
ふとした瞬間に気づく、足の付け根のしこり。触れると違和感があったり、痛みを伴うこともあれば、まったく無症状のこともあります。「放っておけばよくなるだろう」と思いながら、気になって何度も触ってしまう——そんな経験をされている方も少なくないのではないでしょうか。
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📋 この記事でわかること
- ✅ 足の付け根のしこりの主な原因(良性〜悪性まで)
- ✅ すぐ病院に行くべき「危険なサイン」
- ✅ 何科を受診すればよいか
- ✅ 受診前に準備すること
目次
- 足の付け根(鼠径部)はどんな場所?
- 足の付け根にしこりができる主な原因
- 鼠径リンパ節腫脹とは?
- 鼠径ヘルニア(脱腸)とは?
- 脂肪腫・粉瘤など皮膚・皮下組織のしこり
- 女性に多い疾患:バルトリン腺嚢胞・子宮内膜症
- 悪性リンパ腫や転移性リンパ節の可能性
- しこりの「要注意サイン」を知っておこう
- 何科を受診すればよい?
- 受診前に準備しておくこと
- 日常生活で気をつけたいポイント
- まとめ
この記事のポイント
足の付け根のしこりは、リンパ節腫脹・鼠径ヘルニア・脂肪腫・粉瘤などが主な原因。急激な増大・硬化・発熱・4週間以上の持続は早期受診のサイン。原因不明の場合はまず内科に相談し、専門科へ紹介を受けることが推奨される。
💡 1. 足の付け根(鼠径部)はどんな場所?
足の付け根、医学的には「鼠径部(そけいぶ)」と呼ばれるこの部位は、おなかと太ももの境目に位置する三角形状のくぼんだ領域を指します。左右それぞれに存在し、体の中心部と下肢をつなぐ重要な通路のような場所です。
鼠径部にはさまざまな構造物が集中しています。大腿動脈・大腿静脈といった太い血管が走行し、鼠径リンパ節と呼ばれるリンパ節の集まりがあります。また、腸管が通る鼠径管という管状の構造もこの部位に存在します。さらに女性では子宮円索、男性では精索(精巣と前立腺をつなぐ管)がこの部位を通過しています。
このように多くの構造物が密集しているため、鼠径部はさまざまな原因でしこりが生じやすい場所です。表面から触れられる皮膚・皮下組織のしこりだけでなく、深部の組織や臓器の変化によってもしこりとして感じられることがあります。
また、鼠径部は日常的に歩行や座る動作によって繰り返し動かされる場所であり、圧力や摩擦が加わりやすいという特徴もあります。そのため、生活習慣や体の使い方が影響を与えることもあります。
Q. 足の付け根にしこりができる原因で最も多いものは何ですか?
足の付け根のしこりで最も多い原因は鼠径リンパ節腫脹です。足や会陰部の水虫・皮膚炎・性感染症などの感染・炎症に反応してリンパ節が腫れます。次いで鼠径ヘルニア、脂肪腫・粉瘤などの良性腫瘍が多く見られます。
📌 2. 足の付け根にしこりができる主な原因
足の付け根にしこりができる原因は非常に多岐にわたります。大きく分類すると、リンパ節の腫れによるもの、臓器の飛び出し(ヘルニア)によるもの、皮膚・皮下組織のしこり、血管や神経の異常、女性特有の疾患、そして悪性疾患などに分けることができます。
最も頻度が高いのはリンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)で、足や会陰部の感染や炎症に伴って生じることが多いです。次いで多いのが鼠径ヘルニアで、腸などの腹部臓器が腹壁の弱い部分から飛び出すことでしこりのように触れます。脂肪腫や粉瘤(アテローム)などの良性腫瘍も比較的よく見られます。
一方で、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫脹など、早期発見・早期治療が重要な疾患が隠れている場合もあります。しこりの原因を自己判断することは難しいため、気になる場合は医療機関での診察を受けることが大切です。
以下では、それぞれの原因についてより詳しく解説していきます。
✨ 3. 鼠径リンパ節腫脹とは?
