新生児のあせもの原因・症状・対処法を医師が解説

生まれたばかりの赤ちゃんの肌に、小さな赤いぶつぶつが出てきて心配していませんか?新生児のあせもは、育児をしていると多くの親御さんが経験する、ありふれた皮膚トラブルのひとつです。しかし、初めて育児をする方にとっては「これはあせもなの?それとも別の病気?」「どうケアすればいいの?」と不安になることも多いでしょう。この記事では、新生児のあせもの原因や症状の見分け方、日常のケア方法、悪化したときのサイン、そして受診すべきタイミングまで、わかりやすく詳しく解説します。


目次

  1. 新生児のあせもとは?皮膚の仕組みから理解しよう
  2. 新生児があせもになりやすい理由
  3. あせもの種類と症状の見分け方
  4. 新生児のあせもが出やすい部位
  5. あせもと間違えやすい他の皮膚トラブル
  6. 日常でできるあせもの対処法とスキンケア
  7. 新生児のあせもを予防するための環境づくり
  8. あせもが悪化したときのサインと注意点
  9. 病院を受診すべきタイミングと受診先
  10. まとめ

この記事のポイント

新生児のあせもは皮膚の未熟さと体温調節機能の未発達が原因で、毎日の入浴・清潔保持・室温26〜28℃・湿度50〜60%の環境管理で多くは予防・改善できる。膿や発熱を伴う場合は速やかに医療機関を受診すべきである。

🎯 1. 新生児のあせもとは?皮膚の仕組みから理解しよう

あせも(医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれます)は、汗が皮膚の外に排出されにくくなることで起こる皮膚の炎症反応です。汗は汗腺という組織から分泌され、汗管を通って皮膚の表面に出てきます。この汗管が何らかの原因で詰まると、汗が正常に排出されずに皮膚内部に溜まり、周囲の組織を刺激することで炎症が起きます。これがあせもの基本的なメカニズムです。

新生児の皮膚は、構造的にも機能的にも大人とは大きく異なります。まず、皮膚の厚さが大人の約半分程度しかありません。皮膚のバリア機能を担う角質層も薄く、外部からの刺激を受けやすい状態にあります。さらに、皮膚表面を守る皮脂膜の形成も未熟で、汗腺の密度は大人よりも高い一方で、その機能は十分に発達しきっていません。このような皮膚の未熟さが、新生児をあせもになりやすくしています。

また、新生児は体温調節機能も発達途上です。大人であれば体温が上がったときに適度に発汗して体温を下げることができますが、新生児はこの体温調節がうまくできません。特に夏場や暖房の効いた部屋では体温が上昇しやすく、大量の汗をかいてしまいます。その汗が未熟な汗腺や汗管に負担をかけ、あせもを引き起こす原因となるのです。

Q. 新生児がとくにあせもになりやすい理由は?

新生児は皮膚の厚さが大人の約半分で、角質層のバリア機能が未熟なうえ、体の小ささに対して汗腺密度が高いため大量に発汗しやすい特徴があります。さらに体温調節機能が発達途上のため、室温や厚着の影響で体温が上昇しやすく、あせもが起きやすい状態にあります。

📋 2. 新生児があせもになりやすい理由

新生児が特にあせもになりやすいのには、いくつかの具体的な理由があります。これらを理解することで、日頃のケアや予防に役立てることができます。

まず、皮膚の表面積に対する汗腺の数が多いことが挙げられます。新生児の汗腺の数は大人と同程度ですが、体の大きさが小さい分、単位面積あたりの汗腺密度が高くなります。そのため、同じ環境下でも大人より多くの汗をかく傾向があります。

次に、皮膚の折れ曲がった部分が多いことも原因のひとつです。新生児はぽっちゃりとした体型のため、首まわり、わきの下、肘の裏側、足の付け根などに深いシワができやすく、こうした部位は通気性が悪くなり、汗がこもりやすい環境になっています。

また、長時間同じ姿勢でいることも影響しています。新生児は自分で寝返りをうったり体位を変えたりすることができないため、背中や後頭部など、寝具と接触している部分に汗がこもりやすくなります。

