
夏になると悩まされる虫刺され。「とにかく早くかゆみを止めたい」「市販薬がたくさんあってどれを選べばいいかわからない」という方は多いのではないでしょうか。虫刺されの薬は種類が豊富なうえ、含まれる成分や濃度もさまざまです。症状に合った薬を選ぶことで、かゆみや腫れをより効果的に和らげることができます。この記事では、虫刺されに使われる薬の成分と特徴、症状や刺した虫の種類による使い分け、市販薬では対応しきれないケースなどについて詳しく解説します。
目次
- 虫刺されの薬に含まれる主な成分とその働き
- 市販薬の種類と特徴:剤形(ローション・クリーム・ゲルなど)の違い
- 虫の種類別に見る症状と薬の選び方
- 症状の重さで選ぶ薬の基準
- 子ども・妊婦・高齢者が使うときの注意点
- 市販薬を使っても効かないときはどうする?
- 虫刺されをかき壊してしまったときの対処法
- 病院で処方される虫刺され治療薬について
- 虫刺されを予防するためにできること
- まとめ
この記事のポイント
虫刺され薬は症状と虫の種類で選び分けが重要。軽度には抗ヒスタミン成分、腫れや強いかゆみにはステロイド含有薬が有効。市販薬で改善しない場合や重症時は医療機関への受診を推奨。
🎯 虫刺されの薬に含まれる主な成分とその働き
虫刺されの薬に配合されている成分は、大きく分けて「かゆみを止める成分」「炎症を抑える成分」「皮膚を保護・修復する成分」「清涼感を与える成分」の4つのカテゴリに分類されます。それぞれの成分の働きを理解しておくと、自分の症状に合った薬を選びやすくなります。
🦠 抗ヒスタミン成分
虫刺され薬の主力成分といえるのが抗ヒスタミン成分です。虫に刺されると皮膚の中でヒスタミンという物質が放出され、かゆみや赤みの原因になります。抗ヒスタミン成分はこのヒスタミンの働きをブロックすることで、かゆみを抑えます。代表的な成分としてはジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩などがあります。ジフェンヒドラミン塩酸塩は多くの市販薬に配合されており、かゆみに対する即効性が期待できます。
👴 ステロイド成分
炎症を強力に抑える成分として知られているのがステロイドです。市販の虫刺され薬に使われるステロイド成分には、デキサメタゾン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステルなどがあります。ステロイドは赤み・腫れ・かゆみを抑える効果が高く、症状の強い虫刺されに向いています。ただし、顔や皮膚の薄い部分には長期使用を避けるなど、使用上の注意があります。市販薬では弱〜中程度のランクのステロイドが使用されていますが、それでも正しい使い方が重要です。
🔸 非ステロイド性抗炎症成分
ステロイドを使いたくない方向けの炎症抑制成分として、ウフェナマートやグリチルレチン酸などがあります。これらはステロイドほど強力ではありませんが、軽度の炎症やかゆみを抑える効果があり、子どもや妊婦でも比較的安心して使えるものがあります。
💧 局所麻酔成分
リドカインやジブカイン塩酸塩などの局所麻酔成分は、皮膚の感覚神経を一時的に麻痺させることで、かゆみや痛みを素早く和らげる効果があります。即効性が高いため、強いかゆみに素早く対処したいときに役立ちます。
✨ 清涼成分
メントールやカンフルといった成分は、皮膚に塗ると冷たい感覚を与えることでかゆみを一時的に紛らわせる効果があります。実際にかゆみを止める薬理作用は弱いものの、すっきりとした使い心地が好まれており、多くの市販薬に補助成分として配合されています。
📌 殺菌・抗菌成分
イソプロピルメチルフェノールやクロルヘキシジンなどは、刺された部位の二次感染(かき壊しによる細菌感染など)を防ぐために配合されることがあります。かき傷ができやすい方には、これらの成分が含まれる薬を選ぶとよい場合があります。
