耳の中にできもの押すと痛い原因と対処法を医師が解説

💡 耳の中を押すと痛い…それ、放置すると悪化するかもしれません。

「何かできてる気がするけど、病院行くほど?」と迷っているあなたへ。原因によっては顔面神経麻痺や重篤な感染症に発展するケースもあります。

この記事を読めば、耳の中のできものの原因・やってはいけないNG行動・受診すべきタイミングがすべてわかります。

🚨 読まないと起こるリスク
  • 📌 自己処置で傷口が悪化・感染拡大する可能性
  • 📌 ラムゼイ・ハント症候群など重篤な病気を見逃すリスク
  • 📌 適切な治療が遅れ、治療期間が長引く恐れ
🏥
耳鼻咽喉科スタッフより
「押すと痛い耳のできもの、自己判断でいじるのは絶対NGです!
正しい知識を持って、必要なら早めに受診してくださいね。」

目次

  1. 耳の中のできものとはどの部位に起こる?
  2. 押すと痛い耳の中のできものの主な原因
  3. 原因別の症状の特徴と見分け方
  4. 耳の中のできものが痛い場合に絶対やってはいけないこと
  5. 自分でできるケアと応急処置
  6. 医療機関を受診すべきタイミング
  7. 診察・検査・治療の流れ
  8. 耳の中のできものを予防するためのポイント
  9. まとめ

📋 この記事のポイント

耳の中のできものが押すと痛い場合、外耳道炎・粉瘤・ラムゼイ・ハント症候群など原因は多岐にわたる。自己処置は悪化リスクがあり、発熱・顔面神経麻痺・膿が出る場合は速やかに耳鼻咽喉科を受診することが重要。

💡 耳の中のできものとはどの部位に起こる?

「耳の中」と一口に言っても、解剖学的にはいくつかの領域に分かれています。できものが生じやすい場所を理解しておくと、症状を正確に伝えるうえでも役立ちます。

まず、耳介(じかい)と呼ばれる外側の耳の部分から外耳道の入口にかけての領域があります。この部分は皮膚が薄く、毛穴や皮脂腺が存在するため、ニキビや毛嚢炎、粉瘤などができやすい場所です。耳たぶや耳介軟骨部にもできものが生じることがあり、押すと強い痛みを感じることがあります。

次に、外耳道(がいじどう)と呼ばれる耳の穴から鼓膜までの管状の通路です。外耳道は皮膚で覆われており、わずかに耳垢を分泌する腺もあります。湿気がこもりやすく、細菌や真菌が繁殖しやすい環境になることがあります。外耳道のできものは見えにくい位置にあるため、触れたときの痛みや詰まった感覚、聴こえの変化などで気づくことが多いです。

さらに、鼓膜の内側にある中耳という部分も存在しますが、中耳にできる病変は直接触って痛みを感じることはなく、耳の奥の痛みや耳鳴り、難聴といった症状として現れることが多いです。押すと痛いという場合は、多くは外耳や外耳道の問題であることが多いといえます。

Q. 耳の中のできものが押すと痛い主な原因は?

耳の中のできものが押すと痛い原因は、外耳道炎・毛嚢炎・おでき・粉瘤・ニキビ・外耳道真菌症・ラムゼイ・ハント症候群など多岐にわたります。原因によって治療法が異なるため、自己判断での対処は症状を悪化させるリスクがあり、耳鼻咽喉科への受診が推奨されます。

📌 押すと痛い耳の中のできものの主な原因

耳の中や耳周辺にできものができて、押すと痛みを感じる場合に考えられる原因は複数あります。それぞれの特徴を順番に見ていきましょう。

✅ 外耳道炎(がいじどうえん)

外耳道炎は、耳の穴から鼓膜までの外耳道に炎症が起きた状態です。耳の中にできものができて押すと痛い場合の原因として最も多いもののひとつです。綿棒や爪などで耳の中をかきすぎることによって皮膚が傷つき、そこから細菌(主に黄色ブドウ球菌や緑膿菌)が感染することで発症します。

外耳道炎では、外耳道の皮膚が腫れ上がり、内部に膿がたまることもあります。耳を引っ張ったり、耳珠(じじゅ:耳の穴の前の突起)を押したりすると強い痛みが走るのが特徴です。また、外耳道が腫れることで耳が詰まった感覚や軽度の難聴を感じることもあります。水泳や入浴後に湿気がこもりやすい夏に多く発症しますが、一年中起こり得ます。