さらに、着衣や掛け物によって体温が上がりやすいことも関係しています。赤ちゃんを心配するあまり、必要以上に厚着をさせたり、布団をたくさん掛けたりしてしまうことで、体温が上昇して大量に汗をかくことがあります。新生児は自分で不快感を言葉で伝えられないため、気づかないうちに蒸れた状態が続いてしまうことも少なくありません。

母乳やミルクの飲み過ぎによる体温上昇も、あせもの一因になることがあります。哺乳の際に赤ちゃんの体温は一時的に上昇し、特に授乳中はお母さんの体と密着しているため、さらに体温が上がりやすい状況となります。

💊 3. あせもの種類と症状の見分け方

あせもにはいくつかの種類があり、それぞれ症状や重症度が異なります。新生児に見られるあせもの種類について詳しく解説します。

水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、汗管の最も浅い部分(角質層内)が詰まって発症するタイプです。透明または白っぽい小さな水ぶくれのような外観が特徴で、直径1〜2ミリ程度の小さなブツブツが複数できます。かゆみや炎症はほとんどなく、見た目は少し心配になりますが、最も軽症のあせもです。皮膚をこすると簡単に破れますが、通常は数日で自然に消えていきます。新生児に最もよく見られるタイプのひとつです。

紅色汗疹(こうしょくかんしん)は、一般的に「あせも」と言えばこのタイプを指すことが多いです。汗管が少し深い層(表皮内)で詰まって発症します。赤みを帯びた小さなブツブツが多数現れ、かゆみや刺すような痛みを伴うことがあります。赤ちゃんが不機嫌になったり、患部をかこうとしたりすることもあります。適切なケアをしないと悪化しやすいタイプです。

深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、汗管の詰まりが真皮層まで及ぶ、より深い部分で起こるタイプです。赤みはあまりなく、皮膚と同じ色または少し白っぽい小さなブツブツができます。かゆみは少ない場合が多いですが、体温調節機能に影響を与えることがあります。新生児ではあまり多くないタイプですが、重症化した場合に見られることがあります。

膿疱性汗疹(のうほうせいかんしん)は、あせもに細菌感染が加わった状態です。黄白色の膿が入った小さなブツブツが現れます。新生児の皮膚はバリア機能が弱いため、あせもをかいてしまうことで細菌が侵入しやすくなります。このタイプは自然に治ることが難しく、医療機関での治療が必要になる場合があります。

Q. 新生児のあせもにはどんな種類がありますか?

新生児のあせもは主に3種類あります。透明・白っぽい水ぶくれ状の「水晶様汗疹」は最も軽症で数日で自然消退します。赤みとかゆみを伴う「紅色汗疹」はいわゆる一般的なあせもです。細菌感染が加わり黄白色の膿が出る「膿疱性汗疹」は医療機関での治療が必要になります。

🏥 4. 新生児のあせもが出やすい部位

新生児のあせもは、汗がこもりやすい特定の部位に出やすい傾向があります。日頃から重点的にケアしたい部位を把握しておきましょう。

首まわりは、新生児のあせもが最も出やすい部位のひとつです。新生児の首は短く、皮膚が重なり合っているため通気性が悪くなりがちです。また、ミルクや汗が流れ込みやすく、常に湿った状態になりやすいことも原因です。ガーゼを首に当てておくだけでも予防効果があります。

頭皮や額も要注意の部位です。赤ちゃんは頭が体に対して大きく、また頭を動かす能力も限られているため、後頭部や額に汗がたまりやすくなっています。帽子をかぶせているときや、授乳で母親の体に密着しているときにも汗をかきやすい部位です。

背中もあせもが出やすい部位です。新生児は一日の大半を仰向けまたは抱っこされた状態で過ごすため、背中が寝具や抱っこひもと密着した状態が続きます。この部位は親御さんから見えにくいため、気づかないうちに悪化してしまうことがあります。

わきの下やひじの内側も注意が必要です。新生児はぽっちゃりとした体型のため、こうした関節の内側や皮膚が折れ重なる部分に深いシワができます。汗や皮脂がたまりやすく、蒸れやすい環境になりがちです。

