はじめに
手のひらや脇、足の裏から滴り落ちるほどの汗に悩んでいませんか。書類が濡れてしまう、握手ができない、靴下が常に湿っているなど、多汗症は日常生活に深刻な影響を及ぼす疾患です。
多汗症は決して珍しい病気ではありません。日本では人口の約5.8%、つまり約700万人が多汗症に悩んでいると推定されています。しかし、適切な治療を受けている方は少なく、多くの患者さんが「体質だから仕方ない」と諦めているのが現状です。
東京都内には多汗症治療を行う医療機関が数多く存在しますが、クリニックによって治療方針や得意分野が異なります。本記事では、多汗症の基礎知識から最新の治療法、そして東京でクリニックを選ぶ際のポイントまで、患者さんが知っておくべき情報を網羅的に解説します。
アイシークリニック新宿院では、保険診療から自費診療まで幅広い治療選択肢をご用意し、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた最適な治療プランをご提案しています。

多汗症とは何か
多汗症の定義
多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて過剰に発汗する状態を指します。医学的には「日常生活に支障をきたす病的な発汗状態」と定義されており、単に汗をかきやすい体質とは区別されます。
人間の体には約200万個から500万個のエクリン汗腺が分布しており、通常は体温調節のために必要な量の汗を分泌します。しかし、多汗症の患者さんでは、体温調節の必要がない状況でも過剰に発汗が起こってしまいます。
多汗症の疫学
日本皮膚科学会の調査によると、日本における原発性多汗症の有病率は約5.8%とされています。これは決して低い数字ではなく、20人に1人以上が多汗症に悩んでいる計算になります。
性別では若干女性に多い傾向があり、発症年齢は思春期から20代が最も多いとされています。ただし、小児期に発症するケースや、中高年になってから症状が現れるケースもあります。
東京のような大都市では、満員電車や人混みなど発汗を誘発する環境が多いことから、症状を自覚しやすく、治療を求める患者さんが多い傾向にあります。
多汗症が及ぼす影響
多汗症は単に「汗をたくさんかく」という問題にとどまりません。以下のような深刻な影響を及ぼします。
社会生活への影響として、握手や名刺交換がためらわれる、書類やスマートフォンが濡れる、キーボードやマウスが故障しやすいなどの問題があります。職業によっては、接客業や営業職で支障をきたすケースも少なくありません。
精神的な影響も深刻で、常に汗を気にする不安、人前に出ることへの恐怖、対人関係の回避などにつながることがあります。実際、多汗症患者さんの約40%が抑うつ症状を経験しているという報告もあります。
また、皮膚トラブルとして、湿疹やあせもの発生、細菌や真菌の繁殖による感染症、悪臭の発生なども問題となります。
多汗症の種類と分類
原発性多汗症と続発性多汗症
多汗症は大きく「原発性多汗症」と「続発性多汗症」に分類されます。
原発性多汗症は、明らかな原因疾患がなく発症する多汗症で、多汗症患者さんの大半がこのタイプです。遺伝的要因や交感神経の過活動が関与していると考えられていますが、完全には解明されていません。
一方、続発性多汗症は、何らかの基礎疾患や薬剤が原因で起こる多汗症です。原因となる疾患には、甲状腺機能亢進症、糖尿病、結核、悪性腫瘍、更年期障害などがあります。また、抗うつ薬や降圧薬などの薬剤が原因となることもあります。
続発性多汗症が疑われる場合は、原因疾患の治療が優先されます。東京のクリニックを受診する際は、まず原発性か続発性かの鑑別診断を受けることが重要です。
全身性多汗症と局所性多汗症
発汗部位による分類では、「全身性多汗症」と「局所性多汗症」に分けられます。
全身性多汗症は、体全体から過剰に発汗する状態で、続発性多汗症に多く見られます。感染症や内分泌疾患、薬剤性などが原因となることが多く、全身的な検査が必要です。
局所性多汗症は、特定の部位にのみ過剰な発汗が起こる状態で、原発性多汗症の典型的なパターンです。好発部位は以下の通りです。
手掌多汗症は、手のひらに過剰な発汗が起こる状態で、最も頻度が高いタイプです。書字困難、スマートフォン操作の支障、握手への不安などが主な訴えとなります。重症例では、手のひらから滴り落ちるほどの発汗が見られます。
腋窩多汗症は、脇の下に過剰な発汗が起こる状態で、衣類の汗染みが目立つ、悪臭の原因となるなどの問題があります。特に夏季や薄着の季節に症状が気になりやすくなります。
