皮膚にできる「しこり」や「ニキビ」は、多くの人が経験する身近な肌トラブルです。しかし、一見似ているようでも、その原因や治療法は大きく異なります。特に、触れるとしこりのように硬いニキビや、ニキビだと思っていたものが実は別の皮膚疾患だったというケースも少なくありません。この記事では、しこりとニキビの違い、病院を受診すべきタイミング、そして適切な治療法について、専門医の視点から詳しく解説します。

しこりとニキビの基本的な違い
ニキビとは何か
ニキビ(尋常性痤瘡)は、毛穴に皮脂や角質が詰まり、そこにアクネ菌が繁殖することで炎症を起こす皮膚疾患です。日本皮膚科学会のガイドラインによれば、思春期から青年期に多く見られますが、成人になってからも発症することがあります。
ニキビの発生メカニズムは以下の流れで進行します。
- 毛穴の出口が角質で塞がれる
- 毛穴の中に皮脂が溜まる
- アクネ菌が増殖する
- 炎症が起こる
ニキビには段階があり、初期の白ニキビ(閉鎖面皰)や黒ニキビ(開放面皰)から、赤く炎症を起こした赤ニキビ(紅色丘疹)、膿を持った黄ニキビ(膿疱)まで、様々な状態があります。
しこりとは何か
一方、しこりとは皮膚の下にできる硬い塊のことを指します。医学的には「腫瘤」や「結節」と呼ばれることもあります。しこりの原因は多岐にわたり、良性のものから悪性のものまで様々です。
皮膚にできる主なしこりには以下のようなものがあります。
粉瘤(アテローム): 皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まる良性腫瘍です。皮膚の表面に黒い点(開口部)が見られることが特徴で、しこりを押すと臭いのある白い内容物が出ることがあります。
脂肪腫: 皮下脂肪組織が増殖してできる柔らかいしこりです。痛みはなく、ゆっくりと大きくなるのが特徴です。
毛嚢炎: 毛穴の奥(毛包)に細菌が感染して炎症を起こした状態です。ニキビと似ていますが、ブドウ球菌などの細菌が原因で、ニキビとは異なります。
リンパ節の腫れ: 感染や炎症によってリンパ節が腫れることがあります。首や脇の下、鼠径部などに触れることができます。
しこりとニキビを見分けるポイント
しこりとニキビを見分けるためには、以下のポイントに注目しましょう。
大きさと成長速度: ニキビは通常数ミリから1センチ程度で、1週間から2週間程度で変化します。しこりは数センチ以上になることもあり、ゆっくりと数ヶ月から数年かけて大きくなります。
痛みの有無: 炎症を起こしたニキビは触ると痛みがありますが、粉瘤や脂肪腫などのしこりは通常痛みがありません(ただし、粉瘤が感染すると強い痛みを伴います)。
見た目の特徴: ニキビは赤みや膿が見られ、しこりは皮膚の色と変わらないか、やや白っぽく見えることが多いです。
持続期間: ニキビは適切なケアや治療で数週間以内に改善しますが、しこりは自然には治らず、徐々に大きくなることがあります。
しこりのように硬いニキビができる原因
通常のニキビとは異なり、触れると硬いしこりのように感じるニキビができることがあります。これは「硬結性痤瘡」や「嚢腫性痤瘡」と呼ばれる状態です。
炎症が深部まで進んだニキビ
ニキビの炎症が皮膚の深い部分(真皮層)まで達すると、しこりのように硬くなることがあります。このような状態になる原因には以下が挙げられます。
ニキビを潰したり触ったりする: ニキビを無理に潰すと、炎症が悪化し、深部まで広がってしまいます。また、不潔な手で触ることで細菌が入り込み、感染を引き起こすこともあります。
適切な治療を受けなかった: 赤ニキビや黄ニキビの段階で適切な治療を受けないと、炎症がどんどん深くなり、硬いしこりのようになってしまいます。
体質的な要因: 皮脂の分泌量が多い、角質が厚い、免疫反応が過剰などの体質的な要因により、炎症が強く出やすい人がいます。
嚢腫性痤瘡
嚢腫性痤瘡は、ニキビの中でも最も重症な状態の一つです。皮膚の深い部分に大きな膿の袋ができ、触れると硬いしこりのように感じられます。この状態は以下の特徴があります。
