
良性と悪性には明確な違いがありますが、見た目だけでは判断できません。
・良性・悪性の見分け方
・受診すべきタイミング
・種類別の特徴
見逃しリスクが上昇!
早期発見が最大の武器です
良性か悪性か自分で判断できないし…」
この記事で見分け方と受診のタイミングをしっかり確認しましょう!
目次
- しこりとは何か
- 良性のしこりに共通する特徴
- 代表的な良性のしこりの種類
- 悪性のしこりの特徴と良性との違い
- 部位別に見るしこりの特徴
- 良性のしこりでも受診すべきケース
- しこりの診断方法と検査について
- 良性のしこりの治療・経過観察
- まとめ
この記事のポイント
良性のしこりは境界明瞭・可動性あり・成長緩徐が目安だが自己判断は困難。悪性は境界不明瞭・固定・急速増大が特徴。2〜4週間以上持続や急速な変化があれば専門医への早期受診が重要。
💡 しこりとは何か
しこりとは、皮膚の下や体内の組織に生じた硬いかたまりのことを指します。医学的には「腫瘤(しゅりゅう)」と呼ばれることもあり、皮膚の表面近くにできるものから、筋肉の下や内臓の近くにできるものまで、発生部位はさまざまです。
しこりができる原因はひとつではなく、炎症・感染・外傷・細胞の異常増殖など多岐にわたります。また、同じ「しこり」という言葉で表現されても、良性のものと悪性のものでは性質がまったく異なります。良性のしこりは生命を脅かすことはほとんどありませんが、悪性のしこり(がん)は周囲の組織に浸潤したり、他の臓器に転移したりする可能性があるため、早期発見・早期治療が重要です。
自分でしこりを触って気づく場合もあれば、健康診断や画像検査で偶然発見されることもあります。しこりに気づいたとき、まず知っておきたいのが「良性か悪性かを自己判断で決めない」という点です。ただし、良性のしこりと悪性のしこりにはそれぞれ特徴的な傾向があるため、基本的な知識を持っておくことは大切です。
Q. 良性のしこりに共通する特徴は何ですか?
良性のしこりは、①境界が明瞭で表面が滑らか、②指で動かせる可動性がある、③柔らかさや弾力がある、④痛みがないことが多い、⑤成長がゆっくりという特徴が目安とされます。ただしこれらはあくまで傾向であり、自己判断での確定診断は困難です。
📌 良性のしこりに共通する特徴
良性のしこりにはいくつかの共通した特徴があります。ただし、これらはあくまでも目安であり、すべての良性しこりがこれらの特徴を持つわけではありません。また、悪性のしこりが良性に似た特徴を持つこともあります。あくまでも参考情報として理解してください。
✅ 表面が滑らかで境界がはっきりしている
良性のしこりは、周囲の組織との境界が比較的はっきりしていることが多いです。触ったときに輪郭が明確で、しこりの表面が滑らかに感じられます。これは、良性のしこりが周囲の組織を押しのけながら成長する(膨張性増殖)という性質によるものです。一方、悪性のしこりは周囲の組織に入り込むように広がるため、境界が不明瞭になりやすい傾向があります。
📝 自由に動く(可動性がある)
指で押したり動かしたりしたときに、しこりが自由に動く場合、良性である可能性が比較的高いといわれています。良性のしこりは周囲の組織と癒着していないことが多いため、皮膚の上からつまんで動かすことができます。逆に、悪性のしこりは周囲の組織や皮膚と癒着して固定されていることが多く、動かしても位置がほとんど変わらない場合があります。
🔸 柔らかいまたは弾力がある
良性のしこりの多くは、押したときに柔らかさや弾力性を感じることができます。たとえば、脂肪のかたまりである脂肪腫はぷよぷよとした感触があり、嚢胞(のうほう)は液体が詰まっているため風船のような弾力感があります。ただし、良性のしこりでも石灰化している場合は硬く感じることがあるため、硬さだけで良悪性を判断するのは難しいです。
⚡ 痛みがないことが多い
多くの良性のしこりは痛みを伴わないか、触れたときにわずかな圧痛を感じる程度です。ただし、粉瘤(ふんりゅう)が炎症を起こした場合や、リンパ節が感染によって腫れた場合など、良性でも痛みが出ることがあります。また、悪性のしこりも初期段階では痛みがないことが多いため、「痛みがないから大丈夫」とは言い切れない点に注意が必要です。
🌟 成長がゆっくりまたは変化が少ない
