
虫に刺された後、しこりのような硬いふくらみが残ってなかなか消えない、という経験をしたことはありませんか。軽い虫刺されであれば数日で症状が治まることがほとんどですが、なかには数週間から数か月間にわたってしこりが残り続けるケースもあります。しこりが残る原因は虫の種類や体質によってさまざまであり、適切な対処をしないと症状が悪化したり、思いがけない病気が隠れていたりすることもあります。この記事では、虫刺されによるしこりが生じるメカニズムや原因となる虫の種類、自分でできるケア方法、そして病院を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。
目次
- 虫刺されのしこりとはどのような状態か
- しこりができやすい虫の種類
- しこりが長引く原因とメカニズム
- 虫刺されのしこりに伴う症状の特徴
- 体質によって異なる反応の違い
- 自分でできるケア・対処法
- 市販薬を使用する際のポイント
- 病院を受診すべき症状・タイミング
- 虫刺されと間違えやすい皮膚の病気
- 虫刺されのしこりを予防するために
この記事のポイント
虫刺されのしこりはダニ・ノミ・ハチ等が原因で、免疫反応や慢性炎症により数か月続く場合がある。掻きむしりを避け市販薬で対処しつつ、1か月以上消えない・化膿・発熱などの症状があれば皮膚科を受診することが重要。
🎯 虫刺されのしこりとはどのような状態か
虫に刺されたり咬まれたりすると、皮膚に赤みやかゆみが生じます。これは虫の唾液や毒素に対して、体の免疫システムが反応しているためです。多くの場合は数日で赤みやかゆみが引き、症状が消えていきますが、炎症が皮膚の深い部分にまで及んだり、免疫反応が強く起きたりすると、皮膚の下に硬いかたまり、いわゆるしこりが形成されることがあります。
医学的にはこのような状態を「丘疹」「結節」あるいは「硬結」などと表現することがあります。虫刺されによるしこりは、皮膚科領域では「虫刺症(ちゅうししょう)」の一症状として分類されており、虫の種類や刺された部位、その人の体質によって大きさや症状の強さが異なります。
しこりの多くは痒みや軽い痛みを伴い、触れると固く感じられます。表面は赤みを帯びていることが多く、中心部に刺し口が確認できる場合もあります。しこりの大きさは数ミリ程度のものから、直径1〜2センチを超える大きなものまでさまざまで、なかには複数のしこりが集まってかたまりを形成することもあります。
Q. 虫刺されのしこりが長引く原因は何ですか?
虫刺されのしこりが長引く原因は主に3つあります。①虫の唾液や毒素への免疫反応が慢性化する、②ダニや毛虫の毒毛が皮膚内に残り「肉芽腫」が形成される、③掻きむしりによる細菌感染で炎症が悪化する、などが挙げられます。アレルギー体質の方は特に長期化しやすい傾向があります。
📋 しこりができやすい虫の種類
虫刺されによるしこりは、どんな虫に刺されても起こる可能性はありますが、特にしこりが残りやすい虫の種類があります。それぞれの特徴を理解することで、原因の特定や適切な対処につながります。
ダニはしこりの原因として非常に多い虫の一つです。ダニには布団や畳に潜むコナヒョウヒダニのようなハウスダストの原因となる種類と、草むらや森林に生息して人に咬みつくマダニという種類があります。マダニは皮膚に咬みついて血を吸う際に、長時間皮膚に固着していることがあります。咬まれた部位には強いかゆみや発赤が生じ、しこりが長期間残ることが多いです。また、マダニが媒介する感染症(重症熱性血小板減少症候群など)は命にかかわることもあるため、特に注意が必要です。
ノミも強いアレルギー反応を引き起こしやすい虫です。ネコノミやイヌノミが人を咬んだ場合、咬まれた部位が激しくかゆくなり、しこりのような反応が残ることがあります。特に動物を飼っている家庭では注意が必要で、足首や下腿に集中して症状が現れることが多いです。
