
冬になると指先や足先、耳たぶなどが赤く腫れてかゆくなる「しもやけ」。毎年悩む方は多いにもかかわらず、「そのうち治るだろう」と放置してしまうケースも少なくありません。しもやけは適切なケアを行えば多くの場合自然に改善しますが、症状が強い場合や繰り返す場合には、正しい治し方を知っておくことがとても大切です。この記事では、しもやけのメカニズムから自宅でできるケア、市販薬・処方薬の活用法、病院での治療、そして予防策まで詳しく解説します。
目次
- しもやけとはどんな状態?
- しもやけができる原因とメカニズム
- しもやけの症状と種類
- しもやけになりやすい人の特徴
- しもやけの治し方:自宅でできるケア
- しもやけに使える市販薬の種類と選び方
- 病院で行うしもやけの治療法
- しもやけが治らないときのサイン
- しもやけの予防法
- まとめ
この記事のポイント
しもやけは0〜10℃の寒冷・湿潤環境で生じる末梢の血行障害で、ゆっくりとした加温・保湿・ビタミンE外用薬が基本ケア。改善しない場合は皮膚科で処方薬(ヒルドイドやニフェジピン等)を検討し、夏にも症状が続く場合は膠原病の可能性があるため早期受診が推奨される。
🎯 1. しもやけとはどんな状態?
しもやけ(医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれます)は、寒冷刺激によって皮膚の血行が障害され、炎症が起きた状態です。凍傷(皮膚組織が凍ってしまうほどの重篤な状態)とは異なり、しもやけは0℃以下にならない「少し寒い程度の気温」でも発生します。具体的には気温が0〜10℃程度で、かつ湿度が高い環境が最もしもやけを引き起こしやすいとされています。
日本では秋から冬にかけて、特に11月〜2月ごろに多く見られます。子どもや若い女性に多い傾向がありますが、大人でも発症します。毎年同じ時期に繰り返す方も多く、「冬の風物詩」のように感じている方もいるかもしれませんが、実際には皮膚への血流障害が繰り返されている状態ですので、きちんと対処することが大切です。
しもやけが起きやすい部位は、体の末梢部分です。指(手の指・足の指)、耳たぶ、鼻先、頬、かかとなどが代表的な発症箇所です。これらの部分は心臓から遠く、血液が届きにくいため、寒さによる血行障害の影響を受けやすいのです。
Q. しもやけが起きやすい気温や環境はどのくらいですか?
しもやけは気温が0〜10℃程度で、かつ湿度が高い寒冷・湿潤環境で最も発生しやすいとされています。皮膚組織が凍る「凍傷」とは異なり、凍るほどでない寒さでも発症します。日本では11月〜2月ごろに多く見られます。
📋 2. しもやけができる原因とメカニズム
しもやけが発生するメカニズムを理解するには、まず皮膚の血管の働きを知ることが役立ちます。私たちの体は、寒くなると体温を保つために皮膚表面の血管を収縮させ、体の内部(体幹部)に血液を集中させようとします。これ自体は正常な生理反応です。しかし、この状態が長く続いたり、急に温かい場所に戻ったりすることで、血管が正常に機能しなくなることがあります。
寒冷刺激を受けた後、血管が拡張しようとするときにうまく拡張できずに炎症が起きることで、しもやけの症状が現れます。血管の拡張と収縮を繰り返す過程で、血管周辺の組織に炎症物質が放出され、かゆみや腫れ、赤みが生じるのです。
具体的なしもやけの原因としてよく挙げられるのは以下の点です。
まず、寒冷・湿潤環境への長時間の暴露です。外気温が低い環境に長時間いると、血管収縮が長続きし、しもやけが起きやすくなります。特に濡れた状態や湿度が高い環境では、体感温度が下がりやすく、影響がより強くなります。
次に、急激な温度変化です。寒い外から暖かい室内に急に移動したり、冷えた手や足をすぐにストーブや熱いお湯で温めようとしたりすると、血管が急激に拡張しようとして炎症が悪化することがあります。
