子供の虫刺されで腫れがひどい時の原因と対処法を解説

夏になると子供が虫刺されで腫れてしまい、どう対処すればいいか悩む親御さんは多いのではないでしょうか。大人に比べて子供は虫刺されに対する反応が強く出やすく、腫れや赤みが広がって「これは病院に行くべき?」と不安になることも少なくありません。虫刺されによる腫れには、蚊やハチ、毛虫など原因となる虫の種類によって対処法が異なります。また、アレルギー反応が関係している場合もあり、適切な知識を持っておくことが子供の健康を守るうえで重要です。この記事では、子供の虫刺されで腫れが生じるメカニズムから、虫の種類別の症状と応急処置、病院を受診すべき目安まで、医療的な観点からわかりやすくご説明します。


目次

  1. 子供の虫刺されで腫れやすい理由
  2. 虫刺されで腫れが起きるメカニズム
  3. 虫の種類別:症状と腫れの特徴
  4. 虫刺されによる腫れの応急処置
  5. 病院を受診すべき症状・タイミング
  6. アナフィラキシーショックについて知っておこう
  7. 虫刺されの腫れに使う市販薬の選び方
  8. 跡(色素沈着)が残らないためのケア方法
  9. 虫刺されを予防するためのポイント
  10. まとめ

この記事のポイント

子供の虫刺されは皮膚が薄く免疫反応が過剰なため大人より腫れやすい。応急処置は「洗う・冷やす・かかない」が基本腫れが72時間以上続く場合や全身じんましん・呼吸困難などアナフィラキシー症状には即救急対応が必要

🎯 1. 子供の虫刺されで腫れやすい理由

子供は大人と比べて虫刺されの後に腫れが目立ちやすいことが知られています。その理由はいくつか挙げられます。

まず、子供の皮膚は大人よりも薄く、バリア機能が十分に発達していないため、虫が注入する成分(毒素・唾液など)が皮膚の深い層まで届きやすい構造になっています。皮膚が薄いということは、外部からの刺激に対して体が敏感に反応しやすいということでもあります。

次に、免疫システムの発達段階という問題があります。子供の免疫機能はまだ発達途上にあり、異物に対する反応が過剰になることがあります。特に生まれて初めて特定の虫に刺された場合は症状が軽くても、2回目以降は免疫が記憶していることで強い反応(アレルギー反応)を引き起こすことがあります

また、子供は虫に刺されても気づかないまま放置してしまうことがあります。刺激に敏感でないため、刺された部位を無意識にかき続けてしまい、腫れがひどくなるケースも多く見られます。

さらに、子供は屋外での活動が多く、虫が活発に活動する草むらや水辺に近い環境に長時間いることが多いのも要因の一つです。虫に刺される機会自体が大人よりも多い傾向があります。

Q. 子供が虫刺されで大人より腫れやすい理由は?

子供の皮膚は大人より薄くバリア機能が未発達なため、虫の毒素や唾液が皮膚の深い層まで届きやすい構造です。また免疫システムが発達途上にあり異物に過剰反応しやすく、2回目以降に刺されると免疫が記憶してより強いアレルギー反応が生じることがあります。

📋 2. 虫刺されで腫れが起きるメカニズム

虫刺されによって腫れが生じる仕組みを理解しておくと、適切な対処法の選択につながります。

虫に刺されると、虫の唾液や毒液などの異物が体内に侵入します。すると体の免疫系がこれを「外敵」と認識し、排除しようとする防御反応が起きます。この防御反応の過程でヒスタミンなどの化学物質が放出され、血管が拡張・透過性が高まることで周囲の組織に液体が漏れ出し、赤み・腫れ・かゆみが生じます。これが虫刺されの直後に起きる「即時型反応」です。

一方、刺されてから数時間後に現れる「遅延型反応」もあります。これはT細胞(免疫細胞)が異物を認識して引き起こす炎症反応で、刺されてから6〜24時間後に腫れやかゆみがピークになることがあります。子供の場合、この遅延型反応が強く出ることが多く、「翌日になってから急に腫れが大きくなった」というケースはこのメカニズムによるものです。

