粉瘤とは何か?原因・症状・治療まで徹底解説

皮膚の下に気になるしこりを見つけて、ドキッとしたことはありませんか?
それ、粉瘤(ふんりゅう)かもしれません。

💬 こんな経験ありませんか?
「背中にコリっとしたしこりがある…なんだろう?」
「押すと臭いが出てきた…これって大丈夫?」
「放置したら赤く腫れてきた…もしかして悪化してる!?」
🚨 放置は絶対NG!
粉瘤は自然には治りません。放置すると炎症・感染・破裂のリスクが急上昇。早めの受診が最善策です。
📖 この記事を読むとわかること
  • ✅ 粉瘤の正体・原因・症状
  • 炎症が起きたときの対処法
  • ✅ 手術・くり抜き法など治療の全パターン
  • 絶対にやってはいけないNG行動
  • ✅ 受診すべきタイミングの目安

目次

  1. 粉瘤(ふんりゅう)とはどんな病気か
  2. 粉瘤ができる原因
  3. 粉瘤が発生しやすい部位
  4. 粉瘤の主な症状と見分け方
  5. 炎症性粉瘤とは何か
  6. 粉瘤の診断方法
  7. 粉瘤の治療法
  8. 粉瘤は自然に治るのか
  9. 粉瘤と間違えやすい他の病気
  10. 粉瘤の予防と日常生活での注意点
  11. 粉瘤を放置すると何が起こるか
  12. まとめ

この記事のポイント

粉瘤は皮膚下に袋状の嚢腫が形成される良性腫瘍で、自然治癒はなく放置すると炎症・感染リスクが高まる。治療は手術による嚢腫壁の摘出が基本で、自己処置は厳禁。気になるしこりは早めに皮膚科・形成外科への受診が推奨される。

💡 粉瘤(ふんりゅう)とはどんな病気か

粉瘤とは、皮膚の下に袋状の組織(嚢腫)が形成され、その中に老廃物や皮脂、角質などが蓄積された状態の腫瘍です。医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれることが多く、英語では「epidermoid cyst(エピダーモイドシスト)」とも表記されます。良性の腫瘍であるため、基本的には悪性化(がん化)することは極めてまれとされていますが、それ自体が消えることもないため、適切な処置が必要です。

粉瘤の特徴は、皮膚の表面に小さな開口部(いわゆる「黒点」や「臍」と呼ばれる部分)が存在し、袋の中には白や黄色みがかったドロドロとした内容物が詰まっている点です。この内容物は主にケラチン(角質タンパク)と皮脂で構成されており、独特のにおいを伴うことがあります。

粉瘤は年齢や性別を問わず発生しますが、思春期以降の若い世代から中年層にかけて多く見られます。統計的に見ても、皮膚科や形成外科を受診する患者のうち粉瘤を主訴とするケースはかなりの割合を占めており、日常的に非常によく遭遇する疾患です。

Q. 粉瘤はなぜ自然に治らないのか?

粉瘤は皮膚の下に形成された袋状の嚢腫壁が体内に残り続けるため、自然には消えません。内容物が一時的に排出されてしこりが小さく見えても、袋が残る限り再び内容物が蓄積されます。放置すると徐々に大きくなり、炎症や感染リスクも高まるため、早めに皮膚科や形成外科を受診することが推奨されます。

📌 粉瘤ができる原因

粉瘤が形成される主な原因は、皮膚の表皮細胞が何らかの理由によって皮膚の内部に入り込み、そこで増殖して袋状の構造(嚢腫壁)を形成することにあります。本来、表皮細胞は皮膚の表面で角化(硬くなること)しながら剥がれ落ちていくものですが、皮膚の内側に入り込んだ細胞は外に出られなくなるため、ケラチンや皮脂が内部に蓄積され続けます。