また、末梢循環の悪さも大きな要因です。もともと手足が冷えやすい方、運動不足の方、血行が悪い方は、しもやけになりやすい体質といえます。自律神経の乱れや貧血、低血圧なども血行を悪化させる原因となります。
さらに、栄養状態や生活習慣も関係しています。ビタミン類(特にビタミンEやビタミンC)の不足、水分不足、喫煙(血管を収縮させる)なども、しもやけのリスクを高めます。
💊 3. しもやけの症状と種類
しもやけの症状は、大きく分けて「樽柿型(たるがきがた)」と「多形紅斑型(たけいこうはんがた)」の2種類があります。それぞれの特徴を理解しておくと、自分の状態を把握するのに役立ちます。
樽柿型は、最も一般的なしもやけのタイプです。指の関節などがパンパンに腫れて赤紫色になり、熟したカキの実のように見えることからこの名称がつきました。かゆみや灼熱感(ほてるような感覚)が主な自覚症状で、温かい場所に入ると症状が強くなることが多いです。子どもに多く見られます。
多形紅斑型は、成人に多いタイプです。赤みのある斑点(紅斑)が手の甲や足の甲に広がり、ときに水疱(水ぶくれ)を形成することもあります。かゆみよりも痛みを伴うことが多く、症状が強い傾向があります。
どちらのタイプも、寒い時期に始まり、春になって気温が上がると自然に消退することが多いです。しかし、水疱が破れて潰瘍になったり、二次感染を起こしたりすることもあるため、悪化させないケアが重要です。
症状の段階としては、最初は皮膚が赤みを帯びてかゆくなる程度ですが、進行すると腫れが強くなり、皮膚が硬く厚くなったり、ひび割れたりすることがあります。さらに悪化すると、水疱や潰瘍が形成されることもあります。
Q. しもやけを自宅で温めるときに注意すべきことは?
冷えた手足を熱いお湯やストーブで急激に温めることは避けてください。血管が急激に拡張しようとして炎症が悪化し、かゆみや痛みが増す原因になります。正しい温め方は38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸け、体全体をゆっくり温めることです。
🏥 4. しもやけになりやすい人の特徴
誰でもしもやけになる可能性はありますが、特になりやすい方には一定の特徴があります。自分に当てはまるかどうかチェックしてみてください。
まず、子どもは皮膚が薄く、体温調節機能がまだ十分に発達していないため、しもやけになりやすい傾向があります。特に寒い環境での外遊びが多い小学生くらいのお子さんに多く見られます。
次に、若い女性もしもやけになりやすいグループです。女性は男性に比べて筋肉量が少ない分、熱を生み出す力が弱く、末梢の血行が悪くなりやすい傾向があります。また、ダイエットや食生活の偏りによる栄養不足も影響することがあります。
冷え性の方も要注意です。日常的に手足が冷えやすい方は、血行が悪い状態が続いているため、寒い環境でさらに血流が滞りやすくなります。
また、屋外で長時間過ごす仕事や趣味を持つ方(農業・漁業・アウトドアスポーツなど)も、寒冷刺激にさらされる時間が長いため、しもやけのリスクが高いといえます。
さらに、膠原病(こうげんびょう)の一つである「全身性エリテマトーデス(SLE)」や「抗リン脂質抗体症候群」などを持つ方は、しもやけに似た症状(ループス凍瘡)が現れることがあります。通常の冬季限定のしもやけと違い、夏でも症状が出たり、特定の部位にのみ出たりする場合は、皮膚科や内科への受診が推奨されます。
喫煙者も血管収縮が起きやすいため、しもやけになりやすい特徴があります。喫煙はニコチンの作用により末梢血管を収縮させるため、血行不良を引き起こします。
⚠️ 5. しもやけの治し方:自宅でできるケア
しもやけの多くは、適切な自宅ケアによって改善できます。以下に、効果的なセルフケアの方法を紹介します。
🦠 ゆっくりと体を温める
