
👂 耳の前にしこりができて、押すと痛い…
それ、放置していると危険なサインかもしれません。
🚨 こんな不安、ありませんか?
- 😰 「しこりが悪性腫瘍だったら…」と心配
- 😰 いつ病院に行けばいいかわからない
- 😰 何科を受診すればいいか迷っている
この記事を読めば、原因・受診タイミング・受診先がすべてわかります。
💡 この記事でわかること
- 📌 耳の前のしこりが起こる主な原因(耳下腺炎・リンパ節炎・粉瘤など)
- 📌 悪性腫瘍の可能性と見分け方のポイント
- 📌 今すぐ受診すべき症状チェック
- 📌 何科に行けばいいか・受診時に伝えるべきこと
目次
- 耳の前にしこりができるとはどういうこと?
- 押すと痛いしこりの主な原因
- 耳下腺の病気が原因の場合
- リンパ節の腫れが原因の場合
- 皮膚・皮下組織の病変が原因の場合
- 顎関節・その他の構造が原因の場合
- 悪性腫瘍の可能性はあるのか
- こんな症状があれば要注意:受診すべきサイン
- 何科を受診すべきか
- 受診時に医師に伝えるべき情報
- しこりを自己判断することの危険性
- まとめ
この記事のポイント
耳の前のしこりで押すと痛い場合、耳下腺炎・リンパ節炎・粉瘤・顎関節症などが主な原因。痛みがあっても悪性腫瘍を否定できないため自己判断は危険。4週間以上続くしこりや急激な腫れ・発熱を伴う場合は早急に耳鼻咽喉科を受診することが重要。
💡 耳の前にしこりができるとはどういうこと?
耳の前、つまり「耳珠(じちゅ)」と呼ばれる耳の入り口の突起の前方から、こめかみや頬の上部にかけての領域にしこりを感じることがあります。この部位には、耳下腺(じかせん)という唾液を分泌する腺組織、顎関節、顔面神経の枝、表在性のリンパ節、皮膚や皮下脂肪組織などが複雑に存在しており、さまざまな原因でしこりが生じる可能性があります。
しこりとは一般的に、皮膚の下に感じる「かたまり」のことを指します。触れると盛り上がっていたり、指で圧迫すると動いたり動かなかったり、押すと痛みがあったりなかったりするなど、性状はさまざまです。耳の前のしこりを押すと痛い場合は、炎症が関与していることが多いとされています。
また、耳の前にしこりを感じる方の中には、以前から気づいていたけれどそのまま放置していた、あるいは急に気になり始めたという方もいます。しこりの大きさや硬さ、痛みの有無、出現から現在までの期間、発熱や全身倦怠感などの全身症状の有無によって、考えられる原因は大きく異なります。
Q. 耳の前のしこりを押すと痛い原因は何ですか?
耳の前にしこりができて押すと痛い場合、主に炎症や感染が関与していることが多い。代表的な原因は耳下腺炎・耳前リンパ節炎・炎症性粉瘤・顎関節症・毛嚢炎などである。ただし「痛みがある=良性」とは言い切れず、専門医による診察が重要です。
📌 押すと痛いしこりの主な原因
耳の前にしこりができて押すと痛い場合、その原因は大きく以下のカテゴリーに分類されます。
- 耳下腺に関連する疾患
- リンパ節の腫れ(リンパ節炎など)
- 皮膚・皮下組織の病変(粉瘤、脂肪腫、皮膚感染症など)
- 顎関節や顎周囲の問題
- その他(血管腫、神経線維腫など)
これらの中で、痛みを伴うものは主に炎症や感染が関係していることが多いです。一方で、悪性腫瘍は初期に痛みがないことがほとんどですが、炎症を合併したり進行したりすると痛みが生じることもあります。そのため、「痛いから大丈夫」「痛みがないから心配」という単純な判断はできず、専門医による診察が重要です。
以下では、それぞれの原因について詳しく説明していきます。
✨ 耳下腺の病気が原因の場合
✅ 耳下腺炎(じかせんえん)
