肥厚性瘢痕とニキビ跡の違いと治療法|専門クリニックが徹底解説

ニキビ跡が盛り上がったまま…それ、放置するほど悪化するかもしれません。
その盛り上がりは「肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」という状態かもしれません。自然に治ることはほとんどなく、早めの対処が肝心です。
この記事を読めば、原因・見分け方・治療法まで一気にわかります👇

💬 こんな悩みありませんか?

😟「ニキビは治ったのに、肌がぷくっと盛り上がったまま…」
😟「触るとかたくて、メイクしても目立つ…」
😟「これって自分でケアできるの?病院行くべき?」

💡 この記事を読むとわかること

✅ 肥厚性瘢痕とケロイドの見分け方
なりやすい人の特徴と予防策
✅ 病院で受けられる最新治療法まとめ


目次

  1. 肥厚性瘢痕とは何か?基本的な知識
  2. ニキビが肥厚性瘢痕になるメカニズム
  3. 肥厚性瘢痕の症状と見た目の特徴
  4. 肥厚性瘢痕とケロイドの違い
  5. ニキビ跡のタイプ別分類と肥厚性瘢痕の位置づけ
  6. 肥厚性瘢痕になりやすい人・なりやすいニキビの特徴
  7. 肥厚性瘢痕の診断方法
  8. 肥厚性瘢痕の主な治療法
  9. 肥厚性瘢痕の予防策
  10. 日常生活でのセルフケア
  11. まとめ

この記事のポイント

肥厚性瘢痕はニキビ後のコラーゲン過剰産生による盛り上がりで、自然改善は少ない。ステロイド注射・レーザー・シリコンシートで治療可能だが、早期受診が重要とアイシークリニックは解説している。

💡 肥厚性瘢痕とは何か?基本的な知識

肥厚性瘢痕とは、皮膚が傷ついた後の修復過程において、コラーゲンが過剰に産生されることで傷跡が盛り上がった状態のことをいいます。医学的には「増殖性瘢痕」とも呼ばれ、傷が治癒する際に本来必要な量以上の結合組織が形成されることで生じます。

健康な皮膚では、傷がついた後に線維芽細胞がコラーゲンを産生し、傷口を埋めていきます。通常、この修復プロセスは適切なタイミングで停止し、傷跡は平坦に落ち着いていきます。しかし、何らかの原因でこの修復プロセスが過剰に働いてしまうと、コラーゲンが必要以上に蓄積し、皮膚の表面が隆起した状態になります。これが肥厚性瘢痕です。

肥厚性瘢痕は皮膚科学的に正式に定義されており、炎症性ニキビ、外傷、手術後の傷跡、やけどなど、さまざまな皮膚損傷の後に発生する可能性があります。特にニキビによる肥厚性瘢痕は顔面に生じやすく、見た目への影響から多くの方が悩んでいる症状の一つです。

肥厚性瘢痕は日本人を含むアジア人に比較的多く見られる傾向があります。これは皮膚の特性や体質によるものと考えられており、同じニキビの炎症を経験しても、肥厚性瘢痕が残る人と残らない人がいるのはこのためです。

Q. 肥厚性瘢痕とケロイドの違いは何ですか?

肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまる盛り上がりですが、ケロイドは傷の境界を超えて周囲の正常な皮膚にまで広がります。またケロイドは強いかゆみや痛みを伴いやすく、自然治癒しにくい点も異なります。見た目だけでの判断は専門家でも難しいため、専門医への受診が推奨されます。

📌 ニキビが肥厚性瘢痕になるメカニズム

ニキビが肥厚性瘢痕へと進行するまでの過程を理解することは、予防や早期対処の観点から非常に重要です。そのメカニズムを順を追って説明します。

まず、ニキビは毛穴に皮脂や角質が詰まることで始まります。この状態は「コメド(面皰)」と呼ばれ、いわゆる白ニキビや黒ニキビがこれにあたります。コメドの段階では、皮膚に大きなダメージはありません。

次に、毛穴に詰まった皮脂を栄養源としてアクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖します。アクネ菌が産生する脂肪酸などの物質が皮膚を刺激し、炎症反応が引き起こされます。この炎症反応が、いわゆる赤ニキビや化膿したニキビの状態です。炎症が起きている段階で、皮膚の真皮層にまでダメージが及ぶことがあります。

