
皮膚にできた「できもの」、放置していませんか?
実は、良性か悪性かは見た目だけでは判断できません。
この記事を読めば、自分のできものが危険なサインかどうかチェックできます。
読まずに放置すると、皮膚がんの早期発見を逃してしまうリスクがあります。
💬「色が変わってきた気がするけど、病院に行くべき?」
💬「良性と悪性って、どうやって見分けるの?」
📋 この記事でわかること
- ✅ できものの種類と見分け方のポイント
- ✅ 良性・悪性それぞれの特徴と症状
- ✅ 今すぐ受診すべき危険なサイン
- ✅ 主な治療方法と受診の目安
目次
- できものとは何か|皮膚腫瘍の基礎知識
- 良性のできもの(良性皮膚腫瘍)の種類と特徴
- 注意が必要なできもの|悪性腫瘍(皮膚がん)の種類と特徴
- 良性と悪性を見分けるポイント
- できもの別の主な治療方法
- こんな症状があったら受診のサイン
- まとめ
この記事のポイント
皮膚のできものは粉瘤・脂肪腫などの良性から基底細胞がん・悪性黒色腫などの悪性まで多種あり、外見のみでの良悪性判断は困難なため、色・形・大きさの変化があれば早期に皮膚科を受診することが重要。
💡 できものとは何か|皮膚腫瘍の基礎知識
「できもの」という言葉は日常的によく使われますが、医学的には皮膚腫瘍(ひふしゅよう)と呼ばれます。皮膚腫瘍とは、皮膚を構成する細胞が異常に増殖することで生じる隆起や変色、しこりなどの総称です。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織という3つの層で構成されており、それぞれの層に存在する細胞や構造物がもとになってさまざまな種類のできものが生じます。たとえば表皮の角化細胞から生じるもの、色素細胞(メラノサイト)から生じるもの、皮脂腺・毛包などの付属器から生じるもの、血管やリンパ管から生じるもの、脂肪組織から生じるものなど、その起源は多岐にわたります。
できものは大きく「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」に分類されます。良性腫瘍は周囲の組織への浸潤や遠隔部位への転移を起こさないものを指し、悪性腫瘍(いわゆるがん)は周囲の組織に侵入したり、血液やリンパを通じて他の臓器に転移したりする可能性があるものを指します。
また、良性と悪性の中間的な性質を持つ「境界悪性腫瘍」と呼ばれるものも存在します。さらに、腫瘍とは異なるカテゴリーとして、炎症や感染症によって生じる皮膚の変化(粉瘤の炎症、にきびなど)もできものとして認識されることがあります。
日本人に多く見られる皮膚のできものとしては、脂漏性角化症(老人性いぼ)、粉瘤(アテローマ)、脂肪腫などが代表的な良性腫瘍として挙げられます。一方、皮膚がんとしては基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などが知られています。
