赤ら顔はレーザー治療で改善できる?新宿で受けられる治療法と効果を徹底解説

頬や鼻の周りが常に赤みを帯びていて、人目が気になる。寒暖差や緊張で顔が真っ赤になってしまう。メイクで隠しきれない赤みに長年悩んでいる——そんな「赤ら顔」の症状にお困りの方は少なくありません。

赤ら顔は、毛細血管拡張症や酒さ(しゅさ)などの皮膚疾患が原因となっていることが多く、スキンケアだけでは根本的な改善が難しいケースがあります。しかし近年では、Vビームをはじめとするレーザー治療や光治療(IPL)の進歩により、赤ら顔の症状を効果的に改善できるようになりました。

本記事では、赤ら顔の原因や種類から、レーザー治療の種類と効果、保険適用の条件、さらには日常生活でできるセルフケアまで、赤ら顔治療について詳しく解説します。新宿エリアで赤ら顔の治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。


目次

  1. 赤ら顔とは?その症状と特徴
  2. 赤ら顔の主な原因
  3. 赤ら顔の種類と分類
  4. 赤ら顔のレーザー治療の種類と効果
  5. レーザー治療の保険適用について
  6. 外用薬・内服薬による治療
  7. 赤ら顔を悪化させないためのセルフケア
  8. クリニック選びのポイント
  9. 新宿で赤ら顔治療を受けるなら
  10. まとめ

1. 赤ら顔とは?その症状と特徴

赤ら顔とは、顔の皮膚が赤みを帯びた状態が続く症状の総称です。頬や鼻、額、顎など、特に顔の中心部に赤みが目立つことが特徴で、一時的な紅潮とは異なり、赤みが長期間にわたって持続します。

赤ら顔の主な症状には以下のようなものがあります。

顔全体または部分的に赤みが持続する状態は、最も一般的な症状です。特に頬や鼻の周辺に赤みが集中することが多く、朝から晩まで赤みが消えないのが特徴です。

また、寒暖差や飲酒、辛い食べ物の摂取などをきっかけに顔が一気に赤くなる「紅潮」を繰り返すこともあります。この紅潮は最初は一時的なものですが、繰り返すうちに持続的な赤みへと移行することがあります。

さらに、皮膚の表面から細い血管が透けて見える状態になることもあります。これは毛細血管拡張と呼ばれ、糸のような細い血管が肌の表面に浮き出て見えます。

赤ら顔は30代以降に発症しやすく、特に女性に多い傾向があります。肌の色が白い方や、皮膚が薄い方は赤みが目立ちやすいとされています。また、敏感肌の方にも多く見られ、ちょっとした刺激で赤みやヒリヒリ感が生じやすいのも特徴です。

赤ら顔自体は命に関わる疾患ではありませんが、見た目の問題から精神的なストレスを感じる方が多く、QOL(生活の質)を低下させる原因となっています。適切な治療を受けることで症状の改善が期待できますので、長年悩んでいる方は専門医への相談をおすすめします。

2. 赤ら顔の主な原因

赤ら顔が起こるメカニズムは、主に「毛細血管の拡張」にあります。皮膚の浅い層(真皮層)にある毛細血管が何らかの原因で拡張し、血液中の赤い色素(ヘモグロビン)が皮膚表面から透けて見えることで、顔が赤く見えるようになります。

毛細血管の拡張を引き起こす原因はさまざまで、単一の要因ではなく複数の要因が複合的に関与していることが多いとされています。主な原因を以下に詳しく解説します。

皮膚の炎症

ニキビや湿疹、アトピー性皮膚炎などの皮膚炎症が長期間続くと、炎症を治すために毛細血管が拡張した状態が続きます。通常であれば炎症が治まると血管は収縮しますが、炎症が繰り返されたり長期化したりすると、血管が拡張したまま戻らなくなることがあります。

