
😰 「顎が腫れて押すと痛い…」そのまま放置していませんか?
「そのうち治るだろう」と様子を見ていたら、顔全体に腫れが広がって救急搬送——そんなケースも実際に起きています。
顎の腫れ・痛みの原因は虫歯・歯周病・リンパ節炎・顎関節症など10種類以上にのぼり、原因によって対処法がまったく異なります。間違った対処をすると悪化するケースも。
この記事を読めば、「自分の症状がどれに当てはまるか」「今すぐ病院に行くべきか」が3分でわかります。
こんな症状は今すぐ受診!
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- 38℃以上の高熱がある
- 腫れが急速に広がっている
- 口がほとんど開かない
- ✅ 顎の腫れ・痛みの原因を症状別に解説
- ✅ 緊急度の高い危険なサインの見分け方
- ✅ どの診療科を受診すればいいかがわかる
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目次
- 顎が腫れて押すと痛い:まず確認すべきポイント
- 顎の腫れ・痛みの主な原因(歯・口腔由来)
- 顎の腫れ・痛みの主な原因(リンパ節・唾液腺由来)
- 顎の腫れ・痛みの主な原因(顎関節・骨由来)
- 顎の腫れ・痛みの主な原因(皮膚・軟部組織由来)
- 年齢・性別によって異なる注意すべき原因
- 緊急性が高い症状のサイン
- 受診すべき診療科の選び方
- 自宅でできる応急処置と日常生活の注意点
- 顎の腫れを予防するために
- まとめ
💡 この記事のポイント
顎の腫れと押すと痛む症状の原因は、虫歯・歯周病・親知らず・リンパ節炎・顎関節症など多岐にわたる。呼吸困難・開口障害・高熱・急速な腫れの拡大は緊急受診が必要なサイン。症状に応じて歯科口腔外科・耳鼻咽喉科・内科を受診し、放置による重篤化を避けることが重要。
💡 1. 顎が腫れて押すと痛い:まず確認すべきポイント
顎の腫れと一口に言っても、その場所や性質によって考えられる疾患はかなり異なります。まず自分の症状を整理することで、原因を絞り込む手がかりになります。
腫れている場所を確認することが最初のステップです。顎の真下(顎下部)なのか、顎の付け根(顎関節周辺)なのか、歯茎に近い部分なのか、耳の下付近なのかによって、関与している組織が異なります。顎下部であれば顎下リンパ節や顎下腺、顎関節周辺であれば関節や咬筋、歯茎に近ければ歯や歯周組織が原因として考えられます。
次に、腫れの硬さや動き方を確認しましょう。柔らかく動く腫れはリンパ節や嚢胞が多く、硬くて動かない腫れは炎症が強い状態や、まれに腫瘍性病変の可能性もあります。また、指で押したときの痛みの程度も重要です。強く押さないと痛くないのか、軽く触れただけで激しく痛むのかによって、炎症の度合いが推測できます。
腫れの経過も確認してください。急に腫れてきた場合は感染症や炎症が疑われ、数週間から数ヶ月かけてゆっくり大きくなっている場合は嚢胞や腫瘍性病変の可能性があります。発熱、倦怠感、飲み込みにくさ、口が開けにくいなどの症状が同時に起きていれば、より緊急性が高い状態かもしれません。