しもやけの基本的な治し方は、血行を改善することです。ただし、急激に温めることは逆効果になる場合があります。冷えた指や足先を急にお湯に浸けたり、ストーブに当てたりすると、血管の急激な拡張により炎症が悪化し、かゆみや痛みが増すことがあります。
正しい温め方は、ぬるめのお湯(38〜40℃程度)にゆっくりと手足を浸けることです。入浴の際も、ぬるめのお湯にゆっくりとつかり、体全体の血行を改善することが有効です。手先・足先だけでなく、体全体を温めることが大切です。
👴 マッサージで血行促進
入浴中や入浴後など体が温まっているときに、しもやけが起きている部位をやさしくマッサージすると血行が促進されます。強くこすったり押したりするのではなく、心臓に向かって(末梢から中枢へ)やさしくさする程度で十分です。
皮膚が腫れてひどく炎症している場合や、水疱・潰瘍がある場合はマッサージを避けてください。悪化や感染のリスクがあります。
🔸 保湿ケアを徹底する
しもやけが起きている皮膚は乾燥しやすく、ひび割れが生じることがあります。入浴後や外出から帰宅した後は、ハンドクリームやボディローションなどでしっかりと保湿しましょう。保湿することで皮膚のバリア機能が保たれ、炎症の悪化を防ぐことができます。
保湿剤を塗るタイミングは、入浴後すぐ(水分が残っているうちに)が最も効果的です。また、外出前に保湿することで、冷たい外気による乾燥を防ぐことにもつながります。
💧 体を冷やさない工夫をする
しもやけがある間は、できるだけ体を冷やさないようにすることが重要です。手袋・靴下・帽子・マフラーなどを積極的に活用して、しもやけの起きやすい部位を寒冷刺激から守りましょう。
靴下は、吸湿性のある素材(ウールや綿など)を選ぶと、汗を吸って足が蒸れるのを防ぐことができます。濡れた靴下をそのままにしておくと、体感温度が下がって症状が悪化しやすいため、濡れたらすぐに交換することが大切です。
✨ 生活習慣を見直す
血行を改善するためには、日常の生活習慣の見直しも有効です。適度な運動(ウォーキングや軽い体操など)を取り入れることで、全身の血行が促進されます。長時間同じ姿勢でいることを避け、こまめに体を動かすことも効果的です。
食生活では、血行を促進する栄養素を意識して摂取することが大切です。ビタミンE(アーモンド・ひまわり油・アボカドなどに含まれる)は血管の健康を保つ働きがあり、ビタミンC(柑橘類・ブロッコリーなどに含まれる)は皮膚の修復を助けます。また、体を温める食材(しょうが・ねぎ・にんにくなど)を積極的に取り入れることも助けになります。
喫煙をしている方は、禁煙することがしもやけの改善・予防に大きく貢献します。ニコチンには強い血管収縮作用があるため、喫煙はしもやけの大敵です。
Q. しもやけに使える市販薬にはどんな種類がありますか?
しもやけに使える市販薬は主に3種類あります。血行促進・抗酸化作用を持つビタミンE配合の外用薬(ユースキンAなど)、保湿と血行促進効果があるヘパリン類似物質配合クリーム(ビーソフテンなど)、そして体全体に働きかけるビタミンE内服薬です。
🔍 6. しもやけに使える市販薬の種類と選び方
ドラッグストアなどで購入できる市販薬の中にも、しもやけに対応したものがあります。正しく選んで使用することで、症状を和らげることができます。
📌 ビタミンE配合の外用薬(塗り薬)
しもやけの市販薬として最もよく使われるのが、ビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)を配合した外用薬です。ビタミンEには血行促進・抗酸化作用があり、しもやけの改善を助けます。クリームやジェルタイプのものが多く、患部に直接塗ることで局所的に効果が期待できます。
代表的な製品としては「ユースキンA」「ハンドン」などがあります。これらはしもやけへの効能が認められた指定医薬部外品・医薬品です。使用する際は、添付文書をよく読み、用法・用量を守って使用してください。
