
🚨 おしりにしこりがあって、押すと痛い…それ、放置すると危険かもしれません。
「これって何?」「病院行くべき?」と不安なあなたへ。この記事を読めば、原因・受診タイミング・放置リスクがすべてわかります。
💬 こんな症状、ありませんか?
⚡ おしりのしこりは、原因によって治療法や緊急性がまったく異なります。粉瘤・毛包炎のような軽度のものから、肛門周囲膿瘍や痔核など、専門的な治療が必要なものまで幅広い可能性があります。
🚨 放置するとこうなるかも…
📌 感染が広がり、切開・入院が必要になるケースも
📌 膿がたまり、自然には治らない「痔ろう」に進行することも
📌 まれに悪性疾患が隠れているケースも
目次
- おしりのしこりとはどのような状態か
- おしりにしこりができる主な原因
- 粉瘤(アテローム)について詳しく解説
- 肛門周囲膿瘍と痔ろうについて
- 痔核(いぼ痔)が引き起こすしこりと痛み
- 毛包炎・せつ・よう(毛嚢炎系疾患)について
- 尾骨嚢胞(ピロニダルシスト)について
- その他に考えられる原因
- 症状から考える受診すべき診療科
- 放置した場合のリスク
- おしりのしこりの診察・検査の流れ
- 日常生活でできる予防とケア
- まとめ
💡 この記事のポイント
✅ おしりのしこりの原因は粉瘤・肛門周囲膿瘍・痔核・毛包炎・尾骨嚢胞など多岐にわたる
✅ 2週間以上続く場合や発熱を伴う場合は早急に受診が必要
✅ 放置すると感染拡大・悪性化リスクがあるため、早めの受診が大切
💡 おしりのしこりとはどのような状態か
おしりのしこりとは、臀部(でんぶ)と呼ばれるお尻の部分や、その周辺(肛門周囲、尾骨付近、会陰部など)に触れたときにわかる硬い塊や膨らみのことです。しこりには皮膚の表面に近いものから、皮下深くに位置するものまであり、大きさもごく小さなものから数センチに及ぶものまでさまざまです。
「押すと痛い」という症状がある場合、そのしこりに炎症が起きている可能性が高いと考えられます。炎症とは、身体が細菌などの異物に対抗しようとする反応であり、患部が赤くなったり、熱を持ったり、腫れたりすることが特徴です。押したときの痛みはこうした炎症のサインである場合が多く、軽視せず適切に対処することが大切です。
また、しこりの場所によっても原因が異なります。肛門に近い場所であれば痔や肛門周囲膿瘍、お尻の割れ目(臀裂)付近であれば尾骨嚢胞、皮膚の表面に近い場所であれば粉瘤や毛包炎などが疑われます。自己判断は難しいため、症状が続く場合は医療機関への受診をおすすめします。
Q. おしりのしこりを押すと痛い主な原因は何ですか?
おしりのしこりを押すと痛い場合、粉瘤(アテローム)、肛門周囲膿瘍、痔核(いぼ痔)、毛包炎・せつ・よう、尾骨嚢胞などが主な原因として考えられます。押したときの痛みは炎症のサインであることが多く、原因によって治療法や緊急性が大きく異なるため、医療機関への受診が推奨されます。
📌 おしりにしこりができる主な原因
おしりにしこりができる原因は多岐にわたります。以下に代表的なものをご紹介します。
まず皮膚・皮下組織に関連するものとして、粉瘤(アテローム)、毛包炎、せつ・よう、石灰化上皮腫などがあります。これらは皮膚の表面に近い部分で発生することが多く、見た目でもある程度確認できます。
次に肛門・直腸に関連するものとして、痔核(内痔核・外痔核)、肛門周囲膿瘍、痔ろう、肛門ポリープなどがあります。これらは肛門に近い場所にしこりや腫れが生じ、排便時に痛みや出血を伴うことがあります。
臀部の深部に関連するものとしては、尾骨嚢胞(ピロニダルシスト)や坐骨結節部滑液包炎などがあります。これらは比較的珍しい疾患ですが、放置すると慢性化したり感染を繰り返したりする可能性があります。
さらに、まれなケースとして軟部腫瘍や悪性腫瘍の可能性もゼロではありません。しこりの大きさが急速に大きくなる、痛みが非常に強い、発熱が続くなどの症状がある場合は早急に医療機関を受診することが重要です。
