
🚨 足の付け根にしこり・できものがある方、放置は危険かもしれません。
「これって何だろう…」「そのうち治るかな?」と様子を見ていませんか?
足の付け根(鼠径部)はリンパ節・血管・神経が集中するデリケートな部位。できものの原因は多岐にわたり、中には見逃すと手遅れになるケースも。
この記事を読めば、「自分の症状が何なのか」「今すぐ病院に行くべきかどうか」がわかります。
🚨 こんな症状は今すぐ読んでください
⚡ しこりが2〜3週間以上消えない
⚡ 触ると痛みがない・硬い・動かない
⚡ 急に大きくなってきた
⚡ 発熱・倦怠感をともなっている
目次
- 足の付け根(鼠径部)の特徴と「できもの」が生じやすい理由
- 足の付け根にできものができる主な原因
- リンパ節の腫れ(リンパ節炎)について詳しく解説
- 粉瘤(アテローム)が鼠径部にできる場合
- 鼠径ヘルニア(脱腸)とは
- その他に考えられる疾患
- 痛みの種類で考える原因の違い
- 自宅でできるケアと注意点
- 病院受診の目安・何科に行くべきか
- まとめ
この記事のポイント
足の付け根のできものは、リンパ節炎・粉瘤・鼠径ヘルニア・悪性腫瘍など原因が多岐にわたる。痛みのない硬いしこりや2〜3週間以上続く腫れは早期受診が必要で、症状に応じて皮膚科・外科・内科への受診が推奨される。
💡 足の付け根(鼠径部)の特徴と「できもの」が生じやすい理由
足の付け根、医学的には「鼠径部(そけいぶ)」と呼ばれるこの部位は、上半身と下半身をつなぐ境界線に位置しています。解剖学的には、鼠径靭帯と呼ばれる帯状の組織が骨盤の前方から走っており、その周辺には以下のような重要な構造物が密集しています。
まず、リンパ節が集まっていることが挙げられます。鼠径部には鼠径リンパ節と呼ばれるリンパ節群があり、下半身・外陰部・臀部からリンパ液を集めています。そのため、これらの領域で炎症や感染が起きたとき、最初にリンパ節の腫れとして現れやすいのがこの部位の特徴です。
次に、大腿動脈・大腿静脈という太い血管が通っています。これらの血管の異常、たとえば動脈瘤(どうみゃくりゅう)が発生した場合も、鼠径部に膨らみや痛みが出ることがあります。
さらに、腹腔と太ももをつなぐ筋肉や腱、そして腹腔内の臓器が飛び出す可能性がある「鼠径管」という管状の構造もあります。この鼠径管を通って腸などの臓器が出てくることで発生するのが鼠径ヘルニア(脱腸)です。
皮膚の下には皮脂腺や汗腺も多く存在し、これらが詰まることで嚢胞(のうほう)や粉瘤(ふんりゅう)ができることもあります。このように、鼠径部はさまざまな組織が集中しているため、できものが生じる原因が非常に多様なのです。
