
耳の後ろを触ったとき、押すと痛みを感じたり、しこりのようなものを感じたりした経験はないでしょうか。
放置すると取り返しのつかないケースもあります。
- ✅ 耳の後ろの痛み・腫れの本当の原因がわかる
- ✅ すぐ病院に行くべき危険サインを見逃さない
- ✅ 受診すべき科・タイミングが明確になる
2週間以上の腫れ・高熱・急速な腫大は、リンパ腫などの悪性疾患のサインである可能性があります。「たぶん大丈夫」と放置するのが一番危険です。
目次
- 耳の後ろにあるリンパ節について
- 耳の後ろを押すと痛い主な原因
- リンパ節炎とはどのような状態か
- 中耳炎や外耳炎が原因になることも
- 乳様突起炎(にゅうようとつきえん)について
- 風疹・麻疹などウイルス感染との関係
- 伝染性単核球症(EBウイルス感染)の特徴
- 猫ひっかき病とリンパ節の腫れ
- 悪性腫瘍(リンパ腫・転移性リンパ節)の可能性
- 耳の後ろの痛み・腫れに関連するその他の原因
- 病院を受診すべきタイミングと受診科
- 受診時に医師へ伝えるべきポイント
- 自宅でできるケアと注意点
- まとめ
この記事のポイント
耳の後ろの押すと痛い症状は後耳介リンパ節の腫れが主因で、感染症・中耳炎・風疹・乳様突起炎などが原因。2週間以上継続・急速な腫大・高熱を伴う場合は早急に耳鼻咽喉科等を受診すべき。
💡 耳の後ろにあるリンパ節について
まず、耳の後ろにはどのようなリンパ節があるのかを理解しておきましょう。
リンパ節は全身に約600〜800個点在していると言われており、体のさまざまな部位に集中しています。耳の後ろには「後耳介リンパ節(こうじかいリンパせつ)」と呼ばれるリンパ節があります。この後耳介リンパ節は、耳の裏側・乳様突起(耳の後ろの骨の突起部分)の周囲に位置しており、通常は米粒大かそれ以下の大きさで、健康な状態では外から触れることはほとんどありません。
リンパ節の役割は、体内に侵入したウイルスや細菌、異常な細胞をこし取り、免疫細胞が戦う場所として機能することです。いわばリンパ節は体の「免疫の砦」のような存在です。この砦が活性化すると、リンパ節が腫れて触れると痛みを感じるようになります。
後耳介リンパ節は主に、耳・耳周辺の皮膚・頭皮・後頭部からのリンパ液を受け取っています。そのため、これらの部位で炎症や感染が起きると、後耳介リンパ節に反応が現れやすくなります。
Q. 耳の後ろにある後耳介リンパ節の役割は?
後耳介リンパ節は耳の裏側・乳様突起周囲に位置し、耳・頭皮・後頭部からのリンパ液を受け取るリンパ節です。体内に侵入したウイルスや細菌をこし取り、免疫細胞が戦う場として機能します。炎症や感染が起きると腫れて押すと痛みを感じるようになります。
📌 耳の後ろを押すと痛い主な原因
耳の後ろを押したときに痛みを感じる原因は複数あります。症状の性質(腫れているかどうか、発熱を伴うかどうか、皮膚に変化があるかどうかなど)によって原因が異なりますので、それぞれの特徴を把握することが大切です。
大きく分類すると、以下のような原因が考えられます。
一つ目は、リンパ節の腫れ(リンパ節炎)です。感染症や炎症に対する免疫反応として、リンパ節が腫れて痛みが出ます。風邪をはじめ、さまざまな感染症が引き金になります。
二つ目は、耳の疾患(中耳炎・外耳炎など)です。耳自体に炎症が起きると、その近くにある後耳介リンパ節が反応して腫れることがあります。
三つ目は、乳様突起炎です。中耳炎が悪化して耳の後ろの骨(乳様突起)まで炎症が及ぶ状態で、強い痛みを伴います。
