
「足がかゆい」「皮がむける」「爪が変色している」——そんな症状が出たとき、「もしかして水虫かも」と思ったことはありませんか?水虫は日本人の約2割が罹患しているともいわれる非常にありふれた病気ですが、症状が似た皮膚疾患も多く、自己判断では見分けがつきにくいことが少なくありません。間違ったセルフケアを続けていると、症状が悪化したり、治療が長引いたりすることもあります。この記事では、水虫の種類や症状の特徴、他の皮膚疾患との違い、セルフチェックの方法、そして受診の目安まで、水虫の見分け方に関する情報をわかりやすくまとめました。正しい知識を身につけて、適切な対応につなげましょう。
目次
- 水虫とはどんな病気か
- 水虫の種類と症状の見分け方
- 爪水虫(爪白癬)の特徴と見分け方
- 手・体・頭皮などの水虫について
- 水虫と間違いやすい皮膚疾患
- 水虫のセルフチェック方法
- 水虫になりやすい人・なりにくい人
- 水虫を放置するとどうなるか
- 水虫の診断方法と受診の目安
- まとめ
この記事のポイント
水虫(足白癬)は趾間型・小水疱型・角質増殖型の3種があり、汗疱や乾癬など類似疾患と見分けが難しいため、市販薬で改善しない場合は皮膚科での顕微鏡検査(KOH法)による確定診断が重要です。
🎯 水虫とはどんな病気か
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビ(真菌)の一種が皮膚や爪に感染することで起こる皮膚疾患です。医学的には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれており、足の皮膚に感染するケースが最も多いため、一般的に「水虫」という名前で広く知られています。
白癬菌は湿度が高く温かい環境を好みます。足の指の間や足裏は汗をかきやすく、靴の中に長時間閉じ込められることで蒸れやすいため、白癬菌にとって非常に繁殖しやすい環境になります。プールや銭湯、スポーツジムの更衣室など、不特定多数の人が素足で歩く場所では、感染した人が落とした白癬菌を踏んでしまうことで感染が広がります。
ただし、白癬菌が皮膚に付着しただけでは必ずしも感染が成立するわけではありません。一般的に、白癬菌が皮膚に付着してから感染が成立するまでには24〜48時間程度かかるとされています。そのため、帰宅後にしっかり足を洗うことである程度感染を防ぐことができます。逆に言えば、足を清潔に保てない状況が続いたり、皮膚に傷があったりする場合には感染しやすくなります。
日本では、成人の約4人に1人が水虫を持っているという調査データもあり、非常に身近な疾患です。男女差については、男性に多い傾向があるものの、女性も決して少なくありません。また、高齢になるほど罹患率が上がる傾向にあります。
Q. 足の水虫には何種類あり、それぞれどんな症状?
足の水虫(足白癬)は3種類あります。趾間型は足指の間が白くふやけてただれる、小水疱型は足裏に小さな水ぶくれができる、角質増殖型は足裏全体が厚くかさかさになるタイプです。かゆみの有無も種類によって異なります。
📋 水虫の種類と症状の見分け方
足の水虫(足白癬)は、症状が現れる場所や形によって大きく3つのタイプに分けられます。それぞれのタイプで症状が異なるため、自分の症状がどのタイプに当てはまるかを知ることが、見分け方の第一歩となります。
🦠 趾間型(しかんがた)
趾間型は、足の指と指の間(趾間部)に症状が現れるタイプで、水虫の中で最も多く見られます。足の小指と薬指の間に発症するケースが特に多いとされています。
