溶連菌感染症は子どもの病気というイメージが強いですが、実は大人も感染することがあります。 大人が溶連菌に感染すると、子どもとは異なる症状が現れたり、重症化するリスクがあったりするため注意が必要です。 この記事では、アイシークリニック新宿院の医師が、大人の溶連菌感染症について、症状の特徴や治療法、仕事復帰の目安まで詳しく解説します。

目次
- 🎯 溶連菌感染症とは
- 🦠 大人が溶連菌に感染する原因と感染経路
- ⚠️ 大人の溶連菌感染症の主な症状
- 🔍 子どもの症状との違い
- 📋 大人の溶連菌感染症の診断方法
- 💊 大人の溶連菌感染症の治療法
- 🚨 大人が溶連菌に感染した場合の合併症リスク
- 💼 仕事復帰の目安と注意点
- 🛡️ 溶連菌感染症の予防法
- ❓ よくある質問
- 📝 まとめ
この記事のポイント
溶連菌感染症は大人も感染し、子どもより症状が重くなりやすい。のどの強い痛みや高熱が主症状で、リウマチ熱などの合併症予防のため、抗生物質を10日間飲みきることが重要。手洗いなどの日常的な感染対策も欠かせない。
🎯 溶連菌感染症とは
大人の溶連菌感染症は意外に多く、適切な知識と対処法を知っておくことが重要です。
溶連菌感染症とは、A群β溶血性レンサ球菌(Group A Streptococcus:GAS)という細菌によって引き起こされる感染症です。この細菌は、人間の咽頭(のど)や皮膚に感染し、さまざまな症状を引き起こします。
溶連菌は正式名称を「A群溶血性レンサ球菌」といい、顕微鏡で見ると球形の菌が連なった形(連鎖状)をしていることから、レンサ(連鎖)球菌と呼ばれています。この菌が赤血球を溶かす(溶血する)性質を持つことから「溶血性」という名前がついています。
溶連菌感染症は、主に5歳から15歳の子どもに多く見られますが、大人も感染する可能性があります。 特に、子どもから家族内で感染が広がるケースや、免疫力が低下している方、基礎疾患を持つ方は感染リスクが高まります。
日本では、溶連菌感染症は年間を通じて発生しますが、特に冬から春にかけて(12月〜3月頃)流行することが多いです。近年は成人における溶連菌感染症の報告が増加傾向にあり、社会的にも注目されています。
Q. 大人が溶連菌に感染しやすい状況は?
大人が溶連菌に感染しやすい状況として、保育園や学校に通う子どもからの家庭内感染が最も多いケースの一つです。また、過労・睡眠不足・ストレスによる免疫力低下、糖尿病などの基礎疾患がある場合、高齢者や妊娠中の方も感染リスクが高まります。職場や満員電車などでの飛沫感染にも注意が必要です。
🦠 大人が溶連菌に感染する原因と感染経路
溶連菌は非常に感染力が強く、日常生活のあらゆる場面で感染リスクがあります。
大人が溶連菌に感染する主な原因と感染経路について詳しく解説します。溶連菌は非常に感染力が強い細菌であり、さまざまなルートで感染が広がります。
🔸 飛沫感染
溶連菌の最も一般的な感染経路は飛沫感染です。感染者の咳やくしゃみ、会話などによって飛び散った唾液や鼻水の飛沫に含まれる菌を吸い込むことで感染します。特に、密閉された空間や人が密集する場所では感染リスクが高まります。 職場や満員電車など、大人が日常的に利用する場所でも感染する可能性があります。
🔸 接触感染