四つ目は、皮膚の感染症(毛嚢炎・頭皮の炎症など)です。耳の後ろや頭皮のニキビ・吹き出物・傷などが感染して炎症を起こすと、リンパ節が反応します。
五つ目は、ウイルス感染(風疹・麻疹・EBウイルスなど)です。特定のウイルス感染では、耳の後ろのリンパ節が腫れやすい傾向があります。
六つ目は、悪性腫瘍(リンパ腫・転移性リンパ節)です。まれではありますが、悪性の病変がリンパ節に現れることもあります。
これらの原因について、以下で詳しく解説していきます。
✨ リンパ節炎とはどのような状態か
リンパ節炎とは、リンパ節に炎症が起きた状態のことを指します。最も多い原因は細菌やウイルスによる感染症です。風邪をひいたときに首やのどのリンパ節が腫れる経験をしたことがある方は多いと思いますが、同じメカニズムで耳の後ろのリンパ節も腫れることがあります。
リンパ節炎の一般的な症状としては、リンパ節の腫れ(直径1cm以上になることが多い)、押したときの痛み、皮膚の赤みや熱感、発熱、全身的なだるさなどが挙げられます。
原因となる主な感染症には以下のものがあります。
細菌性のものでは、黄色ブドウ球菌や連鎖球菌による感染が代表的です。これらの菌は皮膚の傷や毛穴から侵入し、リンパ節に到達することがあります。細菌性リンパ節炎は抗生物質による治療が有効であることが多く、適切に治療しないと膿が溜まり(膿瘍形成)、より重篤な状態になることがあります。
ウイルス性のものでは、EB(エプスタイン・バー)ウイルス、サイトメガロウイルス、風疹ウイルス、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)などが原因になることがあります。ウイルス性の場合は、抗生物質は効果がなく、基本的に安静と対症療法が中心となります。
また、非感染性の原因としては、自己免疫疾患(全身性エリテマトーデスや関節リウマチなど)、薬剤性(一部の薬を服用することでリンパ節が腫れることがある)なども挙げられます。
多くのリンパ節炎は、原因となる感染症が治まるにつれて自然に改善していきます。しかし、2週間以上リンパ節の腫れが続く場合や、急速に大きくなる場合、発熱・体重減少・夜間の発汗などの症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。
🔍 中耳炎や外耳炎が原因になることも
耳の後ろを押すと痛いという症状が、耳自体の病気から来ている場合があります。特に中耳炎と外耳炎は、耳の後ろのリンパ節を腫れさせる原因として比較的よく見られます。
中耳炎は鼓膜の奥にある中耳と呼ばれる空間が炎症を起こした状態です。子どもに多い疾患として知られていますが、成人でも発症します。急性中耳炎では耳の痛み、耳だれ(耳から液体が出る状態)、発熱、難聴などの症状が現れ、炎症が強くなると耳の後ろのリンパ節が腫れて押すと痛みを感じることがあります。
外耳炎は耳の入り口から鼓膜の手前にかけての外耳道に炎症が起きた状態です。耳かきのしすぎや水泳後に耳に水が残ることなどが原因で起きやすく、耳の痛み・かゆみ・耳だれなどが主な症状です。外耳炎が重症化すると、耳の周囲のリンパ節が反応して腫れることがあります。
これらの耳の疾患に関連して耳の後ろが痛い場合は、耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。耳の中を直接確認することで診断がつき、適切な治療(抗生物質の点耳薬・内服薬など)が行われます。
