春の乾燥肌に悩む方へ|皮膚科医が教える正しい保湿ケアの方法

「冬が終わってひと安心」と思ったら、なぜか肌のかさつきや粉吹きが続いている——そんな経験はありませんか?実は春は、多くの方が乾燥肌に悩む季節です。気温が上がり湿度が変動しやすい春特有の環境が、肌のバリア機能を乱し、思わぬ肌トラブルを引き起こすことがあります。このコラムでは、春の乾燥肌が起こるメカニズムから、皮膚科的な観点に基づいた正しい保湿ケアの方法まで、詳しくご説明します。アイシークリニック新宿院の皮膚科では、季節の変わり目に起こる肌トラブルに対して一人ひとりに合ったアドバイスを行っています。まずは、春の乾燥肌について正しく理解するところから始めましょう。


目次

  1. 春に乾燥肌が起こりやすい理由
  2. 春の乾燥肌の主な症状とサイン
  3. 肌のバリア機能とは何か
  4. 春の保湿ケアで気をつけるべきポイント
  5. 正しい保湿剤の選び方と使い方
  6. 春の洗顔・入浴方法の見直し
  7. 食生活・生活習慣と乾燥肌の関係
  8. 市販ケアでは改善しない場合の皮膚科受診のすすめ
  9. 皮膚科での乾燥肌治療について
  10. まとめ

この記事のポイント

春は気温差・花粉・紫外線増加により乾燥肌が起こりやすく、バリア機能維持のため保湿剤の季節切り替えと正しいケアが重要。改善しない場合はアイシークリニック新宿院など皮膚科での外用薬処方や個別指導が有効。

🎯 春に乾燥肌が起こりやすい理由

「乾燥といえば冬」というイメージを持つ方は多いですが、実は春も乾燥肌が起こりやすい季節です。その理由は、春特有の環境的な変化にあります。

まず、春は気温と湿度が不安定な季節です。1日の中でも朝晩と日中の気温差が大きく、肌は急激な温度変化に対応しなければなりません。この温度変化によって皮膚の毛細血管が収縮と拡張を繰り返し、肌のバリア機能が乱れやすくなります。

次に、春は空気が乾燥しやすい時期でもあります。冬の寒気が通過した後、晴れた日には空気中の湿度が低下し、肌表面の水分が蒸発しやすくなります。特に3月から4月にかけては、「春一番」と呼ばれる強い南風が吹くことがあり、風による乾燥も肌にダメージを与えます。

さらに、花粉の影響も見逃せません。スギ・ヒノキなどの花粉が大量に飛散する春は、花粉症だけでなく、花粉による肌への直接的な刺激が問題になることがあります。花粉が肌に触れると、皮膚の炎症を引き起こし、バリア機能を低下させることが知られています。これを「花粉皮膚炎」と呼ぶこともあり、顔や首まわりを中心にかゆみ・赤みが生じるケースが増えています。

また、冬の間に暖房で乾燥した環境に肌が慣れてしまい、春になって急に環境が変わることで、肌が対応しきれないという側面もあります。さらに、紫外線量が急激に増加する春は、紫外線による肌ダメージが重なることで、肌のうるおいが失われやすくなります。日本では、紫外線の量は3月から増加し始め、5月頃にはピークに近い強さになることが知られています。

このように、春は複数の環境要因が重なって乾燥肌が起こりやすい季節です。冬のスキンケアをそのまま続けることが正解とは限らず、春の環境に合わせたケアに切り替えることが大切です。

Q. 春に乾燥肌が悪化しやすい主な原因は何ですか?

春は気温差・空気の乾燥・花粉・紫外線増加が重なり、肌のバリア機能が乱れやすい季節です。花粉が肌に触れると「花粉皮膚炎」を引き起こすこともあり、顔や首まわりのかゆみ・赤みの原因となります。冬が終わっても保湿ケアの継続が重要です。

📋 春の乾燥肌の主な症状とサイン

乾燥肌(医学的には「乾皮症」とも呼ばれます)は、肌の水分や皮脂が不足した状態です。春の乾燥肌には、さまざまな症状やサインが現れます。自分の肌の状態を正しく把握することで、適切なケアにつなげることができます。