感染者の唾液や鼻水に触れた手で、自分の口や鼻、目などを触ることで感染することがあります。ドアノブやつり革、共用のタオルなどを介して間接的に感染するケースもあります。また、溶連菌は皮膚の傷口からも侵入することがあり、この場合は皮膚感染症(とびひなど)を引き起こすことがあります。
🔸 家庭内感染
大人が溶連菌に感染する最も多いケースの一つが、子どもからの家庭内感染です。保育園や幼稚園、小学校などで溶連菌に感染した子どもから、親や同居する家族に感染が広がることがよくあります。特に、食事の世話や入浴の介助など、子どもと密接に接触する機会が多い保護者は感染リスクが高くなります。
🔸 感染しやすい状況・条件
大人が溶連菌に感染しやすくなる状況や条件として、以下のようなものがあります。
- 📌 免疫力の低下(過労、睡眠不足、ストレス、栄養不足など)
- 📌 糖尿病などの基礎疾患がある場合
- 📌 高齢者・妊娠中の方
- 📌 免疫抑制剤を使用している方
⚠️ 大人の溶連菌感染症の主な症状
大人の溶連菌感染症は子どもよりも重症になりやすく、特徴的な症状を理解しておくことが早期発見につながります。
大人が溶連菌に感染した場合、さまざまな症状が現れます。潜伏期間は通常2〜5日程度で、その後急激に症状が発現することが特徴です。
🔸 のどの痛み・腫れ
溶連菌感染症の最も代表的な症状が、のどの強い痛みです。通常の風邪によるのどの痛みとは異なり、溶連菌によるのどの痛みは非常に強く、唾を飲み込むのも困難になるほどです。のどの奥(咽頭や扁桃)が真っ赤に腫れ、白い膿のような付着物(白苔)が見られることもあります。
🔸 高熱
溶連菌感染症では、38度から40度程度の高熱が出ることが一般的です。熱は急激に上昇することが多く、悪寒を伴うこともあります。大人の場合、高熱による全身倦怠感や頭痛、関節痛などの症状も強く現れることがあります。
🔸 リンパ節の腫れ
のどの炎症に伴い、首の前側や顎の下のリンパ節が腫れることがあります。触ると痛みを感じることが多く、腫れが目で見てわかるほど大きくなることもあります。リンパ節の腫れは、体が細菌と戦っている証拠でもあります。
🔸 頭痛・全身倦怠感
高熱に伴い、激しい頭痛や強い全身倦怠感が現れます。大人の場合、これらの症状が仕事や日常生活に大きな支障をきたすことがあります。体を動かすのが辛くなり、ベッドから起き上がれないほどだるくなることもあります。
🔸 発疹(猩紅熱)
溶連菌が産生する毒素によって、全身に細かい赤い発疹が現れることがあります。この状態を「猩紅熱(しょうこうねつ)」と呼びます。発疹は首や胸、脇の下、肘の内側、太ももの付け根などから始まり、全身に広がります。発疹は触るとザラザラとした感触があり、「日焼けのような」または「サンドペーパーのような」肌触りと表現されます。
🔸 イチゴ舌
溶連菌感染症の特徴的な症状の一つに「イチゴ舌」があります。最初は白い苔で覆われていた舌が、数日後に赤くなり、舌の表面の乳頭(舌のブツブツした部分)が腫れてイチゴのような外観になります。この症状は特に猩紅熱を発症した場合に見られやすい症状です。
🔸 消化器症状
大人の溶連菌感染症では、吐き気、嘔吐、腹痛などの消化器症状が現れることがあります。これらの症状は子どもよりも大人で多く見られる傾向があります。食欲不振を伴うことも多く、十分な栄養や水分を摂取することが難しくなる場合があります。