- 直径1センチ以上の大きさになることが多い
- 強い痛みを伴う
- 赤紫色に腫れ上がる
- 治った後も瘢痕(傷跡)が残りやすい
厚生労働省の皮膚疾患に関する情報でも指摘されているように、重症のニキビは早期に適切な治療を受けることが重要です。
集簇性痤瘡
集簇性痤瘡は、複数のニキビが集まって一つの大きな硬いしこりのようになった状態です。主に顔や首、背中などに発生し、以下の特徴があります。
- 複数のニキビが連なって大きな塊になる
- 痛みや熱感を伴う
- 治癒までに時間がかかる
- 瘢痕が残りやすい
ニキビと間違えやすい皮膚のしこり
ニキビだと思っていたものが、実は別の皮膚疾患だったというケースは珍しくありません。ここでは、ニキビと間違えやすい代表的なしこりについて解説します。
粉瘤(アテローム)
粉瘤は、皮膚の良性腫瘍の中で最も多く見られるものの一つです。日本形成外科学会によれば、全年齢層に発生する可能性があります。
粉瘤の特徴は以下の通りです。
外観: 皮膚が半球状に盛り上がり、中央に黒い点(開口部)が見られることが多いです。大きさは数ミリから数センチまで様々です。
触感: 触れると弾力性があり、可動性があります。つまり、皮膚の下でコロコロと動く感じがします。
内容物: しこりを押すと、開口部から白くてドロドロした臭いのある内容物(角質や皮脂)が出ることがあります。
感染時の症状: 通常は痛みがありませんが、細菌感染を起こすと「炎症性粉瘤」となり、赤く腫れて強い痛みを伴います。この状態はニキビの炎症と非常に似ています。
粉瘤とニキビの最大の違いは、粉瘤には袋状の構造物(嚢腫壁)があることです。そのため、内容物を絞り出しても袋が残っている限り再発します。完治させるには、袋ごと外科的に摘出する必要があります。
毛嚢炎(もうのうえん)
毛嚢炎は、毛穴の奥にある毛包に細菌が感染して炎症を起こした状態です。見た目がニキビに非常に似ているため、間違えやすい疾患です。
毛嚢炎とニキビの違いは以下の点です。
原因菌: ニキビの主な原因菌はアクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)ですが、毛嚢炎は黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などが原因です。
発生部位: ニキビは顔や背中、胸などの皮脂分泌が多い部位に多く見られますが、毛嚢炎は髭剃り後の顔や、擦れやすい部位(太もも、臀部など)にも発生します。
症状: 毛嚢炎は毛穴を中心に赤い丘疹や膿疱ができ、ニキビよりも痒みを伴うことが多いです。
予後: 毛嚢炎は適切な治療で比較的早く治りますが、放置すると「せつ」や「癰(よう)」という深い膿瘍に進行することがあります。
脂肪腫
脂肪腫は、皮下の脂肪組織が増殖してできる良性腫瘍です。ニキビやしこりとの違いは以下の通りです。
触感: 柔らかく弾力性があり、指で押すと少しへこみます。
痛み: 通常は痛みがありません。
大きさ: 数センチから10センチ以上になることもあります。
成長速度: 非常にゆっくりと成長します。
脂肪腫は良性腫瘍であり、健康上の問題を引き起こすことはほとんどありません。ただし、見た目が気になる場合や、大きくなって日常生活に支障をきたす場合は、外科的に摘出することができます。
基底細胞がんや悪性黒色腫などの皮膚がん
頻度は高くありませんが、皮膚がんもしこりとして現れることがあります。国立がん研究センターによれば、皮膚がんには様々な種類があり、早期発見が重要です。
以下のような症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
- 急速に大きくなるしこり
- 色が黒い、または色が不均一なしこり
- 形が左右非対称で、境界が不明瞭
- 出血しやすい、潰瘍ができている
- 6ミリ以上のほくろ様病変