これらのポイントを念頭に置きながら、次のセクションで具体的な原因を見ていきましょう。
Q. 顎が腫れて押すと痛い場合、どの診療科を受診すべきですか?
歯や歯茎に近い腫れ・口が開けにくい場合は歯科・口腔外科、喉や耳の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科、発熱や全身のだるさがある場合は内科、皮膚に赤みや膿点がある場合は皮膚科が受診の目安です。迷う場合はまず歯科・口腔外科への相談が推奨されます。
📌 2. 顎の腫れ・痛みの主な原因(歯・口腔由来)
✅ 虫歯による歯根周囲炎・根尖性歯周炎
顎の腫れや痛みの中でも非常に多い原因が、虫歯が進行して起こる歯根の炎症です。虫歯が神経(歯髄)まで到達すると、やがて歯根の先端(根尖)に細菌が到達し、根尖性歯周炎という状態になります。この炎症が進むと、根尖の周囲に膿がたまり、顎の骨や歯茎を超えて顎全体が腫れることがあります。
この状態では、腫れた部分を押すと鋭い痛みがあり、場合によっては発熱を伴うこともあります。感染が骨の中や周囲の軟組織に広がると、顎骨骨髄炎や顎周囲炎・蜂窩織炎(ほうかしきえん)といった重篤な状態に発展する恐れがあるため、早めの歯科受診が必要です。
📝 歯周病(歯周炎・歯周膿瘍)
歯周病が進行すると、歯と歯茎の間(歯周ポケット)に細菌が増殖し、歯茎や歯を支える骨(歯槽骨)が破壊されていきます。炎症が強くなると膿がたまり、歯周膿瘍(ししゅうのうよう)という状態になります。この場合、歯茎が大きく腫れて押すと強い痛みがあり、自然に膿が出てくることもあります。
歯周病による腫れは歯茎に近い部位が多いですが、奥歯では顎全体が腫れたように感じる場合もあります。腫れが繰り返す・膿が出やすいといった場合は歯科での精密検査が必要です。
🔸 親知らず(智歯周囲炎)
親知らず(第三大臼歯)は正常に生えてこないことが多く、横向きや斜め向きに埋まったまま部分的に歯茎から顔を出している状態になりがちです。この場合、歯と歯茎の間に食べかすや細菌がたまりやすく、智歯周囲炎(ちししゅういえん)という炎症が起きやすくなります。
智歯周囲炎を発症すると、顎の奥や顎全体が腫れて痛み、口が開けにくくなることがあります。ひどい場合は飲み込む際にも痛みがあり、発熱・リンパ節の腫れを伴うこともあります。疲労や免疫力低下によって繰り返し発症しやすいため、根本的な解決には親知らずの抜歯を検討する必要があることも多いです。
⚡ 顎骨嚢胞(がくこつのうほう)
顎の骨の中に嚢胞(液体を含んだ袋状の構造物)ができる疾患です。歯根嚢胞や含歯性嚢胞など、歯に関連したものが多くあります。嚢胞は徐々に大きくなるため、最初は痛みがなく気づきにくいですが、大きくなると顎が腫れてきたり、感染を起こすと痛みや発熱が生じることがあります。顎の骨を内部から圧迫するため、歯が揺れたり神経が圧迫されて感覚が鈍くなることもあります。
✨ 3. 顎の腫れ・痛みの主な原因(リンパ節・唾液腺由来)
🌟 顎下リンパ節炎
顎の下には顎下リンパ節と呼ばれるリンパ節が複数存在しています。口腔内や咽頭の感染症(虫歯、歯周病、扁桃炎、咽頭炎など)があると、リンパ節が反応して腫れることがあります。これが顎下リンパ節炎です。
顎下リンパ節炎では、顎の下を指で押すとしこりのような腫れがあり、押すと痛みを感じます。多くの場合、腫れは柔らかく動く感触があります。発熱や全身の倦怠感を伴うこともあり、風邪をひいたときや口内炎が多い時期に起きやすいです。数週間以上続く場合は別の原因を疑う必要があります。
💬 伝染性単核球症(EBウイルス感染症)
EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)への初感染によって起きる疾患で、特に若い世代に多く見られます。高熱、強い咽頭痛、全身のリンパ節腫脹が特徴で、顎下リンパ節が腫れて押すと痛いという症状が現れることがあります。扁桃に白い膜(偽膜)が張ることもあり、肝臓や脾臓が腫れる場合もあります。血液検査で確認できるため、疑わしい場合は内科や耳鼻咽喉科への受診が必要です。
✅ 顎下腺炎・唾液腺炎
顎の下には顎下腺(がっかせん)という唾液腺があります。この唾液腺が感染や唾石(だせき:唾液腺の管に石ができる病態)によって炎症を起こした場合、顎下部が腫れて押すと痛みが出ます。食事のときに唾液の分泌が増えると痛みが強くなる特徴があります。
唾石が原因の場合、超音波検査やCT検査で石を確認し、除去する治療が行われます。細菌感染が原因の場合は抗生物質による治療が中心となります。繰り返す腫れや慢性的な炎症がある場合は、専門的な検査が必要です。
📝 流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
ムンプスウイルスによる感染症で、耳の下から顎にかけての耳下腺が腫れるのが特徴です。両側が腫れることが多いですが、片側だけの場合もあります。顎を押すと強い痛みがあり、発熱を伴います。小児に多い感染症ですが、ワクチン未接種の成人でも感染することがあります。合併症として髄膜炎や難聴、精巣炎などがあるため注意が必要です。