代表的な症状の一つは、肌のかさつきや粉吹きです。肌が白くカサカサとした状態になり、粉が吹いたように見えることがあります。これは角質層の水分が失われ、古い角質が剥がれやすくなっている状態です。

次に多いのが、かゆみです。乾燥した肌では、外部からの刺激を遮断するバリア機能が低下するため、軽い刺激でもかゆみが生じやすくなります。特に入浴後や就寝前に、脚や腕にかゆみを感じる方が多いです。

肌の赤みやヒリヒリ感も、乾燥肌のサインです。バリア機能が低下した肌は外部刺激に敏感になり、洗顔料や化粧水がしみるように感じることがあります。これを「敏感肌」と感じる方も多いですが、その根本原因が乾燥にあるケースは少なくありません。

また、春特有の症状として、目の周りや口の周り、首・頬などの顔面に集中した乾燥・かゆみ・湿疹が現れることがあります。これは前述の花粉皮膚炎による症状と重なることが多く、アトピー性皮膚炎の方では症状が悪化しやすい時期でもあります。

さらに、肌のごわつきや弾力低下も乾燥のサインです。うるおいが足りないと、肌の質感が硬くなり、表情を作ったときの動きが重く感じられることがあります。シワが目立ちやすくなるのも、乾燥による影響の一つです。

一方で、脂性肌のように見える「インナードライ」も春に増えます。これは、肌の深部では水分が不足しているのに、表面ではテカリや皮脂が過剰に分泌されている状態です。「油っぽいのに乾燥感がある」と感じる方は、このインナードライの可能性があります。

💊 肌のバリア機能とは何か

春の乾燥肌を理解するうえで、肌のバリア機能について知っておくことは非常に重要です。バリア機能とは、肌の最も外側にある「角質層」が持つ保護機能のことです。

角質層は、薄い角質細胞が何層にも重なり合ってできています。この角質細胞と角質細胞のすき間を埋めているのが「細胞間脂質(セラミドなど)」であり、外側を油膜のように覆っているのが「皮脂膜」です。そして、角質細胞の中には「天然保湿因子(NMF)」と呼ばれる水分を保持するための物質が存在します。

この三つの要素(細胞間脂質・皮脂膜・天然保湿因子)がバランスよく機能することで、肌は外部からの有害物質・刺激・細菌などの侵入を防ぐとともに、内側の水分が逃げないようにしています。

しかし、気温差・紫外線・花粉・乾燥した風などにさらされる春の環境では、このバリア機能が低下しやすくなります。バリア機能が低下すると、皮膚からの水分蒸発(経皮水分蒸散量:TEWL)が増加し、乾燥が進みます。同時に、花粉や化学物質が肌の奥まで侵入しやすくなるため、炎症やアレルギー反応も起こりやすくなります。

春の保湿ケアの目的は、単に水分を補給するだけでなく、このバリア機能を正常な状態に保つことにあります。そのためには、正しい保湿剤の選択と使い方が欠かせません。

Q. 春の保湿剤はどう選べばよいですか?

春は気温上昇で皮脂分泌が活発になるため、冬に使用した重いクリームから軽めのローションや乳液タイプへの切り替えが推奨されます。成分はセラミドやヒアルロン酸を含み、アルコール・香料・着色料が少ないシンプルな処方のものが、敏感になった春の肌に適しています。

🏥 春の保湿ケアで気をつけるべきポイント

春の乾燥肌に対処するためには、季節に合わせた保湿ケアを意識することが大切です。ここでは、春ならではの注意点を詳しくご紹介します。

最初のポイントは、冬と同じ重いテクスチャーの保湿剤を使い続けないことです。冬は肌がしっかりと保湿できるよう、油分の多いクリームや軟膏タイプを使っていた方も多いと思います。しかし、春になると気温が上がり、皮脂分泌も少し活発になるため、冬と同じように重いものを使うとニキビや毛穴詰まりの原因になることがあります。春は軽めのテクスチャーのローションや乳液タイプに切り替えることを検討しましょう。

ただし、アトピー性皮膚炎や重度の乾燥肌の方は、安易に保湿剤を変えるよりも皮膚科に相談したうえでケアの内容を調整することをおすすめします。

次のポイントは、保湿のタイミングを守ることです。保湿剤は洗顔や入浴後、肌がまだ少し湿っている状態のときに塗るのが最も効果的です。水分を閉じ込めるように速やかに塗ることで、肌の水分が蒸発するのを防ぐことができます。目安として、洗顔・入浴後5分以内を心がけましょう。