足蹠多汗症は、足の裏に過剰な発汗が起こる状態で、靴下が常に湿っている、靴の中が蒸れる、足の臭いが気になるなどの症状があります。白癬症などの皮膚疾患を合併しやすい特徴があります。
頭部・顔面多汗症は、頭部や顔面に過剰な発汗が起こる状態で、化粧崩れの原因となる、髪が常に湿っているなどの問題があります。他の部位に比べて治療が難しいとされています。
重症度分類
多汗症の重症度は、日本皮膚科学会の診療ガイドラインでは以下のように分類されています。
軽度は、発汗は増加しているが日常生活に支障はほとんどない状態です。 中等度は、日常生活に時々支障があり、発汗により活動が制限されることがある状態です。 重度は、日常生活に常に支障があり、発汗により活動が著しく制限される状態です。 最重度は、日常生活に常に耐え難い支障があり、発汗により活動がほぼ不可能な状態です。
重症度の評価には、HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)という国際的な評価スケールも用いられます。これは患者さん自身が現在の症状が生活にどの程度影響しているかを4段階で評価するもので、治療効果の判定にも使用されます。
多汗症の原因とメカニズム
発汗のメカニズム
正常な発汗は、体温調節のための重要な生理機能です。人間の体には主に2種類の汗腺があります。
エクリン汗腺は、全身に分布する汗腺で、主に体温調節のための発汗を担います。分泌される汗は無色透明で無臭であり、水分と微量の塩分を含みます。多汗症で問題となるのは、主にこのエクリン汗腺からの過剰な発汗です。
アポクリン汗腺は、脇の下や陰部などに分布する汗腺で、思春期以降に発達します。分泌される汗は白濁しており、脂質やタンパク質を含むため、細菌に分解されると特有の臭いを発します。これがいわゆる「ワキガ」の原因となります。
発汗の調節は、自律神経系のうち交感神経が担っています。体温の上昇や精神的緊張などの刺激により、交感神経が活性化され、汗腺からの発汗が促進されます。
原発性多汗症の原因
原発性多汗症の正確な原因は完全には解明されていませんが、以下のような要因が関与していると考えられています。
遺伝的要因が大きく、原発性多汗症患者さんの約25〜50%に家族歴があると報告されています。特定の遺伝子変異が関与している可能性も示唆されていますが、単一遺伝子疾患ではなく、複数の遺伝要因と環境要因が複雑に関わっていると考えられています。
交感神経の過活動も重要な要因です。多汗症患者さんでは、正常な人に比べて交感神経が過敏に反応し、わずかな刺激でも過剰な発汗が起こります。この過活動の原因については、中枢神経系の調節異常、末梢神経の感受性亢進などが考えられていますが、詳細なメカニズムは研究段階です。
精神的要因も発汗に影響します。不安や緊張、ストレスなどの精神的刺激は、交感神経を活性化し、発汗を促進します。多汗症患者さんでは、この精神的刺激に対する反応が過敏になっており、少しの緊張でも大量の発汗が起こってしまいます。さらに、発汗自体がストレスとなり、悪循環を形成することもあります。
続発性多汗症の原因
続発性多汗症の原因となる主な疾患や状態には以下のようなものがあります。
内分泌疾患では、甲状腺機能亢進症が最も一般的です。甲状腺ホルモンの過剰により代謝が亢進し、全身性の多汗が起こります。他にも糖尿病、褐色細胞腫、末端肥大症などが原因となることがあります。
神経疾患として、パーキンソン病、脳卒中後遺症、脊髄損傷などが多汗症の原因となることがあります。これらの疾患では、発汗を調節する神経系に異常が生じるためです。
感染症では、結核、HIV感染症、マラリアなどが全身性の発汗を引き起こすことがあります。特に結核では、夜間の大量発汗(盗汗)が特徴的な症状として知られています。
悪性腫瘍も多汗症の原因となることがあり、特にリンパ腫では顕著です。また、更年期障害によるホルモンバランスの変化も、女性の多汗症の一因となります。
薬剤性多汗症の原因薬剤には、抗うつ薬(特にSSRI)、降圧薬、解熱鎮痛薬、抗生物質などがあります。薬剤の開始時期と多汗症状の出現時期が一致する場合は、薬剤性が疑われます。
多汗症の診断
問診と視診
多汗症の診断は、まず詳細な問診から始まります。東京のクリニックを受診する際、医師は以下のような項目について質問します。
発汗の部位、発汗の程度、発汗のパターン(いつ、どのような状況で発汗するか)、発症時期と経過、家族歴の有無、日常生活への影響、既往歴や現在治療中の疾患、服用中の薬剤などです。