良性のしこりは成長速度が遅く、長期間にわたって大きさがほとんど変わらないことが多いです。脂肪腫などは数年にわたって少しずつ大きくなることがありますが、急激に拡大することはまれです。一方、悪性のしこりは比較的短期間で急速に大きくなる傾向があります。しこりの大きさや形の変化を定期的に観察することは重要な自己チェックのひとつです。
💬 皮膚の色調変化がない
良性のしこりでは、しこり上の皮膚の色が周囲と大きく変わらないことが多いです。皮膚が赤く変色している場合は炎症を起こしている可能性があり、黄色みを帯びている場合は脂肪腫の可能性があります。悪性のしこりでは、皮膚が引きつれたり、赤みや硬直が見られたりする場合があります。
✨ 代表的な良性のしこりの種類
良性のしこりにはさまざまな種類があります。それぞれの特徴を知っておくことで、自分のしこりがどのような性質のものか参考にすることができます。
✅ 脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫は、皮膚の下に脂肪細胞が異常増殖してできるしこりです。体の中で最も頻度の高い良性腫瘍のひとつで、背中・肩・腕・太ももなどによく発生します。触ると柔らかく、ぷにぷにとした感触があり、指で動かすと自由に動きます。表面は滑らかで、痛みはほとんどありません。成長は非常にゆっくりで、数年から数十年かけて少しずつ大きくなることがあります。大半は直径5cm以下ですが、まれに10cm以上になることもあります。基本的に悪性化することはなく、多くの場合は経過観察となります。外見上気になる場合や、神経を圧迫して不快感がある場合は手術で摘出することができます。
📝 粉瘤(アテローム・表皮嚢腫)
粉瘤は、皮膚の下に皮脂や角質が袋状の構造物(嚢腫)の中に溜まってできるしこりです。顔・首・背中・耳の後ろなど、皮脂腺が多い部位によく見られます。表面に小さな黒い点(開口部)が確認できることが特徴のひとつです。触ると半球状のしこりがあり、皮膚と一体化しているため動きが少なく感じることもあります。炎症を起こすと赤く腫れ、強い痛みと膿を伴うことがあります。治療は外科的な摘出が基本で、炎症を繰り返す場合は早めの摘出が勧められます。
🔸 嚢胞(のうほう)
嚢胞は、内部に液体が詰まった袋状のしこりです。皮膚・卵巣・腎臓・肝臓・乳腺など、体のさまざまな部位に発生します。触ると弾力性があり、押したときに少し変形します。多くの場合は無症状で、自然に消失することもあります。ガングリオンは関節や腱の近くにできる嚢胞の一種で、手首や足の甲によく見られます。内部の液体を注射器で抜く治療(穿刺)や、手術による摘出が行われる場合があります。
⚡ 線維腺腫(せんいせんしゅ)
線維腺腫は乳腺に発生する良性腫瘍で、20〜30代の若い女性に多く見られます。触ると硬く、よく動くのが特徴で「乳腺の中のビー玉」と表現されることもあります。表面は滑らかで、痛みはほとんどありません。多くは直径1〜3cm程度で、大きくなることは少ないですが、妊娠中や授乳中に急速に増大することがあります。乳がんとは性質が異なりますが、画像検査や細胞診による確認が必要です。
🌟 リンパ節の腫脹(腫れ)
リンパ節は体の免疫システムの一部で、感染症や炎症に反応して腫れることがあります。風邪やのどの炎症のときに顎の下や首のリンパ節が腫れるのは、その代表的な例です。感染が治まると自然に小さくなることが多く、触るとやや痛みがあり、動かせることが多いです。ただし、リンパ節の腫れが2〜4週間以上続く場合や、複数の部位が同時に腫れる場合、発熱・体重減少などの全身症状を伴う場合は、リンパ腫などの悪性疾患を除外するために専門的な検査が必要です。
💬 ガングリオン
ガングリオンは関節や腱鞘のそばにできる良性の嚢胞で、手首の甲側や手のひら側、足の甲などによく発生します。内部にゼリー状の液体が入っており、触るとやや弾力がある硬めのしこりとして感じられます。多くは無症状ですが、神経や腱を圧迫すると痛みや運動制限が生じることがあります。自然に消えることもありますが、再発しやすいのが特徴のひとつです。
✅ 皮膚線維腫(ひふせんいしゅ)
皮膚線維腫は皮膚内に繊維組織が増殖してできる良性のしこりで、脚・太もも・腕などによく見られます。皮膚と一体化していて動きにくく、押すとへこむような独特の感触(ディンプルサイン)があります。小さなゴムのような硬さで、茶色や赤茶色をしていることが多いです。通常は痛みがなく、悪性化することはまれです。
