ブユに刺された跡が残る理由と正しいケア方法を解説

川や渓流のそばを歩いていると、気づかないうちに足首や手の甲などを刺されていた――そんな経験はないでしょうか。ブユ(ブヨとも呼ばれます)は蚊とは異なる性質を持つ昆虫で、刺された後の症状が強く出やすく、跡が長期間残ることも珍しくありません。「なかなか赤みが引かない」「かゆみがひどくて掻いてしまった」「色素沈着のようなシミが残ってしまった」というお悩みを抱える方は多くいらっしゃいます。この記事では、ブユに刺された跡が残る仕組みから、自宅でできるケア、皮膚科での治療方法まで、医療的な観点から詳しくお伝えします。


目次

  1. ブユとはどんな虫?蚊との違いを知ろう
  2. ブユに刺されるとどんな症状が出るのか
  3. ブユに刺された跡が残りやすい理由
  4. 刺された直後にすべき応急処置
  5. 跡を悪化させないための自宅ケア
  6. 市販薬の選び方と使い方
  7. 皮膚科ではどのような治療が受けられるか
  8. 色素沈着(黒ずみ・シミ)が残った場合の対処法
  9. ブユに刺されないための予防策
  10. 受診の目安となるサイン
  11. まとめ

この記事のポイント

ブユに刺された跡が残る主な原因は、皮膚を噛み切る独特の刺し方・唾液へのアレルギー反応・掻きむしりによる炎症後色素沈着であり、応急処置として洗浄・冷却・ステロイド薬塗布が有効で、改善しない場合は皮膚科への受診が推奨される。

🎯 ブユとはどんな虫?蚊との違いを知ろう

ブユ(学名:Simuliidae)は、双翅目ブユ科に属する小型の昆虫です。体長はわずか2〜5ミリメートルほどで、丸みを帯びたずんぐりとした体型が特徴です。日本各地に生息しており、特に渓流や清流などきれいな水が流れる場所の近くでよく見られます。幼虫期を水中で過ごすため、川遊びや山登り、キャンプなどのアウトドアレジャーを楽しむ人々が被害に遭いやすい虫です。

蚊との最も大きな違いは、刺し方にあります。蚊は針のような口吻を皮膚に差し込んで血を吸いますが、ブユは皮膚をかみ切って出血させ、その血液をなめるように摂取します。この「切り刺し型」の摂食方法が、蚊に比べてはるかに強い炎症反応を引き起こす原因となっています。

また、ブユは刺す際に麻酔作用を持つ唾液を注入するため、刺されている最中に痛みや違和感をほとんど感じません。そのため、刺されたことに気づくのが遅れ、すでに数か所刺されていたというケースも多くあります。活動時間帯は主に日中で、特に気温が上がる春から秋にかけて活発になります。

Q. ブユと蚊の刺し方にはどんな違いがある?

ブユは蚊のように針を刺すのではなく、皮膚を直接かみ切って出血させる「切り刺し型」の摂食方法をとります。また刺す際に麻酔作用のある唾液を注入するため、刺されている最中は痛みをほとんど感じず、気づいたときには複数箇所刺されていることも多いのが特徴です。

📋 ブユに刺されるとどんな症状が出るのか

ブユに刺された後の症状は、蚊に比べて強く、長引く傾向があります。症状の出方には個人差がありますが、一般的に以下のような経過をたどることが多いとされています。

刺された直後は麻酔作用によって無症状か軽度の違和感程度ですが、数時間後から症状が現れ始めます。最初に気づくのは、じわじわとした強いかゆみです。次第に刺された部位が赤く腫れ上がり、熱感を伴うことも多くあります。腫れは蚊の場合と比べて範囲が広く、面積にして数センチメートルに及ぶこともあります。

症状のピークは刺されてから1〜2日後であることが多く、この時期は腫れとかゆみが最も強くなります。水疱(すいほう)と呼ばれる小さな水ぶくれができることもあり、これが破れると潰瘍化することがあります。発熱やリンパ節の腫れなど、全身症状を伴うケースもあり、このような場合は速やかに医療機関を受診することが必要です。