原発性多汗症の診断基準としては、日本皮膚科学会のガイドラインで以下が提唱されています。
局所的に過剰な発汗が明らかな原因なく6ヶ月以上持続していること、さらに以下の6項目のうち2項目以上を満たすことが必要です。
- 最初の症状が25歳以下で現れた
- 対称性に発汗がみられる
- 睡眠中は発汗が止まっている
- 1週間に1回以上多汗のエピソードがある
- 家族歴がみられる
- それらにより日常生活に支障をきたす
視診では、発汗部位の観察、皮膚の状態(湿疹、真菌感染など)の確認、発汗により濡れた衣類の確認などを行います。
検査方法
多汗症の診断や重症度評価のために、以下のような検査が行われることがあります。
ヨードデンプン試験は、発汗部位を可視化する検査です。ヨード液を塗布した後、デンプンを散布すると、発汗部位が紫色に変色します。発汗の範囲や分布パターンを把握するのに有用で、治療前後の比較にも用いられます。
発汗量測定は、濾紙を用いた重量測定法や、発汗計を用いた測定などがあります。客観的な発汗量の評価が可能で、重症度判定や治療効果の判定に使用されます。
Minor法(換気量測定)は、特殊な装置を用いて発汗による水分蒸散量を測定する方法です。より精密な発汗量の評価が可能ですが、特殊な設備が必要なため、実施できる施設は限られます。
鑑別診断
多汗症の診断では、他の疾患との鑑別が重要です。特に続発性多汗症の原因となる疾患を見逃さないことが大切です。
甲状腺機能検査として、血液検査でTSH、FT3、FT4を測定し、甲状腺機能亢進症の有無を確認します。全身性多汗症の場合は必須の検査です。
血糖検査では、空腹時血糖、HbA1cを測定し、糖尿病の有無を確認します。糖尿病は続発性多汗症の原因となるだけでなく、多汗症治療薬の選択にも影響します。
その他の血液検査として、肝機能、腎機能、電解質、炎症反応などを測定し、全身状態を評価します。悪性腫瘍や感染症が疑われる場合は、追加の検査が必要になることもあります。
画像検査は、原因疾患が疑われる場合、胸部X線、CT、MRIなどの画像検査を行うことがあります。
東京のクリニックでは、これらの検査を適切に組み合わせることで、正確な診断と適切な治療方針の決定が可能となります。
多汗症の治療法
保険診療による治療
多汗症の治療には、健康保険が適用される治療法と自費診療となる治療法があります。まず保険診療で行える治療法について解説します。
外用療法として、塩化アルミニウム外用が一般的です。塩化アルミニウム液を患部に塗布することで、汗腺の導管を閉塞させ、発汗を抑制します。濃度20%程度の塩化アルミニウム液を就寝前に塗布し、朝洗い流す方法が一般的です。効果発現まで数日から1週間程度かかり、継続的な使用が必要です。皮膚刺激やかぶれが副作用として現れることがあります。
抗コリン薬の内服も保険適応があります。プロパンテリン臭化物(プロバンサイン)などの抗コリン薬は、全身の発汗を抑制する効果があります。ただし、口渇、便秘、尿閉などの副作用が出現することがあり、緑内障や前立腺肥大症の患者さんには使用できません。効果は服用後30分から1時間程度で現れ、4〜5時間持続します。重要な場面の前に頓用することも可能です。
イオントフォレーシスは、水道水を入れた容器に手足を浸し、微弱な電流を流す治療法です。週2〜3回、1回20〜30分程度の治療を続けることで、発汗抑制効果が得られます。効果発現まで2〜3週間かかりますが、副作用が少なく、手掌多汗症や足蹠多汗症に有効です。保険適用となっている医療機関も増えています。
ボツリヌス療法は、2012年11月から重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用となりました。ボツリヌストキシンを腋窩に注射することで、汗腺を支配する神経の伝達を遮断し、発汗を抑制します。効果は注射後2〜3日で現れ始め、1週間程度で最大効果に達します。効果の持続期間は個人差がありますが、平均して4〜9ヶ月程度です。副作用は少ないですが、注射時の痛みや一時的な腕の脱力感などが起こることがあります。保険適用には一定の条件があり、重症度の評価が必要です。
外科的治療
薬物療法で効果が不十分な場合や、より確実な効果を求める場合には、外科的治療が選択されることがあります。
胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS)は、手掌多汗症に対する確実な治療法です。胸腔鏡を用いて、交感神経節を切除または遮断することで、手のひらへの発汗を支配する神経伝達を遮断します。効果は非常に高く、95%以上の患者さんで手のひらの発汗が消失または著明に改善します。ただし、代償性発汗(手術後に胸部、背部、大腿部などの発汗が増加する現象)が約60〜80%の患者さんに現れることが問題点です。代償性発汗の程度は個人差が大きく、予測が困難です。このため、現在では慎重な適応判断が求められています。
