新宿で毛細血管拡張症を保険適用で治療|原因・症状・Vビームレーザー治療を詳しく解説

頬や鼻の周りに赤みが続いている、細い血管が透けて見える——このような症状でお悩みの方は、毛細血管拡張症かもしれません。毛細血管拡張症は、皮膚の浅い層にある毛細血管が拡張したまま元に戻らなくなることで起こる症状です。炎症を伴わないため塗り薬では改善せず、自然に治ることもありません。しかし、Vビームレーザーによる治療で症状の改善が期待でき、一定の条件を満たせば健康保険が適用されます。本記事では、毛細血管拡張症の原因や症状、保険適用となる条件、治療費用、治療の流れについて、新宿で治療をお考えの方に向けて詳しく解説します。


目次

  1. 毛細血管拡張症とは
  2. 毛細血管拡張症の主な原因
  3. 毛細血管拡張症の症状と分類
  4. 毛細血管拡張症と間違えやすい疾患(酒さ・赤ら顔との違い)
  5. 毛細血管拡張症の治療法
  6. Vビームレーザー治療の仕組みと特徴
  7. 保険適用となる条件と対象疾患
  8. 保険適用外(自由診療)となるケース
  9. 保険適用時の治療費用
  10. 治療の流れとダウンタイム
  11. 治療回数と治療期間の目安
  12. 治療を受ける際の注意点
  13. 日常生活でできる予防とケア
  14. お子さまの医療費助成制度について
  15. よくある質問
  16. まとめ
  17. 参考文献

1. 毛細血管拡張症とは

毛細血管拡張症とは、皮膚の浅い層(真皮層)にある毛細血管が持続的に拡張し、皮膚表面から肉眼で血管が透けて見える状態をいいます。毛細血管は通常、体温調節などの目的で拡張と収縮を繰り返していますが、何らかの理由でこの機能が障害されると、血管が拡張したまま元に戻らなくなります。

毛細血管拡張症の特徴として、以下の点が挙げられます。

まず、炎症を伴わない点です。湿疹やかぶれなどによる赤みは炎症が原因ですが、毛細血管拡張症では患部に炎症が起きているわけではありません。そのため、ステロイド外用薬など炎症を抑える塗り薬を使用しても症状は改善しません。

次に、自然には治癒しない点です。毛細血管拡張症は一度発症すると、自然に消えることはほとんどありません。放置しても命に関わることはありませんが、見た目の問題から治療を希望される方が多くいらっしゃいます。

また、好発部位として顔面、特に鼻や頬に多くみられます。これらの部位は毛細血管が密集しているため、血管の拡張が目立ちやすい傾向があります。その他、首やデコルテ、脚などにも発症することがあります。

毛細血管拡張症という名称は、正確には病名ではなく、起こっている症状を表す名称です。機能的な問題はありませんが、整容的に気になる場合はレーザー治療で改善を目指すことができます。


2. 毛細血管拡張症の主な原因

毛細血管拡張症を引き起こす明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、以下のような要因が誘因として考えられています。

遺伝的な体質

生まれつき皮膚が薄い方や色白の方は、皮膚表面から毛細血管が透けて見えやすい傾向があります。幼少期から頬などに線状の毛細血管拡張が目立つ場合、遺伝的な要素が関与している可能性があります。

加齢による変化

加齢によって皮膚が薄くなったり、皮膚の脂肪量が減少したりすることで、それまで目立たなかった毛細血管が透けて見えるようになることがあります。また、長年の紫外線曝露による皮膚の老化も毛細血管拡張症の一因となります。

ホルモンバランスの変化

毛細血管拡張症は女性に多くみられる傾向があり、女性ホルモンの関与が指摘されています。特に妊娠中は、顔や首、胸などに症状が現れやすくなります。女性ホルモンが配合された薬を服用している場合にも症状が出ることがあります。ただし、出産後や薬の服用を中止した後に症状が落ち着くケースも多くあります。

寒暖差や外的刺激

気温の寒暖差が激しい環境では、毛細血管が拡張と収縮を頻繁に繰り返します。この繰り返しによって血管が拡張したまま戻らなくなることがあります。寒い地域にお住まいの方や、暖房の効いた室内と寒い屋外を頻繁に行き来する方に症状が出やすいといわれています。