また、花粉シーズン中は外出後のケアも重要です。帰宅したらすぐに洗顔・うがいを行い、肌についた花粉を洗い流しましょう。その後、速やかに保湿を行うことで、花粉による肌への刺激を最小限に抑えることができます。

さらに、紫外線対策と保湿を組み合わせることも大切です。春は紫外線量が増加し始める時期であり、日焼けによる肌ダメージが乾燥をさらに悪化させます。保湿の後には必ず日焼け止めを塗り、紫外線から肌を守るようにしましょう。SPF30以上・PA++以上のものを日常使いすることが推奨されます。

室内環境の見直しも欠かせません。春でも室内が乾燥していると、肌の水分は失われやすくなります。加湿器の使用や、部屋に濡れタオルを干すなどして室内湿度を50〜60%程度に保つことが理想的です。

⚠️ 正しい保湿剤の選び方と使い方

保湿剤には多くの種類があり、それぞれ成分や役割が異なります。自分の肌状態に合った保湿剤を選ぶことが、効果的なケアへの近道です。

保湿剤の主な成分は、大きく「ヒューメクタント」「エモリエント」「オクルーシブ」の三つに分けられます。

ヒューメクタントとは、周囲の水分を引きつけて肌に水分を与える成分です。代表的なものにヒアルロン酸、グリセリン、ソルビトールなどがあります。水分を引きつける力が高いため、乾燥した環境では外の乾燥した空気から水分を吸ってしまうこともあるため、後述するエモリエントやオクルーシブと組み合わせて使うことが効果的です。

エモリエントとは、肌の角質細胞間の隙間を油分で埋め、肌をなめらかにする成分です。セラミド、スクワランオイル、ホホバオイルなどがこれにあたります。バリア機能の修復に役立ち、肌をしっとりとなめらかに保つ効果があります。特にセラミドは、角質細胞間脂質の主成分であり、バリア機能の維持に非常に重要な役割を果たします。乾燥肌やアトピー性皮膚炎の方に特におすすめされる成分です。

オクルーシブとは、肌の表面に油膜を作り、水分の蒸発を物理的に防ぐ成分です。ワセリン、ミネラルオイル、シアバターなどがこれにあたります。水分保持力が高い一方で、テクスチャーが重いため、春は全体に使うより乾燥が特にひどい部分に部分使いするのがよいでしょう。

保湿剤を選ぶ際は、自分の肌タイプ(乾燥肌・混合肌・脂性肌・敏感肌など)を考慮することが重要です。アルコール・香料・着色料などの添加物は、敏感になった春の肌には刺激になることがあります。できるだけシンプルな成分構成のものを選ぶことが、肌トラブルを防ぐうえで有効です。

使い方のコツとしては、薄く均一に塗ることが基本です。たっぷり塗れば効果が上がるわけではなく、適量を丁寧に塗り広げることが大切です。顔への塗布は、手のひらで少し温めてから、中心から外側に向かってなじませるようにするとよいでしょう。摩擦を加えすぎると角質を傷めるため、優しく押さえるように塗ることを意識してください。

Q. 洗顔・入浴で乾燥を防ぐ正しい方法は?

洗顔はぬるま湯(32〜38度)を使い、朝はお湯だけで済ませる方法も有効です。入浴は38〜40度・15〜20分以内を目安にし、長湯や高温は避けましょう。入浴後はタオルで押さえるように水分を取り、5分以内に全身へ保湿剤を塗ることが乾燥予防に効果的です。

🔍 春の洗顔・入浴方法の見直し

乾燥肌のケアにおいて、保湿と同じくらい重要なのが「洗い方」です。正しい洗顔・入浴の方法を身につけることで、必要な皮脂や天然保湿因子を失いすぎず、肌のうるおいを守ることができます。

まず、洗顔回数と洗顔料の見直しから始めましょう。洗顔は1日2回(朝・夜)が基本とされていますが、乾燥が気になる方は朝の洗顔をぬるま湯だけにする方法も有効です。洗顔料を使いすぎると、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥が悪化することがあります。