Q. 虫刺され薬に含まれる主な成分と働きは?
虫刺され薬の成分は主に4種類あります。抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)はかゆみを抑え、ステロイド成分は炎症・腫れを強力に鎮めます。局所麻酔成分(リドカインなど)は即効性があり、メントール等の清涼成分は一時的な清涼感でかゆみを和らげます。
📋 市販薬の種類と特徴:剤形(ローション・クリーム・ゲルなど)の違い
虫刺されの市販薬には、含まれる成分だけでなく、剤形(製品の形状)にも種類があります。それぞれに使い心地や適した状況が異なるため、自分のライフスタイルや刺された部位に合わせて選ぶことが大切です。
▶️ ローションタイプ
水分を多く含む液状の薬で、さらっとした使い心地が特徴です。広い範囲に塗り広げやすく、体毛が多い部分にも使いやすいというメリットがあります。乾きが早いため、日常使いや外出先での使用にも向いています。一方で保湿効果は低めなので、皮膚が乾燥しやすい方には注意が必要です。
🔹 クリームタイプ
水と油の両方を含むエマルジョン状の製剤で、しっとりとした使い心地があります。保湿成分が配合されているものも多く、乾燥しやすい肌や、かき壊してできた小さな傷にも馴染みやすいという特徴があります。ただし、ローションに比べてべたつきが気になる場合があります。
📍 ゲルタイプ
水溶性の透明なジェル状の薬で、塗布後にさらっと乾くためべたつきが少なく、さわやかな使い心地が人気です。広い範囲に伸びやすく、夏場など汗をかきやすい季節にも使いやすいのが特徴です。
💫 軟膏タイプ
油分を主体とした製剤で、皮膚への密着性が高く、保護効果や保湿効果に優れています。かき壊した傷がある場合や、皮膚が荒れている場合に適しています。ただし、べたつきが強く、夏場や毛が多い部分には使いにくいと感じる方もいます。
🦠 ロールオンタイプ・スティックタイプ
手を汚さずに直接患部に塗れる製品で、外出先での使用や、子どもへの塗布に便利です。持ち運びがしやすいコンパクトなサイズのものも多く、アウトドアや旅行時にも重宝します。
💊 虫の種類別に見る症状と薬の選び方
虫刺されといっても、刺す虫の種類によって引き起こされる症状はかなり異なります。症状に合わせた薬を選ぶことが、効果的なケアにつながります。
👴 蚊に刺された場合
日本で最もよく見られる虫刺されです。蚊が吸血するときに注入する唾液成分(タンパク質)に対してアレルギー反応が起こることで、かゆみや赤みが生じます。症状は比較的軽度のことが多く、数時間から数日で自然に治まることがほとんどです。抗ヒスタミン成分を主体とした薬で対応できるケースが多いです。
ただし、幼い子どもや蚊にあまり刺されたことがない人(免疫のない人)の場合、刺された部位が大きく腫れたり水ぶくれができたりする「蚊アレルギー(EBウイルス関連疾患)」のリスクもあるため、通常より強い反応が出た場合は病院を受診することを検討してください。
🔸 ブヨ(ブユ)に刺された場合
ブヨは山間部や川辺などに生息する小さな虫で、蚊と異なり皮膚を噛み切って吸血します。刺されたときに痛みを感じないことが多いですが、時間が経つにつれて強いかゆみ・腫れ・内出血のような赤み・熱感が現れます。蚊と比べて症状が強く出る傾向があり、数日〜1週間以上症状が続くこともあります。ステロイド成分を含む強めの市販薬が必要な場合があり、腫れがひどい場合は病院での処置が推奨されます。
💧 ダニに刺された場合
ダニによる刺され(イエダニ、ツツガムシなど)は、強いかゆみと赤みが特徴です。イエダニはペットや野生動物に寄生するダニで、人も刺すことがあり、腹部や腋の下など皮膚の柔らかい部分を好んで刺します。ツツガムシは野外に生息し、刺された部位に「刺し口(壊死した黒い点)」ができ、発熱などの全身症状を伴う場合があります(ツツガムシ病)。ツツガムシ病が疑われる場合は、市販薬での対応は難しく、早急な受診が必要です。一般的なダニ刺されには抗ヒスタミン成分やステロイド成分の入った薬が効果的です。
✨ アブに刺された場合
アブは皮膚を噛み切って吸血するため、刺された瞬間から強い痛みがあります。その後、かゆみや腫れ、赤みが現れます。蚊よりも腫れが強く出ることが多く、アナフィラキシーなどのアレルギー反応を起こすリスクもあります。患部を洗浄し、冷やしたうえでステロイド含有の薬を使用するのが基本ですが、腫れが広範囲に及ぶ場合や呼吸困難などが生じる場合は直ちに医療機関を受診してください。