炎症が強い場合、特に化膿して膿がたまったニキビや、深部まで炎症が及んだ嚢胞性ニキビでは、真皮の線維組織が大きく損傷します。その後、皮膚の修復が始まりますが、この修復過程でコラーゲンが過剰に産生されると肥厚性瘢痕が形成されます。

ニキビを自分でつぶしたり、強くこすったりする行為は、炎症を悪化させると同時に、さらに深い部位への損傷を引き起こします。これが肥厚性瘢痕のリスクを大幅に高める要因となります。つまり、ニキビへの不適切な対処が肥厚性瘢痕につながることが多いのです。

さらに、ニキビの治療が遅れて炎症が長期化した場合も、皮膚ダメージが蓄積され、肥厚性瘢痕が生じやすくなります。早期に適切な治療を行うことが、肥厚性瘢痕の予防においてきわめて重要です。

✨ 肥厚性瘢痕の症状と見た目の特徴

肥厚性瘢痕は見た目や触感に特徴的な症状があります。具体的にどのような状態なのかを知ることで、自分のニキビ跡が肥厚性瘢痕かどうかを判断する手助けになります。

見た目の特徴としては、まず皮膚が明らかに盛り上がっていることが挙げられます。高さは数ミリ程度のものから、1センチ以上に及ぶものまでさまざまです。色は赤みがかったピンク色から紫色、あるいは時間が経過すると白みがかった色に変化することもあります。表面は光沢感があり、周囲の正常な皮膚とは明確に境界が分かれています。

触感については、硬く締まった感触があります。押しても弾力があり、周囲の皮膚とは明らかに質感が異なります。初期段階では比較的柔らかく、時間が経つにつれて硬化していく傾向があります。

症状としては、かゆみや軽い痛みを伴うことがあります。特に肥厚性瘢痕が活動期(形成されている途中の段階)にある場合は、かゆみや熱感を感じることがあります。これは、コラーゲンの産生が活発に行われているサインです。

時間の経過とともに変化することも特徴の一つです。形成されてから数ヶ月〜数年の間は徐々に変化し、一般的には時間とともに色が薄くなり、硬さが少し和らぐことがあります。ただし、完全に平坦に戻ることは少なく、放置した場合は何年経っても盛り上がりが残ることが多いです。

顔のニキビ跡として生じる場合、特に額、あご、頬、胸部などに生じやすい傾向があります。これらの部位は皮脂分泌が多く炎症性ニキビができやすいため、その後に肥厚性瘢痕が残るケースが多いのです。

Q. ニキビが肥厚性瘢痕になるのはなぜですか?

ニキビの炎症が真皮層まで達すると、修復過程でコラーゲンが過剰に産生され、皮膚が盛り上がった肥厚性瘢痕が形成されます。特に自分でニキビをつぶす行為は炎症を深部に広げてリスクを高めます。また治療が遅れて炎症が長期化した場合も、皮膚ダメージが蓄積されて形成されやすくなります。

🔍 肥厚性瘢痕とケロイドの違い

「肥厚性瘢痕」と「ケロイド」は混同されやすい言葉ですが、医学的には別の状態です。両者の違いを理解することは、正しい治療法を選ぶうえで非常に重要です。

最大の違いは、病変が元の傷の範囲内にとどまるかどうかです。肥厚性瘢痕は傷がついた部位の範囲内で盛り上がり、その境界を超えることはありません。一方、ケロイドは傷の境界を超えて周囲の正常な皮膚にまで病変が広がっていく性質があります。この点が最も重要な鑑別ポイントです。

経過の面でも違いがあります。肥厚性瘢痕は時間の経過とともに自然に改善する可能性がある一方、ケロイドは自然治癒しにくく、むしろ時間とともに拡大していく傾向があります。

症状の強さについても差があります。ケロイドは強いかゆみや灼熱感、痛みを伴うことが多く、肥厚性瘢痕と比べて症状が強い傾向があります。また、ケロイドは体質的な要素が強く、体質的にケロイドになりやすい人は、小さな傷でもケロイドが形成されやすいといわれています。

治療に対する反応も異なります。肥厚性瘢痕は治療に比較的よく反応しますが、ケロイドは治療後に再発しやすく、難治性のことが多いです。そのためケロイドの治療はより専門的なアプローチが必要とされます。

