新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスに同時に感染する「フルロナ」が注目を集めています。 特に冬季には両方のウイルスが流行するため、同時感染のリスクが高まります。 本記事では、コロナとインフルエンザの同時感染について、その症状や重症化リスク、予防法、検査方法まで詳しく解説します。正しい知識を身につけて、感染予防に役立てましょう。

📋 目次
- 🎯 【2024-2025シーズン】今年の同時感染の特徴
- 🦠 コロナとインフルの同時感染「フルロナ」とは
- 🔍 同時感染が起こる仕組みと発生状況
- 💊 コロナとインフルエンザそれぞれの特徴
- ⚠️ 同時感染した場合の症状
- 🚨 同時感染による重症化リスク
- 🏥 同時感染が疑われる場合の検査方法
- 💡 同時感染した場合の治療法
- ✨ 同時感染を防ぐための予防法
- 📌 特に注意が必要な方
- 👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
- ❓ よくある質問
この記事のポイント
コロナとインフルエンザの同時感染「フルロナ」は単独感染より重症化リスクが高く、2024-2025年シーズンは流行早期化で特に注意が必要。両ワクチン接種と基本的感染対策が有効な予防法。
🎯 【2024-2025シーズン】今年の同時感染の特徴
2024-2025年の冬季シーズンは、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が特に懸念されています。 厚生労働省の最新データによると、2024年秋以降、インフルエンザの流行開始時期が例年より早く、新型コロナウイルスの感染者数も一定レベルで推移しているため、同時感染のリスクが高まっています。
⚡ 注意!今シーズンの特徴
- 📌 流行の早期化:インフルエンザの流行が例年より1-2週間早く始まっている
- 🔸 A型インフルエンザの優勢:H1N1pdm09とH3N2の両方が検出されている
- ✅ 新型コロナの変異株:JN.1系統の変異株が主流となっている
- ⚡ 同時検査の普及:医療機関での同時検査キットの使用率が向上
国立感染症研究所の感染症発生動向調査では、2024年第50週(12月第2週)時点で、インフルエンザの定点当たり報告数が流行開始の目安である1.0を上回る地域が全国的に拡大しており、年末年始にかけてさらなる感染拡大が予想されています。
Q. フルロナとは何ですか?
「フルロナ」とはインフルエンザ(Flu)と新型コロナウイルス感染症(Corona)を組み合わせた造語で、両方のウイルスに同時感染している状態を指します。2021年末にイスラエルで初めて確認され、医学的には「共感染」または「同時感染」と呼ばれます。冬季に発生リスクが高まります。
🦠 コロナとインフルの同時感染「フルロナ」とは
「フルロナ」とは、インフルエンザ(Flu)と新型コロナウイルス感染症(Corona)を組み合わせた造語で、両方のウイルスに同時に感染している状態を指します。この言葉は2021年末にイスラエルで初めて同時感染例が確認された際に使われ始め、その後世界中で認知されるようになりました。
医学的には「共感染」または「同時感染」と呼ばれ、一人の患者が同時期に複数の病原体に感染している状態を意味します。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは、どちらも主に呼吸器に感染するウイルスですが、それぞれ異なるウイルスであるため、両方に同時に感染することは十分に起こりえます。
フルロナは特に秋から冬にかけての感染症流行期に発生しやすく、両方のウイルスが同時に流行する時期には同時感染のリスクが高まります。日本でも2022年以降、同時感染の報告例が増加しており、医療現場でも注意が呼びかけられています。
🔍 同時感染が起こる仕組みと発生状況
🔸 なぜ同時感染が起こるのか
