はじめに:「やばい」という検索の背景にあるもの
インターネットで医療機関を検索する際、クリニック名と一緒に「やばい」というキーワードを入力する方は少なくありません。これは決してネガティブな意味だけではなく、「本当に大丈夫なのか」「安全なのか」「信頼できるのか」といった不安や疑問の表れです。特に美容医療や自由診療を提供するクリニックについては、治療を受ける前に慎重に情報収集したいという気持ちは当然のことといえます。
アイシークリニック新宿院についても同様の検索をされる方がいらっしゃいますが、これは患者さんが賢明な医療消費者として、事前にしっかりと情報を確認しようとしている証拠でもあります。本記事では、「やばい」という言葉の背景にある様々な不安や疑問に対して、医療機関選びの基本的な知識とともに、客観的な情報を提供いたします。

医療機関を選ぶ際の基本的なチェックポイント
医療機関を選ぶ際には、感情的な判断ではなく、客観的な基準に基づいて検討することが大切です。厚生労働省も医療機関選びのポイントについて情報提供を行っており、患者さん自身が納得のいく選択をするための指針を示しています。
医療広告ガイドラインの理解
2018年6月に施行された医療広告ガイドラインにより、医療機関のウェブサイトも広告規制の対象となりました。これは患者さんを守るための重要な法規制です。厚生労働省の医療広告ガイドラインでは、虚偽広告や誇大広告を禁止し、患者さんが正確な情報に基づいて医療機関を選べるよう定めています。
適切に運営されている医療機関は、このガイドラインを遵守し、以下のような情報を適切に提供しています。
治療内容の正確な説明:施術の詳細、期待できる効果、起こりうるリスクや副作用について、偏りなく説明しているか確認しましょう。「必ず治る」「絶対に安全」といった断定的な表現は医療広告ガイドラインで禁止されています。医療には不確実性が伴うため、誠実な医療機関は効果とリスクの両面を説明します。
料金の透明性:治療費用が明確に提示されているか、追加費用の可能性についても説明があるかを確認することが重要です。不明瞭な料金体系は後々のトラブルの原因となります。
医師の資格と経歴:担当する医師の資格や専門分野、経歴が公開されているかも重要なポイントです。特に美容医療においては、皮膚科専門医や形成外科専門医などの専門資格を持つ医師が在籍しているかを確認すると良いでしょう。
インフォームドコンセントの重要性
インフォームドコンセント(説明と同意)は、現代医療の基本原則です。患者さんは治療を受ける前に、その治療の内容、予想される効果、リスク、代替案、費用などについて十分な説明を受け、納得した上で同意する権利があります。
適切な医療機関では、初診時やカウンセリング時に時間をかけて説明を行い、患者さんの質問に丁寧に答えます。説明を急いだり、質問を遮ったりするようなクリニックには注意が必要です。また、その場で即決を迫るような対応も適切ではありません。
消費者庁も美容医療サービスに関する注意喚起を行っており、美容医療サービスを受けるにあたっての留意点として、契約前の十分な検討時間の確保を推奨しています。
「やばい」と感じる要因:患者さんの不安を理解する
患者さんが医療機関について「やばい」と感じる背景には、様々な要因があります。これらを理解することで、自分自身の不安の正体を明確にし、適切な判断材料を集めることができます。
情報の非対称性から生まれる不安
医療は専門性の高い分野であり、患者さんと医療者の間には知識の差が存在します。この「情報の非対称性」が不安の大きな原因となります。専門用語が多く、治療の仕組みが理解しにくい場合、「本当に大丈夫なのか」という疑問が生じるのは自然なことです。
良質な医療機関は、この情報の非対称性を埋めるために、わかりやすい説明資料を用意したり、図やイラストを使って説明したり、患者さんの理解度を確認しながら説明を進めたりします。
口コミや評判の解釈
インターネット上の口コミや評判は参考になる一方、解釈には注意が必要です。国民生活センターの調査によると、医療機関の口コミには以下のような特徴があります。
極端な評価が目立ちやすい:非常に満足した人、または非常に不満だった人が投稿する傾向があり、平均的な経験をした人の声は反映されにくいという特性があります。
個人差の大きさ:医療では個人の体質や症状により結果が異なるため、他の人の経験が自分に当てはまるとは限りません。