Q. 悪性のしこりを疑うべき特徴は何ですか?
悪性のしこりを疑うサインとして、境界が不明瞭ででこぼこしている、指で動かせないほど固定されている、数週間〜数ヶ月で急速に大きくなる、石のように非常に硬い、皮膚の引きつれやくぼみを伴う、近くのリンパ節が腫れているといった特徴が挙げられます。
🔍 悪性のしこりの特徴と良性との違い
良性のしこりと悪性のしこりを見分けることは医師でも容易ではありませんが、悪性を示す可能性が高い特徴的なサインがいくつかあります。これらのサインがある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
📝 境界が不明瞭・表面がでこぼこしている
悪性のしこりは周囲の正常組織に浸潤しながら広がるため、境界が不明瞭で表面がでこぼこしていることが多いです。触ったときに輪郭がはっきりわからない、または形が不規則に感じられる場合は注意が必要です。
🔸 固定されていて動かない
悪性のしこりは周囲の組織や皮膚、筋肉と癒着していることが多く、指で動かそうとしても動かないことが多いです。動かないしこりは必ずしも悪性とは限りませんが、重要なチェックポイントのひとつです。
⚡ 急速に大きくなっている
数週間〜数ヶ月の間に急速に大きくなっているしこりは、悪性の可能性を考えて検査を受ける必要があります。良性のしこりが急に大きくなることは少ないため、急速な増大は重要なサインです。
🌟 硬く、石のような感触
悪性のしこりは石のように非常に硬く感じることが多いです。もちろん良性のしこりでも硬いものはありますが、「岩のような硬さ」と表現されるほど硬いしこりは、精密検査の対象となります。
💬 皮膚の引きつれやくぼみ
しこりの上の皮膚が引きつれたり、くぼみが生じたりしている場合は、皮膚やその下の組織との癒着が起きている可能性があります。特に乳がんでは、乳房の皮膚が引きつれたり、乳頭が陥没したりすることがあります。
✅ リンパ節の腫脹を伴う
しこりの近くのリンパ節が腫れている場合、がんが転移している可能性があります。たとえば乳がんでは腋の下のリンパ節が、甲状腺がんでは首のリンパ節が腫れることがあります。
📝 全身症状を伴う
原因不明の体重減少・倦怠感・発熱・夜間の発汗などの全身症状がしこりとともに現れた場合は、悪性疾患(リンパ腫や固形がんなど)の可能性を考えて早急に受診してください。

💪 部位別に見るしこりの特徴
しこりができる部位によっても、考えられる原因や特徴が異なります。以下に主要な部位別の特徴をまとめます。
🔸 首・リンパ節周辺のしこり
首に現れるしこりの原因として最も多いのがリンパ節の腫れです。風邪や扁桃炎などの感染症、歯の炎症などによって一時的に腫れることがほとんどで、感染が治まると自然に縮小します。良性のものとして、甲状腺嚢胞・甲状腺腺腫・リンパ管腫・皮様嚢腫なども挙げられます。一方、悪性のものとして甲状腺がん・リンパ腫・転移性リンパ節腫大(口腔・咽頭・食道などのがんからの転移)などがあります。首のしこりは4週間以上続く場合や、喉の違和感・声のかすれを伴う場合には耳鼻科や外科を受診してください。
⚡ 乳房のしこり
乳房のしこりの多くは良性です。20〜30代に多い線維腺腫、30〜40代に多い乳腺症(硬結)、嚢胞などが代表的です。良性のしこりは月経周期によって大きさが変わることもあります。乳がんのしこりは一般的に硬く、動かしにくく、境界が不明瞭で、乳頭からの分泌物や皮膚の引きつれを伴うことがあります。乳房のしこりは自己検診で早期発見できる可能性があるため、月に1回の自己チェックを習慣にすることが推奨されています。しこりに気づいたら、まず乳腺外科やマンモグラフィ検診を受診してください。
🌟 腋の下(脇)のしこり