洗顔料は、泡立ちの良いものよりも保湿成分が含まれたマイルドなタイプを選ぶのがおすすめです。また、洗顔時は熱いお湯を避け、ぬるま湯(32〜38度程度)を使うことが重要です。熱いお湯は皮脂を過剰に洗い流してしまい、乾燥の原因になります。

洗顔後のタオルの使い方も意識しましょう。タオルで肌をゴシゴシこするのは厳禁です。タオルを肌に当てて、軽く押さえるようにして水分を取るようにしましょう。同じタオルを長期間使い続けると雑菌が増殖することがあるため、清潔なタオルをこまめに交換することも大切です。

入浴については、長時間の入浴や高温での入浴は乾燥を悪化させます。お湯の温度は38〜40度程度が適切で、浸かる時間は15〜20分以内を目安にしましょう。長湯をすると角質層の水分と皮脂が失われ、入浴後に乾燥が一気に進みやすくなります。

ボディの洗い方も見直してみましょう。ナイロン製のタオルやスクラブ系の洗浄剤は肌への摩擦が強く、バリア機能を傷めることがあります。泡立てた石鹸や洗浄料を手で優しく塗るようにして洗うのが、肌への刺激を最小限にする方法です。

入浴後は体を拭いた後、できるだけ早く全身に保湿剤を塗る習慣をつけましょう。特に、すね・ひじ・かかとなどの乾燥しやすい部位は念入りにケアすることをおすすめします。

📝 食生活・生活習慣と乾燥肌の関係

乾燥肌のケアはスキンケアだけでなく、食生活や生活習慣の改善も大切です。内側からアプローチすることで、肌の水分保持能力を高め、健康な肌を育てることができます。

まず、水分補給について確認しましょう。肌の水分量は体全体の水分状態と密接に関係しています。1日あたり1.5〜2リットルを目安に水や麦茶などを意識的に摂取することが推奨されています。ただし、カフェインを含むコーヒーや紅茶、アルコールは利尿作用があるため、飲みすぎると逆に水分不足になりやすいので注意が必要です。

食事面では、以下の栄養素が肌の健康に特に重要とされています。

ビタミンAは、皮膚の細胞の生まれ変わり(ターンオーバー)を促進し、角質層の正常化に役立ちます。にんじん・かぼちゃ・レバーなどに豊富に含まれます。

ビタミンCは、コラーゲンの合成を助け、肌の弾力とうるおいを保つのに重要な役割を果たします。ブロッコリー・いちご・キウイ・パプリカなどに多く含まれます。

ビタミンEは、抗酸化作用を持ち、肌細胞の酸化ダメージを防ぎます。アーモンド・植物油・アボカドなどに含まれています。

必須脂肪酸(オメガ3・オメガ6系脂肪酸)は、細胞膜を構成する成分であり、肌のバリア機能に欠かせません。青魚(サーモン・イワシ・サバ)・亜麻仁油・えごま油などに多く含まれます。

亜鉛は、皮膚の再生・修復に関わるミネラルです。牡蠣・赤身肉・ナッツ類・豆類などに豊富に含まれます。

生活習慣の面では、十分な睡眠が肌の再生に非常に重要です。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復・再生が行われます。理想的な睡眠時間は成人で7〜8時間とされており、質の高い睡眠を確保することで肌状態が改善することが多くあります。

また、過度なストレスは自律神経を乱し、皮脂分泌のバランスに影響を与えることがあります。ストレス管理のために、適度な運動・趣味・リラクゼーションを取り入れることも、肌の健康につながります。

喫煙は皮膚の血行を悪化させ、ビタミンCを消費し、肌の老化・乾燥を促進することがわかっています。禁煙は肌の健康のためにも非常に有効な選択肢です。

Q. 市販ケアで改善しない乾燥肌は皮膚科でどう治療しますか?

皮膚科では問診・視診のうえ、保湿・抗炎症作用を持つヘパリン類似物質や尿素製剤などの外用薬が処方されます。炎症が強い場合はステロイド外用薬、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服も検討されます。アイシークリニック新宿院では個人の肌状態に合わせた治療とスキンケア指導を提供しています。

💡 市販ケアでは改善しない場合の皮膚科受診のすすめ

市販の保湿剤を使用しスキンケアを見直しても、乾燥肌の症状がなかなか改善しない場合は、皮膚科への受診を検討してください。自己判断でケアを続けることで、症状が悪化したり、適切な治療のタイミングを逃したりすることがあります。

