はじめに:多汗症という疾患を正しく理解する
暑くもないのに脇から汗が滴り落ちる、電車で吊革を握るのが怖い、シャツの汗ジミが気になって着たい服を選べない——このような悩みを抱えていませんか。これらの症状は、単なる「汗っかき」ではなく、「多汗症」という医学的に認められた疾患である可能性があります。
日本人の約10人に1人が多汗症の症状を持っているとされており、そのうち約60%が腋窩(脇の下)に症状が現れる原発性腋窩多汗症であるという調査結果が報告されています。にもかかわらず、医療機関を受診する割合はわずか4.4%にとどまっているのが現状です。多くの方が「体質だから仕方ない」と諦めてしまったり、恥ずかしさから誰にも相談できずにいるのです。
本記事では、新宿エリアで多汗症治療をお考えの方に向けて、多汗症のメカニズムから最新の治療法である「ミラドライ」について詳しく解説いたします。正しい知識を持つことで、あなたの悩みを解決する第一歩を踏み出していただければ幸いです。

多汗症とは?|発汗のメカニズムと原因
汗腺の種類と役割
私たちの体には汗を分泌する「汗腺」という器官が存在します。汗腺には主に2種類あり、それぞれ異なる役割を担っています。
1つ目は「エクリン汗腺」です。エクリン汗腺は全身の皮膚に広く分布しており、特に手のひら、足の裏、脇の下、額などに密集しています。この汗腺から分泌される汗は99%以上が水分で構成されており、体温調節という重要な役割を果たしています。暑いときや運動したときに汗をかくのは、このエクリン汗腺の働きによるものです。
2つ目は「アポクリン汗腺」です。アポクリン汗腺は脇の下、乳輪周辺、外陰部などの限られた部位に存在します。この汗腺から分泌される汗にはタンパク質や脂質、アンモニアなどが含まれており、皮膚表面の常在菌によって分解されることで特有の臭いを発生させます。いわゆる「ワキガ」の原因となるのは、このアポクリン汗腺です。
多汗症は主にエクリン汗腺の機能が過剰に亢進することで発症します。体温調節に必要な量をはるかに超えた発汗が起こり、日常生活に支障をきたすほどの汗が出てしまうのです。
多汗症の分類
多汗症は発症部位と原因によって以下のように分類されます。
発症部位による分類としては、全身に汗をかく「全身性多汗症」と、体の一部のみに汗をかく「局所性多汗症」があります。局所性多汗症は、脇の下に症状が現れる腋窩多汗症、手のひらに症状が現れる手掌多汗症、足の裏に症状が現れる足蹠多汗症、頭部や顔面に症状が現れる頭部顔面多汗症などに細分化されます。
原因による分類としては、明らかな原因がなく発症する「原発性多汗症」と、他の疾患や薬剤が原因で発症する「続発性多汗症」があります。甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害、特定の薬剤の副作用などが続発性多汗症の原因として挙げられます。
日本皮膚科学会の診療ガイドラインによると、原発性局所多汗症の診断基準は以下のように定められています。明らかな原因がないまま局所的に過剰な発汗が6か月以上認められ、以下の6項目のうち2項目以上に該当する場合に多汗症と診断されます。
- 最初に症状が出るのが25歳以下であること
- 左右両方で同じように発汗がみられること(対称性)
- 睡眠中は発汗が止まっていること
- 週に1回以上多汗のエピソードがあること
- 家族歴があること
- それらによって日常生活に支障をきたしていること
参考:日本皮膚科学会 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版
多汗症の有病率と社会的影響
厚生労働省の研究班による調査によると、日本における原発性多汗症の有病率は手の多汗症で約5.3%、足の多汗症で約2.7%、脇の多汗症で約5.7%と報告されています。「常に耐え難い苦痛を感じる」という重症者は約0.64%(約80万人)、手術以外の治療法では効果がない難治性の患者は約4.5万人と推定されています。
