耳の前にしこりができた!原因や受診すべき診療科を解説

💬 こんな経験ありませんか?
「ある日ふと、耳の前あたりにしこりのようなものを触れた…」
痛みがないからといって放置していませんか?
耳の前は耳下腺・リンパ節・皮膚組織など複数の構造が密集しており、しこりの原因は多岐にわたります。
この記事を読めば、あなたのしこりが何なのか・今すぐ受診すべきかどうかが分かります。

🚨 読まないと起こること
  • ⚠️ 2〜4週間以上消えないしこりを放置すると、悪性腫瘍の発見が遅れるリスクがある
  • ⚠️ 原因によっては手術が必要になる前に対処できるチャンスを逃す
  • ⚠️ 正しい受診科を知らないと、たらい回しになって時間をロスする


目次

  1. 耳の前にしこりができる仕組みと解剖学的背景
  2. 耳の前のしこりの主な原因:耳下腺の疾患
  3. 耳の前のしこりの主な原因:リンパ節の腫れ
  4. 耳の前のしこりの主な原因:粉瘤(アテローム)
  5. 耳の前のしこりの主な原因:脂肪腫
  6. 耳の前のしこりの主な原因:その他の原因
  7. しこりの特徴から原因を見分けるポイント
  8. 受診すべき診療科と検査の流れ
  9. 放置するとどうなる?受診のタイミングの目安
  10. まとめ

この記事のポイント

耳の前のしこりは耳下腺疾患・リンパ節腫脹・粉瘤・脂肪腫など原因が多岐にわたり痛みがなくても放置は禁物。2〜4週間消えない場合や増大時は耳鼻咽喉科・皮膚科への早期受診が推奨される。

💡 耳の前にしこりができる仕組みと解剖学的背景

耳の前というのは、医学的には「耳前部(じぜんぶ)」と呼ばれる領域にあたります。この部位には、日常生活ではあまり意識しないさまざまな構造が集まっています。

まず注目すべきは、耳下腺(パロチド)という唾液腺です。耳下腺は耳の前から下にかけて広がる大きな唾液腺で、食事の際に唾液を分泌する役割を担っています。この耳下腺が何らかの原因で炎症を起こしたり、腫瘍が発生したりすると、耳の前あたりに目立ったしこりとして感じられるようになります。

次に、リンパ節も耳の前に存在します。耳前リンパ節(じぜんリンパせつ)と呼ばれる小さなリンパ節がいくつか存在し、顔面や頭皮などから流れてくるリンパ液をろ過する役割を持っています。感染症や炎症が起きると、このリンパ節が腫れてしこりのように触れることがあります。

さらに、耳の前の皮膚や皮下組織にも、皮脂腺や脂肪組織が存在しており、これらが原因となって粉瘤(ふんりゅう)や脂肪腫などが発生することもあります。

このように耳の前という部位は、複数の組織や器官が近接しているため、しこりの原因を特定するためには専門的な診察が必要になることが多いのです。また、耳の前のしこりは外から視認しにくい場合も多く、自分で触れて初めて気づくケースも珍しくありません。

Q. 耳の前にしこりができる主な原因は何ですか?

耳の前(耳前部)には耳下腺・耳前リンパ節・皮脂腺などが密集しており、しこりの原因は多岐にわたります。代表的なものとして、耳下腺炎や耳下腺腫瘍、感染症によるリンパ節腫脹、粉瘤(アテローム)、脂肪腫などが挙げられます。

📌 耳の前のしこりの主な原因:耳下腺の疾患

耳の前にしこりができる原因の中でも、とくに多いのが耳下腺に関連した疾患です。耳下腺はちょうど耳の前から顎の下あたりにかけて位置する唾液腺で、この組織に何らかの問題が生じると、耳の前に硬いしこりや腫れとして現れます。

✅ 耳下腺炎(おたふくかぜ)

耳下腺炎の代表的なものがいわゆる「おたふくかぜ」です。正式にはムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎と呼ばれます。子どもに多い感染症ですが、大人でも罹患することがあります。両側または片側の耳下腺が腫れ、耳の前から頬にかけて丸く腫れあがるのが特徴です。発熱や嚥下時の痛みを伴うことが多く、触れると圧痛(押したときの痛み)を感じます。