できものの種類によって適切な対応が異なるため、皮膚に気になる変化が現れたときは自己判断せず、早めに皮膚科や形成外科を受診することが大切です。
Q. 皮膚の良性腫瘍と悪性腫瘍の違いは何ですか?
良性腫瘍は周囲の組織への浸潤や他臓器への転移を起こさない腫瘍で、粉瘤・脂肪腫・脂漏性角化症などが代表例です。悪性腫瘍(皮膚がん)は周囲組織に侵入したり血液・リンパを通じて転移したりする可能性があり、基底細胞がんや悪性黒色腫などが該当します。
📌 良性のできもの(良性皮膚腫瘍)の種類と特徴
皮膚に生じるできものの多くは良性腫瘍です。ここでは代表的な良性のできものについて、それぞれの特徴をご紹介します。
✅ 粉瘤(アテローマ)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物が形成され、その中に垢(角質)や皮脂が溜まることでできる腫瘍です。「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」とも呼ばれます。表面には小さな黒い点(開口部)が見られることがあり、これを「面疱(めんぽう)」と呼ぶこともあります。
粉瘤は体のほぼどこにでも発生しますが、顔、耳の後ろ、首、背中、臀部などに多く見られます。サイズは数ミリから数センチまでさまざまで、触ると柔らかいことが多いです。
粉瘤は自然に消えることはなく、放置すると細菌感染を起こして炎症性粉瘤になることがあります。炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴い、膿が出ることもあります。治療は袋ごと摘出する手術が基本ですが、炎症中は切開排膿処置が行われることもあります。
📝 脂肪腫(リポーマ)
脂肪腫は、皮下の脂肪細胞が増殖してできる良性腫瘍です。皮膚の下に柔らかいしこりとして感じられ、触ると動くことが特徴です。痛みはないことがほとんどですが、神経の近くに生じた場合は圧迫による痛みや違和感を覚えることがあります。
背中、肩、腕、太ももなどに多く発生し、サイズは数センチ程度のものから大きいものでは10センチを超えることもあります。成長速度は非常にゆっくりで、長年にわたって徐々に大きくなることが多いです。
悪性化することは稀ですが、急速に大きくなる場合や痛みが生じた場合は、悪性の脂肪肉腫との鑑別のために精密検査が必要になることがあります。治療は外科的な摘出が基本です。
🔸 脂漏性角化症(老人性いぼ)
脂漏性角化症は、加齢とともに皮膚の表面が盛り上がり、褐色から黒色の色素沈着を伴うできものです。「老人性いぼ」とも呼ばれますが、ウイルス性のいぼとは異なります。40歳以降から見られるようになり、加齢とともに数が増える傾向があります。
顔、頭、体幹など日光に当たりやすい部分に多く見られ、表面は脂っぽい光沢があることが多いです。かゆみを感じることもあります。
良性腫瘍であり、健康上の問題はほとんどありませんが、見た目が気になる場合は液体窒素による凍結療法、炭酸ガスレーザー、電気メスによる焼灼などの治療が行われます。
⚡ 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)|ウイルス性いぼ
ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じるいぼです。皮膚の傷口などからウイルスが侵入し、角化細胞が異常増殖することで硬く盛り上がったできものが形成されます。手足の指、足の裏(足底疣贅)などに多く見られます。
足底に生じたものは「タコ」や「魚の目」と間違われることがありますが、ウイルス性のいぼには点状の黒い出血点(毛細血管が含まれるため)が見られることが特徴です。子どもから大人まで幅広い年代に発症しますが、特に免疫力が低下している方では広がりやすいことが知られています。
治療は液体窒素による凍結療法が第一選択ですが、サリチル酸製剤の外用、レーザー治療、免疫療法なども用いられます。完治するまでに時間がかかることがあり、再発することもあります。