原発性腋窩多汗症の有病率は年代別にみると20代から30代で特に高く、社会生活が活発な世代に多いことが特徴です。また、男女比では女性が男性の約1.7倍高いという調査結果もあります。
多汗症は身体的な症状だけでなく、精神面にも大きな影響を及ぼします。調査によると、多汗症患者の約8割が「洋服を購入する際に汗が目立たない服を選んでしまう」、約7割が「異性と接するときに気になる」、約6割が「吊革につかまるのをためらう」と回答しています。さらに、15人に1人が「疾患が原因で、希望の職種・職業を断念した経験がある」と回答しており、職業選択にまで影響を及ぼしている深刻な実態が明らかになっています。
多汗症患者は不安障害やうつ病の有病率が高いことも報告されており、多汗症の重症度が高いほどこれらの精神疾患の有病率も高くなる傾向があります。多汗症は単なる「汗の問題」ではなく、QOL(生活の質)を著しく低下させる疾患として認識されるべきなのです。
多汗症の従来の治療法
多汗症の治療法は複数存在し、症状の重症度や発症部位、患者さまのライフスタイルに合わせて選択されます。代表的な治療法について解説します。
外用療法(塗り薬)
塩化アルミニウム外用
塩化アルミニウム液は、汗腺の管(汗管)を塞ぐことで発汗を抑制する外用薬です。日本皮膚科学会の診療ガイドラインにおいて、すべての部位の多汗症に対する第一選択治療として推奨されています。
使用方法は、就寝前に患部に塗布し、翌朝洗い流すというものが一般的です。自宅で手軽に行える治療法であり、脇、手足、頭や顔など、多汗の部位を問わず使用できる点がメリットです。
ただし、塩化アルミニウムは現在、保険適用のある外用薬が国内で販売されておらず、院内製剤として自費で処方されることがほとんどです。また、刺激性があるため、一部の患者さまにかぶれ(接触皮膚炎)が生じることがあります。
外用抗コリン薬(エクロックゲル、ラピフォートワイプなど)
2020年以降、原発性腋窩多汗症に対する保険適用の外用薬として、エクロックゲルやラピフォートワイプなどの外用抗コリン薬が登場しました。これらの薬剤は、汗腺のムスカリン受容体に作用してアセチルコリンの結合を阻害し、発汗を抑制します。
臨床試験では、エクロックゲルを単剤で使用した場合、約80%の患者さまで「発汗が抑えられた」という結果が得られ、約60%の患者さまが「日常生活に支障がなくなる程度まで改善した」と報告されています。
1日1回脇に塗布するだけという簡便さと、保険適用である点が大きなメリットです。12歳以上から使用可能で、小児の患者さまにも対応できます。
ボトックス注射(ボツリヌス毒素製剤注射)
ボトックス注射は、ボツリヌス毒素製剤を患部に直接注射することで、交感神経から汗腺への刺激伝達をブロックし、発汗を抑制する治療法です。
重度の原発性腋窩多汗症に対しては保険適用が認められており、外用療法で効果が不十分な場合の次のステップとして推奨されています。1回の注射で4か月から9か月程度効果が持続しますが、永続的な効果ではないため、定期的な治療が必要となります。
注射時に痛みを伴うこと、効果の持続期間に限りがあること、繰り返しの治療が必要となることがデメリットとして挙げられます。
イオントフォレーシス
イオントフォレーシスは、水道水の入った容器に手のひらや足の裏を浸し、微弱な電流を流す治療法です。汗腺に電気的な刺激を与えることで発汗を抑制すると考えられています。
塩化アルミニウム外用と並んで第一選択治療とされており、軽症から中等症の手掌多汗症や足蹠多汗症に有効とされています。保険適用の治療法ですが、継続的に通院して治療を受ける必要があるため、時間的な負担がかかります。
内服療法
抗コリン薬のプロバンサインは、「多汗症」に対して保険適用を持つ内服薬です。エクリン汗腺を刺激する神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑えることで、発汗を抑制します。
ただし、口渇、便秘、眼の調節障害、排尿障害などの副作用が生じる可能性があり、全身的な作用があるため長期使用には注意が必要です。外用薬や注射などの治療で効果がみられなかった場合に検討されることが多い治療法です。
