
寒い季節になると、足の指が赤くなり、かゆくてたまらないという経験をしたことがある方は少なくないでしょう。これが「しもやけ(凍瘡)」と呼ばれる状態です。しもやけは子どもに多いイメージがありますが、大人でも珍しくなく、特に足の指は血行が悪くなりやすいため、症状が出やすい部位のひとつです。かゆみや腫れ、皮膚の変色など、日常生活に支障をきたすこともあるしもやけについて、本記事ではその原因・症状・自宅ケアの方法・受診の目安まで、医療的な観点からわかりやすく解説します。
目次
- しもやけとはどんな状態?基本を知ろう
- 足の指にしもやけが起きやすい理由
- しもやけの主な症状と見た目の特徴
- しもやけの種類:樽柿型と多形紅斑型
- しもやけの原因とリスクファクター
- しもやけと間違えやすい疾患
- 自宅でできるしもやけのケア・予防法
- しもやけに効果的な生活習慣の改善
- 病院での治療法について
- 受診が必要なサインと適切な診療科
- まとめ
この記事のポイント
足の指のしもやけは寒冷刺激による末梢血管の炎症で、赤み・腫れ・かゆみが主症状。防寒・保湿・マッサージが基本ケアだが、水疱形成や3〜4週間改善しない場合は皮膚科受診が必要。
🎯 しもやけとはどんな状態?基本を知ろう
しもやけは医学用語で「凍瘡(とうそう)」と呼ばれる皮膚の状態です。英語では「Chilblain(チルブレイン)」といい、寒冷刺激によって引き起こされる皮膚の炎症反応です。凍傷(frostbite)とは異なり、組織が凍結するわけではありませんが、繰り返す寒冷刺激と温度変化によって皮膚に炎症が生じます。
しもやけが起きるメカニズムは、主に「血管の反応異常」にあります。寒さにさらされると、私たちの体は体温を維持するために末梢血管を収縮させ、熱を体の中心部に集めようとします。この収縮した血管が急激に温まることで、血管が過度に拡張し、血液の一部が血管外に漏れ出してしまいます。その結果、皮膚に炎症、腫れ、赤みといった症状が現れます。
しもやけは特に気温が0〜10℃程度の「寒いが凍りつくほどではない」環境で発生しやすいとされています。真冬の極寒よりも、秋から冬の初めや春先、あるいは湿気の多い寒さの中で生じやすいことが特徴のひとつです。日本の気候は、このようなしもやけが発生しやすい条件を満たす季節が長く続くため、患者数が多い国のひとつといえます。
Q. しもやけが起きやすい気温や環境は?
しもやけは気温が0〜10℃程度の「寒いが凍りつくほどではない」環境で発生しやすく、真冬の極寒よりも秋から冬の初めや春先、湿気の多い寒さの中で生じやすい特徴があります。日本の気候はこの条件を満たす季節が長いため、患者数が多い傾向にあります。
📋 足の指にしもやけが起きやすい理由
しもやけは手の指や耳、鼻先、ほお、かかとなどにも発生しますが、中でも足の指は特に起きやすい部位として知られています。その理由にはいくつかの要因があります。
まず、足の指は心臓から最も遠い末端部位であるため、血液が届きにくく、もともと血行が悪くなりやすい構造をしています。体が寒さに対して血管を収縮させる際、末梢の中でも特に遠い部分から血液が引き上げられるため、足の指は影響を受けやすいのです。
次に、靴下や靴による密閉環境が影響しています。靴の中は汗で湿りやすく、外気との温度差が生じやすい環境です。湿気と寒冷刺激が繰り返されることで、皮膚への負担が増大します。特にきつい靴や、濡れた靴下を長時間着用している場合はリスクが高まります。
また、長時間の立ち仕事や、体を動かさないデスクワークの方は、足先の血流が滞りやすく、しもやけになりやすい体質になることがあります。さらに、女性は男性に比べて末梢の血流調節機能が弱い傾向があり、しもやけが起きやすいとも指摘されています。