特に注意が必要なのは、アレルギー体質の子供の場合です。通常の免疫反応を超えた過剰な反応(アレルギー反応)が起きることがあり、局所的な腫れにとどまらず全身に影響が及ぶことがあります。最も重篤な状態がアナフィラキシーショックで、ハチに刺された場合などに起こりやすく、迅速な対応が必要です。

💊 3. 虫の種類別:症状と腫れの特徴

虫刺されといっても、原因となる虫によって症状や腫れの程度、対処法は大きく異なります。代表的な虫について解説します。

🦠 蚊(か)

子供が最もよく刺される虫といえば蚊です。蚊に刺されると、刺されてすぐに赤くなって腫れ、強いかゆみが生じます。通常は数時間から1日程度で症状が治まりますが、子供によっては翌日以降にさらに腫れが広がることがあります。

特に幼い子供に見られる「スキタービー(Skeeter syndrome)」と呼ばれる状態では、蚊に刺された部位が大きく腫れ上がり、水疱(みずぶくれ)ができたり、発熱を伴ったりすることがあります。これは蚊の唾液に含まれる成分に対する強いアレルギー反応によるもので、見た目は蜂窩織炎(ほうかしきえん)に似ていることもあります。成長とともに免疫が形成されて反応が落ち着いてくることが多いですが、症状がひどい場合は医療機関への受診が必要です。

👴 ハチ(蜂)

ハチに刺された場合は、強い痛みが刺された瞬間に生じます。局所的に赤く腫れ、熱を持ちます。スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチなどの種類によって毒の強さが異なりますが、いずれも注意が必要です。

ハチ刺されで最も怖いのは、アレルギー反応(アナフィラキシー)です。ハチの毒に含まれるタンパク質はアレルギーを引き起こしやすく、刺されてから15〜30分以内に全身症状が現れることがあります。また、1回目に刺された時よりも2回目以降に刺された時の方が重篤な反応が起きやすい傾向があります。

ミツバチは刺した後に針が皮膚に残ります。この場合はピンセットなどで針を取り除く必要がありますが、針に付いている毒袋をつかむと毒が押し出されてしまうため、針の根元を皮膚の表面に沿ってこすり取るようにして除去するのが基本です。

🔸 アブ・ブヨ

アブやブヨは皮膚を噛んで血を吸う虫です。刺された直後はほとんど痛みを感じないことが多いですが、数時間後から数日後にかけて強いかゆみと腫れが現れます。ブヨに刺された場合は特に腫れがひどくなりやすく、患部が硬くなることがあります。

山や川など自然の多い場所でよく見られ、子供が夏のレジャー中に刺されることが多いです。蚊よりも症状が長引くことが多く、適切なケアをしないと数週間症状が続くこともあります

💧 毛虫・チャドクガ

毛虫による症状は「刺される」のではなく、毛虫の細かい毒毛(どくもう)が皮膚に刺さることで起きます。チャドクガはツバキやサザンカなどの葉の裏に産卵し、触れていなくても風で毒毛が飛散して被害を受けることがあります。

症状としては、赤く腫れた発疹が多数できて強いかゆみが生じます。患部を触った手で目や顔を触ると症状が広がるため注意が必要です。毒毛は衣類に付着することがあり、一度洗っても取れない場合があるため、衣類のケアも重要です。

✨ ダニ・マダニ

ダニに刺されると赤い発疹が現れ、激しいかゆみが生じます。特にマダニは皮膚に食い込んで吸血し、感染症(日本紅斑熱、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)など)を媒介する危険性があります。マダニが皮膚に付着している場合は、自分で無理に取ろうとせず医療機関を受診してください。無理に取り除こうとすると、マダニの体が皮膚の中に残ってしまったり、感染のリスクが高まったりします。

📌 ムカデ

ムカデに噛まれると激しい痛みと腫れが生じます。ムカデの毒には組織を傷つける成分が含まれており、噛まれた部分が赤く腫れ上がります。アレルギー反応が起きることもあり、ハチ刺されと同様にアナフィラキシーには注意が必要です。

Q. 虫刺されの翌日に急に腫れが広がるのはなぜ?

虫刺されの翌日に腫れが広がるのは「遅延型反応」によるものです。刺されてから6〜24時間後にT細胞(免疫細胞)が異物を認識して炎症反応を引き起こします。子供はこの遅延型反応が特に強く出やすい傾向があり、翌日に急に腫れが大きくなったように見えるのはこのためです。