外的刺激・環境要因

紫外線は皮膚にダメージを与え、慢性的な炎症や毛細血管の拡張を引き起こします。また、寒暖差の激しい環境(冬場の外気と暖房の効いた室内の行き来など)も血管の拡張・収縮を繰り返させ、やがて血管が拡張したままの状態になる原因となります。

強い風や乾燥した空気、過度な洗顔やスキンケアによる摩擦なども、皮膚への刺激となり赤ら顔を悪化させる要因となります。

生活習慣の影響

アルコールや香辛料の摂取は、血管を拡張させる作用があるため、赤ら顔を悪化させることがあります。特にお酒を飲むと顔が赤くなりやすい方は、日常的な飲酒が赤ら顔の原因となっている可能性があります。

また、熱いお風呂や激しい運動、精神的なストレスや緊張なども、一時的に血管を拡張させます。これらが繰り返されることで、慢性的な赤ら顔につながることがあります。

ホルモンバランスの乱れ

女性の場合、月経周期や更年期によるホルモンバランスの変動が赤ら顔に影響することがあります。女性ホルモンには血管の拡張を促す作用があるため、ホルモンバランスの変化が毛細血管の状態に影響を与えると考えられています。

ステロイド外用薬の長期使用

アトピー性皮膚炎などの治療でステロイド外用薬を長期間顔に使用すると、皮膚が薄くなり(菲薄化)、毛細血管が透けて見えやすくなることがあります。これは「酒さ様皮膚炎」や「ステロイド酒さ」と呼ばれ、ステロイドの中止後に適切な治療が必要となります。

体質的・遺伝的要因

生まれつき皮膚が薄い方や、毛細血管が拡張しやすい体質の方は、赤ら顔になりやすい傾向があります。また、家族に赤ら顔の方がいる場合、遺伝的な要因が関与している可能性もあります。

ニキビダニ(デモデックス)の関与

顔の毛穴には「デモデックス」と呼ばれるニキビダニ(毛包虫)が常在しています。このダニは通常は悪さをしませんが、何らかの原因で過剰に増殖すると、炎症や赤みの原因となることがあります。特に酒さの発症には、このニキビダニが関与していると考えられています。

3. 赤ら顔の種類と分類

赤ら顔はその原因や症状によっていくつかの種類に分類されます。適切な治療を受けるためには、まず自分の赤ら顔がどのタイプに該当するのかを正しく理解することが重要です。

毛細血管拡張症

毛細血管拡張症は、皮膚の浅い層にある毛細血管が持続的に拡張し、肉眼で赤みや血管そのものが透けて見える状態です。皮膚に炎症が起きているわけではないため、ステロイド外用薬などの抗炎症薬を使用しても改善せず、自然に治ることはありません。

毛細血管拡張症は主に以下のタイプに分けられます。線状に細い血管が浮き出て見えるタイプ、クモの巣のように血管が広がるタイプ、そして全体的に赤みを帯びて見えるタイプがあります。

毛細血管拡張症の治療には、Vビームなどのレーザー治療が有効です。また、条件を満たせば保険適用での治療が可能な場合があります。

酒さ(しゅさ)

酒さは、主に顔の中心部(鼻、頬、額、顎など)に赤みやほてり、ニキビのような丘疹・膿疱が現れる慢性の炎症性皮膚疾患です。かつては「赤ら顔」と同義語のように使われることもありましたが、現在では独立した疾患として認識されています。

日本皮膚科学会のガイドラインでは、酒さは臨床症状によって4つの型に分類されています。

紅斑毛細血管拡張型は、顔面の持続的な赤み(紅斑)と毛細血管拡張が主な症状です。ほてりやヒリヒリ感を伴うことも多く、寒暖差や飲酒などで症状が悪化します。酒さの中では最も多いタイプです。

丘疹膿疱型は、赤みに加えてニキビのような赤い丘疹や膿疱が出現するタイプです。ニキビと混同されやすいですが、毛穴の詰まり(面皰)を伴わない点がニキビとは異なります。