耳下腺炎は、唾液腺のひとつである耳下腺に炎症が起こる疾患です。耳の前から頬にかけての腫れと圧痛(押すと痛いこと)が典型的な症状であり、「おたふく風邪(流行性耳下腺炎)」がもっともよく知られています。おたふく風邪はムンプスウイルスによる感染症で、主に子どもに多い疾患ですが、大人でも罹患することがあります。両側または片側の耳下腺が腫れ、発熱や倦怠感を伴うことが多く、押すとはっきりとした圧痛を感じます。
一方、細菌性の耳下腺炎もあり、こちらは高齢者や全身状態が低下した方に多く見られます。唾液の分泌量が減少すると細菌が耳下腺内に逆行して感染を引き起こし、急激な腫れと強い痛みが現れます。場合によっては膿が形成され、発熱も伴います。これは医療機関での抗生物質治療や、必要に応じた外科的処置が求められることがあります。
📝 耳下腺の唾石症(だせきしょう)
唾石症は、唾液腺の導管(唾液が流れる管)や腺の中に石灰化した石(唾石)が形成される疾患です。耳下腺よりも顎下腺(がっかせん)に多い疾患ですが、耳下腺にも生じることがあります。唾石があると唾液の流れが妨げられ、食事時に特に腫れや痛みが増すという特徴があります。押すと痛みがあることも多く、繰り返す腫れと痛みが特徴的です。
🔸 耳下腺腫瘍
耳下腺には良性腫瘍と悪性腫瘍が発生することがあります。良性腫瘍として最も多いのは多形腺腫(たけいせんしゅ)で、耳下腺に生じる腫瘍の約70〜80%を占めるとされています。多形腺腫は一般的にゆっくりと大きくなり、弾力のある硬いしこりとして触れることが多いです。初期は痛みがないことが多いですが、サイズが大きくなったり悪性変化が起きたりすると痛みを生じることがあります。ワルチン腫瘍(腺リンパ腫)も良性腫瘍のひとつで、中高年男性に多く、両側性に生じることがあります。
耳下腺の悪性腫瘍は頭頸部の悪性腫瘍の中でも比較的まれですが、見逃してはいけない疾患です。腫瘍が硬く、周囲組織との癒着が強く動かないこと、顔面神経麻痺を伴うことなどが悪性を疑わせるサインです。
Q. 耳の前のしこりは何科を受診すればよいですか?
耳の前のしこりは、まず耳鼻咽喉科への受診が推奨される。耳下腺疾患・耳前リンパ節腫脹・耳珠前瘻孔感染など主要な原因疾患を幅広く診察できるためである。皮膚に赤みや水疱がある場合は皮膚科、口の開閉に症状が連動する場合は口腔外科も適切な選択肢となる。
🔍 リンパ節の腫れが原因の場合
⚡ 耳前リンパ節炎
耳の前には「耳前リンパ節」と呼ばれる小さなリンパ節が存在します。顔や耳の感染症、アレルギー反応、あるいは全身性の感染症が原因でこのリンパ節が腫れることがあります。リンパ節炎では、腫れたリンパ節を押すと痛みがあることが多く、触れると柔らかく動くことが特徴です。
よくある原因としては、目の感染症(結膜炎など)、顔面の皮膚感染症、耳の炎症などが挙げられます。例えば「プール熱」と呼ばれるアデノウイルスによる咽頭結膜熱では、結膜炎に伴って耳前リンパ節が腫れることがよく知られています。
🌟 伝染性単核球症(EBウイルス感染症)
EBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)による伝染性単核球症は、全身のリンパ節が腫れる疾患で、頸部や耳の周囲のリンパ節にも腫れが生じることがあります。高熱・咽頭痛・倦怠感を伴うことが多く、若い世代に多い感染症です。
💬 悪性リンパ腫や転移性リンパ節腫脹
リンパ節のしこりの中には、悪性リンパ腫(リンパ節自体のがん)や、顔面・頭部の悪性腫瘍がリンパ節に転移したものも含まれます。これらは一般に押しても痛みが少ないことが多いですが、全体として一定期間経過しても縮小しない、あるいは徐々に大きくなるリンパ節のしこりは注意が必要です。体重減少・発熱・寝汗などの全身症状を伴う場合には特に早急な受診が必要です。