✨ 粉瘤(アテローム)について詳しく解説
おしりのしこりの中で最も多い原因のひとつが粉瘤(アテローム)です。粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができて、その中に皮脂や角質などが蓄積したものです。医学的には「表皮嚢腫」とも呼ばれています。
粉瘤の特徴としては、表面がなめらかで丸みのある形をしており、中央部に小さな黒い点(毛穴が塞がったもの)が見えることがあります。触ると皮膚の下でコロコロと動く感じがするのも特徴のひとつです。通常は痛みがありませんが、細菌感染を起こすと赤く腫れ上がり、押すと強い痛みが生じます。これを「炎症性粉瘤」または「感染性粉瘤」と呼びます。
粉瘤はおしり以外にも、背中、頭部、顔など全身のどこにでもできますが、皮脂腺が多く摩擦を受けやすいおしりは粉瘤ができやすい部位のひとつです。特に座り仕事が多い方や、下着による摩擦を受けやすい方はリスクが高まることがあります。
粉瘤が感染して炎症を起こしている場合、抗生物質の投与や切開・排膿による処置が必要になります。ただし、膿を排出するだけでは袋状の構造が残るため、再発することがほとんどです。根本的な治療としては、袋ごと摘出する手術(粉瘤摘出術)が必要です。炎症が落ち着いた後に手術を行うのが一般的ですが、状態によっては炎症中に手術を行う場合もあります。
粉瘤の手術は比較的シンプルな手術で、局所麻酔のもと日帰りで行われることが多いです。切開法と呼ばれる方法や、くり抜き法(トレパン法)と呼ばれる方法があり、粉瘤の大きさや状態に合わせて選択されます。アイシークリニック新宿院では、このような皮膚のしこりに関する相談も受け付けていますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
🔍 肛門周囲膿瘍と痔ろうについて
肛門周囲膿瘍は、肛門の周辺に膿がたまった状態のことです。おしりのしこりを押すと痛いという症状の中でも、特に強い痛みを引き起こすもののひとつです。発熱を伴うことも多く、座ったり歩いたりするだけで強い痛みを感じる場合もあります。
肛門の内部には肛門腺と呼ばれる組織があり、ここに細菌が侵入して感染を起こすことが肛門周囲膿瘍の主な原因です。肛門腺への感染は、下痢などによって細菌が侵入しやすくなることで起こりやすいと考えられています。糖尿病や免疫機能が低下している方は特にリスクが高まります。
肛門周囲膿瘍の治療は、基本的に切開・排膿手術が必要です。自然に破れることもありますが、中途半端に膿が排出されると慢性化する恐れがあります。また、肛門周囲膿瘍が自然に破れるか、治療後に肛門内部とつながったトンネル状の管(瘻管)が形成されることがあり、これを痔ろう(じろう)と呼びます。
痔ろうになると、おしり付近に繰り返し膿が出る小さな穴(外口)ができ、分泌物が出続けることがあります。痔ろうは薬物療法では完治せず、手術が必要な疾患です。手術方法にはいくつかの種類があり、瘻管の位置や状態によって適切な方法が選択されます。痔ろうを長期間放置すると、ごくまれに痔ろう癌と呼ばれる悪性腫瘍に移行するリスクがあることも知っておく必要があります。
肛門周囲膿瘍や痔ろうが疑われる場合は、肛門科や消化器外科を受診するようにしましょう。強い痛みや発熱がある場合は、早急に受診することをおすすめします。
Q. 粉瘤が炎症を起こした場合の治療法を教えてください。
粉瘤が細菌感染して炎症を起こした場合、抗生物質の投与や切開・排膿による処置が行われます。ただし膿を出すだけでは袋状の構造が残り再発するため、根本治療には袋ごと摘出する粉瘤摘出術が必要です。手術は局所麻酔で日帰り対応が多く、アイシークリニックでも相談を受け付けています。
💪 痔核(いぼ痔)が引き起こすしこりと痛み
痔核はいわゆる「いぼ痔」と呼ばれるもので、肛門周辺の静脈が拡張・うっ血してできる腫れのことです。日本人に最も多い痔疾患であり、成人の約3人に1人が何らかの痔の症状を持つといわれています。