腋窩の汗腺摘出術は、腋窩多汗症に対する治療法です。腋窩の皮膚を切開し、汗腺を直視下に摘出する方法です。効果は確実ですが、傷跡が残ること、術後の安静期間が必要なことなどがデメリットです。最近では、より侵襲の少ない方法として、超音波や高周波を用いた汗腺破壊術なども行われるようになっています。
自費診療による治療
保険適用外ですが、効果的な治療法として以下のようなものがあります。
ボツリヌス療法の保険適用外使用として、手掌、足蹠、頭部などの腋窩以外の部位に対するボツリヌス注射は自費診療となります。効果や持続期間は腋窩への注射と同様ですが、手掌への注射は痛みが強いため、麻酔クリームの使用や神経ブロックが必要になることがあります。
ミラドライは、マイクロ波を照射して汗腺を破壊する治療法で、主に腋窩多汗症に用いられます。皮膚を切開せずに治療できるため、傷跡が残らないメリットがあります。1回の治療で約60〜80%の汗腺を破壊でき、効果は半永久的とされています。治療後の腫れや痛みは数日〜1週間程度で軽快します。ただし、費用は比較的高額で、30万〜40万円程度が相場です。
ビューホット(高周波治療)も、ミラドライと同様に汗腺を破壊する治療法ですが、針を刺して高周波を照射する点が異なります。より深部の汗腺まで確実に破壊できる特徴がありますが、治療後のダウンタイムがやや長くなる傾向があります。
レーザー治療として、腋窩にレーザーファイバーを挿入し、汗腺を破壊する方法もあります。傷跡が小さく、ダウンタイムも比較的短いですが、効果には個人差があります。
治療法の選択
多汗症の治療法選択は、以下の要因を総合的に考慮して決定されます。
多汗症のタイプ(原発性か続発性か、全身性か局所性か)、重症度、発汗部位、患者さんの年齢やライフスタイル、治療に対する希望や期待、治療にかけられる費用、過去の治療歴と効果などです。
一般的には、まず侵襲の少ない外用療法や内服療法から開始し、効果が不十分な場合にボツリヌス療法や外科的治療を検討します。ただし、重症例で日常生活に著しい支障がある場合や、患者さんが強く希望する場合には、早期から積極的な治療を行うこともあります。
東京のクリニックでは、これらの治療法を組み合わせたり、段階的に治療法を変更したりすることで、個々の患者さんに最適な治療を提供しています。
東京で多汗症治療のクリニックを選ぶポイント
専門性と実績
東京都内には多汗症治療を行う医療機関が数多くありますが、クリニック選びで最も重要なのは専門性と実績です。
皮膚科専門医の在籍は基本的な条件です。多汗症は皮膚科領域の疾患であり、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が診療を行っているクリニックを選ぶことが重要です。専門医は多汗症の診断と治療について十分なトレーニングを受けており、適切な治療法を選択できます。
多汗症治療の症例数や実績も重要な指標です。多くの症例を経験しているクリニックほど、個々の患者さんに適した治療法を提案できる可能性が高くなります。ホームページなどで治療実績を公開しているクリニックもありますので、参考にするとよいでしょう。
また、複数の治療法を提供しているクリニックを選ぶことも大切です。外用療法、内服療法、ボツリヌス療法、外科的治療など、様々な選択肢がある方が、患者さんの状態に合わせた最適な治療を受けられます。
保険診療と自費診療の対応
多汗症治療には保険診療と自費診療の両方があるため、クリニックがどちらに対応しているかを確認することが重要です。
保険診療に対応しているクリニックでは、外用療法、内服療法、イオントフォレーシス、重度腋窩多汗症に対するボツリヌス療法などを保険適用で受けることができます。初めて治療を受ける方や、まずは費用を抑えて治療を始めたい方には、保険診療対応のクリニックがおすすめです。
一方、より高度な治療や確実な効果を求める場合には、自費診療を含めた幅広い選択肢を提供しているクリニックが適しています。ミラドライやビューホット、レーザー治療など、自費診療でしか受けられない治療法もあります。
理想的なのは、保険診療と自費診療の両方に対応しており、患者さんの希望や経済状況に合わせて適切な治療法を提案してくれるクリニックです。
アクセスと通いやすさ