かゆみは1〜2週間続くことが多く、掻き続けてしまうことで皮膚が傷つき、二次的な細菌感染を引き起こすリスクがあります。また、掻くことで炎症が長引き、最終的に色素沈着を残す原因にもなります。

なお、まれにアナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応が起こることがあります。全身にじんましんが出る、呼吸が苦しくなる、意識が遠のくなどの症状が現れた場合は、救急車を呼ぶなど緊急対応が必要です。

💊 ブユに刺された跡が残りやすい理由

ブユに刺された跡が長く残る理由は、蚊の場合とは異なる複数のメカニズムが関与しています。

まず、ブユが皮膚を物理的にかみ切るという刺し方の影響があります。蚊のように細い針で刺す場合と違い、ブユは実際に皮膚組織を傷つけます。この物理的な損傷が強い炎症反応を引き起こし、治癒に時間がかかる原因となります。

次に、唾液成分に対するアレルギー反応が挙げられます。ブユの唾液には、抗凝固物質や血管拡張物質をはじめ、さまざまな生体活性物質が含まれています。これらの物質に対して免疫系が過剰に反応することで、強い炎症が起こります。特に過去にブユに刺されたことがある人や、アレルギー体質の人では反応が強く出る傾向があります。

そして、最も跡が残る原因として「掻きむしり」があります。強烈なかゆみに耐えかねて患部を掻いてしまうと、皮膚が繰り返し傷つき、炎症が長期化します。炎症が慢性化すると、メラニン色素が過剰に産生されて皮膚に沈着し、いわゆる「炎症後色素沈着」が起こります。これが、ブユに刺された跡として黒ずみやシミのように残る原因です。

さらに、掻き傷から細菌が入り込んで感染を起こすと(感染性の二次感染)、さらに皮膚のダメージが大きくなり、跡が残りやすくなります。特に黄色ブドウ球菌などによる感染が起きると、かさぶたや潰瘍を形成し、瘢痕(はんこん)として残ることもあります。

Q. ブユに刺された直後の正しい応急処置は?

ブユに刺されたらまず流水で患部をやさしく洗い、唾液成分を除去します。次にタオルで包んだ保冷剤で10〜15分冷却し、腫れとかゆみを抑えます。その後、ステロイド成分やジフェンヒドラミンなどのかゆみ止めを含む市販薬を塗布してください。症状悪化を防ぐため、絶対に掻かないことが最重要です。

🏥 刺された直後にすべき応急処置

ブユに刺されたことに気づいたら、できるだけ早く適切な応急処置を行うことが、その後の症状の程度や跡の残りやすさを左右します。

最初に行うべきことは、患部の洗浄です。流水で患部をやさしく洗い流し、ブユの唾液成分をできるだけ取り除きます。このとき、強く擦ったり揉んだりせず、水で流す程度にとどめましょう。石けんを使う場合も、刺激の少ないものを選び、やさしく洗います。

次に、冷却です。保冷剤や氷水で冷やしたタオルを患部にあてることで、腫れとかゆみを一時的に和らげることができます。直接氷を肌にあてると凍傷になる恐れがあるため、必ずタオルなどで包んで使用してください。冷却の目安は10〜15分程度です。

かゆみを和らげる方法として、市販の虫刺され用の薬を速やかに塗ることも有効です。特にステロイド成分やかゆみ止め成分(ジフェンヒドラミンなど)が配合されたものが効果的です。詳しくは後の章で解説します。

重要なのは、絶対に掻かないことです。かゆみが強くても、掻くことで症状が悪化し、跡が残りやすくなります。冷却や薬の塗布でかゆみを抑える努力をしましょう。就寝中に無意識に掻いてしまうことも多いため、包帯やガーゼで保護することも一つの手段です。

もし水疱ができた場合は、自分で潰さないことが大切です。無理に潰すと、そこから細菌が侵入して感染を起こしやすくなります。清潔なガーゼや絆創膏で保護し、皮膚科を受診することをおすすめします。