痔核には内痔核と外痔核があります。内痔核は肛門の内側(歯状線より上)にできるもので、初期段階では痛みがないことが多く、排便時の出血や脱出(肛門から組織が出てくる)が主な症状です。外痔核は肛門の外側(歯状線より下)にできるもので、触れると痛みを感じやすく、血豆のようなしこりができることがあります。
特に、外痔核に血栓(血の固まり)が生じると「血栓性外痔核」と呼ばれる状態になります。この場合、肛門の外側に青黒い色をした硬いしこりが形成され、強い痛みを伴います。急に症状が現れることが多く、数日間は激しい痛みが続くことがあります。血栓性外痔核は、排便時の強いいきみや激しい運動、長時間の座位などがきっかけになることがあります。
内痔核が進行して脱出したものが戻らなくなる(嵌頓痔核)場合も、強い痛みや腫れを引き起こします。この状態は緊急性が高く、早急な医療処置が必要です。
痔核の治療は、軽症であれば生活習慣の改善や坐薬・軟膏などの保存的治療が行われます。重症の場合は、ゴム輪結紮療法(輪ゴムで痔核を縛る方法)や硬化療法(薬液を注射する方法)、外科的切除術などが選択されます。肛門科や消化器外科への受診が適切です。
🎯 毛包炎・せつ・よう(毛嚢炎系疾患)について
おしりには毛穴が多く存在するため、毛包(毛穴の根元)に細菌が侵入して炎症を起こす毛包炎が発生しやすい部位です。毛包炎は、小さな赤い丘疹(きゅうしん)や膿を持った小さなしこりとして現れ、触ると痛みを感じます。
毛包炎の多くは黄色ブドウ球菌による感染が原因です。免疫機能が低下しているとき、皮膚が傷ついているとき、蒸れやすい環境が続いているときなどに発症しやすくなります。軽症の毛包炎は、抗菌薬の外用(塗り薬)や内服薬で治療されます。
毛包炎がさらに深い部分に及んで、ひとつの毛包周辺に広がった炎症を「せつ(癤)」と呼びます。せつは直径1〜2cm程度の赤く腫れた硬いしこりで、中心部に膿点(のうてん)と呼ばれる白い点が見られることがあります。押すと強い痛みがあり、自然に破れて膿が出ることもあります。
複数のせつが融合して広範囲に広がったものを「よう(癰)」といいます。ようはより深刻な感染症で、広範囲の組織が壊死することもあり、発熱など全身症状を伴うこともあります。特に糖尿病などの基礎疾患がある方は重症化しやすいため、早めの受診が必要です。
せつやようの治療には、抗生物質の内服や点滴のほか、切開・排膿処置が必要な場合があります。毛包炎系疾患が疑われる場合は、皮膚科または形成外科を受診するとよいでしょう。

💡 尾骨嚢胞(ピロニダルシスト)について
尾骨嚢胞(びこつのうほう)は、ピロニダルシスト(pilonidal cyst)とも呼ばれ、臀裂(お尻の割れ目)の上部や尾骨付近に嚢胞(袋状の構造)ができる疾患です。嚢胞の中には毛髪や皮脂、角質などが詰まっていることが多く、感染を起こすと膿がたまり、強い痛みや腫れを引き起こします。
この疾患は欧米人に比較的多く見られますが、日本人にも発症します。若い男性に多い傾向があり、特に毛が深く体毛が多い方、長時間座位で仕事をする方、肥満の方にリスクが高いとされています。「ジープ病」という別名を持つこともあり、かつては長時間ジープに乗る兵士に多く見られたことからこの名がつきました。
症状としては、お尻の割れ目の上部付近に硬いしこりができ、感染すると赤く腫れて強い痛みが生じます。膿が自然に排出されることもありますが、繰り返し感染を起こすことが多く、慢性化することがあります。症状の出ていないときは痛みがなく、単なるへこみや小さな穴(洞口)として確認できることがあります。
急性期(感染・化膿している時期)は切開・排膿によって膿を出す処置が行われますが、根本的な治療としては嚢胞と瘻管を含めた手術的切除が必要です。手術法にはいくつかの方法があり、再発率を下げるために適切な術式を選択することが重要です。尾骨嚢胞が疑われる場合は、外科または形成外科への受診をおすすめします。
