粉瘤(ふんりゅう)は皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に古い角質や皮脂が溜まる良性腫瘍です。自然治癒することはなく、放置すると徐々に大きくなったり、炎症を起こしたりする可能性があります。粉瘤の根本的な治療には手術が必要ですが、その方法には主に「切開法(従来法)」と「くり抜き法(へそ抜き法)」の2種類があります。それぞれの手術法には異なる特徴があり、粉瘤の状態や部位によって適した方法が変わってきます。この記事では、粉瘤の切開法とくり抜き法の違いについて詳しく解説し、どのような場合にどちらの方法が適しているのかをご紹介します。粉瘤の治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

目次
- 📌 粉瘤とは?基本的な知識と治療の必要性
- 🔍 粉瘤の手術方法は主に2種類
- 🔸 切開法(従来法)とは
- ✨ くり抜き法(へそ抜き法)とは
- 📋 切開法とくり抜き法の違いを比較
- 💡 粉瘤の状態別・部位別に適した手術法
- ⚡ 手術後の経過と注意点
- 🏥 アイシークリニック新宿院での粉瘤治療
- 💊 よくある質問
- 📝 まとめ
🎯 粉瘤とは?基本的な知識と治療の必要性
粉瘤は、皮膚の下にできる良性の腫瘍で、正式には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれます。皮膚の表面にある表皮細胞が何らかの原因で皮膚の内側に入り込み、袋状の構造(嚢腫)を形成します。この袋の中には、本来であれば皮膚の表面から剥がれ落ちるはずの古い角質や皮脂が蓄積していきます。
🦠 粉瘤の特徴と症状
粉瘤は体のどこにでもできる可能性がありますが、特に顔、首、背中、耳たぶの後ろなどに多く発生します。初期の段階では数ミリ程度の小さなしこりとして触れる程度ですが、放置していると徐々に大きくなり、数センチ以上に成長することもあります。
粉瘤の表面には「へそ」と呼ばれる小さな穴(開口部)が見られることが多く、これは粉瘤の特徴的な所見です。この開口部を圧迫すると、臭いのある白っぽい内容物が出てくることがあります。通常、痛みを伴うことはありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ上がり、強い痛みを生じることがあります。
🔸 粉瘤の原因
粉瘤ができる明確な原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。📌 外傷や毛穴の詰まり、ニキビの跡、ピアスの穴などがきっかけになることがあります。また、体質的に粉瘤ができやすい人もいます。毛穴が多い部位にできやすい傾向がありますが、毛のない部位にも発生することがあります。
粉瘤ができやすい体質や原因について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤ができやすい原因と体質とは?予防法や治療法を医師が解説」で詳しく解説しています。
⚠️ なぜ治療が必要なのか
粉瘤は良性腫瘍であり、悪性化することは非常に稀です。しかし、いくつかの理由から治療を検討することが推奨されます。まず、粉瘤は自然に消えることがなく、時間の経過とともに大きくなる傾向があります。大きくなってから手術を行うと、切開する範囲が広くなり、傷跡も大きくなります。
また、粉瘤は細菌感染を起こして炎症性粉瘤になるリスクがあります。炎症を起こすと、赤く腫れて痛みを伴い、膿が溜まることがあります。この状態になると、まずは炎症を抑える処置が必要となり、完全な摘出手術は炎症が落ち着いてから行うことになります。炎症を繰り返すと周囲の組織との癒着が起こり、手術が複雑になることもあります。
⚠️ 注意!
