花粉症のピークが過ぎてもまだ症状が続く理由と対処法を解説

「もう花粉のシーズンも終わりのはずなのに、なぜか鼻水やくしゃみが止まらない」「目のかゆみがいつまでも続いている」――そんな経験をしたことがある方は少なくないはずです。花粉症のピークが過ぎたとされる時期になっても症状が残り、日常生活に支障をきたしている方が実は多くいらっしゃいます。本記事では、花粉症のピークが過ぎてもまだ症状が続く原因を詳しく解説するとともに、長引く症状への対処法や、いつ医療機関を受診すべきかについても丁寧にお伝えします。花粉症に悩む方はぜひ最後までお読みください。


目次

  1. 花粉症のピークとはいつ頃のことを指すのか
  2. ピークが過ぎてもまだ症状が続く主な原因
  3. 花粉の種類によって症状が続く時期は異なる
  4. 「最感作」とは?症状が長引くメカニズムを知る
  5. 花粉症以外で症状が続く可能性のある疾患
  6. ピーク後に症状を悪化させる日常生活の要因
  7. ピーク後も続く症状への対処法
  8. 長引く症状を放置するリスク
  9. 医療機関への受診を検討すべきタイミング
  10. まとめ

🎯 花粉症のピークとはいつ頃のことを指すのか

花粉症といえば、多くの方が春先のスギ花粉を思い浮かべるのではないでしょうか。実際、日本国内で花粉症に悩む方の大多数はスギ花粉が原因とされており、そのピーク時期は関東地方では概ね2月下旬から3月にかけてとされています。この時期、スギ花粉の飛散量が最も多くなり、目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、鼻づまりといった症状が最も激しくなります。

しかし、花粉症の「ピーク」というのは単純に一時期のことを指すわけではありません。花粉の飛散量がもっとも多い時期を「飛散ピーク」と呼ぶことが多いですが、体の反応のピーク(症状のピーク)は飛散ピークより少し遅れてあらわれることもあります。さらに、スギ花粉の飛散が終わった後もヒノキ花粉などが続いて飛散するため、体感としての「花粉シーズン」は3月下旬から4月下旬、場合によっては5月にまでおよぶことがあります。

一般的に「ピークが過ぎた」と感じる時期は、花粉の飛散情報で飛散量が急激に減少した後のことを指しますが、そのタイミングでも症状が続いている方は決して少なくありません。その背景には、さまざまな生物学的・環境的な要因が絡み合っています。

📋 ピークが過ぎてもまだ症状が続く主な原因

花粉の飛散が減少しているにもかかわらず、症状が続く理由はいくつか考えられます。ここでは代表的な原因を整理してみましょう。

🦠 鼻粘膜の炎症が残っている

花粉が大量に飛散していた時期に、鼻の粘膜や目の結膜は繰り返しアレルゲン(花粉)にさらされることで慢性的な炎症状態に陥っています。花粉の飛散量が減っても、一度炎症を起こした粘膜はしばらくの間、過敏な状態が続くことがあります。この状態では、少量の花粉でも反応しやすくなっているため、「花粉がほとんど飛んでいないはずなのに症状がある」という状況が生じます。

👴 微量な花粉がまだ飛散・蓄積している

飛散のピークが過ぎても、空気中には微量の花粉が漂い続けています。また、衣類や髪の毛、室内の床などに付着した花粉が、しばらくの間アレルゲンとして機能し続けることも原因の一つです。特に晴れた日や風の強い日は、地面に落ちた花粉が再び舞い上がる「二次飛散」が起きることがあり、飛散情報に比べて実際の暴露量が多くなるケースがあります。

🔸 別の花粉へのアレルギー反応

スギ花粉のピークが終わった後も、ヒノキ、シラカバ、イネ科の植物(カモガヤなど)、ブタクサ、ヨモギなど、次々と異なる植物の花粉が飛散し続けます。複数の花粉にアレルギーを持っている方は、スギのシーズンが終わっても別の花粉に反応し、症状が続くことがあります。自分がどの花粉に反応するかを把握していない場合、「まだスギ花粉のせいだろう」と誤解して適切な対処が遅れることもあります。

💧 通年性アレルギー性鼻炎との合併

花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)と、ハウスダストやダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎を同時に持っている方がいます。この場合、花粉シーズンが終わってもダニやハウスダストによる症状が続くため、まるで花粉症が終わらないように感じます。気温が上がる春から夏にかけてダニが増殖しやすくなるため、花粉シーズンの終わりと入れ替わりにダニアレルギーの症状が強まるというパターンも見られます。