Q. 乳様突起炎が危険な理由と主な症状は?
乳様突起炎は中耳炎が悪化し、耳の後ろの骨に炎症が及んだ状態です。強い痛みと腫れ、耳介が前方に押し出される外観変化、発熱が主な症状です。治療が遅れると髄膜炎や脳膿瘍などの重篤な合併症を引き起こす可能性があり、速やかに耳鼻咽喉科を受診する必要があります。
💪 乳様突起炎(にゅうようとつきえん)について
乳様突起炎は、耳の後ろにある乳様突起(側頭骨の一部で、耳の後ろにある骨の突起)に炎症が起きる病気です。多くの場合、急性中耳炎が悪化して耳の後ろの骨にまで炎症が及ぶことで発症します。
乳様突起炎の主な症状は以下の通りです。耳の後ろの強い痛みと腫れ、耳の後ろの皮膚の赤みと熱感、耳介(耳たぶを含む耳全体)が前方に押し出されるような外観の変化、発熱、耳の痛みや難聴などです。
乳様突起炎は耳の後ろが痛い原因の中でも特に注意が必要な状態です。治療が遅れると、髄膜炎(脳を覆う膜の炎症)や脳膿瘍(脳に膿が溜まる状態)などの重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
治療には入院の上、抗生物質の点滴投与が必要となることが多く、場合によっては外科的な処置(乳様突起削開術と呼ばれる手術)が必要になることもあります。耳の後ろが強く痛い、腫れている、耳介が前に押し出されているように見えるといった症状がある場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。
🎯 風疹・麻疹などウイルス感染との関係
特定のウイルス感染症では、耳の後ろのリンパ節が腫れやすいという特徴があります。その代表的なものが風疹(三日はしか)です。
風疹は風疹ウイルスによる感染症で、発熱・全身の発疹・リンパ節の腫れを特徴とします。特に後耳介リンパ節(耳の後ろのリンパ節)や後頭部のリンパ節が腫れやすいことが、風疹の診断に重要な手がかりとなります。風疹のリンパ節腫脹は発疹が出るよりも前から現れることがあり、押すと軽い痛みを感じることがあります。
風疹は通常、健康な成人では1〜2週間で自然に回復しますが、妊娠初期の女性が感染すると胎児に先天性風疹症候群(難聴・心臓疾患・白内障などを引き起こす)を起こすリスクがあります。そのため、風疹の疑いがある場合は妊婦への感染を防ぐための対応が必要です。
麻疹(はしか)も耳の後ろを含むリンパ節の腫れを伴うことがあります。麻疹は高熱・コプリック斑(口の中の白い斑点)・全身の発疹が特徴で、合併症(肺炎・脳炎など)のリスクがあるため、適切な医療機関での管理が必要です。
これらのウイルス感染症はワクチンで予防できるものがほとんどです。予防接種歴を確認し、必要に応じてワクチン接種を検討することも重要な予防策となります。
💡 伝染性単核球症(EBウイルス感染)の特徴
伝染性単核球症は、エプスタイン・バーウイルス(EBウイルス)の初感染によって引き起こされる感染症です。「キス病」とも呼ばれるように、唾液を介して感染が広がることが多く、10〜20代の若い世代に多く見られます。
この疾患の典型的な症状は、発熱・咽頭炎(のどの激しい痛み)・リンパ節腫脹(頸部・後頸部・後耳介を含む広範囲のリンパ節が腫れる)・脾臓の腫大などです。のどの痛みが非常に強く、扁桃腺が大きく腫れ、白い膿がついていることもあります。
耳の後ろのリンパ節が腫れやすいことも伝染性単核球症の特徴の一つであり、若い方が発熱・強いのどの痛み・耳の後ろのリンパ節腫脹の三つを同時に経験している場合、この病気を疑うことが重要です。
伝染性単核球症の診断は血液検査で行われます。異型リンパ球の出現やEBウイルスに対する抗体の測定などが診断の助けになります。
治療は基本的に安静と対症療法が中心です。しかし、脾臓が腫大しているため、激しい運動や腹部への衝撃は脾破裂(ひはれつ)のリスクがあり、回復するまでの間は激しいスポーツや重いものを持つことを控える必要があります。また、伝染性単核球症に対してアンピシリン・アモキシシリンなどのペニシリン系抗生物質を投与すると、高率に全身の発疹が現れることが知られており(薬疹ではなく、EBウイルス感染との相互作用による反応)、この点も注意が必要です。
