ワキガ治療は保険適用できる?条件・費用・手術方法を医師が詳しく解説

「ワキガの治療を受けたいけれど、保険が適用されるのか分からない」「保険適用の条件は何だろう」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。ワキガ(腋臭症)は、脇の下から特有の強いにおいが発生する症状で、日常生活や対人関係に大きな影響を与えることがあります。実は、ワキガ治療は一定の条件を満たせば健康保険が適用され、自己負担を抑えて治療を受けることが可能です。本記事では、ワキガ治療における保険適用の条件や費用、手術方法について詳しく解説します。保険適用外の治療との違いや、治療を検討する際のポイントもご紹介しますので、ワキガ治療をお考えの方はぜひ参考にしてください。

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📋 目次

  1. 📌 ワキガ(腋臭症)とは?原因とメカニズム
  2. 📌 ワキガ治療で保険が適用される条件とは
  3. 📌 保険適用されるワキガ手術の種類と特徴
  4. 📌 ワキガ治療の保険適用時の費用目安
  5. 📌 保険適用外のワキガ治療との違い
  6. 📌 ワキガ治療を受けるまでの流れ
  7. 📌 ワキガ手術のメリット・デメリット
  8. 📌 ワキガ治療後の経過とアフターケア
  9. 📌 当院での診療傾向【医師コメント】
  10. 📌 よくある質問

この記事のポイント

ワキガ(腋臭症)治療は医師が日常生活に支障をきたすと診断した場合、剪除法(皮弁法)に限り健康保険が適用され、3割負担で両脇約4〜6万円の自己負担で受けられる。

🦠 ワキガ(腋臭症)とは?原因とメカニズム

ワキガ(腋臭症)は、脇の下から特有の強いにおいが発生する症状で、日常生活や対人関係に大きな悩みをもたらします。

ワキガ(腋臭症)とは、脇の下から特有の強いにおいが発生する状態を指します。医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、体質的な要因が大きく関与しています。ワキガのにおいは、一般的な汗のにおいとは異なり、独特の刺激臭を伴うことが特徴です。

🔸 ワキガが発生するメカニズム

人間の体には「エクリン汗腺」と「アポクリン汗腺」という2種類の汗腺が存在します。エクリン汗腺は全身に分布しており、体温調節のために水分を主成分とするサラサラした汗を分泌します。一方、アポクリン汗腺は脇の下、耳の中、乳輪周辺、外陰部などの限られた部位に存在し、タンパク質や脂質を含む粘り気のある汗を分泌します。

ワキガのにおいは、アポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚表面の常在菌によって分解されることで発生します。アポクリン汗腺から出る汗自体は無臭ですが、汗に含まれるタンパク質や脂質が細菌によって分解されると、独特の刺激臭を持つ物質が生成されます。この細菌による分解産物が、ワキガ特有のにおいの原因となります。

✨ ワキガになりやすい人の特徴

ワキガは遺伝的要因が強く、両親のいずれかがワキガの場合、子どもにも遺伝する可能性が高いとされています。特に、アポクリン汗腺の数や大きさは遺伝によって決まるため、ワキガ体質は生まれつきのものといえます。

また、以下のような特徴がある方はワキガの可能性が高いとされています。

📌 耳垢が湿っている(湿性耳垢)タイプの方は、アポクリン汗腺が発達している傾向があります。日本人の約16%が湿性耳垢といわれており、このタイプの方はワキガ体質である可能性が高いです。また、衣類の脇部分に黄色いシミができやすい方も、アポクリン汗腺からの分泌が活発であることを示唆しています。

ワキガの症状は思春期頃から顕著になることが多く、ホルモンバランスの変化によってアポクリン汗腺の活動が活発になることが関係しています。また、ストレスや緊張、辛い食べ物の摂取、飲酒なども一時的ににおいを強くする要因となることがあります。

💡 ポイント
ワキガの原因について詳しく知りたい方は「ワキガの原因は遺伝?遺伝の確率やメカニズム・対策方法を医師が詳しく解説」もぜひご覧ください。

Q. ワキガ治療に健康保険は適用されますか?

ワキガ(腋臭症)治療は、医師が日常生活に支障をきたすと診断した場合に限り健康保険が適用されます。適用される手術は「剪除法(皮弁法)」のみで、ボトックス注射やミラドライは自由診療となります。3割負担の場合、両脇で約4〜6万円の自己負担が目安です。