💊 花粉の種類によって症状が続く時期は異なる

花粉症の原因となる植物は多岐にわたります。日本では確認されているだけでも約60種類以上の花粉がアレルギーの原因になるとされており、それぞれ飛散時期が異なります。主な花粉の飛散時期を知ることは、なぜ症状が続くのかを理解するうえでとても重要です。

スギは1月下旬から飛散が始まり、3月上旬から中旬がピークになります。ヒノキはスギに続いて3月中旬から飛散が始まり、4月下旬頃まで続きます。スギとヒノキは花粉の構造が一部似ているため、スギ花粉症の方はヒノキにも反応しやすい傾向があります。そのため、スギのピークが過ぎてもヒノキへの反応が続くことで、「まだ花粉症の症状がある」という状態になります。

イネ科植物(カモガヤ、オオアワガエリなど)は5月から8月頃にかけて飛散します。秋にはブタクサやヨモギが9月から10月頃まで飛散します。このため、敏感な体質の方や複数の植物花粉にアレルギーを持つ方は、ほぼ年間を通じて何らかの花粉症症状に悩まされることもあります。

地域によっても飛散時期には差があります。北海道ではシラカバ花粉が主要なアレルゲンで、5月から6月にかけてピークを迎えます。また、沖縄では本州とは異なる植物が問題となることもあります。自分の住む地域の花粉情報を把握しておくことが、症状の管理には欠かせません。

🏥 「最感作」とは?症状が長引くメカニズムを知る

花粉症の症状が長引く背景には、「最感作(さいかんさ)」または「過感作」と呼ばれる現象が関係していることがあります。これは花粉のシーズン中に鼻粘膜が繰り返しアレルゲンにさらされることで、炎症反応の閾値(いきち)が下がり、通常では反応しないような微量の刺激にも強く反応するようになった状態です。

医学的にはこの状態を「鼻過敏症」あるいは「非特異的過敏性の亢進」とも呼びます。具体的には、花粉が少しも飛んでいない状況でも、タバコの煙、強い香水、冷たい空気、乾燥した空気、温度変化といった非アレルゲン性の刺激に対して鼻粘膜が過剰反応してしまいます。その結果、くしゃみや鼻水が続くのです。

この過感作状態は花粉シーズンが終わっても数週間から数ヶ月持続することがあります。体が「平常運転」に戻るまでの時間には個人差があり、毎年繰り返し花粉症に悩んでいる方ほど、炎症が慢性化して症状が長引きやすい傾向があると言われています。

また、アレルギー反応に関わる免疫細胞(マスト細胞や好塩基球)は一度感作されると、長期間にわたってアレルゲンに対する記憶を持ち続けます。これがアレルギー疾患の難しさの一つであり、花粉が少なくなった時期にも症状が残る根本的な原因の一つといえます。

⚠️ 花粉症以外で症状が続く可能性のある疾患

花粉症のピークが過ぎても症状が続く場合、実は花粉症以外の疾患が関与している可能性も考慮する必要があります。症状だけで自己判断していると、本来必要な治療を受ける機会を逃してしまうことがあります。

✨ 副鼻腔炎(蓄膿症)

花粉症の時期に鼻づまりが続いていると、副鼻腔(鼻の周りにある空洞)に細菌が繁殖しやすくなり、副鼻腔炎を引き起こすことがあります。副鼻腔炎になると、黄色や緑色の鼻水、顔面の圧迫感・痛み、においがわかりにくくなるといった症状があらわれます。花粉症と副鼻腔炎が合併している場合は、花粉シーズンが終わっても鼻症状が改善しないことがあります。

📌 血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)

温度や湿度の変化、精神的ストレス、辛い食事などが引き金となって鼻水やくしゃみが生じる「血管運動性鼻炎」も、花粉症と混同されやすい疾患の一つです。春は朝晩の寒暖差が大きくなるため、この時期に症状が目立ちやすくなります。アレルゲン検査では異常が出ず、花粉症の薬が効きにくいという特徴があります。

▶️ 風邪やインフルエンザ後の遷延症状

花粉症シーズン中に風邪をひいた場合、ウイルス感染による鼻粘膜のダメージが回復しきらないまま炎症が続くことがあります。また、花粉症による免疫応答の活性化が、別の感染症にかかりやすくする側面もあるとされています。感染後の咳や鼻水が長引く「遷延性咳嗽」などが花粉症と重なると、症状の鑑別が難しくなります。

🔹 食物アレルギー(口腔アレルギー症候群)