Q. 足の付け根にできものができやすい理由は何ですか?
足の付け根(鼠径部)には鼠径リンパ節・大腿動脈・大腿静脈・鼠径管など多くの重要組織が密集しています。また皮脂腺や汗腺も豊富なため、感染・炎症・ヘルニア・嚢胞など多様な原因でできものが生じやすい部位です。
📌 足の付け根にできものができる主な原因
足の付け根にできものが生じる原因は大きく分けると、皮膚・皮下組織の問題、リンパ節の問題、ヘルニア(臓器の脱出)、血管の問題、悪性腫瘍の5つに分類できます。それぞれについて順に詳しく見ていきましょう。
皮膚・皮下組織の問題としては、粉瘤(アテローム)、脂肪腫、毛嚢炎(もうのうえん)などがあります。粉瘤は皮膚の下に袋ができ、その中に老廃物がたまる良性の腫瘍で、鼠径部の摩擦が多い部位にも発生しやすいです。脂肪腫は脂肪細胞が増殖した良性のできもので、押すと移動するのが特徴です。毛嚢炎は毛穴の感染症で、赤く腫れて痛みを伴います。
リンパ節の問題では、細菌やウイルスの感染によるリンパ節炎、自己免疫疾患、悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫大などがあります。リンパ節が腫れるとそれ自体が「しこり」や「できもの」として触れるようになります。
ヘルニアの問題では、鼠径ヘルニア(内鼠径ヘルニア・外鼠径ヘルニア)や大腿ヘルニアが代表的です。これらは腹腔内の臓器が筋膜の弱い部分から飛び出すことで起こります。
血管の問題としては、大腿動脈瘤(まれ)や静脈瘤が挙げられます。また、軟部肉腫と呼ばれる悪性腫瘍が鼠径部に発生することもあり、これらは早期発見・早期治療が非常に重要です。
✨ リンパ節の腫れ(リンパ節炎)について詳しく解説
鼠径部にできもので痛いという症状の中で、最もよく見られる原因のひとつがリンパ節の腫れです。リンパ節は体の免疫機能を担う重要な器官で、感染や炎症があるとその情報を受けて腫大(腫れ)し、硬くなったり押すと痛んだりするようになります。
鼠径リンパ節が腫れる原因として最も多いのは、下半身の感染症です。たとえば、脚の皮膚の傷からの細菌感染(蜂窩織炎など)、水虫(白癬菌感染)が進んでいる場合、外陰部や肛門周囲の炎症などがきっかけになります。性感染症(STI)も鼠径リンパ節炎の重要な原因で、梅毒、クラミジア、性器ヘルペス、軟性下疳(なんせいげかん)などでも鼠径リンパ節が腫れることが知られています。
リンパ節炎の特徴的な症状としては、柔らかくて押すと痛みがある腫れ、皮膚の発赤や熱感、発熱、倦怠感などが挙げられます。多くの場合、原因となる感染が治まると数週間以内にリンパ節の腫れも改善していきます。
一方で注意が必要なのが、悪性腫瘍によるリンパ節の腫大です。悪性リンパ腫(リンパ節そのものが腫瘍化する病気)や、他の部位のがん(子宮がん、卵巣がん、外陰がん、前立腺がん、大腸がん、皮膚がんなど)がリンパ節に転移した場合も、鼠径部のリンパ節が腫れることがあります。悪性腫瘍によるリンパ節腫大の場合、痛みがないことも多く、かつ腫れが徐々に増大するという特徴があります。
したがって、リンパ節の腫れが2〜3週間以上続く、腫れが増大している、痛みがない、体重減少・発熱・夜間発汗(Bシンプトムと呼ばれる悪性リンパ腫の全身症状)がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