🎯 ワキガ治療で保険が適用される条件とは

ワキガ治療において保険が適用されるかどうかは、多くの方が気になるポイントです。結論からいうと、一定の条件を満たせばワキガ治療は健康保険の適用対象となります。ただし、すべてのワキガ治療が保険適用になるわけではないため、条件をしっかり理解しておくことが重要です。

📋 保険適用の基本条件

ワキガ治療が保険適用となるためには、医師による「腋臭症」の診断が必要です。腋臭症は保険診療において疾患として認められており、日常生活に支障をきたすレベルのにおいがあると医師が判断した場合に、保険適用での治療が可能となります。

保険適用の判断基準としては、以下のような点が考慮されます。

まず、においの程度が一定以上であることが求められます。軽度のにおいで本人が気にしているだけの場合は、保険適用とならないケースもあります。医師が診察時にガーゼテストなどを行い、においの強さを客観的に評価することがあります。

次に、日常生活への支障があることも判断材料となります。仕事や学校、対人関係においてにおいが原因で困っている状況があれば、治療の必要性が認められやすくなります。

また、保険適用となる治療法は限られています。現在、保険適用が認められているワキガ治療は「剪除法(せんじょほう)」と呼ばれる手術のみです。その他の治療法(ボトックス注射、ミラドライなど)は自由診療となり、全額自己負担となります。

🔍 保険適用の診断プロセス

保険適用でのワキガ治療を希望する場合、まずは皮膚科や形成外科を受診し、医師の診察を受けることが必要です。診察では、問診や視診、においの確認などが行われます。

📌 問診では:症状が始まった時期、におい発生する状況、家族歴、これまでに試した対処法などについて聞かれます。
📌 視診では:脇の下の状態やアポクリン汗腺の分布状況などが確認されます。

においの確認については、医師が直接確認する方法のほか、ガーゼを脇に挟んでにおいを評価するガーゼテストが行われることがあります。これらの診察結果を総合的に判断し、腋臭症と診断された場合に保険適用での手術が可能となります。

⚠️ 保険適用されないケース

以下のようなケースでは、保険適用とならない場合があります。

📌 においが軽度で、医師が治療の必要性を認めない場合は保険適用となりません。また、本人は強いにおいがあると感じていても、客観的な診察でにおいが確認できない「自己臭症」の場合も、腋臭症としての治療対象とはなりません。

📌 美容目的での治療や、手術以外の治療法(ボトックス注射、レーザー治療、ミラドライなど)を希望する場合も自由診療となります。これらの治療法は効果が期待できるものも多いですが、保険適用の対象外となるため、費用面では注意が必要です。

🚨 緊急度高!
ワキガのセルフチェック方法を知りたい方は「ワキガのセルフチェック方法|自分で確認できる7つのポイントと対処法を解説」で詳しく診断のポイントを確認できます。


⚠️ 保険適用されないケース

Q. 剪除法とはどのような手術ですか?

剪除法(皮弁法)は、脇の下の皮膚を3〜4cm切開して裏返し、アポクリン汗腺を目視で確認しながらハサミや鉗子で取り除く手術です。局所麻酔下で片側約30〜60分で完了します。汗腺を直接除去するため確実性が高く、再発率も低い根本的な治療法です。

🏥 保険適用されるワキガ手術の種類と特徴

保険適用が認められているワキガ手術は「剪除法(せんじょほう)」です。この手術は「皮弁法(ひべんほう)」とも呼ばれ、アポクリン汗腺を直接目で確認しながら除去する方法です。根本的な治療法として高い効果が期待できます。

💊 剪除法(皮弁法)の手術方法

剪除法は、脇の下の皮膚を切開し、皮膚を裏返してアポクリン汗腺を直接目で見ながら除去する手術です。アポクリン汗腺は皮膚の裏側に付着しているため、皮膚を反転させることで汗腺を確認し、ハサミや鉗子を使って丁寧に取り除きます。

手術は局所麻酔下で行われ、片側あたり約30分〜1時間程度で完了します。両脇を同日に手術する場合もあれば、片側ずつ時期をずらして行う場合もあり、医師と相談して決定します。

手術の流れとしては以下の通りです:
✅ まず脇の下に局所麻酔を注射
✅ 麻酔が効いたら、脇のシワに沿って3〜4cm程度の切開を入れる
✅ 切開した皮膚を反転させ、皮膚の裏側に付着しているアポクリン汗腺を確認しながら除去
✅ 汗腺の除去が完了したら、皮膚を元の位置に戻し、縫合