原因としては、大きく以下のようなものが挙げられます。

✅ 毛包(毛穴)の閉塞・変形

粉瘤の原因として最もよく見られるのが、毛包の閉塞や変形です。毛穴(毛包)は皮膚の表面と内部をつなぐ構造ですが、皮脂や汚れ、古い角質が毛穴に詰まると、毛包内部に圧力がかかり、やがて嚢腫壁が形成されます。アクネ(ニキビ)の後に粉瘤が生じることがあるのも、このメカニズムと関連しています。

📝 外傷・皮膚への刺激

切り傷や打撲、手術の傷跡など、皮膚に物理的な損傷が加わった際に表皮細胞が皮下組織に埋め込まれることがあります。これが原因となって粉瘤が発生するケースもあります。特に外傷後の部位や、繰り返し摩擦が加わりやすい箇所には注意が必要です。

🔸 ウイルス感染(HPV)

ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が粉瘤の発生に関与することがあると報告されています。特に足底(足の裏)に生じる粉瘤はウイルス性のものが多いとされており、いぼ(疣贅)との関連が指摘されています。

⚡ 先天的・遺伝的要因

一部の症例では、生まれつきの皮膚構造の異常や遺伝的素因が関与していることがあります。「ガードナー症候群」などの遺伝性疾患に合併して粉瘤が多発するケースもあります。このような場合は皮膚だけでなく全身的な評価が必要になることもあります。

🌟 紫外線・環境的要因

長期間にわたる紫外線の刺激が皮膚細胞に影響を与え、粉瘤の発生につながる可能性も示唆されています。また、油分の多い環境での作業や、化粧品・日焼け止め剤が毛穴を塞ぐことが粉瘤の一因になり得るとも考えられています。

なお、粉瘤は生活習慣の乱れや食事だけで直接引き起こされるものではありませんが、皮膚の状態を整えることで間接的に予防につながる可能性はあります。

✨ 粉瘤が発生しやすい部位

粉瘤は毛包が存在する部位であればどこにでも発生しますが、特に発生頻度が高い部位があります。

顔(特にほほや耳の周辺、おでこ)は粉瘤が生じやすい部位の一つです。皮脂腺が発達しており、毛穴も多いことから、閉塞が起きやすい環境にあります。背中や肩、首の後ろも頻度が高く、本人が気づきにくい部位でもあるため、発見が遅れることがあります。

また、耳の後ろや耳たぶにも粉瘤はよくできます。耳たぶの粉瘤はピアスの穴が原因となることもあり、若い世代に多く見られます。鼡径部(そけいぶ、股の付け根)や陰部、臀部(おしり)にも発生することがあり、下着や摩擦による刺激が関与していることがあります。

手のひらや足の裏は毛包がないため通常は粉瘤ができにくいとされていますが、外傷性や角質封入性のものが生じることはあります。粉瘤は体のあらゆる部位に起こりうるため、皮膚の下にしこりを感じたら早めに専門家に相談することが大切です。

Q. 粉瘤の原因にはどのようなものがあるか?

粉瘤の主な原因は、毛包(毛穴)の閉塞・変形、切り傷などの外傷による表皮細胞の皮下への埋め込み、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染、先天的・遺伝的要因などです。ガードナー症候群など遺伝性疾患に合併して多発するケースもあり、その場合は全身的な評価が必要になることがあります。

🔍 粉瘤の主な症状と見分け方

粉瘤の外見的な特徴として最もわかりやすいのは、皮膚の下に丸みを帯びたしこりが触れることです。サイズは数ミリから数センチまでさまざまで、長期間にわたってゆっくりと大きくなることが多いです。

表面をよく見ると、中央部に小さな黒い点(開口部)が確認できることがあります。これは毛穴に由来するもので、粉瘤を特定する際の重要なサインとなります。この開口部を強く押すと白や黄色みがかったにおいのある内容物(皮脂や角質の塊)が出てくることがありますが、自己判断で絞り出そうとするのは非常に危険です(後述)。

炎症がない状態の粉瘤は、多くの場合は痛みがなく、皮膚との境界が比較的明瞭で、押すとある程度動く感触があります。色は周囲の皮膚と変わらないか、やや白みがかって見えることがあります。