主な症状としては、指の間の皮膚が白くふやけてただれたようになること、皮がむけること、かゆみが生じることなどがあります。症状が進むと、皮膚がひび割れて痛みを感じることもあります。また、かゆみが強い場合と、ほとんどかゆみを感じない場合の両方があるため、かゆみがないからといって水虫でないとは言い切れません。
趾間型は見た目でも比較的わかりやすいタイプですが、足の指の間が蒸れることで起こる単純な皮膚炎や、カンジダ症と呼ばれる別の真菌感染症と見分けがつきにくいこともあります。
👴 小水疱型(しょうすいほうがた)
小水疱型は、足の裏や足の縁、土踏まず周辺に小さな水ぶくれ(小水疱)が多数できるタイプです。水ぶくれは直径1〜3mm程度の小さなもので、最初は透明な液体が入っていますが、時間が経つと濁ってきます。水ぶくれが破れると皮がむけ、かさかさした状態になります。
かゆみは比較的強く、夏に症状が悪化しやすい特徴があります。一方で、冬場には症状が落ち着いて「治った」と思いやすいですが、実際には菌が潜伏しており、また翌夏に再発することが多いです。
この小水疱型は、汗疱(かんぽう)と呼ばれる汗の出口が詰まることで起こる湿疹と非常によく似ており、見た目だけでは区別が難しいケースがあります。後述しますが、皮膚科での検査が確定診断の鍵となります。
🔸 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
角質増殖型は、足の裏全体の皮膚が厚くなり、かさかさと乾燥した状態になるタイプです。見た目はただの乾燥肌や角質の肥厚に見えるため、水虫と気づかないまま長期間放置されることが多いタイプです。かゆみはほとんどなく、足全体が白くざらざらしており、皮膚がぽろぽろとはがれ落ちることがあります。
このタイプは高齢者に多く、感染が長年続いた結果として現れることが多い傾向があります。また、爪水虫(爪白癬)を合併していることも多く、両者が同時に存在する場合には治療も長期にわたります。
角質増殖型は市販の保湿クリームなどを使っていても改善しないことが多く、「なかなか足の乾燥が治らない」と感じている方は一度皮膚科で診てもらうことをおすすめします。
💊 爪水虫(爪白癬)の特徴と見分け方
爪白癬(つめはくせん)は、爪に白癬菌が感染することで起こる疾患で、一般的に「爪水虫」と呼ばれています。足の水虫(足白癬)を放置した結果、爪に感染が広がって発症するケースが多いですが、爪白癬だけが先に発症することもあります。
💧 爪白癬の主な症状
爪白癬の症状としては、爪が白や黄色に変色する、爪が厚くなる(肥厚)、爪がもろくなってボロボロくずれる、爪の表面が濁る、爪が変形するなどが挙げられます。足の親指に発症することが最も多く、次いで小指、薬指の順です。
爪白癬は進行が非常にゆっくりで、かゆみや痛みがほとんどないため、気づかないまま放置されることが多い疾患です。しかし、爪の中に白癬菌が住み着いた状態では、市販の外用薬では菌を完全に死滅させることが難しく、再感染の原因にもなります。
✨ 爪白癬と間違いやすい状態
爪の変色や変形は、爪白癬以外にもさまざまな原因で起こります。たとえば、外傷による爪の変色(打撲による内出血)、乾癬(かんせん)に伴う爪の変化、爪甲剥離症(そうこうはくりしょう)、爪のカンジダ感染、加齢による爪の変化などが挙げられます。
特に、乾癬性爪炎と爪白癬は見た目がよく似ており、皮膚科専門医でも目視だけでは判断が難しいことがあります。爪の症状がある場合は、自己判断で市販薬を使うよりも、まず皮膚科を受診して検査を受けることが大切です。