ハチに刺された場合もしこりが残りやすいです。ミツバチやスズメバチ、アシナガバチは毒針を持っており、刺された部位に強い痛みと腫れが生じます。腫れが引いた後にしこりが残ることがあり、場合によっては数週間続くこともあります。また、ハチに二度以上刺された場合はアナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)が起きる危険があるため、迅速な対応が必要です。
毛虫(特にドクガの幼虫や チャドクガの幼虫)の毒毛に触れた場合も、皮膚に強い炎症が起き、かゆいしこりが残ることがあります。毒毛が皮膚に刺さったまま残ると、慢性的な炎症が続き、しこりが長期間消えないことがあります。
蚊は最も身近な虫刺されの原因ですが、体質によってはしこりが残ることがあります。通常は数日で症状が消えますが、強いアレルギー反応を持つ人では数週間以上にわたってしこりが続くこともあります。特に子どもでは「蚊アレルギー」と呼ばれる強い反応が起きることがあり、注意が必要です。
💊 しこりが長引く原因とメカニズム
虫刺されのしこりがなかなか消えない場合、さまざまな原因が考えられます。しこりが長引くメカニズムを理解することは、適切な対処を選ぶうえで重要です。
まず、免疫反応による慢性炎症が挙げられます。虫の唾液や毒素が体内に入ると、免疫細胞が異物として認識し、攻撃を行います。この免疫反応が強く起きた場合や、虫の成分が皮膚に残り続けている場合は、炎症が慢性化してしこりとして残ることがあります。特にアレルギー体質の人では、免疫反応が過剰に起きやすいため、しこりが長期間続く傾向があります。
次に、ダニや毛虫の毒毛が皮膚内に残っている場合があります。これらが皮膚に残っていると、体の防御反応として周囲を線維で包もうとし、「肉芽腫(にくがしゅ)」と呼ばれる硬いしこりが形成されることがあります。肉芽腫は異物反応として生じるものであり、原因となる物質が残っている限り自然に消えることは少なく、治療が必要になることがあります。
また、掻きむしりによる二次感染もしこりが長引く一因です。かゆみに耐えられず強く掻いてしまうと、皮膚のバリアが破れて細菌が侵入し、感染が起きることがあります。感染が起きると膿が溜まって腫れが強くなり、治癒が遅れることがあります。これを「とびひ(伝染性膿痂疹)」や「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と呼び、抗菌薬による治療が必要になります。
さらに、結節性痒疹(けっせつせいようしん)という状態に移行することもあります。これは、虫刺されやその他の原因で繰り返し掻きむしりが行われることで、皮膚が肥厚して硬いしこりになった状態です。強いかゆみを伴い、見た目にも目立つことが多く、通常の虫刺されの薬では効果が出にくいため、皮膚科での適切な治療が必要になります。
Q. 虫刺されのしこりができやすい虫はどれですか?
しこりが残りやすい虫として、マダニ・ノミ・ハチ・毛虫(チャドクガなど)が代表的です。マダニは長時間皮膚に固着し重篤な感染症(SFTSなど)を媒介するリスクがあります。ノミは足首周辺に強いアレルギー反応を引き起こし、ハチは腫れが引いた後も数週間しこりが残ることがあります。
🏥 虫刺されのしこりに伴う症状の特徴
虫刺されによるしこりには、さまざまな症状が伴います。それぞれの症状の特徴を理解しておくことで、状態の変化に気づきやすくなります。
かゆみは虫刺されの最も一般的な症状です。刺された直後から始まり、数時間後にピークを迎えることが多いです。かゆみの強さは虫の種類や個人の体質によって異なりますが、しこりが残っている間は慢性的なかゆみが続くことがあります。特に夜間はかゆみが増す傾向があり、睡眠の妨げになることも少なくありません。
腫れは免疫反応による炎症の表れです。軽度のものから大きく腫れるものまでさまざまで、特にハチ刺されや強いアレルギー反応では著しい腫れが生じることがあります。しこりとして残る段階では、腫れが落ち着いてから硬いかたまりとして触れられることが多いです。