特に、以下のような症状があれば早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

一つ目は、かゆみが強く、掻き壊しによる傷ができている場合です。かき傷から細菌感染が起こると、症状がさらに悪化する可能性があります。

二つ目は、乾燥と赤みが広範囲に出ている場合です。これはアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎、乾癬などの皮膚疾患が隠れているサインである可能性があります。

三つ目は、湿疹や水ぶくれを伴う場合です。これはただの乾燥肌ではなく、皮膚炎や他の皮膚疾患の可能性があり、適切な診断が必要です。

四つ目は、保湿剤を塗っても症状が全く改善しない、もしくは悪化している場合です。市販品では対応できない程度の乾燥であれば、医療用の保湿剤や治療薬が必要なことがあります。

五つ目は、目の周りや口の周りに集中した症状がある場合です。花粉皮膚炎や口囲皮膚炎、脂漏性皮膚炎などの可能性があり、診断が重要です。

皮膚科では、肌の状態を詳しく診察し、乾燥の程度・原因・他の皮膚疾患の有無などを総合的に判断したうえで、個々の患者さんに適した治療法やスキンケア指導を行います。「皮膚科に行くほどでもないかも」と思っていても、専門家のアドバイスを受けることで症状が大きく改善することは少なくありません。

✨ 皮膚科での乾燥肌治療について

皮膚科では、乾燥肌に対してどのような治療・アドバイスが行われるのでしょうか。ここでは、皮膚科での一般的な乾燥肌へのアプローチを解説します。

まず、問診と視診・触診による詳しい診察が行われます。いつから症状があるか、どのような部位に出ているか、アレルギーの既往や内服薬の有無、普段のスキンケア習慣などを確認します。必要に応じてパッチテスト(接触アレルギーの検査)やアレルギー血液検査を行うこともあります。

乾燥肌・乾皮症に対しては、まず外用薬(塗り薬)による治療が行われます。代表的なものとして、以下があります。

ヘパリン類似物質(ヒルドイドなど)は、保湿・抗炎症・血行促進作用を持つ外用薬で、乾燥肌・乾皮症の治療に広く使用されています。クリーム・ローション・ゲル・フォームなど複数の剤形があり、塗る部位や好みに応じて選択できます。

尿素製剤は、角質を軟化させ水分保持を助ける成分として知られています。10%・20%などの濃度があり、ひじ・ひざ・かかとなどの特に硬くなった部分に有効です。ただし、傷のある部分や敏感な部位には刺激になることがあるため、使用する部位に注意が必要です。

炎症を伴う乾燥肌(かゆみ・赤みが強い場合)には、ステロイド外用薬が処方されることがあります。ステロイドには抗炎症作用があり、症状が強い時期に適切に使用することで、症状を早期に鎮めることができます。「ステロイド=怖い」というイメージを持つ方も多いですが、皮膚科医の指導のもとで適切に使用すれば安全で効果的な薬です。

アトピー性皮膚炎と診断された場合は、タクロリムス外用薬(プロトピックなど)やデュピルマブ(デュピクセント)などの注射薬が検討されることもあります。近年は生物学的製剤の開発が進み、中等度〜重度のアトピー性皮膚炎に対する治療選択肢が広がっています。

かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬の内服が処方されることもあります。かゆみによる睡眠障害がある場合には特に有効です。

皮膚科では、処方薬の使用方法だけでなく、個人に合ったスキンケアの具体的な指導も行います。どの保湿剤をどのように使えばよいか、洗顔・入浴方法の見直し、日常生活での注意点など、トータルなアドバイスを受けることができます。

アイシークリニック新宿院では、春の乾燥肌・敏感肌・花粉皮膚炎など、季節の変わり目に起こる肌トラブルに対して、患者さん一人ひとりの肌の状態に合わせた診断と治療を提供しています。「市販のケアでは限界を感じている」「専門家にしっかり診てもらいたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、春になると「冬よりも肌の調子が悪くなった」とご相談いただく患者様が増える傾向があります。気温差・花粉・紫外線の増加が重なるこの時期は、肌のバリア機能が乱れやすく、乾燥・かゆみ・赤みが同時に現れるケースも少なくありません。市販のケアで改善が見られない場合は早めにご受診いただくことで、お一人おひとりの肌状態に合った治療とスキンケア指導をご提案できますので、どうぞお気軽にご相談ください。」

📌 よくある質問

春も乾燥肌になるのはなぜですか?