特に、高齢者や長年日光にさらされてきた部位(顔、首、手など)にできたしこりには注意が必要です。
病院を受診すべきタイミング
しこりやニキビができた時、「病院に行くべきか、様子を見るべきか」と迷う人は多いでしょう。ここでは、医療機関を受診すべきタイミングについて解説します。
すぐに受診すべき症状
以下のような症状がある場合は、できるだけ早く皮膚科を受診することをお勧めします。
強い痛みや発熱を伴う: しこりやニキビが赤く腫れて強い痛みがある、または発熱がある場合は、細菌感染が起こっている可能性があります。特に、粉瘤が感染した炎症性粉瘤は、抗生物質による治療や切開排膿が必要になることがあります。
急速に大きくなる: 数日から数週間で明らかに大きくなるしこりは、感染や炎症の悪化、あるいは悪性腫瘍の可能性も考えられます。
出血や膿が止まらない: しこりやニキビから出血や膿が持続的に出る場合は、適切な処置が必要です。
視界や呼吸に影響がある: まぶたや鼻の周りのしこりが大きくなって視界を遮る、または喉の近くのしこりで呼吸がしづらいなどの症状がある場合は、緊急性が高いです。
早めの受診を検討すべき症状
以下の症状がある場合は、急を要するわけではありませんが、早めに受診することをお勧めします。
セルフケアで改善しない: 市販のニキビ薬を2週間程度使用しても改善しない、またはしこりが小さくならない場合は、専門的な治療が必要かもしれません。
繰り返し同じ場所にできる: 同じ場所に繰り返しニキビやしこりができる場合は、根本的な原因を調べて治療する必要があります。
数が増えてきた: 顔や体に複数のしこりやニキビができて、徐々に増えている場合は、皮膚疾患や内科的な問題が隠れている可能性があります。
大きさが1センチ以上: 直径1センチ以上のしこりやニキビは、深い炎症や嚢腫、腫瘍の可能性があるため、専門医の診察を受けることをお勧めします。
痕が残る心配がある: 顔などの目立つ部位にできた場合や、深い炎症を起こしている場合は、早期治療により瘢痕(傷跡)を最小限に抑えることができます。
定期的な経過観察が必要な場合
以下のような場合は、定期的に医療機関で経過観察を受けることが推奨されます。
既に粉瘤や脂肪腫と診断されている: 良性腫瘍でも、大きさの変化や症状の出現を定期的にチェックすることが大切です。
重症ニキビの治療中: 嚢腫性痤瘡や集簇性痤瘡などの重症ニキビは、長期的な治療と経過観察が必要です。
過去に皮膚がんの既往がある: 皮膚がんの治療歴がある人は、再発や新たな病変の早期発見のため、定期的な検診が重要です。
病院での診断方法
皮膚科を受診すると、医師は以下のような方法でしこりやニキビを診断します。
問診
まず、医師は詳しい問診を行います。質問される内容には以下のようなものがあります。
- いつからしこりやニキビができたか
- 大きさや色の変化はあるか
- 痛みや痒みはあるか
- 過去に同じような症状があったか
- 家族歴や既往歴
- 現在服用している薬やサプリメント
- 生活習慣(食事、睡眠、ストレスなど)
これらの情報は、診断を進める上で非常に重要です。できるだけ詳しく、正確に答えるようにしましょう。
視診・触診
医師は、しこりやニキビを直接見て、触って確認します。
視診: 大きさ、形、色、表面の状態、周囲の皮膚の状態などを観察します。粉瘤の場合は中央の黒い点(開口部)の有無、ニキビの場合は炎症の程度や膿の有無などを確認します。
触診: しこりの硬さ、可動性、圧痛の有無などを調べます。粉瘤や脂肪腫は可動性がありますが、悪性腫瘍は周囲の組織と癒着していることが多く、可動性が低いという特徴があります。
ダーモスコピー検査
ダーモスコピーは、拡大鏡を使って皮膚の表面や浅い部分の構造を詳しく観察する検査です。ニキビ、粉瘤、ほくろ、皮膚がんなどを鑑別するのに役立ちます。痛みもなく、短時間で行える検査です。
超音波検査(エコー検査)
超音波検査は、皮膚の下のしこりの大きさ、深さ、内部構造を調べることができます。粉瘤、脂肪腫、リンパ節の腫れなどの鑑別に有用です。また、血管や神経との位置関係も確認できるため、手術前の検査としても行われます。