鼠径部にはリンパ節が集まっており、これを鼠径リンパ節と呼びます。通常は米粒大ほどのサイズで、外部から触れることはあまりありませんが、何らかの原因で腫れると触れるしこりとして感じられるようになります。
鼠径リンパ節は、主に足・臀部・外陰部・下腹部からのリンパ液を受け取る役割を持っています。これらの部位に感染や炎症が起きると、免疫細胞が活発に働くためにリンパ節が腫れます。これが反応性リンパ節腫脹と呼ばれる状態で、もっとも一般的な原因です。
具体的な原因としては、足の水虫(白癬菌感染)、足の傷や皮膚炎、性感染症(梅毒、クラミジア、淋病など)、帯状疱疹、虫刺されによる二次感染などが挙げられます。これらが原因の場合は、原因となった感染や炎症が治まるとともに、リンパ節の腫れも自然に縮小していくことが多いです。
反応性リンパ節腫脹のしこりは、比較的柔らかく、押すと痛みを感じることが多く、皮膚との癒着がなく動くのが特徴です。多くの場合は2〜4週間ほどで縮小しますが、長期間腫れが続く場合や急激に大きくなる場合は注意が必要です。
また、全身のリンパ節が腫れる疾患(伝染性単核球症、全身性エリテマトーデスなど)でも鼠径リンパ節に腫れが現れることがあります。このような場合は発熱や全身倦怠感、他の部位のリンパ節腫脹を伴うことが多いです。
Q. 鼠径ヘルニアのしこりの特徴と治療法を教えてください。
鼠径ヘルニアは立ったときや腹圧をかけたときにしこりが膨らみ、横になると縮小・消失するのが特徴です。自然に治ることはなく手術が必要です。現在は腹腔鏡による低侵襲手術が主流で、日帰りや短期入院での対応も可能です。急激な痛みを伴う嵌頓状態は救急受診が必要です。
🔍 4. 鼠径ヘルニア(脱腸)とは?
鼠径ヘルニアは、腹壁(お腹の壁)の弱い部分から腸や腹膜などの腹腔内臓器が飛び出してしまう状態です。俗に「脱腸」と呼ばれることもあります。足の付け根のしこりの原因として、特に中高年男性に多く見られる疾患の一つです。
鼠径ヘルニアが生じるのは、鼠径部の筋肉や筋膜に弱い部分があり、腹圧がかかったときにその隙間から臓器が飛び出してしまうためです。立ちっぱなしの仕事、重いものを頻繁に持ち上げる作業、慢性的な咳、便秘など、腹圧を上昇させるような習慣がある人に起こりやすいとされています。また、先天的に鼠径管が広い場合は子どもでも発症します。
鼠径ヘルニアの特徴的なサインは、立ったときや腹圧をかけたとき(いきむ、咳をする、重いものを持つなど)にしこりが大きくなり、横になると縮小または消失するという点です。初期には特に痛みがなく、違和感程度のこともありますが、進行すると痛みや不快感が出てきます。
最も注意すべきなのが「嵌頓(かんとん)ヘルニア」という状態です。これは飛び出した腸が元の位置に戻れなくなり、血流が途絶えてしまった状態で、放置すると腸壊死に至る可能性があります。嵌頓が起きると、突然の強い痛み、吐き気・嘔吐、しこりが硬くなって戻らないといった症状が現れます。この場合は緊急手術が必要になるため、すぐに救急受診をしてください。
鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、基本的には手術による治療が必要です。手術は腹腔鏡を用いた低侵襲な方法が一般的となっており、日帰り手術や短期入院での対応も多くのクリニックで可能になっています。症状が軽くても、早めに外科もしくは消化器外科を受診することが勧められます。