粉瘤の大きさや増大速度には個人差があり、数年にわたってほとんど変化しないものもあれば、短期間で急速に大きくなるものもあります。急速に大きくなる場合や、赤みや痛みを伴う場合は、炎症や感染の可能性があるため早急に受診することをすすめます。

💪 炎症性粉瘤とは何か

粉瘤は通常の状態では痛みや赤みを伴わない良性のしこりですが、袋の内容物が漏れ出したり細菌感染が加わることで炎症を起こすことがあります。これを「炎症性粉瘤」と呼びます。

炎症性粉瘤になると、それまで無症状だったしこりが急に赤く腫れ上がり、強い痛みや熱感を伴うようになります。さらに進行すると膿が溜まり(膿瘍形成)、破れて内容物が排出されることもあります。この状態になると見た目にも明らかな変化が生じるため、本人や周囲の人が気づきやすくなります。

炎症性粉瘤の引き金になりやすいのが、自己流での絞り出し行為です。粉瘤の開口部から内容物を無理に押し出そうとすると、袋が内側で破れて炎症を引き起こすリスクが高まります。また、強い圧迫や摩擦も炎症の誘因となることがあります。

炎症性粉瘤の治療には、急性期には抗菌薬の内服や切開排膿(膿を切って排出する処置)が行われます。ただし、炎症が治まった後も袋(嚢腫壁)が残っている限り再発のリスクがあるため、落ち着いた段階で根治的な手術を行うことが望ましいとされています。炎症が強い状態での手術は技術的に難しく、傷が残りやすいため、まず炎症を落ち着かせてから手術を行うのが一般的なアプローチです。

🎯 粉瘤の診断方法

粉瘤の診断は、多くの場合は視診(目で見る診察)と触診(手で触れる診察)によって行われます。特徴的な外観(皮膚下のしこり、中央の開口部)から比較的容易に診断できる疾患ですが、他のしこり状の病変との鑑別が必要な場合もあります。

より詳しい評価が必要な場合は、超音波検査(エコー検査)が有用です。超音波検査によって嚢腫の深さ、大きさ、内容物の性状などを確認することができ、周囲の組織との関係を把握するのに役立ちます。特にしこりの形状が不規則であったり、急速に増大している場合などは、悪性腫瘍との鑑別のためにエコー検査やMRIが行われることがあります。

手術によって摘出した組織は、病理検査(顕微鏡で詳しく調べる検査)に出されることが多く、最終的な診断は病理検査によって確定されます。粉瘤は病理学的には「表皮嚢腫」として診断されますが、同様に見えるしこりが別の組織由来である場合もあるため、摘出後の病理確認は非常に重要なステップです。

Q. 粉瘤の手術にはどのような種類があるか?

粉瘤の手術には主に「切開法」と「くり抜き法(トレパン法)」の2種類があります。切開法は嚢腫壁を確実に除去でき再発リスクが低い一方、傷跡が残りやすい特徴があります。くり抜き法は小さな穴から摘出するため傷跡が目立ちにくく顔面にも適しています。いずれも局所麻酔による日帰り手術で、多くは30分以内で終了します。

💡 粉瘤の治療法

粉瘤を根本的に治療するには、外科的手術による摘出が必要です。薬でなくなることはなく、自然消退も通常は期待できません。手術には主に「切開法」と「くり抜き法(トレパン法)」の2種類があります。

💬 切開法

粉瘤の上の皮膚を切開し、袋ごと取り出す方法です。確実に嚢腫壁を取り除けるため再発リスクが低く、大きな粉瘤や炎症が繰り返されたものに対して適しています。ただし、切開線が比較的長くなることが多いため、傷跡が残ることがあります。術後は縫合が行われ、数日から1週間程度で抜糸します。

✅ くり抜き法(トレパン法・へそ抜き法)

