
夏の猛暑を乗り越えてほっとしたのも束の間、なんとなく体がだるい、食欲がわかない、夜眠れないといった不調が続いていませんか。これらは「秋バテ」と呼ばれる症状かもしれません。秋バテは夏バテほど知名度が高くないものの、近年の気温変化の激しい秋に多くの人が悩む体調不良です。本記事では秋バテのチェックリストをもとに、自分の症状を確認する方法と、原因・予防・改善策まで詳しく解説します。
目次
- 秋バテとは何か
- 秋バテの症状チェックリスト
- チェックリストの結果の見方
- 秋バテの主な原因
- 秋バテが起こりやすい人の特徴
- 秋バテの予防と改善策①食事
- 秋バテの予防と改善策②睡眠・休養
- 秋バテの予防と改善策③運動・入浴
- 秋バテの予防と改善策④自律神経を整える習慣
- 病院を受診すべき目安
- まとめ
この記事のポイント
秋バテは夏の疲労蓄積と自律神経の乱れが主因で、26項目チェックリストで重症度を確認し、食事・睡眠・運動・入浴の生活習慣改善が有効。チェックが21個以上または2〜3週間改善しない場合は受診を推奨。
🎯 秋バテとは何か
秋バテとは、夏の疲労や急激な気温変化が原因となって、秋口に体や心のさまざまな不調が表れる状態のことです。医学的な正式な病名ではなく、慢性的な疲労感・倦怠感・食欲不振・睡眠障害・気分の落ち込みなどの症状をまとめて指す言葉として使われています。
夏バテは高温多湿の環境で体温調節機能が乱れることで起こりますが、秋バテはそこからさらに進んだ状態と考えることができます。夏に蓄積した疲労が秋になっても回復しきれていないこと、さらに朝晩と昼間の気温差が大きい秋特有の気候が自律神経を乱すことが、症状を長引かせる大きな要因です。
近年は地球温暖化の影響で夏が長くなり、残暑が9月・10月まで続くケースも珍しくありません。それに加えて冷房の効いた室内から暑い屋外を行き来する生活習慣が定着したことで、自律神経への負荷がかつてより大きくなっており、秋バテに悩む人の数は増加傾向にあると言われています。
「秋は過ごしやすい季節なのになぜ体調が悪いのだろう」と不思議に思う方も多いかもしれませんが、その体調不良の正体が秋バテである可能性は十分あります。まずはチェックリストで自分の状態を確認してみましょう。
Q. 秋バテとはどのような状態ですか?
秋バテとは、夏の疲労蓄積と秋特有の朝晩・昼間の大きな気温差による自律神経の乱れが原因で、慢性的な倦怠感・食欲不振・睡眠障害・気分の落ち込みなどが秋口に表れる状態です。医学的な正式病名ではありませんが、近年増加傾向にあります。
📋 秋バテの症状チェックリスト
以下のチェックリストを参考に、ここ2〜3週間の自分の体調を振り返ってみてください。当てはまると感じる項目にチェックを入れてみましょう。
🦠 身体的な症状
- 体が重く、慢性的なだるさや倦怠感がある
- 朝起きるのがつらく、なかなかベッドから出られない
- 食欲がなく、食事の量が減っている
- 胃もたれや消化不良が続いている
- 頭痛や頭が重い感じがある
- 肩こりや首のこわばりを感じる
- 手足が冷えやすくなった
- めまいや立ちくらみが起きやすい
- 便秘や下痢など、胃腸の調子が乱れている
- 汗をかきやすくなった、または汗が出にくくなった
- 風邪をひきやすくなった、または風邪が治りにくい
- 肌荒れやニキビが増えた
👴 睡眠・活動に関する症状
- 夜なかなか寝つけない
- 夜中に目が覚めてしまう
- 十分寝ても疲れが取れない
- 日中に強い眠気がある
- 休日に長時間寝てしまうことがある
- 運動する気力が湧かない
- 仕事や趣味に集中できない
- 些細なことでミスが増えた
🔸 精神的・感情的な症状
- 気分が落ち込みやすい
- イライラしやすくなった
- 不安感や焦りを感じることが増えた
- やる気が出ない日が続いている
- 楽しかったことに興味が持てなくなった
- 人と会うのが億劫になってきた
以上の項目を合計すると26項目になります。この数をもとに次のセクションで状態を確認してみてください。
💊 チェックリストの結果の見方