📌 ハチに刺された場合
ハチに刺された場合は、激しい痛みと腫れが生じます。毒の強さや個人のアレルギー体質によっては、アナフィラキシーショックが起きることがあり、これは命に関わる緊急事態です。過去にハチに刺されたことがある人、刺された後に全身のじんましん・呼吸困難・意識の変化などが現れた場合は、直ちに救急車を呼ぶか救急病院を受診してください。局所の腫れ・痛みだけの軽度の場合は、刺し針が残っていれば除去し、患部を冷やすことが優先されます。市販の虫刺され薬は補助的な使用にとどめ、経過を慎重に観察することが重要です。
▶️ 毛虫・チャドクガに触れた場合
チャドクガなどの毛虫は、触れていなくても毒毛(毒針毛)が皮膚に刺さることで皮膚炎を引き起こします。強いかゆみと赤いぶつぶつが広範囲に広がるのが特徴です。まず毒毛をテープなどで取り除き(こすらない)、洗い流した後、ステロイド含有薬や抗ヒスタミン含有薬を使用します。広範囲の皮膚炎には病院での治療が効果的です。
Q. 虫刺され薬の剤形による違いと選び方は?
ローションタイプはさらっとして広範囲に塗りやすく日常使いに向き、ゲルタイプはべたつきが少なく夏場に適しています。クリーム・軟膏タイプは保湿・保護効果が高くかき壊した肌に適しています。ロールオンタイプは手を汚さず持ち運びにも便利で、刺された部位や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
🏥 症状の重さで選ぶ薬の基準
市販の虫刺され薬を選ぶ際、症状の重さによって使い分けることが大切です。
🔹 軽度の症状(少しかゆい・少し赤い程度)
蚊に刺されたときのような軽い症状であれば、抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)を主体とした薬で十分なことが多いです。非ステロイド性の炎症抑制成分や清涼成分を組み合わせた製品も有効です。ステロイドが含まれていない製品でも対応できる場合が多く、副作用のリスクを抑えながら治療できます。
📍 中等度の症状(腫れが目立つ・かゆみが強い)
腫れや赤みが目立ち、かゆみが我慢できないレベルの場合は、ステロイド成分(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)を含む市販薬が有効です。抗ヒスタミン成分との組み合わせにより、炎症とかゆみの両方に作用します。ただし、ステロイドは用法・用量を守り、必要以上に長く使用しないことが大切です。
💫 重度の症状(大きく腫れている・水ぶくれがある・発熱がある)
市販薬の使用で改善しない場合や、刺された部位に水ぶくれや化膿が見られる場合、発熱などの全身症状がある場合は、市販薬での対応は限界があります。医療機関を受診し、より強い処方薬(ステロイド外用薬・内服薬、抗アレルギー薬など)による治療を受けることを検討してください。
⚠️ 子ども・妊婦・高齢者が使うときの注意点
虫刺され薬の使用については、特に子ども、妊婦、高齢者では注意が必要です。
🦠 子どもへの使用
子どもの皮膚は大人に比べて薄く、薬の吸収率が高い傾向があります。そのため、ステロイド成分の含まれる薬は特に注意が必要です。製品の説明書に記載された年齢制限を必ず確認し、乳幼児への使用は医師・薬剤師に相談してから行いましょう。また、子どもはかゆみに我慢できず患部をかき壊してしまいやすいため、爪を短く切り清潔に保つことや、かき壊し防止のためのカバーなどを検討することも有効です。
なお、ステロイド成分が含まれていない製品の中にも、年齢制限が設けられているものがあるため、パッケージの確認は欠かせません。
👴 妊婦・授乳中の方への使用
妊娠中や授乳中は、使用できる薬に制限があります。外用薬(皮膚に塗る薬)は全身への吸収量が少ないため、内服薬に比べてリスクは低いと言われていますが、それでも念のため使用前に医師または薬剤師に相談することをお勧めします。特にステロイド成分を含む外用薬については、広範囲・長期間の使用は避けることが望ましいとされています。
🔸 高齢者への使用
高齢者は皮膚が薄くなっていることが多く、薬の成分が吸収されやすい場合があります。また、複数の持病を持ち他の薬を服用していることも多いため、薬の相互作用にも注意が必要です。使用前に薬剤師への確認をお勧めします。