見た目だけでは専門家でも鑑別が難しい場合があるため、気になる盛り上がりがある場合は、まず皮膚科や美容皮膚科の専門医に診てもらうことをお勧めします。

💪 ニキビ跡のタイプ別分類と肥厚性瘢痕の位置づけ

ニキビ跡にはいくつかのタイプがあり、肥厚性瘢痕はその中の一種です。全体的なニキビ跡の種類を理解することで、自分の状態をより正確に把握することができます。

ニキビ跡は大きく分けて、色素沈着(シミ)、萎縮性瘢痕(凹み)、肥厚性瘢痕(盛り上がり)の3種類に分類されます。

色素沈着は、ニキビの炎症後に生じる赤みや茶色いシミです。医学的には「炎症後色素沈着(PIH)」と呼ばれ、メラニン色素が過剰に産生されることで生じます。これは厳密には「瘢痕」ではなく、時間の経過とともに自然に薄くなることが多い状態です。ただし、紫外線によって悪化するため、日焼け対策が重要です。

萎縮性瘢痕は、ニキビの炎症によって皮膚の構造が破壊され、コラーゲンが失われることで皮膚が凹んだ状態です。「クレーター」と呼ばれることもあります。この状態はさらに、アイスピック型(深く細い穴)、ボックス型(四角い凹み)、ローリング型(なだらかな波状の凹み)に細分類されます。萎縮性瘢痕は一般的なニキビ跡の中でも多いタイプです。

そして肥厚性瘢痕が、コラーゲンの過剰産生による盛り上がりです。萎縮性瘢痕がコラーゲン不足によるのに対し、肥厚性瘢痕はコラーゲン過剰によるものです。萎縮性瘢痕とは逆の方向に皮膚が変化した状態と考えるとわかりやすいでしょう。

一人の方が複数のタイプのニキビ跡を持っていることも珍しくありません。それぞれのタイプによって適切な治療法が異なるため、自分の状態を正確に把握してから治療方針を決めることが大切です。

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🎯 肥厚性瘢痕になりやすい人・なりやすいニキビの特徴

肥厚性瘢痕は誰にでも起こりうるものですが、特定の要因を持つ人や特定のタイプのニキビの後に生じやすい傾向があります。リスク因子を知ることで、注意すべきポイントが明確になります。

肥厚性瘢痕になりやすい人の特徴としては、まず遺伝的素因が挙げられます。家族にケロイドや肥厚性瘢痕が出やすい人がいる場合、同様の体質を受け継いでいる可能性があります。また、アジア系、特に日本人や中国人、韓国人などのアジア系の肌質の方は、西洋人に比べてコラーゲンの産生が過剰になりやすい傾向があるとされています。

年齢も関係します。若い世代(10代〜30代)は皮膚の修復能力が高く、コラーゲンの産生が活発なため、肥厚性瘢痕が形成されやすい年代といわれています。また、ホルモンバランスの乱れがある時期(思春期や妊娠中など)も、コラーゲン産生に影響する可能性があります。

過去に肥厚性瘢痕やケロイドができたことがある方は、再び同様の状態になりやすい体質といえます。一度経験している方は特に注意が必要です。

肥厚性瘢痕になりやすいニキビの特徴としては、まず炎症の強さが重要です。赤く腫れ上がった重症のニキビ、特に嚢胞性ニキビや結節性ニキビは、皮膚深部へのダメージが大きく、肥厚性瘢痕を残しやすいとされています。

また、自分でつぶしたり、無理に膿を出そうとしたりしたニキビも、追加のダメージが加わるため肥厚性瘢痕のリスクが高まります。さらに、適切な治療をせずに長期間炎症が続いたニキビも同様です。

発生部位も関係します。胸部、肩、背中などは顔面と比べてケロイドや肥厚性瘢痕が形成されやすい部位とされており、これらの部位に生じたニキビの跡には特に注意が必要です。

Q. 肥厚性瘢痕になりやすいのはどんな人ですか?

肥厚性瘢痕は、遺伝的素因がある方、日本人を含むアジア系の方、10代〜30代の若い世代、過去に肥厚性瘢痕やケロイドができた方にリスクが高いとされています。重症の嚢胞性・結節性ニキビを経験した方や、胸・肩・背中にニキビができやすい方も注意が必要です。