✨ 剪除法の効果とメリット

剪除法の最大のメリットは、アポクリン汗腺を直接確認しながら除去するため、高い確実性が期待できることです。医師が目視で汗腺を確認するため、取り残しを最小限に抑えることができます。

また、保険適用となるため、費用を抑えて治療を受けられることも大きなメリットです。3割負担の場合、両脇で約4〜5万円程度の自己負担で手術を受けることができます

根本的な治療であるため、一度手術を受ければ再発の可能性が低いことも特徴です。アポクリン汗腺を物理的に除去するため、においの原因そのものを取り除くことができます。

⚠️ 剪除法の注意点とデメリット

剪除法にはいくつかの注意点やデメリットもあります。まず、皮膚を切開する手術であるため、傷跡が残る可能性があります。脇のシワに沿って切開するため目立ちにくくはなりますが、完全に傷跡が消えるわけではありません。

また、術後のダウンタイムが比較的長いことも考慮が必要です。手術後は圧迫固定が必要となり、約1週間は腕を大きく動かすことを控える必要があります。仕事や日常生活への影響を考慮して、手術の時期を決める必要があります。

皮膚を反転させる手術のため、術後に皮膚の壊死や血腫などの合併症が起こる可能性もあります。これらのリスクを軽減するためには、経験豊富な医師による手術と、術後の適切なケアが重要です。

💡 ポイント
ワキガ手術の傷跡について詳しく知りたい方は「ワキガ手術跡は目立たない?傷跡を最小限にする治療法と術後ケアを解説」をご覧ください。

💰 ワキガ治療の保険適用時の費用目安

ワキガ治療を検討する際、費用は重要な判断材料の一つです。保険適用での治療と自由診療では費用に大きな差があるため、それぞれの費用目安を把握しておくことが大切です。

💰 保険適用時の費用

剪除法による手術を保険適用で受ける場合、手術費用は保険点数に基づいて算定されます。腋臭症手術の保険点数は片側につき約16,000点(約16万円)程度です。3割負担の場合、片側で約5万円、両脇で約10万円程度の自己負担となります。

ただし、この費用には手術費用のみが含まれており、初診料、検査費用、術後の通院費用、処方薬の費用などは別途かかります。これらを含めると、両脇の手術で総額約4〜6万円程度の自己負担となることが一般的です。

また、高額療養費制度を利用することで、月間の医療費が一定額を超えた場合に払い戻しを受けられる可能性もあります。所得に応じて自己負担の上限額が設定されているため、事前に確認しておくとよいでしょう。

📋 追加でかかる可能性のある費用

手術費用以外に、以下のような費用がかかる場合があります。

📌 術前検査として、血液検査や心電図検査などが行われることがあり、これらは数千円程度の費用がかかります。
📌 術後の通院では、傷の状態確認や抜糸のために数回の受診が必要となり、その都度再診料や処置料がかかります。

また、術後に処方される抗生物質や痛み止めなどの薬代も必要です。圧迫固定用のガーゼや包帯などの材料費も含まれる場合があります。

💸 保険適用と自由診療の費用比較

参考として、保険適用外の自由診療でワキガ治療を受ける場合の費用目安も紹介します。

📌 ボトックス注射は両脇で約5〜10万円程度で、効果の持続期間は約4〜6ヶ月です。定期的な施術が必要となるため、長期的にはコストがかさむ可能性があります。

📌 ミラドライ(マイクロ波治療)は両脇で約20〜40万円程度です。切開を伴わない治療法で、ダウンタイムが短いというメリットがありますが、保険適用外のため全額自己負担となります。

保険適用での剪除法は、効果の確実性と費用のバランスを考えると、経済的にもメリットのある選択肢といえます。

💡 ポイント
ワキガ手術の費用について詳しく知りたい方は「ワキガ手術の費用相場はいくら?保険適用条件や治療法別の料金を徹底解説」もご覧ください。

Q. ワキガ手術後の回復期間はどのくらいですか?

ワキガの剪除法手術後は、約3〜7日間の圧迫固定が必要で、術後1〜2週間で抜糸を行います。デスクワークであれば術後2〜3日で復帰できる場合もありますが、腕を使う仕事は1〜2週間の休養が必要です。日常生活への制限がほぼなくなるのは術後1ヶ月程度が目安です。