Q. 鼠径部のリンパ節の腫れはどのくらいで治りますか?
細菌やウイルス感染によるリンパ節炎であれば、原因の感染症が改善すると多くの場合は数週間以内に腫れが落ち着きます。ただし2〜3週間以上腫れが続く、痛みがない、腫れが増大するといった場合は悪性腫瘍の可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。
🔍 粉瘤(アテローム)が鼠径部にできる場合
粉瘤(アテローム)は皮膚の良性腫瘍のひとつで、皮膚の下に「袋(嚢腫壁)」が形成され、その中に皮脂や角質などの老廃物がたまることでできるものです。体のどこにでもできますが、皮脂腺が多く、摩擦が生じやすい鼠径部にも発生することがあります。
粉瘤の外見的な特徴は、表面がなめらかで境界が明確な半球状の膨らみです。中心部に黒い点(毛孔角化栓)が見えることがあり、これは皮脂の出口が詰まったサインです。大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、通常は触っても移動しません(皮膚に固定されています)。
粉瘤は感染(炎症性粉瘤)を起こしていない限り、痛みがないことが多いですが、鼠径部は衣類との摩擦が生じやすいため、刺激を受けて感染を起こしやすい部位でもあります。感染を起こすと、周囲が赤く腫れ、強い痛みや熱感が生じ、膿がたまって波動(ぶよぶよした感触)を持つようになります。この状態を「炎症性粉瘤」または「感染性粉瘤」と呼びます。
感染した粉瘤の治療としては、まず膿を切開・排膿して炎症を鎮めます。炎症が落ち着いた後、再発を防ぐために袋ごと摘出する手術を行います。袋を完全に取り除かないと再発するリスクが高いため、外科的切除が根本的な治療となります。
粉瘤は自然に治ることはないため、気になる場合や大きくなっている場合、感染を繰り返す場合は医療機関での相談が推奨されます。
💪 鼠径ヘルニア(脱腸)とは
鼠径ヘルニアは、腹腔内の腸や脂肪組織などが鼠径管(そけいかん)と呼ばれる筋膜の弱い部分から飛び出してくる状態です。日本語では「脱腸」とも呼ばれ、足の付け根に柔らかいふくらみや違和感が生じることで気づくことが多いです。
鼠径ヘルニアは男女ともに発生しますが、構造的な理由から男性に多く見られます。年齢的には中高年に多いですが、乳幼児にも先天性のものが発生します。
鼠径ヘルニアの典型的な症状は、立ったとき・重いものを持ったとき・咳をしたときなどに鼠径部にふくらみが現れ、横になるとふくらみが引っ込むことです。初期には痛みがないこともありますが、腸が嵌頓(かんとん)と呼ばれる状態(飛び出た腸が戻らなくなること)に陥ると、強い痛み、悪心(吐き気)、嘔吐、腸閉塞などの重篤な症状が現れます。嵌頓は外科的緊急事態であり、早急な治療が必要です。
鼠径ヘルニアの治療は手術が基本となります。現在では腹腔鏡を使った低侵襲手術が広く普及しており、入院期間が短く回復も早い手術が可能になっています。手術を受けずに放置すると嵌頓のリスクが高まるため、診断されたら早めに外科的治療を受けることが勧められます。
大腿ヘルニアは女性に多く見られます。大腿ヘルニアは嵌頓になりやすいという特徴があり、より注意が必要です。
Q. 鼠径ヘルニアを放置するとどんなリスクがありますか?
鼠径ヘルニアを放置すると、飛び出た腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」のリスクが高まります。嵌頓に陥ると激しい腹痛・嘔吐・腸閉塞などの重篤な症状が現れ、外科的緊急処置が必要となります。診断後は早めに手術による根本治療を受けることが強く推奨されます。

🎯 その他に考えられる疾患
足の付け根のできものや痛みの原因として、上記以外にも以下のような疾患が考えられます。
脂肪腫は脂肪細胞が異常増殖した良性の腫瘍で、体のどこにでもできますが鼠径部にも発生します。触ると柔らかく、指で押すと動くのが特徴です。通常は無痛ですが、大きくなると周囲の神経や血管を圧迫して痛みが出ることがあります。急速に大きくなる場合や痛みが強い場合は悪性の可能性(脂肪肉腫)を否定するために検査が必要です。