瘤腫型(鼻瘤)は、皮膚の組織が過形成を起こし、特に鼻が肥大して凸凹した状態になるタイプです。男性に多く見られ、症状が進行すると外科的な治療が必要になることもあります。

眼型は、眼の周囲の腫れや充血、結膜炎、角膜炎などの眼症状を伴うタイプです。

酒さの原因は現在のところ完全には解明されていませんが、免疫の異常、血管や神経の構造的問題、ニキビダニの関与、紫外線の影響、遺伝的要因などが複合的に関わっていると考えられています。

酒さ様皮膚炎(ステロイド酒さ)

酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬を長期間顔に使用することで発症する皮膚疾患です。酒さと同様に赤みや丘疹、膿疱が現れますが、原因がステロイドの長期使用にあるという点で酒さとは区別されます。

治療には、ステロイドの中止と適切な代替療法への移行が必要ですが、ステロイドを急に中止すると一時的に症状が悪化することがあるため、医師の指導のもとで慎重に行う必要があります。

脂漏性皮膚炎による赤み

脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い部位(顔では鼻の周り、眉間、額の生え際など)に赤みやかゆみ、フケのような鱗屑が生じる皮膚疾患です。マラセチアという真菌が関与していると考えられており、抗真菌薬などによる治療が行われます。

ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)

ニキビの炎症が治った後も、赤みだけが残ることがあります。これは炎症後紅斑と呼ばれ、炎症によって拡張した毛細血管がなかなか収縮しないために起こります。時間の経過とともに自然に薄くなることもありますが、レーザー治療で改善を早めることも可能です。

4. 赤ら顔のレーザー治療の種類と効果

赤ら顔の治療法の中でも、レーザー治療は拡張した毛細血管に直接アプローチできるため、高い効果が期待できます。ここでは、赤ら顔治療に用いられる主なレーザー・光治療機器について詳しく解説します。

Vビーム(色素レーザー)

Vビームは、赤ら顔治療において最も効果が高いとされるレーザー機器です。シネロン・キャンデラ社が開発した色素レーザー(ダイレーザー)で、日本の厚生労働省から薬事承認を受けている医療機器です。

Vビームから発振される波長595nmのレーザー光は、血液中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に吸収される特性を持っています。このレーザー光が毛細血管内のヘモグロビンに吸収されると熱エネルギーに変換され、その熱によって血管内壁が破壊されて血管が収縮・閉塞します。

正常な皮膚組織にはほとんどダメージを与えずに、拡張した毛細血管だけを選択的に治療できる点が大きな特徴です。また、Vビームにはダイナミッククーリングデバイス(DCD)という冷却システムが搭載されており、レーザー照射直前に冷却ガスを噴射して表皮を保護するため、やけどのリスクを最小限に抑えながら安全に治療を行うことができます。

Vビームが適応となる疾患・症状は多岐にわたります。毛細血管拡張症、単純性血管腫(赤あざ)、乳児血管腫(いちご状血管腫)は保険適用で治療が可能です。また、酒さによる赤み、赤ら顔、ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)、老人性血管腫、ケロイドや傷跡の赤みなどにも効果が期待できます。

治療の流れとしては、まず診察で症状を確認し、Vビームによる治療が適しているかどうかを判断します。治療当日は洗顔後、照射部位にレーザーを当てていきます。照射時の痛みは輪ゴムで弾かれるような程度で、多くの方は麻酔なしでも耐えられますが、痛みに弱い方は麻酔クリームやテープを使用することもできます。照射時間は範囲によりますが、おおよそ10〜15分程度で終了します。

治療後は一時的に赤みや腫れが生じることがあり、出力によっては紫斑(内出血のような跡)が出ることもありますが、通常1〜2週間程度で消退します。当日から洗顔やメイクが可能です。