顔などの目立つ部位にできた場合は見た目の問題もあります。早期に治療することで、より小さな傷で済み、見た目への影響を最小限に抑えることができます。
粉瘤を放置した場合のリスクについては、こちらの記事「粉瘤を放置すると危険?悪化のリスクと早期治療の重要性を医師が解説」で詳しく解説しています。

🔍 粉瘤の手術方法は主に2種類
粉瘤を根本的に治療するためには、袋ごと摘出する手術が必要です。内容物だけを取り出しても袋が残っていれば再発してしまうため、袋自体を完全に取り除くことが重要です。粉瘤の手術方法には、主に「切開法(従来法)」と「くり抜き法(へそ抜き法)」の2種類があります。
💡 手術方法の選択について
どちらの手術方法を選択するかは、粉瘤の大きさ、部位、炎症の有無、過去の炎症歴などを総合的に判断して決定します。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、すべての粉瘤に対して同じ方法が最適というわけではありません。医師は粉瘤の状態を詳しく診察した上で、最も適した手術方法を提案します。
また、📌 患者様のご希望や生活スタイルも考慮されます。傷跡をできるだけ小さくしたい、早く日常生活に戻りたいなど、それぞれの優先事項に応じて方法を選択することもあります。以下では、それぞれの手術方法について詳しく解説していきます。
🔸 切開法(従来法)とは
切開法は、粉瘤の治療として長年行われてきた従来からの手術方法です。紡錘形(木の葉型)に皮膚を切開し、粉瘤の袋を周囲の組織から剥離して一塊として摘出します。その後、切開した部分を縫合して閉じます。
🔸 切開法の手術手順
切開法の手術は、まず📌 局所麻酔を行うことから始まります。粉瘤とその周囲に麻酔薬を注射し、痛みを感じないようにします。麻酔が効いたことを確認してから、実際の手術に移ります。
皮膚の切開は、粉瘤の長軸方向に沿って紡錘形に行います。粉瘤の「へそ」(開口部)を含むように切開することで、袋の一部を確実に含めて摘出することができます。切開の長さは粉瘤の大きさによって異なりますが、一般的に粉瘤の直径と同程度かそれよりやや長くなります。
切開後、粉瘤の袋を周囲の組織から丁寧に剥離していきます。袋を破らないように注意しながら、周囲との癒着を剥がして摘出します。袋が破れてしまうと内容物が周囲に漏れ出し、再発の原因になる可能性があるため、慎重に操作を行います。
粉瘤を摘出した後は、出血がないことを確認し、傷を縫合します。縫合には吸収糸(時間が経つと体内で溶ける糸)を使用する場合と、非吸収糸(後日抜糸が必要な糸)を使用する場合があります。部位や傷の大きさによって使い分けます。
✅ 切開法のメリット
切開法には、いくつかの重要なメリットがあります。最大のメリットは、粉瘤を袋ごと確実に摘出できることです。直接視認しながら手術を行うため、取り残しのリスクが低く、再発率を抑えることができます。
また、📌 大きな粉瘤や、炎症を繰り返して周囲の組織と癒着している粉瘤にも対応できます。くり抜き法では対応が難しいような複雑な症例でも、切開法であれば安全に摘出することが可能です。
さらに、摘出した組織を病理検査に提出しやすいというメリットもあります。粉瘤は通常良性ですが、まれに悪性腫瘍との鑑別が必要な場合があり、そのような場合には病理検査で正確な診断を行うことが重要です。
⚠️ 切開法のデメリット
一方で、切開法にはいくつかのデメリットもあります。最も気になる点は、傷跡が比較的大きくなることです。粉瘤の大きさに応じた切開が必要なため、特に大きな粉瘤の場合は傷跡も長くなります。
また、📌 手術時間はくり抜き法と比べてやや長くなる傾向があります。丁寧に剥離を行い、確実に縫合する必要があるためです。ただし、通常は20〜30分程度で完了することがほとんどです。
術後の回復についても、くり抜き法と比べると若干時間がかかることがあります。縫合した傷が治るまでには一定の期間が必要であり、部位によっては日常生活に制限が生じることもあります。抜糸は通常、手術から1〜2週間後に行います。
✨ くり抜き法(へそ抜き法)とは
くり抜き法は、トレパンと呼ばれる円筒状の医療器具を使用して、粉瘤の開口部(へそ)を中心に小さな穴を開け、そこから内容物と袋を摘出する方法です。「へそ抜き法」とも呼ばれ、切開法と比較して傷跡が小さく済むことが特徴です。
くり抜き法について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤のくりぬき法とは?メリット・デメリットや切開法との違いを解説」で詳しく解説しています。
🔸 くり抜き法の手術手順
くり抜き法の手術も、まず📌 局所麻酔から始まります。粉瘤とその周囲に麻酔薬を注射し、十分に麻酔が効いてから手術を開始します。