Q. 顎の腫れで救急受診が必要な症状は何ですか?
呼吸困難・飲み込みが困難・口がほとんど開かない・腫れが急速に広がる・38度以上の高熱が続く・顎や下唇のしびれといった症状は緊急性が高いサインです。特に顎下部の感染(ルートヴィヒアンギナ)は気道閉塞の危険があるため、直ちに救急受診が必要です。
🔍 4. 顎の腫れ・痛みの主な原因(顎関節・骨由来)
🔸 顎関節症
顎関節症は、顎関節(耳の前方にある関節)やその周囲の筋肉に問題が生じる疾患です。口を開けるときにカクカクという音がする、口が十分に開かない、顎関節周囲が痛い、といった症状が特徴です。炎症が強い場合は顎の周囲が腫れたように感じることもあります。
原因としては、噛み合わせの悪さ、歯ぎしりや食いしばりの習慣、ストレス、姿勢の問題などが挙げられます。顎を押したときの痛みは、主に関節包(関節を包む組織)や咬筋(こうきん)などの筋肉に由来することが多いです。歯科口腔外科や顎関節専門外来での治療が有効で、マウスピースの使用や理学療法が行われます。
⚡ 顎骨骨髄炎(がくこつこつずいえん)
顎の骨の中(骨髄)に細菌が侵入して起こる感染症です。虫歯や歯周病から細菌が骨まで到達した場合、あるいは抜歯後の感染によって発症することがあります。顎全体が腫れて押すと激しく痛み、高熱、開口障害(口が開けにくい状態)、顎の感覚異常(しびれなど)が現れることもあります。
近年ではビスホスホネート製剤(骨粗しょう症治療薬)や抗体製剤の使用に関連した顎骨壊死が問題となっており、これらの薬を使用中の方が歯科治療を受ける際には注意が必要です。顎骨骨髄炎は治療が長期になることも多く、専門的な口腔外科での管理が必要な疾患です。
🌟 顎骨腫瘍
顎の骨や軟組織に腫瘍が発生した場合も、顎の腫れや痛みの原因となります。良性腫瘍では歯原性腫瘍(エナメル上皮腫など)が代表的で、顎の骨が徐々に膨らんでくることがあります。悪性腫瘍(口腔癌、顎肉腫など)は比較的まれですが、硬い腫れが長期間続く場合、痛みがほとんどなく腫れだけがある場合、あるいは急速に大きくなる場合には専門医による精密検査が不可欠です。
💪 5. 顎の腫れ・痛みの主な原因(皮膚・軟部組織由来)
💬 粉瘤(アテローム)
皮膚の下に袋状の構造ができ、角質や皮脂が内部にたまる良性の腫瘤です。顎の下や顔面にもできることがあります。通常は痛みが少なく、ゆっくり大きくなりますが、感染を起こすと急に赤く腫れて強い痛みが出ます。感染した粉瘤では切開排膿が必要になることがあります。
✅ 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
皮膚および皮下組織の細菌感染症です。顎や首に起きた場合、皮膚が赤く腫れて熱感があり、押すと強く痛みます。発熱を伴うことも多く、感染が急速に広がる可能性があります。特に「ルートヴィヒアンギナ」と呼ばれる顎下部や口腔底の蜂窩織炎は気道を圧迫する危険性があり、緊急性の高い疾患です。このような症状が疑われる場合は直ちに医療機関を受診してください。
📝 ニキビや毛嚢炎
顎周辺の皮膚にできるニキビや毛嚢炎(毛包の炎症)も、顎を押すと痛い原因となります。これらは皮膚表面に赤い盛り上がりや膿点として現れることが多く、病変が皮膚に限局しているため比較的診断しやすいです。ひどい炎症では皮膚科での治療が必要です。

🎯 6. 年齢・性別によって異なる注意すべき原因
🔸 小児・学童期
子どもの顎の腫れで多いのは、リンパ節炎と虫歯・歯周組織の炎症です。特に乳歯の虫歯が進行すると、顎の骨に影響を及ぼしやすく、また免疫が発達途上であるためリンパ節が腫れやすい傾向があります。おたふく風邪(流行性耳下腺炎)も小児に多い原因の一つです。子どもは自覚症状をうまく伝えられないことも多いため、食欲低下や不機嫌などのサインにも注意が必要です。
⚡ 青年期・成人期
10代から30代では、親知らずに関連した智歯周囲炎が顎の腫れの主要な原因の一つです。また、ストレスや生活習慣の乱れから歯ぎしり・食いしばりが起きやすく、顎関節症のリスクも高まります。女性ではホルモンバランスの変化によって顎関節症が起きやすい時期があることも知られています。
🌟 中高年期
加齢とともに歯周病が進行しやすく、顎の腫れや痛みの原因になりやすいです。また、悪性腫瘍のリスクが高まる年代でもあるため、長期間続く腫れや変化しない腫瘤は専門医への受診が推奨されます。骨粗しょう症治療薬(ビスホスホネート製剤)を使用中の方は、歯科治療前に必ず担当医や歯科医師に伝えることが重要です。
