
「最近、肌の調子が悪い…」と感じたとき、スキンケアを見直す前に、もう一つ確認してほしいことがあります。それは、あなたの「ストレス状態」です。現代社会では、仕事や人間関係、生活習慣の乱れなど、さまざまなストレス要因が私たちの生活を取り巻いています。そして、このストレスは目に見えない形で肌に影響を与えていることが、多くの研究によって明らかになっています。ニキビ、乾燥、湿疹、赤み——こうした肌トラブルが続く場合、ストレスが根本的な原因になっているケースは少なくありません。この記事では、ストレスと肌荒れの関係を医学的な観点から丁寧に解説し、皮膚科での治療法や日常生活でできるケアについてわかりやすくご紹介します。
目次
- ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズム
- ストレス性の肌荒れに見られる主な症状
- ストレスと肌の関係を悪化させる生活習慣
- 皮膚科ではどのような診断・治療が行われるか
- ストレス性肌荒れに対する日常ケアのポイント
- 生活習慣の改善でストレスと肌荒れを根本から対処する方法
- どのタイミングで皮膚科を受診すべきか
- まとめ
この記事のポイント
ストレスはコルチゾール過剰分泌・自律神経の乱れ・免疫低下を通じてニキビや乾燥・湿疹などの肌荒れを引き起こす。改善には皮膚科での適切な治療に加え、睡眠・食事・運動・ストレス管理といった生活習慣の見直しが根本的な対策として重要となる。
🎯 1. ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズム
「ストレスが肌に悪い」という話はよく耳にしますが、実際にどのようなしくみで肌トラブルが起きるのか、理解している方は多くないかもしれません。ストレスが肌荒れを引き起こす過程には、ホルモン・神経・免疫という三つの大きな経路が関わっています。
🦠 コルチゾールの過剰分泌
人間がストレスを受けると、脳の視床下部から信号が発信され、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。コルチゾールは本来「ストレスホルモン」とも呼ばれ、体がストレスに対処するための重要な物質です。しかし、慢性的なストレスによってコルチゾールが過剰に分泌され続けると、肌にさまざまな悪影響をもたらします。
具体的には、コルチゾールは皮脂腺を刺激して皮脂の過剰分泌を促します。これがニキビや毛穴の詰まりを引き起こす原因の一つです。また、コルチゾールはヒアルロン酸やコラーゲンの生成を抑制するため、肌の保湿力や弾力が低下し、乾燥や小じわの原因にもなります。さらに、皮膚の細胞修復機能が低下することで、肌のターンオーバーが乱れ、くすみや肌荒れが慢性化しやすくなります。
👴 自律神経の乱れと血行不良
ストレスは自律神経のバランスにも大きな影響を与えます。自律神経は交感神経と副交感神経から構成されており、日中は交感神経が優位になり、夜間は副交感神経が優位になることで、体の機能が正常に保たれています。ところが、ストレスが続くと交感神経が過度に優位な状態が続き、血管が収縮して血行が悪くなります。
血行が悪くなると、肌の細胞に酸素や栄養素が十分に届かなくなります。その結果、肌の代謝が低下し、くすみ・乾燥・ターンオーバーの乱れが生じます。また、老廃物が排出されにくくなることで、肌に毒素が蓄積しやすくなり、ニキビや吹き出物の悪化にもつながります。
🔸 免疫機能の低下とバリア機能の破綻
皮膚には外部からの刺激・細菌・アレルゲンなどを遮断するバリア機能が備わっています。このバリア機能を担っているのが、表皮の一番外側にある角質層と、そこに存在するセラミドや天然保湿因子などの成分です。ストレスによって免疫機能が低下すると、このバリア機能が弱まり、外部からの刺激に対して過剰に反応しやすくなります。
結果として、わずかな刺激でも肌が赤くなったり、かゆみや湿疹が現れたりするようになります。アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎を持つ方の場合、ストレスによって症状が著しく悪化するケースも多く見られます。免疫と皮膚の関係を示す「神経・免疫・皮膚軸(Neuro-immuno-cutaneous axis)」という概念は、近年の皮膚科学においても注目されている分野です。