多汗症治療は継続的な通院が必要になることが多いため、クリニックの立地やアクセスも重要な選択基準です。
東京都内では、主要駅の近くにあるクリニックが通いやすくおすすめです。特に新宿、渋谷、池袋、上野、東京駅周辺などのターミナル駅近くのクリニックは、仕事帰りや休日に通いやすい利点があります。
診療時間も確認しておきましょう。平日の夜間診療や土日祝日の診療を行っているクリニックであれば、仕事をしている方でも通院しやすくなります。
また、予約の取りやすさも重要です。人気のあるクリニックでは予約が取りにくいこともあるため、WEB予約システムがあるか、予約の変更が容易かなども確認しておくとよいでしょう。
カウンセリングと説明の丁寧さ
多汗症治療では、患者さん一人ひとりの症状や生活状況に合わせた治療計画を立てることが重要です。そのため、初診時のカウンセリングや説明が丁寧なクリニックを選ぶことが大切です。
良いクリニックの特徴として、十分な時間をかけて問診を行い、患者さんの悩みや希望を丁寧に聞き取る、複数の治療法のメリットとデメリットを分かりやすく説明する、治療費用について明確に提示する、無理に高額な自費診療を勧めない、治療後のフォローアップ体制がしっかりしているなどが挙げられます。
初診時の対応で、そのクリニックの姿勢が分かります。不安や疑問点について質問しやすい雰囲気があるか、医師やスタッフの対応が親切かなども、クリニック選びの重要なポイントです。
プライバシーへの配慮
多汗症は、人に相談しにくい悩みであるため、プライバシーに配慮した診療を行っているクリニックを選ぶことも大切です。
個室の診察室や処置室があるか、待合室で他の患者さんと顔を合わせにくい工夫がされているか、WEB問診システムがあり、症状について事前に記入できるかなども確認しておくとよいでしょう。
また、クリニックのホームページやSNSでの情報発信も参考になります。患者さんのプライバシーに配慮した運営をしているクリニックは、情報発信においても適切な配慮がなされているはずです。
アイシークリニック新宿院での多汗症治療
当院の特徴
アイシークリニック新宿院は、東京都新宿区に位置し、新宿駅から徒歩圏内という便利な立地にあります。皮膚科専門医による質の高い医療を提供しており、多汗症治療においても豊富な実績があります。
当院では、保険診療から自費診療まで、患者さんのニーズに合わせた幅広い治療選択肢をご用意しています。初診時には十分な時間をかけてカウンセリングを行い、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイル、治療に対する希望を丁寧に伺います。
その上で、複数の治療法のメリット・デメリットを分かりやすく説明し、患者さんと一緒に最適な治療計画を立てていきます。無理に高額な治療を勧めることはなく、まずは保険診療で効果を確認してから、必要に応じて自費診療を検討することも可能です。
提供している治療法
アイシークリニック新宿院では、以下の多汗症治療を提供しています。
外用療法として、塩化アルミニウム外用液の処方を行っています。患者さんの皮膚の状態に合わせて適切な濃度を選択し、使用方法についても詳しく説明します。
内服療法では、抗コリン薬の処方が可能です。副作用のリスクについても十分に説明した上で、患者さんの全身状態を考慮して処方します。
ボツリヌス療法は、重度の原発性腋窩多汗症に対して保険診療で提供しています。治療前には重症度の評価を行い、保険適用の条件を満たしているかを確認します。注射時の痛みを軽減するため、麻酔クリームの使用も可能です。
また、手掌や足蹠など、腋窩以外の部位に対するボツリヌス療法も自費診療で行っています。効果の持続期間や費用について詳しく説明し、患者さんが納得した上で治療を受けていただけます。
その他、患者さんの症状や希望に応じて、適切な治療法をご提案します。治療後のフォローアップも丁寧に行い、効果の確認や副作用の有無をチェックします。
アクセスと診療時間
アイシークリニック新宿院は、新宿駅から徒歩圏内に位置しており、JR、小田急線、京王線、東京メトロ、都営地下鉄など、複数の路線からアクセス可能です。東京都内全域はもちろん、神奈川県、埼玉県、千葉県などからも通いやすい立地となっています。
診療時間は平日の夜間や土日祝日にも対応しており、仕事や学校で忙しい方でも通院しやすくなっています。詳しい診療時間については、当院のホームページをご確認ください。
予約は電話またはWEBから可能です。初診の方も予約優先となっておりますので、事前のご予約をおすすめします。