外科的治療(ETS手術)
ETS手術(胸腔鏡下胸部交感神経節切除術)は、交感神経を手術で遮断することで発汗を抑制する治療法です。手掌多汗症に対して高い効果が期待できますが、代償性発汗(治療部位以外の場所からの発汗が増加する現象)が高い確率で生じるという重大な副作用があります。
また、一度手術を行うと元に戻すことができないため、手術を受けるかどうかは慎重に検討する必要があります。
ミラドライとは?|切らない多汗症・ワキガ治療
ミラドライの概要
ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を破壊する、切らない多汗症・ワキガ治療機器です。2018年6月に厚生労働省から「重度の原発性腋窩多汗症を治療することを目的とした医療機器」として製造販売承認を取得しており、わき汗治療機器として日本の厚生労働省の承認を受けた唯一の治療機器です。
また、開発国であるアメリカのFDA(食品医薬品局)からも腋窩多汗症、腋臭症、減毛の適応で承認を取得しており、日米両国の厳しい審査基準をクリアした安全性の高い治療法として認められています。
ミラドライは2009年頃からアメリカで開始され、現在では世界40か国以上で累計20万症例以上の治療実績があります。日本国内でも2010年の導入以来、多くの医療機関で採用されています。
ミラドライの作用メカニズム
ミラドライは5.8GHzのマイクロ波を照射することで、汗腺を熱エネルギーによって破壊します。マイクロ波は電子レンジにも使用されている電磁波の一種で、水分子に選択的に吸収されて熱を発生する性質があります。
汗腺は水分を多く含んでいるため、マイクロ波のエネルギーを効率的に吸収します。ミラドライのマイクロ波は、表皮・真皮を通過した後、皮下脂肪層で抵抗を受けて反射する設計になっています。このため、エネルギーは汗腺が集中している真皮深層から皮下組織浅層に集中し、汗腺を効果的に破壊することができます。
さらに、ミラドライには「ハイドロセラミック・クーリング」という冷却システムが搭載されています。この機能により、表皮から真皮にかけての浅い層は照射と同時に冷却され、熱から保護されます。これによって火傷や合併症、色素沈着のリスクが抑えられ、安全に治療を行うことができます。
ミラドライで破壊される汗腺
ミラドライは、多汗症の原因となるエクリン汗腺と、ワキガの原因となるアポクリン汗腺の両方を同時に破壊することができます。
エクリン汗腺は真皮の比較的浅い層に存在し、大量の発汗を引き起こす原因となります。アポクリン汗腺は真皮のより深い層に存在し、タンパク質や脂質を含む汗を分泌します。この汗が皮膚表面の常在菌によって分解されることで、ワキガ特有の臭いが発生します。
ミラドライはマイクロ波のエネルギーを真皮深層から皮下組織浅層に集中させることで、両方の汗腺が存在する層をカバーし、汗と臭いの両方を効果的に軽減することができます。
ミラドライの治療効果
ミラドライによる治療では、1回の施術で約70%から80%の汗腺が破壊されます。施術直後は、破壊されなかった汗腺もダメージを受けて一時的に機能が停止するため、汗や臭いがほとんどなくなったように感じることがあります。
施術から数か月が経過すると、ダメージを受けただけで破壊されなかった汗腺が回復し、活動を再開します。このため、施術直後と比べると汗や臭いが少し戻ったように感じることがありますが、これは「再発」ではありません。ミラドライによって破壊された汗腺は再生しないため、最終的には施術前と比べて70%から80%程度の症状改善が持続します。
治療効果が安定するのは施術から約半年後とされています。この時点での状態が、ミラドライ治療の本来の効果となります。
ミラドライと他の治療法の比較
多汗症・ワキガの治療法にはさまざまな選択肢がありますが、それぞれにメリット・デメリットがあります。ミラドライと他の治療法を比較して、その特徴を整理します。
ミラドライとボトックス注射の比較