Q. ストレスが肌荒れを引き起こすメカニズムは?
ストレスを受けると副腎からコルチゾールが過剰分泌され、皮脂増加・ヒアルロン酸やコラーゲンの産生抑制・ターンオーバーの乱れが生じます。さらに自律神経の乱れによる血行不良と免疫低下が重なり、ニキビ・乾燥・湿疹などの肌トラブルが複合的に引き起こされます。
📋 2. ストレス性の肌荒れに見られる主な症状
ストレスが原因となる肌荒れはさまざまな形で現れます。ここでは代表的な症状とその特徴について解説します。
💧 ニキビ・吹き出物
ストレス性の肌荒れとして最も多く見られるのがニキビです。先述のとおり、ストレスによって男性ホルモンの一種であるアンドロゲンやコルチゾールが過剰に分泌されると、皮脂腺が刺激され皮脂分泌量が増加します。過剰な皮脂は毛穴を詰まらせ、アクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖しやすい環境を作り出します。
特に大人のニキビ(成人ニキビ)はストレスとの関連が深く、思春期ニキビとは異なりあごやフェイスライン、口周りに集中して出やすいのが特徴です。また、繰り返しできる・なかなか治らないというケースでは、ストレス管理が改善の鍵を握っていることがあります。
✨ 乾燥・肌荒れ
ストレスによってコルチゾールが増加すると、肌のセラミドやヒアルロン酸の産生が抑制され、バリア機能が低下します。その結果、肌の水分が蒸散しやすくなり、乾燥が進みます。乾燥した肌は外部刺激に弱く、かゆみ・赤み・ざらつきが生じやすくなります。
特にもともと乾燥肌の方や敏感肌の方は、ストレスによるバリア機能の低下が顕著に現れやすい傾向にあります。「季節の変わり目でもないのに急に乾燥が悪化した」「いつも使っているスキンケアが急に肌に合わなくなった」という場合も、ストレスが一因となっている可能性があります。
📌 湿疹・かゆみ
ストレスは免疫細胞の過剰反応を引き起こし、肌に炎症を起こしやすくします。その結果として現れるのが湿疹やかゆみです。ストレス性の湿疹は体のさまざまな部位に出現することがあり、かゆみが強いため、搔き傷から悪化するケースも見られます。
また、ストレスは既存の皮膚疾患——アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・乾癬——の悪化とも関連していることが知られています。これらの疾患を持つ方が強いストレスを受けた後に症状がぶり返すのは、このメカニズムによるものです。
▶️ くすみ・血色の悪化
ストレスによる血行不良や睡眠不足は、肌の血色を悪くし、くすみの原因となります。また、肌のターンオーバーが乱れることで古い角質が蓄積し、透明感のない肌に見えることがあります。メイクをしても隠しきれない「くすみ感」が続く場合、ストレスによる内側からの影響を疑ってみることも大切です。
🔹 円形脱毛症・頭皮トラブル
肌荒れとは少し異なりますが、強いストレスが引き金となる皮膚科的症状として円形脱毛症があります。免疫系の異常によって自分の毛根を攻撃してしまうことで発症し、突然円形に毛が抜けるのが特徴です。また、ストレスによって頭皮の皮脂分泌が乱れ、フケ・かゆみ・脂漏性皮膚炎が起きることもあります。