🔍 保険適用外のワキガ治療との違い

ワキガ治療には保険適用となる剪除法以外にも、さまざまな治療法があります。それぞれの特徴を理解し、自分に合った治療法を選択することが重要です。

💉 ボトックス注射

ボトックス注射は、ボツリヌストキシンという成分を脇の下に注射することで、汗の分泌を抑制する治療法です。エクリン汗腺からの発汗を抑えることで、においの軽減効果も期待できます。

施術時間は約10〜15分程度と短く、ダウンタイムもほとんどありません。注射当日から通常の生活に戻ることができます。ただし、効果の持続期間は約4〜6ヶ月程度であり、効果を維持するためには定期的な施術が必要です。

ボトックス注射はアポクリン汗腺を除去するわけではないため、重度のワキガには効果が限定的な場合があります。軽度〜中等度のワキガや、手術を避けたい方、まずは試してみたいという方に向いている治療法です。

⚡ ミラドライ

ミラドライは、マイクロ波を照射してアポクリン汗腺とエクリン汗腺を破壊する治療法です。皮膚を切開せずに汗腺を破壊できるため、傷跡が残らないというメリットがあります。

施術時間は約1時間程度で、局所麻酔下で行われます。術後は一時的な腫れや痛みがありますが、数日〜1週間程度で改善します。剪除法と比較するとダウンタイムが短いことが特徴です。

一度の施術で高い効果が期待できますが、完全に汗腺を破壊できない場合もあり、追加施術が必要になることもあります。費用は両脇で約20〜40万円程度と高額ですが、傷跡を残したくない方には選択肢の一つとなります。

📊 各治療法の比較表

それぞれの治療法の特徴をまとめると、以下のようになります。

📌 剪除法は保険適用が可能で費用を抑えられ、効果の確実性も高いですが、傷跡が残る可能性とダウンタイムが長いというデメリットがあります。根本的な治療を希望し、費用を抑えたい方に向いています。

📌 ボトックス注射は施術が簡単でダウンタイムが短いですが、効果が一時的で定期的な施術が必要です。手軽に始めたい方や、手術を避けたい方に向いています。

📌 ミラドライは傷跡が残らずダウンタイムも比較的短いですが、費用が高額で保険適用外です。傷跡を残したくない方や、ダウンタイムを短くしたい方に向いています。

💡 ポイント
治療法の詳細な比較については「ワキガ治療法を徹底比較|手術・注射・外用薬の効果や費用・特徴を医師が解説」で詳しく解説しています。

📝 ワキガ治療を受けるまでの流れ

ワキガ治療を検討している方のために、実際の治療を受けるまでの一般的な流れを解説します。事前に流れを把握しておくことで、スムーズに治療を進めることができます。

🔸 ステップ1:医療機関の選択と予約

まずは、ワキガ治療を行っている医療機関を探し、診察の予約を取ります。保険適用での治療を希望する場合は、保険診療に対応している皮膚科や形成外科を選ぶことが重要です。

医療機関を選ぶ際のポイントとしては:
腋臭症手術の実績があること
保険適用での治療に対応していること
✅ アクセスが良く通院しやすいこと
などが挙げられます。口コミや評判も参考にしながら、信頼できる医療機関を選びましょう。

🔸 ステップ2:初診・診察

予約した日時に医療機関を受診し、医師の診察を受けます。問診では、症状の経過、困っていること、家族歴、これまでに試した対処法などについて聞かれます

診察では、脇の下の状態を確認し、においの程度を評価します。ガーゼテストを行う場合もあります。診察の結果、腋臭症と診断されれば保険適用での手術が可能となります。

この段階で、治療法の説明やリスク・メリットの説明、費用の説明などを受けます。疑問点があれば遠慮なく質問し、納得した上で治療を進めることが大切です。

🔸 ステップ3:術前検査

手術を行うことが決まったら、術前検査を受けます。一般的には血液検査、尿検査、心電図検査などが行われます。これらの検査結果に問題がなければ、手術日を決定します。

手術日を決める際には、術後の安静期間を考慮する必要があります。仕事や学校、予定などを確認し、術後の回復期間を確保できる時期を選びましょう。

🔸 ステップ4:手術当日

手術当日は、予定時刻に医療機関を受診します。手術前に再度説明を受け、同意書にサインします。その後、手術室に移動し、局所麻酔を行ってから手術が開始されます。

手術時間は片側約30分〜1時間程度です。両脇を同日に行う場合は、合計で1〜2時間程度かかります。手術後は圧迫固定を行い、術後の注意事項について説明を受けてから帰宅します。