Q. 水虫と汗疱はどう見分ければよいですか?
水虫の小水疱型と汗疱(異汗性湿疹)は、足裏や指に小さな水ぶくれができる点で見た目が非常に似ており、自己判断での区別は困難です。皮膚科での顕微鏡検査(KOH法)で白癬菌の有無を確認することで正確に鑑別できます。治療法が異なるため正しい診断が重要です。
🏥 手・体・頭皮などの水虫について
白癬菌は足だけでなく、体のさまざまな部位に感染します。部位によって呼び名が異なりますが、原因となる菌は同じです。
📌 手白癬(てはくせん)
手に感染するものを手白癬といいます。足の水虫を触った手から感染したり、趾間部をかいた手に菌が付着して発症したりするケースが多いです。症状は足白癬と同様で、手のひらの皮がむける、小水疱ができる、乾燥してひび割れるなどが見られます。多くの場合、片方の手だけに症状が現れるという特徴があります(両足に水虫があり、片手に手白癬がある「二足一手型」が典型的なパターン)。
▶️ 体部白癬(たいぶはくせん)=たむし
体の皮膚に感染するものを体部白癬、一般的に「たむし」と呼びます。胴体や腕、顔などに、輪郭がはっきりとした環状の赤い発疹が現れます。発疹の外縁部分がより赤く、中心部は比較的落ち着いているリング状の見た目が特徴的で、かゆみを伴うことが多いです。ペットや動物との接触で感染するケースもあります。
🔹 股部白癬(こぶはくせん)=いんきんたむし
股(鼠径部)や陰部周辺、太ももの内側に感染するものを股部白癬(いんきんたむし)と呼びます。足の水虫から自己感染するケースが多く、入浴後に足を拭いたタオルで股を拭くことで感染が広がることがあります。環状の赤い発疹とかゆみが特徴で、体部白癬と似ていますが、陰嚢(陰のう)には通常症状が出ないことが特徴とされています(カンジダ症では陰嚢にも症状が出ることが多い)。
📍 頭部白癬(とうぶはくせん)=しらくも
頭皮に感染するものを頭部白癬(しらくも)と呼びます。日本では主に子どもに見られ、頭皮に円形の脱毛斑や炎症が起こることがあります。現在は清潔な環境が整っているため国内では比較的まれですが、ブラシや帽子の共有などで感染が広がることがあります。
⚠️ 水虫と間違いやすい皮膚疾患
水虫の症状は、他の皮膚疾患と見た目がよく似ており、専門家でなければ見分けがつきにくいことがあります。誤った判断で市販の水虫薬を使用すると、症状が改善しないだけでなく、炎症を悪化させることがあります。以下に、水虫と間違いやすい代表的な疾患を紹介します。
💫 汗疱(かんぽう・異汗性湿疹)
汗疱は、手のひらや足の裏、指の側面に小さな水ぶくれが集まってできる湿疹の一種です。汗の出口(汗腺)が詰まることで生じると考えられており、春から夏にかけて悪化しやすい特徴があります。見た目が小水疱型の水虫にそっくりで、かゆみも伴うため、患者さん本人はもちろん、経験の少ない医師でも混同することがあります。
汗疱にはステロイド外用薬が使われますが、水虫にステロイドを塗ると症状が悪化するため、正しい診断が非常に重要です。汗疱の場合、顕微鏡検査(後述)では白癬菌が検出されないため、検査によって水虫との区別が可能です。
🦠 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
掌蹠膿疱症は、手のひらや足の裏に膿が入った水ぶくれ(膿疱)が繰り返しできる慢性の皮膚疾患です。原因は感染症ではなく、免疫異常や扁桃炎・虫歯などとの関連が指摘されています。見た目が小水疱型の水虫と似ていることがありますが、膿疱の色が黄色っぽいこと、両手・両足に対称性に現れやすいことなどが特徴です。こちらも皮膚科での検査で鑑別が可能です。
👴 接触性皮膚炎(かぶれ)
靴や靴下の素材、洗剤、金属などのアレルギーによって起こる接触性皮膚炎(かぶれ)も、赤み・かゆみ・水ぶくれなどの症状が水虫に似ることがあります。接触性皮膚炎は、原因となる物質(アレルゲン)に触れた部分に限定して症状が出ることが多く、靴下の縁に沿って症状が出るなど、形が不規則であることが特徴です。また、原因から遠ざかれば症状が改善する傾向があります。
🔸 乾癬(かんせん)
乾癬は、皮膚の細胞が過剰に増殖することで起こる慢性の炎症性皮膚疾患で、赤い発疹の上に白い鱗屑(うろこ状のかさぶた)が付着することが典型的です。足の裏や手のひらに症状が出る「掌蹠型乾癬」は、水虫や掌蹠膿疱症と似た外観を呈することがあります。乾癬は爪にも変化(ピッティング、爪甲剥離など)をきたすため、爪白癬との鑑別が重要です。
💧 カンジダ症
カンジダ症は、カンジダという別の真菌(酵母)が原因で起こる感染症です。指の間や股部に発症しやすく、白癬菌による感染と同様に、皮膚が赤くただれる症状を示します。趾間部に発症したカンジダ症は趾間型水虫と、股部に発症したカンジダ症は股部白癬と非常によく似た外観になります。カンジダ症は糖尿病など免疫機能が低下した方に多く見られます。治療薬が異なるため(カンジダには白癬菌とは別の系統の抗真菌薬が必要なことがあります)、正確な鑑別が必要です。
✨ 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織炎は、皮膚の深いところ(真皮〜皮下組織)に細菌が感染して起こる炎症です。趾間型水虫の皮膚のただれや亀裂から細菌が侵入して蜂窩織炎が起こることがあるため、水虫が引き金になるケースも少なくありません。足が赤く腫れて熱を持ち、痛みがある場合は蜂窩織炎の可能性を考える必要があります。この場合は抗菌薬による治療が必要であり、早めに医療機関を受診することが大切です。