冷え性の方も要注意です。冷え性は、自律神経の乱れや血行不良によって末梢の体温調節がうまくいかない状態であり、しもやけと非常に関係が深い状態です。日頃から「手足が冷たい」と感じる方は、特に寒い季節には足の指の管理に注意が必要です。
💊 しもやけの主な症状と見た目の特徴
しもやけの症状は、程度や段階によって異なりますが、代表的なものとして以下のような症状が挙げられます。
皮膚の赤みや赤紫色の変色は、最も初期から見られる典型的な症状です。足の指の先端や側面、付け根付近が赤くなり、時間が経つにつれて暗赤色や紫がかった色に変化することがあります。これは皮膚の血管が炎症を起こし、血流が鬱滞していることを示しています。
かゆみは、多くの患者さんが最も気になる症状として挙げるものです。特に、寒い屋外から温かい室内に入った直後や、入浴後などに強くなることが多く、温まると一時的にかゆみが増すという特徴があります。これは、温度上昇によって血管が拡張し、神経が刺激されることで起こります。
腫れや浮腫(むくみ)も、しもやけの代表的な症状です。足の指が全体的にふっくらと膨らんで見えたり、触ると硬くなっていたりすることがあります。これは血管から液体が漏れ出して組織に溜まるためです。
痛みや灼熱感(ヒリヒリとした熱い感じ)が生じることもあります。かゆみに加えてこのような感覚がある場合、炎症が強くなっているサインです。
症状が悪化すると、水疱(みずぶくれ)が形成されることもあります。さらに重症になると皮膚がただれ、潰瘍(かいよう)になることもありますが、これは比較的まれなケースです。
なお、しもやけの症状は通常、寒い季節が終わり気温が上昇するとともに自然に改善することがほとんどです。しかし、毎年繰り返すケースや、なかなか治らないケースも少なくありません。
Q. しもやけの樽柿型と多形紅斑型の違いは?
樽柿型は足の指全体がふっくら腫れ赤紫色に変色するタイプで、子どもや若い女性に多く見られます。多形紅斑型は赤い斑点や環状の病変が広範囲に現れ、自己免疫疾患との関連が疑われることもあります。見た目での区別が難しいため、皮膚科での正確な診断が重要です。
🏥 しもやけの種類:樽柿型と多形紅斑型
しもやけには、臨床的に大きく2つのタイプがあります。それぞれ症状の出方や好発する部位に特徴があります。
1つ目は「樽柿型(たるがきがた)」です。これは日本でより一般的に見られるタイプで、足の指全体がふっくらと腫れ、赤みや紫色の変色が見られるものです。名前の由来は、その見た目が昔の干し柿(樽柿)に似ていることからきています。主に子どもや若い女性に多く、手足の指の先端に多発します。かゆみが主な自覚症状で、日常生活の中で支障をきたしやすいタイプです。
2つ目は「多形紅斑型(たけいこうはんがた)」です。こちらは皮膚の変化がより多彩で、赤い斑点や環状(輪状)の病変が現れることが特徴です。足の指だけでなく、手の甲や足の甲など比較的広い範囲に現れることもあります。多形紅斑型のしもやけは、アレルギー反応や自己免疫疾患との関連が指摘されることもあり、背景にある基礎疾患の有無を確認することが重要です。
この2つのタイプは見た目だけで区別が難しいこともあるため、自己判断せずに皮膚科を受診して正確な診断を受けることが重要です。特に多形紅斑型の場合は、他の疾患との鑑別が必要なケースもあります。
⚠️ しもやけの原因とリスクファクター
しもやけの直接的な原因は寒冷刺激ですが、すべての人が同じように寒さにさらされてしもやけになるわけではありません。しもやけになりやすい人とそうでない人がいる背景には、さまざまなリスクファクター(危険因子)が関係しています。