Q. ストレス性の大人ニキビはどんな特徴がある?
ストレス性の大人ニキビは、思春期ニキビとは異なりあご・フェイスライン・口周りに集中して現れやすいのが特徴です。コルチゾールやアンドロゲンの過剰分泌で皮脂が増加しアクネ菌が繁殖します。繰り返し発生してなかなか治らない場合は、ストレス管理を含めた対処が必要です。
💊 3. ストレスと肌の関係を悪化させる生活習慣
ストレス自体が肌に悪影響を与えるだけでなく、ストレスによって引き起こされる生活習慣の乱れも肌荒れを悪化させます。どのような生活習慣が肌に悪影響を与えるのかを知ることで、対策を立てやすくなります。
📍 睡眠不足・睡眠の質の低下
ストレスを抱えていると眠れない・眠りが浅いという状況に陥りやすくなります。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、肌細胞の修復やターンオーバーが行われます。睡眠が不足するとこの修復サイクルが十分に機能せず、肌荒れが改善されにくくなります。また、睡眠不足は免疫機能の低下にもつながり、皮膚の炎症反応が起きやすくなります。
💫 食生活の乱れ・栄養不足
ストレスを感じているときは、甘いものや脂質の多いものを食べたくなる傾向があります。また、忙しさや精神的な余裕のなさから、食事が不規則になったり欠食したりするケースも増えます。糖質・脂質の過剰摂取は皮脂分泌を促進してニキビを悪化させ、ビタミン・ミネラル不足は肌の修復に必要な栄養素の欠乏を招きます。
特に肌の健康に重要なのは、ビタミンA・C・E・B群、亜鉛、オメガ3脂肪酸などです。これらが不足すると、肌の再生・抗酸化・炎症抑制の機能が低下します。
🦠 過度な飲酒・喫煙
ストレス解消として飲酒や喫煙をする方もいますが、これらはいずれも肌に悪影響を及ぼします。アルコールは体内の水分を奪い乾燥を促進するとともに、血管を拡張させて赤みや毛細血管の浮き出しを引き起こします。喫煙はニコチンによる血管収縮で血行を悪化させ、ビタミンCを大量に消費するため肌の修復が遅れます。コラーゲン産生も阻害されるため、肌のハリや弾力の低下にも直結します。
👴 過剰なスキンケアや間違ったケア
肌荒れが気になるあまり、過剰なケアを行ってしまう方も少なくありません。何種類もの化粧品を重ね使いしたり、刺激の強いピーリングを頻繁に行ったりすることは、すでにバリア機能が低下している肌にとってさらなるダメージとなります。「たくさんケアすれば良くなる」という思い込みが逆効果になるケースは意外と多く、シンプルで適切なスキンケアに切り替えることが重要です。
🏥 4. 皮膚科ではどのような診断・治療が行われるか
ストレスによる肌荒れが続く場合、自己流のケアだけでは改善が難しいことがあります。皮膚科を受診することで、適切な診断と治療を受けることができます。
🔸 問診と視診による診断
皮膚科での診察はまず問診から始まります。いつから症状が出ているか、どのような生活環境か、使用しているスキンケア製品、既往歴やアレルギーの有無などを確認します。ストレスとの関連が疑われる場合は、生活習慣やメンタル面についても確認することがあります。視診では肌の状態を直接確認し、ニキビ・湿疹・乾燥・炎症の程度などを評価します。必要に応じてダーモスコピー(皮膚鏡)を用いた詳細な観察が行われることもあります。
💧 ニキビに対する治療
ストレス性のニキビに対しては、炎症の程度や状態に合わせた治療が行われます。軽度のものには外用抗菌薬(クリンダマイシン、ナジフロキサシンなど)や、アダパレン・過酸化ベンゾイルなどのレチノイド系外用薬が処方されます。中等度以上の場合は、内服抗菌薬(ミノサイクリン、ドキシサイクリンなど)が追加されることもあります。
また、ニキビの原因として皮脂コントロールが必要な場合は、漢方薬が処方されることもあります。女性の場合、ホルモンバランスの乱れが関与している場合には、ピルの処方が検討されることもあります。ケア製品についても、刺激の少ないノンコメドジェニック処方のものを紹介してもらえる場合があります。
✨ 乾燥・湿疹・バリア機能低下に対する治療
バリア機能の低下による乾燥や湿疹に対しては、保湿剤(ヘパリン類似物質、ワセリン、セラミド含有クリームなど)の使用が基本となります。炎症が強い場合は、ステロイド外用薬が短期間使用されることがあります。ステロイドを長期間使用したくない場合やステロイドが使いにくい部位には、タクロリムス(プロトピック)などのカルシニューリン阻害薬が使われることもあります。
アトピー性皮膚炎の場合は、状態に応じてデュピルマブ(デュピクセント)などの生物学的製剤が適応となるケースもあります。いずれの治療においても、保湿によるバリア機能の回復が基本であり、継続的なスキンケア指導も皮膚科受診の大きなメリットです。
📌 蕁麻疹・アレルギー反応への対応
ストレス関連の蕁麻疹や過敏反応には、抗ヒスタミン薬の内服が第一選択となります。慢性的に蕁麻疹が続く場合は、アレルゲン検索のための血液検査が行われることもあります。また、食物・花粉・ハウスダストなどのアレルゲンとストレスが複合的に関与している場合は、アレルギー専門的な治療が並行して行われます。
▶️ 美容皮膚科的アプローチ
ストレスによって蓄積したくすみ・色素沈着・毛穴の開き・ニキビ跡などに対して、美容皮膚科的な治療を選択することもできます。ケミカルピーリングやフォトフェイシャル(IPL)、レーザートーニングなどは、肌の再生を促し見た目の改善に効果的です。ただし、肌が炎症を起こしている状態では施術できない場合が多いため、まず炎症を抑える治療を優先することが重要です。担当医と相談しながら適切なタイミングで美容的処置を取り入れましょう。