粉瘤の開口部(へそ)に円形のパンチ(トレパン)と呼ばれる器具を使って小さな穴を開け、そこから内容物と嚢腫壁を取り出す方法です。傷口が小さく、縫合が不要な場合も多いため傷跡が目立ちにくい利点があります。比較的小さな粉瘤に向いており、顔面など傷跡が気になる部位にも対応しやすい術式です。ただし、大きな粉瘤や炎症後で嚢腫壁が周囲と癒着しているケースでは、くり抜き法での完全摘出が難しい場合があります。

どちらの術式も局所麻酔で行われ、日帰りで施術できることがほとんどです。手術時間は粉瘤のサイズや状態によって異なりますが、一般的には30分以内で終了することが多いです。

📝 炎症期の処置

粉瘤が炎症を起こして膿が溜まっている場合(炎症性粉瘤)は、まず切開して膿を排出する処置が行われます。これにより痛みや腫れを速やかに改善することができます。ただし、この段階で嚢腫壁を完全に除去することは難しいため、炎症が完全に収まった数週間から数ヶ月後に改めて根治手術を行うことが一般的です。

治療後の経過については、術後に感染や血腫(血が溜まること)が生じるリスクがわずかにあります。医師の指示に従って適切なケアを行うことで、良好な経過が見込まれます。また、嚢腫壁が完全に除去されなかった場合は再発する可能性があるため、術後の定期的な観察も重要です。

📌 粉瘤は自然に治るのか

粉瘤が自然に消えることは基本的にありません。嚢腫壁(袋の壁)は体内の組織として存在し続けるため、何もしなければ内容物は増え続け、徐々に大きくなっていくことがほとんどです。稀に内容物が自然に排出されてしこりが小さくなることはありますが、袋そのものが残る限り再び内容物が溜まってきます。

「痛みもないし、小さいからしばらく様子を見ていよう」と考える方も多いですが、粉瘤は放置すると大きくなったり、ある日突然炎症を起こして強い痛みと腫れが現れることがあります。小さいうちに治療するほど手術の傷口も小さく済み、回復も早いことが多いため、粉瘤と診断されたら早めに専門の医療機関に相談することをすすめます。

また、「粉瘤の内容物を自分で絞り出せばなくなる」と思って行為に及ぶ方がいますが、これは絶対に避けるべきです。開口部から内容物が出たとしても袋は残っていますし、自己処置によって内容物が皮下に漏れて炎症を引き起こしたり、細菌感染を招くリスクがあります。

✨ 粉瘤と間違えやすい他の病気

皮膚の下にできるしこりはすべてが粉瘤というわけではなく、似た症状を示す別の疾患も存在します。自己判断で「粉瘤だろう」と思って放置することの危険性を理解するためにも、代表的な鑑別疾患を知っておくことは有益です。

🔸 脂肪腫(しぼうしゅ)

脂肪細胞が増殖してできる良性の腫瘤で、粉瘤と混同されやすい疾患です。脂肪腫は皮膚よりも深い場所にある脂肪組織に発生し、中央に開口部(黒点)がないことが粉瘤との大きな違いです。触感はやや柔らかく、ゴムのように弾性があります。こちらも基本的には良性ですが、急速に大きくなる場合などは摘出が検討されます。

⚡ 石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)

皮膚の下に石のように硬いしこりができる良性腫瘍で、主に小児や若者に見られます。頬や腕に多く、触れると非常に硬く感じられるのが特徴です。手術で摘出できますが、粉瘤とは全く異なる病変であるため、診断と治療の方針が変わります。

🌟 ガングリオン

関節や腱の周囲にできるゼリー状の内容物を含む嚢腫です。手首や足の甲に多く見られます。粉瘤と異なり、関節や腱との連続性があることが多く、中央に開口部はありません。

💬 リンパ節の腫れ

首や脇の下、鼡径部などに存在するリンパ節が炎症や感染、腫瘍などの影響で腫れることがあります。この場合は粉瘤とは異なる評価と治療が必要です。特にリンパ節が急速に大きくなる場合や、熱・体重減少などの全身症状を伴う場合は早急な受診が必要です。