ムンプスウイルス以外にも、細菌感染による急性化膿性耳下腺炎という病態もあります。これは免疫力が低下しているときや、口腔内の清潔が保たれていない状態のときに起こりやすく、腫れが急激で強い痛みを伴うことが多いです。抗生物質による治療が必要となります。

📝 耳下腺の唾石症(だせきしょう)

唾石症とは、唾液腺の導管(唾液が流れる管)の中に石灰化した塊(唾石)ができてしまう疾患です。耳下腺よりも顎下腺(がっかせん)に多く見られますが、耳下腺にも発生します。食事中や食後に耳下腺の部位が腫れて痛む、という症状が特徴的です。炎症が慢性化すると、常に耳の前がしこりのように腫れた状態になることもあります。

🔸 耳下腺腫瘍

耳下腺に発生する腫瘍は、大きく良性腫瘍と悪性腫瘍に分けられます。

良性腫瘍の中で最も多いのが多形性腺腫(たけいせいせんしゅ)です。耳下腺腫瘍全体の約70〜80%を占めるとされており、ゆっくりと大きくなる硬いしこりとして現れます。痛みがなく、表面が滑らかで可動性があることが多いため、本人が気づかないまま数年かけて大きくなっているケースもあります。良性ではありますが、長期間放置すると悪性化するリスクがあるため、早めの対応が推奨されています。

次に多い良性腫瘍がワルチン腫瘍(腺リンパ腫)です。中高年の男性に多く、喫煙との関連が指摘されています。比較的柔らかく、両側に発生することもある腫瘍で、多形性腺腫と比べると悪性化のリスクは低いとされています。

一方、耳下腺の悪性腫瘍としては粘表皮癌(ねんひょうひがん)や腺様嚢胞癌(せんようのうほうがん)などがあります。悪性腫瘍の場合は、しこりの硬さが増す、顔面神経麻痺が出現する、皮膚との癒着が見られるなどの特徴が現れることがあります。ただし、これらの特徴はあくまでも目安であり、専門的な検査なしに良性か悪性かを判断することはできません。

✨ 耳の前のしこりの主な原因:リンパ節の腫れ

耳の前にある耳前リンパ節が腫れることでしこりのように感じられるケースも多くあります。リンパ節は体内の免疫システムの一部であり、細菌やウイルスなどの病原体と戦う際に反応して腫れることがあります。

⚡ 感染症によるリンパ節腫脹

耳前リンパ節が反応しやすい感染部位は、頭皮・顔面・外耳・眼(結膜)などです。たとえば、外耳炎や中耳炎、頭皮の湿疹・水虫(白癬)、目の結膜炎などの感染症が起きると、その周辺のリンパ節が腫れて耳の前にしこりが生じることがあります。このような感染性のリンパ節腫脹は、原因となる感染症が治癒すれば自然に縮小していくことがほとんどです。触れると軽い痛みを感じることが多く、しこりは柔らかく動きやすいことが特徴です。

🌟 伝染性単核症(EBウイルス感染症)

EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)の感染によって起こる伝染性単核症は、頸部リンパ節腫脹・発熱・咽頭炎の三徴候が有名ですが、耳前リンパ節が腫れることもあります。若い世代に多く、だるさや発熱とともに全身のリンパ節が腫れるのが特徴です。

💬 悪性リンパ腫・転移性リンパ節

まれではありますが、リンパ腫(悪性リンパ腫)やがんのリンパ節転移によってリンパ節が腫れる場合もあります。悪性の場合は、しこりが徐々に大きくなる、複数個触れる、押しても痛みがない(無痛性)、硬くなってくるなどの特徴が見られることがあります。また、体重減少・発熱・寝汗(いわゆるB症状)などの全身症状を伴うこともあります。これらの症状が見られる場合は速やかに医療機関を受診することが重要です。

Q. 耳下腺の多形性腺腫とはどのような腫瘍ですか?

多形性腺腫は耳下腺腫瘍の約70〜80%を占める良性腫瘍で、痛みがなくゆっくり大きくなる硬いしこりが特徴です。表面は滑らかで可動性があり、気づかないまま数年で増大するケースもあります。長期放置により悪性化するリスクがあるため、早めの受診と対応が推奨されます。