チェックの数によって、秋バテの程度をおおまかに把握することができます。ただし、これはあくまで目安であり、医学的な診断ではありません。症状が気になる場合は医療機関への相談を優先してください。
💧 チェックが0〜4個の場合
現時点では秋バテの可能性は低いと考えられます。ただし、季節の変わり目は体調が変化しやすい時期です。引き続き睡眠・食事・適度な運動を心がけて、予防に努めましょう。
✨ チェックが5〜10個の場合
軽度から中程度の秋バテの可能性があります。日常生活に大きな支障はないかもしれませんが、放置すると症状が悪化したり長引いたりするリスクがあります。生活習慣の見直しを始めることをおすすめします。本記事の予防・改善策を参考にして、体を労わる生活を意識してみてください。
📌 チェックが11〜20個の場合
中程度から重度の秋バテの可能性があります。日常生活や仕事に影響が出始めているかもしれません。生活習慣の改善を積極的に行いながら、症状が2週間以上続く場合は医療機関への受診を検討してください。
▶️ チェックが21個以上の場合
多くの症状が重なっており、秋バテだけでなく別の疾患が隠れている可能性も否定できません。自己判断で様子を見続けず、できるだけ早めに医療機関を受診することをおすすめします。特に気分の落ち込みや意欲の低下が強い場合は、うつ病などの精神的な疾患との鑑別も必要です。
Q. 秋バテのチェックリストは何項目あり、結果はどう判断しますか?
秋バテのチェックリストは身体・睡眠・精神面で計26項目あります。チェック数が0〜4個は可能性低、5〜10個は軽度、11〜20個は中〜重度で生活習慣の改善が必要、21個以上は別の疾患が隠れている可能性もあるため早めの受診が推奨されます。
🏥 秋バテの主な原因
秋バテが起こる原因は複数あり、それらが複合的に絡み合っています。主な原因を理解することで、適切な対策を取りやすくなります。
🔹 夏の疲労の蓄積
夏の高温多湿な環境の中で体温を調節し続けることは、体にとって非常に大きな負担です。発汗によってミネラルやビタミンが失われ、消化機能が低下して栄養補給がうまくいかず、結果として体全体の機能が落ちてしまいます。夏の間に蓄積したこの疲労が、秋になっても解消されずに残り続けることが秋バテの根本的な原因の一つです。
📍 自律神経の乱れ
秋は朝晩と昼間の気温差が大きい季節です。体はこの温度変化に対応するために自律神経を使って体温調節を行いますが、変化が激しいと自律神経に過度な負荷がかかり、バランスが乱れてしまいます。自律神経は体温調節だけでなく、消化・循環・睡眠・免疫機能など多くの体の働きを司っているため、乱れると全身にさまざまな不調が表れます。
また、夏場に長時間冷房の効いた室内で過ごすことで、すでに自律神経が疲弊している状態で秋を迎える人も少なくありません。冷えた室内と猛暑の屋外を繰り返し行き来することは、体に「夏バテ」と「冷房病」を同時にもたらし、秋に入ってからの自律神経の乱れをさらに深刻にします。
💫 日照時間の変化とホルモンバランスの影響
秋は夏と比べて日照時間が短くなります。太陽の光を浴びる時間が減ると、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌リズムが乱れ、睡眠の質が低下しやすくなります。また、気分を安定させる働きを持つセロトニンの分泌も日照時間と関係しており、日光が少ない環境では気分の落ち込みや意欲の低下が起こりやすくなります。
これは冬季うつ(季節性感情障害)の前段階としても捉えられることがあり、秋から冬にかけての不調の一因となります。
🦠 夏の不規則な生活習慣
夏休みや長期のお盆休みなどで生活リズムが乱れたまま秋を迎えるケースも秋バテの一因です。夜更かし・朝寝坊・食事の時間の乱れなどが続くと体内時計が狂い、自律神経のリズムが崩れます。学校が再開する9月に「秋バテ」と呼ばれる不調が増えるのはこのためです。
👴 栄養不足
夏の食欲不振によってそうめんやアイスクリームなど冷たいものや消化の良いものに偏った食生活が続くと、たんぱく質・ビタミン・ミネラルが不足しがちになります。これらの栄養素は体の修復や免疫機能の維持に欠かせないため、不足すると体の回復力が下がり、疲れが抜けにくくなります。