Q. 大人の溶連菌感染症の主な症状は何ですか?
大人の溶連菌感染症では、唾を飲み込むのも困難になるほど強いのどの痛みと、38〜40度の高熱が主な症状です。首のリンパ節の腫れ、激しい頭痛、強い全身倦怠感も現れます。子どもより症状が重くなる傾向があり、吐き気・腹痛などの消化器症状が出やすい点も大人に特徴的です。
🔍 子どもの症状との違い
大人と子どもでは溶連菌感染症の現れ方に重要な違いがあります。これを知ることで適切な対応が可能になります。
溶連菌感染症は子どもと大人で症状の現れ方に違いがあります。大人特有の特徴を理解しておくことで、早期発見・早期治療につなげることができます。
🔸 症状の重症度
一般的に、大人の溶連菌感染症は子どもよりも症状が重くなる傾向があります。のどの痛みや発熱、全身倦怠感などがより強く現れ、回復にも時間がかかることが多いです。これは、大人の免疫系が細菌に対して強く反応することが一因とされています。
🔸 発疹の出現頻度
子どもでは猩紅熱(発疹を伴う溶連菌感染症)が比較的よく見られますが、大人では発疹が出現する頻度は低い傾向があります。ただし、大人でも発疹が出る場合は重症化のサインである可能性があるため、注意が必要です。
🔸 消化器症状の頻度
前述の通り、大人では吐き気や腹痛などの消化器症状が現れやすい傾向があります。子どもでは典型的なのどの痛みと発熱が主症状であることが多いのに対し、大人では消化器症状が目立つ場合があります。
🔸 合併症のリスク
大人は子どもに比べて合併症を発症するリスクが高いとされています。特に、糖尿病や心臓病などの基礎疾患がある方、高齢者、免疫力が低下している方は、重篤な合併症を起こしやすいため、早期の治療が重要です。
🔸 無症候性キャリア
大人の中には、溶連菌に感染しても明らかな症状が出ない「無症候性キャリア(保菌者)」の方がいます。症状がないまま菌を保有し、知らないうちに周囲の人に感染を広げてしまう可能性があります。子どもが溶連菌に感染した場合、症状がなくても家族が検査を受けることが推奨される理由の一つです。
📋 大人の溶連菌感染症の診断方法
症状だけでは風邪などと区別が困難なため、正確な検査による診断が不可欠です。
溶連菌感染症の正確な診断には、医療機関での検査が必要です。症状だけでは風邪やインフルエンザなど他の感染症と区別することが難しいため、検査による確定診断が重要です。
🔸 問診と視診
まず、医師は症状の経過や周囲の感染状況について詳しく問診を行います。子どもや家族に溶連菌感染者がいないか、職場や学校で流行していないかなどを確認します。次に、のどの状態を直接観察し、扁桃の腫れや白苔の付着、咽頭の発赤などをチェックします。
🔸 迅速抗原検査
最も一般的な検査方法が迅速抗原検査です。綿棒でのどの奥(咽頭や扁桃)をこすって検体を採取し、溶連菌の抗原(菌の一部)を検出します。検査結果は10〜15分程度で判明するため、その場で診断を確定し、治療を開始することができます。感度は80〜90%程度とされており、偽陰性(感染しているのに陰性と出る)の可能性もあります。
🔸 咽頭培養検査
迅速検査で陰性だった場合でも、臨床的に溶連菌感染症が強く疑われる場合は、咽頭培養検査を行うことがあります。採取した検体を培地で培養し、溶連菌が増殖するかどうかを確認します。結果が出るまでに1〜2日程度かかりますが、迅速検査よりも精度が高いとされています。
🔸 血液検査
合併症が疑われる場合や、治療後のフォローアップのために血液検査を行うことがあります。ASO(抗ストレプトリジンO)抗体価やASK(抗ストレプトキナーゼ)抗体価を測定することで、最近の溶連菌感染の有無や、リウマチ熱などの合併症のリスクを評価することができます。