投稿のタイミング:治療直後の感想と、数ヶ月後の評価では内容が変わることもあります。
これらの点を理解した上で、複数の情報源から総合的に判断することが大切です。
費用に関する不安
美容医療や自由診療は保険適用外のため、費用が高額になることがあります。この金銭的な負担が「やばい」という感覚につながることもあります。
費用について確認すべきポイントは以下の通りです。
明確な見積もり:初診時に総額の見積もりを提示してもらえるか確認しましょう。追加費用の可能性についても質問することが重要です。
支払い方法:一括払いだけでなく、分割払いやクレジットカード払いなど、複数の選択肢があるか確認しましょう。ただし、高額なローンを組む場合は慎重な判断が必要です。
キャンセルポリシー:万が一、治療を中止したい場合の対応についても事前に確認しておくと安心です。
勧誘や営業に対する懸念
美容医療業界では、過度な勧誘や営業が問題となることがあります。国民生活センターには、美容医療に関する相談が年間数千件寄せられており、その中には契約トラブルに関するものも含まれています。
適切な医療機関の見分け方として、以下の点に注意しましょう。
即決を求めない:その場での契約を強く勧めるのではなく、十分な検討時間を与えてくれる医療機関を選びましょう。
他の選択肢も提示:最も高額な治療だけを勧めるのではなく、患者さんの状況に応じた複数の選択肢を提示してくれるかが重要です。
断りやすい雰囲気:カウンセリング後に治療を受けないという選択をした場合も、丁寧に対応してくれるかを確認しましょう。
アイシークリニック新宿院の概要と特徴
ここからは、アイシークリニック新宿院について、客観的な情報を提供いたします。患者さん自身が判断材料を持てるよう、具体的な情報をお伝えします。
クリニックの基本情報
アイシークリニック新宿院は、新宿駅からアクセス可能な立地にある医療機関です。皮膚科・形成外科を中心とした診療を行っており、保険診療と自由診療の両方に対応しています。
アイシークリニックグループとしては、新宿院のほかに上野院、渋谷院、大宮院、池袋院、東京院など、首都圏を中心に複数の医院を展開しています。複数の医院を持つことで、医師の技術共有や症例の蓄積が行われているという側面があります。
診療科目と主な治療内容
アイシークリニック新宿院では、以下のような診療を行っています。
皮膚科診療:一般的な皮膚疾患の診断と治療を行います。保険診療にも対応しているため、症状に応じて保険適用の治療を受けることができます。
形成外科診療:粉瘤(アテローム)、脂肪腫、ほくろなどの皮膚腫瘍の切除を専門としています。日帰り手術に対応しており、多くの症例経験を持つとされています。
美容皮膚科診療:シミ、しわ、ニキビ跡などに対する美容医療も提供しています。こちらは自由診療となるため、保険は適用されません。
日帰り手術への注力
アイシークリニック新宿院の特徴の一つは、粉瘤などの皮膚腫瘍の日帰り手術に力を入れている点です。粉瘤は放置すると炎症を起こし、痛みを伴うことがあるため、早めの治療が推奨される疾患です。
日本皮膚科学会のガイドラインでも、粉瘤の根治的治療として外科的切除が推奨されています。日帰り手術を専門的に行う医療機関は、多くの症例経験を蓄積している可能性がありますが、個々の医師の技術レベルは症例数だけでは判断できないため、初診時のカウンセリングで確認することが重要です。
医療機関を評価する際の客観的な指標
「やばい」という漠然とした不安を解消するには、客観的な指標を用いて医療機関を評価することが有効です。
医療機関の開設許可と届出
すべての医療機関は、開設にあたって都道府県知事への届出が必要です。また、医療広告をする場合は、医療法に基づく広告規制を遵守しなければなりません。
確認できる公的情報として、以下のようなものがあります。
医療機関情報:都道府県が公開している医療機関情報検索サービスで、診療科目や医師数などの基本情報を確認できます。
広告規制の遵守:ウェブサイトの内容が医療広告ガイドラインに適合しているかをチェックすることができます。誇大表現や虚偽の内容がないか、治療のリスクについても適切に記載されているかを確認しましょう。
医師の資格と専門性
医療の質を左右する重要な要素の一つが、医師の資格と専門性です。
医師免許:すべての医師は医師国家試験に合格し、医師免許を取得しています。これは最低限の資格です。