おむつの当たる部分(おしりや下腹部、内もも)もあせもが出やすい場所です。おむつの中は常に温かく湿度が高い状態になりがちで、あせもができやすい環境です。おむつかぶれとあせもが同時に起こることも珍しくありません。

⚠️ 5. あせもと間違えやすい他の皮膚トラブル

新生児に見られる皮膚のトラブルはあせもだけではありません。似たような症状を持つ他の皮膚疾患と区別するために、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

新生児ざそう(にきび)は、生後2〜4週間頃に現れることが多い、顔の頬や額、あごなどに赤いぶつぶつができる状態です。母親のホルモンが新生児に受け渡されることで皮脂分泌が活発になり、毛穴が詰まって起こります。あせもと異なり、主に顔面に出ることが特徴で、体幹には少ない傾向があります。通常、数週間で自然に消えていきます。

乳児湿疹(にゅうじしっしん)は、生後1〜2ヶ月頃に多く見られる皮膚トラブルで、皮脂の過剰分泌によるものと、皮脂が少なくなることによる乾燥性のものがあります。赤い湿疹が顔や頭部、体幹に広がり、じくじくすることもあります。あせもと似た見た目のこともありますが、季節を問わず起こる点や、広い範囲に及ぶことが多い点で区別できます。

アトピー性皮膚炎は、遺伝的なアレルギー体質を持つ赤ちゃんに見られる慢性的な皮膚炎です。かゆみが強く、皮膚が乾燥してかさかさしていることが多いです。生後2〜3ヶ月以降から症状が出始めることが多く、適切な治療が必要です。あせもと違い、涼しくなっても症状が続く場合や、かゆみが強い場合はアトピー性皮膚炎を疑う必要があります。

おむつかぶれ(おむつ皮膚炎)は、おむつで覆われた部分に起こる皮膚炎で、赤みや皮むけが見られます。尿や便の刺激、おむつとの摩擦などが原因です。あせもとおむつかぶれは同時に発生することもあり、おむつの当たる部分に広い赤みがある場合はおむつかぶれを疑います。

とびひ(伝染性膿痂疹)は、ブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌感染による皮膚疾患です。水ぶくれやびらん(皮膚がただれた状態)が特徴で、接触によって広がります。あせもをかき壊すことでとびひに発展することがあるため、注意が必要です。

Q. 新生児のあせも予防に適した室温・湿度は?

新生児のあせも予防には、室温を夏場26〜28℃・冬場22〜24℃に保ち、湿度は50〜60%程度に管理することが推奨されます。湿度が高すぎると汗が蒸発しにくくなりあせもが悪化しやすくなるため、梅雨や夏場はエアコンのドライ機能や除湿機を活用して適切な環境を維持することが大切です。

🔍 6. 日常でできるあせもの対処法とスキンケア

新生児のあせもが出た場合、日常のケアで改善できることも多くあります。ここでは、具体的な対処法とスキンケアの方法を詳しく紹介します。

まず最も大切なのは、清潔に保つことです。汗をかいたら、できるだけ早く拭き取ることが重要です。ぬるま湯で濡らした柔らかいガーゼやタオルで優しく拭き取りましょう。この際、こすらないように注意することが大切です。新生児の皮膚は非常にデリケートなため、少しの摩擦でも傷ついてしまうことがあります。

入浴は毎日行うことが推奨されます。38〜40℃程度のぬるめのお湯で、低刺激の新生児用ボディソープや石鹸を使い、手で優しく洗います。洗った後はしっかりすすぎ、特に首のシワの間や脇の下など、石鹸が残りやすい部分は念入りにすすいでください。入浴後は柔らかいタオルで水分を優しく吸い取り、その後は保湿剤を塗布して皮膚の乾燥を防ぎます。

保湿ケアはあせもの回復にも予防にも重要です。ただし、過剰な保湿は逆効果になることもあります。新生児用の低刺激の保湿剤(ヘパリン類似物質含有クリームや、無添加の乳液など)を入浴後に薄く均一に塗布しましょう。香料や防腐剤などが含まれている製品は避けたほうが無難です。

