
夏になると公園や川遊びなど、子供たちが屋外で活動する機会がぐっと増えます。それに伴って増えるのが、虫刺されのトラブルです。蚊やブヨ、ハチなどに刺された子供が「かゆい!」と訴えてくるたびに、どんな薬を使えばいいのか、このまま様子を見ていいのか、病院に連れていくべきなのかと、悩む保護者の方は少なくありません。子供は大人よりも皮膚が薄く、免疫反応が強く出やすいため、虫刺されの症状が重くなることがあります。この記事では、子供の虫刺されに使う薬の選び方から、市販薬の種類と特徴、症状別の対処法、そして病院を受診すべきサインまで、幅広く解説します。お子さんの肌を守るための正しい知識をぜひ身につけてください。
目次
- 子供が虫に刺されたときに起こる症状とは
- 子供の虫刺され薬を選ぶときの基本的な考え方
- 市販の虫刺され薬の種類と成分を知ろう
- 子供に使える市販薬の選び方と注意点
- 虫の種類別・症状別の対処法
- 病院を受診すべき症状とタイミング
- 虫刺されを防ぐための予防策
- まとめ
この記事のポイント
子供の虫刺されは年齢に合った市販薬選びが重要で、ステロイドや清涼感成分の使用制限を守る必要がある。ハチ刺されによるアナフィラキシーやマダニは医療機関への受診が必須。
🎯 子供が虫に刺されたときに起こる症状とは
虫刺されの症状は、刺した虫の種類によっても、刺された子供の体質によっても大きく異なります。まずは代表的な症状を整理しておきましょう。
最も一般的なのは、蚊に刺されたときの反応です。蚊が皮膚を刺すと、唾液中に含まれるたんぱく質成分が体内に入り込み、これに対してアレルギー反応が起きます。赤みや腫れ、強いかゆみが生じるのはこのためです。大人では比較的軽い反応で済むことが多いのですが、子供、特に幼い子供は免疫システムが発達途上にあるため、同じ蚊に刺されても腫れがひどくなったり、かゆみが強く出たりすることがよくあります。
また、「虫刺され過敏症」と呼ばれる状態があり、特にEBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)に感染したことのある子供では、蚊に刺されると高熱、リンパ節の腫れ、肝臓や脾臓の腫大など、全身にわたる重篤な症状が出ることがあります。蚊アレルギーとも呼ばれるこの状態は比較的まれですが、繰り返し高熱が出る場合などは専門医への相談が必要です。
ブヨ(ブユ)に刺された場合は、蚊と比べてずっと強い反応が出ることで知られています。ブヨは皮膚を噛んで吸血するため、刺された部位に大きな腫れと激しいかゆみが数日から1週間以上続くことがあります。かきむしると悪化し、水ぶくれや滲出液が出ることもあります。
ハチに刺された場合は、毒液が直接体内に注入されるため、症状がより深刻になることがあります。局所的な痛みや腫れにとどまることがほとんどですが、まれにアナフィラキシーショックと呼ばれる全身性の重篤なアレルギー反応が起こることがあり、注意が必要です。
その他、マダニに噛まれた場合も子供に多いトラブルです。マダニは皮膚に深く刺さったまま長時間吸血するため、感染症を引き起こすリスクがあり、見つけたら自分で無理に取り除こうとせず医療機関を受診することが推奨されます。
共通して言えることは、子供は大人よりも症状が強く出やすく、かゆみに耐えきれずかきむしってしまうため、皮膚が傷つき二次感染(細菌感染)が起きやすいという点です。虫刺されのケアにおいては、かゆみを早めに抑えて子供が引っかくのを防ぐことがとても重要です。