💪 5. 脂肪腫・粉瘤など皮膚・皮下組織のしこり
足の付け根の皮膚やその直下にできるしこりとして、脂肪腫や粉瘤(ふんりゅう)が代表的です。どちらも良性の腫瘍であることが多く、多くの場合は急を要する疾患ではありませんが、症状や経過によっては治療が必要になることもあります。
脂肪腫は、皮膚の下の脂肪組織が増殖したやわらかいしこりです。痛みはなく、皮膚の表面をなでるように押すとぬるっと動く感覚が特徴的です。数ミリから数センチ程度のものが多く、ゆっくりと大きくなることがありますが、悪性化することはほとんどありません。ただし、急に大きくなる場合や、硬さが変化してきた場合は医師に診てもらうことが勧められます。治療が必要な場合は外科的切除が行われます。
粉瘤(アテローム)は、皮膚の表皮細胞が皮膚の内側に入り込んで袋状の構造を作り、その中に老廃物(角質や皮脂)が蓄積したものです。中央に小さな黒点(開口部)が見られることが多く、押すと白っぽい臭いのある内容物が出てくることがあります。通常は無症状ですが、細菌感染を起こすと急に赤く腫れて強い痛みを伴うことがあります(炎症性粉瘤)。根治治療には外科的切除が必要で、炎症を繰り返す場合は早めに皮膚科や外科に相談することをお勧めします。
その他にも、皮膚線維腫(良性の硬いしこり)、血管腫(血管の異常増殖)、神経鞘腫(神経の周りにできる腫瘍)なども足の付け根に生じることがあります。これらは比較的珍しいですが、触ったときに電気が走るような痛みがあったり、急激に大きくなる場合は専門医への相談が必要です。
🎯 6. 女性に多い疾患:バルトリン腺嚢胞・子宮内膜症
足の付け根のしこりには、女性特有の疾患が関係していることもあります。代表的なものとしてバルトリン腺嚢胞と子宮内膜症が挙げられます。
バルトリン腺嚢胞は、外陰部(膣の入口付近)にあるバルトリン腺の分泌物の出口が詰まり、分泌液が溜まって嚢胞(袋状の塊)を形成した状態です。鼠径部の内側、外陰部に近い位置にしこりとして感じられることがあります。感染を伴わない場合は無痛性のことが多いですが、細菌感染を起こすとバルトリン腺膿瘍となり、急激な腫れと激しい痛みが生じます。症状が軽い場合は経過観察されることもありますが、繰り返す場合や痛みが強い場合は婦人科での処置や手術が必要です。
子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所で増殖する疾患です。まれに鼠径部の鼠径管内やその周囲に子宮内膜症が生じることがあり、これを鼠径部子宮内膜症と呼びます。特徴的なのは月経周期に合わせて症状が変化することで、月経中に鼠径部のしこりが大きくなり、痛みが強くなることがあります。月経が終わると縮小することが多いです。診断が難しいことも多く、婦人科専門医による精密検査が必要です。
また、女性の場合は子宮や卵巣の腫瘍が大きくなることで鼠径部付近に違和感やしこりのように感じられることもあります。下腹部の張りや月経不順などの症状を伴う場合は、婦人科での診察が必要です。
さらに、大腿ヘルニアは女性に多いヘルニアの一種で、鼠径部の少し内側・下方にしこりとして現れます。鼠径ヘルニアと異なり小さいことが多く気づきにくいですが、嵌頓しやすいという特徴があるため注意が必要です。