✅ 皮膚がん・悪性腫瘍

外見上は良性に見えても、悪性の腫瘍である可能性を完全には否定できません。しこりが急速に大きくなる、表面が不規則、硬さが強い、色の変化がある、痛みが持続するなどの特徴がある場合は、専門医による精査が不可欠です。自己判断せず、早めに皮膚科や形成外科を受診することが重要です。

Q. 粉瘤と間違えやすい病気にはどんなものがあるか?

粉瘤と混同されやすい疾患として、中央に開口部がなく触感が柔らかい脂肪腫、非常に硬い石灰化上皮腫、関節周囲にできるガングリオン、感染や腫瘍で腫れるリンパ節などがあります。しこりが急速に大きくなる・硬い・色が変わるなどの場合は悪性腫瘍の可能性もあるため、自己判断せず専門医への受診が不可欠です。

🔍 粉瘤の予防と日常生活での注意点

粉瘤を完全に予防する確実な方法は現時点では存在しませんが、皮膚を清潔に保ち、毛穴の詰まりを防ぐことが間接的な予防策として挙げられます。

日々の洗顔や入浴を適切に行い、毛穴に汚れや皮脂が溜まらないようにすることは基本的なスキンケアとして有効です。ただし、過度な洗浄や強い摩擦は皮膚にダメージを与えることもあるため、適切な洗浄方法を心がけることが大切です。

ニキビを頻繁に潰す習慣がある方は注意が必要です。ニキビと粉瘤は異なる疾患ですが、ニキビを無理に潰すことで炎症が深部に広がり、その後に粉瘤が形成されることがあります。ニキビの適切なケアについても皮膚科に相談することをすすめます。

また、日常的に皮膚に強い摩擦や圧力がかかる部位(背中、臀部、耳周辺など)は粉瘤ができやすいとされています。下着や衣類のサイズを合わせ、過度な摩擦を避けることも一つの予防策です。

粉瘤が一度できてしまった場合は、以下の点に特に注意する必要があります。

まず、自分で絞ったり針で刺したりして内容物を取り出そうとしないことです。前述のように、このような行為は袋を傷つけ炎症や感染を引き起こす危険があります。また、しこりを強く押したり、長時間同じ部位を圧迫したりする姿勢や行動も控えるべきです。

万が一、粉瘤の部位が急に赤くなったり腫れたり、強い痛みが出てきた場合は炎症性粉瘤の可能性が高いため、できるだけ早く医療機関を受診してください。自己処置を試みることで状態が悪化するリスクがあります。

💪 粉瘤を放置すると何が起こるか

粉瘤はゆっくりと成長し続けるため、放置すればするほど大きくなっていきます。サイズが大きくなると手術の難易度も上がり、傷跡が大きくなる可能性があります。また、下記のような合併症のリスクが高まります。

炎症・感染は最も一般的な合併症です。袋が何らかの刺激で破れると、内容物が周囲の組織に触れて強い炎症反応が起きます。そこに細菌が加わると感染性の膿瘍を形成し、発熱や強い痛みを伴うこともあります。

また、体の一部(耳の後ろ、首、鼡径部など)に大きな粉瘤ができると、外観が気になったり、動作の妨げになったりすることもあります。仕事や日常生活に支障をきたす前に早めに対処することが望ましいです。

悪性化については、粉瘤そのものが悪性化する頻度は非常にまれとされていますが、長期間放置した粉瘤から有棘細胞がん(扁平上皮がん)が発生したとする報告が一部あります。頻度は極めて低いものの、長年放置し続けることへのリスクとして認識しておくことは重要です。

さらに、繰り返す炎症によって袋が周囲の組織と癒着すると、完全摘出が難しくなり再発率が高まることがあります。炎症を繰り返している粉瘤は、落ち着いた段階で早めに根治的手術を受けることが推奨されます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「しこりに気づいていたけれど、なんとなく様子を見ていた」という方が受診されるケースが多く、来院時にはすでに炎症を起こしている状態になっていることも少なくありません。粉瘤は小さいうちに対処するほど手術の傷も小さく、回復も早いため、皮膚の下に気になるしこりを感じたら自己判断せず早めにご相談いただくことをおすすめします。また、ご自身で絞り出そうとして悪化してしまうケースも見受けられますので、気になる症状があればまず専門の医療機関を受診するようにしてください。」

🎯 よくある質問

粉瘤は放置しても自然に治りますか?