Q. 子供の虫刺され薬を選ぶときの基本的なポイントは?
子供の皮膚は大人より薄く薬成分が吸収されやすいため、市販薬を選ぶ際は必ず対象年齢を確認することが重要です。ステロイドの有無と強さ、メントールなど清涼感成分の濃度にも注意が必要で、迷った場合は薬剤師や医師に相談することが推奨されます。
📋 子供の虫刺され薬を選ぶときの基本的な考え方
子供の虫刺されに薬を使う際は、大人とは異なる配慮が必要です。子供の皮膚は大人に比べて薄く、薬の成分が吸収されやすいという特徴があります。そのため、成分の種類や濃度、使用できる年齢などを慎重に確認する必要があります。
まず理解しておきたいのは、虫刺されの薬には大きく分けて「かゆみを抑える成分」と「炎症を抑える成分」が含まれているという点です。かゆみを抑える成分の代表格はジフェンヒドラミンなどの抗ヒスタミン薬であり、炎症を抑える成分としてはステロイドやウフェナマートなどの非ステロイド系抗炎症成分があります。
子供の虫刺されに使う薬を選ぶ際の基本的な考え方は以下のとおりです。
一つ目は、対象年齢を必ず確認することです。市販薬には使用できる年齢が明記されており、乳幼児には使えないものも多くあります。特に生後6か月未満の赤ちゃんには、市販薬の多くが使えないため、必ず医師や薬剤師に相談してください。
二つ目は、ステロイドの有無と強さを確認することです。ステロイドは炎症を抑えるのに非常に効果的な成分ですが、子供の皮膚への影響を考えると、長期間の使用や広範囲への使用は避けるべきです。短期間の使用であれば適切に使うことで大きな問題にはなりにくいとされていますが、特に顔や陰部など皮膚が薄い部位への使用は注意が必要です。
三つ目は、清涼感成分(メントールやカンフーなど)の濃度に注意することです。これらの成分は大人には爽快感を与えてかゆみを紛らわせてくれますが、幼い子供には刺激が強すぎることがあります。また、乳幼児の顔に使うと呼吸困難を引き起こすリスクもあるため、年齢によっては避けるべきとされています。
四つ目は、使用前に薬剤師や医師に相談することです。特に初めて使う薬や、症状が強い場合、ほかの薬との併用がある場合は、自己判断せずに専門家の意見を聞くことが大切です。薬局では薬剤師が子供の年齢や症状に合った薬を選ぶ手助けをしてくれます。
Q. 市販の虫刺され薬に含まれる主な成分と働きは?
虫刺され薬の主な成分は、かゆみを抑える抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)、炎症を抑えるステロイド成分(ヒドロコルチゾンなど)、非ステロイド系抗炎症成分(ウフェナマート)、即効性のある局所麻酔成分(リドカインなど)、そして二次感染を防ぐ抗菌成分などです。
💊 市販の虫刺され薬の種類と成分を知ろう
市販されている虫刺され薬には、さまざまな成分が使われています。それぞれの成分の働きと特徴を理解しておくと、適切な薬を選びやすくなります。
🦠 抗ヒスタミン成分
虫刺されによるかゆみの主な原因は、体内で放出されるヒスタミンという物質です。抗ヒスタミン成分はこのヒスタミンの働きをブロックすることでかゆみを和らげます。代表的な成分としては、ジフェンヒドラミン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩があります。多くの虫刺され薬に配合されており、比較的安全性が高いとされていますが、乳幼児への使用については制限があるため注意が必要です。
👴 ステロイド成分
ステロイドは炎症を強力に抑える成分です。市販薬に使われているステロイドは医療用と比較すると弱めのものが使われており、デキサメタゾン酢酸エステルやプレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酪酸エステルなどがあります。炎症が強いときや腫れがひどいときに効果的ですが、子供への使用は短期間にとどめ、長期間や広範囲への使用は避けることが推奨されています。また、感染が疑われる傷には使用しない方が良いとされています。