Q. 肛門周囲膿瘍を放置するとどうなりますか?
肛門周囲膿瘍を放置すると、膿が自然排出されても完全には治らず、肛門内部とつながるトンネル状の管(瘻管)が形成される痔ろうに移行することがほとんどです。痔ろうは薬物療法では完治せず手術が必要であり、10年以上放置するとごくまれに痔ろう癌という悪性腫瘍が発生するリスクもあります。
📌 その他に考えられる原因
上述した疾患のほかにも、おしりにしこりができる原因はいくつかあります。
石灰化上皮腫(しっかいかじょうひしゅ)は、毛母腫とも呼ばれ、毛包の細胞から発生する良性の腫瘍です。皮膚の下に石のように硬いしこりができるのが特徴で、通常は痛みがありませんが、炎症を起こすと押したときに痛みを感じることがあります。治療は手術による摘出が基本です。
脂肪腫(しぼうしゅ)は、皮下脂肪組織が増殖してできる良性の腫瘍で、全身のどこにでもできます。やわらかくゴムのような弾力があり、押しても通常は痛みが少ないですが、大きくなったり深い場所にある場合は鈍い痛みを感じることがあります。比較的経過観察でよい場合もありますが、大きい場合や症状がある場合は手術で摘出します。
坐骨結節部滑液包炎は、座骨(坐骨)の周囲にある滑液包と呼ばれる組織に炎症が起きた状態です。長時間座り続けることや、硬い椅子での圧迫が原因になることがあります。坐骨部分に痛みや腫れが生じ、座るときに悪化するのが特徴です。
また、おしり付近のリンパ節が腫れることで、しこりのように触れることがあります。鼠径部(股の付け根)のリンパ節は、感染症やその他の疾患によって腫れることがあり、押すと痛みを感じる場合があります。リンパ節の腫れが長期間続く場合や、体重減少・発熱・夜間の発汗などを伴う場合は、早急に医療機関を受診することが重要です。
さらに、まれながら軟部肉腫などの悪性腫瘍がおしりのしこりとして発見されることもあります。悪性腫瘍の場合、しこりが急速に大きくなる、表面が固く不規則な形をしている、周囲の組織に固着している(動かない)などの特徴がありますが、外見だけでは判断が難しいため、医療機関での検査が必要です。
✨ 症状から考える受診すべき診療科
おしりのしこりで押すと痛い場合、どの診療科を受診すればよいか迷う方も多いと思います。症状によって適切な診療科は異なりますので、以下を参考にしてください。
しこりが皮膚の表面に近くあり、皮膚が盛り上がっているような場合は、皮膚科または形成外科・美容外科が適切です。粉瘤、毛包炎、せつ・よう、石灰化上皮腫などは皮膚科や形成外科で診察・治療を受けることができます。粉瘤の手術を専門的に行っているクリニックもあります。
肛門に近い場所にしこりがある、排便時に出血がある、肛門から組織が出てくる感覚がある場合は、肛門科または消化器外科への受診が適切です。痔核、肛門周囲膿瘍、痔ろうなどは肛門科・消化器外科で診断・治療を行います。
お尻の割れ目の上部付近にしこりや穴がある場合は尾骨嚢胞の可能性があります。外科または形成外科へ相談するとよいでしょう。
発熱を伴う場合や強い痛みがある場合は、内科への受診または救急外来を利用することも選択肢のひとつです。特に糖尿病などの基礎疾患がある方は、感染が重症化しやすいため早急に受診することをおすすめします。
しこりの性状がよくわからない、どこに受診すればいいかわからないという場合は、まずかかりつけ医や内科・外科に相談すると、適切な診療科へ紹介してもらえます。
🔍 放置した場合のリスク
おしりのしこりを押すと痛いにもかかわらず、恥ずかしいから、忙しいから、様子を見ていれば治るだろうという理由で放置してしまう方は少なくありません。しかし、原因によっては放置することで症状が悪化したり、治療が複雑になったりするリスクがあります。
粉瘤の場合、感染して炎症を起こした状態を放置すると、膿が周囲の組織に広がり、より広範囲の感染症(蜂窩織炎:ほうかしきえん)に発展する可能性があります。また、炎症を繰り返すことで嚢胞の壁が周囲の組織と癒着し、手術が複雑になってしまうことがあります。
肛門周囲膿瘍を放置した場合、膿が自然に排出されても完全には治らず、痔ろうに移行することがほとんどです。痔ろうを長期間放置した場合、ごくまれに痔ろう癌という悪性腫瘍が発生するリスクがあることが知られています。発症から10年以上経過した痔ろうに多いとされるため、早期の治療が重要です。
毛包炎・せつ・ようは、感染が深部に広がることで壊死性筋膜炎と呼ばれる重篤な感染症に発展する可能性があります。これは皮下組織や筋膜が壊死する非常に危険な状態で、緊急手術が必要になります。特に免疫機能が低下している方や糖尿病の方は注意が必要です。
尾骨嚢胞も放置すると感染を繰り返し、瘻管が複雑化することがあります。また、長期間放置された尾骨嚢胞が悪性化することも報告されています。
そして最も重要な点として、しこりが悪性腫瘍だった場合、放置することで病気が進行し、治療が困難になる可能性があります。早期に発見・治療されれば予後(治療後の経過)が良い場合でも、放置によって進行した場合は治療の選択肢が限られてしまいます。
このように、おしりのしこりを押すと痛い場合は、様子を見るにしても適切な期間を設けることが大切です。2週間以上症状が続く、痛みが強くなっている、発熱がある、しこりが急速に大きくなっているといった場合は早急に受診することを強くおすすめします。
