
少し体を動かしただけで大量の汗をかいてしまう、ちょっとした動作でも汗が止まらない——そんな悩みを抱えている方は少なくありません。「汗っかきな体質だから仕方ない」と諦めている方もいるかもしれませんが、実は汗の量や出方には個人差があり、場合によっては多汗症などの医学的な状態が関係していることもあります。この記事では、ちょっと動くと汗が出る原因から、日常生活でできる対策、そしてクリニックで受けられる治療法まで、幅広くわかりやすく解説します。汗の悩みを解決するための第一歩として、ぜひ参考にしてください。
目次
- 汗が出る仕組みと役割
- ちょっと動くと汗が出る主な原因
- 多汗症とは?症状と種類について
- 多汗症のセルフチェックリスト
- 日常生活でできる汗対策
- 食事・生活習慣による改善方法
- 市販品を使った汗対策
- クリニックで受けられる多汗症の治療法
- 汗の悩みを放置するリスク
- まとめ
この記事のポイント
ちょっとした動作で大量の汗が出る原因は、運動不足・肥満・自律神経の乱れ・多汗症・ホルモン変化など多岐にわたる。日常的な衣類や生活習慣の改善で対処できる場合もあるが、症状が6ヶ月以上続き日常生活に支障をきたす場合は多汗症の可能性があり、アイシークリニックではボツリヌストキシン注射やイオントフォレーシスなど症状に応じた専門治療が受けられる。
🎯 1. 汗が出る仕組みと役割
汗は、人間の体にとって非常に重要な生理機能の一つです。汗をかくことによって体温を調節し、熱中症や体の過熱を防ぐ働きをしています。また、老廃物の一部を排出するという役割も持っています。
汗は、皮膚の中にある「汗腺」から分泌されます。汗腺には大きく分けて「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。エクリン腺は全身に約200〜400万個分布しており、体温調節のために透明でサラッとした汗を出します。一方、アポクリン腺はわきの下や陰部など特定の部位にのみ存在し、脂質やタンパク質を含んだ汗を分泌します。体臭の原因となるのは主にアポクリン腺から出る汗です。
発汗の指令は、脳の視床下部という部位から自律神経を介して行われます。体温が上昇すると視床下部がそれを感知し、汗腺に信号を送ることで汗が分泌されます。この一連の仕組みは「温熱性発汗」と呼ばれています。また、緊張や不安などの精神的ストレスによって汗が出る「精神性発汗」もあります。精神性発汗は主に手のひら、足の裏、わきの下などに現れやすいという特徴があります。
つまり、汗そのものは体に必要な生理反応ですが、その量が過剰になったり、日常生活に支障が出るほどになったりする場合は、何らかの原因がある可能性が考えられます。
Q. 汗が出る仕組みと汗腺の種類を教えてください
汗は皮膚の「汗腺」から分泌されます。汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があり、エクリン腺は全身に約200〜400万個分布し体温調節を担います。アポクリン腺はわきの下などに存在し、体臭の原因となります。発汗の指令は脳の視床下部から自律神経を介して行われます。
📋 2. ちょっと動くと汗が出る主な原因
「少し動いただけで汗が大量に出る」という状況には、さまざまな原因が考えられます。以下に主な原因を解説します。
🦠 体力・運動習慣の不足
普段から運動をしていない方は、少し体を動かしただけで体温が上昇しやすくなります。体が熱を効率よく処理できないため、体温調節のために大量の汗をかきやすい状態になります。逆に、日常的にトレーニングをしているアスリートは発汗機能が鍛えられており、体温調節がスムーズに行われるとも言われています。
👴 肥満・体重過多
体重が重いと、同じ動作でも体にかかる負担が大きくなります。また、脂肪組織が断熱材のように体を覆うため、体内の熱が逃げにくくなり、体温が上昇しやすい傾向があります。その結果、少しの動きでも大量の汗をかきやすくなるのです。
🔸 自律神経の乱れ
ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣などによって自律神経が乱れると、発汗の調節がうまくいかなくなることがあります。自律神経が過剰に働くと、わずかな刺激でも汗腺が反応しやすくなります。特に、精神的な緊張や不安を感じやすい方は、精神性発汗が起きやすい傾向があります。
💧 多汗症
体温調節に必要な量を超えた汗をかく状態を「多汗症」と呼びます。多汗症は医学的に認められた病態であり、遺伝的要因や自律神経の過剰な活動などが関係していると考えられています。多汗症については、次のセクションで詳しく説明します。
✨ ホルモンバランスの変化
更年期障害や甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)のように、ホルモンバランスが乱れると発汗量が増加することがあります。更年期女性に多いホットフラッシュと呼ばれる症状は、突然の強い発汗とほてりが特徴です。また、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される甲状腺機能亢進症でも、全身の代謝が上がることで汗をかきやすくなります。
📌 薬の副作用
抗うつ薬、解熱鎮痛薬、糖尿病薬など、一部の薬剤は発汗を促す副作用を持つことがあります。現在服用している薬がある場合は、医師や薬剤師に相談してみると良いでしょう。
💊 3. 多汗症とは?症状と種類について
多汗症は、日常生活の中で体温調節に必要な量を超えて汗が出る状態を指します。汗が多いだけで「病気」と感じにくいかもしれませんが、日常生活の質(QOL)に大きく影響することから、医学的な治療の対象として扱われています。
▶️ 原発性多汗症(一次性多汗症)
特定の疾患や薬剤などの原因がなく、もともとの体質や自律神経の過剰な活動によって起こる多汗症を「原発性多汗症」と言います。以下の特徴があります。
原発性多汗症は、主に以下の部位に多く見られます。
- 手のひら(手掌多汗症)
- 足の裏(足底多汗症)
- わきの下(腋窩多汗症)
- 顔・頭部(顔面多汗症)
これらの部位に局所的に大量の汗が出るのが特徴で、多くの場合は左右対称に症状が現れます。睡眠中には症状が出にくく、緊張や気温の上昇などが引き金になりやすいという特徴もあります。原発性多汗症は遺伝的な傾向があり、家族に同様の症状を持つ方がいるケースも少なくありません。
🔹 続発性多汗症(二次性多汗症)
何らかの疾患や薬剤の副作用によって引き起こされる多汗症を「続発性多汗症」と呼びます。原因となる疾患としては、甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害、感染症、悪性腫瘍などが挙げられます。続発性多汗症は、全身に汗をかくケースが多く、夜間にも発汗が見られることがあります。この場合は、根本的な原因となっている疾患の治療が必要になります。
📍 多汗症の重症度分類
多汗症の重症度を評価する指標として「HDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)」が用いられます。これは患者さん自身の主観的な評価に基づいて、1〜4の段階で重症度を示すものです。
- グレード1:汗はほとんど気にならず、日常生活に支障はない
- グレード2:汗が気になることはあるが、日常生活にはほとんど支障はない
- グレード3:汗が気になり、日常生活に支障をきたすことが多い
- グレード4:汗が常に気になり、日常生活に支障をきたしている
グレード3以上になると治療の対象として検討されることが多く、保険適用の治療が受けられる場合もあります。
Q. 多汗症の重症度はどのように判定しますか
多汗症の重症度はHDSS(Hyperhidrosis Disease Severity Scale)という指標で1〜4段階に分類されます。グレード1〜2は日常生活への支障が少なく、グレード3は支障をきたすことが多い、グレード4は常に支障をきたす状態です。グレード3以上が治療対象となり、保険適用治療が受けられる場合があります。