クリニックでカウンセリングを受ける患者と男性医師

🔍 耳の前のしこりの主な原因:粉瘤(アテローム)

粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚科領域で非常によく見られる良性の嚢腫(のうしゅ)です。アテロームとも呼ばれています。皮膚の表面にある毛穴や小さな傷口から皮膚の一部が内部に入り込み、袋状の構造を形成して、その中に角質や皮脂などが蓄積されることで生じます。

粉瘤は全身のどこにでも発生しますが、皮脂腺の多い顔面・頭部・耳の周囲などに比較的多く見られます。耳の前という部位は皮脂の分泌が盛んであるため、粉瘤が発生しやすい場所の一つです。

粉瘤の特徴としては、皮膚の表面に丸いしこりとして触れ、中央に黒っぽい点(毛穴の開口部)が確認できることがあります。触れると弾力があり、皮膚と一緒に動くことが多いです。通常は痛みがなく、ゆっくりと大きくなります。ただし、細菌が侵入して炎症を起こすと(炎症性粉瘤)、急激に赤く腫れ上がり、強い痛みを伴うようになります。

粉瘤は自然に消えることはなく、根本的な治療には外科的な摘出が必要です。炎症を起こした状態での手術は難しく、炎症が落ち着いてから改めて摘出を行う場合が多いです。内容物だけを絞り出すような処置では、袋状の構造(嚢腫壁)が残るため再発してしまいます。

💪 耳の前のしこりの主な原因:脂肪腫

脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下脂肪組織が異常に増殖してできる良性の腫瘍です。全身のどこにでも発生しますが、体幹・四肢・頸部などに多く見られます。耳の前を含む顔面にも発生することがあります。

脂肪腫の特徴は、触れると柔らかくぷにぷにとした感触があり、皮膚の下で自由に動くことです。通常は無痛性で、ゆっくりと大きくなります。皮膚の色調に変化はなく、外見上は目立ちにくいこともあります。大きさは数ミリのものから数センチに及ぶものまでさまざまです。

脂肪腫は良性であることがほとんどですが、非常にまれに悪性の脂肪肉腫(しぼうにくしゅ)との鑑別が必要になる場合もあります。急速に大きくなる場合や、硬さが増してくる場合などは専門医による評価が推奨されます。

治療については、小さいものや症状がないものは経過観察とされることもありますが、大きさが問題になる場合や整容的な理由から摘出を希望する場合は、外科的手術による摘出が行われます。

Q. 耳の前のしこりが悪性かどうか見分けるポイントは?

硬くて周囲と癒着し動きにくい、急速に大きくなる、顔面神経麻痺を伴う、体重減少・発熱・寝汗などの全身症状があるといった特徴は悪性疾患の可能性を示唆します。ただし自己判断には限界があり、最終的な診断には超音波検査・MRI・細胞診などの専門的な検査が不可欠です。

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🎯 耳の前のしこりの主な原因:その他の原因

耳の前のしこりの原因として、上記以外にもいくつかの疾患が考えられます。

✅ 顎関節の問題

耳の前には顎関節(がくかんせつ)が位置しています。顎関節は下顎骨と頭蓋骨をつなぐ関節で、口を開閉したり咀嚼したりする際に使われます。顎関節に炎症や変形が生じると(顎関節症)、耳の前に腫れや硬さを感じることがあります。口を開けた際に「カクン」という音がする、口が大きく開かないといった症状を伴うことが多いです。

📝 ガングリオン

ガングリオンは関節包や腱鞘から発生するゼリー状の液体が詰まった嚢腫です。手首や指に多く見られますが、顔面・耳前部にも稀に発生することがあります。触れると弾力があり、軟らかいしこりとして感じられます。

🔸 血管腫・リンパ管腫

血管の異常増殖による血管腫や、リンパ管の異常による嚢胞性リンパ管腫が耳の前に発生することがあります。これらは先天性のものが多く、乳幼児期に気づかれることが多いですが、成人後に発見されるケースもあります。柔らかく、押すと多少変形するような感触のしこりとして触れることがあります。