💪 皮膚・皮下組織の病変が原因の場合
✅ 粉瘤(アテローム)
粉瘤(ふんりゅう)は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂などの老廃物がたまる良性の腫瘤です。顔や耳の周囲にも生じやすく、耳の前にしこりとして触れることがあります。粉瘤自体は炎症が起きていなければ痛みがないことがほとんどですが、細菌感染を起こして「炎症性粉瘤」になると急激に腫れて赤くなり、強い圧痛を生じます。この状態では膿が形成されることもあります。
粉瘤の表面をよく観察すると、中央に黒い点(開口部)が見えることがあり、これが粉瘤を疑う一つの目安になります。炎症を起こした粉瘤は外科的処置が必要になるため、早めの受診をお勧めします。
📝 脂肪腫
脂肪腫は脂肪細胞からなる良性腫瘍で、皮膚の下に柔らかいしこりとして触れます。一般的には痛みがありませんが、炎症が加わったり、神経の近くに生じたりすると圧迫感や痛みを生じることがあります。耳の前に生じることも珍しくありません。
🔸 ニキビ・毛嚢炎(もうのうえん)
ニキビ(座瘡)や毛嚢炎は、毛穴に細菌が感染して炎症を起こした状態です。耳の前の皮膚にも毛穴は存在するため、この部位に炎症性のしこりが生じることがあります。触れると赤みがあり、強い圧痛を伴うことが多いです。比較的小さく、表在性の病変であることが特徴です。
⚡ 耳珠前瘻孔(じちゅぜんろうこう)の感染
耳珠前瘻孔(先天性耳瘻孔)は、耳の前方に生まれつき存在する小さな穴(瘻孔)です。通常は無症状で気づかれないことも多いですが、感染を起こすと開口部周囲が腫れて赤くなり、強い圧痛を生じます。繰り返し感染を起こす場合は外科的切除が検討されます。耳の前に小さな穴がある方はこの疾患を念頭に置いてください。
🌟 帯状疱疹(たいじょうほうしん)
帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスが再活性化して生じる疾患で、体の片側に沿った皮膚の水疱と強い神経痛が特徴です。耳の周囲(耳介や外耳道)に生じた場合をラムゼイ・ハント症候群と呼び、耳の前後の痛み・耳鳴り・難聴・顔面神経麻痺などを伴うことがあります。皮疹が出現する前から痛みを感じることもあり、しこりというよりは灼熱感や疼痛が主体ですが、初期に腫れとして自覚されることもあります。
🎯 顎関節・その他の構造が原因の場合
💬 顎関節症(がくかんせつしょう)
顎関節は耳の直前に位置しており、顎関節症では耳の前の疼痛と腫れ感が生じることがあります。口を開閉したときに音がする(クリック音)、口が開けにくい、あるいは閉じにくいといった症状を伴う場合が多いです。食事や会話で症状が悪化することも特徴的です。顎関節症では、顎関節の滑膜炎によって関節周囲が腫れ、それがしこりのように感じられることがあります。
✅ 第一鰓弓嚢胞(だいいちさいきゅうのうほう)
第一鰓弓嚢胞は先天性の嚢胞で、耳下腺と顎下部の領域に発生することがあります。耳の前から顎にかけて柔らかいしこりとして触れることがあり、感染を起こすと急激な腫れと痛みを生じます。やや専門的な疾患ですが、繰り返す腫れを経験している方は耳鼻咽喉科での診察を受けることをお勧めします。
📝 血腫・外傷後の変化
耳の前の部位を打撲したり、何らかの外傷を受けた後に血腫(血のかたまり)が形成されると、しこりとして触れることがあります。受傷直後は痛みが強く、触れると圧痛があります。外傷の記憶がある場合はこの可能性も考慮してください。