🏥 4. 多汗症のセルフチェックリスト
「自分は多汗症かもしれない」と感じている方向けに、セルフチェックリストをご紹介します。以下の項目に複数当てはまる場合は、多汗症の可能性があります。
- 特別に暑くない環境でも、手のひらや足の裏、わきの下に大量の汗をかく
- 汗のせいで書類や電子機器を濡らしてしまうことがある
- 緊張していなくても、手や足に大量の汗をかく
- 汗のせいで靴や靴下が濡れてしまう
- 汗のせいで衣服に染みができることが多い
- 汗が原因で人前に出ることや、人と握手することに抵抗感がある
- 家族の中にも同様の症状を持つ人がいる
- 症状は6ヶ月以上続いている
- 25歳以下の頃から症状が始まった
- 睡眠中は症状が出ない(または軽減する)
上記の項目に多く当てはまる場合は、一度皮膚科や多汗症専門のクリニックを受診することをおすすめします。多汗症は適切な治療を受けることで改善できる状態です。自己判断で諦めずに、専門家に相談してみましょう。
⚠️ 5. 日常生活でできる汗対策
多汗症の診断を受けていない方でも、「ちょっと動くと汗が出る」という悩みには日常生活の工夫で改善できることがあります。以下の対策を参考にしてみてください。
💫 通気性のよい衣類を選ぶ
汗をかいても蒸れにくい素材の衣類を選ぶことが大切です。綿素材は吸水性が高くやさしい肌触りが特徴ですが、吸水後に乾きにくいという面もあります。速乾性や吸湿性に優れた機能性素材(ポリエステルなどの吸水速乾素材)は、汗をかいてもすぐに乾くため、不快感を軽減するのに役立ちます。また、色は汗染みが目立ちにくい黒や白を選ぶと安心です。
🦠 汗拭きシートや制汗スプレーを活用する
外出先でこまめに汗を拭き取ることで、汗による不快感やニオイを抑えることができます。汗拭きシートは携帯しやすく、さっと使える便利なアイテムです。また、汗をかきやすい部位に制汗スプレーや制汗ロールオンを使うことも有効です。ただし、過度な使用は皮膚への刺激になることもあるため、用法を守って使用してください。
👴 室温・環境を整える
部屋の温度や湿度が高いと発汗量が増えます。エアコンや扇風機を活用して室内環境を快適に保つことで、発汗を抑えることができます。特に夏場は適切な冷房使用と水分補給を心がけましょう。
🔸 ストレスの管理
精神的な緊張や不安が発汗を促すことがあります。深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラクゼーション法を取り入れることで、自律神経のバランスを整え、精神性発汗を軽減できる可能性があります。また、趣味の時間を持つ、睡眠をしっかりとるなど、ストレスをため込まない生活習慣も大切です。
💧 適度な運動を習慣化する
定期的な有酸素運動(ウォーキング、水泳、サイクリングなど)を習慣化することで、体の熱調節機能が鍛えられていきます。汗腺の働きが効率化されることで、少しの刺激で過剰に汗が出るという状況が改善されることが期待できます。ただし、急激な運動は逆効果になることもあるため、自分の体力に合わせた無理のない運動から始めましょう。
Q. 多汗症のクリニック治療にはどんな種類がありますか
多汗症の治療法には、塩化アルミニウム外用薬、微弱電流で汗腺を抑制するイオントフォレーシス、神経信号を遮断するボツリヌストキシン注射、抗コリン薬の内服などがあります。アイシークリニックでは症状の部位や重症度に応じた治療法を提案しており、腋窩多汗症へのボツリヌストキシン注射は保険適用となる場合があります。

🔍 6. 食事・生活習慣による改善方法
食事や生活習慣の見直しも、発汗の改善につながることがあります。以下のポイントを意識してみてください。
✨ 発汗を促す食品を控える
カフェインを多く含むコーヒーや緑茶、エナジードリンクなどは、交感神経を刺激して発汗を促す作用があります。また、香辛料(唐辛子、わさびなど)や熱い飲み物・食べ物も体温を上昇させて汗を増やすことがあります。これらの摂取量を意識的に減らすことで、発汗の軽減につながる場合があります。