🔸 非ステロイド系抗炎症成分
ステロイドを使いたくない場合の選択肢として、非ステロイド系抗炎症成分があります。代表的なものはウフェナマートで、炎症を抑える効果を持ちつつ、ステロイドより安全性が高いとされています。ステロイドほど即効性は高くないことがありますが、敏感な肌の子供や長期使用が必要な場合に選ばれることがあります。
💧 局所麻酔成分
リドカインやジブカイン塩酸塩などの局所麻酔成分は、皮膚の神経の感覚を一時的に麻痺させることでかゆみや痛みを和らげます。即効性が高いというメリットがありますが、子供によってはアレルギー反応を起こすことがあるため、使用前に成分を確認することが大切です。
✨ 清涼感成分
メントール、カンフル(カンファー)、ハッカ油などの清涼感成分は、皮膚に冷たい感覚を与えることでかゆみを紛らわせる効果があります。しかし、刺激が強いため、乳幼児や皮膚の敏感な子供への使用は注意が必要です。特に2歳以下の子供や、顔への使用は避けるべきとされています。
📌 抗菌・殺菌成分
かきむしった傷口からの二次感染を防ぐために、クロルヘキシジングルコン酸塩などの抗菌成分が配合されている薬もあります。虫刺されで皮膚が傷ついている場合や、子供が引っかいてしまった場合には、このような成分が含まれた薬を選ぶとよいでしょう。
🏥 子供に使える市販薬の選び方と注意点
実際に薬局やドラッグストアで子供の虫刺され薬を選ぶ際に、具体的にどのような点を確認すればよいか、詳しく説明します。
▶️ 年齢ごとの薬の選び方
生後6か月未満の赤ちゃんについては、市販薬の多くが使用対象外となっています。この年齢では皮膚が非常に薄く、薬の成分が体内に吸収されやすいこと、また小さな体では成分の影響が大きく出やすいことから、自己判断での使用は避け、必ず医師に相談してください。使用できる薬としては、ワセリンなどの保護剤を刺された部位に塗って保護したうえで、まず冷やして炎症を抑えるといった方法が安全です。
生後6か月から2歳未満の場合も、使える薬は限られます。清涼感成分(メントールなど)が入っていない、低刺激のものを選びましょう。ステロイドが入った薬を使う場合は、医師や薬剤師に確認してから使用するのが望ましいです。
2歳以上になると使える薬の幅が広がりますが、それでも子供用の商品や、使用できる年齢が明記されたものを選ぶことが基本です。薬のパッケージに「◯歳以上から使用可能」と記載されているので、必ず確認してください。
🔹 剤形による使い分け
虫刺され薬の剤形には、液体(ローション・ゲル)タイプ、クリームタイプ、軟膏タイプ、スプレータイプなどがあります。それぞれに特徴があり、子供や状況に合わせて選ぶと良いでしょう。
液体やゲルタイプは伸びがよく、べたつきが少ないため使いやすいのが特徴です。ただし、アルコールが含まれているものは刺激になることがあるため、傷のある皮膚や敏感な子供には注意が必要です。クリームや軟膏タイプは保湿効果もあり、肌が乾燥しやすい子供や、患部を保護しながらケアしたい場合に向いています。スプレータイプは手を汚さずに広い範囲に使えますが、子供が顔に使う場合は誤って吸い込まないよう注意が必要です。
📍 使用上の注意点
子供に市販薬を使う場合のいくつかの注意点をまとめます。まず、用量と用法を守ることが基本です。大人と同じように使うのではなく、子供の年齢や体重に応じた使い方を守ってください。次に、患部以外の部位への使用を避けることです。顔や粘膜の近くへの使用は、薬の種類によっては危険なことがあります。また、薬を塗った後に子供が手でこすって目に入れないよう注意してください。さらに、症状が改善しない場合や悪化した場合は、すぐに使用を中止して医師に相談することが大切です。