🏥 4. 虫刺されによる腫れの応急処置

虫刺されの応急処置は素早く行うことが重要です。正しい応急処置によって症状の悪化を防ぎ、回復を早めることができます。

▶️ まず患部を洗い流す

虫刺されに気づいたら、まず患部を流水と石鹸で優しく洗い流します。毒成分や細菌を洗い流すことで感染のリスクを下げ、炎症を抑える効果が期待できます。毛虫の毒毛が付着している場合も、流水で洗い流すことが基本ですが、こすると毒毛が皮膚の中に入ってしまう可能性があるため、流水を当てるだけにしましょう。

🔹 冷やす

患部を冷やすことで血管が収縮し、腫れやかゆみを軽減させる効果があります。保冷剤や氷をタオルで包んで患部に当てます。直接皮膚に当てると凍傷のリスクがあるため、必ず布越しに使用してください。10〜15分程度を目安に冷やしましょう

📍 かかないようにする

子供は虫刺されの後に強いかゆみを感じるとかき続けてしまいがちです。しかし、かくことで皮膚のバリアが壊れ、細菌感染を起こして症状が悪化することがあります。爪は短く清潔に保ち、就寝中に無意識にかかないよう、綿の薄手の手袋を着用させることも有効です。かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬を含む市販の塗り薬を使用することも一つの方法です。

💫 ハチに刺された場合の対処法

ハチに刺された場合は、まず刺した場所から速やかに離れることが重要です。ハチは仲間を呼び寄せるフェロモンを放出することがあり、その場に留まると追加で刺されるリスクがあります。ミツバチの場合は針が皮膚に残っていることがあるため、前述の通り正しい方法で取り除きます。

患部は流水で洗い流し、冷やします。以前にハチに刺されてアレルギー反応が出たことがある場合は、エピペン(アドレナリン自己注射器)を処方されているケースもあります。全身症状(じんましん、喉の違和感、意識の変化など)が現れた場合はすぐに救急車を呼んでください

🦠 毛虫に触れた場合の対処法

毛虫の毒毛が皮膚に刺さった場合は、セロハンテープやガムテープを患部に貼って毒毛を取り除く方法が有効です。テープを貼ってゆっくりはがすことで毒毛を取り除けます。その後、流水で洗い流します。患部を触った手でほかの部位を触らないよう注意してください。

⚠️ 5. 病院を受診すべき症状・タイミング

虫刺されの多くは自宅でのケアで対処できますが、以下のような場合は医療機関への受診が必要です。

👴 すぐに病院へ行くべき症状

以下の症状が現れた場合は、速やかに救急外来を受診するか、救急車を呼んでください。

じんましんが全身に広がっている、顔や唇・舌・喉が腫れている、呼吸が苦しい・喘鳴(ゼーゼー)がある、声がかすれている・飲み込みにくい、ぐったりしている・意識が混濁している、激しい腹痛・嘔吐・下痢を伴っている、血圧が急激に低下している様子がある、といった症状は、アナフィラキシーショックの可能性があります。これらは命に関わる状態であり、一刻も早い対応が求められます。

クリニックでカウンセリングを受ける患者と女性医師

🔸 数日以内に受診すべき症状

緊急ではないものの、以下のような状態が続く場合は皮膚科や小児科を受診してください。

腫れが72時間以上経っても引かない、腫れが広がり続けている、患部が赤く熱を持ち、痛みが増している(蜂窩織炎の可能性)、刺された部位から赤いすじが伸びている(リンパ管炎の可能性)、水疱(みずぶくれ)ができている、発熱・倦怠感がある、かゆみが非常に強く睡眠が妨げられている、マダニが皮膚に付着したままになっている、といった場合は早めに受診することをお勧めします。

特に顔や目の周り、陰部などに虫刺されがある場合は腫れが著明になりやすいため、注意が必要です。目の周りが腫れると目が開けられなくなることもあり、親御さんが驚いて受診されるケースがよくありますが、こうした場合も早めに診てもらうことをお勧めします。