Q. 溶連菌感染症の治療で抗生物質を飲みきる必要があるのはなぜですか?
溶連菌感染症の治療では、症状が改善しても処方された抗生物質を10日間飲みきることが非常に重要です。途中で服用を中止すると菌が完全に除去されず、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。アイシークリニックでも、自己判断による服薬中止で症状が再燃するケースが報告されています。
💊 大人の溶連菌感染症の治療法
溶連菌感染症は細菌感染のため抗生物質による治療が必須です。適切な治療で症状改善と合併症予防が可能です。
溶連菌感染症は細菌感染症であるため、抗生物質(抗菌薬)による治療が必要です。適切な治療を受けることで、症状の改善を早め、合併症を予防することができます。
🔸 抗生物質による治療
溶連菌感染症の第一選択薬はペニシリン系抗生物質です。アモキシシリンやペニシリンVなどが一般的に使用されます。ペニシリンアレルギーがある場合は、セフェム系抗生物質やマクロライド系抗生物質(アジスロマイシン、クラリスロマイシンなど)が代替薬として使用されます。
治療期間は通常10日間です。症状が改善しても、処方された抗生物質は最後まで飲みきることが非常に重要です。途中で服用を中止すると、菌が完全に除去されず、再発や合併症(リウマチ熱や急性糸球体腎炎など)を引き起こすリスクが高まります。
抗生物質による治療について詳しく知りたい方は、こちらの記事「粉瘤が感染したら抗生物質は効く?治療法や予防策を専門医が解説」も参考になります。
🔸 対症療法
抗生物質による原因療法に加えて、症状を和らげるための対症療法も行われます。
- 📌 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン、イブプロフェンなど)
- 📌 うがい薬やトローチでのどの不快感を軽減
🔸 安静と水分補給
治療中は十分な安静と水分補給が大切です。高熱による脱水を防ぐために、こまめに水分を摂取しましょう。のどの痛みが強い場合は、冷たい飲み物やアイスクリーム、ゼリーなど、のどごしの良いものを摂取するとよいでしょう。刺激の強い食べ物や熱い飲み物は避けることをおすすめします。
🔸 治療効果の判定
抗生物質を開始すると、通常24〜48時間で症状の改善が見られます。48時間経過しても症状が改善しない場合や、治療中に症状が悪化する場合は、再度医療機関を受診してください。抗生物質が効いていない可能性や、別の病気が隠れている可能性があります。
🚨 大人が溶連菌に感染した場合の合併症リスク
大人は子どもより合併症リスクが高いため、適切な治療を完了させることが極めて重要です。
溶連菌感染症を適切に治療しないと、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。大人は子どもに比べて合併症のリスクが高いとされているため、特に注意が必要です。
🔸 化膿性合併症
溶連菌感染が局所的に広がることで起こる合併症です。
- 📌 扁桃周囲膿瘍(扁桃の周りに膿がたまる)
- 📌 副鼻腔炎
- 📌 中耳炎
- 📌 リンパ節炎
これらの合併症では、追加の治療(膿の排出や抗生物質の変更など)が必要になることがあります。
🔸 リウマチ熱
リウマチ熱は、溶連菌感染症の後2〜4週間後に発症する自己免疫性の合併症です。溶連菌に対する免疫反応が、心臓、関節、皮膚、脳などの組織を攻撃してしまうことで起こります。発熱、関節痛、心臓の炎症(心炎)、皮膚の発疹、不随意運動などの症状が現れます。特に心臓弁への障害は永続的な後遺症を残すことがあるため、早期発見・早期治療が重要です。
🔸 急性糸球体腎炎
溶連菌感染症の1〜3週間後に発症することがある腎臓の合併症です。溶連菌に対する免疫複合体が腎臓の糸球体に沈着することで炎症が起こります。血尿、タンパク尿、むくみ(浮腫)、高血圧などの症状が現れます。多くの場合は自然に回復しますが、まれに腎機能障害が残ることがあります。
🔸 劇症型溶連菌感染症(人食いバクテリア)
🚨 緊急度高!
非常にまれですが、最も重篤な合併症が劇症型溶連菌感染症です。「人食いバクテリア」とも呼ばれ、溶連菌が血流に入り込んで全身に広がり、急速に進行する致死的な感染症を引き起こします。壊死性筋膜炎(皮膚や筋肉の壊死)、敗血症、多臓器不全などを起こし、発症から数日で死亡することもあります。 発熱、強い痛み、患部の急速な腫れや変色などの症状が見られた場合は、直ちに救急医療を受ける必要があります。
🔸 合併症を予防するために
これらの合併症を予防するためには、溶連菌感染症と診断されたら、処方された抗生物質を最後まで確実に服用することが最も重要です。症状が改善しても自己判断で服用を中止せず、必ず医師の指示に従ってください。また、治療後に新たな症状(関節痛、むくみ、血尿、胸痛など)が現れた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