Q. 皮膚科ではストレス性肌荒れにどんな治療をする?
皮膚科では症状に応じて、ニキビには外用抗菌薬やアダパレンなどのレチノイド系外用薬、乾燥・湿疹にはセラミド含有保湿剤やステロイド外用薬が処方されます。薬の処方だけでなく、肌状態に合ったスキンケア指導や生活習慣のアドバイスも受けることができます。
⚠️ 5. ストレス性肌荒れに対する日常ケアのポイント
皮膚科での治療と並行して、日常的なスキンケアの見直しも肌荒れ改善に欠かせません。ストレス性肌荒れに対して効果的なケアのポイントをご紹介します。
🔹 洗顔はやさしく丁寧に
肌が荒れているときほど「しっかり洗わなければ」と思いがちですが、過度な洗顔は皮脂を取りすぎてバリア機能をさらに低下させます。洗顔は朝晩2回を基本とし、ぬるま湯で泡立てた洗顔料を使ってやさしく洗い流すことが大切です。こすり洗いや摩擦は炎症を悪化させるため避けましょう。また、洗顔後はすぐに保湿ケアを行い、水分の蒸散を防ぐことが重要です。
📍 保湿を徹底する
バリア機能が低下しているときは、こまめな保湿が最も基本的かつ効果的なケアです。セラミド・ヒアルロン酸・グリセリンなどの保湿成分を含む化粧水や乳液、クリームを使い、肌をしっかり潤わせましょう。ただし、ニキビが出ているときはオイルフリーまたはノンコメドジェニック処方の製品を選ぶことが大切です。保湿剤を選ぶ際に迷う場合は、皮膚科医に相談するのが確実です。
💫 紫外線対策を忘れない
バリア機能が低下しているときは紫外線ダメージも受けやすくなります。UVAは肌の深部(真皮層)まで到達してコラーゲンを破壊し、UVBは肌の表面に炎症を引き起こします。日常的な紫外線対策として、SPF・PAの表示がある日焼け止めを使い、肌への負担が少ないものを選びましょう。敏感肌向けのノンケミカル(紫外線散乱剤のみ使用)タイプは刺激が少なくおすすめです。
🦠 スキンケアの製品数を絞る
肌荒れ中は多くの成分が入った製品を重ねることで、刺激を受けやすくなります。スキンケアはシンプルに「洗顔・保湿・日焼け止め」の基本三段階に絞り、肌が回復してきたら少しずつ製品を追加していく方法が安全です。アルコール(エタノール)・香料・着色料・防腐剤などの刺激成分が含まれる製品は避けたほうが無難です。
🔍 6. 生活習慣の改善でストレスと肌荒れを根本から対処する方法
肌荒れの根本原因がストレスにある場合、スキンケアだけでは限界があります。生活習慣を見直すことで、ストレスそのものを軽減し、肌への悪影響を和らげることができます。
👴 睡眠の質を高める

肌の修復は主に睡眠中に行われます。特に成長ホルモンの分泌が盛んになる「深い睡眠(ノンレム睡眠)」の質を高めることが肌再生のカギです。就寝1〜2時間前にスマートフォンやパソコンのブルーライトを避け、入浴で体を温めて就寝するとスムーズに入眠しやすくなります。睡眠時間の目標は成人で7〜8時間とされており、できる限りこの目標に近づけることが理想的です。
🔸 食事でインナーケアを行う
肌の材料となる栄養素を意識的に摂取することが重要です。特にビタミンCはコラーゲン合成を助け、抗酸化作用で肌を保護します。ビタミンAは肌のターンオーバーを正常化し、亜鉛は皮脂分泌の調整やニキビ治癒に役立ちます。また、腸内環境が肌に与える影響(腸—肌軸:Gut-Skin Axis)も近年注目されており、食物繊維・発酵食品・プロバイオティクスを積極的に摂ることで肌荒れ改善に貢献できる可能性があります。
一方で、高GI食品(白米・白パン・砂糖・菓子類)の過剰摂取はインスリンの急激な分泌を促し、皮脂分泌を増加させてニキビを悪化させることが研究で示されています。食事の内容を見直すことは、内側からの肌ケアとして非常に効果的です。
💧 適度な運動を取り入れる