📌 アルコールを控える
アルコールは血管を拡張させ、体温を上昇させる作用があります。そのため、飲酒後に汗が増えるという経験をしている方も多いでしょう。過度な飲酒を避け、適量を守ることが発汗対策に有効です。
▶️ 水分を適切に補給する
「汗が多いから水分を控える」という考え方は逆効果です。水分が不足すると体の熱調節がうまくいかなくなり、かえって体温が上がりやすくなります。こまめに水分補給を行い、体内の水分バランスを保つことが大切です。特に夏場の運動時には、スポーツドリンクなどで電解質も補給するように心がけましょう。
🔹 適正体重の維持
前述のように、肥満は発汗量を増加させる要因の一つです。バランスの取れた食事と適度な運動によって適正体重を維持することは、汗の量を減らすだけでなく、全身の健康にもつながります。急激なダイエットは体に負担をかけるため、無理のない範囲で取り組むことが重要です。
📍 質の高い睡眠を確保する
睡眠不足は自律神経の乱れを引き起こし、発汗異常の原因になることがあります。就寝・起床時間を一定に保ち、睡眠の質を高める工夫(寝室の温度・湿度管理、就寝前のスマートフォン使用を控えるなど)を実践することで、自律神経のバランスが整い、発汗の調節がスムーズになることが期待できます。
📝 7. 市販品を使った汗対策
ドラッグストアや薬局では、さまざまな汗対策商品が販売されています。上手に活用することで、日常的な汗の悩みを軽減できます。
💫 制汗剤・デオドラント製品
制汗剤は、汗腺の働きを一時的に抑える成分(アルミニウム塩など)を含んでいます。スプレータイプ、ロールオンタイプ、スティックタイプなどがあり、用途に合わせて選ぶことができます。医薬品として販売されているものは、化粧品として販売されているものより有効成分の濃度が高い場合があります。ただし、肌の敏感な方は刺激を感じることがあるため、パッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
🦠 汗取りパッド・インナー
わきの下に貼り付けるタイプの汗取りパッドや、汗を吸収しやすい素材の下着・インナーも効果的です。これらは汗そのものを抑えるのではなく、汗が衣類に染みるのを防ぐことを目的としています。衣服への汗染みが気になる方には特に有効です。
👴 漢方薬
多汗症に対して漢方薬が効果的なケースもあります。「防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)」は水分代謝を改善して多汗を抑えると言われており、汗っかきの体質改善に用いられることがあります。ただし、漢方薬はすべての人に効果があるわけではなく、体質に合ったものを選ぶことが大切です。薬剤師や漢方専門家に相談してみましょう。
Q. 多汗症を放置するとどのようなリスクがありますか
多汗症を放置すると主に3つのリスクがあります。①汗への過剰な意識から社交回避や不安・うつ状態につながる精神的影響、②皮膚が常に湿った状態による水虫や細菌感染などの皮膚トラブル、③急激な発汗増加が甲状腺疾患や糖尿病などの基礎疾患のサインである可能性があり、早期発見が遅れるリスクがあります。
💡 8. クリニックで受けられる多汗症の治療法
日常的な対策や市販品だけでは改善が見られない場合や、多汗症の診断を受けた場合には、クリニックでの専門的な治療を検討することが重要です。現在、多汗症に対してはさまざまな治療法が存在します。
🔸 外用薬(塩化アルミニウム液)
塩化アルミニウムを含む外用薬は、多汗症の治療において最も基本的な治療法の一つです。汗腺の開口部を一時的に塞ぐことで発汗を抑制します。主にわきの下や手のひら、足の裏に使用されます。軽度から中等度の多汗症に対して有効であることが多く、比較的手軽に始められる治療法です。ただし、皮膚への刺激が出ることがあるため、使い方や濃度については医師の指示に従う必要があります。