花粉症の方の中には、特定の食べ物を食べた際に口や喉がかゆくなったり腫れたりする「口腔アレルギー症候群(OAS)」を発症する方がいます。これは花粉のタンパク質と似た構造を持つ食物タンパク質に対してアレルギー反応が起きる現象で、「交差反応」と呼ばれます。スギ・ヒノキ花粉症の方はトマトに、シラカバ花粉症の方はリンゴやモモに反応しやすいとされています。口腔症状が続く場合は食物アレルギーとの関連も考える必要があります。

🔍 ピーク後に症状を悪化させる日常生活の要因

花粉の飛散量が少なくなっても、日常生活の中にある様々な要因が症状を悪化・長期化させることがあります。自分の生活習慣や環境を見直すことが、症状管理において重要なポイントとなります。

📍 室内に持ち込む花粉

外から帰宅する際に衣類や髪に付着した花粉を室内に持ち込むことで、室内でも花粉に暴露し続けることになります。花粉のシーズンが終わりかけている時期でも、こうした花粉の持ち込みが症状を引き延ばす原因となることがあります。帰宅時に玄関でコートを脱ぐ、洗顔やうがいをする、鼻をかむといった習慣が有効です。

💫 疲労や睡眠不足

慢性的な睡眠不足や過度の疲労は免疫機能を乱し、花粉症の症状を悪化させる要因となります。花粉症シーズンの後半は疲れが蓄積している方も多く、その影響で症状が長引くことがあります。

🦠 飲酒・喫煙

アルコールは血管を拡張させ、鼻粘膜の腫れを悪化させることがあります。また、喫煙は鼻粘膜に直接的なダメージを与え、炎症を長引かせます。花粉症の症状が続いている間は、飲酒や喫煙を控えることが症状の緩和につながります。

👴 ストレスと自律神経の乱れ

ストレスは自律神経のバランスを乱し、鼻粘膜の血管調節に影響を与えます。仕事や生活上のストレスが重なると、鼻症状が悪化しやすくなることが知られています。春から年度初めにかけて環境の変化がある時期は、特にストレスが蓄積しやすい時期でもあります。

🔸 掃除不足による室内アレルゲンの増加

花粉症シーズン中は換気を控えがちになるため、室内にこもったホコリやダニ、カビなどが増加しやすくなります。これらは花粉とは別のアレルゲンとして鼻粘膜を刺激し、症状を悪化させます。定期的な掃除と適切な換気が大切です。

📝 ピーク後も続く症状への対処法

花粉症のピークが過ぎてもまだ症状が続いている方に向けて、具体的な対処法を紹介します。症状の程度や原因によって適切な対処は異なりますが、基本的なアプローチから順に確認してみましょう。

💧 花粉への暴露を減らす基本対策を継続する

「もうピークが過ぎたから」と油断して対策をやめてしまう方がいますが、症状が続いている間は花粉対策を続けることが大切です。外出時のマスクの着用、帰宅時の花粉を室内に持ち込まない工夫、花粉が多い時間帯(晴れた日の午前中から午後にかけて)の外出を控えるなど、基本的な対策を継続しましょう。

✨ 抗アレルギー薬(抗ヒスタミン薬)の継続または調整

症状が続いている間は、医師や薬剤師の指導のもとで抗アレルギー薬の服用を続けることが有効です。「花粉が少なくなったから薬を飲まなくていい」と自己判断でやめてしまうと、鼻粘膜の炎症が再悪化することがあります。特に、「症状が出てから薬を飲む」ではなく「症状が出ないよう継続して服用する」という考え方(プロアクティブ療法)が重要です。ただし、薬の継続については必ず医師に相談してください。

📌 点鼻薬・点眼薬の活用

経口薬だけでなく、鼻症状には鼻腔に直接作用するステロイド点鼻薬、目の症状には抗アレルギー点眼薬を組み合わせることで、より効果的な症状コントロールができます。市販の点鼻薬の中には血管収縮剤が含まれているものがありますが、長期使用は薬剤性鼻炎の原因になるため注意が必要です。

▶️ 室内環境の整備

空気清浄機の活用、こまめな掃除、布団や枕のカバーを週1回以上洗濯するなど、室内のアレルゲンを減らす工夫が効果的です。また、花粉が多い日の換気は最小限にとどめ、換気する場合はレースカーテンをしたまま短時間で行うことをおすすめします。

🔹 生活習慣の改善

十分な睡眠をとること、バランスのよい食事を心がけること、適度な運動で免疫バランスを整えることが、アレルギー症状の軽減につながります。特に腸内環境とアレルギーの関係は近年注目されており、発酵食品や食物繊維を積極的にとることが免疫応答を調整するのに役立つとされています。