体質的な要因として、末梢血管の反応性が挙げられます。末梢血管が寒冷刺激に対して過敏に反応する体質の方は、同じ環境でもしもやけになりやすいとされています。これは遺伝的な要因も関係していると考えられており、家族にしもやけになりやすい方がいる場合は注意が必要です。
性別・年齢も関係しています。しもやけは女性に多く、また思春期の子どもや若い成人に多い傾向があります。一方で、高齢者でも発症することがあります。女性ホルモンが末梢血管の調節に影響している可能性が指摘されていますが、詳細なメカニズムはまだ完全には解明されていません。
低体重・やせ型も、しもやけのリスクを高める要因のひとつです。皮下脂肪が少ないと断熱効果が低下し、末梢部位が冷えやすくなります。ダイエット中の方や、もともと体が細い方は意識的に防寒対策を行うことが大切です。
生活環境としては、冬場に冷たい水に手足をさらす機会が多い方(水仕事、屋外作業など)や、防寒が不十分な状態で過ごす方がリスクが高まります。また、水に濡れた状態で低温にさらされると、乾いた状態よりもしもやけが起きやすいため、アウトドア活動や冬の農作業などには注意が必要です。
基礎疾患としては、レイノー症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患、末梢動脈疾患、糖尿病などがしもやけのリスクを高める可能性があります。これらの疾患を持つ方でしもやけが繰り返し起きる場合は、基礎疾患の管理が重要になります。
また、近年ではCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)との関連で「COVID toe(コビッドトゥー)」と呼ばれる、しもやけに似た皮膚症状が報告されています。これは新型コロナウイルス感染に伴って足の指に赤紫色の病変が生じるもので、しもやけとは原因が異なりますが、見た目が類似しているため注意が必要です。
🔍 しもやけと間違えやすい疾患
足の指に赤みや腫れが生じた場合、必ずしもしもやけとは限りません。他の疾患との区別が重要なケースがあります。
レイノー症候群は、寒さやストレスによって手足の血管が過剰に収縮し、指先が白→青→赤と変色する状態です。しもやけとは異なり、色の変化が比較的明瞭で、温まると速やかに改善することが多いです。しもやけと合併することもあります。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)は、細菌感染によって皮膚や皮下組織に炎症が起きる状態です。足の指や足背が赤く腫れ、熱感・痛みを伴うことが多く、発熱を伴うこともあります。しもやけと見た目が似ていることがありますが、蜂窩織炎は感染症であり、抗菌薬による治療が必要です。
痛風性関節炎も、足の指(特に親指の付け根)に突然の赤み・腫れ・激しい痛みをきたす疾患です。夜間や早朝に痛みが強くなる傾向があり、尿酸値が高い方に多いです。しもやけとは異なり、寒さとの関連はなく、血液検査で診断が可能です。
末梢動脈疾患(閉塞性動脈硬化症)は、動脈が細くなることで足先への血流が低下し、冷感・しびれ・皮膚の変色などが現れます。しもやけのように季節性ではなく、年間を通じて症状が続くことが多く、歩行時の痛みを伴うこともあります。
多形紅斑は、皮膚に標的状(ターゲット状)の赤い斑点が生じる疾患で、単純ヘルペスウイルスや薬剤などが原因となることがあります。前述の多形紅斑型しもやけとも関連があり、専門的な鑑別が必要です。
このように、足の指の赤み・腫れ・かゆみにはさまざまな原因が考えられます。自己判断で「しもやけだろう」と決めつけてしまうと、適切な治療が遅れる可能性があるため、症状が続く場合は皮膚科を受診することをおすすめします。