Q. 風疹が耳の後ろのリンパ節腫れと関係する理由は?
風疹ウイルスに感染すると、後耳介リンパ節や後頭部リンパ節が特に腫れやすい特徴があり、発疹より前から症状が現れることがあります。妊娠初期の女性が感染すると胎児に先天性風疹症候群を引き起こすリスクがあるため、風疹が疑われる場合は妊婦への感染防止対応が重要です。

📌 猫ひっかき病とリンパ節の腫れ
猫ひっかき病は、バルトネラ・ヘンセレという細菌によって引き起こされる感染症で、猫(特に子猫)に引っかかれたり噛まれたりすることで感染します。猫の爪や口の中にこの細菌が存在しており、皮膚の傷口から体内に侵入します。
感染後数日〜2週間程度で、引っかかれた部位の近くのリンパ節が腫れてきます。もし顔や耳の周囲・頭部を引っかかれた場合、耳の後ろのリンパ節が腫れることがあります。腫れたリンパ節は痛みを伴い、1〜3か月程度かけてゆっくりと改善することが多いです。
発熱や倦怠感を伴うこともあります。免疫力が低下している方では、重篤な全身感染症に発展することがあるため注意が必要です。
猫との接触歴がある方が耳の後ろのリンパ節腫脹を経験した場合は、受診時に必ず猫に引っかかれたことを医師に伝えましょう。診断は主に血液検査(抗体検査)や組織検査で行われます。多くの場合は自然に改善しますが、症状が強い場合や長引く場合は抗生物質による治療が行われることがあります。
✨ 悪性腫瘍(リンパ腫・転移性リンパ節)の可能性
耳の後ろのリンパ節の腫れは、多くの場合は感染症や炎症によるものですが、まれに悪性腫瘍が原因となることもあります。このことを正しく理解しておくことは重要です。
悪性リンパ腫は、リンパ球が癌化することで起こる血液のがんです。ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別され、どちらもリンパ節の腫れを主な症状とします。悪性リンパ腫によるリンパ節の腫れは、感染性のものと比較して以下のような特徴があります。押しても痛みがないことが多い(無痛性)、ゴム状の弾力があり比較的硬い、複数の部位のリンパ節が同時に腫れることが多い、1か月以上改善しない、発熱・体重減少・夜間の大量発汗(B症状と呼ばれる)を伴うことがある、などです。
転移性リンパ節は、頭頸部のがん(口腔がん・咽頭がん・喉頭がん・甲状腺がんなど)が進行して、リンパ節に転移した状態です。これらのがんからの転移は首や耳の周囲のリンパ節に現れることがあります。
ただし、耳の後ろのリンパ節が腫れているからといって、すぐに悪性腫瘍を疑う必要はありません。統計的には、リンパ節腫脹の圧倒的多数は感染症などの良性疾患によるものです。しかし、以下のような場合は早めに専門医を受診することをお勧めします。腫れが2〜4週間以上続く場合、腫れが次第に大きくなっている場合、複数の部位のリンパ節が腫れている場合、発熱・体重減少・夜間の大量発汗が続く場合、リンパ節が硬くて固定されている場合(動かしにくい)などです。
🔍 耳の後ろの痛み・腫れに関連するその他の原因
ここまで主要な原因について説明しましたが、耳の後ろの痛みや腫れには、リンパ節以外の原因も考えられます。
粉瘤(ふんりゅう・アテローム)は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まった良性の腫瘤です。耳の後ろは粉瘤ができやすい部位の一つで、感染を起こすと赤く腫れ、押すと強い痛みが出ます。感染した粉瘤は抗生物質の投与や切開排膿(切って膿を出す処置)が必要になることがあります。根本的な治療には手術による摘出が必要です。
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスが神経に沿って再活性化することで起こる疾患です。耳の周囲に帯状疱疹が発症した場合(ラムゼイ・ハント症候群)、耳の後ろの痛み・水疱の形成・顔面神経麻痺・難聴・めまいなどの症状が現れることがあります。激しい痛みが帯状疱疹の特徴で、皮膚に水疱が現れる前から痛みが出ることもあります。
緊張型頭痛や筋肉の緊張も、耳の後ろから後頭部にかけての痛みの原因となることがあります。長時間のデスクワークやスマートフォンの使用による首・肩の筋肉の緊張が、この部位の痛みとして感じられることがあります。この場合、リンパ節の腫れは伴わないことが多いです。
脂漏性皮膚炎や頭皮の湿疹などの皮膚疾患も、耳の後ろのリンパ節が反応して腫れることがあります。耳の後ろの皮膚に発疹・かゆみ・フケのようなものがある場合は皮膚科を受診するとよいでしょう。