Q. 虫刺されでアナフィラキシーが疑われる症状とは?

虫刺され後に全身へじんましんが広がる、顔・唇・舌・喉が腫れる、呼吸が苦しい・喘鳴がある、声がかすれる、ぐったりして意識が混濁するといった症状はアナフィラキシーショックの可能性があります。これらは命に関わる状態のため、すぐに救急車を呼ぶことが最優先です。

🔍 6. アナフィラキシーショックについて知っておこう

アナフィラキシーショックは、アレルゲン(今回の場合は虫の毒や唾液)に対して全身性の急激なアレルギー反応が生じた状態です。特にハチ刺されとの関連が有名ですが、蚊に刺された場合でも稀に起こることがあります。

アナフィラキシーの症状は刺されてから数分〜30分以内に現れることが多く、皮膚症状(全身のじんましん・かゆみ・赤み)、呼吸器症状(喘鳴・呼吸困難・咳)、消化器症状(嘔吐・腹痛・下痢)、循環器症状(血圧低下・脈の乱れ)、神経症状(意識の混濁・失神)などが複数組み合わさって現れます。

子供の場合、症状をうまく言葉で表現できないこともあります。「喉がイガイガする」「気持ち悪い」「なんとなくおかしい」という訴えであっても、虫刺されの後であれば注意が必要です。

アナフィラキシーショックの治療はアドレナリン(エピネフリン)の投与が第一選択となります。過去にアナフィラキシーを起こしたことがある場合は、医師から「エピペン」を処方されることがあります。エピペンの使用法を事前に確認しておき、幼稚園や学校などにも保管しておくことが重要です。

アナフィラキシーは一度症状が落ち着いた後(1〜8時間後)に再び症状が現れる「二相性アナフィラキシー」が起こることもあるため、病院での観察が必要です。自宅で様子を見るのは危険ですので、必ず医療機関を受診してください。

📝 7. 虫刺されの腫れに使う市販薬の選び方

軽度の虫刺されによる腫れであれば、市販薬での対処も可能です。ただし、子供への使用は年齢制限や用量に注意が必要です。

💧 外用薬(塗り薬)

虫刺されには一般的に抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)やステロイド成分(ヒドロコルチゾンなど)を含む外用薬が使用されます

抗ヒスタミン成分を含む塗り薬はかゆみを抑える効果があります。ステロイドを含む塗り薬は炎症を抑え、腫れやかゆみを効果的に軽減します。市販のステロイド外用薬は強さが異なりますが、子供への使用は弱いランクのものを選び、長期間の使用は避けましょう

なお、子供の顔・陰部・脇などのデリケートな部位へのステロイドの使用は、医師の指導のもとで行うことが望ましいです。また、2歳未満の乳幼児への使用については、医師や薬剤師に相談してから使用するようにしてください

✨ 内服薬(飲み薬)

かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬を使用することも選択肢の一つです。市販の子供用かゆみ止め内服薬は年齢に応じた用量が設定されています。

ただし、抗ヒスタミン薬には眠気の副作用があるため、日中の活動に影響することを念頭においておく必要があります。乳幼児への使用は慎重にし、薬剤師や医師に相談することをお勧めします。

📌 市販薬を使う際の注意点

市販薬を使用する際は、必ず年齢制限・用法用量を守ることが基本です。症状が改善しない場合や悪化した場合は、市販薬の使用を続けるのではなく医療機関を受診しましょう。特に1歳未満の乳児への使用は医師への相談が必要です。

Q. 子供の虫刺されに市販薬を使う際の注意点は?

子供の虫刺されには抗ヒスタミン成分やステロイド成分を含む塗り薬が使われますが、必ず年齢制限・用法用量を守ることが基本です。顔や陰部などデリケートな部位へのステロイド使用は医師の指導が望ましく、2歳未満の乳幼児への使用は事前に医師や薬剤師へ相談してください。症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

💡 8. 跡(色素沈着)が残らないためのケア方法

子供の虫刺されは適切なケアをしないと、かゆみから患部をかき続け、色素沈着(黒ずみ)や瘢痕(傷跡)が残ってしまうことがあります。特にアトピー性皮膚炎のある子供は皮膚のバリア機能が低いため、色素沈着が残りやすい傾向があります。