Q. ハチに刺された子供に救急車が必要な症状は?
ハチに刺された後、全身に蕁麻疹が急速に広がる、顔・唇・舌が腫れる、呼吸困難、声がかれる、意識が薄れるなどの症状はアナフィラキシーショックの疑いがあります。これらは命に関わる緊急事態のため、一つでも症状が見られた場合はすぐに救急車を呼んでください。
⚠️ 虫の種類別・症状別の対処法
虫刺されの対処法は、刺した虫の種類や症状の重さによって変わります。ここでは主な虫ごとの対処法を説明します。

💫 蚊に刺された場合
蚊に刺された直後は、まず流水で患部をよく洗い流すことが大切です。次に、冷やすとかゆみが和らぎます。保冷剤をタオルに包んで患部に当てるか、冷水で冷やしてみましょう。その後、かゆみが続くようであれば、抗ヒスタミン成分を含んだ市販薬を塗ります。子供がかきむしらないように、爪を短く切っておくことも重要です。
腫れが大きく広がったり、ひどいかゆみが何日も続いたりする場合は、ステロイドを含んだ薬が効果的なことがあります。ただし、子供には適切な強さのものを選ぶ必要があるため、薬剤師や医師に相談してから使用するようにしましょう。
🦠 ブヨ(ブユ)に刺された場合
ブヨに刺された場合は、蚊と比べて症状がずっと強く出ます。まず患部を流水でよく洗い、できるだけ早く冷やします。ブヨによる刺し傷はアレルギー反応が強く出るため、市販のステロイド薬だけでは対応しきれないことも多く、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。水ぶくれができている場合は、自分でつぶさずに医療機関で適切な処置を受けてください。
👴 ハチに刺された場合
ハチに刺されたときは、まず安全な場所に移動してから対処します。刺された部位を冷水で洗い流し、刺さったハチの毒針が残っている場合は毛抜きなどでそっと取り除きます(スズメバチは毒針を残さないことが多いですが、ミツバチは毒針を残します)。その後、患部を冷やして痛みや腫れを抑えます。
子供がハチに刺された場合、アナフィラキシーショックが起きる可能性があるため注意が必要です。刺された直後から、顔色が悪い、全身に蕁麻疹が出る、呼吸が苦しそう、ぐったりしているなどの症状が見られた場合は、すぐに救急車を呼ぶか、最寄りの救急医療機関に連れていってください。以前にハチに刺されたことがある子供は、2回目以降に重篤な反応が起きるリスクが高まるため、特に注意が必要です。
🔸 マダニに噛まれた場合
マダニは皮膚に頭部を深く刺し込んで吸血するため、無理に引き抜こうとすると頭部が残ってしまい、感染リスクが高まります。マダニを見つけた場合は、自分で取り除こうとせず、必ず医療機関を受診してください。マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病など、深刻な感染症を媒介することがあります。噛まれた後に発熱、倦怠感、腹痛などの症状が出た場合は速やかに受診してください。
💧 毛虫・チャドクガに触れた場合
チャドクガなどの毛虫の毒毛に触れると、強いかゆみと皮膚炎を起こします。まず触れた部位をガムテープなどで毒毛を取り除き(こすらないように注意します)、その後流水でよく洗い流します。市販のステロイド薬と抗ヒスタミン薬を使うと症状が和らぐことがありますが、広い範囲に症状が出ている場合や改善しない場合は皮膚科を受診しましょう。
✨ かきむしりで二次感染が起きた場合
子供が虫刺されをかきむしって傷になり、そこから細菌が入ると二次感染(とびひ)が起きることがあります。刺された部位が赤く腫れ、じくじくした傷になっている場合や、黄色い膿が出ている場合は二次感染の可能性があります。このような場合は市販薬での対応に限界があるため、早めに皮膚科や小児科を受診してください。
🔍 病院を受診すべき症状とタイミング
虫刺されの多くは市販薬や適切なケアで自然に治りますが、中には医療機関の受診が必要な場合もあります。以下のような症状が見られる場合は、様子を見ずに早めに受診することをおすすめします。
📌 すぐに救急を受診すべき症状
アナフィラキシーショックの症状が疑われる場合は一刻も早く救急対応が必要です。具体的には、虫に刺された後から急速に全身に蕁麻疹が広がっている、顔がむくんでいる、唇や舌が腫れている、声がかれる・犬が吠えるような咳が出る、呼吸困難、意識が薄れるなどの症状が見られる場合です。このような症状はハチに刺されたとき以外でも、まれに蚊や他の虫でも起こることがあります。
▶️ 早めに受診すべき症状

