市販のステロイド薬を使っても大丈夫ですか?

目の周りは皮膚が薄く薬の吸収率が高いため、ステロイド外用薬の長期使用は眼圧上昇や皮膚が薄くなるリスクがあります。当院でも自己判断で市販薬を長期間使い続けた後に来院される患者さんが多くいらっしゃいます。ステロイド薬は必ず医師の指示のもとで、適切な期間・用量を守って使用することが重要です。

目の周りの赤みやかゆみの原因はどうやって調べますか?

皮膚科では、問診・視診をもとにおおよその診断を行います。化粧品や金属などのアレルゲンを特定したい場合はパッチテスト、花粉やハウスダストなどのアレルギーを調べる場合は血液検査が有効です。感染症が疑われる場合は、細菌や真菌の検査が行われることもあります。原因に応じた治療を受けることが、症状の早期改善につながります。

子どもの目の周りが赤くかゆそうな場合、大人用の薬を使っても良いですか?

子どもに大人用のステロイド外用薬を使用することは避けてください。子どもは皮膚の薬の吸収率が大人より高く、副作用のリスクが高いためです。目をよく触る・不機嫌になるといったしぐさが見られたら皮膚の状態を確認し、症状がある場合は小児科や皮膚科を受診して、年齢・症状に合った薬を処方してもらうことが大切です。

コンタクトレンズを使用していますが、目の周りがかゆい場合はどうすれば良いですか?

コンタクトレンズ装用中に目の周りのかゆみや赤みが出た場合は、まずレンズの使用をいったん中止してメガネに切り替えることをおすすめします。レンズ自体やケア用品の防腐剤がアレルゲンになることもあります。皮膚科を受診する際は、コンタクトレンズを使用していることを必ず伝えてください。処方される薬の種類が変わる場合があります。

🎯 まとめ

目の周りの赤みやかゆみは、原因が多様であるため、自己判断のみで対処しようとするとなかなか改善しないことがあります。アレルギー性接触皮膚炎、アトピー性皮膚炎、眼瞼炎、花粉症に伴う皮膚症状、脂漏性皮膚炎、ヘルペス感染症など、さまざまな疾患が考えられます。それぞれの疾患によって治療方法が異なるため、正確な診断を受けることが症状改善への最も確実な近道です。

日常的なケアとしては、目をこすらない、優しく洗顔する、適切な保湿を行う、アレルゲンへの曝露を減らすといった基本的な取り組みが大切です。コンタクトレンズ使用者は製品の見直しも視野に入れましょう。また、子どもの場合は自覚症状を伝えにくいこともあるため、保護者が注意深く観察することが求められます。

症状が長引く場合、急激に悪化した場合、市販薬では改善が見られない場合は、早めに皮膚科を受診してください。皮膚科では、問診や視診をもとに必要な検査を行い、原因に応じた適切な治療薬が処方されます。目の周りという繊細な部位だからこそ、専門的な医療的アドバイスのもとで安全に治療を進めていくことが、症状の改善と再発防止につながります。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎・脂漏性皮膚炎・帯状疱疹などの診断基準・治療ガイドラインに関する情報。目の周りの炎症性皮膚疾患の分類や治療薬(ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬など)の適正使用に関する根拠として参照。
  • 厚生労働省 – アレルギー疾患(花粉症・アトピー性皮膚炎)の実態や対策に関する公式情報。花粉・ハウスダストなどの吸入アレルゲンによる目の周りの皮膚症状やアレルギー性結膜炎との関連、初期療法の説明根拠として参照。
  • 国立感染症研究所 – 帯状疱疹・単純ヘルペスウイルス感染症に関する疫学・症状・治療情報。目の周りへのヘルペスウイルス感染(眼部帯状疱疹を含む)の早期受診の重要性および抗ウイルス薬治療の根拠として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

プロフィールを見る

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

プロフィールを見る

電話予約
0120-780-194
1分で入力完了
簡単Web予約
運営:医療法人社団鉄結会