▶️ ヘパリン類似物質配合の保湿クリーム
ヘパリン類似物質は、保湿効果とともに血行促進効果を持つ成分で、しもやけによる皮膚症状の改善に役立ちます。「ヒルドイド」の一般的な有効成分として知られており、市販品では「ビーソフテン」などの製品があります。保湿力が高く、乾燥による皮膚のひび割れや荒れを防ぐ効果も期待できます。
🔹 ビタミンEを含む内服薬(飲み薬)
外用薬と合わせて、ビタミンEを含む内服薬を使用することも効果的です。ビタミンEには末梢血管の拡張を助ける作用があるため、内側から血行を改善することができます。「ユベラ」などが代表的です。内服薬は体全体に働きかけるため、広範囲にしもやけがある場合に特に有効です。
📍 かゆみ止め成分配合の外用薬
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分やかゆみ止め成分(クロタミトンなど)が配合された外用薬を使用することも一つの選択肢です。ただし、かゆみ止めはあくまで症状を和らげるものであり、しもやけ自体を治すわけではないことを理解した上で使用してください。
市販薬を使用しても1〜2週間程度で改善が見られない場合は、皮膚科などの医療機関への受診をおすすめします。
📝 7. 病院で行うしもやけの治療法
自宅ケアや市販薬で改善しない場合、あるいは症状が強い場合には、医療機関での治療が必要です。皮膚科を受診すると、症状や重症度に応じて適切な治療が行われます。
💫 ビタミンE製剤の処方
病院でのしもやけ治療においても、ビタミンE製剤(トコフェロール)は中心的な役割を担います。市販薬よりも高用量の内服薬が処方されることが多く、血行促進による症状改善が期待されます。医師の指導のもとで適切な量を服用することが重要です。
🦠 ヘパリン類似物質の外用薬(処方薬)
処方薬として「ヒルドイド」(ヘパリン類似物質)が処方されることがあります。保湿・血行促進の効果があり、皮膚の炎症を和らげます。クリーム・ローション・ゲル・スプレーなどさまざまな剤型があり、患部の状態に合わせて医師が選択します。
👴 ステロイド外用薬
炎症が強い場合や、かゆみ・腫れが著しい場合には、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の外用薬が処方されることがあります。ステロイドには強い抗炎症作用があり、症状を短期間で和らげることができます。ただし、長期間の使用は皮膚の菲薄化(薄くなること)や感染リスクの上昇につながるため、医師の指示通りに使用することが必要です。
🔸 ニフェジピン(カルシウム拮抗薬)
重症のしもやけや繰り返し発症するしもやけに対して、ニフェジピンという薬が処方されることがあります。もともと高血圧や狭心症の治療に使われる薬ですが、末梢血管を拡張する効果があるため、しもやけの治療にも有効とされています。特に多形紅斑型の重症例などに用いられることがあります。
なお、ニフェジピンは血圧を下げる作用もあるため、血圧が低めの方や特定の薬を服用している方には使いにくいことがあります。必ず医師が患者さんの状態を確認した上で処方されます。
💧 感染を伴う場合の抗生物質
しもやけが悪化して水疱・潰瘍になり、細菌感染を起こしている場合には、抗生物質(抗菌薬)が使用されます。外用の抗菌薬(塗り薬)や、感染が広がっている場合には内服薬が処方されます。傷口を清潔に保ち、感染が広がらないようにすることが重要です。
✨ 光線療法(ナローバンドUVB療法)
重症例や難治例に対して、紫外線を用いた光線療法(ナローバンドUVB療法など)が行われることがあります。光線療法は皮膚の免疫機能を調整し、炎症を抑える効果があります。一般の皮膚科でも行われることがありますが、設備のある施設に限られます。