専門医資格:皮膚科専門医、形成外科専門医などの専門医資格は、一定の研修期間と症例経験、試験合格が必要とされる資格です。日本皮膚科学会や日本形成外科学会などの学会が認定しています。
継続的な学習:医療技術は日々進歩しています。学会への参加や論文発表など、継続的に学習を続けている医師かどうかも、質の高い医療を提供する上で重要です。
施設と設備の安全性
医療機関の施設や設備も、安全な医療を提供する上で重要な要素です。
清潔な環境:待合室や診察室、手術室などが清潔に保たれているかを確認しましょう。感染予防対策が適切に行われているかは、患者さんの安全に直結します。
必要な設備:行われる治療に応じた適切な医療機器が整備されているか、また、緊急時に対応できる体制があるかも重要です。
プライバシーへの配慮:特に美容医療では、プライバシーに配慮した診察室の配置や待合室の設計がなされているかも、患者さんの安心感につながります。
美容医療・自由診療を受ける際の注意点
美容医療や自由診療を検討する際には、保険診療とは異なる注意点があります。これらを理解しておくことで、トラブルを避け、納得のいく治療を受けることができます。
自由診療の特性を理解する
自由診療は保険診療と異なり、治療費が全額自己負担となります。そのため、費用が高額になることがありますが、一方で、保険診療では受けられない治療の選択肢が広がるというメリットもあります。
厚生労働省の調査によると、美容医療サービスの市場規模は年々拡大しており、多くの方が利用しています。しかし、それに伴いトラブルの報告も増加傾向にあります。
自由診療を受ける際の心構えとして、以下の点を押さえておきましょう。
効果には個人差がある:同じ治療を受けても、体質や症状により結果は異なります。広告や他の人の体験談と同じ結果が得られるとは限りません。
リスクも理解する:どんな治療にもリスクは存在します。起こりうる副作用や合併症について、事前に十分な説明を受けましょう。
複数回の治療が必要な場合も:一度の治療で満足のいく結果が得られない場合もあります。治療計画全体の期間と費用を確認しましょう。
カウンセリングで確認すべきこと
美容医療を受ける前のカウンセリングは、非常に重要なステップです。この時間を有効に活用し、以下の点をしっかり確認しましょう。
治療の詳細:具体的にどのような治療を行うのか、どのような仕組みで効果が得られるのかを理解しましょう。わからない専門用語があれば、遠慮なく質問してください。
期待できる効果:現実的にどの程度の効果が期待できるのか、個人差についても確認しましょう。過度な期待は失望につながります。
リスクと副作用:どのようなリスクや副作用があるか、その発生頻度や対処法について説明を受けましょう。
ダウンタイム:治療後の回復期間、日常生活への影響について確認しましょう。仕事や予定との兼ね合いを考慮する必要があります。
費用の総額:治療費だけでなく、術前検査や術後のケア用品、万が一合併症が起きた場合の追加費用についても確認しましょう。
代替治療:同じ目的を達成できる他の治療法があるか、それぞれのメリット・デメリットについても聞いてみましょう。
契約時の注意事項
美容医療サービスの契約には、特定商取引法が適用される場合があります。消費者庁では、美容医療サービスに関する消費者トラブルの防止のため、様々な情報提供を行っています。
契約時に確認すべき主なポイントは以下の通りです。
契約書の内容:契約書には、治療内容、費用、期間、キャンセル条件などが明記されているはずです。サインする前に必ず熟読しましょう。
クーリングオフの可否:特定継続的役務提供に該当する契約の場合、一定期間内であればクーリングオフが可能です。その条件を確認しておきましょう。
中途解約の条件:治療を途中で中止したい場合の手続きや、返金の有無について確認しておきましょう。
トラブルが起きた場合の相談先
万が一、医療機関とのトラブルが発生した場合、一人で悩まずに適切な機関に相談することが大切です。
医療安全支援センター:各都道府県に設置されており、医療に関する相談を受け付けています。治療内容や医療機関の対応について相談できます。
消費生活センター:契約トラブルや料金に関する問題について相談できます。全国共通の電話番号「188(いやや)」で最寄りの消費生活センターにつながります。
日本医師会:医療に関する様々な相談窓口を設けています。
弁護士会:法的なトラブルに発展した場合は、法律相談を利用することもできます。