Q. 溶連菌感染後に仕事復帰できる目安は?
溶連菌感染症では、抗生物質を開始してから24〜48時間が経過し、解熱剤なしで平熱に戻っていることが仕事復帰の基本的な目安です。加えて、のどの痛みが十分に改善し、食事が普通に摂れ、日常生活に支障がない程度に体力が回復していることも条件となります。復帰後も抗生物質の服用は必ず継続してください。
💼 仕事復帰の目安と注意点
適切な復帰タイミングで自身の回復を促し、職場での感染拡大を防ぐことが可能です。
大人が溶連菌感染症にかかった場合、仕事への復帰時期について気になる方も多いでしょう。適切なタイミングで復帰することで、自身の回復を促し、職場での感染拡大を防ぐことができます。
🔸 復帰の目安
溶連菌感染症では、抗生物質の服用を開始してから24時間以上経過し、熱が下がっていれば、他人への感染力はほぼなくなるとされています。ただし、仕事に復帰できるかどうかは、症状の回復具合や仕事の内容によって異なります。
一般的な目安として:
- 📌 抗生物質を開始してから24〜48時間経過
- 📌 解熱している(解熱剤なしで平熱に戻っている)
- 📌 のどの痛みなどの症状が十分に改善している
- 📌 食事が普通に摂れる
- 📌 日常生活に支障がない程度に体力が回復している
🔸 職場での注意点
復帰後も抗生物質の服用は継続してください。処方された日数分を最後まで飲みきることが、再発や合併症の予防につながります。また、復帰直後は無理をせず、できるだけ安静を心がけましょう。
職場での感染拡大を防ぐために:
- 📌 こまめな手洗いを徹底
- 📌 マスクを着用
- 📌 咳やくしゃみをする際は口と鼻を覆う
- 📌 共用の物品(コップ、タオルなど)の使用を避ける
- 📌 できるだけ人との距離を保つ
🔸 医療・介護・保育従事者の場合
⚠️ 特別注意!
医療機関、介護施設、保育園などで働いている方は、感染リスクの高い方々と接する機会が多いため、より慎重な判断が必要です。職場の規定に従い、必要に応じて医師の診断書を取得してから復帰するようにしましょう。
🔸 再受診が必要な場合
復帰後に症状が悪化した場合や、新たな症状が出現した場合は、すぐに医療機関を受診してください。特に、高熱の再燃、のどの痛みの悪化、関節痛、むくみ、血尿、息切れ、胸痛などの症状が見られた場合は、合併症の可能性があるため、早急な対応が必要です。
🛡️ 溶連菌感染症の予防法
日常的な感染対策の徹底が最も効果的な予防法です。特に流行期には予防策を強化しましょう。
溶連菌感染症を予防するためには、日常的な感染対策が重要です。特に、家族内に感染者がいる場合や流行期には、より徹底した予防策を講じましょう。
感染対策については、こちらの記事「初詣の人混みでの感染対策|安心して新年を迎えるための予防法を解説」も参考になります。
🔸 手洗いの徹底
最も基本的で効果的な予防法が手洗いです。石けんと流水で20秒以上かけて丁寧に手を洗いましょう。特に、外出先から帰宅したとき、食事の前、トイレの後、鼻をかんだ後などは必ず手を洗うようにしてください。手指消毒用アルコールの使用も効果的です。
🔸 咳エチケットの実践
咳やくしゃみをする際は、ティッシュやハンカチ、または袖の内側で口と鼻を覆い、飛沫の拡散を防ぎましょう。使用したティッシュはすぐにゴミ箱に捨て、その後手を洗ってください。症状がある場合はマスクを着用しましょう。
🔸 環境衛生の維持
溶連菌は環境中でもある程度の期間生存することがあるため、こまめな清掃と消毒が大切です。ドアノブ、スイッチ、テーブル、リモコンなど、よく触れる場所は定期的に消毒しましょう。また、十分な換気を行い、室内の空気を入れ替えることも効果的です。
🔸 感染者との接触を避ける
家族内に溶連菌感染者がいる場合は、できるだけ接触を避け、別室で過ごすようにしましょう。食器やタオル、寝具などは共用せず、個別のものを使用してください。感染者のケアをする場合は、マスクを着用し、ケア後は必ず手を洗いましょう。
🔸 免疫力の維持
免疫力を維持することで、感染のリスクを下げることができます。
- 📌 バランスの良い食事を心がける
- 📌 十分な睡眠をとる
- 📌 適度な運動を行う