Q. しもやけで夏にも症状が続く場合は何が疑われますか?
通常のしもやけは冬季限定で、春に気温が上がると自然に改善します。夏でも症状が続く場合は、全身性エリテマトーデスなどの膠原病が背景に隠れている可能性があります。関節痛・倦怠感・発熱などの全身症状を伴う場合は、皮膚科だけでなく内科やリウマチ科への受診も検討してください。
💡 8. しもやけが治らないときのサイン

通常のしもやけは、寒さが和らぐ春ごろには自然に改善することが多いです。しかし、以下のような場合は、単純なしもやけではなく別の疾患が疑われる場合があるため、早めに医療機関を受診してください。
まず、夏など暖かい季節にも症状が続く場合です。通常のしもやけは冬季に限定されますが、1年中症状が続く場合は膠原病(ループス凍瘡)や血管炎などが疑われます。
次に、しもやけ以外の症状が伴う場合です。関節の痛み・腫れ、倦怠感、発熱、体重減少、口内炎、日光過敏などの症状が同時に現れている場合は、全身性の病気のサインである可能性があります。
また、症状が急に悪化する場合や、治療してもまったく改善しない場合も要注意です。適切なケアをしているにもかかわらず悪化が続く場合は、原因が別にある可能性があります。
さらに、水疱が破れて潰瘍になり、感染の兆候(周囲が赤くなる、膿が出る、熱感が強まるなど)がある場合は、放置すると蜂窩織炎(皮膚の深部の感染症)に発展することがあるため、速やかに受診が必要です。
特定の職業上の化学物質への暴露がある方や、手足の指先が特定の状況(寒さや感情的なストレスなど)で白・青・赤と変色する「レイノー現象」がある方も、背景に血管や免疫の病気が潜んでいる可能性があります。このような場合は皮膚科だけでなく、内科やリウマチ科への受診も検討してください。
✨ 9. しもやけの予防法
しもやけは一度なると繰り返しやすい症状です。毎年悩んでいる方には特に、予防策を徹底することが重要です。以下に、効果的な予防法をまとめました。
📌 防寒対策を徹底する
しもやけの予防において最も基本的なのは、体を冷やさないことです。気温が下がってきたら早めに手袋・靴下・帽子・耳あてなどを着用し、体の末梢部分を寒冷刺激から守りましょう。
手袋は防水機能のあるものを選ぶと、雨や雪による濡れからも保護できます。靴下は重ね履きも有効ですが、血行を妨げるほどきつく締めることは逆効果になる場合があるため注意してください。靴は防水性があり、つま先に余裕のあるものを選ぶことが大切です。
▶️ 冷えたらゆっくり温める習慣をつける
外から帰ったときや、体が冷えたと感じたときは、急激に温めず、ゆっくりと体を温める習慣をつけましょう。ぬるめのお風呂にゆっくりつかる、室温をあらかじめ温めておく、温かい飲み物を飲むなどが効果的です。
特に水仕事をした後は、手が濡れたまま冷気にさらされないように、すぐにタオルで水分を拭き取り、ハンドクリームなどで保湿することが大切です。
🔹 日常的な運動で血行を改善する
日常的な運動は、全身の血行を促進し、しもやけを予防する上で非常に有効です。ウォーキング・ジョギング・水泳・ヨガなど、自分に合った運動を継続することが大切です。長時間のデスクワークなど、同じ姿勢が続く場合は、定期的に立ち上がってストレッチをするだけでも効果があります。
また、手先・足先を温めるためのストレッチ(指を大きく開いて閉じる動作、足首をぐるぐる回すなど)を習慣にすることも、末梢の血行促進に役立ちます。
📍 食事でビタミン類を意識して摂取する
血行を促進するビタミンE(ナッツ類・植物油・アボカドなど)や、皮膚の修復を助けるビタミンC(柑橘類・赤パプリカ・ブロッコリーなど)を積極的に摂取しましょう。また、鉄分不足による貧血も血行を悪化させる原因となるため、赤身の肉・豆類・ほうれん草などの鉄分を含む食品も意識してとることが大切です。
体を内側から温める食材として、しょうが・ねぎ・にんにく・根菜類なども積極的に料理に取り入れると良いでしょう。冷たい飲食物の摂りすぎを避け、温かいものを選ぶことも有効です。
💫 禁煙・節酒を心がける
喫煙は末梢血管を収縮させるため、しもやけの大きなリスク因子です。しもやけを予防・改善する観点からも禁煙は非常に効果的です。また、過度な飲酒は体温調節機能を乱すことがあるため、節度ある飲酒を心がけることも予防につながります。
🦠 スキンケアで皮膚を保護する
日常的な保湿ケアは、皮膚のバリア機能を高め、寒冷刺激から皮膚を守るのに役立ちます。特に秋ごろから意識的に保湿ケアを始めることで、しもやけのシーズンに入る前に皮膚の状態を整えておくことができます。
毎日の洗顔や手洗いの後は、保湿剤(ハンドクリームやフェイスクリームなど)を習慣的に塗る癖をつけましょう。ビタミンE配合のクリームは、保湿と血行促進の両方の効果が期待できるため特におすすめです。