💧 イオントフォレーシス
イオントフォレーシスは、水の入った容器に手や足を浸し、微弱な電流を流すことで汗腺の機能を抑制する治療法です。手のひら・足の裏の多汗症に特に有効とされており、保険適用で受けることができます。定期的な通院が必要ですが、副作用が少なく安全性が高い治療法として知られています。
✨ ボツリヌストキシン注射(ボトックス注射)
ボツリヌストキシン(ボトックス)を汗腺周囲に注射することで、神経から汗腺への信号を遮断し、発汗を抑制する治療法です。わきの下の多汗症(腋窩多汗症)に対して保険適用が認められており、高い効果が期待できます。1回の治療で約4〜9ヶ月程度の効果が続くとされています。手のひらや足の裏への注射は自費診療となりますが、効果は同様に期待できます。
注射時の痛みが気になる方もいますが、細い針を使用したり、麻酔クリームを使用したりすることで痛みを最小限に抑える工夫がなされているクリニックが多くあります。アイシークリニック新宿院でも、患者さんの負担を軽減するための配慮を行いながら治療を提供しています。
📌 内服薬(抗コリン薬)
抗コリン薬は、発汗を促す神経の働きを抑制することで全身の発汗量を減らす薬です。広い範囲の多汗症に効果が期待できますが、口の渇き、便秘、視力調節障害など、副作用が出ることがあります。医師の判断のもと、適切な用量で使用することが大切です。
▶️ miraDry(マイラドライ)
マイクロ波を用いてわきの汗腺を永続的に破壊する治療法です。主に腋窩多汗症に対して使用され、1〜2回の治療で長期的な効果が得られるとされています。汗腺を破壊するため、効果が持続するという大きなメリットがある反面、施術後に一定期間の腫れや不快感が生じることがあります。自費診療となりますが、繰り返しの通院が不要なため、長期的に見てコストパフォーマンスが良いと考える方もいます。
🔹 手術療法(胸腔鏡下交感神経遮断術)
重症の手のひら多汗症に対して行われる手術で、交感神経の一部を遮断することで発汗を抑制します。効果は高いですが、代償性発汗(胸部や背部など他の部位で汗が増える)という副作用が起こる可能性があり、すべての患者さんに適用されるわけではありません。その他の治療法で改善が見られない重症例に限って検討される治療です。
✨ 9. 汗の悩みを放置するリスク
「汗が多いだけだから」と放置してしまっている方も少なくありませんが、多汗症を放置することにはいくつかのリスクがあります。
📍 精神的・社会的な影響
多汗症は、身体的な不快感だけでなく、精神的・社会的な面にも大きな影響を与えます。汗のせいで人前に出ることを避けたり、握手や接触を恐れたりすることで、仕事や人間関係に支障が出ることがあります。さらに、汗への過剰な意識が不安やストレスを生み出し、それがさらに発汗を促すという悪循環に陥ることもあります。社交不安障害やうつ状態につながるケースも報告されており、早期の対処が重要です。
💫 皮膚トラブルのリスク
常に皮膚が湿った状態にあると、細菌や真菌(カビ)が繁殖しやすくなります。その結果、あせも(汗疹)、水虫(白癬)、細菌感染症などの皮膚トラブルが起きやすくなります。また、汗が蒸発する際に皮膚の水分も奪われるため、乾燥肌になりやすい場合もあります。
🦠 体臭の悪化
多汗症の方は、汗の量が多い分、細菌による汗の分解が促進されやすくなります。その結果、体臭が強くなったり、衣類に汗染みやニオイが残りやすくなったりすることがあります。体臭の悩みは自己評価との乖離が大きく、実際には他者が気にしていない場合も多いですが、本人の精神的負担になることは確かです。
👴 基礎疾患の見逃し
続発性多汗症の場合、甲状腺疾患や糖尿病などの疾患が背後に隠れていることがあります。汗が多いという症状を「体質だから」と放置することで、こうした疾患の診断が遅れてしまう可能性があります。特に急に発汗量が増えた場合や、夜間の発汗が目立つ場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「汗が多いのは体質だから仕方ない」と長年悩みを抱えたまま来院される患者さんが多く、多汗症が医療的にアプローチできる状態であることをご存じでない方が少なくありません。症状の程度や部位に応じて、外用薬からボツリヌストキシン注射まで幅広い選択肢をご用意しておりますので、まずはお気軽にご相談いただき、一人ひとりに合った治療法を一緒に考えていきましょう。」