毛嚢炎(毛包炎)と癤(せつ)もよく見られる原因です。毛嚢炎は毛穴に細菌(主に黄色ブドウ球菌)が感染した状態で、赤い丘疹や膿疱が生じます。癤はより深部まで感染が広がった状態で、大きな有痛性のしこりとなります。これらは鼠径部の蒸れや摩擦によって生じやすく、体毛が多い部位では特に起こりやすいです。
バルトリン腺嚢胞は女性特有の疾患で、外陰部のバルトリン腺(大前庭腺)の分泌液が詰まって嚢胞を形成するものです。感染を伴うとバルトリン腺膿瘍となり、強い痛みとともに大陰唇の近く・足の付け根に近い部位に腫れが生じます。
子宮円索静脈瘤は妊娠中の女性に見られることがある疾患で、妊娠中に子宮円索周囲の静脈が拡張して鼠径部に痛みや腫れが生じることがあります。妊娠が進むにつれて悪化することが多く、出産後に自然と改善するケースがほとんどです。
悪性軟部腫瘍(軟部肉腫)は頻度は低いながらも注意が必要な疾患です。脂肪肉腫、線維肉腫、平滑筋肉腫などが鼠径部に発生する可能性があり、急速に増大するしこり、痛みが強い場合などは早急な精査が必要です。
💡 痛みの種類で考える原因の違い
足の付け根のできものにどのような痛みが伴うかによって、原因を絞り込む手がかりになります。ここでは痛みの種類別に、考えられる原因をまとめます。
押したときだけ痛い場合は、リンパ節炎(感染によるもの)、粉瘤の初期、脂肪腫が大きくなって神経を圧迫しているケースなどが考えられます。炎症を伴うリンパ節は触ると明確な圧痛があることが多いです。
安静時でも痛い(自発痛がある)場合は、感染性粉瘤(炎症が強い状態)、嵌頓ヘルニア、蜂窩織炎(ほうかしきえん:皮膚深部の細菌感染)などが疑われます。特に突然の強い痛みと嘔吐を伴う場合は嵌頓ヘルニアの可能性が高く、緊急受診が必要です。
立つとき・歩くとき・咳をしたときに痛みや膨らみが増悪する場合は、鼠径ヘルニアや大腿ヘルニアが強く疑われます。腹圧がかかるとヘルニアが飛び出やすくなるためです。
痛みがなく、硬くてゴツゴツしたしこりがある場合は、悪性腫瘍(悪性リンパ腫、転移性リンパ節腫大など)の可能性を念頭に置く必要があります。一般的に悪性腫瘍によるリンパ節腫大は無痛であることが多く、この点が感染によるリンパ節炎との重要な違いです。
じんじんとした持続的な痛みで、しこりは小さく目立たないが違和感がある場合は、鼠径管内の神経圧迫(鼠径部神経絞扼症候群)や、骨盤内臓器の疾患(卵巣嚢胞、子宮内膜症など)が鼠径部に痛みを放散させているケースも考えられます。
Q. 足の付け根のできものは何科を受診すればよいですか?
症状によって受診科は異なります。粉瘤・脂肪腫などの皮膚のできものは皮膚科または形成外科、ヘルニアが疑われる場合は外科、リンパ節の腫れが続く場合は内科・血液内科が適切です。迷う場合はまずかかりつけ医や内科を受診し、専門科への紹介を受けるのが安心です。
📌 自宅でできるケアと注意点
足の付け根にできものや痛みがある場合、まずは自分でできるケアを試みることもありますが、その際には注意が必要です。
清潔を保つことは基本中の基本です。鼠径部は汗をかきやすく蒸れやすい部位のため、毎日丁寧に洗って清潔を保つことが大切です。ただし、できものや傷がある場合は強くこすらないようにしましょう。通気性のよい綿素材の下着を選ぶことも、蒸れを防いで毛嚢炎や細菌感染の予防に役立ちます。
患部を自分で強く押したり、針でつついたり、無理に潰そうとすることは絶対に避けてください。粉瘤や毛嚢炎を自分で潰そうとすると、細菌が深部に押し込まれて感染が悪化したり、周囲の組織に炎症が広がったりする危険があります。また、傷口から新たな感染が起きるリスクもあります。
軽い腫れや痛みがある場合、冷やすことで炎症による痛みを和らげることができます。タオルに包んだ保冷剤などをあてる冷罨法(れいあんぽう)が有効です。ただし、直接皮膚に氷をあてると凍傷になる可能性があるため避けてください。
痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤(イブプロフェン、ロキソプロフェンなど)を用法・用量を守って使用することも一時的な緩和策となります。ただし、痛み止めで症状を抑えながら放置するのではなく、症状が続く場合は医療機関を受診することが必要です。
また、鼠径部への強い圧迫を避けることも大切です。きつすぎるズボンや下着は患部を刺激し、症状を悪化させる可能性があります。できるだけゆったりとした衣類を着用するよう心がけましょう。
なお、次のような場合は自宅でのケアにとどまらず、速やかに医療機関を受診してください。
- 急激に腫れが大きくなっている
- 皮膚が赤く熱を持っていて高熱が出ている
- 激しい痛みで動けない、または嘔吐を伴う
- できものが2〜3週間以上改善しない
- しこりが硬く、痛みがない
- 体重減少や倦怠感など全身症状がある
✨ 病院受診の目安・何科に行くべきか

足の付け根のできもので病院を受診するとき、どの科を選べばよいかは、症状の種類によって異なります。以下を参考にしてください。
まず、「とりあえず何科に行けばよいかわからない」という場合は、かかりつけ医や内科・外科を受診するのが最善です。問診と視触診(視診・触診)を行い、必要に応じて専門科に紹介してもらえます。
皮膚のできもの(粉瘤、毛嚢炎、脂肪腫など)が疑われる場合は、皮膚科または形成外科が適しています。皮膚科では皮膚の腫瘍性疾患の診断と治療に長けており、粉瘤の切除なども対応しています。アイシークリニック新宿院のような形成外科・美容外科クリニックでは、こうした皮膚の良性腫瘍の切除を日常的に行っています。
ヘルニア(鼠径ヘルニア・大腿ヘルニア)が疑われる場合は外科(消化器外科)を受診します。腹腔鏡手術に対応しているクリニックや病院への受診が望ましいでしょう。嵌頓が疑われる場合(急激な痛み・嘔吐など)は救急外来に直ちに受診してください。
リンパ節の腫れが続く場合や悪性疾患が疑われる場合は、血液内科や腫瘍内科、あるいは外科での精査が必要です。超音波検査(エコー)、CT検査、MRI検査、血液検査(LDH、各種腫瘍マーカーなど)、さらには必要に応じてリンパ節生検(組織を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われます。
女性で性感染症が疑われる場合は、産婦人科や泌尿器科、性感染症専門のクリニックを受診することが適切です。男性の場合も同様に、泌尿器科や性感染症クリニックへの受診が勧められます。
妊娠中の女性で子宮円索静脈瘤が疑われる場合は、産婦人科での診察を受けるようにしてください。
受診の際には、できものができた時期、大きさの変化、痛みの性質(圧痛の有無・安静時の痛みの有無)、発熱などの全身症状、性行為の状況(性感染症が疑われる場合)、体重減少などを医師に伝えると診断の助けになります。
特に以下のいずれかに当てはまる場合は、できるだけ早めに受診することを強くお勧めします。
- しこりが急速に大きくなっている(数週間で明らかに増大)
- 痛みがないのに硬いしこりがある
- 発熱・夜間の大量発汗・原因不明の体重減少がある
- 腸が戻らない感じがして激しい腹痛・嘔吐がある
- 皮膚が著しく赤く腫れていて高熱がある(蜂窩織炎・膿瘍の疑い)
- 2〜3週間以上経っても改善しない、またはむしろ悪化している
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、足の付け根のできものや痛みを訴えて受診される患者さまの多くが、「恥ずかしくてなかなか相談できなかった」とおっしゃることがあり、受診のタイミングが遅れてしまうケースも少なくありません。鼠径部は粉瘤やリンパ節炎のような比較的軽症なものから、鼠径ヘルニアの嵌頓や悪性腫瘍のように早急な対応が必要な疾患まで原因が多岐にわたるため、「痛みがない硬いしこり」「2〜3週間以上続く腫れ」「急速に大きくなるふくらみ」などのサインを見逃さず、ためらわずにご相談いただくことが早期治療への第一歩です。どのような症状でもまず丁寧に診察し、必要に応じて適切な専門科へのご案内も行いますので、気になることがあればお気軽にご来院ください。」