Q. しもやけになりやすい人の特徴は?
しもやけのリスクが高いのは、末梢血管が寒冷刺激に過敏な体質の方、女性・思春期の若者・低体重の方などです。また、冷え性、冬場に水仕事や屋外作業が多い方、レイノー症候群や糖尿病などの基礎疾患を持つ方も発症しやすいとされています。喫煙も末梢血行を悪化させる要因です。
📝 自宅でできるしもやけのケア・予防法
軽度のしもやけであれば、日常生活の中でのセルフケアと予防対策によって症状の改善や再発防止が期待できます。以下に、自宅でできる具体的な方法をご紹介します。
防寒対策を徹底することが基本中の基本です。足の指をしもやけから守るには、足を冷やさないことが最も重要です。外出時には靴下を重ねて履いたり、保温性の高い靴下を選んだりすることが効果的です。靴は防寒性のあるものを選び、靴の中に断熱インソールを使用するのも良い方法です。また、靴下や靴が濡れた場合はすぐに交換し、湿った状態で放置しないようにしましょう。
ゆっくり温める習慣をつけることも大切です。寒い場所から室内に戻ったとき、足を急激に温めることはしもやけの症状を悪化させる可能性があります。ストーブや電気毛布などに足を近づけて一気に温めるのではなく、室温でゆっくりと体を温めるようにしましょう。入浴も、熱いお湯よりもやや温めのお湯でゆっくり体を温めるほうが血管への負担が少なく、しもやけには向いています。
足のマッサージを日課にすることで、血行を促進し、しもやけの予防に役立てることができます。足の指を1本ずつ丁寧に揉んだり、足裏から足首にかけてさするように刺激したりする方法が効果的です。入浴後など体が温まったタイミングで行うと、より効果的です。保湿クリームやオイルを使いながらマッサージを行うと、皮膚の乾燥予防にもなります。
保湿ケアも重要です。しもやけによって皮膚が乾燥すると、かゆみや皮膚の荒れが悪化しやすくなります。低刺激の保湿クリームやローションを入浴後に足全体、特に足の指の間まで丁寧に塗り込む習慣をつけましょう。尿素クリームやヘパリン類似物質配合のクリームは、保湿効果が高く、しもやけのケアに向いているとされています。
かゆくても掻かないことも重要なポイントです。しもやけのかゆみは非常に強く、つい掻きむしってしまいたくなりますが、掻くことで皮膚が傷つき、感染リスクが高まります。かゆみを感じたときは、冷やしたタオルで冷やす(温まったときのかゆみには有効)か、保湿クリームを塗って皮膚を落ち着かせるようにしましょう。ただし、すでに皮膚が炎症を起こしている場合の冷却は逆効果になることもあるため、医師に相談してから行うことをおすすめします。
市販薬の利用については、ビタミンE入りの軟膏やクリーム(トコフェロール酢酸エステル配合製品)が、しもやけに対して保険適用で使用されることがあります。ドラッグストアでも「しもやけ」に対応した市販薬が販売されており、軽度の症状であれば試してみる価値があります。ただし、症状が改善しない場合や悪化する場合は、自己判断での継続は避け、医師の診察を受けることが大切です。
💡 しもやけに効果的な生活習慣の改善
しもやけを繰り返す方や、なかなか症状が改善しない方には、生活習慣全体を見直すことが根本的な改善につながることがあります。
適度な運動を日課にすることで、全身の血行を改善することができます。ウォーキング、ストレッチ、軽いジョギングなど、継続できる運動を日常に取り入れましょう。特に、足首を動かす運動(足首を回す、かかとの上げ下げなど)は足の末梢循環を促進するために効果的です。長時間デスクワークをする方は、1〜2時間ごとに立ち上がって軽く歩いたり、足首を動かしたりする習慣をつけると良いでしょう。
食生活の見直しも大切です。血行を促進する栄養素として、ビタミンE(アーモンド、ひまわり油、アボカドなどに多く含まれる)、ビタミンC(柑橘類、ピーマン、ブロッコリーなどに多く含まれる)、EPA・DHA(青魚に多く含まれる)などが挙げられます。これらを意識的に食事に取り入れることで、血管の健康を維持しやすくなります。また、体を温める食材(しょうが、ねぎ、にんにく、かぼちゃなど)を積極的に摂り入れることも、冷え対策として効果的です。
喫煙は末梢血管を収縮させ、血行を悪化させる大きな要因のひとつです。しもやけに悩んでいる喫煙者の方は、禁煙を検討することが症状改善に大きく貢献する可能性があります。
十分な睡眠と休養も重要です。睡眠不足や過労は自律神経のバランスを乱し、血管の収縮・拡張調節機能に影響を与えることがあります。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠を確保するよう意識しましょう。
ストレス管理も見逃せません。精神的なストレスは自律神経を乱し、末梢血管の過緊張を引き起こすことがあります。ヨガ、瞑想、趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけることが、間接的にしもやけの予防にもつながります。