Q. ブヨやハチに刺された場合の対処法は?
ブヨに刺されると強いかゆみや腫れが数日以上続くことがあり、ステロイド含有の市販薬が必要な場合があります。ハチ刺されは全身のじんましんや呼吸困難など、アナフィラキシーショックを引き起こす危険があるため、そうした症状が現れた場合は直ちに救急車を呼んでください。局所症状のみでも市販薬は補助的使用にとどめ、慎重に経過を観察してください。
🔍 市販薬を使っても効かないときはどうする?
市販の虫刺され薬を正しく使っているにもかかわらず、症状が改善しない、あるいはひどくなっている場合は、いくつかの原因が考えられます。

💧 薬の成分が症状に合っていない可能性
市販薬の多くは軽度〜中等度の症状を想定して設計されています。ブヨや毛虫など、より強い炎症反応を起こす虫による刺されには、市販薬では不十分なことがあります。症状が強い場合は、より高濃度のステロイド外用薬や経口の抗アレルギー薬・ステロイド薬が必要になることがあります。これらは処方薬として医療機関で入手できます。
✨ 使用方法が誤っている可能性
薬の効果を十分に得るためには、正しい使用方法を守ることが重要です。用法・用量を守らずに使用量が少なすぎたり、適切な頻度で使用していなかったりすると、十分な効果が得られません。また、塗る前に患部を洗浄して清潔にすることも大切です。
📌 二次感染を起こしている可能性
かき壊しによって皮膚に傷ができると、そこから細菌が感染し「とびひ(伝染性膿痂疹)」などの皮膚感染症を起こすことがあります。この場合、一般的な虫刺され薬では対応できず、抗菌薬(抗生物質)の軟膏や内服薬が必要になります。黄色い汁が出る、かさぶたが広がる、患部周囲の赤みが広がるといった場合は皮膚感染症の可能性があるため、皮膚科を受診してください。
▶️ アレルギー反応が強い可能性
体質によっては虫刺されへの過剰なアレルギー反応(遅延型アレルギー)が起こり、長期間にわたってかゆみや皮膚の変化が続くことがあります。この場合は専門医による診断と治療が必要です。
📝 虫刺されをかき壊してしまったときの対処法
かゆさのあまり虫刺されをかき壊してしまった経験は多くの方にあると思います。かき壊しは二次感染のリスクを高めるため、適切なケアが必要です。
🔹 まず傷口を洗浄する
かき壊した部分は、流水で丁寧に洗い流すことが基本です。細菌の侵入を防ぐためにも、清潔に保つことが最優先です。石けんを使って優しく洗い、十分にすすいでください。
📍 適切な薬を使用する
傷がある場合は、ステロイド含有薬を傷口に直接塗ることは避けた方が望ましいとされています。傷の周囲の炎症部位には使用できますが、開いた傷口への直接塗布は控えましょう。傷口には抗菌成分を含む軟膏(市販の抗菌外用薬など)を使用することが適切です。
💫 保護する
傷口が目立つ場合や再度かいてしまいそうな場合は、ガーゼや絆創膏で保護することも有効です。特に子どもの場合は、無意識にかいてしまうことを防ぐために保護が重要です。
🦠 感染の兆候に注意する
傷口の周囲が赤く腫れてくる、膿が出る、痛みが増す、発熱するといった場合は細菌感染(二次感染)が起きている可能性があります。このような症状が出た場合は、自己判断で市販薬を続けるのではなく、医療機関を受診することをお勧めします。