生活習慣の影響

アルコールや香辛料などの刺激物を摂取すると、交感神経が刺激されて血流が増加し、毛細血管が拡張しやすくなります。飲酒習慣のある方や辛い食べ物を好む方は注意が必要です。

紫外線の影響

長期間にわたって紫外線を浴び続けると、毛細血管が拡張して線状にちりちりして見えるようになったり、赤ら顔になったりすることがあります。首からデコルテにかけて、衣服で覆われていない部分は特に紫外線の影響を受けやすい部位です。

肝機能障害との関連

肝硬変や肝機能障害がある方では、毛細血管拡張症が皮膚症状として現れることがあります。これは、肝臓でのエストロゲン代謝が低下することが関係していると考えられています。

ステロイド外用薬の長期使用

ステロイドの塗り薬には血管を収縮させたり拡張させたりする作用があるため、長期間にわたって顔に使用し続けると、血管が拡張したままになり毛細血管拡張症につながることがあります。


3. 毛細血管拡張症の症状と分類

毛細血管拡張症は、血管の広がり方によっていくつかのタイプに分類されます。

単純型(線状型)

最も一般的なタイプで、血管の太さや長さは様々ですが、盛り上がりはなく、赤色や青紫色を示す枝分かれのない血管の拡張がみられます。鼻や頬部に多く発生し、細い線のように見えることが特徴です。

樹枝状型

血管の枝分かれを認めるタイプで、単純型に類似していますが、木の枝のように血管が分岐している点が異なります。顔面では頬骨のあたりに多くみられます。

くも状型(星芒状型)

中心部の小さな点から放射状に細い血管が広がるタイプで、くもの巣のような形状をしています。中心部を圧迫すると一時的に消退し、圧迫を解除すると中心から再び赤みが広がるのが特徴です。

丘疹型

皮膚が盛り上がっているタイプで、赤い丘疹として認識されます。他のタイプと異なり、皮膚表面に凹凸がみられることがあります。

毛細血管拡張症に共通する症状としては、炎症を伴わない持続的な赤みがあること、毛細血管が拡張した状態が続くこと、自然治癒しないことが挙げられます。基本的に痛みやかゆみなどの自覚症状はありませんが、まれに熱感を感じる方もいらっしゃいます。


4. 毛細血管拡張症と間違えやすい疾患(酒さ・赤ら顔との違い)

顔の赤みを主症状とする疾患はいくつかあり、毛細血管拡張症と見分けがつきにくいことがあります。適切な治療を受けるためにも、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。

酒さとの違い

酒さは中高年の顔面、特に鼻や頬に赤みと血管拡張が数ヶ月以上持続する慢性炎症性疾患です。毛細血管拡張症と酒さには以下のような違いがあります。

自覚症状の有無について、毛細血管拡張症は基本的に痛みやかゆみなどの自覚症状がありません。一方、酒さはヒリヒリ感やかゆみ、ほてりなどの自覚症状を伴うことが多くあります。

皮膚の状態について、毛細血管拡張症では皮膚に凹凸がなく、赤みだけがある状態です。酒さは進行すると、ニキビのような赤い丘疹や膿疱ができることがあり、鼻の皮膚が厚くなってこぶのようにデコボコする「鼻瘤」という状態になることもあります。

炎症の有無について、毛細血管拡張症は炎症を伴いませんが、酒さは慢性的な炎症性疾患です。

また、酒さは30代以降の発症が多いのに対し、毛細血管拡張症は若い方でもみられます。

酒さ様皮膚炎との違い

酒さ様皮膚炎(ステロイド誘発性皮膚炎)は、ステロイドを長期間にわたって顔に外用することで、酒さのように赤みや赤い丘疹、膿疱が生じる状態です。原因となるステロイド外用薬を中止することで改善が期待できる点が、他の疾患と異なります。

脂漏性皮膚炎との違い

脂漏性皮膚炎も顔に赤みが生じる皮膚疾患ですが、毛細血管の拡張はみられず、肌の状態がガサガサとしている点が異なります。また、酒さが顔の中心に近い場所に症状が現れるのに対し、脂漏性皮膚炎は眉や眉間、鼻の脇などに症状がよく現れます。

顔の赤みが気になる場合は自己判断せず、皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。


5. 毛細血管拡張症の治療法

毛細血管拡張症の治療対象は拡張した血管であるため、塗り薬や飲み薬では効果が期待できません。現在、毛細血管拡張症の治療として最も効果的とされているのはレーザー治療です。