Q. しもやけで病院を受診すべき症状は?
水疱(水ぶくれ)や皮膚のただれ・潰瘍が生じた場合、発熱・悪寒・強い痛みを伴う場合(感染症の疑い)、3〜4週間のセルフケアで改善しない場合、毎年繰り返す場合は早めに皮膚科を受診してください。アイシークリニックでも、繰り返すしもやけや長引く症状についてご相談いただけます。
✨ 病院での治療法について
セルフケアで改善しない場合や、症状が強い場合には、皮膚科を受診して適切な治療を受けることが大切です。病院でのしもやけの治療は、症状の程度や種類によって異なりますが、主に外用薬・内服薬・光線療法などが行われます。
外用薬(塗り薬)としては、まずビタミンE(トコフェロール)配合の軟膏が用いられます。ビタミンEには末梢血管を拡張する作用があり、血行を促進することでしもやけの症状を緩和する効果が期待できます。かゆみや炎症が強い場合には、ステロイド外用薬が処方されることもあります。ただし、ステロイドは長期使用による副作用があるため、医師の指示のもとで適切に使用することが必要です。皮膚の乾燥や亀裂がある場合には、ヘパリン類似物質配合クリームや尿素製剤が保湿目的で処方されることもあります。
内服薬(飲み薬)としては、血行改善を目的としてビタミンE製剤が処方されることがあります。また、症状が強い場合や再発を繰り返す場合には、ニフェジピン(カルシウム拮抗薬)が使用されることがあります。ニフェジピンは元々高血圧の治療薬として開発されたものですが、末梢血管を拡張する作用があり、しもやけの治療にも一定の効果があることが報告されています。なお、ニフェジピンの使用は医師の判断のもとで行われます。
漢方薬が選択されることもあります。「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」や「当帰湯(とうきとう)」など、冷えや血行不良を改善する漢方薬がしもやけに対して用いられることがあります。体質改善を通じて根本的な冷えを改善することを目的としており、繰り返すしもやけに対して継続的に服用されることがあります。
光線療法(ナローバンドUVB照射など)は、通常のしもやけには行われませんが、多形紅斑型や難治性のしもやけに対して、皮膚科専門医の判断で行われることがあります。
また、しもやけの背景に自己免疫疾患や膠原病などの基礎疾患が疑われる場合は、血液検査や免疫学的検査が行われ、必要に応じて内科や膠原病科などと連携した治療が行われます。
📌 受診が必要なサインと適切な診療科

軽度のしもやけであれば、セルフケアで数週間以内に改善することが多いですが、以下のようなサインがある場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。
皮膚に水疱(水ぶくれ)が形成された場合は、炎症が強くなっているサインです。水疱を自己判断で潰すと感染リスクがあるため、皮膚科を受診して適切な処置を受けてください。
皮膚がただれ、潰瘍(かいよう)になっている場合も受診が必要です。皮膚に開いた傷口から細菌が感染するリスクがあり、適切な創傷管理が必要になります。
発熱・悪寒・強い痛みを伴う場合は、蜂窩織炎などの細菌感染症の可能性があります。これは皮膚科や外科での治療が必要なケースです。
3〜4週間のセルフケアでも改善が見られない場合や、症状が悪化している場合は、他の疾患が隠れている可能性もあるため、早めに受診しましょう。
毎年繰り返しているしもやけで悩んでいる方も、一度皮膚科を受診することをおすすめします。背景にある血行不良や体質的な問題に対して、より根本的な対処法を相談することができます。
症状の範囲が広い(両足全体が赤紫色になっているなど)、または体の他の部位にも皮膚症状がある場合は、自己免疫疾患などの全身疾患が関係している可能性があります。この場合は内科や膠原病・リウマチ科への受診も検討してください。
足の指のしもやけで受診する場合、最初の窓口としては皮膚科が適しています。皮膚科では、視診・触診を中心にしもやけの診断を行い、他の疾患との鑑別を行ったうえで適切な治療を提案してくれます。必要に応じて血液検査なども行われます。