⚠️ 秋バテが起こりやすい人の特徴
秋バテには個人差があり、同じような生活をしていても症状の出やすい人とそうでない人がいます。秋バテになりやすい人の特徴を把握しておくことで、予防の意識を高めることができます。
🔸 冷房環境に長時間いる人
オフィスワークや在宅勤務でほぼ一日中冷房の効いた環境にいる人は、体の深部体温が慢性的に下がりやすく、自律神経が乱れやすい状態にあります。外との温度差が大きいほど体への負担も増すため、秋バテのリスクが高まります。
💧 もともと冷え性の人
手足が冷えやすい冷え性の人は、血液の循環が悪くなりやすく、体温調節機能が低下しがちです。秋の気温変化に対応する力が弱いため、秋バテの症状が強く出る傾向があります。女性に多い傾向がありますが、男性でも起こります。
✨ 胃腸が弱い人
もともと胃腸が弱い人は、夏の冷たい食べ物・飲み物の影響を強く受けやすく、胃腸機能の低下が他の人より顕著に表れます。消化・吸収の効率が下がると栄養不足につながり、体全体の回復力が落ちるため秋バテが重症化しやすいです。
📌 ストレスを抱えている人
精神的なストレスは自律神経の乱れを促進します。仕事・育児・人間関係など慢性的なストレスを抱えている人は、季節の変わり目に体調を崩しやすく、秋バテの症状も長引きやすい傾向があります。
▶️ 運動不足の人
適度な運動は血行を促進し、自律神経のバランスを整える効果があります。運動習慣のない人は体の体温調節機能が低下しやすく、疲労回復も遅くなるため、秋バテに陥りやすいです。
🔹 睡眠が不規則な人・睡眠の質が低い人
睡眠は体の修復と自律神経の回復において非常に重要な役割を担っています。夜更かしが多い人、寝つきが悪い人、目が覚めやすい人は夏の疲れが取りきれず、秋になっても蓄積した疲労が解消されないまま秋バテに発展しやすいです。
🔍 秋バテの予防と改善策①食事
秋バテの回復には、低下した体の機能を取り戻すための栄養補給が欠かせません。食事面での具体的な工夫をご紹介します。
📍 たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は筋肉・臓器・免疫細胞・ホルモンなど体のあらゆる組織の材料となる栄養素です。夏の食欲不振で不足しがちなたんぱく質を秋に積極的に補うことで、疲労回復と体力の回復を促すことができます。肉・魚・卵・大豆製品・乳製品などをバランスよく取り入れましょう。特に秋の旬の食材であるサンマ・鮭・サバなどの青魚は、良質なたんぱく質とともにDHA・EPAなどの不飽和脂肪酸も摂れるためおすすめです。
💫 ビタミン・ミネラルを意識的に摂る
ビタミンB群はエネルギー代謝に関わり、疲労回復に重要です。豚肉・大豆・玄米・ナッツ類などに多く含まれています。ビタミンCは免疫機能の維持と抗酸化作用があり、野菜・果物から摂ることができます。また、亜鉛や鉄などのミネラルも免疫機能と疲労回復に関わっているため、偏った食事は避けて多様な食品を取り入れることが大切です。
🦠 胃腸を温める食べ方を心がける
夏に冷たいものを食べ続けて弱った胃腸を回復させるためには、温かい食事を中心にすることが有効です。スープ・鍋・おかゆ・温かい汁物などは消化しやすく、胃腸への負担も少ないため積極的に取り入れましょう。生姜・ネギ・にんにくなどの体を温める食材を加えると、血行促進と体の温めにも役立ちます。
👴 三食を規則正しく食べる
食事の時間が不規則になると体内時計が乱れ、自律神経のリズムも崩れてしまいます。朝食・昼食・夕食をできるだけ決まった時間に摂ることで、体内時計を整えることができます。朝食は特に重要で、体内時計をリセットして一日のリズムを整える働きがあります。食欲がない場合でも、ヨーグルト・バナナ・スープなど消化の良いものを少量でも口にするように心がけましょう。
🔸 冷たい飲み物を控える
秋に入っても習慣的に冷たい飲み物を多く摂ると、胃腸を冷やして消化機能の回復を妨げます。水分補給は常温や温かい飲み物(白湯・ハーブティー・温かい緑茶など)に切り替えることで、胃腸を温めながら水分を補給することができます。