⚠️ 跡を悪化させないための自宅ケア

急性期(刺された直後から数日間)の処置が終わった後も、跡を残さないためには継続的なケアが必要です。

まず大切なのは、患部を清潔に保つことです。毎日入浴やシャワーで患部を洗いますが、このときも強く擦らず、泡でやさしく洗い流すようにしましょう。汗や汚れが付いたままにしておくと、感染のリスクが上がります。

保湿も重要なケアの一つです。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、かゆみが増したり、炎症が長引いたりします。入浴後には保湿剤(ローションやクリームなど)を塗って皮膚を潤わせましょう。ただし、患部に傷や水疱がある場合は、保湿剤が刺激になることがあるため、使用前に薬剤師や医師に相談することをおすすめします。

紫外線への配慮も重要です。炎症を起こした皮膚は紫外線の影響を受けやすく、色素沈着が悪化しやすい状態にあります。外出時には日焼け止めを塗る、衣類や帽子で患部を覆うなどして、直接紫外線が当たらないよう心がけましょう。

食生活も皮膚の回復に影響します。皮膚の再生に必要なビタミンC(コラーゲン合成を助ける)、ビタミンE(抗酸化作用がある)、亜鉛(細胞修復を助ける)などを意識的に摂取することが、回復を促す助けになります。また、水分をしっかりとることで皮膚の潤いを内側から保つことも大切です。

睡眠中は特に無意識のうちに患部を掻いてしまいやすいので、患部を包帯や通気性のよいガーゼで覆っておくと安心です。また、寝る前に市販薬を塗布しておくことで、夜間のかゆみを抑える効果も期待できます。

🔍 市販薬の選び方と使い方

ドラッグストアで手に入る市販薬にもさまざまな種類があり、ブユの刺し跡に適したものを選ぶことが重要です。

ブユの刺し跡に対しては、抗炎症作用のあるステロイド成分を含む外用薬が最もよく使われます。市販のステロイド配合の虫刺され薬としては、ヒドロコルチゾン酢酸エステルやプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなどが配合されたものが利用可能です。ステロイドの濃度(強さ)はいくつかのレベルに分かれており、市販薬では比較的マイルドなものが一般的です。

かゆみ止め成分としては、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)が配合されたものが多く見られます。これらは皮膚に塗布することでかゆみを引き起こすヒスタミンの作用をブロックし、かゆみを抑えます。

清涼感成分(メントールやカンファーなど)が含まれている製品は、塗布した瞬間はひんやりとした感覚でかゆみを一時的に紛らわせますが、これらは根本的な抗炎症作用があるわけではありません。刺激に敏感な方や、傷がある部位には使用に注意が必要です。

市販薬を使用する際の注意点として、以下のことを守ってください。まず、使用前に必ず添付文書を読み、用法・用量を守ることが基本です。ステロイド成分を含む薬を長期間(目安として2週間以上)使い続けると、皮膚が薄くなったり、酒さ様皮膚炎などの副作用が出ることがあります。また、顔や粘膜の近くへの使用には特に注意が必要です。

症状が改善しない場合や、腫れ・赤みが広がる場合、発熱などの全身症状を伴う場合は、自己判断で市販薬を続けるのではなく、皮膚科を受診することを強くおすすめします。

Q. ブユ刺され跡の色素沈着にはどんな治療がある?

ブユ刺され後の炎症後色素沈着には、まず日焼け止めや衣類による徹底した紫外線対策が優先されます。市販のビタミンC誘導体配合美容液も継続使用で改善が期待できます。改善しない場合は皮膚科でハイドロキノンやレチノイン酸の処方、レーザー治療、ケミカルピーリングなど専門的な治療を検討することが推奨されます。

📝 皮膚科ではどのような治療が受けられるか

市販薬では対処できないほどの強い症状や、跡が長く残っている場合は、皮膚科での専門的な治療が必要です。皮膚科を受診することで、症状の程度に合わせた適切な治療を受けることができます。