🔸 ステップ5:術後の通院

手術後は、傷の状態確認や消毒、抜糸のために数回の通院が必要です。通常、術後1〜2日目、1週間後、2週間後などに受診します。抜糸は術後1〜2週間程度で行われることが一般的です。

術後の経過に問題がなければ、その後は定期的なフォローアップは不要となることが多いですが、気になる症状があれば受診するようにしましょう。

Q. ワキガ手術と他の治療法の費用はどう違いますか?

保険適用の剪除法は3割負担で両脇約4〜6万円が目安です。一方、自由診療のボトックス注射は両脇で約5〜10万円かかり、効果は4〜6ヶ月で定期施術が必要です。ミラドライは両脇で約20〜40万円と高額です。費用と効果の持続性を考えると、剪除法は経済的にも優れた選択肢といえます。

⚖️ ワキガ手術のメリット・デメリット

ワキガ手術を検討する際には、メリットとデメリットの両面を理解した上で判断することが重要です。ここでは、保険適用となる剪除法のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

✅ メリット

剪除法の最大のメリットは、アポクリン汗腺を直接確認しながら除去するため、高い確実性が期待できることです。医師が目視で汗腺を確認するため、取り残しを最小限に抑えることができます。

保険適用となるため、経済的な負担を軽減できることも大きなメリットです。自由診療と比較すると、大幅に費用を抑えて治療を受けることができます。

また、においが改善されることで、精神的な負担が軽減され、自信を持って日常生活を送れるようになるという心理的なメリットもあります。仕事や対人関係においてにおいを気にする必要がなくなり、QOL(生活の質)の向上につながります。

⚠️ デメリット

デメリットとしては、まず皮膚を切開する手術であるため、傷跡が残る可能性があることが挙げられます。脇のシワに沿って切開するため目立ちにくくはなりますが、完全に傷跡が消えるわけではありません。ケロイド体質の方は傷跡が目立ちやすい傾向があります。

また、術後のダウンタイムが必要なことも考慮が必要です。手術後約1週間は腕を大きく動かすことを控える必要があり、仕事や日常生活に制限がかかります。デスクワークであれば数日後から復帰可能な場合もありますが、腕を使う仕事の場合は1〜2週間程度の休養が必要になることもあります。

手術に伴う合併症のリスクもあります。血腫、感染、皮膚の壊死、傷の開き、色素沈着などが起こる可能性があります。これらのリスクを軽減するためには、経験豊富な医師による手術と、術後の適切なケアが重要です。

再発の可能性もゼロではありません。アポクリン汗腺を完全に除去できなかった場合や、残った汗腺が活性化した場合に、においが再発することがあります。ただし、剪除法は他の治療法と比較して再発率が低いとされています。

⚠️ 注意!
ワキガ治療の再発について詳しく知りたい方は「ワキガ治療の再発確率は?手術方法別の再発率と再発を防ぐポイントを解説」をご覧ください。

🩹 ワキガ治療後の経過とアフターケア

ワキガ手術後の経過とアフターケアについて、時期ごとに詳しく解説します。適切なアフターケアを行うことで、合併症のリスクを軽減し、良好な治療結果を得ることができます

🔸 術後数日間

手術直後は、脇の下に圧迫固定が施されます。これは、血腫の形成を防ぎ、皮膚と下の組織が密着するようにするためです。圧迫固定は通常3〜7日間程度続けます

この期間は、腕を大きく上げたり、重いものを持ったりすることを避ける必要があります。肘を体に近づけた状態で安静に過ごすことが推奨されます。シャワーや入浴は医師の指示に従い、傷口を濡らさないように注意します。

痛みや腫れが出ることがありますが、処方された痛み止めで対処できる程度であることがほとんどです。強い痛みや急な腫れ、出血などがあれば、すぐに医療機関に連絡しましょう。

🔸 術後1〜2週間

術後1〜2週間で抜糸が行われます。抜糸後は傷口の状態を確認し、問題がなければ圧迫固定を外すことができます。この段階から、徐々に腕の動きを回復させていきます

ただし、まだ激しい運動や重労働は避ける必要があります。傷口が完全に治癒するまでは、脇に負担がかかる動作は控えましょう。シャワーは可能になることが多いですが、長時間の入浴はまだ避けた方がよいでしょう。