新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは、どちらも呼吸器系に感染しますが、細胞への侵入経路が異なります。 新型コロナウイルスは主にACE2受容体を介して細胞に侵入し、インフルエンザウイルスはシアル酸受容体を介して細胞に侵入します。このように感染経路が異なるため、一方のウイルスに感染していても、もう一方のウイルスが感染する「場所」は確保されているのです。
また、通常のウイルス感染では「ウイルス干渉」という現象が起こり、一つのウイルスに感染すると免疫反応によって他のウイルスの感染が抑制されることがあります。しかし、新型コロナウイルスは免疫系を回避する能力が高いため、ウイルス干渉が十分に働かず、インフルエンザウイルスとの同時感染が起こりやすいと考えられています。
📌 同時感染の発生状況
国内外の研究によると、新型コロナウイルス感染者のうち、インフルエンザウイルスに同時感染している割合は研究によって異なりますが、おおよそ0.5%から数%程度と報告されています。 この割合は一見低く見えますが、コロナ感染者数が多い時期には、同時感染者の絶対数も相当な数になります。
特に2022年から2023年にかけての冬季シーズンでは、新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行(ツインデミック)が発生し、同時感染例が増加しました。厚生労働省の感染症発生動向調査によると、この時期には例年以上にインフルエンザの流行規模が大きく、コロナとの同時流行による医療機関への負担が懸念されました。
また、初詣の人混みでの感染対策についてはこちらの記事「初詣の人混みでの感染対策|安心して新年を迎えるための予防法を解説」で詳しく解説していますので、年末年始の感染予防にお役立てください。
⚡ 同時感染しやすい時期
同時感染のリスクが最も高まるのは、11月から3月頃の冬季シーズンです。この時期はインフルエンザの流行期であり、気温と湿度の低下によってウイルスが活性化しやすく、また人々が室内で過ごす時間が増えるため、感染が広がりやすい環境が整います。
加えて、年末年始や卒業・入学シーズンなど人の移動が多い時期には、感染リスクがさらに高まります。 帰省や旅行、イベント参加など、普段接触しない人との接触機会が増えることで、両方のウイルスに曝露される機会も増加します。

Q. 同時感染による重症化リスクはどの程度ですか?
英国の大規模研究によると、コロナとインフルエンザの同時感染者は、コロナ単独感染者と比べて人工呼吸器が必要となるリスクが約2倍、死亡リスクが約2.4倍高いと報告されています。両ウイルスの炎症反応が重なり肺への負担が増大し、サイトカインストームのリスクも懸念されます。
💊 コロナとインフルエンザそれぞれの特徴
同時感染を理解するためには、まず新型コロナウイルス感染症とインフルエンザそれぞれの特徴を把握しておくことが重要です。
🦠 新型コロナウイルス感染症の特徴
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2というウイルスによって引き起こされる感染症です。主な感染経路は飛沫感染とエアロゾル感染で、接触感染も起こりえます。
潜伏期間は現在主流となっているオミクロン株では平均2〜3日程度とされていますが、1〜14日程度の幅があります。主な症状としては、発熱、咳、倦怠感、喉の痛み、頭痛、筋肉痛などが挙げられます。また、味覚・嗅覚障害は新型コロナウイルス感染症に比較的特徴的な症状ですが、オミクロン株以降は出現頻度が低下しています。
感染力は非常に強く、特にオミクロン株以降の変異株は従来株に比べて感染力が高いとされています。一方で、ワクチン接種の普及や自然感染による免疫の獲得により、重症化率は低下傾向にあります。ただし、高齢者や基礎疾患のある方では依然として重症化リスクがあり、注意が必要です。
🔸 インフルエンザの特徴