次に、トレパン(直径2〜6mm程度の円筒状の刃物)を使用して、粉瘤の開口部を中心に皮膚をくり抜きます。トレパンのサイズは粉瘤の大きさや状態に応じて選択します。小さな粉瘤であれば2〜3mm程度の穴で対応できますが、大きな粉瘤の場合はより大きなトレパンを使用することもあります。
穴を開けたら、まず粉瘤の内容物(角質や皮脂の塊)を押し出すようにして取り出します。内容物を排出することで袋が小さくなり、その後、袋の壁を鉗子(ピンセットのような器具)でつまんで引き出します。袋を少しずつ周囲から剥離しながら、全体を摘出していきます。
摘出後は、傷口を縫合するか、そのまま開放創として治癒を待つかを判断します。小さな穴であれば縫合せずに自然に塞がるのを待つこともありますし、ある程度の大きさがあれば1〜2針程度縫合することもあります。
✅ くり抜き法のメリット
くり抜き法の最大のメリットは、傷跡が小さく済むことです。切開法では粉瘤の大きさと同程度の直線状の傷ができますが、くり抜き法では数ミリの円形の傷で済むことが多いです。特に顔や首など目立つ部位にできた粉瘤の場合、傷跡を最小限に抑えられることは大きなメリットとなります。
また、📌 手術時間が短いこともメリットの一つです。くり抜き法は比較的シンプルな手技であり、慣れた医師が行えば10〜15分程度で完了することが多いです。患者様の負担も軽減されます。
術後の回復も早い傾向があります。傷が小さいため、治癒までの期間が短く、日常生活への影響も最小限に抑えられます。縫合しない場合は抜糸も不要です。
⚠️ くり抜き法のデメリット
くり抜き法にもいくつかのデメリットがあります。まず、すべての粉瘤に適用できるわけではありません。非常に大きな粉瘤や、炎症を繰り返して周囲と強く癒着している粉瘤の場合は、くり抜き法では完全に摘出できないことがあります。
また、📌 袋を分割して取り出すことになるため、切開法と比べると取り残しのリスクがやや高くなる可能性があります。袋の一部が残ってしまうと、そこから再発することがあります。ただし、経験豊富な医師が行えば、再発率に大きな差はないとされています。
さらに、内容物を押し出す際に袋が破れてしまうことがあり、その場合は内容物が周囲に散らばる可能性があります。これが炎症の原因になることもあるため、術後のケアが重要になります。
📋 切開法とくり抜き法の違いを比較
切開法とくり抜き法の違いを、さまざまな観点から比較してみましょう。それぞれの特徴を理解することで、ご自身の状況に合った方法を選ぶ参考になります。
💧 傷跡の大きさと見た目
傷跡の大きさは、両者の最も大きな違いの一つです。切開法では、粉瘤の大きさに応じた紡錘形の切開を行うため、傷跡は直線状になります。例えば、直径2cmの粉瘤を切開法で摘出した場合、傷跡の長さは2〜3cm程度になることが一般的です。
一方、くり抜き法では、トレパンの大きさに応じた円形の傷跡になります。直径2cmの粉瘤でも、4〜6mm程度の穴から摘出できることがあり、最終的な傷跡は切開法と比べてかなり小さくなります。
💡 ポイント
ただし、傷跡の目立ちやすさは、大きさだけでなく、傷の位置や治癒の過程にも影響されます。どちらの方法でも、適切なケアを行い、傷跡が目立たなくなるよう配慮することが大切です。
⚡ 手術時間
手術時間は、くり抜き法の方が一般的に短くなります。くり抜き法は10〜15分程度で完了することが多いのに対し、切開法は20〜30分程度かかることが一般的です。ただし、これは粉瘤の大きさや状態、周囲との癒着の程度によって変わります。
小さくて単純な粉瘤であれば、どちらの方法でも短時間で終わりますが、大きな粉瘤や複雑な症例では、切開法でより丁寧に時間をかけて手術を行う必要があります。
手術時間について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤手術の時間はどのくらい?手術の流れや術後の過ごし方を医師が解説」で詳しく解説しています。
🔍 再発率
粉瘤の手術において、再発率は重要な考慮事項です。理論的には、袋を完全に一塊として摘出できる切開法の方が、取り残しのリスクが低く、再発率も低いと考えられてきました。
しかし、近年の研究では、くり抜き法でも適切に行えば切開法と同等の再発率であることが報告されています。重要なのは手術方法自体よりも、袋を完全に摘出できているかどうかです。経験豊富な医師がくり抜き法を行えば、再発率は1〜2%程度に抑えられるとされています。
ただし、📌 炎症を繰り返している粉瘤や、非常に大きな粉瘤の場合は、切開法の方が確実に摘出できるため、再発リスクを最小限に抑えたい場合は切開法が選択されることがあります。