🌟 色素性母斑(ほくろ)
いわゆる「ほくろ」は、メラノサイト(色素細胞)が皮膚の中に集まってできる良性腫瘍です。医学的には色素性母斑(しきそせいぼはん)あるいは母斑細胞母斑と呼ばれます。生まれつきあるものと、成長とともに後天的に生じるものがあります。
ほくろは通常、均一な色(黒・茶・褐色)で境界が明瞭な楕円形または円形をしており、大きさは数ミリ程度のものがほとんどです。体のどこにでも生じ、人によっては数十個から数百個のほくろを持つこともあります。
ほくろそのものは良性ですが、後述する悪性黒色腫(メラノーマ)との見分けが重要です。ほくろが急に大きくなった、色が変わった、形が不整になった、出血するといった変化があった場合は皮膚科を受診することが推奨されます。
💬 血管腫(けっかんしゅ)
血管腫は血管が異常増殖してできる良性腫瘍の総称です。代表的なものとして、乳児に多く見られる「乳児血管腫(いちご状血管腫)」や、成人の顔面などに見られる「毛細血管拡張症」、中高年に多い「老人性血管腫(チェリーアンジオーマ)」などがあります。
乳児血管腫は生後1〜2週間で出現し、生後6ヶ月頃まで急速に大きくなった後、自然に退縮することが多いです。一方、老人性血管腫は直径1〜5ミリ程度の鮮やかな赤色の小さなできもので、体幹に多く見られます。健康への影響はほとんどありませんが、見た目が気になる場合はレーザー治療などが行われます。
✅ 線維腫(せんいしゅ)・皮膚線維腫
皮膚線維腫は真皮内に線維芽細胞が増殖してできる良性腫瘍です。茶褐色から灰褐色の硬い小結節として触れ、皮膚をつまむと中に引き込まれるような感覚(ディンプルサイン)が特徴的です。足のすね(下腿)に多く見られ、虫刺されや軽微な外傷をきっかけに発生することがあります。
基本的には無害な良性腫瘍ですが、悪性との鑑別や審美的な観点から切除を希望される場合は手術が行われます。
📝 石灰化上皮腫(せっかいかじょうひしゅ)
石灰化上皮腫は毛包の細胞から生じる良性腫瘍で、皮膚の下に石のように硬いしこりとして触れることが特徴です。「カルシファイング・エピセリオーマ(パリフカン腫瘍)」とも呼ばれます。子どもや若い人の顔、首、上肢に多く発生します。
炎症を起こすと赤く腫れることがありますが、基本的には良性です。治療は外科的摘出が行われます。
🔸 ガングリオン
ガングリオンは関節や腱鞘の周囲に生じるゼリー状の液体が入った嚢胞(のうほう)で、皮膚の下に弾力のあるしこりとして触れます。手首の甲側に多く発生しますが、足の甲、指の関節、膝の周囲にも生じます。
良性であり、自然に消えることもありますが、大きくなると周囲の神経や組織を圧迫して痛みや動きの制限を引き起こすことがあります。治療は穿刺吸引(注射で内容液を抜く)や外科的摘出が行われます。
Q. 悪性黒色腫を早期発見するABCDEルールとは?
ABCDEルールとは悪性黒色腫の早期発見に用いる指標です。A(左右非対称)、B(境界が不規則)、C(色の不均一)、D(直径6ミリ以上)、E(変化している)の5項目で評価します。当てはまる項目が多いほど要注意とされており、気になる場合は皮膚科でのダーモスコピー検査が推奨されます。
✨ 注意が必要なできもの|悪性腫瘍(皮膚がん)の種類と特徴
皮膚がんは、皮膚に生じる悪性腫瘍の総称です。比較的ゆっくりと進行するものが多く、早期に発見・治療することで高い治癒率が期待できます。代表的な皮膚がんの種類と特徴について解説します。
⚡ 基底細胞がん(基底細胞癌)
基底細胞がんは日本人に最も多い皮膚がんです。皮膚の表皮の最下層にある基底細胞から発生します。顔、特に鼻やその周囲、頬、まぶたなど紫外線が当たりやすい部位に多く見られます。
初期は光沢のある黒色または黒褐色の小さなしこりとして現れることが多く、表面に毛細血管が透けて見えることがあります。進行すると中央が潰瘍化(くずれてえぐれる)して出血しやすくなります。「ネズミ食い」と呼ばれる不整な形状を示すことも特徴の一つです。
転移することは稀ですが、局所的に深く浸潤する性質があり、骨や軟骨にまで達することがあります。紫外線との関連が強く、日光に長期間さらされてきた高齢者に多く発症します。治療は外科的切除が基本です。