副鼻腔炎(蓄膿症)が重篤化した場合にも、耳の周囲のリンパ節が腫れることがあります。長引く鼻づまり・鼻水・頭痛などを伴う場合は耳鼻咽喉科での診察が必要です。
Q. 耳の後ろの腫れで悪性腫瘍を疑うべき特徴は?
悪性リンパ腫や転移性リンパ節による腫れは、押しても痛みがない、硬くて動かしにくい、複数箇所が同時に腫れる、1か月以上改善しないといった特徴があります。発熱・体重減少・夜間の大量発汗を伴う場合も要注意です。アイシークリニックでは必要に応じて適切な専門科へのご紹介も行っています。
💪 病院を受診すべきタイミングと受診科
耳の後ろが押すと痛い場合、どのタイミングで病院に行けばよいのか、また何科を受診すればよいのかは多くの方が迷うポイントです。以下を参考にしてください。
すぐに受診が必要な場合(緊急性が高い症状)として、耳の後ろが急激に強く腫れている、高熱(38.5℃以上)が続いている、耳の後ろの腫れとともに耳介が前方に押し出されている(乳様突起炎の可能性)、強い頭痛・項部硬直(首を前に曲げにくい)・意識の変容がある(髄膜炎の可能性)、呼吸困難・飲み込みにくさがひどい(のどの腫れが重症な場合)、などの症状がある場合は、速やかに救急外来や耳鼻咽喉科を受診してください。
早めの受診が望ましい場合(数日以内)として、2週間以上リンパ節の腫れが続いている、リンパ節の腫れが徐々に大きくなっている、発熱・体重減少・夜間の大量発汗が続いている、耳の痛みや難聴を伴っている、耳の後ろに水疱や発疹がある、猫に引っかかれた後にリンパ節が腫れた、などの症状がある場合です。
受診科の目安としては以下の通りです。耳の症状(痛み・難聴・耳だれなど)を伴う場合は耳鼻咽喉科が第一選択です。皮膚の変化(発疹・水疱・しこりなど)を伴う場合は皮膚科が適しています。発熱・倦怠感などの全身症状が強い場合は内科または家庭医・かかりつけ医が対応します。悪性腫瘍が疑われる場合は耳鼻咽喉科または腫瘍内科、血液内科への紹介が必要になることがあります。
どこを受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけ医やクリニックに相談することをお勧めします。適切な科への紹介状を書いてもらうことができます。
🎯 受診時に医師へ伝えるべきポイント

医師に正確な情報を伝えることで、診断がスムーズになり、適切な治療を早く受けることができます。受診時には以下の情報を整理してから来院すると役立ちます。
症状の始まり:いつから耳の後ろが痛くなり始めたか、腫れはいつからあるかを伝えましょう。
症状の変化:腫れや痛みが悪化しているのか、改善傾向にあるのか、変化していないのかを伝えてください。
随伴症状:発熱・のどの痛み・耳の痛みや難聴・発疹・体重減少・倦怠感など、ほかに気になる症状があれば伝えてください。
最近の感染症歴:最近風邪をひいていたか、周囲で感染症が流行しているかどうかも重要な情報です。
動物との接触歴:特に猫との接触(引っかかれた・噛まれたなど)があれば伝えましょう。
ワクチン接種歴:風疹や麻疹のワクチン接種を受けているかどうかを伝えることができると参考になります。
服用中の薬:現在服用している薬(市販薬を含む)があれば伝えてください。一部の薬がリンパ節腫脹の原因になることがあります。
既往歴:過去にかかった病気(特にがんや免疫疾患など)があれば伝えておきましょう。
これらの情報を事前にメモして持参すると、診察がより効率的に進みます。
💡 自宅でできるケアと注意点
軽い症状で、感染症による一時的なリンパ節の腫れであることが予想される場合、自宅でできるケアを行いながら様子を見ることがあります。ただし、ここで紹介するケアはあくまで補助的なものであり、症状が改善しない場合や悪化する場合は必ず医師に相談してください。
十分な休養を取ることが最も重要です。体の免疫機能が正常に働くためには、十分な睡眠と休息が必要です。無理をせず体を休めることで、感染症からの回復を助けることができます。
水分補給をこまめに行いましょう。感染症や発熱時には体から水分が失われやすくなります。水・スポーツドリンク・経口補水液などでこまめに水分補給を行いましょう。
痛みや発熱がつらい場合は、市販の鎮痛解熱剤(アセトアミノフェン・イブプロフェンなど)を使用することができます。ただし、服用量や服用間隔の指示を守り、症状が改善しない場合は医師に相談してください。
腫れた部位を強く押したり揉んだりすることは避けましょう。炎症を悪化させたり、感染が広がったりする可能性があります。
耳の後ろに粉瘤や吹き出物が疑われる場合、自分で無理に絞ったり針で刺したりすることは絶対に避けてください。感染を悪化させたり、傷跡が残ったりするリスクがあります。
喫煙は免疫機能を低下させ、感染症からの回復を遅らせることがあります。感染症の疑いがある場合は特に、禁煙・節煙を心がけることが回復の助けになります。
栄養バランスのとれた食事を心がけることも免疫機能の維持に重要です。特にビタミンC・ビタミンD・亜鉛などのミネラルは免疫機能をサポートする栄養素として知られています。