📌 よくある質問
必ずしも多汗症とは限りません。運動不足や肥満、自律神経の乱れ、ホルモンバランスの変化なども原因として考えられます。ただし、特別に暑くない環境でも特定の部位に大量の汗をかく、症状が6ヶ月以上続くなど複数の特徴に当てはまる場合は、多汗症の可能性があるため専門のクリニックへの相談をおすすめします。
症状の部位や重症度に応じて、塩化アルミニウムの外用薬、イオントフォレーシス、ボツリヌストキシン(ボトックス)注射、抗コリン薬の内服など複数の治療法があります。アイシークリニックでは、患者さんの状態に合わせた治療法を提案しています。腋窩多汗症へのボトックス注射は保険適用となる場合もあります。
治療法によって異なります。イオントフォレーシスや、わきの下(腋窩多汗症)へのボツリヌストキシン注射は保険適用が認められています。一方、手のひらや足の裏へのボトックス注射、miraDryなどは自費診療となります。保険適用の条件としてHDSSグレード3以上が目安となるため、まず専門医への相談をおすすめします。
通気性・速乾性の高い衣類を選ぶ、制汗スプレーや汗取りパッドを活用する、室温・湿度を適切に管理するといった工夫が効果的です。また、カフェインや香辛料・アルコールの摂取を控える、適度な有酸素運動を習慣化する、十分な睡眠でストレスを管理するなど、食事・生活習慣の見直しも発汗改善につながります。
大きく3つのリスクが考えられます。①人前での緊張や社交回避から不安・うつ状態につながる精神的・社会的影響、②皮膚が常に湿った状態になることで水虫や細菌感染などの皮膚トラブルが起きやすくなること、③急に発汗が増えた場合は甲状腺疾患や糖尿病などの基礎疾患が隠れている可能性があり、早期発見が遅れるリスクがあります。
🎯 まとめ
ちょっと動くと汗が出るという悩みは、体質や環境によるもの、自律神経の乱れ、そして多汗症など、さまざまな原因が考えられます。まずは日常生活の中でできる対策(衣類の工夫、ストレス管理、適度な運動、食事・睡眠の改善など)から取り組んでみることが大切です。市販の制汗剤や汗取り製品の活用も、日常的な汗の悩みを軽減するのに役立ちます。
しかし、セルフケアを続けても改善が見られない場合や、汗が原因で日常生活や仕事、人間関係に支障が出ている場合は、多汗症の可能性を念頭に置いて専門のクリニックへの相談を検討してください。多汗症は医学的に認められた状態であり、適切な治療によって大幅に改善できる可能性があります。外用薬やイオントフォレーシス、ボツリヌストキシン注射など、患者さんの状態に合わせた治療が選択できます。
アイシークリニック新宿院では、多汗症に関する悩みや症状について、専門的な視点から丁寧に対応しています。「汗のことで悩んでいるが、どこに相談すればよいかわからない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。汗の悩みを一人で抱え込まず、専門家のサポートのもとで改善を目指しましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 多汗症の診断基準・重症度分類(HDSS)・治療ガイドラインに関する情報(原発性多汗症の診療ガイドライン)
- 厚生労働省 – ボツリヌストキシン注射やイオントフォレーシスの保険適用条件・承認薬剤に関する情報
- PubMed – 原発性多汗症の病態・疫学・各種治療法(塩化アルミニウム・ボトックス・miraDry)の有効性に関する国際的な臨床研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