受診の流れ
アイシークリニック新宿院での多汗症治療の流れは以下の通りです。
まず、電話またはWEBで初診の予約を取ってください。WEB予約の場合は、簡単な問診票の入力もお願いしています。
来院時には、保険証をお持ちください。初診時には受付で問診票を記入していただきます。多汗症の症状や悩み、治療に対する希望などを詳しく記入してください。
診察では、医師が詳しく問診を行い、必要に応じて視診や検査を行います。多汗症のタイプや重症度を評価し、適切な治療法を提案します。複数の治療法がある場合は、それぞれのメリット・デメリット、費用などを説明し、患者さんと相談しながら治療方針を決定します。
治療開始後は、定期的に通院していただき、効果の確認や副作用のチェックを行います。必要に応じて治療法の変更や追加を検討します。
当院では、患者さんが安心して治療を受けられるよう、丁寧な説明とサポートを心がけています。治療に関する不安や疑問があれば、いつでもお気軽にご相談ください。
多汗症とQOL(生活の質)
多汗症が日常生活に与える影響
多汗症は、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)に大きな影響を与えます。具体的にどのような影響があるのか見ていきましょう。
仕事面での影響は深刻です。営業職や接客業では、握手や名刺交換の際に相手に不快感を与えないか不安になります。事務職では、書類やキーボード、マウスが濡れてしまうことがあります。医療職や美容師など、手を使う仕事では、手袋の中が蒸れて業務に支障が出ることもあります。こうした問題から、職業選択が制限されたり、キャリア形成に影響が出たりすることもあります。
学業面でも、試験の際に答案用紙が濡れる、ノートやテキストが汚れる、体育の授業で人と手をつなぐことに抵抗を感じるなどの問題があります。こうした経験から、学校生活に消極的になってしまう子どももいます。
対人関係では、握手やハイタッチを避けてしまう、恋愛関係で手をつなぐことに不安を感じる、常に汗を気にしているため会話に集中できないなどの問題が生じます。これらが積み重なると、社交不安や対人恐怖につながることもあります。
日常生活では、スマートフォンやタブレットの操作がしにくい、革靴や革製品がすぐに傷む、白いシャツに汗染みができて着られないなど、細かな不便が多数あります。こうした小さなストレスの積み重ねが、精神的な負担となります。
精神的影響
多汗症の精神的影響は、身体的症状以上に深刻な場合があります。
不安と恐怖として、常に「汗をかいているのではないか」という不安があり、人前に出る場面では恐怖を感じることがあります。この予期不安が交感神経を刺激し、さらに発汗を促進するという悪循環を形成します。
抑うつ症状も多く見られます。研究によれば、多汗症患者さんの約40%が抑うつ症状を経験しています。「自分だけが異常だ」という孤独感、「治らないのではないか」という絶望感などが、抑うつにつながります。
社会的引きこもりの傾向も見られます。対人場面を避けるようになり、外出が減少し、最終的には社会的に孤立してしまうこともあります。特に思春期に発症した場合、人格形成に影響を与える可能性もあります。
自尊心の低下も問題です。多汗症によって自信を失い、自己評価が低下します。「自分は人より劣っている」という感覚を持つようになり、様々な場面で消極的になってしまいます。
治療によるQOLの改善
適切な治療を受けることで、多汗症患者さんのQOLは大きく改善します。
身体的改善として、発汗量が減少することで、衣類の汗染みがなくなる、書類やスマートフォンが濡れなくなる、握手や名刺交換が問題なくできるようになるなどの直接的な効果があります。
精神的改善も顕著です。発汗に対する不安が軽減され、人前に出ることへの恐怖が減少します。自信が回復し、積極的に人と関わることができるようになります。抑うつ症状も改善し、全体的な気分が向上します。
社会生活の改善として、仕事のパフォーマンスが向上する、対人関係が改善する、趣味や余暇活動を楽しめるようになる、全体的な生活満足度が上昇するなどの効果が報告されています。
研究によれば、ボツリヌス療法を受けた多汗症患者さんの約80〜90%が、治療によってQOLが改善したと回答しています。また、外科的治療を受けた患者さんでも、代償性発汗などの副作用があっても、多くの方が「治療を受けてよかった」と評価しています。
東京で適切なクリニックを選び、自分に合った治療を受けることが、QOL改善への第一歩となります。

よくある質問
多汗症は完治しますか?