📍 アレルゲン免疫療法(減感作療法)の検討

毎年花粉症に悩んでいる方には、アレルゲン免疫療法(減感作療法)を検討することも一つの選択肢です。スギ花粉に対する舌下免疫療法は保険適用があり、毎日少量のアレルゲンを舌の下に置くことで、体をアレルゲンに慣れさせ、症状を根本から軽減することを目指します。効果が出るまでに数ヶ月から数年かかりますが、長期的な改善が期待できる治療法です。

💡 長引く症状を放置するリスク

「そのうち治るだろう」と思って花粉症の症状を放置していると、さまざまな問題が生じる可能性があります。症状を適切にコントロールすることの重要性を理解しておきましょう。

💫 QOL(生活の質)の低下

慢性的な鼻づまりや鼻水は、睡眠の質を低下させます。夜間の鼻づまりによって口呼吸が増えると、いびきや睡眠時の覚醒が増え、日中の眠気や集中力の低下につながります。特に仕事や学業への影響は大きく、生産性の低下として現れることもあります。目のかゆみが続く場合も、集中力の妨げになります。

🦠 副鼻腔炎への移行

先述したように、鼻づまりが長期間続くと副鼻腔炎を合併するリスクが高まります。副鼻腔炎は適切な治療を行わないと慢性化し、長期にわたる治療が必要になることがあります。花粉症の症状が長引いている際に黄色い鼻水や顔面の痛みが出てきた場合は、副鼻腔炎への移行を疑い、早めに受診することが重要です。

👴 喘息との合併リスク

アレルギー性鼻炎と気管支喘息は密接に関連しています。「One airway, one disease(鼻と気管支は一つの気道として考える)」という考え方があるように、鼻のアレルギー炎症が適切にコントロールされていないと、気道の炎症が気管支にまで及び、喘息症状が出やすくなることがあります。特に小児では、アレルギー性鼻炎から喘息へと症状が移行するケースが見られます。

🔸 精神的な負担の蓄積

慢性的な不快感は精神的なストレスを積み重ねます。「いつになったら楽になるのか」という不安や焦りは、精神的な疲弊につながることがあります。また、気分の落ち込みや抑うつ傾向との関連を示す研究も報告されており、花粉症を単なる「季節の不快感」として軽視しないことが大切です。

✨ 医療機関への受診を検討すべきタイミング

花粉症の症状が続いているとき、自己判断と市販薬だけで対応するには限界があります。以下のような状況が見られる場合は、耳鼻咽喉科や眼科などの医療機関への受診を検討してください。

💧 市販薬を使っても症状が改善しない

市販の抗アレルギー薬や点眼薬を使用しても2週間以上症状が改善しない場合は、薬の種類が合っていないか、別の疾患が原因である可能性があります。医師の診察を受けることで、症状に適した処方薬や追加の検査を受けることができます。

✨ 鼻水の色が変わった、においがしなくなった

鼻水が黄色や緑色になってきた、においや味がわかりにくくなったという変化があれば、副鼻腔炎や感染症の合併が疑われます。これらは自然に治ることもありますが、慢性化するリスクがあるため早めの受診が望ましいです。

📌 目の症状が強い、視力に影響を感じる

目のかゆみが非常に強く、かき続けてしまうような場合は、角膜を傷つけるリスクがあります。また、目やにが多い、充血が強い、光がまぶしく感じるなどの症状がある場合は、アレルギー性結膜炎以外の眼科疾患の可能性もあるため、眼科を受診することが大切です。

▶️ 咳や喘鳴(ゼーゼーする音)を伴う

鼻症状に加えて咳が続く、胸がゼーゼーするという場合は、気管支喘息の合併を考える必要があります。喘息は適切な治療をしないと悪化するリスクがあるため、内科や呼吸器内科への受診が必要です。

🔹 毎年同じように症状が長引く場合

毎年花粉症シーズンが終わっても症状が長引く方は、アレルゲン検査を受けて正確にどの花粉(または他のアレルゲン)に感作されているかを確認することをおすすめします。また、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)の適応があるかどうかも医師に相談してみましょう。症状を毎年繰り返すことで鼻粘膜の炎症が慢性化するリスクがあり、早期の根本的治療が重要です。