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。A型、B型、C型の3種類がありますが、流行の主体となるのはA型とB型です。感染経路は主に飛沫感染と接触感染です。
潜伏期間は1〜4日程度で、新型コロナウイルスよりもやや短い傾向があります。症状の特徴としては、38度以上の高熱が急激に出現することが多く、強い全身症状(倦怠感、関節痛、筋肉痛など)を伴います。 呼吸器症状としては咳、喉の痛み、鼻水などがみられます。
インフルエンザは毎年冬季を中心に流行し、日本では例年1,000万人程度が感染すると推計されています。 多くの場合は1週間程度で回復しますが、高齢者や基礎疾患のある方、乳幼児、妊婦などでは重症化するリスクがあります。また、肺炎、脳症、心筋炎などの合併症を引き起こすこともあります。
インフルエンザの家族内感染を防ぐ方法については、こちらの記事「インフルエンザの家族内感染を防ぐ隔離方法|正しい対策と注意点を解説」で詳しく解説しています。
💡 両者の違いと共通点
新型コロナウイルス感染症とインフルエンザには多くの共通点があります。 どちらも呼吸器感染症であり、発熱、咳、倦怠感などの症状が出現します。感染経路も飛沫感染が主体である点で共通しています。このため、症状だけで両者を区別することは難しく、検査による確認が必要です。
一方で、いくつかの違いもあります。インフルエンザは急激な高熱で発症することが多いのに対し、新型コロナウイルス感染症では微熱から始まることも少なくありません。 また、潜伏期間はインフルエンザの方が短い傾向があります。さらに、新型コロナウイルス感染症では無症状や軽症のまま経過する割合が比較的高いのに対し、インフルエンザでは症状が出現しやすい傾向があります。
⚠️ 同時感染した場合の症状
🦠 同時感染時の主な症状
コロナとインフルエンザに同時感染した場合、両方の感染症の症状が重なって出現する可能性があります。 一般的に報告されている症状としては、高熱(38度以上)、強い倦怠感、咳、喉の痛み、頭痛、筋肉痛、関節痛、鼻水、鼻づまりなどが挙げられます。
同時感染の場合、単独感染と比べて症状が重くなる傾向があるとされています。 特に発熱については、両方のウイルスによる炎症反応が重なるため、より高い熱が出たり、発熱期間が長引いたりすることがあります。また、倦怠感や全身症状も強く出る傾向があります。
ただし、症状の重さには個人差があり、同時感染であっても軽症で済む場合もあります。症状の程度は、年齢、基礎疾患の有無、ワクチン接種歴、免疫状態などによって異なります。
📌 症状の経過
同時感染した場合の症状の経過は、個人によって大きく異なります。一般的には、感染してから数日以内に症状が出現し始め、発熱や全身症状のピークは発症から2〜3日目頃にみられることが多いです。
単独感染の場合、インフルエンザは通常5〜7日程度で症状が改善することが多く、新型コロナウイルス感染症も軽症であれば1週間程度で回復に向かいます。しかし、同時感染の場合は症状の持続期間が長くなる傾向があり、回復までに10日以上かかることもあります。
また、一方のウイルスによる症状が改善しても、もう一方のウイルスによる症状が続くこともあります。例えば、インフルエンザの急性症状が改善した後も、コロナによる咳や倦怠感が続くケースなどが報告されています。
🚨 注意すべき症状
🚨 緊急度高!すぐ受診が必要な症状
同時感染時には、以下のような症状が出現した場合、重症化のサインである可能性があるため、速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
- 📌 呼吸困難や息切れ、胸の痛みや圧迫感
- ⚡ 意識障害や混乱
- 🔸 唇や顔色が青白くなる(チアノーゼ)
- ✅ 3日以上続く高熱
- 💧 水分が取れず脱水症状がある場合
特に高齢者や基礎疾患のある方は、症状が急速に悪化することがあるため、早めの受診を心がけることが大切です。また、小さな子どもの場合は、ぐったりしている、呼吸が速い、食事や水分を受け付けないなどの症状に注意が必要です。