運動には、ストレスホルモンであるコルチゾールを低下させ、幸福感をもたらすエンドルフィン・セロトニンを増加させる効果があります。また、血行を促進することで肌への酸素・栄養素の供給が改善され、代謝が上がることでターンオーバーが正常化しやすくなります。激しい運動でなくても、30分程度のウォーキングやストレッチ・ヨガなど、自分が続けやすい運動を日常に取り入れることから始めましょう。ただし、運動後は汗によるニキビを防ぐために、速やかに洗顔・保湿を行うことが大切です。
✨ ストレス発散・リラクゼーションの習慣化
ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に発散・管理することは可能です。深呼吸・マインドフルネス瞑想・趣味の時間・友人との会話など、自分なりのリラクゼーション法を見つけることが大切です。特に深呼吸や腹式呼吸は副交感神経を刺激し、自律神経のバランスを整える効果があります。1日5〜10分程度でも継続することで、ストレス耐性が高まることが報告されています。
📌 水分補給を意識する
体内の水分が不足すると、肌の保湿機能が低下し乾燥が進みます。特に冷暖房が効いた室内や運動後には、こまめな水分補給が重要です。1日に目安として1.5〜2リットルの水を摂ることが推奨されていますが、コーヒーや紅茶などカフェイン入りの飲み物は利尿作用があるため、水や麦茶・ハーブティーなどを中心にするとよいでしょう。
Q. ストレス性肌荒れを改善する生活習慣は?
ストレス性肌荒れの改善には、成長ホルモン分泌を促す質の良い睡眠(7〜8時間)、ビタミンC・A・亜鉛を意識した食事、血行促進のための適度な運動が効果的です。また深呼吸やマインドフルネスで自律神経を整えることも、コルチゾールを低下させて肌の回復を助けます。
📝 7. どのタイミングで皮膚科を受診すべきか
「市販のスキンケア製品で様子を見ようか、それとも皮膚科に行くべきか」と迷う方も多いでしょう。以下の状況に当てはまる場合は、自己ケアだけに頼らず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
▶️ 2〜3週間以上症状が続いている
市販の薬やスキンケアを続けても2〜3週間以上改善しない場合は、原因の特定と適切な治療が必要です。肌荒れが長期化するほど肌へのダメージが蓄積するため、早めの受診が肌の回復を早める近道になります。
🔹 症状が広範囲・重症化している
ニキビが顔全体や背中など広い範囲に広がっている場合、あるいは湿疹・かゆみが体の広範囲に出ている場合は、皮膚科での診断が必要です。また、炎症が強く赤み・腫れ・膿が出ている場合も、感染症や重篤な皮膚疾患の可能性があるため受診をためらわないようにしましょう。
📍 アトピー性皮膚炎や他の皮膚疾患が悪化している
既存の皮膚疾患がストレスによって悪化している場合は、自己判断で対処するのは危険です。使用薬剤の変更や追加が必要なことがあり、専門医の指示のもとで治療を進めることが重要です。特にステロイドを使用している方が自己判断で中止すると、リバウンド現象が起きることがありますので注意が必要です。
💫 精神的なつらさも伴っている場合
肌荒れの原因がストレスだとわかっていても、そのストレス自体がコントロールできない状態にある場合は、皮膚科だけでなくメンタルクリニックや心療内科への相談も視野に入れましょう。肌と心は密接につながっており、精神的な安定が肌の改善につながることも少なくありません。皮膚科医が状況を判断して、必要に応じて他科への紹介状を書いてくれる場合もあります。
🦠 スキンケアで何を使えばいいかわからない場合