Q. 爪が黄色く厚くなるのは爪水虫のサインですか?
爪の黄色・白色への変色や肥厚、もろくくずれるといった変化は爪白癬(爪水虫)の典型的な症状です。ただし外傷や乾癬、加齢による変化でも同様の見た目になるため、自己判断は禁物です。皮膚科で顕微鏡検査を受けて確定診断することが、適切な治療への第一歩です。
🔍 水虫のセルフチェック方法
水虫を正確に診断するには医師による検査が必要ですが、まず自分で症状をチェックすることが受診のきっかけになります。以下のような症状がある場合は水虫の可能性を考えてみてください。
📌 足の趾間をチェック
足の指と指の間を丁寧に確認してみましょう。特に、薬指と小指の間、中指と薬指の間は見えにくいですが、白くふやけている、皮がむけている、ジュクジュクしているなどの状態がないか確認します。臭いが強くなる場合もありますが、臭いだけでは水虫かどうかの判断はできません。
▶️ 足の裏・かかとをチェック
足の裏全体、特に土踏まず周辺や足の縁(外側)に小さな水ぶくれや赤い発疹がないか確認します。かかとが白くかさかさと厚くなっていたり、ひび割れがひどい場合は角質増殖型水虫の可能性があります。ただし、かかとのひび割れは乾燥によるものも多いため、全体的な症状と合わせて判断する必要があります。
🔹 爪をチェック
足の爪(特に親指の爪)の色、厚さ、形状を確認します。正常な爪はほぼ透明〜薄ピンク色で、表面が滑らかです。爪が白・黄色・茶色に変色している、爪が厚くなっている、爪の表面がでこぼこしている、爪がもろくてくずれやすいなどの変化があれば爪白癬を疑います。爪の変化は左右で比較すると気づきやすいことがあります。
📍 症状の出方のパターンをチェック
水虫の症状は一般的に左右非対称に現れることが多いのが特徴です(片方の足だけ、あるいは片方がより重症)。一方、アレルギーや乾癬などでは左右対称に症状が現れることが多い傾向があります。また、症状が夏に悪化して冬に改善する周期性がある場合は水虫の可能性が高まります。プールや銭湯、スポーツジムへの通い始めに症状が出た場合も水虫を疑う根拠になります。
📝 水虫になりやすい人・なりにくい人
白癬菌に接触したからといって、誰もが必ず水虫になるわけではありません。水虫の発症には、菌の量と個人の皮膚のバリア機能が大きく関係しています。
💫 水虫になりやすい要因
水虫になりやすい状況や環境として、以下のようなものが挙げられます。
足が長時間蒸れる環境にある(革靴や安全靴の着用が必要な仕事、長時間の靴の着用)は大きなリスク因子です。汗をかきやすい体質や多汗症の方、糖尿病などで皮膚のバリア機能が低下している方も感染しやすいとされています。免疫機能が低下している状態(免疫抑制薬の使用、高齢、疾患による免疫低下)も水虫にかかりやすくなる原因となります。家族や同居人が水虫を持っている場合は、バスマットやスリッパを通じた感染リスクがあります。プールや銭湯、ジムを頻繁に利用する方もリスクが高いとされています。
🦠 水虫になりにくい要因

逆に、白癬菌に接触しても水虫になりにくいのは、皮膚のバリア機能が正常に保たれている場合です。足を清潔に保ち、帰宅後すぐに足を洗う習慣がある、通気性の良い靴や靴下を選んでいる、適切に足を乾かしている、などの習慣がある方は感染しにくくなります。