あせもが出ている部位への直接的な処置として、清潔を保った上で、涼しく乾燥した環境に置くことが最も効果的です。市販のあせもパウダー(ベビーパウダー)については、近年は使用を推奨しない意見も増えています。粒子が細かいため吸い込む危険性があること、かえって毛穴を詰まらせる可能性があることから、特に新生児への使用は医師に相談してから行うようにしましょう。

かゆみがある場合は、ひっかきによる悪化を防ぐため、赤ちゃんの爪を短く切っておくことも大切です。また、ミトン(赤ちゃん用の手袋)を使用することも有効ですが、長時間の使用は手への刺激や感触の発達を妨げる可能性もあるため、就寝中など必要なときに限って使用するのが望ましいでしょう。

衣類の選び方も重要です。肌に直接触れる衣類は、綿100%の通気性の良いものを選びましょう。化学繊維やウールなどは肌への刺激が強いため避けてください。衣類の縫い目や装飾が肌に当たらないように注意し、締め付けの少しいゆったりとしたものを選ぶことも大切です。洗濯は無香料・無添加の赤ちゃん用洗剤を使用し、柔軟剤は肌への刺激になることがあるため使用を避けるか、低刺激のものを選びましょう。

📝 7. 新生児のあせもを予防するための環境づくり

あせもは適切な環境づくりによってかなり予防することができます。温度・湿度の管理が特に重要です。

室温は夏場で26〜28℃、冬場は22〜24℃程度が目安とされています。ただし、新生児は体温調節が未熟なため、室温だけでなく着衣による体温調節も組み合わせて行うことが大切です。エアコンや扇風機を使用する場合は、直接風が赤ちゃんに当たらないようにし、乾燥しすぎないように注意してください。

湿度は50〜60%程度が適切です。湿度が高すぎると汗が蒸発しにくくなり、あせもが悪化しやすくなります。梅雨や夏場は除湿機やエアコンのドライ機能を活用して適切な湿度を保ちましょう。逆に冬場の乾燥しすぎる環境は皮膚のバリア機能を低下させるため、加湿器の使用も検討してください。

赤ちゃんの服装については、「大人より1枚少なく」が基本的な考え方です。大人が快適に感じる服装を基準にして、赤ちゃんには1枚少ない着衣が目安になります。赤ちゃんの体温は大人より高めで、また代謝も活発なため、厚着になりすぎないよう注意が必要です。首の後ろや背中に手を当てて、汗でしっとりしていないか確認する習慣をつけましょう。

寝具の選び方も大切です。シーツや枕カバーは吸湿性の高い綿素材を使用し、通気性の良いものを選びましょう。ポリエステルや化学繊維は汗を吸いにくく、あせもの原因になりやすいため避けてください。夏場はメッシュ素材のシーツを使うことも有効です。布団の掛け過ぎにも注意し、夏場は薄手のバスタオル1枚程度で十分なことがほとんどです。

抱っこや授乳のときにも工夫が必要です。抱っこをしているときは、大人の体温が赤ちゃんに伝わり体温が上昇しやすくなります。抱っこひもを使用する場合は通気性の良いものを選び、長時間の抱っこの後は赤ちゃんの背中や首まわりを確認して汗が残っていれば優しく拭き取りましょう。授乳中も同様で、授乳後には首や顔まわりを確認することが大切です。

外出時の注意点も覚えておきましょう。夏の暑い時間帯への外出はできるだけ避け、外出する場合は直射日光を避けて日陰を選んで移動することが大切です。ベビーカーの中も高温になりやすいため、日よけカバーの内側に扇風機を当てて通気を確保する、通気性の良いシートカバーを使用するなどの工夫が有効です。

Q. 新生児のあせもで緊急受診が必要なのはどんなとき?

新生児に38℃以上の発熱がある場合は、重篤な感染症のサインである可能性があるため皮膚症状の有無にかかわらず緊急受診が必要です。また、膿や黄色みがかった分泌物が出る場合、症状が急激に広がる場合、激しく泣き止まない場合、哺乳力が著しく低下している場合も速やかに医療機関を受診してください。