ボトックス注射は、1回の治療で4か月から9か月程度効果が持続しますが、永続的な効果ではありません。効果を維持するためには年に1回から2回の定期的な治療が必要となります。一方、ミラドライは汗腺を物理的に破壊するため、一度の治療で半永久的な効果が期待できます。
治療時間についても違いがあります。ボトックス注射は5分から10分程度で終了しますが、ミラドライは両脇で約60分程度かかります。ただし、長期的に見れば、ミラドライは繰り返しの治療が基本的に不要なため、トータルの通院回数や時間的負担は少なくなります。
費用面では、ボトックス注射は1回あたりの費用は比較的低額ですが、定期的な治療が必要なため、長期間で見ると累計費用が増加します。ミラドライは1回の費用は高額ですが、基本的に1回の治療で完了するため、長期的なコストパフォーマンスに優れています。
ミラドライと外科手術(剪除法)の比較
外科手術による腋臭症・多汗症治療(剪除法など)は、皮膚を切開して汗腺を直接取り除く方法です。高い効果が期待できる一方で、術後のダウンタイムが長く、傷跡が残るというデメリットがあります。術後は患部の圧迫固定が必要となり、数日から数週間は安静にする必要があります。
ミラドライは皮膚を切開しないため、傷跡が残りません。術後の圧迫固定も不要で、基本的に施術の翌日から日常生活に戻ることができます。仕事や学校を長期間休む必要がないため、社会生活への影響を最小限に抑えることができます。
ミラドライと塩化アルミニウム外用の比較
塩化アルミニウム外用は、自宅で手軽に行える治療法であり、費用も比較的低額です。しかし、効果を維持するためには継続的な使用が必要であり、かぶれなどの副作用が生じることもあります。
ミラドライは1回の治療で長期的な効果が得られるため、毎日のケアの手間から解放されます。外用薬でかぶれを起こしやすい方や、継続的なケアが難しい方にとっては、ミラドライが適した選択肢となる場合があります。
ミラドライの施術の流れ
新宿エリアでミラドライ治療を受ける場合の一般的な施術の流れをご説明します。
カウンセリング・診察
まず、医師による診察とカウンセリングが行われます。多汗症・ワキガの症状の程度、発症時期、日常生活への影響などを詳しく問診し、ミラドライ治療が適しているかどうかを判断します。
治療の効果や副作用、術後の経過などについて詳しい説明を受け、疑問点や不安な点があれば質問することができます。十分に納得した上で治療を受けることが大切です。
施術当日の準備
施術前には、治療部位である脇の剃毛をあらかじめ行っておく必要があります。また、施術前日から当日にかけては脇をきれいに洗浄し、デオドラントスプレーなどは使用せずに来院します。
マーキング
施術当日、まず治療範囲のマーキングを行います。脇の皮膚に専用のテンプレートを当て、汗腺が存在する範囲を特定して印をつけます。この作業は、適切な範囲に効果的に照射を行うために重要なステップです。
局所麻酔
マーキングした範囲に局所麻酔を注射します。麻酔の注射時にはチクッとした痛みを感じることがありますが、麻酔が効いてしまえば施術中に痛みを感じることはほとんどありません。
クリニックによっては、麻酔の痛みを軽減するために笑気麻酔を併用したり、麻酔薬の濃度や量を調整したりする工夫を行っているところもあります。
ミラドライの照射
麻酔が十分に効いたことを確認してから、ミラドライの照射を開始します。ハンドピースを皮膚に当て、マイクロ波を照射していきます。
照射時には、皮膚が約3秒間吸引・冷却された後、マイクロ波が照射されます。照射後は再び皮膚を冷却します。この手順を繰り返しながら、マーキングした範囲全体に照射を行います。
施術時間は片側約20分から30分、両脇で約60分程度が目安です。
施術後のケア
施術終了後は、治療部位を10分から20分程度冷却します。必要に応じて炎症止めの外用薬を塗布し、痛み止めの内服薬やアイスパックが処方されます。
施術後の注意事項(入浴、運動、飲酒などについて)の説明を受けてから帰宅となります。基本的に入院や通院の必要はなく、施術当日に帰宅することができます。
ミラドライのダウンタイムと術後経過