粉瘤が自然に消えることは基本的にありません。袋(嚢腫壁)が体内に残り続けるため、内容物は増え続け、徐々に大きくなるのが一般的です。放置すると炎症や感染を起こすリスクも高まります。小さいうちに治療するほど手術の傷も小さく済むため、早めに皮膚科や形成外科へご相談ください。

粉瘤の内容物を自分で絞り出しても大丈夫ですか?

自己処置は絶対に避けてください。開口部から内容物が出たとしても袋は体内に残ります。無理に絞り出すと袋が内側で破れて炎症を引き起こしたり、細菌感染を招いたりするリスクがあります。当院でも自己処置により悪化した状態でご来院されるケースが見受けられますので、必ず専門医を受診してください。

粉瘤の手術は日帰りで受けられますか?

はい、ほとんどの場合は日帰りで受けられます。手術は局所麻酔で行われ、「切開法」と「くり抜き法(トレパン法)」の2種類が代表的な術式です。手術時間は粉瘤のサイズや状態によって異なりますが、一般的には30分以内で終了することが多いです。

粉瘤とニキビや脂肪腫との違いは何ですか?

粉瘤は皮膚下に袋状の嚢腫が形成されたもので、中央に黒い開口部があるのが特徴です。ニキビは毛穴の炎症であり粉瘤とは異なります。脂肪腫は脂肪細胞が増殖したもので、開口部がなく触感が柔らかい点が粉瘤との違いです。自己判断は難しいため、気になるしこりは専門医に診てもらうことが重要です。

粉瘤が炎症を起こした場合、すぐに手術できますか?

炎症を起こしている状態ではすぐに根治手術を行うことは難しいです。まず切開して膿を排出し、抗菌薬で炎症を抑える処置が優先されます。炎症が完全に収まった数週間から数ヶ月後に、改めて嚢腫壁を取り除く根治手術を行うのが一般的な流れです。炎症期に無理に手術すると傷跡が残りやすくなるため、段階的な治療が推奨されます。

💡 まとめ

粉瘤は皮膚の下に形成される袋状の良性腫瘍であり、毛包の閉塞や外傷、ウイルス感染、遺伝的要因などが主な原因として挙げられます。年齢・性別を問わず発生し、顔・背中・耳の周囲・首など毛包が存在する部位を中心に見られます。自然には消えず、放置すると大きくなったり炎症を起こしたりするリスクがあるため、発見したら早めに皮膚科や形成外科を受診することが大切です。

治療の基本は手術による嚢腫壁ごとの摘出であり、切開法やくり抜き法(トレパン法)が代表的な術式です。炎症を起こしている場合はまず切開排膿を行い、落ち着いた後に根治手術を行うのが一般的な流れです。自己処置は状態を悪化させる可能性があるため、必ず専門の医療機関での処置を受けてください。

皮膚の下に気になるしこりがある方は、「粉瘤かもしれない」と自己判断して様子を見続けるのではなく、一度医師に診てもらうことを強くすすめます。アイシークリニック新宿院では、粉瘤をはじめとした皮膚のしこりに関するご相談・診察を行っています。少しでも気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の定義・症状・診断・治療方針に関する医学的根拠として参照。炎症性粉瘤の対処法や鑑別診断についての専門的情報を確認。
  • 日本形成外科学会 – 粉瘤の外科的治療法(切開法・くり抜き法)や手術適応、術後管理に関する形成外科専門医の見解と治療基準として参照。
  • PubMed – 表皮嚢腫(epidermoid cyst)の原因・HPV関連性・悪性化リスク・外科的治療成績に関する国際的な査読済み医学文献として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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