皮膚科でまず行われるのは、症状の評価です。患部の観察や問診を通じて、炎症の程度、感染の有無、アレルギー反応の強さなどが確認されます。必要に応じて、血液検査が行われることもあります。

炎症が強い場合は、市販薬よりも強いステロイドの外用薬が処方されます。処方薬のステロイドは市販薬に比べて種類と強さのバリエーションが豊富で、炎症の程度や部位に応じて最適なものが選択されます。

かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服薬が処方されることもあります。塗り薬だけでなく、内服することで体の内側からアレルギー反応を抑えることが可能です。

細菌感染(とびひや蜂窩織炎など)が疑われる場合は、抗生物質(内服または外用)が処方されます。感染が起きている場合は、ステロイドだけを使うと症状を悪化させることがあるため、医師による正確な診断が重要です。

症状が非常に強い場合(全身の腫れ、発熱、全身倦怠感など)は、ステロイドの注射や点滴が行われることもあります。また、アナフィラキシーが疑われる場合はアドレナリン注射などの緊急処置が必要になります。

水疱が形成されている場合は、清潔な状態で処置が行われ、感染予防のための処置も施されます。自宅でむやみに水疱を潰すと感染リスクが上がるため、水疱ができた場合は早めに受診することが望ましいです。

💡 色素沈着(黒ずみ・シミ)が残った場合の対処法

ブユに刺された跡として最もやっかいなのが、炎症後に残る色素沈着です。茶色や黒っぽい色素が皮膚に沈着し、シミや黒ずみのように見えるこの状態を「炎症後色素沈着(PIH: Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」と呼びます。

炎症後色素沈着は、皮膚の炎症に反応してメラニン色素を産生するメラノサイトが過活性になることで起こります。メラニンが真皮の浅い層に沈着したものは比較的改善しやすいですが、深い層まで沈着した場合は治療に時間がかかります。

自宅でできるケアとしては、まず紫外線対策が最優先です。紫外線はメラニンの産生を促進するため、色素沈着がある部位に紫外線が当たると症状が悪化します。外出時は日焼け止めを欠かさず塗り、衣類や帽子で患部を保護しましょう。

ビタミンC誘導体を含む美容液や化粧水は、メラニンの生成を抑え、すでに沈着したメラニンを還元(明るくする)する作用があるとされています。市販品にも多くの種類があり、継続的に使用することで徐々に改善が期待できます。ただし、肌に合わない場合は使用を中止し、皮膚科に相談することが必要です。

皮膚科では、より効果的な治療法が提供されます。ハイドロキノンはメラニンの生成を抑える薬剤で、医師の処方のもと使用されます。また、レチノイン酸(トレチノイン)はターンオーバーを促進して色素沈着を改善するとされており、単独でまたはハイドロキノンと組み合わせて使用されることがあります。

美容皮膚科やクリニックでは、レーザー治療やケミカルピーリングといった施術も選択肢に入ります。レーザー治療ではメラニン色素に特定の波長の光を当てて分解する方法が取られ、ケミカルピーリングでは薬剤を用いて古い皮膚の角層を剥がし、ターンオーバーを促進して色素沈着を薄くします。これらの施術は皮膚の状態や色素沈着の深さによって効果が異なるため、事前に医師とよく相談することが重要です。

色素沈着は、適切なケアをしていても改善に数か月〜1年以上かかることがあります。焦って自己流のケアを行うと逆効果になることもありますので、皮膚科専門医に相談しながら治療を進めることをおすすめします。

Q. ブユに刺されたとき救急受診が必要なサインは?

全身に広がるじんましん、顔・唇・舌の腫れ、呼吸困難、意識が遠のく感覚などアナフィラキシーの疑いがある場合は直ちに119番へ連絡してください。また、患部の赤みが拡大する、膿が出る、38度以上の発熱が続くといった感染の兆候がある場合や、市販薬を1週間使用しても症状が改善しない場合も、速やかに皮膚科を受診してください。