Vビームレーザー治療

Vビームは毛細血管拡張症の治療において第一選択とされるレーザー機器です。血液中のヘモグロビンに反応する特性を持ち、拡張した血管に選択的にアプローチして赤みを改善します。毛細血管拡張症に対するVビームレーザー治療は保険適用となるため、費用を抑えて治療を受けることができます。

フォトフェイシャル(IPL治療)

フォトフェイシャルは広域の光を照射する治療法で、美肌効果も期待できます。顔全体のさまざまなトラブルを同時に改善できる点がメリットですが、毛細血管拡張症に対する治療効果はVビームレーザーの方が高いとされています。また、フォトフェイシャルは保険適用外(自由診療)となります。

ジェントルヤグレーザー

ジェントルヤグレーザーはVビームレーザーと同様に血管病変に対して効果があります。Vビームよりも深い層にある血管にアプローチできるため、症状によってはジェントルヤグレーザーが選択されることもあります。


6. Vビームレーザー治療の仕組みと特徴

Vビームレーザーは、毛細血管拡張症をはじめとする血管病変の治療に広く使用されている色素レーザーです。

治療の仕組み

Vビームレーザーは595nm(ナノメートル)という波長のレーザー光を照射します。この波長は血液中のヘモグロビン(赤血球に含まれる酸素を運ぶタンパク質)に最も吸収されやすい特性を持っています。

レーザー光がヘモグロビンに吸収されると熱エネルギーに変換され、照射部位の毛細血管が内側から熱破壊または熱損傷を受けます。これにより血管が閉塞し、拡張していた血管が目立たなくなることで赤みが改善されます。

Vビームレーザーの特徴

周囲組織へのダメージが少ない点がVビームレーザーの大きな特徴です。レーザー光はヘモグロビンに選択的に吸収されるため、病変以外の正常な組織へはダメージがほとんどありません。

また、冷却システムを搭載している点も特徴的です。最新のVビームⅡやVビームPrimaなどの機器には、レーザー照射直前にマイナス26度の冷却ガスを肌に吹きつける機能が備わっています。これにより、熱による合併症が起こりにくくなるとともに、痛みも軽減されます。

治療時間が短い点もメリットです。照射時間は病変の範囲にもよりますが、数分から10分程度で終わることがほとんどです。

傷跡が残りにくい点も重要です。通常、Vビームレーザー治療では傷跡が残ることはありません。ただし、治療後に過度な日焼けをしたり、肌を強くこすったりすると色素沈着を起こしやすくなるため注意が必要です。

使用される機器の種類

VビームにはVビーム2やVビームPrimaなどさまざまな種類がありますが、保険診療においては機器の種類によって料金が変わることはありません。いずれも厚生労働省に認可された安全性の高い医療機器です。


7. 保険適用となる条件と対象疾患

毛細血管拡張症に対するVビームレーザー治療は、一定の条件を満たすことで健康保険が適用されます。

保険適用となる対象疾患

Vビームレーザー治療が保険適用となるのは、以下の3つの疾患と診断された場合です。

1つ目は毛細血管拡張症です。原因不明の原発性毛細血管拡張症が対象となります。

2つ目は単純性血管腫(赤あざ)です。生まれつき存在する赤いあざで、毛細血管奇形とも呼ばれます。

3つ目は乳児血管腫(いちご状血管腫)です。生後まもなく現れる赤く盛り上がったあざで、いちごのような外観をしています。

保険適用の条件

保険適用で治療を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

まず、医師による診断が必要です。皮膚科専門医の診察を受け、上記の対象疾患であると診断されることが前提となります。

次に、厚生労働省で認可された機器・薬剤のみを使用する必要があります。認可されていない機器や薬剤を使用する場合は保険適用外となります。

また、治療間隔に関する規定があります。保険適用で治療を受ける場合、次の照射まで3ヶ月以上の間隔を空ける必要があります。これは保険請求上の規定であり、3ヶ月未満の間隔で治療を希望される場合は自由診療となります。

さらに、医師の判断に基づく治療であることが求められます。治療が必要と判断された箇所に対して行われる治療が保険適用の対象となります。


8. 保険適用外(自由診療)となるケース

以下のような場合は、たとえ赤みの症状があっても保険適用外(自由診療)となります。

対象疾患以外の場合

酒さやアトピー性皮膚炎に伴う赤ら顔の場合、Vビームレーザー治療は保険適用外となります。酒さについては、2022年5月よりロゼックスゲル(メトロニダゾール)の外用薬が保険適用となっていますが、レーザー治療は自由診療の扱いです。