💡 8. あせもが悪化したときのサインと注意点

軽いあせもであれば日常のケアで改善することが多いですが、悪化することもあります。以下のようなサインが見られたら注意が必要です。

膿や黄色みがかった分泌物が出てきた場合は、細菌感染(とびひや蜂窩織炎など)が疑われます。あせもで皮膚が傷ついたところに細菌が侵入し、感染症を起こすことがあります。この状態は自然には治りにくく、抗生物質による治療が必要なため、できるだけ早く医療機関を受診してください。

患部が急速に広がっている場合も要注意です。ひとつの部位にとどまっていたあせもが急激に広い範囲に広がっている場合は、感染症の広がりや、アレルギー反応の可能性も考えられます。

赤ちゃんが強い不快感を示している場合、具体的には激しく泣き続ける、なかなか眠れない、食欲がなくなるといった症状が皮膚トラブルと同時に現れている場合は、単純なあせも以外の可能性も考慮する必要があります。

発熱を伴う場合は特に注意が必要です。あせも自体は通常、発熱を引き起こしません。皮膚トラブルに発熱が加わっている場合は、細菌感染の可能性があります。新生児の発熱(38℃以上)は重篤な感染症のサインである可能性があるため、皮膚の症状の有無にかかわらず緊急で医療機関を受診する必要があります。

1〜2週間のケアで改善が見られない場合も受診の目安です。適切なスキンケアを行っても症状が改善しない、あるいは繰り返す場合は、アトピー性皮膚炎や他の皮膚疾患の可能性があるため、皮膚科や小児科を受診して診断を受けましょう。

顔面、特に目や口の周囲に症状が広がっている場合も要注意です。顔面への急激な広がりは、アレルギー反応や別の皮膚疾患の可能性があります。

✨ 9. 病院を受診すべきタイミングと受診先

新生児の皮膚トラブルは、受診すべきかどうか迷うことも多いと思います。ここでは受診の目安と受診先について解説します。

まず、緊急で受診が必要な場合として、38℃以上の発熱を伴う場合があります。先述のように、新生児の発熱は重篤な病気のサインである可能性があるため、皮膚の症状があってもなくても緊急で小児科を受診してください。深夜や休日の場合は救急外来を利用することを迷わないでください。

また、皮膚症状が急激に悪化している場合、膿が出ている場合、赤ちゃんが激しく泣き止まない場合や著しく機嫌が悪い場合、哺乳力が著しく低下している場合なども、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。

比較的余裕を持って受診できる場合としては、適切なケアを1〜2週間続けても改善しない場合、症状が繰り返し起こる場合、あせもか他の皮膚疾患かの判断がつかない場合などが挙げられます。このような場合は、かかりつけの小児科や皮膚科を受診しましょう。

受診先としては、小児科か皮膚科のどちらを選ぶかで迷う方も多いと思います。発熱など全身症状を伴う場合は小児科が適しています。皮膚の症状のみの場合は皮膚科でも対応できますが、皮膚科によっては新生児の診療に慣れていないことがあるため、新生児の診察経験が豊富な医療機関を選ぶことが大切です。かかりつけの小児科がある場合は、まずそちらに相談することをお勧めします。

受診の際には、いつから症状が出始めたか、症状の変化(広がり方、悪化の様子など)、日頃のスキンケアの内容、授乳の状況、使用している洗剤や保湿剤の種類、室温・湿度の管理状況などを整理しておくと、診察がスムーズに進みます。

医療機関では、あせもの診断が確定した場合、症状に応じてステロイド外用薬が処方されることがあります。新生児へのステロイド外用薬の使用に不安を感じる方も多いですが、適切な強さのものを適切な方法で使用すれば安全性は高く、炎症を速やかに鎮めるために有効です。医師の指示に従って使用することが大切です。また、感染が疑われる場合は抗生物質が処方されることもあります。

なお、アイシークリニック新宿院では、新生児・乳幼児の皮膚トラブルに関するご相談にも対応しております。「あせもかどうかわからない」「いつものケアで改善しない」といった場合は、お気軽にご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、新生児のあせもに関するご相談は特に夏場に多く寄せられており、初めて育児をされる親御さんが「これはあせもなのか、別の病気なのか」と不安を抱えてご来院されるケースが多い印象です。新生児の皮膚は非常にデリケートで、正しいスキンケアと環境管理で改善できることがほとんどですが、膿が出る・発熱を伴うといった悪化のサインがある場合は早めの受診をお勧めします。「様子を見ていいのか判断に迷う」というときも、どうぞ一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。」

📌 よくある質問

新生児のあせもはどんな症状が出ますか?