Q. 水虫を放置するとどのような合併症が起きますか?
水虫を放置すると、白癬菌が爪に広がり治療困難な爪白癬へ進行するリスクがあります。また、皮膚のただれから細菌が侵入して蜂窩織炎やリンパ管炎を引き起こすことがあり、繰り返すと足の慢性浮腫(象皮病)につながる場合もあります。糖尿病など免疫低下がある方は特に早期受診が重要です。
💡 水虫を放置するとどうなるか
水虫は放置してもほとんど自然治癒しません。むしろ、適切な治療を受けずにいると、さまざまな問題が生じることがあります。
👴 爪白癬への進行
足の水虫を放置すると、白癬菌が爪に感染して爪白癬を発症することがあります。爪白癬は足白癬よりも治療が難しく、完治までに年単位の時間がかかることもあります。また、爪の中に菌が潜伏した状態では、足白癬を治療しても再感染が起きやすくなります。
🔸 体の他の部位への感染
足の水虫を触った手を介して、手白癬や股部白癬に広がることがあります。特に入浴後にタオルで足を拭き、同じタオルで股を拭く行為は菌を広げる一因になります。また、同居している家族への感染を広げることにもなりかねません。
💧 二次感染(細菌感染)のリスク
趾間型水虫では、皮膚のただれや亀裂から細菌が侵入し、蜂窩織炎やリンパ管炎を引き起こすことがあります。足のリンパ管炎が繰り返されると、リンパの流れが滞って足がむくみやすくなる(慢性浮腫)こともあります。これは「象皮病」とも呼ばれる状態で、重篤な合併症です。
✨ QOL(生活の質)の低下
かゆみや不快感が続くことで睡眠の質が低下したり、見た目が気になって人前での足の露出を避けるようになったり、日常生活への影響が生じることもあります。
✨ 水虫の診断方法と受診の目安
水虫かどうかを確定するためには、皮膚科での検査が必要です。問診や視診だけで診断することもありますが、確定診断のためには顕微鏡による検査(直接鏡検法)が行われます。
📌 直接鏡検法(KOH法)
直接鏡検法は、患部の皮膚の一部(鱗屑)や爪のかけらを採取し、水酸化カリウム(KOH)液で処理した後に顕微鏡で観察して、白癬菌の菌糸を確認する検査です。検査自体は数分〜十数分で結果がわかり、痛みもほとんどありません。
この検査の注意点として、検査前に外用薬(特に抗真菌薬)を使用していると菌が減少して偽陰性になることがあります。市販の水虫薬を塗り始めた後に受診する場合は、数日間薬の使用を中止してから検査を受けることが望ましい場合があります。受診時に医師に確認してみましょう。
▶️ 培養検査
採取した皮膚や爪のかけらを培地で培養して菌を確認する方法もあります。直接鏡検法よりも精度が高いとされますが、結果が出るまでに数週間かかるため、主にKOH法で判断がつかない場合に使われます。
🔹 こんな症状があれば皮膚科を受診しましょう
足の指の間が白くただれている、かゆみがある、足の裏に水ぶくれができた、かかとがひどくかさかさして改善しない、爪が変色・変形している、市販の水虫薬を数週間使ったが改善しないなど、上記で紹介したような水虫の症状に当てはまると思われる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
足が赤く腫れて熱を持っている、強い痛みがある、発熱があるなどの場合は細菌感染を合併している可能性があり、早急に受診が必要です。糖尿病の方や免疫機能が低下している方は、水虫による傷口からの感染が重症化しやすいため、早めの受診が特に重要です。
📍 水虫の治療について
皮膚科では、確定診断がついた後、抗真菌薬による治療が行われます。足の水虫(足白癬)の場合は外用薬(塗り薬)が基本で、テルビナフィン、ルリコナゾール、ラノコナゾールなどの成分を含むクリームや液剤が使われます。外用薬は症状が改善しても菌が残っていることが多いため、かゆみが消えてからも一定期間(多くの場合1〜3ヵ月程度)継続して使用することが重要です。
爪白癬や角質増殖型など、外用薬だけでは菌が届きにくい場合は、内服薬(飲み薬)が処方されることがあります。内服薬はより強力ですが、肝機能への影響などがあるため、定期的な血液検査が必要な場合があります。治療期間は足白癬が数ヵ月、爪白癬では1年近くかかることもありますが、医師の指導に従って継続することが完治の鍵です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「市販薬を数週間使っても治らない」「乾燥がずっと続いている」といったご相談で来院された結果、水虫や爪白癬と診断されるケースが少なくありません。水虫は汗疱や乾癬など見た目の似た疾患と混同されやすいため、自己判断での対処が症状の長期化につながってしまうことがあります。気になる症状がある場合は早めにご受診いただき、顕微鏡検査で正確な診断を受けたうえで、適切な治療を一緒に続けていきましょう。」