Q. 耳の前のしこりで緊急性が高い症状は何ですか?
以下の症状があれば速やかな受診が必要である。急激な腫れと強いズキズキとした痛み、38℃以上の発熱、口が十分に開けられない開口障害、顔が動かしにくいまたはしびれる顔面神経麻痺症状、しこりからの排膿、耳鳴り・難聴・めまいを伴う場合は特に緊急性が高い。

💡 悪性腫瘍の可能性はあるのか
耳の前のしこりを発見したとき、「がんではないか」という不安を抱く方は多いです。結論から言えば、耳の前のしこりの大部分は良性のものですが、悪性腫瘍を完全に否定することは自己判断では不可能です。
悪性が疑われる特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
- 数週間〜数か月にわたって徐々に大きくなっている
- 硬く、周囲の組織に固定されていて動かない
- 表面が凸凹している
- 顔面神経麻痺(顔が動かしにくい、口が曲がるなど)を伴う
- 原因不明の体重減少や発熱が続く
- しこりが複数ある、または全身のリンパ節が腫れている
これらの特徴が当てはまる場合には、速やかに医療機関を受診することが大切です。一方で、押すと痛い・赤みがある・発熱を伴う・短期間で急に生じたといった特徴は炎症や感染を示唆することが多く、悪性腫瘍よりも良性疾患の可能性が高いとされていますが、それだけで安心してしまうのも危険です。
特に4週間以上続くしこりや、一度小さくなったが再度大きくなったしこりは、専門医による精密検査を受けることをお勧めします。超音波検査やCT・MRI、あるいは細胞を採取して調べる細胞診・組織診などを通じて、正確な診断が可能になります。
📌 こんな症状があれば要注意:受診すべきサイン
以下に当てはまる場合は、なるべく早めに医療機関を受診することを強くお勧めします。
🔸 急ぎで受診が必要なサイン
- しこりの部位が急激に腫れて赤くなり、ズキズキと強い痛みがある
- 38℃以上の発熱を伴っている
- 口が十分に開けられない(開口障害)
- 顔面が動かしにくい、または顔の一部がしびれている
- しこりから膿が出ている、またはその感覚がある
- 耳鳴り・難聴・めまいを伴っている
- 飲み込みが困難になっている
⚡ 数日以内に受診が必要なサイン
- しこりが2〜4週間以上続いている
- しこりが徐々に大きくなっている
- 痛みはないが、触れると硬く動かない
- 原因不明の体重減少や夜間の発汗が続く
- 耳の前以外にも複数のしこりがある
🌟 経過観察しながら受診を検討するサイン
- しこりが1〜2週間以内に生じ、ごく軽度の圧痛がある(ただし悪化したらすぐに受診)
- 風邪や目の炎症など、明らかな原因がある感染症の後にリンパ節が腫れた
ただし、症状に不安がある場合は「経過観察」と自己判断せず、受診して医師に確認することが最も安全です。「たかがしこり」と思っていても、専門家の目から見ると重要な疾患が隠れていることもあります。
✨ 何科を受診すべきか
耳の前のしこりを診てもらう場合、どの診療科を受診すべきかは症状によって異なります。以下を参考にしてください。
💬 耳鼻咽喉科(耳鼻科)
耳の前のしこりの診察においては、まず耳鼻咽喉科を受診することをお勧めするケースが多いです。耳下腺の疾患、耳珠前瘻孔の感染、耳や鼻・喉に関連する感染症によるリンパ節腫脹など、耳の前に生じるしこりの主要な原因疾患を幅広く診察できます。超音波検査なども行うことができ、初期の精査に適しています。
✅ 皮膚科
粉瘤・毛嚢炎・ニキビ・帯状疱疹など、皮膚や皮下組織が原因のしこりには皮膚科が適しています。しこりの表面に皮膚の変化(赤み・水疱・膿など)が目立つ場合は皮膚科への受診も選択肢となります。炎症を起こした粉瘤の処置も皮膚科で行われることが多いです。
📝 形成外科・外科

粉瘤や脂肪腫など、外科的な切除が必要なしこりの治療は形成外科や外科が担当することが多いです。粉瘤の根治治療(袋ごとの摘出)は形成外科・皮膚科・外科で対応可能です。
🔸 口腔外科・歯科
顎関節症や歯・歯肉に関連する感染症が原因でしこりが生じている場合は、口腔外科や歯科での診察が適しています。顎を動かしたときに症状が変化する場合は特に口腔外科への相談が有効です。
⚡ 内科・血液内科
全身症状(発熱・体重減少・倦怠感)を伴うリンパ節腫脹や、悪性リンパ腫が疑われる場合は内科や血液内科への受診が必要になることもあります。かかりつけ医への相談から始めるのも一つの方法です。