腋の下のしこりは、多毛部位の毛嚢炎や汗腺の炎症(化膿性汗腺炎)、リンパ節の腫れが原因であることが多いです。腕や上半身の感染症・炎症によって腋のリンパ節が腫れることもあります。乳がんや悪性リンパ腫の転移でも腋のリンパ節が腫れるため、乳房のしこりとともに腋のしこりを感じた場合は早期に受診することが重要です。
💬 背中・体幹のしこり
背中や体幹にできるしこりの多くは脂肪腫や粉瘤です。どちらも触ると動き、無痛であることが多いです。脂肪腫は柔らかく、粉瘤は半球状で中央に黒い点を伴うことで区別しやすいです。これらの部位では良性が圧倒的に多いですが、急速な増大・皮膚の変色・痛みを伴う場合は受診が必要です。
✅ 鼠径部(そけいぶ)・股関節周辺のしこり
鼠径部のしこりの代表的なものとして、鼠径ヘルニア(脱腸)とリンパ節の腫れがあります。鼠径ヘルニアは立ったときや腹圧をかけたときに膨らみが大きくなり、横になると小さくなる特徴があります。下肢・陰部・腹部などの感染症や炎症で鼠径リンパ節が腫れることもあります。また、鼠径部の動脈瘤が大きくなるとしこりのように感じることもあります。
📝 手足のしこり
手や足のしこりとして最も多いのがガングリオンです。関節や腱のそばにでき、動かすと違和感を覚えることもあります。脂肪腫・線維腫・血管腫なども手足に発生します。手足の深部にできるしこりは、軟部肉腫(悪性)の可能性もゼロではないため、深部にある大きなしこりや急速に増大するしこりは専門医の診察を受けてください。
Q. 代表的な良性のしこりの種類を教えてください。
代表的な良性のしこりには、脂肪細胞が増殖した「脂肪腫」、皮脂や角質が袋に溜まった「粉瘤」、液体が詰まった「嚢胞」、乳腺に多い「線維腺腫」、関節近くにできる「ガングリオン」、免疫反応で腫れる「リンパ節の腫脹」などがあります。それぞれ発生部位や感触が異なります。
🎯 良性のしこりでも受診すべきケース
良性のしこりだと思っていても、以下のような状況が見られる場合は医療機関への受診をお勧めします。
🔸 2〜4週間以上しこりが持続する場合
感染によるリンパ節の腫れなどは、感染症が治まれば数週間で縮小します。4週間以上しこりが残っている場合や、一度小さくなったしこりが再び大きくなる場合は専門的な診察が必要です。
⚡ しこりが急に大きくなった場合
短期間(数週間〜2〜3ヶ月)でしこりが明らかに大きくなっている場合は、良性・悪性を問わず医師の診察を受けるべきです。急速な増大は悪性の可能性を考慮する必要があります。
🌟 痛みや発熱を伴う場合

しこりに強い痛みや熱感がある場合は、感染・炎症が起きている可能性があります。粉瘤の炎症・感染したリンパ節・膿瘍などは早期に適切な治療が必要です。
💬 日常生活に支障が出る場合
しこりが神経や血管を圧迫して、しびれ・痛み・運動制限などの症状が出ている場合は、たとえ良性であっても治療の対象となります。外見上目立つ場所に大きなしこりができている場合も、精神的なストレスとなり得るため、治療を検討する価値があります。
✅ 自分では判断できない場合
しこりの性質について少しでも不安がある場合は、自己判断せずに受診してください。医師が触診・視診を行い、必要に応じて画像検査や細胞診を行うことで、正確な診断が得られます。「大したことないだろう」と思って受診を先延ばしにした結果、悪性の発見が遅れるケースも残念ながら存在します。
💡 しこりの診断方法と検査について
しこりの診断には、問診・触診・視診から始まり、必要に応じてさまざまな検査が行われます。
📝 問診・触診・視診
まず医師がしこりの場所・大きさ・硬さ・動き・表面の性状・皮膚との癒着の有無などを確認します。また、しこりに気づいた時期・変化の様子・痛みの有無・全身症状の有無なども重要な情報です。これらの情報をもとに次の検査方針が決定されます。
🔸 超音波(エコー)検査