▶️ かかせない工夫をする

色素沈着の最大の原因はかくことです。かゆみをコントロールするために塗り薬や内服薬を適切に使用することが重要です。就寝中のかきこわしを防ぐために、綿の手袋や患部を覆うガーゼなどを活用しましょう。

🔹 炎症を早めに治める

炎症が長引くほど色素沈着が残りやすくなります。医師に処方されたステロイド外用薬などを適切に使用して、炎症を早めに鎮めることが色素沈着の予防につながります。

📍 紫外線対策を行う

虫刺されの後は皮膚が敏感になっており、紫外線によって色素沈着が悪化することがあります。患部への日焼け対策として、衣服で覆う、日焼け止めを使用するなどの対策を行いましょう。

💫 保湿を続ける

皮膚のバリア機能を回復させるために、患部が治った後も保湿を続けることが大切です。乾燥した皮膚は外部刺激に対して敏感になりやすく、次の虫刺されでも強い反応が出やすくなります。子供に合った低刺激の保湿剤を毎日使用することをお勧めします。

🦠 色素沈着がなかなか消えない場合

虫刺されの跡が数ヶ月経っても消えない場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。ビタミンC誘導体などを含む外用薬が処方されることがあります。子供の場合は成長とともに皮膚のターンオーバーが活発で自然に薄くなることも多いですが、気になる場合は専門家に相談しましょう。

✨ 9. 虫刺されを予防するためのポイント

子供を虫刺されから守るためには、日頃からの予防対策が重要です。虫の種類によって予防のポイントが異なりますが、基本的な予防策を実践することで被害を大幅に減らすことができます。

👴 衣類による物理的な防護

草むらや森などに入る際は、長袖・長ズボン・靴下を着用し、肌の露出を減らすことが基本です。帽子も虫の侵入を防ぐのに有効です。白っぽい色の衣服はハチを刺激しにくいと言われています。逆に黒い衣服はハチを引き寄せる可能性があるため、野外活動の際は避けた方が良いでしょう

🔸 子供用虫よけ剤の使用

子供向けの虫よけ剤を使用する際は、安全性に配慮した成分が含まれているものを選ぶことが重要です。

ディート(DEET)は広く使われている虫よけ成分ですが、子供への使用に注意が必要です。12歳未満の子供には低濃度(10〜30%以下)のものを使用し、生後6ヶ月未満の乳児には使用しないことが推奨されています。顔や傷口への塗布も避けましょう。

イカリジン(ピカリジン)は子供にも比較的安全に使用できる成分です。生後6ヶ月から使用可能とされており、肌への刺激が少ないのが特徴です。

また、シトロネラなどの植物由来成分を使った虫よけ製品もありますが、ディートやイカリジンに比べると効果の持続時間は短い傾向があります。

💧 環境対策

自宅周辺の蚊の発生源を減らすことも重要です。水が溜まったバケツや植木鉢の受け皿などは蚊の産卵場所になりますので、定期的に水を捨てるか覆いをしましょう。

ハチの巣は早期発見・早期駆除が重要です。軒下、屋根裏、庭木などを定期的に確認しましょう。ハチの巣を発見した場合は、自分で駆除しようとせず専門業者や市区町村に相談してください

庭や公園でのピクニックの際は、甘い食べ物・飲み物をカバーしておきましょう。ジュースの缶の中にハチが入り込んでいて口の中を刺されるケースが報告されています。

✨ 毛虫対策

チャドクガなどの毛虫が多い季節(春〜秋)には、ツバキ・サザンカ・チャなどの植物の近くで遊ばせるのを避けましょう。植木の手入れをする際は長袖・手袋・マスクを着用し、終わったら衣服を脱いで洗濯することが大切です。

📌 マダニ対策

マダニは草むらや森の中に潜んでいます。野外活動後は全身を確認し、マダニが付着していないかチェックしましょう。特に耳の後ろ、わきの下、膝の裏、陰部などに付着しやすいので注意してください

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、夏になると虫刺されによる腫れを心配されたお子様とご来院される親御さんが多く、特に翌日以降に急に腫れが広がったと驚かれるケースをよくお見受けします。お子様は皮膚のバリア機能が未発達なうえ免疫反応が過剰になりやすいため、大人では軽く済む虫刺されでも強い症状が出ることは珍しくありませんので、過度に心配しすぎず、しかし軽視もせず適切に対処していただくことが大切です。腫れが72時間以上続く場合や、全身のじんましん・呼吸困難など少しでもアナフィラキシーが疑われるサインがあればすぐにご受診ください。お子様の様子に少しでも不安を感じたときは、どうぞお気軽にご相談いただければと思います。」

📌 よくある質問

子供が虫刺されで大人より腫れやすいのはなぜですか?