治療回数は症状や個人差によって異なりますが、一般的には3〜5回程度の照射で効果を実感できることが多いです。保険診療の場合は3か月に1回の間隔で治療を行います。

最新機種のVビームPrimaは、従来のVビームIIよりも大口径で高出力のレーザー照射が可能となり、より効果的な治療ができるようになっています。

IPL光治療(フォトフェイシャル)

IPL(Intense Pulsed Light)は、複数の波長を含む広帯域の光を照射する治療法で、「フォトフェイシャル」という名称でも知られています。レーザーが単一の波長を照射するのに対し、IPLはさまざまな波長の光を同時に照射できるため、赤みだけでなくシミやそばかす、毛穴の開き、肌のハリなど、複数の肌悩みに同時にアプローチできるのが特徴です。

IPLの光は、メラニン色素(シミの原因)とヘモグロビン(赤みの原因)の両方に反応します。赤ら顔治療においては、IPL光がヘモグロビンに吸収されることで毛細血管を収縮させ、赤みを軽減する効果が期待できます。

Vビームほどピンポイントに血管を狙う治療ではありませんが、顔全体の色ムラを均一に整える効果があり、赤ら顔と同時にシミやくすみも気になる方に適しています。また、ダウンタイムがほとんどなく、施術直後からメイクが可能という手軽さも魅力です。

治療は通常3〜4週間に1回のペースで、5〜6回程度の継続がおすすめされています。1回の施術では劇的な変化を感じにくいことがありますが、回数を重ねることで徐々に効果が現れてきます。

代表的なIPL機器としては、ルミナス社の「フォトフェイシャルM22」があります。これは厚生労働省の薬事承認を受けている機器で、5種類の治療フィルターで波長とエネルギーを選択できるため、患者さま一人ひとりの肌状態に合わせた治療が可能です。

ロングパルスYAGレーザー

ロングパルスYAGレーザー(Nd:YAGレーザー)は、波長1064nmのレーザー光を使用する治療機器です。代表的な機種として「ジェントルマックスプロ」や「ジェネシス」などがあります。

YAGレーザーの光はVビームよりも波長が長いため、皮膚のより深い層まで到達することができます。そのため、深い位置にある血管や、太い血管の治療に適しています。また、Vビームでは紫斑が出やすい方や、ダウンタイムを極力抑えたい方にも選択肢となります。

ただし、YAGレーザーは水にも吸収されやすい特性があるため、熱傷のリスクがVビームよりもやや高く、また痛みが強いというデメリットがあります。そのため、治療経験の豊富な医師のもとで受けることが重要です。

ロングパルスYAGレーザーによる赤ら顔治療は基本的に自費診療となりますが、ダウンタイムの少なさから選ばれることも多い治療法です。

各レーザー治療の比較

Vビームは赤みへの効果が最も高く、毛細血管拡張症では保険適用が可能ですが、紫斑が出ることがあるためダウンタイムは数日から1週間程度かかります。

IPL(フォトフェイシャル)はマイルドな効果で、赤み以外の肌悩みにも同時にアプローチでき、ダウンタイムがほとんどないのが特徴です。ただし、基本的に自費診療となります。

ロングパルスYAGレーザーは深い血管にも効果があり、紫斑が出にくいですが、痛みがやや強く、こちらも自費診療が基本となります。

どの治療法が最適かは、赤ら顔の原因や症状の程度、求めるダウンタイム、予算などによって異なります。まずは専門医に相談し、自分に合った治療法を選択することが大切です。

5. レーザー治療の保険適用について

赤ら顔のレーザー治療において、気になるのが保険適用の可否です。治療費は症状の範囲や治療回数によって変わりますが、保険が適用されれば費用負担を大幅に抑えることができます。

Vビームの保険適用条件

Vビーム(色素レーザー)による治療は、以下の疾患に対して保険適用が認められています。

単純性血管腫(毛細血管奇形)は、生まれつきの赤あざで、自然に消えることはありません。保険適用で治療が可能です。

乳児血管腫(いちご状血管腫)は、乳児期に現れる血管の良性腫瘍で、自然に退縮する傾向がありますが、瘢痕が残るリスクを減らすために早期治療が推奨されることがあります。こちらも保険適用で治療できます。