再発について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤が再発する原因とは?繰り返さないための治療法と予防策を解説」で詳しく解説しています。
✨ 術後の回復期間
術後の回復期間は、傷の大きさに比例する傾向があります。くり抜き法は傷が小さいため、治癒までの期間が短く、通常1〜2週間程度で傷が塞がります。縫合しない場合は抜糸の必要もありません。
切開法の場合は、傷の大きさによりますが、抜糸まで1〜2週間程度かかり、傷が完全に治癒するまでにはさらに時間を要することがあります。ただし、しっかりと縫合されているため、傷が開いてしまうリスクは低くなります。
術後のケア方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤手術後のケア方法を医師が解説|傷跡を残さないためのポイント」で詳しく解説しています。
📌 適応となる粉瘤の条件
くり抜き法が適しているのは、比較的小さな粉瘤(目安として直径3cm以下程度)で、炎症を起こしていない、または炎症が軽度な場合です。また、周囲の組織との癒着が少ない粉瘤にも適しています。
切開法が適しているのは、大きな粉瘤、炎症を繰り返している粉瘤、周囲と強く癒着している粉瘤などです。また、悪性腫瘍の可能性を否定できない場合も、切開法で摘出し、病理検査を行うことが推奨されます。
粉瘤の大きさ別の手術目安について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤の大きさ別手術目安|何センチから手術が必要?専門医が解説」で詳しく解説しています。
💡 粉瘤の状態別・部位別に適した手術法
粉瘤の手術方法を選択する際には、粉瘤の状態や発生部位を考慮することが重要です。ここでは、具体的な状況に応じた手術法の選択について解説します。
💧 炎症を起こしていない粉瘤の場合
炎症を起こしていない粉瘤(非炎症性粉瘤)は、最も手術しやすい状態です。袋と周囲の組織の境界がはっきりしており、どちらの方法でも摘出しやすくなっています。
📌 小さな非炎症性粉瘤(直径2cm以下程度)であれば、くり抜き法が第一選択となることが多いです。傷跡を最小限に抑えつつ、確実に摘出することができます。
中程度以上の大きさ(直径2〜3cm以上)の非炎症性粉瘤では、くり抜き法でも対応可能な場合がありますが、切開法の方が確実に摘出できることもあります。医師が粉瘤の状態を診察した上で、最適な方法を判断します。
🦠 炎症を起こしている粉瘤の場合
粉瘤が細菌感染を起こして炎症性粉瘤になっている場合は、治療のアプローチが変わります。急性炎症期(赤く腫れて痛みがある状態)には、まず炎症を抑える処置が優先されます。
🚨 緊急度高!
炎症が強い場合は、切開して排膿(膿を出す処置)を行い、抗菌薬を投与して炎症を鎮めます。この段階では袋の完全摘出は行わず、炎症が落ち着いてから改めて手術を行います。
炎症が落ち着いた後の手術では、炎症を起こした粉瘤は周囲の組織との癒着が起こっていることが多いため、切開法が選択されることが多くなります。癒着がある状態ではくり抜き法では完全に摘出することが難しく、取り残しによる再発リスクが高まるためです。
炎症性粉瘤について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤が炎症を起こしたときの対処法|放置のリスクと治療について解説」で詳しく解説しています。
✨ 顔にできた粉瘤の場合
顔は見た目に直結する部位であり、傷跡への配慮が特に重要です。そのため、顔にできた粉瘤に対しては、傷跡が小さく済むくり抜き法が優先的に検討されることが多いです。
特に、📌 額、頬、こめかみなどの目立つ部位にできた小さな粉瘤は、くり抜き法の良い適応となります。数ミリの傷跡であれば、時間の経過とともにほとんど目立たなくなることが期待できます。
ただし、顔でも眉毛の中や髪の生え際など、傷跡が隠れやすい部位であれば、切開法でも見た目への影響は少なくなります。また、大きな粉瘤や炎症を繰り返している場合は、確実な摘出を優先して切開法を選択することもあります。
傷跡について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤の手術で傷跡は残らない?目立たない治療法と術後ケアを解説」で詳しく解説しています。
💧 背中や臀部にできた粉瘤の場合
背中や臀部は粉瘤ができやすい部位ですが、衣服で隠れるため、傷跡への配慮は顔ほど重視されないことが多いです。そのため、粉瘤の状態に応じて最適な方法を選択しやすくなります。
📌 背中の粉瘤は、放置すると大きくなりやすく、また摩擦や圧迫を受けやすいため炎症を起こすリスクもあります。小さいうちにくり抜き法で摘出するか、ある程度大きくなってしまった場合は切開法で確実に摘出するか、状態に応じて判断します。