血液検査
感染症が疑われる場合や、全身性の疾患が背景にある可能性がある場合は、血液検査を行うことがあります。白血球数や炎症マーカー(CRPなど)を調べることで、感染や炎症の程度を評価します。
生検(組織検査)
悪性腫瘍が疑われる場合や、診断が困難な場合は、しこりの一部または全体を採取して顕微鏡で調べる生検を行います。これにより、確定診断を得ることができます。
生検には以下のような方法があります。
針生検: 細い針でしこりの一部を採取する方法です。
パンチ生検: 円筒状の器具でしこりの一部を採取する方法です。
切除生検: しこり全体を切除して調べる方法です。
画像検査
しこりが大きい場合や、深い部位にある場合、悪性腫瘍が疑われる場合などは、CT検査やMRI検査を行うことがあります。これらの検査により、しこりの正確な大きさや位置、周囲の組織への広がりなどを詳しく調べることができます。
ニキビとしこりの治療法
診断が確定したら、それぞれの状態に応じた適切な治療を行います。
ニキビの治療
日本皮膚科学会の尋常性痤瘡治療ガイドラインに基づいて、ニキビの重症度に応じた治療が行われます。
外用薬による治療
アダパレン: レチノイド様物質で、毛穴の詰まりを改善し、ニキビの発生を予防します。
過酸化ベンゾイル: 殺菌作用と角質剥離作用があり、アクネ菌の増殖を抑えます。
抗菌薬外用剤: クリンダマイシンやナジフロキサシンなどの抗菌薬を塗布して、アクネ菌を減少させます。
内服薬による治療
抗菌薬: テトラサイクリン系やマクロライド系の抗菌薬を服用し、体の内側からアクネ菌の増殖を抑えます。ただし、長期使用による耐性菌の出現を避けるため、使用期間は限定されます。
ホルモン療法: 女性の場合、低用量ピルによるホルモン療法が有効なことがあります。男性ホルモンの作用を抑えることで、皮脂の分泌を減少させます。
ビタミン剤: ビタミンB2、B6、Cなどを補給することで、皮膚の代謝を改善します。
重症ニキビの治療
イソトレチノイン: 重症の嚢腫性痤瘡に対して使用される内服薬です。日本では保険適用外ですが、非常に高い効果が期待できます。ただし、副作用も多いため、医師の厳重な管理のもとで使用されます。
ステロイド局所注射: 大きな嚢腫性ニキビに対して、ステロイドを直接注射することで炎症を素早く抑えます。
面皰圧出: 専用の器具を使って、毛穴に詰まった内容物を取り除きます。自己流で行うと悪化する可能性があるため、必ず医療機関で行ってもらいましょう。
粉瘤の治療
粉瘤の根本的な治療は、袋状の構造物(嚢腫壁)を完全に摘出する外科手術です。
手術のタイミング
粉瘤が炎症を起こしていない時期に手術を行うのが理想的です。炎症性粉瘤の場合は、まず抗生物質で炎症を抑えるか、切開して膿を排出してから、炎症が治まった後に手術を行います。
手術方法
小切開摘出術: 粉瘤の中央に小さな穴を開け、内容物を絞り出した後、袋を摘出する方法です。傷跡が小さく済むのが利点です。
紡錘形切除術: 粉瘤を含む皮膚を紡錘形に切除し、袋ごと取り除く方法です。確実に摘出できますが、傷跡がやや大きくなります。
くり抜き法: パンチという円筒状の器具で粉瘤に穴を開け、内容物と袋を摘出する方法です。
手術は通常、局所麻酔下で日帰りで行われます。手術時間は粉瘤の大きさにもよりますが、15分から30分程度です。
毛嚢炎の治療
毛嚢炎は適切な治療で比較的早く治ります。
抗菌薬外用剤: フシジン酸ナトリウムやナジフロキサシンなどの抗菌薬を塗布します。
抗菌薬内服: 症状が広範囲の場合や、せつや癰に進行している場合は、セファレキシンなどの抗菌薬を内服します。
切開排膿: 膿が溜まっている場合は、切開して排出します。
脂肪腫の治療
脂肪腫は良性腫瘍であり、必ずしも治療が必要というわけではありません。ただし、以下のような場合は手術による摘出を検討します。
- 見た目が気になる