📝 毛嚢炎(もうのうえん)・おでき

外耳道には細かい毛が生えており、その毛の根元(毛嚢)に細菌感染が起きることがあります。これを毛嚢炎といい、進行すると皮下に膿がたまったおでき(せつ)になります。局所的に赤く腫れ、触れると強い痛みを感じるのが特徴です。膿がたまってくると、皮膚がぷっくりと盛り上がり、明らかなできものとして感触を確認できることがあります。

自然に破れて膿が出ることで症状が和らぐこともありますが、無理に押し出そうとすると周囲に炎症が広がる危険性があります

🔸 粉瘤(ふんりゅう)・アテローム

粉瘤は、皮膚の下に皮脂や角質が袋状の組織(嚢胞)に包まれてたまった良性のできものです。耳介(外側の耳)や耳たぶ、外耳道の入口付近などにできやすく、押すと表面が少し動くような柔らかい感触があります。通常の状態では痛みを感じないことが多いですが、細菌感染を起こすと急に赤く腫れ、強い痛みが生じます。この状態を炎症性粉瘤といい、押すと強い圧痛を伴います。中心部に小さな黒い点(毛穴の開口部)が見えることもあります。

粉瘤は自然に消えることはなく、炎症を繰り返しやすいため、根治には外科的な切除が必要です。

⚡ ニキビ・脂腺嚢胞

耳介や耳の穴の入口付近には皮脂腺が存在しており、毛穴が詰まってニキビができることがあります。皮脂が過剰に分泌されたり、汚れや細菌が毛穴に詰まることで炎症を起こし、赤く腫れて痛みを感じます。耳の中のニキビは皮膚が薄く狭い場所にあるため、わずかな炎症でも強い痛みを感じることが特徴です。

🌟 外耳道真菌症(がいじどうしんきんしょう)

外耳道にカビ(真菌)が感染して起こる病気です。かゆみや耳が詰まった感覚が主な症状ですが、炎症が強くなると痛みを伴うこともあります。外耳道に白い綿状または黒い粉状のものがたまっているのが特徴です。長期間の抗生物質の使用後や、過剰な耳掃除によって外耳道の環境が乱れたときに発症しやすいとされています。

💬 耳介軟骨膜炎(じかいなんこつまくえん)

耳の軟骨を覆う軟骨膜に細菌感染が起きた状態です。外傷や虫刺されをきっかけに発症することが多く、耳介全体が赤く腫れ、触れると激しい痛みを感じます進行すると軟骨が壊死してしまうこともあるため、早期の適切な治療が必要な疾患です。

✅ ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)

水痘・帯状疱疹ウイルスが耳の神経節で再活性化することで起こる病気です。耳介や外耳道に水疱(水ぶくれ)が現れ、強い耳の痛みとともに顔面神経麻痺や難聴、めまいを引き起こすことがあります。できものというより水疱が複数集まって現れることが多く、触れると非常に痛みが強いのが特徴です。早期治療が予後に影響するため、疑わしい症状があれば速やかに受診することが重要です。

📝 良性・悪性腫瘍

まれなケースですが、外耳道や耳介に良性腫瘍(骨腫・外耳道外骨腫など)や悪性腫瘍が生じることもあります。長期間消えない、徐々に大きくなる、痛みの性質が変化するなどの場合は注意が必要です。

✨ 原因別の症状の特徴と見分け方

耳の中のできものは外から直接見えないことも多く、自分で原因を特定するのは難しいですが、症状の特徴をある程度把握しておくことで医療機関を受診する際の参考になります。

外耳道炎の場合は、耳を引っ張ったときや耳珠を押したときに痛みが増強するのが特徴的なサインです。耳の中全体が腫れているような感覚があり、耳が詰まった感じや軽い難聴を伴うことがあります。耳垂れ(耳漏)が見られることもあります。

毛嚢炎やおできは、外耳道の入口近くに限局した腫れがあり、触れると飛び上がるほどの強い痛みを感じるのが特徴です。膿がたまると皮膚が黄白色に透けて見えることもあります。