Q. 足の付け根のしこりで早急に受診すべきサインは何ですか?
以下のサインがある場合は早急な受診が必要です。①急激にしこりが大きくなった・硬くなった、②周囲に癒着して動かない、③強い痛みが続く、④発熱・体重減少・寝汗などの全身症状がある、⑤4週間以上消えない。特に急激な痛みは嵌頓ヘルニアの可能性があり救急対応が必要です。

💡 7. 悪性リンパ腫や転移性リンパ節の可能性
足の付け根のしこりが、悪性疾患に関係している場合もあります。頻度としては低いものの、見落としてはならない重要な原因です。
悪性リンパ腫は、免疫を担うリンパ球がんになった疾患の総称で、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大きく分けられます。リンパ節が腫れることが多く、鼠径リンパ節も腫れる場合があります。悪性リンパ腫によるリンパ節腫脹は、痛みがないことが多く、複数のリンパ節が同時に腫れることが特徴の一つです。発熱(特に夜間の発熱)、体重減少、寝汗(ずぶ濡れになるほどの寝汗)といった全身症状(「B症状」と呼ばれます)を伴うことがあります。
転移性リンパ節腫脹は、体のほかの部位にできたがんがリンパ管を経由してリンパ節に転移したものです。鼠径リンパ節に転移しやすいがんとしては、足の皮膚がん(悪性黒色腫など)、外陰がん・膣がん・子宮頸がんなどの婦人科がん、直腸がん・肛門がん、陰茎がん・精巣がんなどが挙げられます。転移性リンパ節腫脹の場合、しこりは硬く、周囲の組織と癒着して動きにくいことが多いのが特徴です。
ただし、悪性疾患のしこりと良性疾患のしこりを触診だけで区別することは難しく、医師による診察と適切な検査(超音波検査、CT検査、血液検査、場合によってはリンパ節生検)が必要です。「しこりが長期間消えない」「急速に大きくなっている」「複数の場所に同時に腫れがある」「発熱や体重減少などの全身症状を伴う」といった場合は、特に早めの受診が重要です。
📌 8. しこりの「要注意サイン」を知っておこう
足の付け根にしこりができた場合、すべてのケースで緊急性があるわけではありませんが、次のようなサインがある場合は早急に医療機関を受診することをお勧めします。
まず、しこりが急に大きくなった、または急速に硬くなったという変化は注意が必要です。良性のリンパ節腫脹や粉瘤であれば通常は急激な変化は起こりにくく、急激な変化は炎症性疾患の悪化や悪性腫瘍の可能性を示唆することがあります。
次に、しこりが皮膚や周囲の組織に癒着して動かない場合も要注意です。良性のしこりは通常、触れると動く感触がありますが、悪性腫瘍は周囲への浸潤が起きやすく、動きにくくなることがあります。
痛みが急に強くなった、または安静にしていても痛みが続くという場合も受診が必要です。特に鼠径ヘルニアがある方で急激な痛みが出た場合は嵌頓の可能性があり、緊急の対応が必要です。
発熱、体重の著しい減少(意図しない体重減少)、全身の倦怠感、夜間の寝汗などの全身症状を伴う場合は、全身性の疾患や悪性腫瘍が疑われます。
また、しこりが4週間以上消えない場合も受診の目安となります。感染に伴うリンパ節腫脹であれば通常は数週間以内に改善しますが、それ以上続く場合は他の原因を考える必要があります。
皮膚の色の変化(赤みが広がる、皮膚が変色するなど)や潰瘍(皮膚が崩れる)を伴う場合も早期受診が必要です。
一方で、以下のような場合はそれほど緊急性が高くない可能性がありますが、それでも一度は医師の診察を受けることが安心です:数日前から足や会陰部に傷・炎症があり、しこりが軟らかくて痛みがある(反応性リンパ節腫脹の可能性)、立ったときだけ膨らんで横になると消えるしこり(鼠径ヘルニアの可能性)。
✨ 9. 何科を受診すればよい?
足の付け根にしこりができたとき、どの診療科を受診すればよいのか迷う方も多いと思います。症状や状況によって適切な受診先が異なりますので、以下を参考にしてください。
まず迷ったときの最初の相談窓口としては、内科または外科・形成外科が適しています。特に原因がはっきりしない場合は、かかりつけ医(内科)に相談し、必要に応じて専門科への紹介を受けるのが一般的なルートです。
立ったり腹圧をかけたときに膨らんで横になると消えるしこり、または急に強い痛みが生じた場合は、外科(消化器外科)を受診してください。鼠径ヘルニアが強く疑われる状況です。急激な痛みを伴う場合は救急受診を検討してください。
足や会陰部の感染・炎症に伴うリンパ節腫脹が疑われる場合は、原因となっている感染症の種類によって受診科が変わります。足の水虫・皮膚炎が原因なら皮膚科、性感染症が疑われる場合は泌尿器科(男性)または産婦人科(女性)、または性感染症専門クリニックが適切です。
皮膚表面に近いしこりで、粉瘤や脂肪腫が疑われる場合は皮膚科または形成外科を受診してください。外科でも対応可能な場合があります。
発熱・体重減少・全身倦怠感などの全身症状を伴うしこりや、複数箇所のリンパ節腫脹がある場合は、血液内科または内科を受診するのが適切です。悪性リンパ腫など血液系の疾患が疑われます。
月経周期と連動してしこりの大きさや痛みが変化する女性の場合は、婦人科(産婦人科)への受診が適切です。子宮内膜症やバルトリン腺嚢胞などを専門的に診てもらえます。
どこに行けばよいか迷った場合は、まずはかかりつけ医に相談するか、外科やクリニックの外来に「足の付け根にしこりがあって心配」と相談することが最初の一歩として有効です。問診や視診・触診を行ったうえで、必要な検査や専門科への紹介をしてもらえます。