✨ ブユに刺されないための予防策

跡を残さないための最善策は、そもそもブユに刺されないことです。ブユの生態や習性を理解した上で、効果的な予防策を取ることが重要です。

ブユが活動しやすい環境と時間帯を知ることが予防の第一歩です。ブユは清流や渓流の近くで特に多く見られます。活動時間帯は主に日中で、気温が上がる春から秋(特に4月〜10月)にかけて活発になります。日差しの弱い曇りの日や、朝夕の涼しい時間帯にも活発に活動することがあります。

衣類による防護が基本的かつ有効な予防策です。肌の露出を最小限にするために、長袖・長ズボン・靴下・グローブを着用しましょう。特に好んで刺される部位(足首、手の甲、首まわり、耳の周辺など)を重点的に覆うことが大切です。靴下はズボンの裾の中に入れ込み、隙間がないようにするとより効果的です。

虫よけスプレー(忌避剤)の使用も有効です。DEET(ジエチルトルアミド)を主成分とした虫よけは、蚊だけでなくブユに対しても一定の効果が期待できます。ただし、ブユは蚊に比べて忌避剤の効果が弱い傾向があるとされているため、衣類での防護と組み合わせることが重要です。肌への塗布だけでなく、衣類に直接スプレーするタイプの製品もあります。小さな子どもに使用する場合は、年齢や使用量に注意が必要ですので、製品の説明書を必ず確認してください。

ブユは風に弱い特性があります。野外で活動する際は、扇風機や携帯型のファンを使ってブユを近づけないようにする工夫も有効です。テントサイトなどでは、風通しのよい場所を選ぶことも一つの手です。

明るい色や白色の衣類を着ることも効果があるとされています。ブユは暗色に引き寄せられる傾向があるといわれているため、白や明るいカラーの服装がおすすめです。ただし、これは完全な防御にはなりません。あくまで他の対策と組み合わせることが重要です。

キャンプや川遊びの際には、虫刺され用の薬をあらかじめ持参しておくことも大切です。刺されてからすぐに対処できるように、応急処置の準備をしておきましょう。

📌 受診の目安となるサイン

ブユに刺された場合、多くのケースでは市販薬や自宅ケアで経過を見ることができますが、以下のような症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診することが必要です。

まず、全身症状が現れた場合は急を要します。全身に広がるじんましん、顔や唇・舌の腫れ、呼吸困難、胸の痛み、動悸、気分不快(意識が薄れるような感覚)などがあれば、アナフィラキシーショックの可能性があります。このような場合はすぐに119番に連絡してください。

次に、感染の兆候がある場合は皮膚科を受診してください。刺された部位が時間とともに赤みが広がる、熱感が強くなる、うみ(膿)が出る、ズキズキとした痛みがある、リンパ節が腫れているなどの症状は、細菌感染が起きているサインである可能性があります。感染が疑われる場合は早期治療が重要です。

発熱が伴う場合も受診が必要です。ブユに刺されてから発熱した場合は、感染やアレルギー反応が強く起きている可能性があります。特に38度以上の高熱が続く場合は医療機関を受診してください。

市販薬を1週間程度使用しても症状が改善しない、またはひどくなる場合も、皮膚科を受診することをおすすめします。自己判断での治療を長期間続けることは、症状の悪化や副作用のリスクを高めることがあります。

色素沈着や跡が2〜3か月以上残り続けている場合も、皮膚科やクリニックへの相談をおすすめします。専門的な治療によって改善が期待できる場合があります。

また、過去にブユやほかの虫刺されで強いアレルギー反応を経験したことがある方は、刺された時点で軽い症状であっても、早めに皮膚科を受診して経過を確認することが安心です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、夏から秋にかけてブユに刺された後の強いかゆみや腫れ、そして色素沈着でお悩みになって受診される患者様が多くいらっしゃいます。ブユの刺し跡は蚊とは異なり炎症が強く長引きやすいため、「掻かない」ことと「早めのステロイド外用」が跡を残さないための最大のポイントです。気になる症状や色素沈着がなかなか改善しない場合は、自己判断で様子を見続けずに、ぜひお早めにご相談ください。」

🎯 よくある質問

ブユに刺された跡が長く残るのはなぜですか?