ただし、前述のように以下の場合はセルフケアのみで様子を見ることは危険です。高熱が続く場合、腫れが急速に大きくなる場合、強い痛みがある場合、呼吸困難・飲み込みにくさがある場合、2週間以上症状が改善しない場合は、必ず医療機関を受診してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の後ろの痛みや腫れを主訴に来院される患者さんの多くが、風邪などの感染症に伴うリンパ節炎や中耳炎・外耳炎が原因であり、適切な治療で改善されています。一方で、2週間以上腫れが続く場合や痛みを伴わない硬いしこりがある場合は、悪性疾患の鑑別が必要なケースもございますので、「様子を見れば治るだろう」と判断せず、早めにご相談いただくことをお勧めします。患者さんお一人おひとりの症状を丁寧に診察し、必要に応じて適切な専門科へのご紹介も含めてサポートいたしますので、気になる症状があればどうぞお気軽にお越しください。」
📌 よくある質問
最も多い原因は、風邪などの感染症に伴うリンパ節炎です。そのほか、中耳炎・外耳炎、風疹や伝染性単核球症などのウイルス感染、粉瘤の炎症、帯状疱疹なども原因として考えられます。まれに悪性リンパ腫や転移性リンパ節が原因となるケースもあるため、症状が長引く場合は注意が必要です。
耳の痛みや難聴・耳だれなど耳の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科、発疹や水疱など皮膚の変化を伴う場合は皮膚科が適しています。発熱や倦怠感など全身症状が主な場合は内科やかかりつけ医に相談しましょう。どの科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談することをお勧めします。
風邪などの感染症に伴う一時的な腫れで、痛みが軽度であれば、十分な休養・水分補給・市販の鎮痛解熱剤で様子を見ることができます。ただし、2週間以上腫れが続く場合、急速に大きくなる場合、高熱や体重減少を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください。
悪性腫瘍によるリンパ節の腫れは、押しても痛みがない(無痛性)、硬くて動かしにくい、複数箇所が同時に腫れる、1か月以上改善しないといった特徴があります。発熱・体重減少・夜間の大量発汗を伴う場合も要注意です。当院では、こうした場合に適切な専門科へのご紹介も含めて対応しております。
乳様突起炎は中耳炎が悪化し、耳の後ろの骨(乳様突起)に炎症が及んだ状態です。耳の後ろの強い痛みと腫れ、皮膚の赤み、耳介が前方に押し出されるような変化、発熱が主な症状です。治療が遅れると髄膜炎や脳膿瘍などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。
✨ まとめ
耳の後ろを押すと痛い症状は、多くの場合、後耳介リンパ節が何らかの原因で腫れていることによります。原因としては、風邪などの感染症に伴うリンパ節炎・中耳炎や外耳炎・風疹や伝染性単核球症などのウイルス感染・粉瘤・帯状疱疹・乳様突起炎など、さまざまな疾患が考えられます。まれではありますが、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫大が原因になることもあります。
多くの場合、感染症が原因であれば適切な休養と治療で改善しますが、2週間以上症状が続く場合、急速に腫れが大きくなる場合、高熱や体重減少を伴う場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
受診科は症状によって異なりますが、耳の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科、皮膚の変化を伴う場合は皮膚科、全身症状が主体の場合は内科やかかりつけ医が適しています。
耳の後ろの痛みや腫れは、体が何らかのサインを送っている可能性があります。症状を軽視せず、必要に応じて適切な医療機関への受診をためらわないようにしましょう。アイシークリニック新宿院では、患者さんの症状に応じた適切な診療・ご案内を行っております。気になる症状がある場合はお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 風疹・麻疹などのワクチンで予防可能な感染症に関する情報、予防接種の重要性についての公式情報として参照
- 国立感染症研究所 – 伝染性単核球症(EBウイルス感染)・猫ひっかき病・風疹・麻疹などの感染症の疫学情報および診断基準として参照
- PubMed – リンパ節炎・乳様突起炎・悪性リンパ腫などの診断と治療に関する国際的な医学的エビデンスおよび臨床研究論文として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