粉瘤は非感染時はほぼ痛みがなく、弾力のある丸いできものとして感触を確認できます。感染を起こすと急に赤く腫れ、押すと強い痛みが生じます。耳たぶや耳介の周囲にできることが多いです。

ニキビは白い芯のある小さな盛り上がりで、周囲が赤く炎症を起こしています。耳の穴の入口付近に単発または複数生じることが多いです。

ヘルペスによるものは、耳介や外耳道に複数の水疱が集まって現れ、焼けるような強い痛みが先行することがあります。顔面の動きが悪くなったり、目の閉じにくさ、めまいなどを伴う場合は緊急性が高い状態です。

これらの見分けは医師でも診察が必要なケースが多く、自己判断で治療しようとすることはおすすめできません。

Q. 耳の中のできものを自分で潰してよいですか?

耳の中のできものを自分で潰すことは非常に危険です。顔や耳周辺の静脈は脳につながる血管と密接に関係しており、感染が血流に乗って広がると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。膿の排出は必ず医師が適切な環境で行う必要があります。

🔍 耳の中のできものが痛い場合に絶対やってはいけないこと

耳の中のできものが痛いとき、症状を悪化させてしまう行動がいくつかあります。以下のことは絶対に避けてください。

🔸 綿棒や爪で触れたり掻いたりすること

痛みやかゆみがあると、つい耳の中を綿棒や爪でかきたくなります。しかし、これは炎症した皮膚をさらに傷つけ、感染を悪化させる原因になります。また、外耳道の奥にあるできものに綿棒が当たることで、より強い痛みや出血を引き起こすこともあります。

⚡ 無理に膿を絞り出すこと

おできや粉瘤が感染した場合、力を加えて膿を押し出そうとする方がいますが、これは非常に危険です顔や耳周辺の静脈は脳につながる血管と密接に関係しており、感染が血流に乗って広がると、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。膿の排出は必ず医師が適切な環境で行う必要があります。

🌟 市販の耳鼻科用液薬を自己判断で使用すること

市販の点耳薬には抗炎症作用を持つものもありますが、症状の原因が特定できていない状態での自己投与は、真菌感染症を悪化させたり、鼓膜に問題がある場合に有害となる可能性があります。特に耳の奥に痛みがある場合や耳垂れが見られる場合は、鼓膜に影響が出ている可能性があるため、自己対処は避けるべきです。

💬 入浴時に水が耳に入るままにしておくこと

外耳道に炎症がある場合、水分がたまると細菌や真菌がさらに繁殖しやすくなります。入浴時は耳に水が入らないよう注意し、プールや海水浴は炎症が治まるまで控えることが望ましいです。

✅ 症状を放置し続けること

「そのうち治るだろう」と放置することで、感染が深部に広がったり、難聴や顔面神経麻痺などの合併症につながるリスクがあります。特に痛みが強い、腫れが広がっている、発熱がある、顔の動きがおかしいなどの場合は速やかに受診してください

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💪 自分でできるケアと応急処置

医療機関を受診するまでの間、または軽度の症状の場合に行える自己ケアについて説明します。ただし、これらはあくまで一時的な対処法であり、症状が続く場合や悪化する場合は必ず医師に相談してください。

📝 耳を触らない

最も重要な自己ケアは、患部をできるだけ触らないことです。手には多くの雑菌が付着しており、触れるたびに感染を悪化させるリスクがあります。かゆみや違和感があっても、我慢して触れないようにすることが大切です。

🔸 清潔を保つ

耳の外側(耳介の周囲)が腫れている場合は、清潔なタオルで優しく拭く程度にとどめましょう。石けんで丁寧に洗うことは問題ありませんが、ゴシゴシと強くこすることは避けてください。

⚡ 冷やす・温める

炎症の急性期(赤み・熱感・腫れが強い時期)には、清潔な冷たいタオルや氷嚢で患部を軽く冷やすと痛みが和らぐことがあります。一方、炎症が落ち着いてきた時期や、感染ではなく血行不良が原因と考えられる場合は温めることで回復を促せることがありますが、感染が疑われる時期に温めることは炎症を広げるリスクがあるため注意が必要です。

🌟 市販の鎮痛薬を使用する

痛みが強い場合、市販のイブプロフェンやアセトアミノフェンなどの鎮痛剤を用法・用量を守って服用することで、痛みを和らげることができます。ただし、これは根本的な治療ではなく、あくまでも痛みを一時的に緩和する手段です。症状の原因を特定・治療するために医療機関への受診が必要です。