⚡ 皮膚線維腫・神経線維腫

皮膚線維腫は皮膚の線維組織が増殖してできる良性腫瘍で、硬めのしこりとして触れます。神経線維腫は神経組織から発生する腫瘍で、神経線維腫症(レックリングハウゼン病)という遺伝性疾患に関連して全身に多発することもあります。

🌟 耳珠(じじゅ)前の先天性耳前瘻孔(じぜんろうこう)

耳前瘻孔とは、耳の前(耳珠の前あたり)に先天的に小さな穴が開いている状態です。これ自体は生まれつきのものですが、この穴の内部(瘻管)に感染が起きると、腫れや排膿を伴うしこりとして現れます。繰り返し感染する場合は外科的に摘出する治療が行われます。

💡 しこりの特徴から原因を見分けるポイント

耳の前のしこりの原因を自分でおおまかに推測するために、いくつかの観察ポイントがあります。ただし、これらはあくまでも参考であり、自己診断には限界があります。最終的な診断は必ず医療機関で受けるようにしてください。

💬 痛みの有無

しこりに痛みがある場合は、炎症性の原因(感染性リンパ節炎、急性耳下腺炎、炎症性粉瘤など)が考えられます。一方、痛みがない場合は、良性腫瘍(多形性腺腫、脂肪腫など)や悪性疾患のこともあります。「痛みがないから大丈夫」と判断することは危険です。

✅ 硬さと可動性

柔らかくて動きやすいしこりは、脂肪腫や感染性リンパ節腫脹など比較的良性のものが多い傾向があります。一方、硬くて周囲と癒着して動きにくいしこりは、悪性疾患の可能性が否定できません。また、弾力があって動くしこりは粉瘤やガングリオンを疑うことがあります。

📝 大きさの変化

短期間で急速に大きくなるしこりは、感染・炎症、または悪性疾患の可能性が高まります。ゆっくりと何年もかけて少しずつ大きくなる場合は、良性腫瘍のことが多いですが、確実ではありません。

🔸 食事との関連

食事をすると腫れが増す・痛みが出るという場合は、唾液腺(耳下腺)の疾患、特に唾石症が疑われます。食事の前後でしこりの大きさが変化するかどうかを観察してみることも参考になります。

⚡ 皮膚の変化

しこりの上の皮膚が赤くなっている場合は炎症の可能性、皮膚と一体化して動かない場合は悪性疾患の可能性を示唆することがあります。また、中央に黒い点が見える場合は粉瘤を疑います。

🌟 発熱などの全身症状

しこりとともに発熱・体のだるさ・体重減少・寝汗などが見られる場合は、感染症や悪性疾患との関連が考えられます。速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

Q. 耳の前のしこりはいつ受診すべきですか?

顔面神経麻痺・急激な腫れ・高熱を伴う場合は速やかな受診が必要です。痛みがない場合でも、2〜4週間経過しても消えない、または徐々に大きくなる場合は放置せず耳鼻咽喉科や皮膚科を受診することが推奨されます。無痛のしこりでも悪性疾患や良性腫瘍の悪性化リスクがあるため注意が必要です。

📌 受診すべき診療科と検査の流れ

耳の前のしこりを発見した場合、最初に受診すべき診療科について解説します。

💬 まずは耳鼻咽喉科(頭頸部外科)へ

耳の前のしこりは、耳下腺やリンパ節などが関与していることが多いため、まず耳鼻咽喉科(耳鼻科)または頭頸部外科の受診が推奨されます。耳鼻咽喉科の専門医は、耳下腺・唾液腺・頸部リンパ節の疾患に精通しており、適切な診察と検査が受けられます。

✅ 皮膚科での受診も有効

粉瘤や脂肪腫など、皮膚・皮下組織が原因と思われる場合は皮膚科への受診も選択肢になります。皮膚科では、しこりの位置や大きさ、皮膚の状態を詳しく診察し、必要に応じて外科的処置も行います。

📝 形成外科・外科も選択肢

整容的な観点からの摘出を希望する場合や、しこりの外科的治療を優先したい場合は、形成外科や一般外科が対応することもあります。迷った場合はかかりつけ医に相談し、適切な診療科を紹介してもらうのも良い方法です。

🔸 受診時に行われる主な検査

受診した際には、まず問診と視診・触診が行われます。問診ではいつ頃からしこりに気づいたか、大きさや症状の変化、痛みの有無、発熱などの全身症状、既往歴などが確認されます。