以下の症状が見られる場合は、数日以内に皮膚科や小児科を受診することをおすすめします。市販薬を数日使っても改善しない、または悪化している場合。患部が赤く腫れてじくじくしている、膿が出ているなど、二次感染が疑われる場合。刺された部位の腫れが急速に大きくなっている場合。子供が高熱を出している場合(蚊に刺されての高熱は蚊アレルギーの可能性があります)。刺された部位が顔の広範囲にわたっている場合。マダニに噛まれた後に発熱や全身症状が出た場合。以前に同じ虫刺されで強いアレルギー反応を起こしたことがある場合。
🔹 受診する診療科について
虫刺されの症状で受診する診療科は、主に皮膚科と小児科です。皮膚症状が主な場合は皮膚科が、全身症状がある場合や小さい子供の場合は小児科が対応してくれます。どちらに行くか迷った場合は、かかりつけの小児科に相談するとよいでしょう。かかりつけ医が対応できない場合は、適切な専門科を紹介してもらえます。
医療機関では、症状に応じてステロイド外用薬(市販薬より強い処方薬)、内服の抗ヒスタミン薬、抗菌薬(二次感染がある場合)などが処方されます。市販薬で対応しきれない症状には、処方薬が必要なことも多いため、迷ったら受診することをためらわないでください。
Q. 子供への虫よけ剤の年齢別使用制限を教えてください
ディート成分は生後6か月未満には使用不可で、6か月〜2歳未満は1日1回、2〜12歳未満は1日1〜3回が上限です。一方、イカリジン成分は皮膚刺激が少なく生後6か月以上から使える製品が多いため、小さな子供に適しています。いずれも必ず対象年齢と使用方法を守ることが大切です。
📝 虫刺されを防ぐための予防策
虫刺されの治療も大切ですが、そもそも刺されないようにすることが最も重要です。子供向けの予防策をまとめます。
📍 虫よけ剤の正しい使い方
子供向けの虫よけ剤として、日本ではディート(DEET)とイカリジンという成分が代表的です。ディートは長年使われてきた成分で効果が高いですが、子供への使用には注意が必要です。日本での製品では、生後6か月未満の乳児には使用しないこと、6か月から2歳未満は1日1回、2歳から12歳未満は1日1〜3回を上限とすることが推奨されています。また、顔には直接塗らず、手に取ってから顔に塗布するか、大人が塗ってあげるようにします。
イカリジンはディートより皮膚刺激が少ないとされ、年齢制限が緩やか(6か月以上から使用できる製品が多い)という特徴があります。子供に使う虫よけ剤として近年注目されており、スプレータイプやローションタイプなど様々な製品があります。虫よけ剤を使用する際は、必ず子供向け製品の対象年齢と使用方法を守ってください。
💫 服装による予防
肌の露出を減らすことは、虫刺されを防ぐシンプルで効果的な方法です。草むらや林など虫が多い場所に行く場合は、長袖・長ズボンを着用し、できれば靴下も履かせましょう。白や薄い色の服を選ぶと、虫を引き寄せにくいとされています。特にハチは黒いものに攻撃的になりやすいため、黒い服は避けることがおすすめです。
🦠 環境整備による予防
家の周りの虫刺されを防ぐためには、環境の整備も重要です。蚊の発生を防ぐには、水が溜まる容器(植木鉢の皿、バケツなど)を定期的に確認して捨てることが効果的です。蚊は少量の水でも卵を産むため、こまめな管理が大切です。また、草木が茂っている場所は虫の隠れ家になりやすいため、庭の草刈りや剪定も虫刺されの予防になります。
屋内では網戸を適切に使用し、就寝時には蚊帳を使うことも有効です。特に乳幼児は動き回れないため、ベビーベッドに蚊帳を使用することで蚊に刺されるリスクを大幅に減らせます。
👴 アウトドアでの注意点
キャンプや山登り、川遊びなど、自然の中で遊ぶ際はより一層注意が必要です。マダニは草むらや林の中に多く生息しているため、草地や低木の間を歩く際は長袖・長ズボンを着用し、足首もしっかり覆うことが重要です。活動後は全身をチェックし、特に首、耳の後ろ、脇の下、膝の裏など皮膚が柔らかい部分にマダニがついていないか確認しましょう。ハチの巣がある場所の近くでは飛び回るなど、ハチを刺激する行動を避けることも大切です。
🔸 刺された後の早期対処で重症化を防ぐ
どれだけ予防していても、完全に虫刺されを防ぐことは難しいものです。刺された場合は、早期に適切な対処をすることで症状の重症化を防ぐことができます。外出から帰宅したら子供の体をチェックし、虫刺されを見つけたらすぐに冷やしてかゆみを抑え、薬を塗るという習慣をつけておくと良いでしょう。またかゆみが強い場合は、子供が引っかかないよう、患部をガーゼなどで軽く覆うことも有効です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏の時期になると虫刺されのお子さんが多く来院されますが、市販薬を使っても症状が改善しない、またはかきむしりによる二次感染(とびひ)に発展してから受診されるケースが少なくありません。特に乳幼児では薬の選択が難しいため、迷ったときは早めにご相談いただくことで、症状の重症化を防ぐことができます。また、ハチに刺された後に呼吸困難や全身の蕁麻疹が現れた場合はアナフィラキシーショックの可能性がありますので、ためらわずに救急車を呼んでいただくようお願いします。」