Q. 親知らずが原因で顎が腫れるのはなぜですか?
横向きや斜め向きに生えた親知らずは歯と歯茎の間に細菌がたまりやすく、智歯周囲炎という炎症を引き起こします。顎の奥が腫れて口が開けにくくなり、発熱やリンパ節の腫れを伴う場合もあります。疲労や免疫力低下で繰り返しやすく、根本的な解決に抜歯を検討するケースが多いです。
💡 7. 緊急性が高い症状のサイン
顎の腫れや痛みの多くは緊急性が低い疾患によるものですが、中には迅速な対応が必要な状態もあります。以下のような症状がある場合は、自己判断で様子を見ることなく、速やかに医療機関を受診してください。
まず、呼吸が苦しい、飲み込みが困難であるという症状は最も緊急性が高いサインです。顎下部や口腔底の感染(ルートヴィヒアンギナ)が疑われる場合、気道が閉塞する危険性があります。このような場合は救急受診が必要です。
口がほとんど開かない(開口障害)、腫れが急速に広がっている、38度以上の高熱が続く、といった場合も早急な受診が必要です。感染が骨や深部組織に広がっている可能性があります。
顎や下唇・顎先のしびれ・感覚異常は、顎骨内の神経が圧迫されているサインの可能性があり、腫瘍や骨髄炎など重大な疾患を示唆することがあります。痛みを伴わない硬い腫れが数週間以上続く場合も、悪性腫瘍の可能性を除外するための精密検査が必要です。
また、全身的なリンパ節の腫れ、体重減少、寝汗、長期間続く発熱を伴う場合は、リンパ腫などの血液疾患も鑑別が必要です。このような場合は内科または血液内科への受診を検討してください。
📌 8. 受診すべき診療科の選び方
顎の腫れや痛みに対してどの診療科を受診すればよいか迷う方は多いと思います。症状の特徴によって最初に受診すべき科が異なりますので、以下を参考にしてください。
💬 歯科・口腔外科
虫歯、歯周病、親知らず、顎骨嚢胞、顎関節症など、歯や口腔に関連した原因が疑われる場合は歯科または口腔外科が第一選択です。特に、腫れが歯や歯茎の近くにある場合、口を開けるときに痛みや音がある場合、抜歯後に腫れが続いている場合は迷わず歯科を受診してください。顎骨骨髄炎や顎骨嚢胞、顎の腫瘍など複雑な疾患は口腔外科(大学病院や総合病院)での治療が必要になることもあります。
✅ 耳鼻咽喉科
扁桃炎や咽頭炎に伴うリンパ節の腫れ、耳下腺炎(おたふく風邪など)、唾液腺疾患(耳下腺・顎下腺)が疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しています。喉の痛みや声のかすれ、耳の症状を伴う場合も耳鼻咽喉科で診てもらうのがよいでしょう。
📝 内科・感染症内科
発熱と全身のリンパ節腫脹を伴う場合、特に伝染性単核球症や全身感染症が疑われる場合は内科への受診が適切です。リンパ節の腫れが長期間続く、全身に腫れが広がっているという場合は血液内科や腫瘍内科への紹介が必要になることもあります。
🔸 皮膚科
顎周辺の皮膚に赤み、膿点、しこりなど皮膚病変が明らかな場合は皮膚科が適しています。粉瘤(アテローム)や毛嚢炎、皮膚の蜂窩織炎などが疑われる場合に受診してください。
⚡ 救急外来

呼吸困難、飲み込めない、口がほとんど開かない、顎の腫れが急速に拡大しているなど、緊急性が高いと判断される症状では、夜間・休日であっても救急外来を受診してください。