ステロイドを長期間外用したことによる毛細血管拡張も、厳密には毛細血管拡張症とは区別され、保険適用外となることがあります。

老人性血管腫(チェリー状血管腫)も保険適用外です。加齢とともに体に増えてくる赤い点状の血管腫で、早ければ20歳代から発生することがあります。

ニキビやニキビ跡の赤み、傷跡の赤みなども保険適用外となります。

美容目的の場合

赤ら顔の改善や肌質改善など、美容目的でVビームレーザーを使用する場合は自由診療となります。

治療間隔を短くしたい場合

保険適用では3ヶ月に1回の治療間隔が規定されていますが、より短期間で治療を終わらせたい場合は自由診療を選択することができます。自由診療であれば、2週間から1ヶ月程度の間隔で治療を受けることが可能です。

保険で認可されていない薬剤・機器を使用する場合

海外でのみ効果が認められている薬剤など、国内で薬価収載されていない薬剤を使用する場合は保険適用外となります。


9. 保険適用時の治療費用

Vビームレーザー治療の保険適用時の費用は、厚生労働省により診療報酬点数として定められているため、どの医療機関で受けても基本的な料金は同じです(初診料・再診料等は別途かかります)。

保険適用時の費用(3割負担の場合)

令和6年度の診療報酬に基づく費用は以下の通りです。

照射面積が10平方センチメートル以内の場合、約6,510円となります。

20平方センチメートル以内の場合は約8,010円、30平方センチメートル以内で約9,510円、40平方センチメートル以内で約11,010円、50平方センチメートル以内で約12,510円です。

以降、10平方センチメートルごとに約1,500円が加算されていきます。

保険適用の上限は180平方センチメートルで、その場合の費用は約33,640円(3割負担)です。なお、毛細血管拡張症の場合、照射面積が180平方センチメートルを超えることはほとんどありません。

1割負担の場合

1割負担の場合、10平方センチメートル以内で約2,170円、以降10平方センチメートルごとに約500円が加算され、上限の180平方センチメートルで約11,220円となります。

その他の費用

上記の治療費に加えて、初診料または再診料、処方料(外用薬が処方される場合)などが別途かかります。また、麻酔クリームや麻酔テープを使用する場合はその費用も加算されます。


10. 治療の流れとダウンタイム

治療の流れ

1回目の来院では、まずカウンセリングと診察を行います。医師が症状を確認し、毛細血管拡張症かどうかの診断を行います。また、禁忌(治療を受けられない条件)に該当しないかも確認します。治療方法の説明や費用についてもこの段階でお伝えします。多くのクリニックでは、診察と治療は別日に行うことが推奨されています。

2回目以降の来院で実際の治療を行います。日焼け止めや化粧をされている場合は、治療効果を高めるために事前に落としていただきます。痛みが心配な方には、麻酔クリームや麻酔テープを60分程度前から塗布することがあります。

レーザー照射の際には、Vビームの冷却システムにより、輪ゴムで弾かれる程度の痛みに抑えられます。照射時間は病変の範囲によりますが、数分から15分程度です。照射後は10分程度のクーリング(冷却)を行い、炎症を抑える塗り薬を塗布して終了となります。

ダウンタイム

Vビームレーザー治療後には、以下のような症状が現れることがあります。

赤みや腫れについては、照射部位にヒリヒリとした痛みや赤み、軽い腫れが見られることがあります。通常、数時間から2日程度、長くても1週間程度で落ち着きます。

内出血(紫斑)については、皮膚表面の血管が紫色の内出血を起こすことがあります。1〜2週間程度で自然に消えていきます。

かさぶたや水疱については、照射の強度によっては、まれにかさぶたや水疱ができることがあります。2週間程度で治まりますが、その間は軟膏を塗布して保湿し、引っ掻いたりしないよう注意が必要です。