痛みは特にハチ刺されやアリに咬まれた場合に強く現れます。虫刺されによる痛みは刺激痛(ズキズキする痛み)と圧痛(押したときの痛み)があり、感染を伴う場合は拍動するような痛みになることがあります。
発赤(赤み)は炎症の典型的なサインです。しこりの周囲が赤く染まることが多く、炎症が強い場合は熱感を伴うこともあります。赤みが時間とともに広がる場合は、感染やリンパ管炎の可能性があるため注意が必要です。
水疱(水ぶくれ)が形成されることもあります。強い炎症反応や毒素によって皮膚の表層が剥がれ、水疱ができることがあります。水疱を破ると感染のリスクが高まるため、自分で潰さないことが大切です。
⚠️ 体質によって異なる反応の違い
同じ虫に刺されても、人によって症状の出方が大きく異なります。これは主に体質や免疫の状態、過去の刺され経験によって決まります。
虫刺されに対する体の反応には「即時型反応」と「遅延型反応」の二種類があります。即時型反応は刺された直後から数時間以内に起きる反応で、強いかゆみや赤み、腫れが素早く現れます。一方、遅延型反応は刺されてから数時間後から数日後に起きる反応で、しこりや硬結として現れることが多いです。
アレルギー体質の人は、虫の唾液や毒素に対する免疫反応が過剰になりやすく、しこりが大きくなったり長く続いたりする傾向があります。また、花粉症やアトピー性皮膚炎を持つ人もアレルギー反応が強く出やすいといわれています。
年齢によっても反応が異なります。子どもは大人に比べて皮膚が薄く免疫反応が活発であるため、虫刺されに対して強い反応が出やすいです。特に小さな子どもが蚊に刺された場合でも、大きなしこりや水疱が形成されることがあります。一方、高齢者は免疫機能が低下していることが多く、感染症を引き起こしやすい傾向があります。
また、同じ虫に何度も刺された経験がある人ほど、アレルギー反応が強くなる場合があります。これは体が以前の刺され経験を覚えており(感作)、再度同じ抗原に触れたときに強い免疫反応を起こすためです。ただし、非常にまれなケースでは長年刺されることで徐々に反応が弱まることもあります。
🔍 自分でできるケア・対処法
虫刺されのしこりが気になる場合、まずは自宅でできる適切なケアを行うことが重要です。間違ったケアをするとかえって症状が悪化することもあるため、正しい対処法を覚えておきましょう。
刺された直後の対処として、まず流水で刺された部位を丁寧に洗い流すことが基本です。ハチに刺された場合は毒針が残っていることがあるため、ピンセットや爪でつまんで取り除きます。その際、毒のうを押しつぶさないように、横からスライドさせるようにして取り除くとよいでしょう。マダニが皮膚に咬みついている場合は、無理に引き抜こうとすると頭部が皮膚内に残ることがあるため、自分では対処せずに医療機関を受診することが推奨されます。
冷却(アイシング)はかゆみや腫れを一時的に抑えるのに有効な方法です。氷をタオルに包んで患部に当てたり、保冷剤を使用したりすることで炎症を抑えることができます。ただし、冷やしすぎると凍傷になる恐れがあるため、一度に15〜20分程度を目安にし、直接氷を肌に当てることは避けてください。
掻きむしりを我慢することは非常に重要です。かゆみがあると無意識に掻いてしまいがちですが、掻くことで皮膚のバリア機能が破壊され、細菌が侵入して感染症が起きたり、しこりが悪化したりする原因になります。特に爪が長い場合は短く切ることが感染予防に効果的です。かゆみがつらい場合は、患部を冷やしたり、かゆみ止めの薬を使用したりすることで掻きたい衝動を抑えることができます。
患部を清潔に保つことも大切です。汗や汚れが付着すると炎症が悪化しやすくなるため、入浴時は患部を優しく洗い、清潔を保ちましょう。ただし、強くこすることは避けてください。