Q. 秋バテになりやすい人にはどんな特徴がありますか?
秋バテになりやすい人の特徴として、冷房環境に長時間いる人・冷え性の人・胃腸が弱い人・慢性的なストレスを抱える人・運動不足の人・睡眠が不規則な人が挙げられます。夏場に室内外の大きな温度差を繰り返し経験した方は特にリスクが高まります。
📝 秋バテの予防と改善策②睡眠・休養
体の回復と自律神経の安定には、良質な睡眠が最も重要な基盤となります。秋バテの改善において睡眠環境と睡眠習慣の見直しは欠かせません。
💧 毎日同じ時間に起床・就寝する
体内時計は毎日ほぼ同じ時間に起床・就寝することで整えられます。週末の寝だめは翌週の体内時計をさらに乱す原因になるため、休日でも平日と大きく異なる時間に寝起きしないように注意しましょう。目安として、毎日の起床時間のズレは1時間以内に抑えることが理想とされています。
✨ 就寝前の習慣を整える
就寝の1〜2時間前からはリラックスした過ごし方を意識してください。スマートフォンやパソコンのブルーライトはメラトニンの分泌を抑制するため、就寝前のスクリーンタイムはできるだけ短くすることが望ましいです。代わりに、読書・ストレッチ・アロマなど自分がリラックスできる習慣を取り入れましょう。
📌 寝室の環境を整える
秋は朝晩の冷え込みが出てくる時期です。就寝中に体が冷えると睡眠の質が下がるため、掛け布団の素材や枚数を気温に合わせて調整しましょう。快適な睡眠のための室温の目安は18〜23℃程度とされています。また、遮光カーテンを使って朝の光の入り方を調整したり、静かな環境を整えたりすることも睡眠の質向上につながります。
▶️ 昼寝を活用する

夜の睡眠だけでは疲れが取りきれないと感じる場合、20〜30分程度の短い昼寝が有効です。ただし、長すぎる昼寝や夕方以降の昼寝は夜の睡眠を妨げるため注意が必要です。昼食後のやや眠くなる時間帯(13〜15時頃)に短い昼寝を取ることで、午後のパフォーマンスが改善しやすくなります。
💡 秋バテの予防と改善策③運動・入浴
適度な運動と入浴は、血行を促進し、自律神経を整え、疲労回復を助ける効果があります。秋バテの改善において積極的に取り入れたい習慣です。
🔹 無理のない有酸素運動を習慣にする
ウォーキング・軽いジョギング・サイクリング・水泳などの有酸素運動は、自律神経のバランスを整え、副交感神経の活動を高めてリラックス効果をもたらします。また、適度に体を動かすことで体温調節機能が鍛えられ、気温変化への適応力が高まります。運動の強度は「少し息が弾む程度」が目安で、激しすぎると逆に体に負担をかけてしまいます。まずは毎日15〜30分のウォーキングから始めてみましょう。
📍 朝の日光浴を取り入れる
朝起きたら外に出て太陽の光を浴びることは、体内時計のリセットとセロトニン分泌の促進に非常に効果的です。日照時間が短くなる秋に意識的に朝の日光を取り入れることで、気分の安定と睡眠の質向上が期待できます。朝のウォーキングと組み合わせると一石二鳥です。
💫 ゆっくりと湯船につかる
シャワーだけで済ませる習慣のある方は、秋バテの時期には湯船に入ることをおすすめします。38〜40℃程度のぬるめのお湯に15〜20分ほどつかることで、副交感神経が優位になりリラックス効果が得られます。また、体の深部まで温まることで血行が促進され、筋肉のこわばりや冷えの改善にも役立ちます。就寝の1〜2時間前に入浴すると、体温がゆっくり下がりながら眠気が訪れるため、寝つきの改善にも効果的です。
🦠 入浴後にストレッチを行う
入浴後に体が温まっている状態でゆっくりとストレッチを行うと、筋肉の緊張がほぐれやすく、肩こりや腰の疲れの改善に効果的です。副交感神経を優位にする効果もあり、寝る前のルーティンとして取り入れると睡眠の質向上にもつながります。