📌 よくある質問
水虫(角質増殖型)と乾燥肌は見た目がよく似ていますが、保湿クリームを使っても改善しない場合は水虫の可能性があります。また、水虫は左右非対称に症状が出やすく、夏に悪化・冬に落ち着く周期性がある点も特徴です。自己判断が難しい場合は、皮膚科で顕微鏡検査を受けることをおすすめします。
はい、あります。趾間型ではかゆみが強い場合もありますが、ほとんどかゆみを感じないケースもあります。また、角質増殖型はかゆみがほぼなく、爪白癬も痛みやかゆみが少ないため気づかれにくい傾向があります。「かゆくないから水虫ではない」とは言い切れないため、気になる症状があれば受診が大切です。
市販薬を数週間使用しても改善しない場合は、そもそも水虫ではなく汗疱や接触性皮膚炎など別の皮膚疾患の可能性があります。誤った薬を使い続けると症状が悪化することもあります。アイシークリニックを含む皮膚科で顕微鏡検査(KOH法)を受け、正確な診断のもとで適切な治療を受けることをおすすめします。
爪の変色は爪白癬(爪水虫)の典型的な症状ですが、外傷による内出血、乾癬、加齢による変化など他の原因でも起こります。見た目だけでの判断は専門医でも難しいため、自己判断で市販薬を使うより、まず皮膚科を受診して顕微鏡検査で確認することが重要です。爪白癬は放置すると治療がより困難になるため、早めの受診をおすすめします。
家庭内感染はバスマットやスリッパの共有を通じて起こりやすいため、これらは個人専用にすることが大切です。また、白癬菌が皮膚に付着してから感染成立まで24〜48時間かかるため、帰宅後すぐに足をしっかり洗う習慣が有効です。通気性の良い靴や靴下を選び、足を清潔・乾燥した状態に保つことも感染予防につながります。
🎯 まとめ
水虫(白癬)は、白癬菌というカビが原因で起こる非常に一般的な皮膚疾患です。足の指の間がただれる趾間型、足の裏に水ぶくれができる小水疱型、足裏全体が厚くかさかさになる角質増殖型の3タイプがあり、それぞれ症状の見た目が異なります。また、爪に感染する爪白癬は変色や変形を引き起こし、放置すると治療がより困難になります。
水虫は汗疱、掌蹠膿疱症、接触性皮膚炎、乾癬、カンジダ症など、見た目が似た多くの皮膚疾患と区別がつきにくいことが特徴です。自己判断で市販の水虫薬を使い続けても改善しない場合や、症状が悪化している場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。顕微鏡による直接鏡検法で白癬菌の有無を確認することが、正確な診断への近道となります。
水虫は適切な治療を継続することで治癒が可能な疾患です。「よくある病気だから」と放置せずに、気になる症状があれば早めに皮膚科へご相談ください。アイシークリニック新宿院でも皮膚の気になる症状についてご相談いただけますので、お気軽にお声がけください。
📚 関連記事
- 汗疱でやってはいけないこと10選|悪化を防ぐ正しいケア方法
- あせもがかゆくない場合の原因と対処法|かゆみなしでも注意が必要な理由
- 足の指にできもの?原因と種類、適切な対処法を解説
- 垢が溜まった皮膚の原因と正しいケア方法|放置するとどうなる?
- 虫刺されのかゆみ止め最強市販薬はどれ?症状別の選び方と対処法
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 白癬(水虫・爪水虫)の診断基準・治療ガイドラインに関する情報。足白癬・爪白癬の種類別症状、直接鏡検法(KOH法)による確定診断の方法、抗真菌薬(外用・内服)の適応と治療期間について参照
- 厚生労働省 – OTC(市販)抗真菌薬の適正使用に関する情報。水虫への市販薬使用上の注意点、セルフメディケーションの範囲と医療機関受診の目安について参照
- 国立感染症研究所 – 白癬菌の感染経路・疫学データ(日本人の罹患率・男女差・年齢分布)、プールや銭湯などの公共施設での感染拡大メカニズム、二次感染(蜂窩織炎等)のリスクに関する情報について参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