💬 耳に水が入らないようにする

入浴時にシャワーや湯船の水が耳に入らないよう、ティッシュを丸めて耳の穴に軽く当てる、または市販の耳栓を使用するのも有効です。ただし、炎症がある部位に強く押し込まないよう注意してください

Q. 耳の中のできもので緊急受診が必要な症状は?

痛みが非常に強く日常生活に支障をきたす場合、38度以上の発熱・耳からの膿や血液・急激な難聴・耳の後ろの腫れがある場合は速やかに受診が必要です。特に口の歪みや目が閉じにくいなど顔面神経麻痺の症状がある場合は、ラムゼイ・ハント症候群の疑いがあり緊急性が高いです。

🎯 医療機関を受診すべきタイミング

耳の中のできものが押すと痛い場合、どのようなタイミングで医療機関を受診すべきかについて説明します。以下のような症状がある場合は、自己判断で様子を見るのではなく、速やかに医療機関を受診することをおすすめします。

まず、痛みが非常に強く日常生活に支障をきたしている場合です。耳の痛みが安静にしていても強い、眠れないほどの痛みがある、鎮痛剤を服用しても改善しないという場合は早急な受診が必要です。

次に、発熱を伴っている場合です。38度以上の発熱がある場合は、感染が広がっている可能性があります

耳から膿や血液が出ている場合も受診が必要です。耳垂れがある場合は、鼓膜に問題が生じている可能性や、感染が進行していることを示唆します。

聴こえが急に悪くなった場合も注意が必要です。外耳道の腫れが強くなって難聴が生じることがありますが、突発性難聴や中耳炎などの可能性もあるため、早期に耳鼻咽喉科を受診することが大切です。

顔のゆがみや動きに異常がある場合は緊急性が高いです。口が曲がる、目が閉じにくい、笑ったときに顔が左右非対称になるなど顔面神経麻痺の症状がある場合は、ラムゼイ・ハント症候群などの可能性があり、早期治療が予後を大きく左右するため、すぐに医療機関を受診してください

耳の後ろが腫れている場合も注意が必要です。耳の後ろ(乳様突起部)が腫れて押すと痛い場合は、乳様突起炎という重篤な合併症の可能性があります。これは入院治療が必要になることもある状態です。

症状が1週間以上続く場合や、一度改善してまた悪化する場合、できものが徐々に大きくなる場合も受診のサインです。

受診する診療科は、基本的には耳鼻咽喉科が最も適しています。耳介の外側の粉瘤や炎症性ニキビであれば、皮膚科でも対応可能なことがあります。どちらを受診すべきか迷う場合は、耳鼻咽喉科または美容外科・皮膚科(粉瘤の治療に実績のあるクリニック)に相談するとよいでしょう。

💡 診察・検査・治療の流れ

医療機関を受診した場合、どのような流れで診察・治療が進むのかを理解しておくと安心です。

✅ 問診・視診

まず、症状の経過(いつからできものがあるか、痛みの程度や変化、発熱の有無など)について問診が行われます。その後、耳鏡(じきょう)と呼ばれる器具や顕微鏡を使って外耳道・鼓膜の状態を詳しく観察します。耳介や耳たぶなどの外側のできものは視診で直接確認できます。

📝 聴力検査

外耳道が腫れて聴こえが悪くなっていると感じる場合や、中耳への影響が疑われる場合には、聴力検査が実施されることがあります。

🔸 培養検査・分泌物の検査

耳垂れがある場合は、分泌物を採取して細菌や真菌の培養検査を行い、原因菌を特定します。これによって、より適切な抗菌薬や抗真菌薬を選択することができます。

⚡ 画像検査

重症の感染症や腫瘍が疑われる場合には、CTやMRIなどの画像検査が行われることがあります

🌟 外耳道炎・毛嚢炎の治療

外耳道炎の治療は、まず外耳道内を清潔にするための処置(耳洗浄や耳垂れの除去)を行ったうえで、抗生物質の点耳薬や軟膏の塗布が中心となります。痛みや炎症が強い場合は内服の抗生物質や鎮痛剤も処方されます。おできや毛嚢炎で膿がたまっている場合は、局所麻酔をして切開し膿を排出する処置が行われることがあります