色素沈着については、強い炎症や内出血が起こった場合、茶色い色調の炎症後色素沈着が残ることがありますが、基本的には数ヶ月で薄くなっていきます。

治療後のケア

治療後は紫外線対策が重要です。日焼け止めクリームをこまめに塗布し、日傘や帽子などで紫外線を避けてください。紫外線対策を怠ると、色素沈着のリスクが高まります。

洗顔や化粧は当日から可能な場合が多いですが、患部を強くこすらないよう注意してください。ガーゼ等の貼付は通常不要です。


11. 治療回数と治療期間の目安

治療回数の目安

毛細血管拡張症に対するVビームレーザー治療は、通常3〜5回程度で効果を実感される方が多くいらっしゃいます。効果が出にくいケースでは10回程度の治療が必要になることもあります。

治療効果には個人差があり、拡張している血管の太さによっても異なります。太い血管の方が少ない回数で効果を実感しやすく、拡張血管が細く一様な赤みとしてみられる場合はより多くの回数が必要となる傾向があります。

濃くはっきりと見えている血管の方がレーザーが反応しやすく、血管が薄くぼんやり浮き上がっているタイプは複数回の治療を必要とする場合があります。

治療期間の目安

保険適用で治療を受ける場合は、3ヶ月に1回の間隔で照射を行います。そのため、5回照射の場合は約1年3ヶ月、10回照射の場合は約2年5ヶ月程度が治療期間の目安となります。

自由診療の場合は治療間隔を短くすることができ、2週間から1ヶ月程度の間隔で照射するのが一般的です。この場合、5回照射で約2ヶ月半、10回照射で約5ヶ月程度が治療期間の目安です。

なお、保険適用・自由診療のいずれにおいても、レーザーの照射回数に制限はありません。


12. 治療を受ける際の注意点

治療を受けられない方(禁忌)

以下に該当する方は、Vビームレーザー治療を受けることができません。

妊娠中の方、または妊娠している可能性のある方は治療を受けられません。授乳中の方についてもクリニックによって対応が異なりますので、事前にご相談ください。

ひどい日焼けをしている方、またはすぐに日焼けをする予定のある方も治療を受けられません。日焼けした肌にレーザーを照射すると、やけどや色素沈着のリスクが高まります。

皮膚に強い炎症や湿疹が起きている方は、症状が落ち着いてから治療を行います。

光線過敏症の方や、光感受性を高める薬を服用中の方も治療を受けられないことがあります。

先天的に血栓ができやすい方、経口避妊薬を使用している方、ホルモン治療を受けている方、肺塞栓症などの既往歴がある方は、事前に医師にお伝えください。

治療前の注意点

日焼けは治療の1ヶ月以上前から避けてください。日焼けした肌への照射は効果が低下するだけでなく、副作用のリスクも高まります。

治療当日は、照射部位の化粧や日焼け止めを落としていただきます。クリニックにメイク落としが用意されている場合もありますが、ご自身で準備されることをお勧めします。


13. 日常生活でできる予防とケア

毛細血管拡張症は自力で完治させることはできませんが、症状の悪化を防いだり、治療効果を高めたりするために、日常生活で心がけたいケアがあります。

紫外線対策

紫外線は毛細血管拡張症を悪化させる要因の一つです。季節を問わず、外出時には日焼け止めを塗布し、日傘や帽子、サングラスなどで紫外線を防ぎましょう。目からも紫外線を吸収するため、UVカット機能のあるメガネやサングラスの着用も効果的です。

適切なスキンケア

洗顔は低刺激な洗顔料を使用し、優しく洗いましょう。熱いお湯で洗ったり、冷たい水で引き締めたりする方法は、血管の拡張と収縮を繰り返させるため避けてください。

洗顔後は時間を置かずにすぐに保湿ケアを行いましょう。乾燥は肌のバリア機能を低下させ、症状を悪化させる原因となります。刺激の強い化粧品や肌に合わないと感じた製品の使用は控えてください。

寒暖差を避ける

急激な温度変化は毛細血管の拡張と収縮を繰り返させます。暖房の効いた室内と寒い屋外を行き来する際は、マフラーやマスクなどで顔を保護することが有効です。

生活習慣の見直し

アルコールや香辛料などの刺激物、カフェイン、タバコは血管拡張に影響を与えるため、できるだけ控えることをお勧めします。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動を心がけ、体の内側から健康を維持することが大切です。