Q. 虫刺されをかき壊したときの適切なケアは?
かき壊した傷口はまず流水と石けんで丁寧に洗浄し、清潔に保つことが最優先です。開いた傷口にステロイド含有薬を直接塗ることは避け、抗菌成分入りの軟膏を使用しましょう。傷口周囲の赤みが広がる・膿が出る・発熱するなど感染の兆候が見られた場合は、市販薬での対応を続けず、速やかに皮膚科を受診してください。
💡 病院で処方される虫刺され治療薬について
市販薬で対応できない場合や、重症の虫刺されには、医療機関での治療が必要です。病院では市販薬よりも効果の高い処方薬を使用することができます。

👴 処方ステロイド外用薬
医療機関では市販薬よりも濃度の高いステロイド外用薬が処方されます。ステロイド外用薬はその強さによってクラス1(最強)からクラス5(弱い)まで5段階に分類されており、症状の重さや部位、年齢に応じて適切なクラスが選択されます。市販薬はクラス4〜5相当のものが多く、クラス1〜3の強いステロイドは処方薬でのみ使用できます。強い炎症や腫れがある場合には、高いクラスのステロイドが必要なことがあります。
🔸 経口抗ヒスタミン薬(抗アレルギー薬)
外用薬だけでかゆみが治まらない場合や、複数箇所を刺されたり広範囲の皮膚炎がある場合には、飲み薬の抗ヒスタミン薬(セチリジン、フェキソフェナジン、レボセチリジンなど)が処方されることがあります。これらは全身のヒスタミン反応を抑えるため、局所の外用薬だけより効果的にかゆみを抑えられます。
💧 経口ステロイド薬
アレルギー反応が非常に強い場合や、広範囲の皮膚炎(毛虫皮膚炎など)がある場合には、飲み薬のステロイド(プレドニゾロンなど)が短期間処方されることがあります。強力な炎症抑制効果がありますが、副作用のリスクもあるため、医師の指示のもとで使用することが必須です。
✨ 抗菌薬
かき壊しなどによって細菌感染が起きている場合には、抗菌外用薬(フシジン酸、ムピロシンなど)や経口抗菌薬が処方されます。とびひや蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの皮膚感染症に対しては抗菌薬が必要不可欠です。
📌 アナフィラキシーへの対応
ハチ刺されなどによるアナフィラキシーショックには、アドレナリン(エピネフリン)の注射が第一選択の治療法となります。アドレナリン自己注射薬(エピペン)は、過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方に処方される場合があります。ハチに刺される機会が多い方や、過去にアレルギー反応が強かった方は、あらかじめ医師に相談しておくことが重要です。
✨ 虫刺されを予防するためにできること
虫刺されに悩まないためには、薬でのケアだけでなく予防対策も重要です。
▶️ 虫除け剤の使用
ディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)を含む虫除けスプレーや虫除けローションは、蚊・ブヨ・アブなどの虫刺されを効果的に予防できます。ディートは濃度によって効果の持続時間が異なり、高濃度のものほど長時間効果が持続しますが、子どもには使用濃度や使用回数に制限があるため、製品の表示をよく確認してください。イカリジンはディートに比べて刺激が少なく、子どもへの使用も比較的安全とされています。
🔹 服装の工夫
草むらや林の中など虫の多い場所に行く際は、長袖・長ズボン・帽子を着用することが基本です。白や明るい色の服よりも、蜂などを刺激しにくいとされる明るい色(ただし花に見える明るい花柄は避ける)が望ましいとも言われます。特にハチに対しては黒い色が刺激になりやすいとされているため注意してください。
📍 環境の整備
家の周囲では、蚊が繁殖しやすい水たまり(植木鉢の受け皿・バケツ・古タイヤなど)をなくすことが有効です。また、草むらの草刈りを定期的に行うことでダニや虫の生息環境を減らすことができます。網戸を使って窓からの虫の侵入を防ぐことも基本的な予防策です。
💫 蚊帳・電気蚊取りの活用
就寝中の蚊刺されを防ぐためには、蚊帳の使用や電気蚊取り(液体・マット式)が有効です。また、蚊取り線香も古くから使われている有効な予防手段です。屋外での就寝(キャンプなど)の際には蚊帳が特に有効です。
🦠 アウトドア活動での注意