超音波検査はしこりの内部構造を確認するために広く用いられています。放射線を使わないため、安全性が高く繰り返し行えます。しこりが固体成分か液体成分(嚢胞)かを区別したり、血流の状態(カラードプラ)を評価したりすることができます。乳腺・甲状腺・腹部・四肢のしこりの評価によく使われます。
⚡ CT・MRI検査
より詳細な画像情報が必要な場合にはCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)が使用されます。CTは石灰化の確認や体幹・内臓の評価に優れ、MRIは軟部組織の性状評価や骨の近くのしこりの評価に適しています。しこりが深部にある場合や、周囲の臓器・神経・血管との関係を評価する際に重要な情報を提供します。
🌟 マンモグラフィ
乳腺のしこりや微細石灰化を評価するためにX線検査であるマンモグラフィが用いられます。特に40歳以上の女性の乳がん検診に推奨されており、乳腺密度が低い場合には超音波検査よりも小さな病変を発見できることがあります。
💬 細胞診・生検
画像検査だけでは良悪性の判断が難しい場合は、しこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で調べる検査(細胞診・生検)が行われます。細胞診は細い針でしこりを刺して細胞を吸引する方法(穿刺吸引細胞診)、生検は少し太い針や切開によって組織片を採取する方法です。これらの病理検査によって、しこりの性質を確定診断することができます。
✅ 血液検査
腫瘍マーカーや炎症マーカー(CRPなど)の測定により、悪性疾患や感染症の可能性を評価します。ただし、腫瘍マーカーは単独での診断精度に限界があるため、他の検査と組み合わせて評価されます。
Q. しこりの診断にはどんな検査が行われますか?
しこりの診断は、医師による問診・触診・視診から始まります。次に超音波検査で内部構造や液体・固体の区別を確認し、必要に応じてCT・MRI・マンモグラフィが実施されます。画像だけで良悪性の判断が難しい場合は、細胞や組織を採取する細胞診・生検により確定診断が得られます。
📌 良性のしこりの治療・経過観察
良性のしこりと診断された場合、治療の必要性はしこりの種類・大きさ・症状・患者さんの希望によって異なります。
📝 経過観察(様子見)
症状がなく、大きさが安定している良性のしこりは、定期的な診察で経過を観察することが多いです。特に脂肪腫・嚢胞・線維腺腫などでは、すぐに治療せず定期検査を行いながら様子を見るケースが少なくありません。観察期間中に急速な増大・症状の出現・形態の変化が見られた場合は、改めて精密検査や治療が検討されます。
🔸 外科的摘出
しこりが大きくなって日常生活に支障をきたす場合、外見上の問題がある場合、悪性との鑑別が困難な場合などは手術による摘出が行われます。多くの良性しこりの摘出は局所麻酔の外来手術で行われ、比較的短時間で終わります。粉瘤・脂肪腫・ガングリオン・線維腺腫などは外科的摘出の対象となることがあります。
⚡ 穿刺・注射による治療
ガングリオンや嚢胞では、注射器で内部の液体を吸引する穿刺治療が行われることがあります。手術より低侵襲で外来でも対応できますが、再発するケースもあります。また、炎症を起こした粉瘤では切開排膿(膿を出す処置)が行われてから、炎症が落ち着いた後に根治的な摘出手術が行われることが一般的です。
🌟 薬物療法