毛細血管拡張症も、保険適用でVビーム治療を受けられる疾患の一つです。ただし、保険適用の基準は各保険者(国保・社保)によって異なり、近年は基準が厳格化される傾向にあります。

特に注意が必要なのは、顔全体や頬部全体など広範囲の毛細血管拡張症は保険適用外となる場合があるという点です。東京都社会保険支払基金の見解では、鼻、鼻翼周囲、鼻下、頬部の狭い範囲に限って保険適用とする方針が示されています。そのため、一般的な「赤ら顔」の治療は自費診療となることが多いのが現状です。

保険適用の場合の費用は、照射面積によって異なります。3割負担の場合、10cm²以下で約6,500円、10cm²超〜20cm²で約8,000円、20cm²超〜40cm²で約10,000円程度が目安となります。なお、保険診療でのVビーム治療は3か月に1回の間隔で行う必要があります。

一方、酒さに対するVビーム治療は現在のところ保険適用外となっており、自費診療での対応となります。ただし、酒さの丘疹・膿疱に対しては保険適用の外用薬(ロゼックスゲル)が使用できますので、外用薬治療と自費のレーザー治療を組み合わせて治療を行うこともあります。

保険適用外(自費診療)の場合

以下のような場合は、保険適用外の自費診療となります。

酒さによる赤ら顔、ニキビ跡の赤み(炎症後紅斑)、しわやたるみなど美容目的の治療、広範囲の毛細血管拡張症で保険適用基準を満たさない場合などが該当します。

自費診療の費用はクリニックによって異なりますが、Vビームの場合、1回あたり10,000円〜50,000円程度が相場となっています。フォトフェイシャル(IPL)は1回あたり20,000円〜40,000円程度が一般的です。

複数回の治療が必要な場合は、回数券やコースプランを利用することで割引が適用されるクリニックも多いので、事前に確認しておくとよいでしょう。

6. 外用薬・内服薬による治療

赤ら顔の治療は、レーザー治療だけでなく、外用薬や内服薬による薬物療法も重要な選択肢です。特に酒さの治療においては、2022年に保険適用となった外用薬の登場により、治療の選択肢が広がりました。

ロゼックスゲル(メトロニダゾール外用薬)

ロゼックスゲル0.75%は、有効成分としてメトロニダゾールを含む外用薬です。欧米では1980年代から酒さの治療薬として広く使用されてきましたが、日本では2022年5月に酒さに対する保険適用が認められ、ようやく標準的な治療薬として使用できるようになりました。

メトロニダゾールには、抗菌作用、抗炎症作用、免疫抑制作用、活性酸素減少作用があり、酒さの原因の一つと考えられているニキビダニ(デモデックス)を減少させる効果もあります。

特に効果が期待できるのは、酒さの丘疹・膿疱(ニキビのようなブツブツ)です。赤い丘疹や膿疱は比較的早く改善することが多く、2〜3か月程度の継続使用で効果を実感できることが多いとされています。

一方で、毛細血管拡張による赤みそのものへの効果は限定的です。赤みの改善には時間がかかるか、あるいはレーザー治療など他の治療法を組み合わせる必要があります。

使用方法は1日2回、洗顔後に患部に塗布します。使用期間の目安は12週間で、効果が見られない場合は他の治療法への切り替えを検討します。

副作用としては、接触皮膚炎(かぶれ)、乾燥、かゆみ、皮膚のつっぱり感などが報告されています。また、紫外線により有効成分が不活性化することがあるため、使用中は日焼けを避けることが推奨されています。