市販のスキンケア製品は種類が多く、自分の肌状態に合ったものを選ぶのは難しいものです。皮膚科を受診することで、肌の状態に応じた適切なスキンケア製品の選び方や使い方をアドバイスしてもらうことができます。自分に合ったケアルーティンを確立することが、長期的な肌改善の基礎となります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、長引く肌荒れを訴えて受診される患者様の多くに、ストレスや生活習慣の乱れが深く関与していると感じています。ニキビや湿疹・乾燥といった症状は、スキンケアだけで対処しようとしても改善しないケースが少なくなく、ホルモンバランスや自律神経・免疫系といった体の内側からのアプローチが重要です。「たかが肌荒れ」と一人で抱え込まず、症状が続くようであればお気軽にご相談ください。肌の状態を整えることが、心身全体の健康回復につながる第一歩になると考えています。」
💡 よくある質問
ストレスを受けると「コルチゾール」というホルモンが過剰分泌され、皮脂分泌の増加やバリア機能の低下を引き起こします。また、自律神経の乱れによる血行不良や免疫機能の低下も重なり、ニキビ・乾燥・湿疹・くすみなど様々な肌トラブルが複合的に生じます。
ストレス性の大人ニキビは、思春期ニキビと異なりあご・フェイスライン・口周りに集中して出やすい特徴があります。また、繰り返しできる・なかなか治らないケースが多く、スキンケアだけでは改善しにくいため、ストレス管理と合わせた対処が重要です。
市販のスキンケアや薬を使っても2〜3週間以上改善しない場合は、早めの受診をおすすめします。また、症状が広範囲に及ぶ・炎症が強い・アトピーなど既存の皮膚疾患が悪化しているといった場合も、自己判断での対処は避け、専門医に相談しましょう。
症状に応じて、ニキビには外用・内服の抗菌薬やレチノイド系外用薬、乾燥・湿疹にはセラミド含有保湿剤やステロイド外用薬などが処方されます。当院では薬の処方だけでなく、肌状態に合ったスキンケア指導や生活習慣のアドバイスも行っています。
睡眠の質を高める・ビタミンや亜鉛を意識した食事をとる・適度な運動を取り入れるなどが効果的です。スキンケアは「洗顔・保湿・日焼け止め」のシンプルな3ステップを基本とし、刺激の少ない製品を選びましょう。深呼吸や瞑想などでストレス自体を管理することも肌改善につながります。
✨ まとめ
ストレスと肌荒れは、ホルモン・自律神経・免疫系を介して深くつながっています。コルチゾールの過剰分泌による皮脂増加やバリア機能低下、血行不良による栄養不足、免疫の乱れによる炎症——これらが複合的に作用することで、ニキビ・乾燥・湿疹・くすみなどさまざまな肌トラブルが引き起こされます。
市販のスキンケアだけでは改善しない肌荒れには、皮膚科での正確な診断と適切な治療が重要です。皮膚科では症状に合わせた外用薬・内服薬の処方だけでなく、スキンケア指導や生活習慣のアドバイスも受けることができます。また、スキンケアの改善と並行して、睡眠・食事・運動・ストレス管理といった生活習慣を整えることが、肌荒れを根本から解決するために欠かせません。
「たかが肌荒れ」と思って放置してしまう方も多いですが、肌の状態は体と心の健康のバロメーターでもあります。ストレスによる肌荒れに悩んでいる方は、一人で抱え込まず、皮膚科の専門医に相談することを検討してみてください。適切なサポートを受けることで、肌だけでなく、心身の健康も取り戻す一歩につながるはずです。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ニキビ(尋常性痤瘡)・アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・乾癬などのストレス関連皮膚疾患の診断基準および治療ガイドライン
- 厚生労働省 – 生活習慣病予防における睡眠・食事・運動・ストレス管理の指針および国民の健康づくりに関する公式情報
- PubMed – ストレスとコルチゾール分泌・皮膚バリア機能低下・神経免疫皮膚軸(Neuro-immuno-cutaneous axis)・腸皮膚軸(Gut-Skin Axis)に関する国際的な査読済み研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