🌟 有棘細胞がん(扁平上皮がん)
有棘細胞がんは表皮の有棘細胞から生じる皮膚がんで、基底細胞がんに次いで多い皮膚がんです。顔、耳、頭部、手背など日光が当たりやすい部位や、口唇、陰部などの粘膜に接する部位にも発生します。
初期はざらざらした赤みのある硬い結節として現れ、進行すると潰瘍を形成したり、カリフラワー状に盛り上がったりします。基底細胞がんと異なり、リンパ節や他の臓器への転移が起こることがあります。
前癌病変(日光角化症、ボーエン病など)から進行して発生することもあります。日光角化症はざらざらした角化性の紅斑で、長年日光に当たってきた高齢者の顔や頭に多く見られます。治療は外科的切除が中心で、転移がある場合はリンパ節郭清や化学療法・放射線療法も考慮されます。
💬 悪性黒色腫(メラノーマ)
悪性黒色腫は色素細胞(メラノサイト)ががん化した腫瘍で、皮膚がんの中でも特に悪性度が高いとされています。早期に発見できれば手術で完治が望めますが、進行すると全身に転移しやすく、予後が悪化します。
欧米では紫外線との関連が強く、体幹部や下腿に多く見られますが、日本人では足底や爪、粘膜に発生するタイプが多いとされています。爪に生じた場合は黒い縦線(縦断黒色線条)として現れることがあります。
悪性黒色腫の早期発見には「ABCDEルール」が有用です。A(Asymmetry:左右非対称)、B(Border:境界が不規則)、C(Color:色の不均一)、D(Diameter:直径6ミリ以上)、E(Evolution:変化している)のうち当てはまる項目が多いほど、要注意です。治療は外科的切除が基本で、進行例には免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)や分子標的薬が用いられます。
✅ 乳房外パジェット病
乳房外パジェット病は外陰部(陰部)、肛門周囲、腋窩(わきの下)などに生じる皮膚がんです。中高年、特に60〜70代に多く見られます。湿疹に似た赤みやかゆみを伴う病変として現れるため、湿疹や皮膚炎と間違われることがあります。
長期間湿疹として治療されても改善しない場合や、境界が鮮明な赤みがある場合は皮膚科を受診することが重要です。治療は外科的切除が中心です。
📝 皮膚リンパ腫
皮膚リンパ腫はリンパ球ながん化して皮膚に生じる悪性腫瘍です。代表的なものに菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)があります。初期は湿疹に似た赤みのある病変(紅斑期)から始まり、進行するにつれて盛り上がり(扁平浸潤期)、さらにはこぶのような腫瘤(腫瘤期)へと変化します。
慢性的に経過し、湿疹と区別がつきにくいため、確定診断には皮膚生検が必要です。治療は外用療法、光線療法(PUVA療法)、放射線療法、化学療法などが病期に応じて選択されます。
🔸 カポジ肉腫
カポジ肉腫は血管やリンパ管の内皮細胞から生じる悪性腫瘍で、ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)の感染との関連が示されています。後天性免疫不全症候群(AIDS)に合併することで知られていますが、免疫抑制剤を使用している臓器移植患者や高齢者にも発生します。
紫色から赤褐色の皮疹として現れ、皮膚だけでなく粘膜や内臓にも生じることがあります。治療は原因に応じて抗ウイルス薬、免疫療法、化学療法などが用いられます。

🔍 良性と悪性を見分けるポイント
皮膚のできものが良性か悪性かを自己判断することは難しく、最終的には医師による診察と必要に応じて行われる組織生検(皮膚を一部採取して顕微鏡で調べる検査)によって確定診断がなされます。しかし、日常生活の中でできものの変化に気づくことが、早期発見・早期治療につながります。以下に、注意すべきサインを整理します。
⚡ 色の変化に注目する