- 大きくなって痛みや違和感がある
- 日常生活に支障をきたす
- 悪性腫瘍との鑑別が必要
手術は局所麻酔下で行われ、脂肪腫を被膜ごと摘出します。
美容的な治療
ニキビやしこりの治療後、瘢痕(傷跡)が残ってしまった場合は、以下のような美容的な治療を行うことができます。
レーザー治療: フラクショナルレーザーやCO2レーザーなどを使用して、瘢痕を目立たなくします。
ケミカルピーリング: 酸性の薬剤を使って古い角質を除去し、皮膚の再生を促します。
ダーマペン: 微細な針で皮膚に穴を開け、創傷治癒の過程でコラーゲンの生成を促進します。
これらの治療は保険適用外となることが多いため、費用については事前に確認しましょう。
予防とセルフケア
しこりやニキビの発生を予防するためには、日常生活での適切なスキンケアと生活習慣の改善が重要です。
正しい洗顔方法
洗顔のポイント: 1日2回(朝と夜)、ぬるま湯で優しく洗顔します。熱いお湯は皮脂を取りすぎて乾燥の原因になり、冷たい水は毛穴の汚れが落ちにくくなります。
洗顔料の選び方: 自分の肌質に合った洗顔料を選びましょう。脂性肌の人は洗浄力のあるもの、乾燥肌の人は保湿成分が入ったマイルドなものがお勧めです。
洗顔の手順: 洗顔料をよく泡立て、泡で優しく洗います。ゴシゴシ擦ると肌を傷つけてしまうので注意しましょう。すすぎ残しがないように、しっかりと洗い流します。
保湿ケア
洗顔後の保湿: 洗顔後は必ず化粧水や乳液で保湿します。「ニキビができやすいから保湿しない」という人がいますが、これは逆効果です。肌が乾燥すると、かえって皮脂の分泌が増えてニキビができやすくなります。
ノンコメドジェニック製品: ニキビができやすい人は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表記された化粧品を選ぶとよいでしょう。これは、ニキビができにくい処方になっていることを示しています。
生活習慣の改善
バランスの取れた食事: ビタミンB群、ビタミンC、亜鉛などを含む食品を積極的に摂りましょう。一方、糖質や脂質の過剰摂取は皮脂の分泌を増やすため、適度に控えることが大切です。
十分な睡眠: 睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ニキビの原因になります。1日7〜8時間の睡眠を心がけましょう。
ストレス管理: ストレスもホルモンバランスに影響し、ニキビを悪化させます。適度な運動や趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。
紫外線対策: 紫外線は皮膚の老化を促進し、ニキビ跡を悪化させる可能性があります。日焼け止めを使用し、帽子や日傘で紫外線から肌を守りましょう。
やってはいけないこと
ニキビやしこりを触る、潰す: 不潔な手で触ると細菌感染のリスクが高まります。また、無理に潰すと炎症が悪化し、瘢痕が残る原因になります。
過度な洗顔: 1日に何度も洗顔すると、必要な皮脂まで取り除いてしまい、かえって皮脂の分泌が増えてしまいます。
刺激の強い化粧品の使用: アルコールや香料が多く含まれた化粧品は、肌に刺激を与えてニキビを悪化させることがあります。
不適切な自己治療: インターネットで見つけた民間療法や、医師の処方なしに入手した薬を使用するのは危険です。症状が悪化したり、思わぬ副作用が出たりする可能性があります。

よくある質問(FAQ)
ここでは、しこりやニキビに関してよく寄せられる質問にお答えします。
軽度のニキビは適切なセルフケアで自然に治ることがありますが、しこりのように硬いニキビや粉瘤などは自然治癒が難しく、医療機関での治療が必要です。特に粉瘤は袋状の構造があるため、内容物が出ても袋が残っている限り再発します。
市販薬を2週間程度使用しても改善が見られない場合は、皮膚科を受診しましょう。処方薬の方が効果が高く、また、ニキビ以外の皮膚疾患が隠れている可能性もあります。
粉瘤の手術は痛いですか?