よくある疑問と不安への回答
患者さんからよく寄せられる疑問や不安について、一般的な回答をまとめました。
皮膚の小手術や美容医療における痛みは、多くの方が心配されるポイントです。
局所麻酔の使用:多くの皮膚手術では局所麻酔を使用します。麻酔注射時には一時的な痛みを感じますが、その後の手術中は痛みを感じにくくなります。
麻酔の痛み対策:麻酔注射の痛みを軽減するため、細い針の使用や、麻酔液を体温に近づけるなどの工夫をする医療機関もあります。カウンセリング時に痛み対策について質問してみましょう。
術後の痛み:手術後は、麻酔が切れると痛みを感じることがありますが、多くの場合、市販の鎮痛剤で対応可能な程度です。強い痛みが続く場合は、医療機関に連絡しましょう。
「傷跡は残るのか」という懸念
皮膚を切開する手術では、傷跡について心配される方が多くいらっしゃいます。
傷跡の程度:手術の種類や部位、個人の体質により傷跡の残り方は異なります。一般的に、顔など目立つ部位では、できるだけ目立たない縫合方法が選択されます。
ケロイド体質:ケロイドや肥厚性瘢痕ができやすい体質の方は、事前に医師に伝えることが重要です。適切な対策を講じることができます。
傷跡の経過:手術直後の傷跡は赤みがありますが、時間の経過とともに目立たなくなっていくことが一般的です。完全に落ち着くまでには数ヶ月から1年程度かかることもあります。
「再発はしないのか」という心配
粉瘤などの皮膚腫瘍の切除後の再発については、多くの方が気にされるポイントです。
完全切除の重要性:粉瘤は、袋状の構造物(嚢腫壁)を完全に取り除くことで再発を防ぐことができます。不完全な切除では再発のリスクが高まります。
術式の選択:粉瘤の治療には、従来の切開法のほか、くり抜き法などいくつかの術式があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、腫瘍の大きさや場所により適した方法が選択されます。
術後の経過観察:手術後も定期的に経過を観察し、異常があれば早期に対処することが大切です。
「費用が高すぎるのではないか」という疑問
医療費、特に自由診療の費用については、高いと感じられることもあるでしょう。
費用の内訳を理解する:治療費には、医師の技術料、使用する材料費、施設の維持費、スタッフの人件費などが含まれています。また、安全性を確保するための設備投資や、感染対策にもコストがかかっています。
保険診療との比較:同じような処置でも、保険診療と自由診療では費用が大きく異なります。症状や状態によっては保険適用が可能な場合もあるため、初診時に確認してみましょう。
他院との比較:複数の医療機関で見積もりを取り、比較検討することも一つの方法です。ただし、費用だけでなく、医師の経験や施設の設備、アフターケアの充実度なども総合的に判断しましょう。
「勧誘されるのではないか」という不安
カウンセリングに行くと強く勧誘されるのではないか、という不安を持つ方もいらっしゃいます。
断る権利:患者さんには、提案された治療を断る権利があります。納得できない治療を無理に受ける必要はありません。
その場で決めない:即決を求められても、一度持ち帰って検討する時間を取ることができます。「検討します」と伝えることは、決して失礼なことではありません。
複数の意見を聞く:セカンドオピニオンとして、他の医療機関の意見を聞くことも有効です。特に高額な治療や侵襲性の高い治療の場合は、複数の医師の意見を参考にすることをお勧めします。
医療における患者の権利と責任
医療は、医療者と患者さんの協力によって成り立つものです。患者さん自身も、自分の権利を理解し、責任ある行動をとることが大切です。
患者の権利
日本医師会が掲げる「患者の権利」には、以下のようなものがあります。
良質な医療を受ける権利:すべての人は、適切な医療を受ける権利を持っています。
選択の自由:患者さんは、医療機関や医師を自由に選択できます。また、提案された治療法を受け入れるか断るかを決定する権利があります。
知る権利:自分の病状、治療法、予後などについて、わかりやすい説明を受ける権利があります。
プライバシーの権利:個人情報や診療内容について、プライバシーが守られる権利があります。
患者の責任
一方で、患者さんにも以下のような責任があります。
正確な情報提供:自分の症状や既往歴、アレルギーの有無など、正確な情報を医師に伝える責任があります。これは安全な医療を受けるために不可欠です。