Q. おしりのしこりを予防するために日常生活でできることは?
おしりのしこり予防には、毎日の入浴で清潔を保ちやさしく洗うこと、通気性の良い下着を選んで蒸れを防ぐこと、きつすぎる衣類による摩擦を避けることが有効です。また、食物繊維と水分を十分に摂り排便習慣を整えることが痔の予防につながります。糖尿病などの基礎疾患がある方は血糖コントロールも重要です。
💪 おしりのしこりの診察・検査の流れ

初めておしりのしこりで医療機関を受診する際、どのような診察や検査が行われるのか不安に感じる方も多いかもしれません。一般的な診察の流れについてご説明します。
まず問診(もんしん)が行われます。しこりに気づいた時期、大きさの変化、痛みの程度や性状(ずきずきするか、じんじんするかなど)、発熱の有無、排便との関係、既往歴(これまでにかかった病気)などについて質問されます。できるだけ詳しく答えることで、医師が原因を推測しやすくなります。
次に視診・触診が行われます。医師がしこりを目で見て、触れて確認します。おしりのしこりの場合、患部を確認するために横向きに寝た姿勢やうつ伏せになる姿勢をとることがあります。肛門周囲の疾患が疑われる場合は、肛門鏡という器具を使って肛門内部を確認する場合もあります。プライバシーに配慮した診察が行われますので、医師の指示に従ってください。
必要に応じて画像検査が行われることもあります。超音波検査(エコー)は、しこりの大きさや深さ、内部の性状(液体が入っているかどうかなど)を確認するのに有用です。MRI検査は、より詳細な情報を得るために使用されることがあります。特に肛門周囲膿瘍や痔ろう、尾骨嚢胞の診断では有効な検査です。
血液検査では、炎症の程度を示すCRPや白血球数、感染の有無を確認することができます。糖尿病が疑われる場合は血糖値やHbA1cも測定されます。
摘出したしこりの組織を顕微鏡で調べる病理検査(びょうりけんさ)は、良性か悪性かを確定診断するために行われることがあります。手術で切除した組織は必ず病理検査に提出されるのが一般的です。
🎯 日常生活でできる予防とケア
おしりのしこりを予防するためにできる日常生活のケアについてご紹介します。すでにしこりがある場合の対処法についても触れます。
清潔を保つことは最も基本的かつ重要なケアです。おしりは汗をかきやすく、細菌が繁殖しやすい部位です。毎日入浴またはシャワーで清潔にし、洗い残しがないよう注意してください。ただし、ゴシゴシと強くこすると皮膚を傷つけて毛包炎などの原因になることがあるため、やさしく洗うようにしましょう。
蒸れを防ぐことも大切です。通気性の良い下着を選び、長時間の座位が続く場合は適度に立ち上がって血行を促進させるよう心がけましょう。特に夏場は蒸れやすいため注意が必要です。
摩擦を避けることも予防につながります。きつすぎる下着やズボンは避け、皮膚への摩擦を減らすことが粉瘤や毛包炎の予防に役立ちます。
排便習慣を整えることは、痔の予防に重要です。便秘や下痢が続くと肛門への負担が増加し、痔核や肛門周囲膿瘍のリスクが高まります。食物繊維や水分を十分に摂取し、規則正しい排便を心がけましょう。排便時に強くいきむことは肛門への負担になるため避けましょう。
すでにしこりがある場合、自分で針で刺したり、強く押したりして内容物を出そうとすることは絶対に避けてください。細菌が深部に侵入して感染が広がったり、炎症を悪化させたりする原因になります。温める(温湿布など)ことで血行を促進して炎症を和らげる効果が期待される場合もありますが、感染がある場合は温めることで炎症が広がることがあるため、自己判断で行うのは避け、医師に相談することをおすすめします。
体重管理も重要な予防策のひとつです。肥満は痔の発症リスクを高め、臀部への圧力を増加させます。適切な体重を維持することで、さまざまなおしりのトラブルを予防することができます。