次に、必要に応じてさまざまな検査が実施されます。

超音波(エコー)検査は、しこりの形状・大きさ・内部の構造・血流の状態などを評価するために広く用いられます。被曝がなく侵襲性も低い検査で、外来で簡便に行えるという利点があります。

CTスキャン・MRI検査は、しこりの広がりや周囲の組織との関係、リンパ節への転移の有無などを詳細に評価するために使用されます。特に悪性疾患が疑われる場合や手術前の評価として重要です。

細胞診・組織生検は、しこりの細胞を採取して顕微鏡で検査する方法です。注射針で細胞を吸引する穿刺吸引細胞診(FNAC)や、組織の一部を採取する生検が行われます。良性か悪性かの最終的な判断にはこの検査が重要です。

血液検査では、炎症マーカー(CRPや白血球数)、腫瘍マーカー、ウイルス抗体価などが確認されることがあります。

唾液腺の疾患が疑われる場合は、シンチグラフィ(唾液腺機能の核医学検査)が行われることもあります。

✨ 放置するとどうなる?受診のタイミングの目安

耳の前のしこりを発見したとき、「しばらく様子を見ようか」と思う方も多いのではないでしょうか。確かに、感染症に伴うリンパ節の腫れのように、原因が解消されれば自然に小さくなるものもあります。しかし、放置することで状態が悪化したり、治療が難しくなるケースもあります。

⚡ 速やかに受診すべきケース

以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早めに医療機関を受診することをお勧めします。

しこりが急速に大きくなっている場合は、感染による炎症や悪性疾患の可能性があります。腫れや痛みが強く、発熱を伴う場合は急性感染症の可能性があり、抗生物質などの治療が必要なことがあります。顔面神経麻痺(顔がゆがむ・目が閉じにくい・口角が下がる)を伴う場合は、耳下腺悪性腫瘍による顔面神経への浸潤が考えられるため、緊急性があります。飲み込みにくさ・声のかすれ・口が開きにくいなどの症状を伴う場合も同様に速やかな受診が必要です。しこりが複数あり、体重減少・発熱・寝汗などの全身症状を伴う場合は悪性リンパ腫などの可能性があります。

🌟 早めの受診が望ましいケース

2〜4週間経過してもしこりが小さくならない、または徐々に大きくなっているという場合は、感染以外の原因を考える必要があります。痛みがなく硬いしこりが触れる場合は、良性腫瘍であっても将来的な悪性化のリスクや整容的な問題を考えると、早めに専門医の診察を受けることが勧められます。

💬 良性の原因でも放置するリスク

良性と診断された場合でも、放置することがリスクになる場合があります。

粉瘤の場合、炎症を繰り返すことで周囲組織との癒着が強まり、手術が難しくなることがあります。また、炎症を繰り返すたびに日常生活への支障が大きくなります。

耳下腺の多形性腺腫は、長年放置すると悪性転化(癌化)するリスクが生じることが知られています。良性と診断されたとしても、適切なタイミングでの摘出が検討されます。

唾石症も、炎症が慢性化することで耳下腺組織自体が傷んでしまい、機能障害が残ることがあります。

✅ 日常生活での注意点

受診前の日常生活での対処についても触れておきます。しこりを強く押したり揉んだりすることは避けましょう。特に粉瘤や感染性のしこりの場合、圧迫によって状態が悪化することがあります。

炎症が疑われる場合(赤く腫れて熱感がある)は、患部を冷やすことで一時的に症状が和らぐことがあります。ただし、これは応急処置であり、根本的な治療にはなりません。

口腔内の清潔を保つことは、急性耳下腺炎の予防にもつながります。歯磨きや口腔ケアをしっかり行い、十分な水分摂取によって唾液の流れを維持することが大切です。

また、整容的なしこりの処置(粉瘤や脂肪腫の摘出など)を希望する場合は、美容クリニックや皮膚科での対応も可能です。専門的なケアのもとで、術後の傷跡が最小限になるよう配慮した治療が受けられます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、耳の前のしこりを「痛みがないから大丈夫だろう」と数年間放置された後にご来院される患者様が少なくなく、その中には多形性腺腫のように良性でも長期放置によって悪性化リスクが生じるケースも含まれています。しこりの原因は耳下腺疾患・リンパ節・粉瘤など多岐にわたり、見た目や感触だけでは判断が難しいため、2〜4週間以上消えない場合や少しでも変化を感じた際には、自己判断せずお早めにご相談いただくことをお勧めします。患者様が不安を抱えたまま過ごすことのないよう、当院では丁寧な問診と適切な検査を通じて、一人ひとりに寄り添った診療を心がけています。」