良性のできものは一般的に色が均一であることが多いですが、悪性のできものは複数の色が混在していたり、色が不均一であったりすることがあります。特に黒色・褐色・赤色・白色・青色などが混じっているようなできものは注意が必要です。また、もともとあったほくろの色が急に濃くなったり薄くなったりした場合も要注意です。
🌟 形・輪郭の変化に注目する
良性の腫瘍は輪郭が明瞭で左右対称であることが多いのに対し、悪性腫瘍は境界が不規則(ギザギザ・でこぼこしている)で非対称なことが多いです。以前あったできものの形が変わってきた場合は、専門医に診てもらうことをお勧めします。
💬 大きさの変化に注目する
良性のできものは一般的に成長がゆっくりか、または変化しないことが多いです。一方で、短期間で急速に大きくなるできものは悪性の可能性があるため、注意が必要です。目安として、直径6ミリ以上のできものや、短期間(数週間〜数ヶ月)で大きくなっているものは要注意です。
✅ 症状(かゆみ・痛み・出血)に注目する
もともとなかった症状(かゆみ、痛み、出血、浸出液など)が現れた場合は注意が必要です。特に、触れていないのに出血したり、じゅくじゅくとした状態が続いたりするできものは、皮膚がんの可能性を考える必要があります。
📝 ダーモスコピー検査について
皮膚科では、ダーモスコピーと呼ばれる専用の拡大鏡を用いて皮膚病変の詳細な構造を観察することができます。この検査は非侵襲的(皮膚を傷つけない)で、ほくろや皮膚がんの鑑別に非常に有用です。肉眼では判断が難しい色素性病変の評価に広く活用されています。
ダーモスコピー検査で悪性が疑われた場合は、皮膚生検(バイオプシー)が行われます。皮膚生検では病変の一部または全部を切除して病理組織学的検査に提出し、細胞レベルで良性・悪性の確定診断が行われます。
Q. 粉瘤を放置するとどうなりますか?
粉瘤は自然に消えることがなく、放置すると細菌感染を起こして「炎症性粉瘤」になる場合があります。炎症が生じると赤く腫れて強い痛みを伴い、膿が出ることもあり、治療が複雑になります。根本的な治療は袋ごと摘出する手術であり、気になる場合は早めに専門医へ相談することが大切です。
💪 できもの別の主な治療方法
できものの種類や大きさ、部位、患者さんの希望などによって適切な治療方法は異なります。ここでは主な治療法について概説します。
🔸 外科的切除(手術)
できものを周囲の正常組織を含めて切り取る方法です。良性・悪性を問わず、できものの治療において最も基本的な方法です。悪性腫瘍の場合は、腫瘍の種類や進行度に応じて必要な切除マージン(腫瘍の周囲に確保すべき正常組織の幅)が決まっています。切除後は縫合しますが、欠損が大きい場合は皮弁形成術や植皮術が行われることもあります。
⚡ 液体窒素による凍結療法
液体窒素(約マイナス196度)をできものに吹き付けるか綿棒などで押し当てて凍結・壊死させる治療法です。ウイルス性いぼ(尋常性疣贅)、脂漏性角化症、日光角化症などの治療に用いられます。局所麻酔が不要なことが多く、外来で簡便に行えますが、複数回の治療が必要になることが多いです。治療後は赤みや水疱、色素沈着が残ることがあります。
🌟 レーザー治療
炭酸ガス(CO2)レーザーやQスイッチレーザーなどが用いられます。炭酸ガスレーザーは組織を蒸散・焼灼する作用があり、脂漏性角化症、尋常性疣贅、粉瘤(小さいもの)などの治療に用いられます。Qスイッチレーザーはメラニン色素に選択的に作用し、ほくろや色素性病変の治療に活用されます。レーザー治療は比較的傷跡が目立ちにくいとされていますが、病変の種類や深さによっては再発することもあります。
💬 電気焼灼法(電気メス)
高周波電流を用いて組織を焼灼する方法です。小さな良性腫瘍の除去や、皮膚の表面にある病変の処置に用いられます。出血が少なく、外来処置として行いやすいという特徴があります。
✅ 外用薬・内服薬による治療