💬 粉瘤の治療

粉瘤が感染を起こして強い炎症がある場合は、まず切開して膿を排出し炎症を鎮める応急処置が行われます。ただし、炎症期には嚢胞壁を完全に取り除くことが難しいため、炎症が落ち着いた後に改めて根治的な手術(粉瘤摘出術)を行います。根治術では嚢胞全体を取り除くことで再発を防ぎます。粉瘤は自然に治ることがないため、最終的には手術による摘出が推奨されます

✅ ヘルペス(ラムゼイ・ハント症候群)の治療

ラムゼイ・ハント症候群の治療には抗ウイルス薬(アシクロビルやバラシクロビルなど)の内服が中心となります。顔面神経麻痺がある場合はステロイド薬も併用されます。早期に治療を開始するほど回復が良好とされているため、疑わしい症状がある場合はためらわずに医療機関を受診することが大切です。

📝 外耳道真菌症の治療

外耳道の真菌感染症には、外耳道内の清掃とともに抗真菌薬の点耳薬や軟膏を使用します細菌感染と真菌感染では使用する薬が異なるため、正確な診断が重要です。

Q. 耳の中のできものを予防する方法を教えてください

耳の中のできものを予防するには、耳掃除は月1〜2回程度に抑えて綿棒を外耳道の入口にとどめること、入浴後に耳の水分をしっかり取り除くこと、イヤホン使用後はアルコール綿で清潔に拭くことが有効です。また、十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を維持することも感染予防につながります。

📌 耳の中のできものを予防するためのポイント

耳の中のできものや外耳道炎は、日常的な習慣を少し変えることで予防できることがあります。以下のポイントを参考にしてみてください。

🔸 耳掃除は最小限に

耳垢は耳の自浄作用によって自然と外側へ排出されます。過度な耳掃除は外耳道の皮膚を傷つけ、細菌感染のリスクを高めます。耳掃除をする場合は綿棒を外耳道の入口あたりにとどめ、深くまで入れないようにしましょう。頻度は月1〜2回程度が目安とされています。耳鼻咽喉科の医師の中には、「健康な耳は基本的に自分で掃除しなくてよい」と述べる方も少なくありません。

⚡ 耳に水をためない

入浴後やプール後に耳に水が残ると、湿潤な環境が細菌や真菌の繁殖を助長します。入浴後は耳を軽く傾けて水を出す、ドライヤーを遠目から当てて乾燥させるなどの工夫をするとよいでしょう。ただし、ドライヤーの熱風を直接外耳道に当てることは火傷の危険があるため注意が必要です。プールや海水浴が多い夏は特に外耳道炎が起きやすいため、意識的にケアしてください。

🌟 爪や異物を耳に入れない

かゆみがあるとつい爪や細い棒状のものを耳に入れたくなりますが、外耳道の皮膚は非常に薄く傷つきやすいため、細菌感染のきっかけになります。かゆみが続く場合は耳鼻咽喉科を受診して適切な処置を受けてください。

💬 イヤホンや補聴器を清潔に保つ

インイヤー型のイヤホンや補聴器を長時間使用すると、外耳道内が蒸れやすく、また機器に付着した汚れや細菌が外耳道に持ち込まれるリスクがあります。使用後はアルコール綿などで清潔に拭き取り、皮膚に触れる部分を清潔に保つようにしましょう。また、長時間の連続使用を避け、適度に外耳道を休ませることも大切です。

✅ 免疫力を低下させない

ストレスや睡眠不足、栄養不足によって免疫力が低下すると、普段は問題のない細菌や真菌が感染を起こしやすくなります。十分な睡眠、バランスのとれた食事、適度な運動を心がけることが全身の感染予防につながります。また、糖尿病がある方は感染症にかかりやすく、外耳道炎が重症化しやすい傾向があるため、血糖コントロールに注意することも重要です。