Q. コロナとインフルの同時検査はどのように行いますか?
医療機関では一度の鼻咽頭ぬぐい液採取で両ウイルスを同時に検査できるキットが使用されています。抗原検査は15〜30分で結果が出て迅速診断に適し、PCR検査はより高い精度で確認できます。発症から24〜48時間後が最も検出感度が高く、このタイミングでの受診が推奨されます。
🚨 同時感染による重症化リスク
⚠️ 重症化リスクの増加
国内外の研究により、コロナとインフルエンザの同時感染は、単独感染と比較して重症化リスクが高まることが報告されています。 英国で行われた大規模な研究では、同時感染した患者は新型コロナウイルス単独感染の患者と比較して、人工呼吸器を必要とするリスクが約2倍、死亡リスクが約2.4倍高かったと報告されています。
重症化リスクが高まる理由としては、両方のウイルスによる炎症反応が重なることで、肺などの臓器への負担が増大することが考えられています。また、免疫系が二つのウイルスと同時に戦うことで、体力の消耗が激しくなり、回復に時間がかかることも要因の一つです。
さらに、同時感染では免疫反応が過剰に活性化される「サイトカインストーム」のリスクも懸念されています。サイトカインストームが起こると、発熱、呼吸困難、血圧低下などの重篤な症状が出現し、集中治療が必要となる場合があります。
💥 合併症のリスク
同時感染した場合、様々な合併症を引き起こすリスクも高まります。最も一般的な合併症は肺炎で、ウイルス性肺炎から二次的な細菌性肺炎に進展することもあります。両方のウイルスによる肺へのダメージが重なることで、重症肺炎に至るリスクが増加します。
また、心臓への影響も懸念されます。新型コロナウイルスは心筋炎や心膜炎を引き起こすことが知られていますが、インフルエンザも同様に心臓に影響を与える可能性があります。同時感染により、心臓への負担が増大し、特に既存の心疾患がある方では注意が必要です。
その他にも、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、敗血症、多臓器不全などの重篤な合併症のリスクがあります。これらの合併症は生命に関わることもあるため、早期の適切な医療介入が重要です。
🔄 後遺症への影響
新型コロナウイルス感染症では、急性期の症状が改善した後も倦怠感、息切れ、集中力低下などの症状が長期間続く「後遺症」(いわゆるlong COVID)が問題となっています。同時感染した場合、この後遺症のリスクや程度にどのような影響があるかについては、まだ十分な研究データがありませんが、体への負担が大きい分、回復に時間がかかる可能性が指摘されています。
また、インフルエンザ後にも倦怠感や体力低下が数週間続くことがありますが、同時感染の場合はこれらの症状がより顕著になる可能性があります。 完全な回復には十分な休養と時間が必要であることを念頭に置いておくことが大切です。
🏥 同時感染が疑われる場合の検査方法
🔬 同時検査キットの活用
現在、新型コロナウイルスとインフルエンザを同時に検査できるキットが医療機関で広く使用されています。 この同時検査キットは、一度の検体採取(主に鼻咽頭ぬぐい液)で両方のウイルスの有無を確認できるため、患者の負担を軽減しながら効率的に診断を行うことができます。
同時検査キットには抗原検査とPCR検査の2種類があります。抗原検査は15〜30分程度で結果が出るため、その場で診断できるメリットがあります。一方、PCR検査は感度が高く、より正確な診断が可能ですが、結果が出るまでに数時間から1日程度かかることがあります。
医療機関では、症状や状況に応じてどちらの検査を行うか判断されます。発熱外来や感染症専門の医療機関では、同時検査が標準的に行われていることが多いです。
⏰ 検査を受けるタイミング
検査の精度は、検査を受けるタイミングによって異なります。 一般的に、発症から24〜48時間後が最も検出感度が高いとされています。発症直後はウイルス量が少なく、検査で陰性となることがあるため注意が必要です。
発熱や倦怠感などの症状が出現した場合は、まず自宅で安静にし、症状が続く場合や悪化する場合に医療機関を受診することが推奨されます。受診前には電話やオンラインで相談し、受診方法や時間帯について指示を受けることが望ましいです。
また、抗原検査で陰性であっても、症状が強い場合や同時感染が疑われる場合は、より感度の高いPCR検査を追加で行うこともあります。検査結果と臨床症状を総合的に判断して診断が行われます。
🏪 市販の検査キットについて
薬局やドラッグストアでは、新型コロナウイルスの抗原検査キットが市販されています。また、インフルエンザの抗原検査キットも医療用として流通しています。これらを組み合わせて自己検査を行うことも可能ですが、いくつかの注意点があります。
市販の検査キットは医療機関での検査と比較して感度がやや低い場合があります。 また、検体の採取方法や検査手順を正しく行わないと、正確な結果が得られないこともあります。陰性の結果が出ても感染を完全に否定することはできないため、症状がある場合は医療機関を受診することが重要です。