🔸 術後1ヶ月以降

術後1ヶ月程度で、日常生活にほぼ制限なく戻れることが多いです。軽い運動も可能になってきます。ただし、傷跡はまだ赤みを帯びていることがあり、完全に目立たなくなるまでには数ヶ月〜1年程度かかることがあります

傷跡のケアとして、日焼けを避けることが推奨されます。紫外線を浴びると色素沈着が起こりやすくなるため、傷口を露出する機会がある場合は日焼け止めを使用するなどの対策が必要です。

✨ 効果の実感時期

手術の効果は、傷が落ち着いてくる術後2〜3週間頃から実感できることが多いです。アポクリン汗腺が除去されているため、以前のような強いにおいは発生しなくなります。

ただし、手術直後は傷口の治癒過程で一時的ににおいがすることもあります。これは一時的なものであり、傷が治癒すれば改善します。術後の経過や効果について不安がある場合は、担当医に相談しましょう。

粉瘤の手術後のケアについては「粉瘤手術後のケア方法を医師が解説|傷跡を残さないためのポイント」でも詳しく解説していますが、ワキガ手術後も同様に適切な傷跡ケアが重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太医師(当院治療責任者)より

「ワキガ治療の相談で来院される患者さんの中には、長年においに悩み、市販の制汗剤やデオドラントを試しても改善しなかったという方が多くいらっしゃいます。特に夏場や梅雨の時期になると相談件数が増加する傾向があり、昨シーズンは前年より約15%増加しました。保険適用での治療を希望される方も増えており、費用面での不安から治療を諦めていた方が、保険適用の条件を知って相談に来られるケースも少なくありません。当院では、まず丁寧な診察でにおいの程度を評価し、保険適用の可否や最適な治療法について患者さんと一緒に検討しています。ワキガは体質的なものであり、恥ずかしがることではありません。お一人で悩まずに、まずは専門医にご相談ください。」

❓ よくある質問

ワキガかどうか自分で判断する方法はありますか?

ワキガかどうかを完全に自己判断することは難しいですが、いくつかの目安があります。耳垢が湿っているタイプの方はワキガ体質の可能性が高いとされています。また、衣類の脇部分に黄色いシミができやすい、家族にワキガの方がいる、といった点もワキガの可能性を示唆します。ただし、正確な診断は医師の診察を受けることをお勧めします。

ワキガ手術は両脇同時に受けられますか?

両脇同時に手術を受けることは可能ですが、医療機関や医師の方針によって異なります。両脇同時に行う場合は、術後の安静期間中に両腕の動きが制限されるため、日常生活への影響が大きくなります。片側ずつ時期をずらして行う方法もあり、どちらが適しているかは医師と相談して決めることをお勧めします。

ワキガ手術後、再発する可能性はありますか?

剪除法によるワキガ手術後、再発する可能性はゼロではありませんが、他の治療法と比較して再発率は低いとされています。再発の原因としては、手術時にアポクリン汗腺を完全に除去できなかった場合や、残った汗腺が活性化した場合などが考えられます。再発が心配な場合は、経験豊富な医師による手術を受けることをお勧めします。

ワキガ手術の傷跡はどのくらい目立ちますか?

傷跡の目立ち方には個人差があります。剪除法では脇のシワに沿って切開するため、比較的目立ちにくくなりますが、完全に消えるわけではありません。傷跡は術後数ヶ月〜1年かけて徐々に薄くなっていきます。ケロイド体質の方は傷跡が目立ちやすい傾向があるため、事前に医師に相談することをお勧めします。

ワキガ手術後、仕事にはいつから復帰できますか?

仕事への復帰時期は仕事内容によって異なります。デスクワークであれば術後2〜3日程度で復帰できることが多いですが、腕を大きく動かす作業や重いものを持つ仕事の場合は1〜2週間程度の休養が必要になることがあります。医師と相談し、ご自身の仕事内容に合わせたスケジュールを立てることをお勧めします。

子どもでもワキガ手術は受けられますか?

子どものワキガ手術については、一般的にはアポクリン汗腺の発達が完了する思春期以降(高校生以上)が推奨されることが多いです。成長期に手術を行うと、その後のアポクリン汗腺の発達により再発する可能性があるためです。ただし、症状の程度や本人・保護者の希望によっては検討されることもありますので、専門医に相談することをお勧めします。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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