臀部の粉瘤は、座る際の圧迫で炎症を起こしやすい部位です。炎症を起こす前に早めに治療することが推奨されます。
おしりの粉瘤について詳しく知りたい方は、こちらの記事「おしりの粉瘤(ふんりゅう)とは?原因・症状・治療法を専門医が解説」で詳しく解説しています。
🔸 耳たぶにできた粉瘤の場合
耳たぶは粉瘤ができやすい部位の一つで、ピアスの穴がきっかけになることもあります。耳たぶは組織が薄く、粉瘤が小さいうちでも目立ちやすい部位です。
耳たぶの粉瘤は比較的小さいことが多く、くり抜き法で対応できることが多いです。ただし、耳たぶの形状を維持しながら手術を行う必要があり、技術を要する部位でもあります。
⚡ 手術後の経過と注意点
粉瘤の手術後は、適切なケアを行うことで傷の治りを促進し、合併症を予防することができます。切開法とくり抜き法で基本的なケアは共通していますが、いくつかの違いもあります。
🔸 手術当日の過ごし方
手術は局所麻酔で行われるため、手術後は歩いて帰宅することができます。ただし、麻酔の影響や緊張などで体調が優れないこともあるため、無理な運動や活動は避けましょう。
手術当日は入浴やシャワーを避け、傷口を濡らさないようにします。処方された薬がある場合は、指示通りに服用してください。痛み止めは痛みが出たときに服用しますが、抗菌薬が処方された場合は決められた用法・用量を守って服用することが重要です。
💧 翌日以降のケア
手術翌日以降は、医師の指示に従ってガーゼ交換を行います。傷口を清潔に保ち、感染を防ぐことが大切です。📌 シャワーは翌日から可能なことが多いですが、傷口を直接こすったり、長時間水に浸けたりすることは避けてください。
切開法の場合は、抜糸まで約1〜2週間かかります。この間、傷口を引っ張ったり、強い力が加わったりしないよう注意が必要です。くり抜き法で縫合しなかった場合は、傷口が自然に塞がるまで清潔なガーゼで保護し続けます。
📌 日常生活での注意点
手術後、激しい運動や重いものを持つなどの動作は、傷口に負担をかけるため、1〜2週間程度は控えることが推奨されます。特に、手術部位が動きやすい場所(関節の近くなど)の場合は、より慎重に過ごしましょう。
📌 飲酒は血行を促進し、出血のリスクを高めるため、手術後数日間は控えてください。喫煙も傷の治りを遅らせる原因になるため、可能な限り控えることが望ましいです。
仕事や学校への復帰は、手術部位や仕事内容によって異なります。デスクワークであれば翌日から可能なことが多いですが、肉体労働や傷口に負担がかかる仕事の場合は、医師に相談して復帰時期を決めましょう。
⚠️ 術後に注意すべき症状
手術後、以下のような症状がある場合は、早めに医療機関を受診してください。
- 📌 傷口からの出血が止まらない
- 📌 傷口が赤く腫れて熱を持っている
- 📌 膿のような分泌物が出る
- 📌 痛みが日に日に強くなる
- 📌 発熱がある
これらの症状は感染や合併症のサインである可能性があります。
軽度の腫れや内出血は正常な経過であり、時間とともに改善します。また、縫合部に若干の突っ張り感を感じることもありますが、これも通常は徐々に軽減していきます。
✨ 傷跡のケア
傷が治った後も、傷跡のケアを続けることで、より目立たない傷跡にすることができます。傷跡は紫外線に当たると色素沈着を起こしやすいため、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策が重要です。
また、傷跡を目立たなくするためのテープ(サージカルテープ)を貼り続けることが推奨されることもあります。テープを貼ることで傷跡にかかる張力を減らし、傷跡が幅広くなるのを防ぐ効果があります。3〜6ヶ月程度続けることで、より良い結果が期待できます。
🏥 アイシークリニック新宿院での粉瘤治療
アイシークリニック新宿院では、粉瘤の診断から治療まで、専門的な医療を提供しています。患者様一人ひとりの粉瘤の状態を丁寧に診察し、最適な治療方法をご提案いたします。
🔍 丁寧な診察と説明
初診では、まず粉瘤の視診と触診を行い、大きさ、硬さ、炎症の有無、周囲との癒着の程度などを評価します。必要に応じて超音波検査(エコー検査)を行い、粉瘤の深さや周囲の構造との関係を確認することもあります。
診察結果をもとに、切開法とくり抜き法のどちらが適しているかを判断し、それぞれの方法のメリット・デメリットを分かりやすくご説明します。患者様のご希望も伺いながら、最終的な治療方針を一緒に決定していきます。
💊 経験豊富な医師による手術