Q. 顎が腫れているとき冷やすべきですか、温めるべきですか?
急に腫れて熱感・赤みがある急性の炎症期は、タオルに包んだ保冷剤で患部を冷やすことが基本です。一方、顎関節症など慢性的な筋肉の痛みやこわばりには温熱が効果的な場合もあります。自己判断が難しい場合は、医療機関を受診する前に冷やす対応をとるのが無難です。
✨ 9. 自宅でできる応急処置と日常生活の注意点
🌟 冷やすべきか温めるべきか
顎が急に腫れて痛い場合、一般的には患部を冷やすことで炎症による痛みや腫れを和らげる効果が期待できます。氷を直接皮膚に当てるのは凍傷のリスクがあるため、タオルに包んだ保冷剤や冷却シートを使って間接的に冷やすようにしましょう。ただし、慢性的な顎関節の痛みや筋肉のこわばりには温めることが効果的な場合もあります。
原則として、急性の炎症(腫れ・熱感・発赤が強い時期)は冷却、慢性的な筋肉の疲労や関節の痛みは温熱が適していますが、自己判断が難しい場合は受診前に冷やす対応をとるのが無難です。
💬 市販薬の使用について
市販の鎮痛薬(イブプロフェン、アセトアミノフェンなど)は、顎の痛みを一時的に和らげるのに役立ちます。ただし、痛み止めで症状を抑えても原因が解決するわけではありません。腫れや痛みが2〜3日以上続く場合、または症状が悪化する場合は必ず医療機関を受診してください。抗生物質は処方薬であり、市販されていないため、感染症が疑われる場合は自己判断で市販の消毒薬や他の薬を使用しないようにしましょう。
✅ 食事と口腔ケア
顎の腫れや痛みがある間は、硬い食べ物や噛みごたえのある食品を避け、柔らかい食事をとるようにしましょう。熱いものや辛いものは炎症を悪化させる可能性があるため控えるのが賢明です。口腔内の清潔を保つことは感染の拡大防止につながりますが、痛みが強い部位を直接ブラシで強く磨くのは避け、うがいや優しい洗口で清潔を保つようにしましょう。
📝 過度な刺激を避ける
腫れている部位を手で何度も触ったり、強く押したりすることは、炎症を広げたり細菌感染を悪化させる可能性があるため避けてください。また、過度に顎を動かすことも炎症部位への刺激になるため、固いものを噛んだり、大きく口を開けるような動作は控えましょう。
🔸 睡眠と安静
免疫力の低下は感染症の症状を悪化させる要因となります。十分な睡眠をとり、体を休めることが回復の助けになります。また、アルコールの摂取は血流を増加させて炎症が悪化する可能性があるため、腫れや痛みがある間は控えることをおすすめします。
🔍 10. 顎の腫れを予防するために
⚡ 定期的な歯科受診とケア
顎の腫れの多くは虫歯や歯周病など、口腔内の問題から始まります。定期的に歯科を受診してクリーニングや検診を受けることで、虫歯や歯周病の早期発見・早期治療が可能になります。一般的には3〜6ヶ月ごとのメンテナンスが推奨されています。自宅でのセルフケアとして、適切なブラッシング(1日2〜3回、特に就寝前)とフロスや歯間ブラシの使用が基本です。
🌟 噛み合わせの改善と歯ぎしり対策
噛み合わせが悪い場合や歯ぎしり・食いしばりの習慣がある場合は、顎関節や周囲の筋肉に過度な負担がかかり、顎関節症のリスクが高まります。マウスピース(ナイトガード)の使用や噛み合わせの矯正によって、顎への負担を軽減することができます。心当たりのある方は歯科医師に相談してみましょう。
💬 ストレス管理と生活習慣の改善
精神的なストレスは歯ぎしりや食いしばりを誘発し、顎関節症の発症・悪化につながります。十分な睡眠、適度な運動、リラクゼーションなど、ストレス管理を意識した生活習慣を心がけることが顎の健康にも役立ちます。
✅ 免疫力の維持
リンパ節炎や口腔内の感染症は、疲労や免疫力の低下によって起きやすくなります。バランスのよい食事、適度な運動、規則正しい生活リズムを保つことが、感染症予防の基本です。インフルエンザやおたふく風邪などのワクチン接種も、関連する疾患の予防に有効です。
📝 親知らずの適切な管理