多汗症の「完治」については、治療法によって異なります。
外用療法や内服療法は、使用している間は効果がありますが、中止すると症状が戻ります。したがって、これらは対症療法であり、完治させるものではありません。
ボツリヌス療法も同様で、効果は一時的です。効果の持続期間は平均4〜9ヶ月で、効果が切れたら再度治療を受ける必要があります。
一方、外科的治療(交感神経遮断術や汗腺摘出術)は、半永久的な効果が期待できます。特に交感神経遮断術では、95%以上の患者さんで手のひらの発汗が消失または著明に改善します。この意味では「完治」に近い状態と言えます。
ただし、外科的治療でも代償性発汗などの副作用があり、完全に問題がなくなるわけではありません。また、続発性多汗症の場合は、原因疾患の治療が完治につながります。
治療費はどのくらいかかりますか?
治療費は、治療法や保険適用の有無によって大きく異なります。
保険診療の場合、外用療法(塩化アルミニウム外用)は、診察料と処方料を含めて1回あたり1,000〜2,000円程度です。内服療法も同程度の費用です。
ボツリヌス療法(保険適用)は、3割負担で約30,000円程度です。ただし、初診料や再診料、検査費用などが別途かかります。
自費診療の場合、ボツリヌス療法(保険適用外の部位)は、部位や量によって異なりますが、50,000〜100,000円程度が相場です。
ミラドライは1回300,000〜400,000円程度、ビューホットは200,000〜300,000円程度が一般的です。
外科的治療(交感神経遮断術)は保険適用で、3割負担で100,000〜150,000円程度ですが、入院費用などが別途かかります。
東京のクリニックでは費用が若干高めの傾向がありますが、クリニックによって差があるため、事前に確認することをおすすめします。
副作用やリスクはありますか?
すべての治療には、多かれ少なかれ副作用やリスクがあります。
外用療法では、皮膚刺激、かぶれ、かゆみなどが起こることがあります。濃度を調整したり、使用頻度を減らしたりすることで対応できます。
内服療法(抗コリン薬)では、口渇、便秘、尿閉、眼の調節障害などの副作用があります。緑内障や前立腺肥大症の方には使用できません。
ボツリヌス療法では、注射部位の痛み、内出血、一時的な筋力低下などが起こることがあります。ただし、これらは通常、数日から数週間で改善します。稀に抗体ができて効果が減弱することがあります。
外科的治療(交感神経遮断術)の最大の問題は、代償性発汗です。約60〜80%の患者さんに起こり、程度には個人差があります。その他、手術に伴う一般的なリスク(感染、出血、気胸など)もあります。
ミラドライやビューホットなどの自費治療でも、治療後の腫れ、痛み、しびれなどが一時的に起こることがあります。
どの治療を選択するにしても、医師とよく相談し、メリットとリスクを理解した上で決定することが重要です。
子どもでも治療を受けられますか?