特に重症化リスクの高い方(高齢者、基礎疾患のある方など)は、自己検査だけに頼らず、早めに医療機関を受診して適切な診断と治療を受けることが推奨されます。
Q. 同時感染を防ぐために妊婦が注意すべきことは?
妊婦は免疫機能の変化により感染症にかかりやすく、インフルエンザ重症化リスクも高いため、同時感染予防は特に重要です。インフルエンザワクチンは妊娠中のどの時期でも接種可能で、新型コロナウイルスワクチンも推奨されています。流行期は不要な外出を控え、不安がある場合は産婦人科医に相談してください。
💡 同時感染した場合の治療法
🎯 基本的な治療方針
同時感染した場合の治療は、それぞれの感染症に対する治療を組み合わせて行います。 軽症の場合は、対症療法(症状を和らげる治療)が中心となります。解熱鎮痛剤による発熱や痛みのコントロール、十分な水分摂取と休養が基本です。
中等症以上の場合や重症化リスクが高い方には、抗ウイルス薬の投与が検討されます。新型コロナウイルスに対してはニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッド)、モルヌピラビル(ラゲブリオ)、エンシトレルビル(ゾコーバ)などの抗ウイルス薬が使用されることがあります。インフルエンザに対してはオセルタミビル(タミフル)、バロキサビル(ゾフルーザ)、ラニナミビル(イナビル)などの抗インフルエンザ薬が用いられます。
同時感染の場合、両方の抗ウイルス薬を併用することも可能ですが、薬剤間の相互作用や副作用に注意が必要です。治療方針は患者の状態、重症度、基礎疾患などを考慮して医師が判断します。
🏠 自宅療養時のケア
軽症で自宅療養となった場合は、以下のポイントを心がけることが大切です。
- ✅ 十分な休養をとり、体力の回復に努める
- 💧 発熱時は体内の水分が失われやすいため、こまめな水分補給
- 🍚 食事は無理をせず、消化の良いおかゆやうどん、果物など食べられるものを少しずつ摂取
- 🏠 適度な湿度(50〜60%程度)を保ち、定期的な換気
同居家族への感染を防ぐため、可能であれば療養する部屋を分け、タオルや食器の共用を避けましょう。 どうしても接触が必要な場合は、お互いにマスクを着用し、接触後は手洗いを徹底します。
🏥 入院が必要な場合
同時感染により重症化した場合は、入院による治療が必要となることがあります。
🚨 入院の目安となる症状
- 📌 呼吸困難がある場合
- ⚡ 酸素飽和度が93%以下に低下している場合
- 💧 脱水症状が強く点滴が必要な場合
- 🧠 意識障害がある場合
入院後は、酸素投与、点滴による補液、抗ウイルス薬の投与などが行われます。重症の場合は、人工呼吸器管理や集中治療室での治療が必要となることもあります。また、細菌性肺炎の合併がある場合は抗菌薬が投与されます。
入院期間は患者の状態によって異なりますが、重症でない場合は数日から1週間程度、重症の場合は数週間に及ぶこともあります。退院後も経過観察と十分な休養が必要です。
✨ 同時感染を防ぐための予防法
💉 ワクチン接種
同時感染を防ぐ最も効果的な方法の一つが、新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンの両方を接種することです。それぞれのワクチンは、感染予防効果に加えて、感染した場合の重症化を防ぐ効果があります。
新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンは、同時に接種することが可能です。厚生労働省も、両ワクチンの同時接種を認めており、接種間隔を空ける必要はありません。ただし、同時接種により副反応が出やすくなる可能性もあるため、体調の良いときに接種することが推奨されます。
インフルエンザワクチンは例年10月頃から接種が開始され、流行前の11月中旬頃までに接種を完了することが理想的です。新型コロナウイルスワクチンについては、定期的な追加接種が推奨されており、特に高齢者や基礎疾患のある方は積極的な接種が勧められています。
🧼 基本的な感染対策
日常生活における基本的な感染対策も、同時感染予防に有効です。
- ✅ 手洗いは最も基本的かつ効果的な対策 – 外出先から帰宅した時、食事の前、トイレの後など、こまめに石けんで手を洗う
- 😷 マスクの着用 – 人混みや換気の悪い場所、医療機関を受診する際などに着用
- 🌬️ 室内の換気 – 両方のウイルスは飛沫やエアロゾルを介して感染するため、換気でリスクを低減
- 🧴 手洗いができない場合は、アルコール手指消毒剤を使用
💪 生活習慣の改善
免疫力を維持・向上させることも、感染予防において重要です。