Q. 秋バテで病院を受診すべき目安は何ですか?
生活習慣の改善を2〜3週間試みても症状が改善しない場合や、チェックリストで21個以上該当する場合は受診を検討してください。また、強い気分の落ち込みが2週間以上続く場合や、体重が1ヶ月で5%以上減少した場合も、甲状腺疾患や貧血・うつ病など別の疾患が隠れている可能性があります。
✨ 秋バテの予防と改善策④自律神経を整える習慣
秋バテの根本にある自律神経の乱れに直接アプローチする習慣も、積極的に取り入れてみましょう。
👴 腹式呼吸・深呼吸を習慣にする
深呼吸は副交感神経を活性化させる最もシンプルな方法の一つです。ゆっくりと鼻から4秒かけて息を吸い、口から8秒かけてゆっくり吐き出す呼吸法を、朝起きたとき・昼休み・就寝前などに習慣として取り入れると、自律神経のバランスが整いやすくなります。緊張やストレスを感じたときにも即効性があります。
🔸 室内外の温度差を小さくする工夫をする
冷房や暖房の設定温度を外気温と大きく乖離させないことが、自律神経への負担を減らすうえで重要です。外出時には薄手のカーディガンやストールなどを持ち歩いて体温調節ができるようにすると、急な温度変化に対応しやすくなります。冷房の風が直接当たらないような工夫も有効です。
💧 ストレスと上手に向き合う
慢性的なストレスは交感神経を過度に刺激し続け、自律神経のバランスを崩す大きな原因になります。ストレスをゼロにすることは難しいですが、趣味の時間を作る・友人と話す・自然の中を散歩するなど、自分なりのストレス発散方法を持つことが大切です。また、「完璧にやらなければ」という思考パターンが強い人は、少し力を抜く意識を持つことも秋バテの予防につながります。
✨ 漢方薬・サプリメントの活用
生活習慣の改善と並行して、漢方薬やサプリメントを活用することも一つの選択肢です。自律神経を整える効果があるとされる漢方としては、補中益気湯・六君子湯・十全大補湯などが秋バテや夏バテの回復に用いられることがあります。ただし、漢方薬は体質や症状によって合うものが異なるため、自己判断での使用は避け、漢方専門医や薬剤師に相談することをおすすめします。
サプリメントについては、ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウムなどが自律神経の安定や疲労回復に役立つとされています。ただし、あくまで食事からの栄養摂取を補うものとして位置づけ、過剰摂取には注意が必要です。
📌 適切な温活を取り入れる
体の中心部を温める「温活」は、血行を改善し胃腸の機能を高め、免疫力の向上にもつながります。腹巻きの着用・温かい飲み物の摂取・カイロの活用(仙骨・おへその下あたりを温める)などを日常に取り入れることで、体の冷えを防ぎ秋バテの改善を助けることができます。
📌 病院を受診すべき目安
秋バテの多くは生活習慣の改善によって回復することができますが、症状によっては医療機関の受診が必要な場合もあります。以下に当てはまる場合は、自己判断で対処し続けず早めに受診することを検討してください。
▶️ 受診の目安となる症状
- 生活習慣の改善を2〜3週間試みても症状が改善しない
- 体重が急激に減少している(1ヶ月で体重の5%以上)
- 発熱・激しい腹痛・嘔吐など明らかな身体症状がある
- 胸の痛みや動悸・息切れがある
- 強い頭痛や視野の異常がある
- 気分の落ち込みが2週間以上続き、何もやる気が起きない
- 自分を傷つけたいという気持ちが出てきた
- 日常生活(仕事・学業・家事)に大きな支障が出ている
秋バテに似た症状は、甲状腺機能低下症・貧血・うつ病・睡眠時無呼吸症候群・慢性疲労症候群などの疾患でも起こることがあります。これらは適切な治療が必要な病気であり、セルフケアのみでは改善が難しいことが多いです。
受診する診療科の目安としては、身体的な症状が中心であれば内科、気分の落ち込みや意欲の低下が目立つ場合は心療内科・精神科が適しています。「どこに行けばいいかわからない」という場合は、まずかかりつけ医に相談するのが最もスムーズです。