糖尿病などの基礎疾患がある方は、血糖コントロールをしっかり行うことが感染症の予防につながります。血糖値が高い状態では免疫機能が低下し、細菌感染が起きやすくなるため注意が必要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、おしりのしこりを「恥ずかしい」「放置していれば治るだろう」と長期間様子を見た末にご来院される患者様が多く、その中には炎症が進行して治療が複雑になってしまうケースも少なくありません。粉瘤をはじめとするおしりのしこりは早期に適切な処置を行うほど、患者様の負担が軽くなることがほとんどですので、気になる症状があればどうぞ遠慮なくご相談ください。一人ひとりの状態に合わせた丁寧な診察を心がけておりますので、まずは受診という一歩を踏み出していただければと思います。」
💡 よくある質問
主な原因として、粉瘤(アテローム)、肛門周囲膿瘍、痔核(いぼ痔)、毛包炎・せつ・よう、尾骨嚢胞などが挙げられます。押したときの痛みは炎症のサインであることが多く、原因によって治療法や緊急性が大きく異なります。自己判断は難しいため、症状が続く場合は医療機関への受診をおすすめします。
症状によって異なります。皮膚の表面に近いしこり(粉瘤・毛包炎など)は皮膚科または形成外科、肛門に近いしこりや排便時の出血がある場合は肛門科・消化器外科、お尻の割れ目付近のしこりは外科・形成外科が目安です。どこに受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談すると適切な診療科へ紹介してもらえます。
放置すると症状が悪化するリスクがあります。粉瘤は広範囲の感染症(蜂窩織炎)に発展する可能性があり、肛門周囲膿瘍は痔ろうに移行し、長期放置でごくまれに悪性腫瘍化することも報告されています。強い痛みや発熱がある場合、しこりが急速に大きくなる場合は早急に受診してください。
絶対に避けてください。自己処置によって細菌が深部に侵入し、感染が広がったり炎症が悪化したりする危険性があります。膿を出したとしても根本的な解決にはならず、症状が重篤化するリスクもあります。アイシークリニックをはじめとする医療機関で適切な処置を受けることが重要です。
いくつかの対策が有効です。毎日入浴で清潔を保ち、やさしく洗うことを心がけましょう。通気性の良い下着を選んで蒸れを防ぎ、きつすぎる衣類による摩擦も避けてください。また、食物繊維・水分を十分に摂って排便習慣を整えることが痔の予防につながります。糖尿病などの基礎疾患がある方は血糖コントロールも重要です。
📌 まとめ
おしりのしこりを押すと痛い場合、その原因は粉瘤、肛門周囲膿瘍・痔ろう、痔核、毛包炎・せつ・よう、尾骨嚢胞、脂肪腫など多岐にわたります。それぞれ症状の特徴や適切な治療法、受診すべき診療科が異なります。
おしりのしこりは「恥ずかしい」「放置していれば治るだろう」と思いがちですが、放置することで症状が悪化したり、治療が複雑になったりするリスクがあります。特に、強い痛み・発熱がある場合、しこりが急速に大きくなっている場合、2週間以上症状が続く場合は早めに医療機関を受診することが大切です。
皮膚の表面に近い粉瘤や毛包炎系の疾患は皮膚科・形成外科へ、肛門に近い疾患は肛門科・消化器外科へ、尾骨付近の症状は外科・形成外科へ相談することが基本的な目安となります。どこに受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけ医やお近くの内科・外科に相談してみてください。
アイシークリニック新宿院では、粉瘤をはじめとする皮膚のしこりに関する相談を受け付けています。おしりのしこりで気になる症状がある方は、ひとりで悩まず専門医にご相談ください。早期発見・早期治療が最善の結果をもたらします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)や毛包炎などの皮膚疾患に関する診断・治療ガイドラインおよび患者向け情報
- 日本形成外科学会 – 粉瘤・脂肪腫・石灰化上皮腫などの皮下腫瘍の治療方針および手術適応に関する専門的情報
- 厚生労働省 – 肛門周囲膿瘍・痔核・痔ろうを含む肛門疾患の一般向け健康情報および医療機関受診の目安
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