イベルメクチンクリーム

イベルメクチンクリームは、酒さの治療に使用される外用薬で、日本では自費診療での取り扱いとなります。メトロニダゾールと同様にニキビダニを減少させる作用があり、酒さの丘疹・膿疱に対してはロゼックスゲルよりも効果が高いとする報告もあります。

海外のガイドラインでは、メトロニダゾールやアゼライン酸と並んで酒さの第一選択薬として位置づけられています。効果の発現がロゼックスゲルよりも早く、使用後2〜3週間で改善が見られることもあります。

アゼライン酸

アゼライン酸は、小麦など穀類や酵母に含まれる天然由来の成分で、抗菌作用、皮脂分泌抑制作用、抗炎症作用、角化異常の抑制作用を持っています。酒さやニキビの治療に使用され、軽度の刺激感を感じることはありますが、副作用が少なく安全性の高い薬剤とされています。日本では自費診療での処方となります。

内服薬による治療

酒さの治療では、外用薬と併用して内服薬が処方されることがあります。

テトラサイクリン系抗生物質(ビブラマイシン、ミノマイシンなど)は、抗菌作用だけでなく抗炎症作用も持っており、酒さの丘疹・膿疱に効果があります。通常3か月程度の内服が行われます。

漢方薬も酒さの治療に用いられることがあります。東洋医学では酒さは「瘀血(おけつ)」という血流の滞りが関与していると考えられており、駆瘀血剤(桂枝茯苓丸など)が処方されることがあります。

7. 赤ら顔を悪化させないためのセルフケア

赤ら顔の治療効果を高め、再発を防ぐためには、日常生活でのセルフケアも重要です。医療機関での治療と並行して、以下のポイントに気をつけましょう。

スキンケアの見直し

赤ら顔の方の多くは敏感肌を伴っているため、スキンケアでは「刺激を避けること」が最も重要です。

洗顔では、洗顔料を十分に泡立て、泡をクッションにして優しく洗いましょう。ゴシゴシと擦ったり、スクラブ入りの洗顔料を使用したりすることは避けてください。洗顔料は低刺激・敏感肌用のものを選び、熱いお湯ではなくぬるま湯(32〜34℃程度)で洗い流します。

洗顔後はすぐに保湿を行いましょう。肌のバリア機能を維持するために、保湿は欠かせません。ただし、酒さの方は「しっかり保湿」よりも「低刺激な保湿を最小限に」という考え方が推奨されています。何種類もの保湿剤を重ねることは避け、シンプルなスキンケアを心がけましょう。

化粧品は低刺激性・敏感肌用のものを選び、新しい製品を使う際は事前にパッチテストを行うことをおすすめします。アルコール(エタノール)や香料、着色料を含む製品は避けた方が無難です。

紫外線対策の徹底

紫外線は赤ら顔を悪化させる大きな要因の一つです。外出時は日焼け止めを必ず塗り、帽子や日傘なども活用して紫外線対策を徹底しましょう。

日焼け止めはSPF30以上のものを選び、低刺激・紫外線吸収剤フリー(ノンケミカル)のものがおすすめです。こまめに塗り直すことも大切です。

悪化因子を避ける

自分の赤ら顔を悪化させる要因を把握し、できるだけ避けるようにしましょう。一般的な悪化因子には以下のようなものがあります。

急激な温度変化(暖房の効いた室内から寒い屋外への移動など)、熱いお風呂やサウナ、激しい運動、アルコール、香辛料や辛い食べ物、熱い飲み物、精神的なストレスや緊張などが挙げられます。これらすべてを避けることは難しいかもしれませんが、悪化しやすい時期や大切な予定の前には特に注意するようにしましょう。

生活習慣の改善

健康的な生活習慣を維持することも、赤ら顔の改善に役立ちます。

十分な睡眠をとり、バランスの良い食事を心がけましょう。肌のバリア機能を高めるビタミン類、便秘を防ぐ食物繊維、肌の細胞を作るタンパク質などを意識して摂取するとよいでしょう。