新生児のあせもには主に3つのタイプがあります。透明・白っぽい小さな水ぶくれ状の「水晶様汗疹」、赤みとかゆみを伴う「紅色汗疹」、細菌感染が加わり膿が出る「膿疱性汗疹」です。最も軽症の水晶様汗疹は数日で自然に消えることが多いですが、膿疱性汗疹は医療機関での治療が必要です。

新生児のあせもが出やすい場所はどこですか?

汗がこもりやすい部位に出やすく、特に首まわり・頭皮・背中・わきの下・ひじの内側・おむつの当たる部分(おしりや内もも)に注意が必要です。新生児はぽっちゃりした体型から皮膚のシワが深く、通気性が悪くなりやすいため、これらの部位を日頃から重点的にケアしましょう。

自宅でできるあせもの対処法を教えてください。

汗をかいたらぬるま湯で濡らした柔らかいガーゼで優しく拭き取り、毎日38〜40℃のぬるめのお湯で入浴させて清潔を保つことが基本です。室温26〜28℃・湿度50〜60%の環境を整え、綿100%の通気性の良い衣類を選ぶことも重要です。保湿ケアは新生児用の低刺激なものを使用しましょう。

あせもと乳児湿疹やアトピーはどう見分けますか?

あせもは汗がたまりやすい部位に集中しやすく、涼しい環境に置くと改善しやすい特徴があります。一方、乳児湿疹は顔や体幹に広く現れ、アトピー性皮膚炎は涼しくなっても症状が続き、強いかゆみを伴うことが多いです。自己判断が難しい場合は、小児科や皮膚科への受診をお勧めします。

どんな症状のときに病院を受診すべきですか?

38℃以上の発熱を伴う場合は緊急受診が必要です。その他、膿や黄色みがかった分泌物が出る、症状が急激に広がる、激しく泣き止まない、哺乳力が著しく低下するといった場合も速やかに受診してください。1〜2週間のケアで改善が見られない場合も、小児科やアイシークリニックへご相談ください。

🎯 まとめ

新生児のあせもは、皮膚の構造が未熟であることや体温調節機能が発達途上にあること、汗腺の密度が高いことなどから起こりやすい皮膚トラブルです。透明または白っぽい水晶様汗疹から、赤みとかゆみを伴う紅色汗疹、さらには細菌感染を伴う膿疱性汗疹まで、いくつかの種類があります。首まわりや頭部、背中、わきの下などに出やすく、日常のスキンケアと環境管理で多くの場合は予防・改善が可能です。

具体的なケアのポイントとしては、毎日の入浴で清潔を保つこと、汗をかいたらすぐに優しく拭き取ること、通気性の良い綿素材の衣類を選ぶこと、室温26〜28℃・湿度50〜60%程度の快適な環境を維持すること、そして適切な保湿ケアを行うことが挙げられます。

一方で、膿が出る、発熱を伴う、急激に広がるなど悪化のサインがある場合や、1〜2週間のケアで改善が見られない場合は、迷わず医療機関を受診することが大切です。特に新生児の発熱は緊急のサインになることがあるため、皮膚の症状にかかわらず速やかに受診してください。

初めての育児では、わずかな皮膚トラブルでも不安になることがあると思います。しかし、正しい知識を持って日常のケアを丁寧に行うことで、多くのあせもは改善できます。「これはあせも?それとも別の病気?」と判断に迷ったときは、一人で抱え込まずにかかりつけの医師や医療機関に相談することをお勧めします。赤ちゃんの健やかな成長のために、日々のスキンケアを大切にしていきましょう。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類・症状・診断基準および治療方針に関する皮膚科学的ガイドライン情報
  • 厚生労働省 – 新生児・乳幼児の皮膚ケアおよび母子保健に関する指針・育児環境の管理基準(室温・湿度管理を含む)
  • PubMed – 新生児の汗疹(Miliaria)に関する病態生理・皮膚バリア機能・スキンケアの国際的な臨床研究論文

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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