ウイルス性のいぼに対してはサリチル酸外用薬が使われることがあります。また、日光角化症に対してはイミキモドクリームや5-フルオロウラシル(5-FU)外用薬が有効であることが知られています。皮膚リンパ腫や進行した皮膚がんでは全身化学療法も行われます。近年は免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ、ペムブロリズマブなど)が悪性黒色腫などの進行例に対して使用されるようになり、治療成績が改善しています。
📝 放射線療法
手術が困難な部位や患者さんの状態によって手術が難しい場合、または補助療法として放射線療法が用いられることがあります。基底細胞がん、有棘細胞がんなどに対して行われることがあります。
🔸 光線力学的療法(PDT)
光感受性物質を患部に塗布し、特定の波長の光を当てることで腫瘍細胞を選択的に壊死させる治療法です。日光角化症や表在性の有棘細胞がんに対して保険適用があります。正常組織への影響が少なく、審美的に優れた結果が得られることが多いとされています。
Q. 皮膚がんの主な治療方法を教えてください。
皮膚がんの治療は外科的切除が基本で、腫瘍の種類・進行度に応じた切除マージンを確保して行われます。補助的な方法として放射線療法や化学療法も用いられます。進行した悪性黒色腫には免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ・ペムブロリズマブ等)が使用され、近年は治療成績が大きく改善しています。
🎯 こんな症状があったら受診のサイン
以下のような場合は、早めに皮膚科または形成外科を受診することをお勧めします。自己判断で放置すると、治療が遅れたり、炎症が悪化したりする可能性があります。
⚡ できものが急速に大きくなっている
良性のできものの多くはゆっくりと成長するか変化しませんが、数週間〜数ヶ月で目に見えて大きくなっているできものは、悪性の可能性も考える必要があります。また、以前から存在していたできものが急に変化した場合も同様です。
🌟 出血・潰瘍化している
触れていないのに出血する、いつまでもじゅくじゅくとしている、表面がくずれてくる(潰瘍化)などの症状は皮膚がんのサインである可能性があります。また、粉瘤が赤く腫れて痛みを伴っている場合は炎症性粉瘤が考えられ、早期の処置が必要です。
💬 色・形・大きさが変化している
以前からあったほくろやできものの色が変わった(特に黒くなった)、形が不整になってきた、大きくなってきた、複数の色が混ざるようになってきた場合は、悪性黒色腫など悪性腫瘍への変化を疑う必要があります。
✅ 爪の黒い縦線が太くなってきた
爪に縦方向の黒い線(縦断黒色線条)があること自体は日本人では比較的よく見られますが、線が幅広くなってきた、色が濃くなってきた、爪の生え際の皮膚まで黒みが広がってきた(ハッチンソン徴候)などの変化がある場合は、爪の悪性黒色腫を疑い、専門医に相談することが重要です。
📝 足の裏のできもの
足の裏は自分では確認しにくい部位ですが、日本人の悪性黒色腫の好発部位の一つです。足の裏に黒みがかったシミやできものがある場合は、一度皮膚科で診てもらうことをお勧めします。
🔸 長期間治らない湿疹や傷
数ヶ月以上経っても治らない湿疹や傷のようなもの(特に外陰部、肛門周囲、口唇などの部位)は、乳房外パジェット病や有棘細胞がんなどが隠れている可能性があります。通常の湿疹として治療しても改善しない場合は、皮膚科で生検による精密検査を受けることが推奨されます。
⚡ 見た目が気になる良性腫瘍
粉瘤、脂肪腫、脂漏性角化症など、健康上の問題はなくても見た目が気になるできものは、美容的な観点から治療を受けることができます。こうした場合も、まず専門医に相談して適切な治療法を検討することをお勧めします。
🌟 日頃からのセルフチェックの重要性