指示の遵守:処方された薬を正しく服用する、術後の注意事項を守るなど、医師の指示を守ることが大切です。
約束の尊重:予約時間を守る、キャンセルする場合は早めに連絡するなど、医療機関との約束を尊重しましょう。
適切な質問:わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに質問する責任があります。あいまいなままにしておくことは、誤解やトラブルの原因となります。
信頼できる医療機関を見極めるためのチェックリスト
ここまでの内容を踏まえ、医療機関を選ぶ際のチェックリストをまとめました。実際に医療機関を訪れる際の参考にしてください。
初診・カウンセリング時のチェックポイント
待ち時間と対応:予約システムが適切に機能しているか、待ち時間は許容範囲か、スタッフの対応は丁寧かを確認しましょう。
清潔さ:院内が清潔に保たれているか、感染対策が適切に行われているかを観察しましょう。
プライバシーへの配慮:診察室の配置や、会話が外に漏れないような工夫がなされているかを確認しましょう。
説明の丁寧さ:医師やスタッフが、専門用語を避け、わかりやすい言葉で説明してくれるかを確認しましょう。
質問への対応:質問に対して誠実に答えてくれるか、急いだり面倒くさそうな態度をとらないかを確認しましょう。
リスクの説明:良い面だけでなく、リスクや副作用についてもしっかり説明があるかを確認しましょう。
圧力の有無:その場での契約を強く勧めたり、他の治療法を否定したりしないかを確認しましょう。
契約前のチェックポイント
見積もりの明確さ:総額が明確に提示されているか、追加費用の可能性について説明があるかを確認しましょう。
契約書の内容:契約書に、治療内容、費用、期間、キャンセル条件などが明記されているかを確認しましょう。
検討時間:即決を求められず、十分な検討時間が与えられるかを確認しましょう。
他の選択肢:最も高額な治療だけでなく、他の選択肢も提示されているかを確認しましょう。
治療後のフォローアップ
術後の連絡先:緊急時の連絡先や、営業時間外の対応について説明があるかを確認しましょう。
定期検診の有無:術後の経過観察のための定期検診が設定されているかを確認しましょう。
トラブル時の対応:万が一、合併症や予期しない事態が起きた場合の対応について、事前に説明があるかを確認しましょう。
インターネット情報との向き合い方
現代では、医療機関を選ぶ際にインターネットで情報収集をすることが一般的です。しかし、ネット上の情報には正確なものもあれば、誤ったものや偏ったものもあります。
信頼できる情報源
医療情報を得る際に信頼できる情報源として、以下のようなものがあります。
公的機関のウェブサイト:厚生労働省、国民生活センター、各都道府県の医療情報サービスなど、公的機関が提供する情報は信頼性が高いといえます。
学会のウェブサイト:日本皮膚科学会、日本形成外科学会など、各専門分野の学会が提供する情報は、専門的で信頼性が高いものです。
医療機関の公式サイト:医療機関が自ら提供する情報も重要な情報源ですが、広告的な側面もあるため、複数の情報源と照らし合わせることが大切です。
口コミサイトの活用と注意点
口コミサイトは参考になる情報源の一つですが、以下の点に注意が必要です。
極端な評価に注意:非常に良い評価と非常に悪い評価は、平均的な体験を反映していない可能性があります。
個人差を考慮:医療では個人差が大きいため、他の人の経験が自分に当てはまるとは限りません。
投稿者の背景:投稿者がどのような治療を受けたか、どのような期待を持っていたかにより、評価は変わります。
複数の口コミを参考に:一つや二つの口コミだけで判断せず、多くの意見を総合的に見ることが大切です。
情報リテラシーの重要性
インターネット上の医療情報を適切に評価するためには、情報リテラシーが重要です。
情報の出所を確認:誰が、いつ、どのような目的で発信した情報かを確認しましょう。
複数の情報源を比較:一つの情報源だけに頼らず、複数の情報を比較検討しましょう。
専門家の意見を重視:素人の意見よりも、医療の専門家や公的機関の情報を重視しましょう。
更新日時を確認:医療情報は日々更新されています。古い情報でないかを確認しましょう。
医療における「やばい」を避けるために
ここまで、医療機関選びのポイントや注意点について詳しく見てきました。「やばい」と感じる状況を避け、安心して医療を受けるためのまとめとして、以下の点を再確認しましょう。