- 😴 十分な睡眠 – 成人では7〜8時間程度の睡眠を確保。睡眠不足は免疫力を低下させ、感染症にかかりやすくなります
- 🍎 バランスの良い食事 – タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素をバランスよく摂取
- 🏃♂️ 適度な運動 – ウォーキングやストレッチなど、日常的に取り入れやすい運動がおすすめ
- 🚫 過度のストレスや喫煙、過度の飲酒は免疫力を低下させるため、ストレス管理・禁煙・節酒を実践
冬の脱水症状についてはこちらの記事「冬の脱水症状は高齢者に多い?原因・症状・予防法を詳しく解説」で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
🚶♂️ 流行期の行動
感染症の流行期には、より慎重な行動が求められます。 不要不急の外出を控え、人混みを避けることで、ウイルスへの曝露機会を減らすことができます。特に高齢者や基礎疾患のある方は、この点を特に意識することが重要です。
体調が優れない場合は、無理をせず自宅で休養しましょう。 軽い症状でも外出を控えることで、他の人への感染を防ぐとともに、自身の体調悪化を防ぐことができます。仕事や学校は無理をせず、回復を優先させることが大切です。
また、周囲に感染者がいる場合は、接触を最小限に抑え、感染対策を徹底しましょう。同居家族が感染した場合は、可能な範囲で生活空間を分け、こまめな換気と消毒を心がけます。
📌 特に注意が必要な方
👴 高齢者
高齢者は、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザのどちらについても重症化リスクが高いグループです。加齢に伴い免疫機能が低下するため、感染しやすく、感染した場合も症状が重くなりやすい傾向があります。
同時感染した場合、若年者と比較して肺炎や呼吸不全に至るリスクが大幅に高くなります。 また、基礎疾患を持っている方も多いため、感染によって基礎疾患が悪化することも懸念されます。
高齢者の方は、ワクチン接種を積極的に受けるとともに、流行期には人混みを避け、感染対策を徹底することが重要です。また、症状が出た場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが推奨されます。
高齢者の室内低体温症については、こちらの記事「高齢者の室内低体温症とは?原因・症状・予防法を詳しく解説」で詳しく解説していますので、冬季の健康管理にお役立てください。
🦠 基礎疾患のある方
糖尿病、心臓病、慢性呼吸器疾患、腎臓病、肝臓病、免疫不全状態などの基礎疾患がある方は、感染症による重症化リスクが高くなります。 これらの疾患があると、感染に対する体の防御機能が低下していたり、感染によって基礎疾患が悪化したりするためです。
特に糖尿病の方は、血糖コントロールが乱れると免疫機能が低下するため、日頃から血糖値の管理を徹底することが大切です。慢性呼吸器疾患(COPD、喘息など)の方は、肺炎を合併すると重症化しやすいため、特に注意が必要です。
基礎疾患のある方は、かかりつけ医と相談しながら、ワクチン接種や感染対策を進めることが推奨されます。感染が疑われる場合は、早めに医療機関に相談し、基礎疾患の状態も含めて診察を受けることが重要です。
🤱 妊婦
妊娠中は免疫機能が変化するため、感染症にかかりやすくなる場合があります。 また、インフルエンザに感染した妊婦は、非妊娠女性と比較して重症化しやすいことが知られています。新型コロナウイルス感染症についても、妊娠後期には重症化リスクがやや高まるとされています。
同時感染は、母体への負担が大きくなるとともに、早産などのリスクも懸念されます。 妊婦の方は、感染予防に特に注意を払い、流行期には不要な外出を控えることが推奨されます。
妊婦へのインフルエンザワクチン接種は推奨されており、妊娠中のどの時期でも接種可能です。新型コロナウイルスワクチンについても、妊婦への接種が推奨されています。ワクチン接種について不安がある場合は、産婦人科医に相談しましょう。
👶 乳幼児・小児
乳幼児や小児は、免疫システムが未発達であるため、感染症にかかりやすい傾向があります。 インフルエンザでは、小児は脳炎・脳症のリスクがあり、注意が必要です。新型コロナウイルス感染症では、小児は比較的軽症で済むことが多いとされていますが、稀に小児多系統炎症性症候群(MIS-C)という重篤な合併症を起こすことがあります。