🔍 よくある質問

耳の前にしこりができたら、何科を受診すればいいですか?

まずは耳鼻咽喉科(耳鼻科)または頭頸部外科の受診が推奨されます。耳下腺・唾液腺・リンパ節の疾患に精通した専門医が診察を行います。粉瘤や脂肪腫など皮膚・皮下組織が原因と思われる場合は皮膚科、整容的な処置を希望する場合は形成外科や美容クリニックも選択肢になります。

耳の前のしこりは痛みがなければ放置しても大丈夫ですか?

痛みがないからといって安心はできません。耳下腺の良性腫瘍である多形性腺腫は、長年放置すると悪性化するリスクがあります。また、悪性疾患でも初期は無痛のことがあります。2〜4週間経っても消えない、または徐々に大きくなる場合は、早めに専門医を受診することをお勧めします。

食事のときだけ耳の前が腫れるのはなぜですか?

食事中や食後に耳の前が腫れて痛む場合は、唾液腺(耳下腺)の疾患、特に唾石症が疑われます。唾石症とは、唾液が流れる管の中に石灰化した塊ができる疾患で、食事の際に唾液の分泌が促進されることで腫れや痛みが生じます。症状が続く場合は耳鼻咽喉科への受診をご検討ください。

耳の前のしこりが悪性かどうか、自分で見分けられますか?

自己判断には限界があります。ただし、硬くて周囲と癒着し動きにくい、急速に大きくなる、顔面神経麻痺を伴う、体重減少や発熱などの全身症状がある場合は悪性疾患の可能性が高まります。これらの特徴はあくまで目安であり、最終的な診断は超音波検査・MRI・細胞診などの専門的な検査が必要です。

耳の前にできた粉瘤は自分で中身を絞り出しても大丈夫ですか?

自分で絞り出すことはお勧めできません。粉瘤は袋状の構造(嚢腫壁)ごと取り除かなければ再発します。また、無理に圧迫すると炎症を引き起こし、赤く腫れて強い痛みが生じることがあります。根本的な治療には外科的摘出が必要です。アイシークリニックでは、状態に合わせた適切な診察と治療を行っています。

💪 まとめ

耳の前にしこりができる原因は、耳下腺の疾患(耳下腺炎・唾石症・耳下腺腫瘍)、リンパ節の腫れ(感染性リンパ節炎・悪性リンパ腫)、粉瘤、脂肪腫、先天性耳前瘻孔など多岐にわたります。同じ「しこり」であっても、その原因によって必要な治療や緊急性がまったく異なります。

しこりを発見したら、まずはその特徴(大きさ・硬さ・痛みの有無・変化の速度)をよく観察し、発熱や顔面神経麻痺など気になる症状を伴う場合はできるだけ早めに受診することが大切です。また、痛みがなく小さいしこりであっても、2〜4週間以上消えない場合や徐々に大きくなる場合は、放置せずに耳鼻咽喉科・皮膚科・形成外科などの専門医に診てもらいましょう。

粉瘤や脂肪腫など整容的な問題が気になる場合は、美容クリニックでも適切な診察と治療を受けることができます。アイシークリニック新宿院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた丁寧な診察を心がけています。耳の前のしこりでお困りの方は、ぜひお気軽にご相談ください。自己判断で放置するよりも、専門家に診てもらうことで早期に適切な対処ができ、安心して日常生活を送ることにつながります。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 国立感染症研究所 – ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)の感染経路・症状・予防に関する情報として参照
  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)および脂肪腫などの皮膚・皮下腫瘍の診断・治療に関する情報として参照
  • 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・血管腫などの良性腫瘍に対する外科的摘出治療の適応・方法に関する情報として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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