📝 ピアスのケアを適切に行う

耳にピアスをしている方は、ピアスホールが感染源になることがあります。ピアスホール周囲を清潔に保ち、金属アレルギーがある場合は素材を見直すことも検討しましょう。ピアスホールの周囲が赤く腫れていたり、液体が出ている場合は医療機関を受診してください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「耳の中のできものは「様子を見ていれば治るだろう」と放置されてご来院される患者様が多い印象ですが、当院では原因によっては早期治療が予後を大きく左右するケースも少なくないと実感しています。特にラムゼイ・ハント症候群のように、顔面神経麻痺を伴う場合には一刻も早い抗ウイルス薬の投与が回復の鍵となりますので、耳の痛みに加えて顔の動きに違和感を覚えた際はためらわずにご受診ください。最近の傾向として、イヤホンの長時間使用による外耳道炎のご相談も増えており、日常的なケアの見直しとあわせて、気になる症状は早めに専門医にご相談いただくことをお勧めします。」

✨ よくある質問

耳の中のできものを自分で潰しても大丈夫ですか?

自分で膿を絞り出すことは非常に危険です。顔や耳周辺の静脈は脳につながる血管と密接に関係しており、感染が血流に乗って広がると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。膿の排出は必ず医師が適切な環境で行う必要があります。痛みが強い場合は早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

耳の中のできものは何科を受診すればいいですか?

基本的には耳鼻咽喉科が最も適しています。耳介の外側にできた粉瘤や炎症性ニキビであれば皮膚科でも対応可能な場合があります。どちらを受診すべきか迷う場合は、耳鼻咽喉科または粉瘤の治療に実績のある皮膚科・美容外科に相談するとよいでしょう。アイシークリニックでも耳のできものに関するご相談に対応しています。

耳の中のできもので緊急受診が必要なのはどんな症状ですか?

以下の症状がある場合は速やかに受診してください。①痛みが非常に強く日常生活に支障をきたす、②38度以上の発熱を伴う、③耳から膿や血液が出ている、④急に聴こえが悪くなった、⑤口が曲がる・目が閉じにくいなど顔面神経麻痺の症状がある、⑥耳の後ろが腫れている、などが挙げられます。

粉瘤は放置しても自然に治りますか?

粉瘤は自然に消えることはありません。放置すると細菌感染を起こして急に赤く腫れ、強い痛みを伴う「炎症性粉瘤」になるリスクがあります。根本的な治療には外科的な切除が必要です。炎症を繰り返す前に早めに専門医へ相談し、適切な摘出手術を受けることが長期的に見ても賢明な選択です。

耳の中のできものを予防するにはどうすればいいですか?

主な予防策として、①耳掃除は月1〜2回程度・綿棒を外耳道の入口にとどめる、②入浴後は耳の水分をしっかり取り除く、③爪や異物を耳に入れない、④イヤホンや補聴器を使用後に清潔に拭く、⑤十分な睡眠とバランスのよい食事で免疫力を維持する、などが効果的です。かゆみが続く場合は耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

🔍 まとめ

耳の中にできものができて押すと痛い場合、その原因は外耳道炎、毛嚢炎・おでき、粉瘤、ニキビ、外耳道真菌症、ラムゼイ・ハント症候群など多岐にわたります。原因によって治療法がまったく異なるため、自己判断で対処しようとすることは症状を悪化させるリスクがあります

特に、痛みが非常に強い場合、発熱を伴う場合、耳から膿や血液が出る場合、顔面神経麻痺の症状がある場合、または症状が1週間以上続く場合は、速やかに耳鼻咽喉科または皮膚科・美容外科を受診することが大切です。

日常的な耳のケアとして、過度な耳掃除を避け、耳を清潔かつ乾燥した状態に保つことが外耳道炎や感染症の予防につながります。また、粉瘤のように自然に消えないできものは、炎症を繰り返す前に早めに専門医に相談して適切な治療を受けることが、長期的に見ても賢明な選択です。

耳の中のできものに不安を感じている方は、ひとりで悩まずに専門医へご相談ください。アイシークリニック新宿院では、耳や皮膚のできものに関するご相談にも対応しています。適切な診察と治療によって、早期回復を目指しましょう。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・毛嚢炎・ニキビなどの皮膚疾患の診断基準および治療ガイドラインに関する情報
  • 国立感染症研究所 – 水痘・帯状疱疹ウイルスによるラムゼイ・ハント症候群を含む帯状疱疹感染症の病態・治療・予防に関する情報
  • PubMed – 外耳道炎(Otitis externa)の原因菌・治療法・予防策に関する国際的な医学文献・エビデンス情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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