🔍 よくある質問
症状によって受診科が異なります。皮膚のできもの(粉瘤・脂肪腫など)は皮膚科または形成外科、ヘルニアが疑われる場合は外科、リンパ節の腫れが続く場合は内科・血液内科が適しています。どの科に行けばよいか迷う場合は、まずかかりつけ医や内科・外科を受診し、専門科へ紹介してもらうのが安心です。
感染によるリンパ節炎の場合、原因となる感染症が改善すれば、多くのケースで数週間以内にリンパ節の腫れも落ち着いていきます。ただし、2〜3週間以上腫れが続く、腫れが大きくなっている、痛みがないといった場合は悪性腫瘍の可能性もあるため、早めに医療機関を受診することをお勧めします。
鼠径ヘルニアを放置すると、飛び出た腸が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」と呼ばれる状態に陥るリスクが高まります。嵌頓になると激しい腹痛・嘔吐・腸閉塞などの重篤な症状が現れ、外科的緊急事態となります。診断を受けたら早めに手術による治療を受けることが強く勧められます。
自分で潰すことは絶対に避けてください。無理に潰すと細菌が深部に押し込まれて感染が悪化したり、周囲の組織に炎症が広がったりする危険があります。粉瘤は袋ごと摘出しないと再発するため、治療は医療機関で行う必要があります。アイシークリニックでも粉瘤の診察・切除に対応していますので、お気軽にご相談ください。
以下の症状がある場合は速やかに受診してください。①激しい腹痛・嘔吐を伴うふくらみ(嵌頓ヘルニアの疑い)、②皮膚が著しく赤く腫れて高熱がある(蜂窩織炎・膿瘍の疑い)、③しこりが数週間で急速に大きくなっている、④痛みがないのに硬いしこりがある、⑤発熱・夜間発汗・原因不明の体重減少がある場合などです。
💪 まとめ
足の付け根(鼠径部)にできものができて痛い場合、その原因は多岐にわたります。感染によるリンパ節炎や粉瘤の炎症のように比較的軽症で治療が可能なものから、鼠径ヘルニアの嵌頓や悪性腫瘍のように早急な対応が必要なものまで、さまざまな疾患が考えられます。
症状の特徴(痛みの有無・腫れの硬さ・大きさの変化・全身症状など)をよく観察し、気になる場合は早めに医療機関を受診することが大切です。「どこか痛いかもしれないけど恥ずかしい」「しばらく様子を見よう」と放置するよりも、早期に診断を受けることで適切な治療を受けられる可能性が高まります。
粉瘤や脂肪腫などの皮膚・皮下の良性腫瘍については、形成外科や皮膚科での対応が可能です。アイシークリニック新宿院では、こうしたできものの診察・治療にも対応していますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。いずれにせよ、足の付け根のできものと痛みは「よくあることだから」と軽視せず、適切な医療機関で診てもらうことを心がけてください。
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- 皮膚のできものの種類と原因・治療法を徹底解説|放置すべきでないサインとは
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)の診断・治療・再発予防に関する皮膚科専門医による解説。記事内の粉瘤の特徴・感染性粉瘤の治療法・外科的切除の必要性に関する記述の根拠として参照。
- 国立感染症研究所 – 梅毒・クラミジア・性器ヘルペスなど性感染症(STI)による鼠径リンパ節炎の原因・特徴に関する公式情報。記事内の性感染症と鼠径リンパ節腫大の関連性に関する記述の根拠として参照。
- 厚生労働省 – 悪性リンパ腫・転移性リンパ節腫大を含むがん全般の早期発見・受診勧奨に関する公式情報。記事内の悪性腫瘍によるリンパ節腫大の警告サインや早期受診の重要性に関する記述の根拠として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