- 📌 ストレスを溜めないようにする
など、日常的な健康管理を心がけましょう。
🔸 早期受診・早期治療
のどの強い痛みや高熱などの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。早期に診断・治療を受けることで、症状の悪化を防ぎ、周囲への感染拡大も防止することができます。特に、子どもが溶連菌に感染した場合、症状がなくても家族が検査を受けることが推奨されます。

👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
当院では、大人の溶連菌感染症の相談が冬季を中心に増加傾向にあります。特に、お子さんからの家族内感染で受診される保護者の方が多く、症状が重く長期化するケースをよく拝見します。早期診断・適切な抗生物質治療により、多くの患者さんで良好な経過が得られていますが、自己判断による服薬中止で症状が再燃するケースもあるため、処方薬の完全服用の重要性を特にお伝えしています。
❓ よくある質問
溶連菌感染症は抗生物質による治療が必要な感染症です。自然に治ることもありますが、治療せずに放置すると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。症状がある場合は必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。
はい、溶連菌には何度でも感染する可能性があります。溶連菌にはさまざまな型があり、一度感染してその型に対する免疫ができても、別の型の溶連菌には感染することがあります。また、同じ型の溶連菌でも、時間が経つと免疫が弱まり、再感染することがあります。
風邪はウイルスによって引き起こされ、鼻水、くしゃみ、咳などの症状が主体で、のどの痛みは比較的軽度です。一方、溶連菌感染症は細菌によって引き起こされ、のどの強い痛み、高熱、リンパ節の腫れが特徴です。風邪では通常、鼻水や咳が目立ちますが、溶連菌感染症ではこれらの症状は少ない傾向があります。
抗生物質を飲み始めると、通常24〜48時間で熱が下がり始め、のどの痛みも徐々に改善します。ただし、症状が改善しても抗生物質は処方された日数(通常10日間)を最後まで飲みきることが重要です。途中で服用を中止すると、再発や合併症のリスクが高まります。
現在、溶連菌感染症を予防するためのワクチンは実用化されていません。溶連菌には多くの型があり、すべての型に対応するワクチンの開発が困難であることが主な理由です。予防には、手洗いの徹底や咳エチケットなど、日常的な感染対策が重要です。
家族内に溶連菌感染者がいる場合、症状がなくても無症候性キャリア(保菌者)として菌を保有している可能性があります。特に、小さなお子さんや妊婦、高齢者、基礎疾患のある方と同居している場合は、医師に相談の上、検査を受けることを検討してください。
📝 まとめ
溶連菌感染症は子どもの病気というイメージがありますが、大人も感染する可能性があります。 大人が感染した場合、子どもよりも症状が重くなったり、合併症を発症したりするリスクが高いため、適切な対応が重要です。
のどの強い痛み、高熱、リンパ節の腫れなどの症状が現れたら、早めに医療機関を受診し、検査を受けてください。溶連菌感染症と診断された場合は、処方された抗生物質を最後まで確実に服用することが、症状の改善と合併症の予防につながります。
日常的な感染対策として、手洗いの徹底、咳エチケットの実践、十分な休養と栄養摂取を心がけましょう。特に、子どもが溶連菌に感染した場合は、家族への感染拡大を防ぐための対策を講じることが大切です。
参考文献
- 国立感染症研究所 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは
- 厚生労働省 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎について
- 厚生労働省 感染症情報
- 日本感染症学会 A群溶血性レンサ球菌感染症
- 日本小児科学会 学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