👴 毎年繰り返す方は秋から予防を始める
毎年しもやけで悩む方は、冬が本格化する前の秋のうちから予防策を始めることが効果的です。特に、ビタミンEの内服薬を秋から飲み始めることで、しもやけの発症を予防または軽減できることがあります。市販のサプリメントでも補うことができますが、用量についての相談は薬剤師や医師に行うと安心です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、毎年冬になると「毎年繰り返しているから」とご自身で抱え込んでしまい、症状が悪化してから受診される方を多くお見受けします。しもやけは適切なケアや早めの治療で十分にコントロールできる状態ですので、市販薬で改善が見られない場合や、夏場にも症状が続く場合はためらわずにご相談ください。また、しもやけに見えて膠原病などの全身疾患が背景に隠れているケースもあるため、気になる症状がある方は早めに受診していただくことを強くお勧めします。」
📌 よくある質問
しもやけ(凍瘡)は0〜10℃程度の寒冷・湿潤環境で血行障害が起きた状態で、皮膚組織が凍るほどの重篤な状態である凍傷とは異なります。しもやけは適切なケアで改善できますが、凍傷は組織への深刻なダメージを伴うため、より緊急性の高い処置が必要です。
冷えた手足を熱いお湯やストーブで急激に温めることは避けてください。血管が急激に拡張しようとして炎症が悪化し、かゆみや痛みが増す原因になります。正しい温め方は38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸けることです。体全体をゆっくり温めることが重要です。
皮膚科では症状に応じて、高用量ビタミンE製剤の内服薬、ヘパリン類似物質(ヒルドイド)の処方、炎症が強い場合はステロイド外用薬などが処方されます。重症例では末梢血管を拡張するニフェジピンが使用されることもあります。市販薬で1〜2週間改善しない場合は受診をおすすめします。
通常のしもやけは冬季限定で、春に気温が上がると自然に改善します。夏でも症状が続く場合は、膠原病(全身性エリテマトーデスなど)が背景に隠れている可能性があります。関節痛・倦怠感・発熱などの全身症状を伴う場合は、皮膚科だけでなく内科やリウマチ科への受診も検討してください。
毎年しもやけに悩む方は、冬が本格化する前の秋から予防策を始めることが効果的です。具体的には、秋のうちからビタミンEの内服薬や保湿ケアを開始し、手袋・靴下などの防寒対策や日常的な運動も取り入れましょう。ビタミンEの用量については、薬剤師や医師にご相談ください。
🎯 まとめ
しもやけは、寒冷刺激による末梢の血行障害が原因で起きる皮膚の炎症です。毎年冬になると悩む方が多い一方で、「たいしたことない」と放置されがちな症状でもあります。しかし、適切な治し方と予防法を知ることで、症状を改善し、再発を防ぐことは十分に可能です。
自宅でのケアとしては、ゆっくりと体を温めること、保湿ケアを徹底すること、日常的な運動で血行を促進することが基本です。市販薬ではビタミンEやヘパリン類似物質を含む外用薬・内服薬が有効で、症状が強い場合や自宅ケアで改善しない場合は皮膚科を受診することをおすすめします。
また、しもやけが夏でも続く、全身症状を伴うなどの場合は、膠原病など別の疾患が隠れている可能性があるため、早めに医療機関を受診してください。アイシークリニック新宿院では、皮膚に関するお悩みについて丁寧に診察を行っておりますので、しもやけの症状でお困りの方はお気軽にご相談ください。冬を快適に過ごすためにも、早めの対策・治療を心がけましょう。
📚 関連記事
- 水ぶくれはなぜできる?原因・種類・正しいケア方法を医師が解説
- ストレスで湿疹が出る?写真で見る症状の特徴と原因・対処法
- 発疹と湿疹の違いとは?症状・原因・受診のタイミングを解説
- ダニ刺されに効く薬と皮膚科での治療法を詳しく解説
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – しもやけ(凍瘡)の診断基準・症状分類(樽柿型・多形紅斑型)および治療ガイドラインに関する情報
- 厚生労働省 – ビタミンE製剤・ヘパリン類似物質・ステロイド外用薬・ニフェジピンなど、しもやけ治療に用いられる医薬品の適正使用・効能効果に関する情報
- PubMed – しもやけ(Pernio/Chilblain)の病態メカニズム・ニフェジピン等を用いた治療法・膠原病との鑑別に関する国際的な臨床研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