どの科に行けばよいか迷った場合は、まずかかりつけ医や内科・耳鼻科を受診し、そこから適切な専門科に紹介してもらうことも有効な方法です。
Q. 耳の前のしこりに痛みがなければ安心できますか?
痛みがないからといって安心はできない。耳下腺悪性腫瘍や転移性リンパ節腫脹は初期に痛みがないことがほとんどである。硬くて周囲に固定され動かない・徐々に大きくなる・原因不明の体重減少を伴うなどの特徴がある場合は悪性が疑われる。4週間以上しこりが続く場合は専門医への受診を推奨する。
🔍 受診時に医師に伝えるべき情報
医師に正確に状況を伝えることで、診察の精度が上がります。受診前に以下の情報を整理しておくと、よりスムーズに診察が進みます。
🌟 しこりについての情報
- いつから気になり始めたか(期間)
- 最初はどのくらいの大きさだったか、現在との変化
- 押したときの痛みの程度(軽い・中程度・強い)
- しこりの硬さや動きやすさ(柔らかい・硬い、動く・動かない)
- 皮膚の表面の変化(赤み・熱感・水疱など)
💬 全身症状・関連症状
- 発熱の有無と体温
- 倦怠感・食欲不振などの全身症状の有無
- 目の充血・分泌物(結膜炎)の有無
- 耳の痛み・耳鳴り・難聴の有無
- 口の開きにくさの有無
- 最近の風邪・感染症の罹患歴
✅ 既往歴・生活歴
- 過去に同様のしこりが出たことがあるか
- アレルギーや持病の有無
- 服用中の薬(特に免疫抑制剤など)
- おたふく風邪の罹患歴・ワクチン接種歴
これらの情報を事前にまとめておくと、診察がよりスムーズに進み、適切な検査や治療につながりやすくなります。
💪 しこりを自己判断することの危険性
インターネットで症状を調べることは情報収集として有用ですが、自己判断で「大丈夫だろう」と放置することには危険が伴います。特に耳の前のしこりについては、次のような点に注意が必要です。
📝 悪性疾患の見落としリスク
耳下腺悪性腫瘍や転移性リンパ節腫脹は、初期には痛みがないことがほとんどです。「痛くないから大丈夫」と放置してしまうことで、早期発見・早期治療のチャンスを逃してしまう可能性があります。悪性腫瘍は早期に発見・治療するほど予後が改善することが多く、発見が遅れるほど治療が複雑になる場合があります。
🔸 炎症・感染症の悪化リスク
炎症性粉瘤や細菌性耳下腺炎、リンパ節炎などは放置すると感染が広がり、より重篤な状態(蜂窩織炎・膿瘍形成など)に発展することがあります。顔面や頸部の感染症は、炎症が気道にまで及ぶと呼吸困難を引き起こす危険性もゼロではありません。
⚡ 不適切な自己処置のリスク
しこりを無理に押したり、針で刺したりする行為は感染を悪化させたり、炎症を周囲に広げたりするリスクがあります。特に粉瘤や毛嚢炎を自分で潰そうとすることは、炎症の悪化や皮膚へのダメージ、瘢痕(傷跡)の形成につながるため、避けていただく必要があります。
🌟 心理的ストレスの継続
受診せずに放置することで、「悪い病気かもしれない」という不安が長期にわたって続き、精神的なストレスにつながることもあります。受診して適切な診断を得ることで、不必要な不安を解消できる場合も多くあります。たとえ受診の結果が「経過観察でよい」という判断であったとしても、専門家に診てもらったという安心感は大きなものです。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、耳の前のしこりを主訴にご来院される患者様の多くが、粉瘤の炎症や耳前リンパ節の腫れといった良性疾患であるケースを多く拝見していますが、なかには早期対応が必要な耳下腺疾患が見つかることもあります。「押すと痛い=大丈夫」という判断は医学的には根拠がなく、痛みの有無だけでなく、しこりの持続期間・硬さ・大きさの変化を総合的に評価することが重要です。気になるしこりを「様子を見よう」と放置されている方ほど診断が遅れるリスクがありますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。」