皮膚がんの早期発見には、日頃からの自己検診が有効です。月に一度程度、全身の皮膚を鏡を使って確認する習慣をつけることが大切です。背中など自分では見えにくい部位は家族に確認してもらうか、皮膚科での定期的な診察を受けることを検討してください。特に、50歳以上、長期間の屋外活動歴がある方、家族に皮膚がんの既往がある方は、より注意が必要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「ほくろが気になる」「背中にしこりがある」といったご相談を日々多くいただいており、受診のきっかけは些細な気づきであることがほとんどです。皮膚のできものは見た目だけでは良性・悪性の判断が難しく、ダーモスコピーや病理検査を組み合わせて初めて正確な診断が可能になりますので、「たいしたことないだろう」と自己判断せず、気になる変化があれば早めにご相談いただくことが大切です。特に最近の傾向として、足の裏や爪まわりの変化を長期間放置されてから来院されるケースも見受けられますので、全身のセルフチェックを習慣にしていただき、少しでも不安を感じたら気軽に受診してください。」
💡 よくある質問
「ABCDEルール」が参考になります。A(左右非対称)、B(境界が不規則)、C(色の不均一)、D(直径6ミリ以上)、E(変化している)の項目が当てはまるほど注意が必要です。自己判断は難しいため、気になる変化があれば早めに皮膚科を受診し、ダーモスコピー検査を受けることをお勧めします。
粉瘤は自然に消えることがなく、放置すると細菌感染を起こし、赤く腫れて痛みを伴う「炎症性粉瘤」になる可能性があります。炎症が起きると膿が出ることもあり、治療が複雑になります。根本的な治療は袋ごと摘出する手術です。気になる場合は早めに専門医にご相談ください。
見た目だけで良性・悪性を判断することは非常に難しいです。確定診断には医師によるダーモスコピー検査や、皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べる「皮膚生検(バイオプシー)」が必要です。当院でも、ほくろやできものの診察にダーモスコピーと病理検査を組み合わせた正確な診断を行っています。
以下の場合は早めに皮膚科や形成外科を受診してください。①数週間〜数ヶ月で急速に大きくなっている、②触れていないのに出血やじゅくじゅくが続く、③色・形・大きさに変化がある、④爪の黒い縦線が太くなってきた、⑤数ヶ月以上治らない湿疹や傷がある、などの症状は特に注意が必要です。
はい、受けられます。粉瘤・脂肪腫・脂漏性角化症など、健康上の問題がない良性腫瘍でも、見た目が気になる場合は審美的な観点から治療が可能です。治療法は切除手術・液体窒素による凍結療法・レーザー治療などがあり、できものの種類や部位によって異なります。当院でもお気軽にご相談ください。
📌 まとめ
皮膚のできものには、粉瘤・脂肪腫・ほくろ・いぼなどの良性腫瘍から、基底細胞がん・有棘細胞がん・悪性黒色腫などの悪性腫瘍まで、非常に多くの種類が存在します。良性と悪性の区別は外見だけではつきにくいことも多く、自己判断には限界があります。
大切なのは、皮膚に気になる変化(急に大きくなる、色が変わる、出血するなど)が生じたときに、早めに皮膚科や形成外科を受診することです。また、日頃から自分の皮膚の状態に関心を持ち、定期的にセルフチェックを行うことも早期発見につながります。
アイシークリニック新宿院では、皮膚のできもの(粉瘤、脂肪腫、ほくろ、各種皮膚腫瘍など)に関するご相談を承っております。「このできものは何だろう」「治療が必要かどうか知りたい」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。専門スタッフが丁寧に診察し、患者さんに最適な治療法をご提案いたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 皮膚腫瘍(良性・悪性)の診断基準や治療ガイドライン、悪性黒色腫・基底細胞がん・有棘細胞がんなど各種皮膚がんの診療指針の参照
- 厚生労働省 – 皮膚がんを含むがん対策・がん検診に関する公式情報、患者向け受診推奨基準や医療機関案内の参照
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・脂漏性角化症などの良性皮膚腫瘍に対する外科的切除・レーザー治療など治療方法に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