手術は局所麻酔下で行われるため、術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みがありますが、その後は痛みを感じることはありません。術後は痛み止めが処方されます。
手術後の傷跡は残りますか?
手術方法や術後のケアにもよりますが、通常は時間とともに目立たなくなります。小切開摘出術やくり抜き法など、傷跡を最小限にする手術方法もあります。傷跡が気になる場合は、術前に医師とよく相談しましょう。
ニキビができやすい体質は変えられますか?
体質を完全に変えることは難しいですが、適切なスキンケアや生活習慣の改善により、ニキビの発生を大幅に減らすことは可能です。また、年齢とともにホルモンバランスが安定し、ニキビができにくくなることもあります。
しこりができやすい部位はありますか?
粉瘤は顔、首、背中、耳の後ろなどによくできます。脂肪腫は肩、背中、腕、太ももなどに多く見られます。毛嚢炎は髭剃り後の顔や、摩擦が多い部位(太もも、臀部など)にできやすいです。
子どもにもしこりやニキビはできますか?
子どもでも粉瘤や脂肪腫、毛嚢炎などができることがあります。ニキビは思春期以降に多く見られますが、新生児や乳児にも「新生児痤瘡」という一時的なニキビができることがあります。子どもの皮膚にしこりやニキビが見られた場合は、小児科や皮膚科を受診しましょう。
アイシークリニック新宿院での治療
アイシークリニック新宿院では、しこりやニキビに関する様々な治療を提供しています。
日帰り手術: 粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍の摘出手術を日帰りで行っています。経験豊富な医師が、傷跡を最小限にする工夫をしながら丁寧に手術を行います。
ニキビ治療: 保険診療による標準的なニキビ治療から、美容的な治療まで幅広く対応しています。患者様一人ひとりの症状や肌質に合わせた最適な治療プランをご提案します。
アフターケア: 手術後や治療後のフォローアップも丁寧に行います。傷跡が気になる方には、レーザー治療などの美容的な治療もご案内できます。
しこりやニキビでお悩みの方は、ぜひアイシークリニック新宿院にご相談ください。
まとめ
皮膚にできるしこりやニキビは、見た目が似ていても原因や治療法が大きく異なります。ニキビは毛穴の詰まりと炎症が原因ですが、しこりには粉瘤、脂肪腫、毛嚢炎、さらには悪性腫瘍など様々な原因があります。
病院を受診すべきタイミングとしては、強い痛みや発熱を伴う場合、急速に大きくなる場合、セルフケアで改善しない場合などが挙げられます。早期に適切な診断と治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、瘢痕を最小限に抑えることができます。
日常生活では、正しい洗顔と保湿、バランスの取れた食事、十分な睡眠など、基本的なスキンケアと生活習慣の改善が予防につながります。ニキビやしこりを触ったり潰したりせず、気になる症状があれば早めに皮膚科を受診することが大切です。
皮膚の健康を保つことは、見た目の美しさだけでなく、体全体の健康にもつながります。しこりやニキビでお悩みの方は、一人で悩まず、ぜひ専門医にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A ニキビ」 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/index.html
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡治療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/index.php?content_id=2
- 日本形成外科学会「一般の皆様へ」 https://www.jsprs.or.jp/
- 国立がん研究センター がん情報サービス「皮膚がん」 https://ganjoho.jp/public/cancer/skin/index.html
- 厚生労働省「健康情報」 https://www.mhlw.go.jp/
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務