施術当日
施術中は麻酔が効いているため痛みを感じませんが、麻酔が切れ始める施術後数時間経過すると、ヒリヒリとした痛みや皮膚のつっぱり感を感じることがあります。痛みのピークは施術当日の夜から翌朝にかけてで、強い日焼けをしたときのような痛みと表現されることが多いです。
施術当日は、処方された痛み止めを服用し、アイスパックで患部をしっかり冷やすことが推奨されます。入浴は湯船に浸からずシャワーのみとし、患部を強くこすらないように注意します。飲酒や激しい運動は控えてください。
施術翌日から1週間
施術翌日には痛みのピークは過ぎ、ほとんどの方が日常生活に戻ることができます。ただし、腫れや内出血、赤みなどの症状は1週間程度続くことがあります。
施術翌日からは入浴も可能となりますが、長時間の入浴は血流が良くなり腫れや痛みを悪化させる可能性があるため、短時間で済ませることが推奨されます。激しい運動や重い荷物を持つ行為は、1週間から2週間程度控えることが望ましいとされています。
施術後2週間から1か月
施術後2週間程度で、痛みや腫れ、内出血などの症状はほぼ落ち着いてきます。皮膚を触ったときに硬さを感じたり、腕を伸ばしたときに軽い痛みを感じたりする程度になります。
個人差はありますが、しびれやしこり、むくみなどの軽い症状が1か月以上続くこともあります。これらの症状も時間の経過とともに徐々に改善していきます。
施術後1か月から半年
施術から1か月が経過すると、照射で破壊しきれなかった汗腺がダメージから回復し、活動を再開します。このため、施術直後と比べると汗や臭いが少し戻ったように感じることがあります。
これを「再発」と心配される方もいらっしゃいますが、破壊された汗腺が復活することはありません。1か月後の状態は正常な経過であり、最終的には施術前と比べて70%から80%程度の改善が維持されます。
治療効果が安定するのは施術から約半年後です。この時点で痛みや腫れ、治療痕などはほぼ気にならなくなっているでしょう。
ミラドライの副作用とリスク
ミラドライは厚生労働省およびFDAの承認を受けた安全性の高い治療法ですが、一時的な副作用が生じることがあります。
一般的な副作用
ミラドライ治療後にほとんどの方に生じる一時的な症状として、以下のものがあります。
腫れについては、施術後数日から数週間続くことがあります。脇に「しこり」のようなものを感じることがありますが、これは熱によって皮膚の内側が一時的に硬くなったもので、通常1か月から2か月程度で改善します。
痛みについては、施術当日から翌日にかけてピークとなり、その後徐々に軽減します。痛み止めの服用と冷却によって対処可能です。
内出血については、施術時の吸引によって生じることがあります。通常1週間から2週間程度で消失します。
赤みについては、施術後に皮膚が赤くなることがありますが、通常数日で改善します。
まれに生じる副作用
頻度は低いものの、以下のような症状が生じることがあります。
感覚の変化として、施術部位にしびれや知覚鈍麻を感じることがあります。通常は数週間から数か月で回復します。
腕の筋力低下として、一時的に腕の筋肉や指の力が低下することがまれにあります。数週間から数か月で改善することがほとんどです。
つっぱり感として、施術部位の皮膚につっぱり感や拘縮を感じることがあります。数か月で改善していきます。
重篤な副作用について
現在のところ、ミラドライの副作用として一生涯残るような重篤なものは報告されていません。一時的な副作用は個人差がありますが、適切なケアを行うことで軽減することができます。
副作用の程度は、施術を行う医師の技術や経験によっても左右されます。ミラドライ公式認定医による施術を受けることで、効果を高めながら副作用を最小限に抑えることが期待できます。
ミラドライによる副次的効果:脱毛効果
ミラドライには、多汗症・ワキガ治療以外に意外な副次的効果があります。それが脇毛の脱毛(減毛)効果です。
ミラドライのマイクロ波照射によって汗腺が熱破壊される際、近くにある毛根の発毛組織も同時にダメージを受けます。このため、1回の施術で脇毛全体の約60%程度に脱毛効果が得られるとされています。