💡 よくある質問
生後6か月未満の赤ちゃんには、市販の虫刺され薬の多くが使用対象外となっています。この時期は皮膚が非常に薄く、薬の成分が体内に吸収されやすいためです。まずは患部を冷やして炎症を抑えることが安全な対処法です。自己判断での薬の使用は避け、必ず医師に相談してください。
短期間の適切な使用であれば、大きな問題になりにくいとされています。ただし、子供の皮膚は薄く薬の成分が吸収されやすいため、長期間・広範囲への使用は避けることが推奨されています。顔や陰部など皮膚が薄い部位への使用には特に注意が必要です。使用前に薬剤師や医師へ相談することをおすすめします。
刺された後に全身へ蕁麻疹が急速に広がる、顔や唇・舌が腫れる、呼吸が苦しそう、声がかれる、意識が薄れるといった症状はアナフィラキシーショックの可能性があります。これらの症状が一つでも見られた場合は、ためらわずすぐに救急車を呼んでください。命に関わる緊急事態です。
マダニは皮膚に頭部を深く刺し込んで吸血するため、無理に引き抜こうとすると頭部が皮膚内に残ってしまい、感染リスクが高まります。自分で取り除こうとせず、必ず医療機関を受診してください。マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病など深刻な感染症を媒介することがあります。
あります。ディート(DEET)成分の製品は生後6か月未満には使用不可で、6か月〜2歳未満は1日1回まで、2〜12歳未満は1日1〜3回が上限です。一方、イカリジン成分は皮膚刺激が少なく、生後6か月以上から使用できる製品が多くあります。いずれも必ず対象年齢と使用方法を守って使用してください。
✨ まとめ
子供の虫刺されは夏を中心に年間を通じてよく見られるトラブルですが、適切な知識と対処法を身につけておけば、多くの場合は自宅でのケアで対応できます。大切なポイントをおさらいします。
子供の皮膚は大人より薄く、薬の成分が吸収されやすいため、市販薬を使う際は年齢に合ったものを選び、用法用量を必ず守ることが基本です。虫刺されの薬には抗ヒスタミン成分やステロイド成分、非ステロイド系抗炎症成分など様々な種類があり、症状の強さや子供の年齢によって適切なものが異なります。迷ったときは薬剤師や医師に相談することをためらわないでください。
刺した虫の種類によって対処法が変わる点も重要です。蚊やブヨの場合はかゆみや炎症を抑えることが主な対処ですが、ハチに刺された場合はアナフィラキシーショックに注意し、マダニの場合は無理に引き抜かずに医療機関を受診することが必要です。
また、市販薬で改善しない、症状が悪化する、二次感染が疑われる、全身症状がある、呼吸困難などのアナフィラキシー症状が疑われるといった場合は、迷わず医療機関を受診してください。特にアナフィラキシーショックは命に関わる緊急事態であるため、少しでも疑われる症状があれば救急車を呼ぶことを躊躇しないでください。
虫よけ剤の正しい使用や、肌の露出を減らす服装、環境の整備などの予防策を日常的に取り入れることで、虫刺されのリスクを大幅に減らすことができます。お子さんが元気に外で遊べるよう、正しい知識をもって虫刺されに対応していきましょう。虫刺されの症状が気になるときや、適切な薬の選び方がわからないときは、皮膚科や小児科に相談することが最も安心です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚炎の診断・治療に関するガイドライン、ステロイド外用薬の適切な使用方法、二次感染(とびひ)への対処法など、皮膚科専門医による医学的根拠に基づいた情報
- 厚生労働省 – 市販の虫刺され薬(一般用医薬品)に含まれるディート・イカリジンなど各成分の使用上の注意、子供への年齢別使用制限に関する行政指針および安全性情報
- 国立感染症研究所 – マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病、EBウイルスに関連した蚊アレルギー(虫刺され過敏症)など、虫刺されに起因する感染症の最新疫学情報および予防対策
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