Q. 女性特有の足の付け根のしこりの原因にはどんなものがありますか?
女性特有の原因として、バルトリン腺嚢胞と鼠径部子宮内膜症が挙げられます。バルトリン腺嚢胞は外陰部近くに生じ、感染すると激しい痛みを伴います。鼠径部子宮内膜症は月経周期に合わせてしこりが変化するのが特徴です。どちらも婦人科での専門的な診察が必要です。
🔍 10. 受診前に準備しておくこと

医療機関をスムーズに受診し、より的確な診断を受けるために、受診前にいくつかのことを確認・整理しておくと役立ちます。
しこりにいつ気づいたかを記録しておきましょう。「いつからあるか」は診断において非常に重要な情報です。1週間前から気づいたのか、数ヶ月前からなのか、記憶をたどって把握しておくとよいでしょう。
しこりの変化についても確認してください。最初に気づいたときと比べて大きくなっているか、同じ大きさのままか、または小さくなっているかを確認しておきましょう。写真を撮って残しておくのも有効な方法です。
しこりの特徴を言葉で説明できるようにしておくことも助かります。硬いのか柔らかいのか、押すと動くのか固定されているのか、痛みはあるのか(常にあるのか、触れたときだけなのか)、皮膚の色の変化はあるかなどを観察しておきましょう。
しこりに先行する出来事があれば合わせて伝えましょう。しこりに気づく前に足のけが・感染・虫刺され・性交渉などがあった場合は医師に伝えてください。原因の特定に役立ちます。
全身症状の有無も確認しておきましょう。発熱、体重の変化、倦怠感、食欲の変化、夜間発汗などがあった場合は合わせて伝えてください。
服用中の薬があれば、その情報も持参してください。一部の薬がリンパ節腫脹の原因になることがあります。
女性の場合は、最終月経日や月経周期の規則性、妊娠の可能性についても確認しておくと、婦人科関連疾患の除外や診断に役立ちます。
💪 11. 日常生活で気をつけたいポイント
足の付け根のしこりを予防したり、悪化を防いだりするために、日常生活の中で気をつけられることがあります。もちろん、すべてのしこりが予防できるわけではありませんが、リスクを下げるために知っておくと有益な情報をご紹介します。
鼠径ヘルニアのリスクを減らすためには、腹圧を過度に上昇させる行動に注意することが大切です。重いものを持ち上げる際は膝を使って腰への負担を軽減すること、慢性的な便秘を解消するために食物繊維や水分を十分に摂ること、慢性的な咳がある場合は原因疾患(喘息、COPD、逆流性食道炎など)の治療を行うことが有効です。ただし、腹壁の弱さが先天的な要因である場合は、これらの対策だけで完全に予防することはできません。
感染によるリンパ節腫脹を防ぐためには、足元の清潔を保つことが基本です。水虫(足白癬)がある場合は適切に治療することで、リンパ節腫脹のリスクを下げることができます。足の小さな傷にも早期に適切な処置をすることで、細菌感染の広がりを防ぎましょう。また、性感染症の予防としてコンドームの使用が有効で、定期的な性感染症検査を受けることも大切です。
粉瘤のリスクを減らすためには、皮膚を清潔に保つことが基本です。特に摩擦が多い鼠径部は、清潔を保ちつつも過剰に刺激しないよう注意しましょう。既に粉瘤がある場合は、無理に絞り出したり針で刺したりすることで炎症が悪化することがあるため、自己処置は控えましょう。
体重管理も鼠径ヘルニアのリスク低減に関係します。肥満は腹圧を上昇させ、腹壁への負担を高めるため、適切な体重を維持することが助けになります。
何より大切なのは、しこりに気づいたら自己判断で放置せず、早めに医療機関を受診することです。「大したことないだろう」という先入観が、早期発見・早期治療の機会を逃すことにつながりかねません。特に変化が急速な場合や全身症状を伴う場合は、ためらわずに受診してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、足の付け根のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが、しばらく様子をみてから受診されるケースが目立ちます。反応性リンパ節腫脹や粉瘤など良性疾患であることも多いですが、鼠径ヘルニアの嵌頓や悪性疾患など早期対応が必要な場合もあるため、「気になりはじめたとき」が受診のサインだとお考えください。どの科に行けばよいかお迷いの際も、まずはお気軽にご相談いただければ、症状に合わせた適切な診療科へのご案内も含めて丁寧に対応いたします。」