子供の皮膚は大人より薄くバリア機能が未発達なため、虫の毒素や唾液が皮膚の深い層まで届きやすい構造になっています。また、免疫システムが発達途上にあり、異物に対して過剰に反応しやすいことも原因です。さらに2回目以降に刺されると免疫が記憶して、より強いアレルギー反応が出ることがあります。

虫刺されの翌日に急に腫れが広がるのはなぜですか?

刺されてから6〜24時間後に現れる「遅延型反応」によるものです。T細胞(免疫細胞)が異物を認識して引き起こす炎症反応で、子供はこの反応が特に強く出やすい傾向があります。翌日になって急に腫れが大きくなったように見えるのはこのメカニズムによるものです。

虫刺されの応急処置で最初にすべきことは何ですか?

基本は「洗う・冷やす・かかない」の3点です。まず患部を流水と石鹸で優しく洗い流して毒成分や細菌を除去します。次に布越しの保冷剤などで10〜15分ほど冷やして腫れとかゆみを抑えます。かくと皮膚のバリアが壊れて細菌感染を起こすリスクがあるため、爪を短く保ち極力かかないようにしましょう。

虫刺されで救急車を呼ぶべき症状はどのようなものですか?

全身にじんましんが広がる、顔・唇・舌・喉が腫れる、呼吸が苦しい、声がかすれる、ぐったりして意識がもうろうとするなどの症状はアナフィラキシーショックの可能性があり、命に関わる状態です。虫刺され後にこれらの症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼んでください。

子供の虫刺されに市販薬を使う際の注意点は何ですか?

抗ヒスタミン成分やステロイド成分を含む塗り薬が一般的に使用されますが、必ず年齢制限・用法用量を守ることが基本です。子供の顔や陰部などデリケートな部位へのステロイド使用は医師の指導が望ましく、2歳未満の乳幼児への使用は事前に医師や薬剤師へご相談ください。症状が改善しない場合は医療機関を受診しましょう。

🎯 まとめ

子供の虫刺されによる腫れは、大人に比べて強く出やすい傾向があります。これは皮膚が薄い・免疫系が発達途上であるなど子供特有の要因によるものです。虫の種類によって症状の特徴や対処法が異なるため、どの虫に刺されたかを把握することが適切なケアの第一歩です。

応急処置の基本は「洗う・冷やす・かかない」の3点です。市販の塗り薬や内服薬も補助的に活用できますが、子供への使用は年齢制限や用量に注意が必要です。

腫れが72時間以上続く、腫れが広がる、患部が赤く熱を持って痛みが増す、マダニが皮膚についているといった場合は皮膚科や小児科を受診してください。また、全身のじんましん、呼吸困難、意識の変化など、アナフィラキシーが疑われる症状が現れた場合は、すぐに救急車を呼ぶことが最優先です。

日頃の予防対策として、長袖・長ズボンの着用、子供に適した虫よけ剤の使用、自宅周辺の環境整備などを行い、子供を虫刺されから守ることが重要です。万が一虫刺されが起きた場合でも、適切な知識を持ってすぐに対応できるよう、この記事を参考にしていただければ幸いです。虫刺されの症状が気になる場合は、ためらわずに専門家に相談することをお勧めします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されの種類別症状・腫れのメカニズム・ステロイド外用薬の使用方法など、皮膚科的観点からの診断・治療指針の参照
  • 厚生労働省 – マダニ・ハチ・毛虫など害虫による健康被害の予防対策および虫よけ剤(ディート・イカリジン)の使用上の注意に関する公式情報の参照
  • 国立感染症研究所 – マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)や日本紅斑熱などの感染症リスク・疫学情報および予防策の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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