ただし、脱毛を主目的とした治療ではないため、完全に脇毛がなくなるわけではありません。また、一時的に毛が薄くなっても、時間が経てば毛が復活するケースもあります。脱毛効果は副次的なものとして捉えていただくのが適切です。
ミラドライ治療を受ける際の注意点
施術を受けられない方
以下に該当する方は、ミラドライ治療を受けられない場合があります。
- ペースメーカーや植え込み型除細動器を使用している方
- 妊娠中または妊娠の可能性がある方
- 治療部位に感染症や皮膚疾患がある方
- 酸素補給が必要な方
- 局所麻酔薬に対するアレルギーがある方
その他、持病がある方や服用中の薬がある方は、事前にカウンセリング時にお申し出ください。
治療効果について
ミラドライは高い効果が期待できる治療法ですが、全ての方に同じ効果が得られるわけではありません。症状の程度や体質によって効果には個人差があります。
1回の施術で十分な効果を感じられる方がほとんどですが、症状が強い方や効果に満足できない方は、3か月以上の間隔を空けて2回目の施術を検討することもできます。
また、成長期の方の場合、施術後に体の成長とともに汗腺も成長する可能性があり、症状が再び生じるリスクがあります。医師とよく相談の上、適切な治療時期を検討してください。
新宿でミラドライ治療を受けるメリット
アクセスの良さ
新宿は複数の鉄道路線が乗り入れるターミナル駅であり、東京都内はもちろん、近隣県からのアクセスも非常に便利です。仕事帰りや学校帰りにも通いやすく、忙しい方でも無理なく治療を受けることができます。
専門性の高いクリニックが集まるエリア
新宿エリアには、多汗症・ワキガ治療を専門的に行うクリニックが多数あります。ミラドライ公式認定医が在籍するクリニックも多く、高い技術と豊富な経験に基づいた治療を受けることができます。
治療後の生活への配慮
ミラドライはダウンタイムが短い治療法ですが、施術後に多少の腫れや痛みが生じることがあります。新宿エリアであれば、施術後すぐに帰宅することができ、自宅でゆっくり休養を取ることができます。

まとめ:多汗症は治療できる疾患です
多汗症は「体質だから仕方ない」と諦める必要のない疾患です。適切な治療を受けることで、汗や臭いの悩みから解放され、QOL(生活の質)を大きく改善することができます。
ミラドライは、厚生労働省およびFDAの承認を受けた安全性の高い治療法であり、以下のような特徴があります。
- 皮膚を切らない非侵襲的な治療である
- 1回の施術で長期的な効果が期待できる
- 多汗症とワキガを同時に治療できる
- ダウンタイムが短く、翌日から日常生活に戻れる
- 傷跡が残らない
脇汗や臭いでお悩みの方は、まずは専門の医師にご相談されることをお勧めします。カウンセリングを通じて、ご自身の症状に最適な治療法を見つけていただければ幸いです。
参考文献
- 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」https://www.jstage.jst.go.jp/article/dermatol/133/13/133_3025/_article/-char/ja/
- 日本皮膚科学会「汗の病気―多汗症と無汗症」https://www.dermatol.or.jp/qa/qa32/q02.html
- 難病情報センター「原発性局所多汗症」https://www.nanbyou.or.jp/entry/726
- マルホ株式会社 医療関係者向けサイト「多汗症とは」https://www.maruho.co.jp/medical/articles/hyperhidrosis/symptom-1/index.html
- 兵庫医科大学病院「原発性腋窩多汗症」https://www.hosp.hyo-med.ac.jp/disease_guide/detail/112
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務