日常生活では、患部を必要以上に触らないこと、きつい衣類で患部を摩擦しないこと、強い紫外線を当てないことなどを心がけることで、しこりの悪化を防ぐことができます。
Q. 虫刺されのしこりに市販薬は効果がありますか?
市販薬はしこりの一時的な緩和に有効です。抗ヒスタミン成分のかゆみ止め外用薬は掻きむしりを防ぎ、ステロイド外用薬は炎症を抑えしこりの縮小に効果があります。ただし化膿している場合はステロイド使用を避け、1〜2週間使用しても改善しない場合は自己判断を続けず皮膚科を受診することが重要です。
📝 市販薬を使用する際のポイント
虫刺されのしこりに対して、ドラッグストアなどで購入できる市販薬を使用することがあります。市販薬にはさまざまな種類がありますが、しこりに対して効果的なものと使用上の注意点を理解しておくことが大切です。
かゆみ止め(抗ヒスタミン薬)の外用薬は、ジフェンヒドラミンやクロタミトンなどの成分が含まれており、かゆみを抑える効果があります。液体タイプ、ゲルタイプ、クリームタイプなどがあり、患部に直接塗布して使用します。かゆみを和らげることで掻きむしりを防ぎ、しこりの悪化を抑えることが期待できます。
ステロイド外用薬は、炎症を抑える効果が高く、しこりの縮小にも効果があります。市販のステロイド外用薬には複数の強さ(ストロングクラスやミディアムクラスなど)があります。使用する際は、顔や皮膚の薄い部位には弱いステロイドを選ぶ、同じ部位への長期連用は避けるなどの注意が必要です。また、感染を伴う場合(患部が化膿している場合など)はステロイドの使用は避けるべきです。
非ステロイド系抗炎症薬(インドメタシン含有外用薬など)も、炎症やかゆみを抑える目的で使用されることがあります。ステロイドの使用を避けたい場合の選択肢として用いられますが、効果はステロイド薬よりも穏やかなことが多いです。
市販薬を使用しても1〜2週間以上症状が改善しない場合や、症状が悪化している場合は、自己判断での薬の使用を続けず医療機関を受診することが重要です。市販薬はあくまでも一時的な症状緩和のためのものであり、根本的な治療は医師の診断に基づいて行う必要があります。
💡 病院を受診すべき症状・タイミング
虫刺されのしこりのなかには、自己対処では不十分で医療機関での治療が必要なケースがあります。以下のような症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。
しこりや腫れが1か月以上経過しても消えない場合は、皮膚科を受診してください。通常の虫刺されであれば数日から数週間で症状が改善しますが、長期間にわたって症状が続く場合は、肉芽腫の形成や結節性痒疹、あるいは他の皮膚疾患が隠れている可能性があります。
患部が化膿している(膿が出る)場合、または患部周囲の赤みが拡大している場合は、細菌感染が起きている可能性があります。このような場合は抗菌薬による治療が必要になるため、早めに受診してください。
高熱が続く場合は要注意です。特にマダニに咬まれた後に発熱が続く場合は、日本紅斑熱やライム病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症が疑われることがあります。これらの感染症は早期治療が重要なため、疑わしい場合は直ちに医療機関を受診してください。
ハチに刺された後に呼吸困難、じんましん、顔面の腫れ、めまい、嘔吐などのアレルギー症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。これは生命にかかわる緊急事態であるため、すぐに救急車を呼ぶか、エピネフリン自己注射器(エピペン)を持っている場合は直ちに使用してください。
しこりが急速に大きくなっている場合や、しこりの数が増えている場合も受診が必要です。虫刺されによるしこりは通常、時間とともに小さくなっていくため、拡大傾向が見られる場合は他の疾患の可能性を考える必要があります。
子どもが蚊に刺されて高熱、リンパ節の腫れ、肝機能の異常などを繰り返す場合は、「EBウイルス関連蚊アレルギー(慢性活動性EBウイルス感染症)」という稀な病気が疑われることがあります。このような場合は専門医への相談が必要です。
受診する診療科は基本的に皮膚科です。しかし、全身症状が強い場合や発熱が高い場合は内科や救急外来への受診も検討してください。受診の際には、いつ・どこで・何に刺されたか(わかる範囲で)、どのような症状がどれくらい続いているかをメモしておくと、診察がスムーズになります。