感染やウイルスによって生じたしこり(化膿したリンパ節・感染した粉瘤など)には抗生物質が使用されます。炎症の鎮静後に外科的処置が行われる場合もあります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、しこりを心配されて受診される患者さまの多くが、触れるたびに不安を抱えながらも「大したことないかも」と受診をためらっていたとおっしゃいます。実際には大半が良性であるものの、自己判断での見極めは医師でも触診だけでは難しいケースがあり、超音波検査などを組み合わせて初めて安心できる診断が得られます。しこりに気づいたら、まず気軽に相談していただくことが、患者さまご自身の安心と早期発見の両方につながると考えています。」
✨ よくある質問
自己判断での確定は難しく、医師でも触診だけでは判断が困難なケースがあります。一般的に、良性は境界が明瞭・よく動く・弾力がある・成長が遅いといった特徴があります。一方、悪性は境界不明瞭・動かない・急速に増大・非常に硬いといった特徴を持つことが多いです。気になるしこりは自己判断せず、専門医への相談をお勧めします。
痛みがないからといって安心とは言い切れません。良性のしこりも悪性のしこりも、初期段階では痛みがないことが多いです。逆に、良性の粉瘤が炎症を起こした場合など、良性でも強い痛みが生じるケースがあります。痛みの有無だけで良悪性を判断するのは危険ですので、しこりに気づいたら受診されることをお勧めします。
しこりが2〜4週間以上持続する場合、短期間で急速に大きくなる場合、痛みや発熱を伴う場合、日常生活に支障が出る場合は早めに受診してください。また、少しでも不安を感じる場合は自己判断せず、気軽に医療機関へ相談することが大切です。早期受診が早期発見・早期治療につながります。
まず医師による問診・触診・視診が行われます。その後、必要に応じて超音波(エコー)検査、CT・MRI検査、マンモグラフィ(乳腺の場合)などの画像検査が実施されます。画像検査だけで良悪性の判断が難しい場合は、しこりから細胞や組織を採取する細胞診・生検が行われ、確定診断が得られます。
必ずしも手術が必要なわけではありません。症状がなく大きさが安定している場合は、定期的な診察で経過を観察することが多いです。ただし、しこりが大きくなって日常生活に支障をきたす場合、神経などを圧迫して症状がある場合、外見上の問題がある場合などは外科的摘出が検討されます。治療方針はしこりの種類や状態、患者さまの希望に応じて決定されます。
🔍 まとめ
良性のしこりの特徴として、境界が明瞭・表面が滑らか・よく動く・弾力がある・成長が遅い・痛みがないといった点が挙げられますが、これらはあくまでも目安であり、自己判断での良悪性の確定は難しいです。一方、悪性のしこりは境界不明瞭・動かない・急速に増大・非常に硬いといった特徴を持つことが多く、こうした特徴が見られる場合は早急な受診が必要です。
しこりを発見したときに最も大切なのは、不安を抱えたまま放置せず、専門医に診てもらうことです。多くのしこりは良性であり、適切な診断と治療・経過観察によって安心して生活を送ることができます。しかし、万が一悪性であった場合も、早期発見であれば治療成績は大きく向上します。
体にしこりを感じたとき、「大丈夫だろう」と自己判断して放置することは避け、まずは医療機関に相談することをお勧めします。アイシークリニック新宿院では、しこりに関するご相談・診察を行っています。気になるしこりがある方は、ぜひお気軽にご受診ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 脂肪腫・粉瘤(表皮嚢腫)・皮膚線維腫など、皮膚に発生する良性しこりの診断基準・治療指針に関する学会ガイドライン
- 日本形成外科学会 – 脂肪腫・ガングリオン・粉瘤などの良性腫瘍の外科的摘出や治療方針に関する情報
- 厚生労働省 – がん(悪性腫瘍)の早期発見・検診推奨に関する公式情報および乳がん・リンパ腫などの悪性しこりに関する解説
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