ブユは皮膚をかみ切る独特の刺し方で物理的なダメージを与えるうえ、唾液成分に対する強いアレルギー反応が起こります。さらに、強烈なかゆみで掻きむしってしまうと炎症が長期化し、メラニン色素が沈着して黒ずみやシミとして残りやすくなります。

ブユに刺された直後にやるべき応急処置を教えてください。

まず流水で患部をやさしく洗い流し、ブユの唾液成分を除去します。次にタオルで包んだ保冷剤で10〜15分冷却し、腫れとかゆみを抑えます。その後、ステロイド成分やかゆみ止め成分を含む市販の虫刺され薬を塗布しましょう。絶対に掻かないことが最重要です。

ブユに刺された跡の色素沈着はどう対処すればよいですか?

まず紫外線対策を徹底し、日焼け止めや衣類で患部を保護することが最優先です。市販のビタミンC誘導体配合の美容液も継続使用で改善が期待できます。なかなか改善しない場合は、皮膚科でハイドロキノンの処方やレーザー治療・ケミカルピーリングなどの専門的な治療を検討してください。

すぐに病院を受診すべき症状はどれですか?

全身のじんましん・顔や唇の腫れ・呼吸困難などのアナフィラキシー症状が出た場合は直ちに119番へ連絡してください。また、患部の赤みが広がる・膿が出る・38度以上の発熱が続くといった感染の兆候がある場合や、市販薬を1週間使用しても改善しない場合も皮膚科を受診してください。

ブユに刺されないための効果的な予防策はありますか?

川や渓流へ行く際は長袖・長ズボン・靴下を着用し、肌の露出を最小限に抑えることが基本です。DEETを含む虫よけスプレーを衣類や肌に併用するとより効果的です。また、ブユは風に弱いため扇風機などの活用も有効で、明るい色の衣類を選ぶことも刺されるリスクを下げる助けになります。

📋 まとめ

ブユに刺された跡が残りやすいのは、その独特の刺し方による皮膚への物理的ダメージと、強いアレルギー反応、そして掻きむしりによる炎症の長期化が主な原因です。跡を残さないためには、刺された直後の適切な応急処置と、その後の継続的なケアが非常に重要です。

刺された直後は流水で洗い、冷却し、市販のステロイド配合の薬を塗布することが基本です。最も大切なのは掻かないことです。どれだけかゆくても、掻くことで症状が悪化し、跡が残りやすくなります。

色素沈着などの跡がすでに残っている場合は、紫外線対策を徹底しつつ、皮膚科や美容皮膚科での専門的な治療を検討することをおすすめします。ハイドロキノンやレチノイン酸の処方薬、またはレーザー治療やケミカルピーリングなど、さまざまな治療の選択肢があります。

予防の面では、川や渓流へ出かける際には長袖・長ズボンで肌を覆い、虫よけスプレーを活用することが効果的です。全身症状や感染の兆候、市販薬で改善しない症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診してください。

ブユによる皮膚トラブルは、適切に対処すれば多くの場合は改善が期待できます。気になる症状や跡が残っている場合は、ぜひ専門の医療機関へご相談ください。アイシークリニック新宿院では、皮膚の状態を丁寧に診察し、一人ひとりに合った治療を提案しています。お気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されに対する皮膚炎の症状・治療法(ステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の使用方針)、炎症後色素沈着(PIH)のメカニズムと皮膚科的治療に関する情報
  • 厚生労働省 – 虫刺されの応急処置・予防策に関する公式ガイダンス、市販薬(ステロイド・抗ヒスタミン薬)の適切な使用方法と受診の目安
  • 国立感染症研究所 – ブユ(Simuliidae)の生態・生息環境・活動時期に関する疫学的情報、刺咬虫による皮膚炎およびアナフィラキシー反応の発生メカニズムに関する専門的知見

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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