Q. 虫刺されのしこりで緊急受診が必要な症状は何ですか?
以下の場合は速やかに医療機関を受診してください。①しこりが1か月以上消えない、②患部が化膿または赤みが拡大している、③マダニ刺咬後に高熱が続く(感染症の疑い)。またハチ刺され後に呼吸困難・顔面の腫れ・めまいが現れた場合はアナフィラキシーの可能性があり、直ちに救急車を要請する必要があります。
✨ 虫刺されと間違えやすい皮膚の病気
虫刺されによるしこりと似た症状を示す皮膚の病気が存在します。自己診断で虫刺されと思い込んでいた症状が、実は別の皮膚疾患であることも少なくありません。虫刺されと間違えやすい代表的な皮膚の病気を知っておきましょう。
皮膚炎(湿疹)は、アレルゲンや刺激物への接触によって起きる皮膚の炎症です。接触皮膚炎では、かぶれた部位が赤くなり、かゆみとともに小さなぶつぶつやしこりが生じることがあります。衣類のゴムや金属、植物などに触れた部位に限定して現れることが多く、見た目が虫刺されに似ることがあります。
蕁麻疹(じんましん)は、アレルギー反応によって皮膚に一時的に盛り上がりが生じる状態です。数時間以内に出現しては消えることが多いですが、慢性化すると繰り返し症状が現れることもあります。突然現れる皮膚の隆起という点で虫刺されと混同されることがあります。
水いぼ(伝染性軟属腫)は、ウイルスが原因で生じる皮膚の感染症で、小さなドーム状の隆起が皮膚に現れます。特に子どもに多く、かゆみはそれほど強くないことが多いですが、虫刺されによるしこりと見間違えることがあります。
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物が形成され、老廃物が蓄積したしこりです。全身のあらゆる部位に生じる可能性があり、硬いしこりとして触れられます。炎症を起こすと赤く腫れることもあり、虫刺されによる感染したしこりと区別がつきにくいことがあります。
毛嚢炎(もうのうえん)は、毛穴が細菌に感染して炎症を起こした状態です。赤みとともに小さなしこりが生じ、押すと痛みを感じることがあります。虫刺されの感染型とよく似た症状を示すことがあります。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、水痘(水ぼうそう)のウイルスが体内に潜伏しており、免疫力が低下したときに再活性化することで起きます。皮膚に水疱や赤みが線状に現れ、神経痛が伴います。初期段階では虫刺されのような見た目になることがあります。
このように、虫刺されに似た症状を呈する皮膚の病気は多数あります。自己判断での対処を続けて症状が改善しない場合は、皮膚科での診察を受け、正確な診断をしてもらうことが大切です。
📌 虫刺されのしこりを予防するために

虫刺されのしこりを防ぐためには、まず虫に刺されないための対策を徹底することが重要です。また、刺されてしまった場合でも早期に適切な対処をすることで、しこりの形成を最小限に抑えることができます。
虫除け対策として、外出時には虫除けスプレーや忌避剤(ディートやイカリジンを含む製品)を肌の露出部分に塗布することが効果的です。特に森林や草むらに入る際は、長袖・長ズボン・靴下を着用して肌の露出を減らすことが重要です。ハチが活動的な時期(5〜10月頃)は白っぽい服を着用することが推奨されています。ハチは黒いものに攻撃性を示すことがあるためです。また、香水や強い匂いのする製品はハチを引き寄せる可能性があるため、アウトドア時には使用を控えることをおすすめします。
自宅内での対策として、網戸の使用や虫除け線香の使用が一般的です。寝室には蚊帳の使用も有効です。ダニ対策としては、定期的な掃除や布団の日光干し、防ダニ加工の寝具の使用が効果的です。ペットを飼っている場合は、ノミやダニの定期的な駆除を行うことも重要です。
虫刺され後の早期対処についても確認しておきましょう。刺されたことに気づいたら、すぐに流水で洗い流し、冷却して炎症を抑えることが基本です。かゆみが出始めたら早めにかゆみ止めを使用することで、掻きむしりによるしこりの悪化を防ぐことができます。
アレルギー体質の方や過去に重篤なハチアレルギーを経験した方は、あらかじめ医療機関で相談し、必要に応じてエピネフリン自己注射器(エピペン)を処方してもらうことも検討してください。