子どもの多汗症治療は可能ですが、年齢や治療法によって制限があります。
外用療法は、比較的低年齢から使用可能です。ただし、皮膚が敏感な場合は濃度を調整する必要があります。保護者の協力のもと、適切に使用することが重要です。
内服療法は、体重や年齢に応じた用量調整が必要です。副作用のリスクも大人より高い可能性があるため、慎重な使用が求められます。
ボツリヌス療法は、一般的には思春期以降が適応とされています。小児への使用は、症状が重度で日常生活に著しい支障がある場合に限られます。
外科的治療は、原則として成長が終了した後、つまり18歳以降に行うのが一般的です。ただし、症状が非常に重度で、精神的苦痛が大きい場合には、専門医の判断で早期に行うこともあります。
子どもの多汗症は、学校生活や友人関係に大きな影響を与えるため、早期の対応が重要です。東京のクリニックでは、小児の多汗症治療に経験のある医師もいますので、まずは相談してみることをおすすめします。
他の疾患との関連はありますか?
多汗症は、他の疾患と関連していることがあります。
続発性多汗症の原因となる疾患としては、前述の通り、甲状腺機能亢進症、糖尿病、結核、悪性腫瘍、更年期障害などがあります。これらの疾患がある場合、まず原因疾患の治療が優先されます。
また、多汗症に伴って起こりやすい疾患もあります。皮膚疾患として、湿疹やあせも、細菌感染症(とびひなど)、真菌感染症(水虫など)などが起こりやすくなります。特に足蹠多汗症では、白癬症(水虫)を合併しやすいため、注意が必要です。
精神疾患との関連も指摘されています。不安障害、社交不安障害、うつ病などは、多汗症と相互に影響し合います。多汗症が精神疾患を引き起こすこともあれば、精神疾患が多汗症を悪化させることもあります。
このような場合、皮膚科だけでなく、精神科や心療内科との連携が必要になることもあります。東京には、複数の診療科を持つ総合病院も多いため、必要に応じて適切な診療科を紹介してもらえます。
まとめ
多汗症は、日常生活に深刻な影響を及ぼす疾患ですが、適切な治療によって症状をコントロールすることが可能です。本記事で解説した内容をまとめます。
多汗症には原発性と続発性があり、まず正確な診断を受けることが重要です。続発性の場合は、原因疾患の治療が優先されます。
治療法には、外用療法、内服療法、ボツリヌス療法、外科的治療など、様々な選択肢があります。症状の程度や発汗部位、患者さんの希望によって、最適な治療法は異なります。
保険診療と自費診療の両方があり、まずは侵襲の少ない保険診療から始めることが一般的です。効果が不十分な場合や、より確実な効果を求める場合には、自費診療も検討します。
東京都内には多汗症治療を行うクリニックが多数ありますが、専門性、実績、治療法の選択肢、アクセス、カウンセリングの質などを総合的に判断して選ぶことが大切です。
多汗症は、身体的な症状だけでなく、精神的、社会的にも大きな影響を与えます。適切な治療を受けることで、QOLは大きく改善します。
「汗のことは誰にも相談できない」と一人で悩んでいる方も多いかもしれません。しかし、多汗症は決して珍しい疾患ではなく、多くの方が同じ悩みを抱えています。そして、適切な治療を受けることで、確実に改善することができます。
アイシークリニック新宿院では、専門医が患者さん一人ひとりの症状や生活状況に合わせた最適な治療プランをご提案します。初診時のカウンセリングから治療後のフォローアップまで、丁寧にサポートいたします。
多汗症でお悩みの方は、一人で抱え込まず、まずは専門医に相談してみてください。新宿駅からアクセス便利なアイシークリニック新宿院で、あなたに合った治療法を一緒に見つけましょう。
参考文献
本記事の作成にあたり、以下の権威ある情報源を参考にしました。
- 日本皮膚科学会「原発性局所多汗症診療ガイドライン 2023年改訂版」 https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/index.php?content_id=3
- 日本皮膚科学会ホームページ https://www.dermatol.or.jp/
- 厚生労働省「多汗症に関する情報」 https://www.mhlw.go.jp/
- 日本発汗学会 http://www.hakkangakkai.jp/
- 難病情報センター https://www.nanbyou.or.jp/
- メディカルノート「多汗症」 https://medicalnote.jp/diseases/多汗症
これらの情報源は、医学的に信頼性の高い組織や団体によって提供されており、最新の医学的知見に基づいています。ただし、個々の症状や治療法については、必ず専門医に相談してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務