🎯 よくある質問
原因が不明な場合は、まず内科やかかりつけ医に相談するのが基本です。立つと膨らむ場合は外科、皮膚表面のしこりは皮膚科・形成外科、月経と連動する女性は婦人科が適切です。どの科に行けばよいか迷う場合は、アイシークリニックでも症状に応じた診療科のご案内を含めて対応しています。
最も多い原因はリンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)で、足や会陰部の感染・炎症が引き金になることが大半です。次いで鼠径ヘルニア(脱腸)、脂肪腫・粉瘤などの良性腫瘍が多く見られます。まれに悪性リンパ腫や転移性リンパ節など早期対応が必要な疾患が原因のこともあります。
以下のサインがある場合は早めの受診が必要です。①急激に大きくなった・硬くなった、②皮膚や周囲に癒着して動かない、③強い痛みが続く、④発熱・体重減少・寝汗などの全身症状がある、⑤4週間以上消えない、などが目安です。特に急激な痛みを伴う場合は嵌頓ヘルニアの可能性があり、救急受診が必要です。
鼠径ヘルニアは自然に治ることはなく、基本的に手術が必要です。現在は腹腔鏡を用いた低侵襲な手術が主流で、日帰りや短期入院での対応も可能なクリニックが増えています。放置すると「嵌頓」と呼ばれる緊急状態になるリスクがあるため、症状が軽くても早めに外科・消化器外科を受診することが勧められます。
スムーズな診察のために以下を整理しておきましょう。①しこりにいつ気づいたか、②大きさの変化(写真があると有効)、③硬さ・動き・痛みの有無などの特徴、④しこりの前に足のけがや感染・性交渉などがあったか、⑤発熱・体重減少などの全身症状の有無、⑥服用中の薬。女性は最終月経日も確認しておくと診察に役立ちます。
💡 まとめ
足の付け根(鼠径部)にしこりができる原因は非常に多岐にわたります。最も多いのはリンパ節の腫れ(リンパ節腫脹)であり、足や会陰部の感染・炎症が原因となることが大半です。次いで多いのが鼠径ヘルニアで、腸などの腹腔内臓器が腹壁の弱い部分から飛び出すことで生じます。そのほか、脂肪腫・粉瘤などの皮膚・皮下組織の腫瘍、女性特有のバルトリン腺嚢胞や鼠径部子宮内膜症なども原因として挙げられます。まれではありますが、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫脹が隠れているケースもあるため、注意が必要です。
しこりを見つけたとき、特に急激に大きくなった、硬くなって動かない、強い痛みを伴う、発熱や体重減少などの全身症状がある、4週間以上消えないといった場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。どの科に行けばよいか迷ったときはまず内科やかかりつけ医に相談し、適切な専門科へ紹介してもらいましょう。
「たぶん大丈夫だろう」という自己判断が、早期発見・早期治療の機会を逃してしまうことがあります。気になるしこりに気づいたら、専門家に診てもらうことが最も確実で安心な対処法です。アイシークリニック新宿院でも、このような体のしこりや違和感についてのご相談を承っておりますので、気になる症状がある際にはどうぞお気軽にご受診ください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 悪性リンパ腫・転移性リンパ節など悪性疾患に関するがん対策・早期受診の推奨情報として参照
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)・脂肪腫・皮膚線維腫など皮膚・皮下組織のしこりに関する診断・治療ガイドラインとして参照
- 国立感染症研究所 – 鼠径リンパ節腫脹の原因となる性感染症(梅毒・クラミジア・淋病など)および白癬菌感染症に関する感染症情報として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