🎯 よくある質問
押すと痛みがある場合、炎症や感染が関与していることが多いです。主な原因として、耳下腺炎・耳前リンパ節炎・炎症性粉瘤・顎関節症・毛嚢炎などが挙げられます。ただし、「痛いから良性」とは言い切れないため、自己判断での放置は避け、気になる場合は専門医への相談をお勧めします。
まず耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。耳下腺疾患・リンパ節腫脹・耳珠前瘻孔の感染など、耳の前に生じるしこりの主要な原因疾患を幅広く診察できます。皮膚の変化が目立つ場合は皮膚科、顎を動かすと症状が変わる場合は口腔外科も選択肢となります。
以下の症状がある場合は速やかに受診してください。急激な腫れ・赤みと強い痛み、38℃以上の発熱、口が十分に開けられない、顔が動かしにくい・しびれがある、しこりから膿が出ている、耳鳴り・難聴・めまいを伴う場合などは緊急性が高く、早急な対応が必要です。
痛みがないからといって安心はできません。耳下腺悪性腫瘍や転移性リンパ節腫脹は、初期には痛みがないことがほとんどです。硬くて動かない・徐々に大きくなる・原因不明の体重減少を伴うなどの特徴がある場合は悪性が疑われるため、4週間以上しこりが続く場合は専門医への受診をお勧めします。
はい、アイシークリニック新宿院では皮膚・皮下腫瘍に関するご相談を承っております。粉瘤の炎症など皮膚・皮下組織に関わるしこりについてご対応しています。ただし症状によっては耳鼻咽喉科など他科への受診が適切な場合もありますので、まずはお気軽にご相談ください。
💡 まとめ
耳の前にしこりができて押すと痛い場合、その原因は耳下腺炎・リンパ節炎・粉瘤・顎関節症など多岐にわたります。痛みがあるしこりは炎症や感染が関与していることが多い一方で、悪性腫瘍が合併する可能性もゼロではないため、自己判断での放置は避けることが重要です。
急激な腫れ・発熱・強い痛み・顔面神経麻痺などの症状がある場合は緊急性が高く、速やかな受診が必要です。また、4週間以上しこりが続く場合や、徐々に大きくなる場合も早めに専門医への相談をお勧めします。受診先としては、まず耳鼻咽喉科が多くの原因疾患に対応できるため、迷った際には選択肢のひとつとして検討してください。
しこりの正確な診断には、問診・触診に加えて超音波検査・CT・MRI・細胞診などの検査が必要になる場合があります。「きっと大丈夫だろう」という楽観的な判断や、「悪い病気に違いない」という過度な悲観的判断も、いずれも適切な対応の妨げになります。不安に感じたときは、ためらわずに医療機関を受診し、専門家に判断を委ねることが最善の選択肢です。
アイシークリニック新宿院では、皮膚・皮下腫瘍に関するご相談を承っております。耳の前のしこりが気になる方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)・毛嚢炎・帯状疱疹など皮膚・皮下組織の病変に関する診断基準および治療ガイドラインの参照
- 国立感染症研究所 – ムンプスウイルスによる流行性耳下腺炎(おたふく風邪)の感染症情報・疫学データおよびアデノウイルス・EBウイルス感染症(伝染性単核球症)に関する情報の参照
- 厚生労働省 – 頭頸部悪性腫瘍(耳下腺悪性腫瘍・悪性リンパ腫等)に関するがん対策・早期受診啓発情報および医療機関受診の目安となる情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