春は気温差・空気の乾燥・花粉・紫外線の増加など、複数の環境的要因が重なることで肌のバリア機能が乱れやすくなります。特に花粉が肌に触れると炎症を引き起こす「花粉皮膚炎」も乾燥の一因となります。「冬が終わったから大丈夫」という思い込みは禁物です。

春の保湿剤は冬と同じものを使っていいですか?

基本的には見直しが推奨されます。気温が上がる春に冬用の重いクリームをそのまま使い続けると、毛穴詰まりやニキビの原因になることがあります。春はより軽めのテクスチャーのローションや乳液タイプへの切り替えを検討しましょう。ただし、アトピー性皮膚炎の方は自己判断せず、皮膚科に相談することをおすすめします。

保湿剤を塗るベストなタイミングはいつですか?

洗顔・入浴後、肌がまだ少し湿っている状態で塗るのが最も効果的です。目安として5分以内を心がけましょう。水分を素早く閉じ込めることで肌の乾燥を防げます。また、花粉シーズン中は帰宅後すぐに洗顔を行い、その後速やかに保湿することも大切です。

市販の保湿ケアでは改善しない場合、どうすればよいですか?

市販品で改善が見られない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。特に、かゆみが強く掻き壊しがある・赤みが広範囲に出ている・湿疹を伴うなどの場合は早めの受診が重要です。アイシークリニック新宿院では、患者さんの肌状態に合った外用薬の処方や具体的なスキンケア指導を行っています。

皮膚科では乾燥肌にどのような治療をしてもらえますか?

皮膚科では問診・視診による診察を行ったうえで、保湿・抗炎症作用を持つヘパリン類似物質や尿素製剤などの外用薬が処方されます。炎症が強い場合はステロイド外用薬、かゆみが強い場合は抗ヒスタミン薬の内服が検討されることもあります。あわせて個人の肌状態に合ったスキンケア指導も受けられます。

🎯 まとめ

春は、気温差・低湿度・花粉・紫外線増加など、さまざまな環境変化が重なることで、乾燥肌が起こりやすい季節です。「冬が終わったから保湿は不要」という思い込みを捨て、春の環境に合わせたスキンケアに切り替えることが大切です。

乾燥肌の根本には、肌のバリア機能の低下があります。正しい保湿剤の選択と使い方、適切な洗顔・入浴方法、栄養バランスの取れた食事・十分な睡眠・ストレス管理といった生活習慣の整備が、春の乾燥肌対策の柱となります。

市販のケアで改善しない場合や、かゆみ・赤み・湿疹などの症状が強い場合は、ためらわずに皮膚科を受診してください。皮膚科では、個人の肌状態に合った外用薬の処方や具体的なスキンケア指導を受けることができます。

春の肌トラブルを放置すると慢性化することもあるため、早めの対処が肌の健康を守ることにつながります。アイシークリニック新宿院では、春の乾燥肌をはじめとした皮膚の悩みに丁寧に対応しています。専門家のサポートを受けながら、この春も健やかな肌を保ちましょう。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 乾燥肌(乾皮症)の定義・症状・バリア機能・外用薬(ヘパリン類似物質・ステロイド・タクロリムス等)による治療方針および保湿ケアの指導内容に関する根拠として参照
  • 厚生労働省 – 皮膚疾患に用いる外用薬(ステロイド外用薬・保湿剤等)の適正使用・安全性に関する公式情報、および生活習慣と皮膚健康に関わる健康づくり施策の根拠として参照
  • PubMed – 皮膚バリア機能(TEWL・セラミド・天然保湿因子)の低下メカニズム、花粉皮膚炎の病態、保湿剤成分(ヒューメクタント・エモリエント・オクルーシブ)の有効性、およびデュピルマブ等の生物学的製剤に関する国際的な臨床研究・エビデンスの根拠として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

プロフィールを見る

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

プロフィールを見る

電話予約
0120-780-194
1分で入力完了
簡単Web予約
運営:医療法人社団鉄結会