粉瘤の手術は、経験と技術が結果に大きく影響します。アイシークリニック新宿院では、多くの粉瘤手術の実績を持つ医師が手術を担当します。切開法、くり抜き法のいずれにも対応可能であり、粉瘤の状態に応じて最適な方法を選択します。
手術は清潔な環境で行われ、感染対策も徹底しています。局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射自体の痛みも、できるだけ軽減するよう工夫しています。
🔸 術後のフォローアップ
手術後は、適切な間隔で経過観察を行います。傷の治り具合を確認し、必要に応じて処置を行います。抜糸がある場合は、適切な時期に抜糸を行います。
何か気になる症状があれば、いつでもご相談いただける体制を整えています。術後のケアについても丁寧にご説明し、自宅でのケアがしっかりとできるようサポートします。
💡 保険診療について
粉瘤の手術は、健康保険が適用される保険診療です。アイシークリニック新宿院では、保険診療として粉瘤の治療を行っています。費用は粉瘤の大きさや部位によって異なりますが、保険適用により自己負担額は抑えられます。具体的な費用については、診察時にご説明いたします。
日帰り手術について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤の日帰り手術とは?費用・流れ・術後の注意点を専門医が詳しく解説」で詳しく解説しています。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では粉瘤の状態と患者様のご希望を十分に考慮し、切開法とくり抜き法を使い分けています。特に顔の粉瘤では傷跡への配慮を重視し、くり抜き法を選択することが多く、患者様の満足度も高い結果を得ています。」
💊 よくある質問
粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができている状態であり、この袋を取り除かない限り根本的な治療にはなりません。内容物を押し出したり、薬を塗ったりしても袋自体は残っているため、時間が経てば再び内容物が溜まります。そのため、粉瘤の根本的な治療には手術による袋の摘出が必要です。ただし、炎症を起こしている場合は、まず炎症を抑える治療を行ってから手術を検討します。
どちらの方法も局所麻酔を使用して行うため、手術中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みを感じることがありますが、その後は痛みを感じることなく手術を受けることができます。術後の痛みについては、傷の大きさが小さいくり抜き法の方がやや軽い傾向がありますが、処方される痛み止めで十分にコントロールできる程度です。
診察の結果、手術適応と判断された場合は、当日に手術を行うことも可能です。ただし、粉瘤の状態や予約状況によっては後日に手術を行うことがあります。炎症を起こしている場合は、まず炎症を抑える処置を行い、炎症が落ち着いてから手術を行います。当日手術をご希望の場合は、予約時にお伝えください。
デスクワークなどの軽作業であれば、手術翌日から復帰できることが多いです。ただし、肉体労働や手術部位に負担がかかる仕事の場合は、1週間程度お休みを取ることが望ましい場合もあります。また、顔の手術の場合は、傷や腫れが目立つ間は人前に出る仕事を控えたいという方もいらっしゃいます。具体的な復帰時期については、手術後に医師からご説明します。
自分で粉瘤を潰してしまった場合、袋の一部が皮膚の下に残っているため、時間が経てば再び大きくなる可能性が高いです。また、潰した際に細菌が入り込むと感染を起こし、炎症性粉瘤になるリスクもあります。潰してしまった後は、傷口を清潔に保ち、赤く腫れてきたり痛みが出てきたりした場合は早めに医療機関を受診してください。炎症が落ち着いた後に、残っている袋を手術で摘出することをお勧めします。
📝 まとめ
粉瘤の手術方法には、切開法(従来法)とくり抜き法(へそ抜き法)の2種類があり、それぞれに特徴があります。切開法は袋を確実に摘出できるメリットがある一方で、傷跡が比較的大きくなるデメリットがあります。くり抜き法は傷跡が小さく済むメリットがありますが、すべての粉瘤に適用できるわけではありません。
どちらの方法が適しているかは、粉瘤の大きさ、部位、炎症の有無、過去の炎症歴などによって異なります。大切なのは、ご自身の粉瘤の状態に合った方法を選択することです。
粉瘤は自然に治ることはなく、放置すると大きくなったり炎症を起こしたりする可能性があります。気になる粉瘤がある方は、早めに専門医に相談することをお勧めします。アイシークリニック新宿院では、経験豊富な医師が粉瘤の状態を丁寧に診察し、最適な治療方法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