皮膚のケアも予防に役立ちます。皮膚のバリア機能を高めることで、虫刺されへの反応を軽減できることがあります。保湿剤を日常的に使用して皮膚を健康な状態に保つことは、アトピー性皮膚炎や乾燥肌の方にとって特に重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、虫刺されによるしこりが「なかなか消えない」とご心配されて来院される患者様が多く、特に夏から秋にかけての時期に多い印象があります。しこりが数週間以上続く場合は、結節性痒疹や肉芽腫など通常のケアでは対処しきれない状態に移行していることもあるため、市販薬で改善が見られない場合は早めにご相談いただくことをお勧めします。マダニ刺咬後の発熱など全身症状を伴うケースは特に緊急性が高く、どうぞ遠慮なく受診していただければ、患者様一人ひとりの状態に合った適切な治療をご提案いたします。」
🎯 よくある質問
軽い虫刺されであれば数日で症状が治まることがほとんどですが、虫の種類や体質によっては数週間から数か月間しこりが残るケースもあります。アレルギー体質の方や子どもは反応が強く出やすい傾向があります。1か月以上経過しても消えない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。
特にしこりが残りやすい虫として、マダニ・ノミ・ハチ・毛虫(チャドクガなど)が挙げられます。マダニは長時間皮膚に固着し感染症リスクもあるため注意が必要です。蚊は比較的軽症ですが、強いアレルギー体質の方や子どもでは大きなしこりが残ることもあります。
まず流水で患部を洗い流し、タオルに包んだ保冷剤などで冷却して炎症を抑えましょう。かゆみがある場合は市販のかゆみ止めやステロイド外用薬を使用するのも有効です。掻きむしりは感染やしこりの悪化につながるため、できる限り我慢することが重要です。
以下の場合は速やかに医療機関を受診してください。①しこりが1か月以上消えない、②患部が化膿している、③マダニに咬まれた後に高熱が続く、④ハチ刺され後に呼吸困難や顔面の腫れが現れた場合(アナフィラキシーの疑い)は救急車を呼ぶ必要があります。アイシークリニックでもお気軽にご相談ください。
接触皮膚炎・蕁麻疹・水いぼ・粉瘤・毛嚢炎・帯状疱疹など、虫刺されに似た症状を示す皮膚疾患は多く存在します。市販薬を使用しても症状が改善しない場合は、自己判断での対処を続けず、皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。
📋 まとめ
虫刺されによるしこりは、免疫反応や炎症が皮膚の深い部分に及ぶことで生じます。原因となる虫の種類や個人の体質によって症状の強さや期間が異なり、なかには数か月以上しこりが残るケースもあります。
自宅でのケアとしては、患部を清潔に保つこと、掻きむしりを避けること、冷却や市販薬を適切に使用することが基本です。しかし、しこりが長期間消えない、化膿している、全身症状が出ているなどの場合は、自己判断での対処を続けず、早めに皮膚科を受診することが重要です。
虫刺されと似た症状を呈する皮膚の病気も多く存在するため、「虫に刺されただけだから大丈夫」と安易に考えず、症状が続く場合は専門家の診察を受けることをおすすめします。虫刺されのしこりで気になることがある場合は、アイシークリニック新宿院にお気軽にご相談ください。適切な診察と治療方針のご提案により、症状の改善をサポートいたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺症(虫刺されによるしこり・結節性痒疹・肉芽腫など)の診断・治療ガイドラインおよび皮膚科領域における虫刺されの分類・症状・対処法に関する情報
- 国立感染症研究所 – マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・日本紅斑熱・ライム病などの感染症に関する情報および感染予防対策
- 厚生労働省 – ハチ刺されによるアナフィラキシーへの対応・虫刺され全般の予防策およびエピネフリン自己注射器(エピペン)に関する行政情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