なお、検診や健康診断を長期間受けていない方は、この機会に基本的な血液検査・尿検査などを受けることで、隠れた疾患の早期発見につながることもあります。症状の有無にかかわらず、定期的な健康チェックを習慣にすることが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「秋になっても夏の疲れが抜けない・なんとなくだるいといった訴えで受診される患者様が毎年一定数いらっしゃいます。「秋バテ」は医学的な病名ではありませんが、自律神経の乱れや栄養不足が背景にあることが多く、放置すると冬にかけてさらに体調が悪化するケースも少なくないため、早めのセルフケアと状態の把握が大切です。チェックリストで気になる症状が多い場合や、生活習慣を見直しても2〜3週間で改善が見られない場合は、甲状腺疾患や貧血、うつ病など別の疾患が隠れている可能性もありますので、医療機関へご相談ください。」
🎯 よくある質問
夏バテは高温多湿の環境で体温調節機能が乱れることで起こりますが、秋バテは夏に蓄積した疲労が回復しきれていない状態に加え、秋特有の朝晩と昼間の大きな気温差が自律神経を乱すことで起こります。「秋は過ごしやすい季節なのになぜか体調が悪い」と感じる場合は、秋バテの可能性があります。
チェックが21個以上の場合は、秋バテ以外の疾患が隠れている可能性もあるため、早めの受診をおすすめします。また、個数に関わらず、生活習慣の改善を2〜3週間試みても症状が改善しない場合や、強い気分の落ち込みが2週間以上続く場合も医療機関への相談を検討してください。
冷房環境に長時間いる人、もともと冷え性の人、胃腸が弱い人、慢性的なストレスを抱えている人、運動不足の人、睡眠が不規則な人などが秋バテになりやすい傾向があります。特に夏場に室内外の温度差が大きい環境を繰り返し行き来していた方はリスクが高まります。
夏に不足しがちなたんぱく質(肉・魚・卵・大豆製品など)を積極的に摂ることが大切です。旬のサンマや鮭などの青魚は良質なたんぱく質とDHA・EPAも摂れておすすめです。また、弱った胃腸を回復させるために温かいスープや鍋など消化しやすい食事を中心にし、冷たい飲み物はできるだけ控えましょう。
補中益気湯・六君子湯・十全大補湯などの漢方薬が秋バテの回復に用いられることがあります。また、ビタミンB群・ビタミンC・マグネシウムなどのサプリメントも疲労回復に役立つとされています。ただし、漢方薬は体質によって合うものが異なるため、自己判断を避け、当院や薬剤師にご相談のうえ使用することをおすすめします。
📋 まとめ
秋バテは夏の疲労の蓄積、自律神経の乱れ、日照時間の変化、生活リズムの乱れなどが複合的に絡み合って起こる季節の不調です。「たかが秋バテ」と軽視しがちですが、放置すると症状が長引いたり悪化したりするため、チェックリストを活用して早めに自分の状態を把握し、適切な対処をすることが大切です。
今回ご紹介したチェックリストで当てはまる項目が多かった方は、まず食事・睡眠・運動・入浴・ストレス管理といった生活習慣の見直しから始めてみてください。秋バテの改善に魔法のような即効薬はなく、地道な生活習慣の積み重ねが最も効果的な対策です。
一方で、セルフケアを続けても症状が改善しない場合や、症状が強く日常生活に支障が出ている場合は、迷わず医療機関を受診してください。秋バテに似た症状が別の疾患のサインであることもあるため、専門家の判断を仰ぐことが重要です。
秋は体のリセットと回復のための大切な季節です。この時期にしっかりと体を整えることで、冬に向けて免疫力を高め、元気で活動的な毎日を送るための基盤を作ることができます。ご自身の体のサインに耳を傾けながら、焦らず無理をせず、秋バテを乗り越えていきましょう。
📚 関連記事
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 夏季の体調管理・熱中症対策に関する公式情報。夏の疲労蓄積や気温変化による自律神経への影響、体温調節機能の乱れに関する根拠情報として参照。
- 厚生労働省 – 良質な睡眠の確保に関する公式ガイドライン。秋バテ改善策における睡眠習慣の見直し・就寝前の行動・体内時計の整え方に関する根拠情報として参照。
- WHO(世界保健機関) – 精神的健康・ストレス管理・気分の落ち込みやうつ症状の判断基準に関する国際的な情報。秋バテにおける精神的症状の評価や受診目安の根拠情報として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