ストレス管理

ストレスも血管拡張の一因となります。リラックスできる時間を確保し、自分なりのストレス解消法を見つけましょう。


14. お子さまの医療費助成制度について

お子さまが毛細血管拡張症や単純性血管腫、乳児血管腫などの治療を受ける場合、各自治体の医療費助成制度を利用できる可能性があります。

東京都の子ども医療費助成制度

東京都では、18歳に達する日以後の最初の3月31日までのお子さま(高校3年生相当まで)を対象に、健康保険が適用される医療費の自己負担分を助成する制度があります。所得制限はありません。

助成を受けるためには、お住まいの区市町村で医療証(マル乳・マル子・マル青医療証)の交付申請を行う必要があります。医療証を都内の医療機関で提示すると、保険診療の自己負担分を支払わずに受診できます。

新宿区にお住まいの場合は、新宿区役所の子ども医療・手当係または各特別出張所で申請手続きを行うことができます。

注意点

医療費助成制度は保険診療に対して適用されるものです。自由診療は助成の対象外となります。

東京都外の医療機関で受診した場合や、医療証の取り扱いのない医療機関で受診した場合は、一旦窓口で自己負担分を支払い、後日区役所等に申請することで払い戻しを受けられます。

医療費助成制度の詳細は自治体によって異なりますので、お住まいの区市町村にご確認ください。


15. よくある質問

Q. 毛細血管拡張症は自然に治りますか?

A. 毛細血管拡張症は自然に治癒することはほとんどありません。ただし、妊娠中に発症した場合や女性ホルモン配合薬の服用による場合は、出産後や薬の服用中止後に症状が軽減することがあります。

Q. 保険適用で治療できるかどうかは、どうすればわかりますか?

A. 保険適用の可否は医師の診察によって判断されます。まずは専門医の診察を受け、毛細血管拡張症と診断されれば保険適用での治療が可能です。

Q. Vビームレーザー治療は痛いですか?

A. 冷却ガスの効果により、輪ゴムで弾かれる程度の痛みに抑えられます。痛みに敏感な方には、麻酔クリームや麻酔テープを事前に使用することで痛みを軽減できます。

Q. 治療後、すぐに日常生活に戻れますか?

A. はい、洗顔や化粧は当日から可能です。ガーゼ等の貼付も通常は不要です。ただし、赤みや内出血が出る場合があるため、大事なご予定の直前は避けていただくことをお勧めします。

Q. 1回の治療で完治しますか?

A. 個人差がありますが、通常は3〜5回程度の治療が必要です。早い方は1回の治療で効果を実感されますが、完全に赤みをなくすには複数回の治療を要することが多いです。

Q. 赤ちゃんや子どもでも治療を受けられますか?

A. はい、お子さまでも治療を受けることができます。特に乳児血管腫(いちご状血管腫)や単純性血管腫については、早期からの治療が効果的とされています。お子さまの場合、医療費助成制度を利用できる可能性がありますので、お住まいの自治体にご確認ください。

Q. 治療を受けられない場合はありますか?

A. 妊娠中の方、日焼けをしている方、皮膚に炎症がある方、光線過敏症の方などは治療を受けられません。詳しくは診察時に医師にご相談ください。

Q. 酒さの場合は保険適用になりますか?

A. 酒さに対するVビームレーザー治療は、現在のところ保険適用外(自由診療)となります。ただし、酒さに対する外用薬であるロゼックスゲル(メトロニダゾール)は2022年5月より保険適用となっています。


16. まとめ

毛細血管拡張症は、皮膚の浅い層の毛細血管が拡張したまま元に戻らなくなる症状です。炎症を伴わないため塗り薬では改善せず、自然に治ることもありません。しかし、Vビームレーザー治療により症状の改善が期待できます。

Vビームレーザー治療は、毛細血管拡張症、単純性血管腫、乳児血管腫と診断された場合に保険適用となります。保険適用で治療を受ける場合は3ヶ月に1回の治療間隔となり、費用は照射面積によって異なりますが、3割負担で約6,500円から33,640円程度です。

治療回数は通常3〜5回程度が目安ですが、個人差があります。治療後のダウンタイムは軽度で、日常生活への影響は少なく、洗顔や化粧も当日から可能です。

顔の赤みでお悩みの方は、まずは専門医の診察を受けることをお勧めします。毛細血管拡張症と診断されれば、保険適用で費用を抑えながら治療を受けることができます。症状が酒さなど他の疾患による場合も、適切な治療法をご案内いたします。

アイシークリニック新宿院では、専門医が丁寧な診察と治療を行っております。毛細血管拡張症や赤ら顔でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


17. 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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