事前準備の重要性
医療機関を訪れる前に、以下のような準備をすることで、より良い結果が得られます。
自分の症状を整理:いつから、どのような症状があるか、これまでの経過などを整理しておきましょう。
質問事項をリストアップ:聞きたいことをあらかじめリストにしておくと、聞き忘れを防げます。
既往歴・アレルギーの確認:過去の病気、手術歴、アレルギーの有無を確認しておきましょう。
予算の検討:特に自由診療の場合、どの程度の費用まで負担できるかを検討しておきましょう。
セカンドオピニオンの活用
特に以下のような場合は、セカンドオピニオンを求めることを検討しましょう。
高額な治療を勧められた場合:複数の医療機関で見積もりを取り、比較検討することができます。
侵襲性の高い治療の場合:手術など体への負担が大きい治療の場合、他の医師の意見も参考にすると安心です。
説明に納得できない場合:説明が不十分だったり、疑問が解消されなかったりした場合は、他の医師の意見を聞いてみましょう。
セカンドオピニオンを求めることは、決して失礼なことではありません。患者さんの権利として認められています。
直感を大切にする
客観的な情報や基準も大切ですが、最終的には患者さん自身の直感も重要です。
違和感を無視しない:何か違和感を覚えたら、その感覚を無視せず、原因を探ってみましょう。
信頼できると感じるか:医師やスタッフとのコミュニケーションの中で、信頼できると感じられるかどうかは重要です。
安心して任せられるか:不安を抱えたまま治療を受けるのではなく、安心して任せられると思える医療機関を選びましょう。
おわりに:賢い医療消費者として
医療機関について「やばい」と検索することは、決してネガティブなことではありません。むしろ、慎重に情報を集め、納得のいく選択をしようとする賢明な姿勢の表れです。
医療は、人の健康と生活の質に直接関わる重要なサービスです。だからこそ、提供する側も受ける側も、真摯に向き合う必要があります。
患者さんとしては、以下の点を心がけましょう。
情報を集める:複数の情報源から、客観的な情報を集めましょう。
疑問を持つ:わからないことや不安なことがあれば、遠慮せずに質問しましょう。
権利を主張する:患者としての権利を理解し、必要に応じて主張しましょう。
責任を果たす:同時に、患者としての責任も果たしましょう。
一方、医療機関には以下のような姿勢が求められます。
透明性:治療内容、費用、リスクなどについて、透明性を持って説明すること。
誠実さ:患者さんの利益を第一に考え、誠実に対応すること。
継続的な質の向上:常に医療の質を向上させる努力を続けること。
「やばい」と感じる医療機関もあれば、信頼できる医療機関もあります。大切なのは、患者さん自身が判断する力を持つことです。本記事で紹介した情報やチェックポイントを参考に、ご自身に合った医療機関を見つけていただければ幸いです。
医療は、医療者と患者さんの信頼関係の上に成り立ちます。お互いが敬意を持ち、協力し合うことで、より良い医療が実現します。不安や疑問を抱えたまま治療を受けるのではなく、納得した上で前向きに治療に臨めることを願っています。
参考文献
本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にいたしました。
- 厚生労働省「医療広告ガイドライン」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/kokokukisei/index.html
- 消費者庁「美容医療サービスに関する情報」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/2023/overview/
- 日本皮膚科学会 https://www.dermatol.or.jp/
- 国民生活センター「美容医療サービスに関する相談」 http://www.kokusen.go.jp/
- 厚生労働省「上手な医療のかかり方」 https://www.mhlw.go.jp/
これらの公的機関や専門学会の情報は、医療機関選びや医療サービスを受ける際の重要な指針となります。詳細については、各ウェブサイトをご確認ください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務