また、アイシークリニック新宿院では、皮膚に関するさまざまなお悩みについて、専門的な立場からアドバイスや治療のご提案を行っています。繰り返すしもやけや、なかなか治らない足の指のトラブルでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、毎年秋から冬にかけてしもやけのご相談が増え、特に冷え性の女性や長時間立ち仕事をされている方から多くご来院いただいています。しもやけは「自然に治るだろう」と放置されがちですが、水疱や潰瘍にまで進行してしまうケースや、背景に自己免疫疾患が隠れているケースもあるため、症状が長引く場合はお早めにご相談いただくことをおすすめします。足の指の赤みやかゆみでお悩みの方は、一人で抱え込まず、どうぞ気軽に受診してください。」
🎯 よくある質問
しもやけは気温が0〜10℃程度の「寒いが凍りつくほどではない」環境で発生しやすいとされています。真冬の極寒よりも、秋から冬の初めや春先、湿気の多い寒さの中で生じやすいことが特徴です。日本の気候はこの条件を満たす季節が長く続くため、患者数が多い傾向があります。
温かい室内に入ったときや入浴後に、温度上昇によって収縮していた血管が拡張し、神経が刺激されることでかゆみが強くなります。この温度変化による血管の過剰な反応がしもやけの主なメカニズムであり、急激に温めることは症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
どちらも足の指の赤みや腫れが現れますが、蜂窩織炎は細菌感染が原因のため、強い熱感・痛み・発熱を伴うことが多い点が異なります。しもやけは寒い季節に関連して生じますが、蜂窩織炎には抗菌薬による治療が必要です。自己判断は危険なため、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。
保温性の高い靴下や防寒靴で足を冷やさないことが基本です。寒い場所から戻った際は急激に温めず、室温でゆっくりと温めましょう。足のマッサージで血行を促進し、入浴後には保湿クリームを丁寧に塗ることも効果的です。かゆくても掻かず、市販のビタミンE配合軟膏を試すのも一つの方法です。
以下の場合は早めに皮膚科を受診してください。①水疱(水ぶくれ)や皮膚のただれ・潰瘍が生じた場合、②発熱・悪寒・強い痛みを伴う場合(感染症の可能性)、③3〜4週間のセルフケアで改善しない場合、④毎年繰り返している場合などです。アイシークリニックでも、繰り返すしもやけや長引く症状についてお気軽にご相談いただけます。
📋 まとめ
足の指のしもやけ(凍瘡)は、寒冷刺激による末梢血管の反応異常が原因で生じる皮膚の炎症です。足の指は体の中でも特に末端に位置し、血行が悪くなりやすいため、しもやけが起きやすい部位のひとつです。主な症状は赤みや紫色の変色、腫れ、かゆみであり、温まると症状が増すことが特徴です。
しもやけには樽柿型と多形紅斑型の2種類があり、見た目が似た他の疾患(蜂窩織炎、痛風、末梢動脈疾患など)との区別が大切です。自宅では、防寒対策、ゆっくりとした加温、マッサージ、保湿ケアが基本となります。生活習慣の改善(適度な運動、バランスのとれた食事、禁煙、十分な睡眠)も長期的な予防に効果的です。
セルフケアで改善しない場合や、水疱・潰瘍の形成、発熱を伴う場合、症状が繰り返す場合などは、早めに皮膚科を受診することが大切です。病院では外用薬・内服薬・漢方薬などの治療が行われます。足の指のしもやけで悩んでいる方は、一人で抱え込まず、ぜひ専門家にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – しもやけ(凍瘡)の診断基準・分類(樽柿型・多形紅斑型)、治療方針(外用薬・内服薬・漢方薬の適応)に関する皮膚科専門的見解の参照
- 厚生労働省 – ビタミンE製剤(トコフェロール)やヘパリン類似物質配合クリームなど、しもやけ治療に使用される医薬品の効能・効果・承認情報の参照
- PubMed – しもやけ(Chilblain/Pernio)の病態メカニズム、リスクファクター、ニフェジピンの治療効果、COVID toeとの関連性に関する国際的な臨床研究・エビデンスの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