同時感染した小児では、高熱が続いたり、脱水になりやすかったりするため、保護者は子どもの状態を注意深く観察することが大切です。ぐったりしている、呼吸が速い、唇の色が悪い、水分が取れないなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
小児へのインフルエンザワクチンは生後6か月から接種可能で、13歳未満では2回接種が推奨されています。新型コロナウイルスワクチンも、一定の年齢以上の小児への接種が可能となっています。
赤ちゃんのRSウイルス感染症については、こちらの記事「赤ちゃんのRSウイルス感染症とは?症状・重症化サイン・対処法を解説」で詳しく解説していますので、併せてご参考ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
💡 高桑康太医師(当院治療責任者)より
「2024-2025年シーズンは、例年より早い時期からインフルエンザの流行が始まっており、当院でも12月に入ってから同時検査を希望される患者さんが増加しています。特に年末年始の帰省や旅行を控えた方からの相談が多く、『家族に感染させたくない』という理由で検査を受けられるケースが目立ちます。 同時感染が確認された患者さんでは、発熱期間が通常より長く続く傾向があり、回復までに10日以上かかる方も少なくありません。 予防の観点から、両方のワクチン接種を強くお勧めしており、特に高齢者や基礎疾患をお持ちの方には早めの接種をご案内しています。」

❓ よくある質問
はい、同時感染は実際に起こります。新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスは異なる受容体を使って細胞に侵入するため、一方に感染していてももう一方に感染する可能性があります。特に両方のウイルスが流行する冬季には、同時感染のリスクが高まります。国内外で多数の同時感染例が報告されています。
同時感染した場合、単独感染と比較して症状が重くなる傾向があります。両方のウイルスによる炎症反応が重なるため、より高い発熱や強い倦怠感が出やすくなります。また、研究によると、入院リスクや重症化リスクも高まることが報告されています。ただし、症状の重さには個人差があり、軽症で済む場合もあります。
医療機関では、新型コロナウイルスとインフルエンザを同時に検査できるキットが使用されています。一度の検体採取で両方のウイルスの有無を確認できます。検査には抗原検査とPCR検査があり、症状や状況に応じて適切な検査が選択されます。発症から24〜48時間後が最も検出感度が高いとされています。
はい、同時に接種することが可能です。厚生労働省も両ワクチンの同時接種を認めており、接種間隔を空ける必要はありません。同時接種により副反応がやや出やすくなる可能性はありますが、両方のワクチンを効率的に接種できるメリットがあります。体調の良いときに接種することが推奨されます。
同時感染した場合、それぞれの感染症に対する治療を組み合わせて行います。軽症の場合は解熱鎮痛剤などによる対症療法が中心となります。重症化リスクが高い方には、新型コロナウイルスに対する抗ウイルス薬とインフルエンザに対する抗インフルエンザ薬の両方が投与されることがあります。治療方針は医師が患者の状態に応じて判断します。
同時感染を予防するためには、まず新型コロナウイルスワクチンとインフルエンザワクチンの両方を接種することが効果的です。また、手洗い、マスクの着用、室内の換気など基本的な感染対策を徹底することも重要です。さらに、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動など、免疫力を維持する生活習慣を心がけましょう。
2024-2025年シーズンは、インフルエンザの流行開始が例年より早く、新型コロナウイルスとの同時流行が特に懸念されています。A型インフルエンザ(H1N1pdm09とH3N2)が主流で、新型コロナウイルスはJN.1系統の変異株が優勢となっています。医療機関での同時検査キットの普及により、診断精度が向上している一方で、同時感染例では回復期間が長期化する傾向が報告されています。
年末年始は多くの医療機関が休診となるため、事前に救急外来や発熱外来の診療体制を確認しておくことが重要です。症状が出現した場合は、まず自宅で安静にし、水分補給を心がけてください。呼吸困難、意識障害、脱水症状などの重篤な症状がある場合は、救急外来を受診してください。軽症の場合は、年明けに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けることをお勧めします。
📚 参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