📍 子どもの症状が長引く場合

子どもの花粉症は見逃されやすいことがあります。鼻をよくこする、目をこすって赤くする、口を開けて呼吸していることが多いなどの行動が見られる場合は、小児科または耳鼻咽喉科に相談してください。アレルギー性鼻炎が適切に治療されないと、中耳炎や睡眠障害、学習への影響につながることがあります。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「花粉のシーズンが終わったはずなのに症状が続いている」とご来院される患者様が少なくなく、多くの場合は鼻粘膜の慢性的な炎症や複数の花粉・アレルゲンへの重複した感作が原因となっています。最近の傾向として、自己判断で薬をやめてしまったことで症状が再燃するケースも見受けられますので、症状が続いている間は無理に服薬を中断せず、まずは一度ご相談いただくことをお勧めします。長引く症状は副鼻腔炎や喘息との合併につながるリスクもありますので、「そのうち治るだろう」と我慢せず、お気軽にご来院ください。」

📌 よくある質問

花粉のピークが過ぎてもくしゃみや鼻水が続くのはなぜですか?

花粉が減っても、シーズン中に繰り返しアレルゲンにさらされた鼻粘膜は慢性的な炎症状態のまま残ります。この「過感作」と呼ばれる状態では、微量の花粉や温度変化・タバコの煙などの些細な刺激にも過剰反応してしまいます。この状態は数週間から数ヶ月続くことがあります。

スギ花粉シーズンが終わったのに症状が続くのはスギのせいですか?

必ずしもそうとは限りません。スギ花粉の後にはヒノキ(4月下旬まで)、イネ科植物(5〜8月)、ブタクサやヨモギ(9〜10月)など異なる花粉が次々と飛散します。複数の花粉にアレルギーを持つ方は、別の花粉に反応して症状が続いている可能性があります。アレルゲン検査で原因を特定することをおすすめします。

花粉症の薬はピーク後も飲み続けた方がよいですか?

症状が続いている間は、自己判断で服薬を中断しないことが重要です。薬をやめると鼻粘膜の炎症が再悪化するケースがあります。「症状が出てから飲む」ではなく、症状を予防しながら継続して服用する考え方が有効です。ただし、服薬の継続や中断については必ず医師や薬剤師にご相談ください。

花粉ピーク後に症状が長引く場合、何科を受診すればよいですか?

鼻水・くしゃみ・鼻づまりが続く場合は耳鼻咽喉科、目のかゆみや充血が強い場合は眼科が適しています。咳やゼーゼーする呼吸音を伴う場合は内科や呼吸器内科への受診も検討してください。アイシークリニックでも花粉症をはじめとするアレルギー疾患の診断・治療に対応していますので、お気軽にご相談ください。

毎年花粉症が長引く場合、根本から治す方法はありますか?

アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)が有効な選択肢の一つです。スギ花粉に対する舌下免疫療法は保険適用があり、少量のアレルゲンを毎日舌下に投与することで体をアレルゲンに慣れさせ、症状の根本的な軽減を目指します。効果が出るまで数ヶ月〜数年かかりますが、長期的な改善が期待できます。詳しくは医師にご相談ください。

🎯 まとめ

花粉症のピークが過ぎてもまだ症状が続く理由は、一つではありません。鼻粘膜の慢性炎症、微量な花粉への継続的な暴露、他の種類の花粉へのアレルギー、通年性アレルギー性鼻炎との合併、過感作状態など、複数の要因が絡み合っていることが多いです。

「もう花粉シーズンは終わったはずなのに」と思いながら症状を我慢し続けることは、QOLの低下や合併症のリスクを高めることにもつながります。症状が続いている間は基本的な花粉対策と適切な薬物治療を継続しながら、改善しない場合や症状に変化がある場合は早めに医療機関を受診することが重要です。

また、毎年繰り返す花粉症に悩んでいる方は、症状を根本から改善することを目標に、アレルゲン免疫療法などの選択肢についても医師に相談してみましょう。アイシークリニック新宿院では、花粉症をはじめとするアレルギー疾患の診断と治療に丁寧に対応しています。長引く症状にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 花粉症の基本情報、飛散時期、症状の概要、および予防・治療に関する公式情報。スギ・ヒノキ等の花粉飛散ピーク時期や対処法の根拠として参照。
  • PubMed – アレルギー性鼻炎における鼻粘膜過感作(非特異的過敏性亢進)のメカニズム、免疫細胞(マスト細胞・好塩基球)の感作持続、およびアレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)の有効性に関する学術的根拠として参照。
  • 国立感染症研究所 – 花粉症の疫学データ(日本国内の罹患状況・原因花粉の種類)、季節性アレルギー性鼻炎と通年性アレルギー性鼻炎の合併に関する情報の根拠として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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