親知らずが横向きや斜め向きに生えている場合、将来的に智歯周囲炎を繰り返すリスクがあります。症状がないうちにレントゲン撮影で親知らずの状態を確認し、必要であれば予防的な抜歯を検討することも一つの選択肢です。歯科医師と相談しながら判断するとよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、顎の腫れや痛みを訴えてご来院される患者様の多くが、虫歯や親知らずに関連した炎症、あるいはリンパ節の腫れを原因としていることが多く、早期にご相談いただいた方ほど治療期間が短く、より負担の少ない処置で改善できるケースがほとんどです。最近の傾向として、「そのうち治るだろう」と数週間以上放置した結果、感染が深部に及んで治療が複雑になるケースも見受けられますので、顎の腫れや押すと痛む症状が続く場合は、どうぞ早めにご相談ください。症状の原因を丁寧に見極め、患者様お一人おひとりに合った適切な対処法をご提案してまいります。」
💪 よくある質問
症状によって受診先が異なります。歯や歯茎に近い腫れ・口が開けにくい場合は歯科・口腔外科、喉や耳の症状を伴う場合は耳鼻咽喉科、発熱や全身のだるさがある場合は内科が目安です。皮膚に赤みや膿点がある場合は皮膚科を受診してください。迷う場合はまず歯科・口腔外科への相談をおすすめします。
急に腫れて熱感・赤みがある急性の炎症期は、タオルに包んだ保冷剤などで冷やすことが基本です。一方、顎関節症など慢性的な筋肉の痛みやこわばりには温めが効果的な場合もあります。自己判断が難しい場合は、受診前は冷やす対応をとるのが無難です。
放置すると感染が骨や深部組織に広がり、顎骨骨髄炎や蜂窩織炎など重篤な疾患に発展するリスクがあります。特に「ルートヴィヒアンギナ」と呼ばれる顎下部の感染は気道を圧迫する危険性もあります。当院でも数週間放置した結果、治療が複雑になるケースが見受けられるため、早めのご相談をおすすめします。
以下の症状がある場合は速やかに救急受診してください。①呼吸が苦しい・飲み込みが困難、②口がほとんど開かない、③腫れが急速に広がっている、④38度以上の高熱が続く、⑤顎や下唇のしびれ・感覚異常。これらは感染の深部拡大や気道閉塞のリスクがある緊急性の高いサインです。
必ずしもすぐに抜歯が必要なわけではありませんが、横向きや斜め向きに生えた親知らずは智歯周囲炎を繰り返しやすく、根本的な解決には抜歯を検討する場合が多いです。症状がない時期にレントゲンで状態を確認し、歯科医師と相談しながら予防的な抜歯を検討することも一つの選択肢です。
🎯 まとめ
顎が腫れて押すと痛いという症状は、その原因が非常に多岐にわたります。虫歯・歯周病・親知らずによる口腔内の感染から始まるものや、リンパ節・唾液腺の炎症、顎関節の問題、皮膚の感染症まで、さまざまな疾患が関係しています。
多くの場合は軽度の炎症や感染が原因であり、適切な治療を受けることで改善します。しかし、呼吸困難、口が開かない、急速に広がる腫れ、高熱の持続、長期間続く硬い腫れといった症状は緊急性が高く、迅速な受診が必要です。
「顎が腫れているのはよくあること」と自己判断で放置せず、症状が気になる場合は早めに医療機関に相談することが大切です。受診する診療科は、歯・歯茎に近い腫れや口が開けにくい症状なら歯科・口腔外科、咽頭や耳に近い腫れや耳下腺の腫れなら耳鼻咽喉科、発熱や全身症状を伴う場合は内科、皮膚の問題が明らかなら皮膚科が目安となります。
また、定期的な歯科検診、口腔ケアの徹底、ストレス管理、免疫力の維持によって、顎の腫れの多くは予防することができます。顎の違和感や腫れを感じたら、早めに専門家に相談することをおすすめします。アイシークリニック新宿院では、顎の腫れや痛みに関するご相談にも対応しておりますので、お気軽にご来院ください。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 歯科・口腔外科疾患(虫歯、歯周病、親知らず、顎骨疾患など)における受診の目安や医療機関の選び方に関する情報
- 国立感染症研究所 – 流行性耳下腺炎(おたふく風邪・ムンプスウイルス感染症)および伝染性単核球症(EBウイルス感染症)の病態・症状・予防に関する感染症情報
- PubMed – ルートヴィヒアンギナを含む顎下部蜂窩織炎・顎骨骨髄炎・顎関節症などの診断と治療に関する査読済み医学文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