ハイキングや登山などのアウトドア活動では、ブヨやアブの多い時間帯(早朝・夕方)を避けたり、川辺など虫の多い場所では特に虫除け対策を強化するなどの工夫が重要です。また、山の中では不用意にハチの巣に近づかないよう注意することも大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏季を中心に虫刺されによる皮膚トラブルでご来院される患者様が多く、「市販薬を使っていたが症状がなかなか改善しない」というご相談を多くいただきます。虫の種類や症状の重さによって必要な治療は大きく異なり、特にブヨやアブによる刺されでは市販薬では対応しきれないケースも少なくないため、腫れや強いかゆみが長引く場合はためらわずにご受診ください。お子様や妊婦の方など、使用できる薬に制限がある方への対応も丁寧に行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
蚊刺されの症状は比較的軽度なことが多いため、ジフェンヒドラミン塩酸塩などの抗ヒスタミン成分を主体とした市販薬で対応できるケースがほとんどです。ステロイド成分が含まれていない製品でも十分に効果が期待できます。症状が軽い場合は、まず抗ヒスタミン成分の薬を試してみましょう。
子どもの皮膚は大人より薄く薬の吸収率が高いため、特にステロイド成分を含む薬には注意が必要です。製品パッケージに記載された年齢制限を必ず確認し、乳幼児への使用は事前に医師または薬剤師に相談してから行いましょう。ステロイド不使用の製品にも年齢制限が設けられている場合があります。
市販薬で改善しない場合、薬の成分が症状に合っていない、二次感染(かき壊しによる細菌感染)が起きている、またはアレルギー反応が強い可能性があります。特にブヨやアブによる刺されは市販薬では対応しきれないこともあるため、症状が長引く場合はためらわず医療機関を受診することをお勧めします。
まず流水と石けんで傷口を丁寧に洗浄し清潔に保つことが最優先です。開いた傷口へのステロイド含有薬の直接塗布は避け、抗菌成分を含む軟膏を使用しましょう。傷口の周囲が赤く腫れる・膿が出る・発熱するといった感染の兆候が現れた場合は、速やかに皮膚科を受診してください。
ハチ刺されは、体質によってはアナフィラキシーショックを引き起こす危険があります。刺された後に全身のじんましん・呼吸困難・意識の変化などが現れた場合は直ちに救急車を呼んでください。局所の腫れや痛みのみの軽度な場合でも、市販薬はあくまで補助的な使用にとどめ、経過を慎重に観察することが重要です。
🎯 まとめ
虫刺されの薬を「最強」に効かせるためには、自分の症状や刺した虫の種類、体質に合った薬を選ぶことが最も重要です。市販薬に含まれる成分(抗ヒスタミン成分・ステロイド成分・局所麻酔成分など)の違いを理解し、症状の重さに応じて使い分けることが効果的なケアにつながります。
軽度の蚊刺されには抗ヒスタミン成分主体の薬が、腫れや強いかゆみにはステロイド含有の薬が効果的です。ブヨやアブ、ハチなどによる重症の場合や、市販薬で改善しない場合は医療機関を受診することをためらわないでください。特に子ども・妊婦・高齢者は使用前に薬剤師や医師への相談をお勧めします。
また、かき壊しによる二次感染には注意が必要です。傷口を清潔に保ち、感染の兆候(膿・広がる赤み・発熱など)が見られたら早めに皮膚科を受診してください。予防としては虫除け剤の活用や適切な服装、環境整備なども有効です。
市販薬の使用で改善しない症状や、重症の虫刺された皮膚トラブルでお困りの際は、ぜひアイシークリニック新宿院にご相談ください。症状に応じた適切な処方薬や治療法をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚炎の診断・治療ガイドライン、ステロイド外用薬のランク分類、アレルギー性皮膚反応への対応方針に関する情報
- 厚生労働省 – 市販薬(一般用医薬品)に含まれる抗ヒスタミン成分・ステロイド成分の承認基準、子ども・妊婦への使用上の注意に関する情報
- 国立感染症研究所 – ツツガムシ病・蚊媒介感染症など虫刺されに関連する感染症の疫学情報、アナフィラキシー対応を含む虫刺され関連疾患の臨床的知見
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