喫煙は活性酸素を発生させ、肌の炎症を助長するため、赤ら顔の悪化要因となります。禁煙を心がけましょう。

適度な運動は血行を促進し、ストレス解消にも役立ちますが、激しい運動は顔の血流を増加させて赤みを悪化させることがあるため、適度な強度に留めましょう。

メイクでカバーする方法

赤ら顔をメイクでカバーする場合は、グリーン系のコントロールカラーを使用すると赤みを補正できます。ただし、厚塗りは肌に負担をかけるため、低刺激の製品を薄く重ねる程度にとどめましょう。

なお、メイクで赤みを隠すことはできますが、根本的な改善にはなりません。赤ら顔が気になる場合は、専門医に相談して適切な治療を受けることをおすすめします。

8. クリニック選びのポイント

赤ら顔の治療を受けるクリニックを選ぶ際には、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

専門医の在籍

赤ら顔の診断と治療には、皮膚科の専門知識が必要です。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が在籍しているクリニックを選ぶと安心です。また、レーザー治療の経験が豊富な医師かどうかも重要なポイントです。

適切な診断力

赤ら顔には様々な原因があり、適切な治療を行うためには正確な診断が不可欠です。初診時にしっかりと症状を診察し、原因を特定した上で治療方針を説明してくれるクリニックを選びましょう。

治療機器の充実

赤ら顔の治療に対応できるレーザー機器や光治療機器を備えているかどうかを確認しましょう。Vビームは保険適用での治療が可能な場合があるため、Vビームを導入しているクリニックを選ぶのも一つの選択肢です。

カウンセリングの丁寧さ

治療内容、期待できる効果、必要な治療回数、費用、ダウンタイム、リスク・副作用などについて、事前に丁寧に説明してくれるクリニックを選びましょう。疑問や不安を解消した上で治療を受けることが大切です。

アクセスの良さ

赤ら顔の治療は複数回の通院が必要になることが多いため、通いやすい立地にあるクリニックを選ぶことも重要です。

9. 新宿で赤ら顔治療を受けるなら

新宿は東京都内でも有数のターミナル駅であり、多くの皮膚科・美容皮膚科クリニックが集まるエリアです。仕事帰りや休日にも通いやすく、赤ら顔の治療を受けるには便利な立地といえるでしょう。

新宿エリアで赤ら顔の治療を検討される際は、以下のような点を確認しておくとよいでしょう。保険診療に対応しているか、Vビームなどの専門的なレーザー機器を導入しているか、皮膚科専門医が在籍しているか、駅からのアクセスはよいか、予約は取りやすいかなどがポイントになります。

赤ら顔の症状でお悩みの方は、まずは専門医に相談し、自分の症状に合った治療法を見つけることが改善への第一歩です。

10. まとめ

赤ら顔は、毛細血管拡張症や酒さなどの皮膚疾患が原因となっていることが多く、スキンケアだけでは改善が難しいケースが少なくありません。しかし、Vビームをはじめとするレーザー治療や、ロゼックスゲルなどの外用薬治療の進歩により、現在では効果的な治療が可能になっています。

赤ら顔の治療で重要なのは、まず自分の症状の原因を正しく診断してもらうことです。毛細血管拡張症なのか、酒さなのか、それとも他の原因によるものなのかによって、最適な治療法は異なります。

治療法としては、Vビームによるレーザー治療が最も効果が高いとされており、毛細血管拡張症であれば保険適用で治療を受けられる場合があります。また、酒さに対しては2022年から保険適用となったロゼックスゲル(メトロニダゾール外用薬)が有効です。症状に応じて、レーザー治療と薬物療法を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。

さらに、治療と並行して日常生活でのセルフケアも大切です。紫外線対策の徹底、低刺激なスキンケア、悪化因子の回避などを心がけることで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。

赤ら顔は長年の悩みになっている方も多いと思いますが、適切な治療を受けることで改善が期待できます。一人で悩まず、まずは専門医に相談してみてください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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