💡 肥厚性瘢痕の診断方法

肥厚性瘢痕の診断は、基本的には視診と触診を中心とした臨床診断で行われます。専門医が病変の外観、範囲、硬さ、症状などを総合的に評価して診断します。

診断においてまず重要なのは、詳細な問診です。いつからニキビが始まったか、炎症はどの程度だったか、ニキビをつぶした経験はあるか、過去に肥厚性瘢痕やケロイドができたことはあるか、家族歴はあるかなどを確認します。これらの情報が診断の重要な手がかりになります。

視診では、盛り上がりの範囲、色、形状、表面の性状などを観察します。傷の元の範囲を超えているかどうか(ケロイドとの鑑別)、複数の病変がある場合はそれぞれの特徴なども確認します。

触診では、病変の硬さ、弾力性、圧痛の有無などを確認します。肥厚性瘢痕は比較的硬く、押すと弾力があります。

ダーモスコピーという拡大鏡を用いた検査が使用されることもあります。これにより、病変内部の血管パターンや色素の分布などをより詳しく観察することができます。

診断が難しいケースや、悪性腫瘍との鑑別が必要な場合には、皮膚生検(小さな組織を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われることもあります。肥厚性瘢痕では、組織学的にコラーゲン線維が増生した所見が確認されます。

自己判断は難しいことも多いため、盛り上がったニキビ跡が気になる場合は、専門の医療機関を受診することが望ましいです。適切な診断のもとで治療法を選択することが、良好な結果につながります。

📌 肥厚性瘢痕の主な治療法

肥厚性瘢痕の治療には、さまざまなアプローチがあります。重症度や経過時間、患者さんの状態に応じて、単独または組み合わせて治療が行われます。ここでは主な治療法を詳しく解説します。

✅ ステロイド局所注射

肥厚性瘢痕の治療において最もよく行われる治療の一つがステロイド局所注射です。トリアムシノロンアセトニドなどのステロイド薬を病変内に直接注射します。ステロイドはコラーゲンの産生を抑制し、炎症を軽減する効果があります。これにより、盛り上がりが平坦化し、赤みや硬さが改善します。

治療は数週間〜1ヶ月間隔で複数回行われることが一般的です。効果が出るまでに数回の注射が必要なことが多く、治療期間は数ヶ月にわたることもあります。注射時の痛みはありますが、局所麻酔を使用することで軽減できます。副作用として、注射部位の皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)や色素沈着が生じることがありますが、適切な量と方法で行うことでリスクを最小限にできます。

📝 シリコンジェルシートや圧迫療法

シリコンジェルシートを患部に貼ることで、盛り上がりを抑制する効果が期待できます。これは比較的安全で副作用が少ない治療法であり、他の治療と組み合わせて使用されることも多いです。シリコンの保湿効果や圧迫効果によって、コラーゲンの過剰産生が抑えられると考えられています。毎日長時間(12時間以上)の使用を数ヶ月間続けることが必要です。

圧迫療法は、弾性包帯や専用の圧迫衣を使用して病変部を継続的に圧迫する方法です。特に広範囲の瘢痕に有効とされています。

🔸 レーザー治療

レーザー治療は、近年肥厚性瘢痕の治療において広く用いられるようになってきています。使用されるレーザーの種類によって作用機序や効果が異なります。

Nd:YAGレーザーや色素レーザー(パルス色素レーザー)は、病変内の異常な血管を破壊することで赤みを改善し、コラーゲン産生を正常化する効果があります。特に赤みが強い活動期の肥厚性瘢痕に効果的とされています。

フラクショナルレーザーは、皮膚に微細な穴をあけることで皮膚のリモデリングを促進し、瘢痕を改善する治療法です。CO2フラクショナルレーザーやエルビウムヤグレーザーなどが使用されます。盛り上がりを平坦化するとともに、皮膚のテクスチャー改善にも効果があります。

⚡ 外科的切除

薬物療法やレーザー治療で効果が不十分な場合、外科的に瘢痕を切除する方法があります。ただし、切除した後も再び肥厚性瘢痕が形成されるリスクがあるため、術後にステロイド注射や放射線療法などの追加治療が行われることがあります。外科的切除は単独で行うよりも、他の治療との組み合わせで行うことで再発リスクを下げることができます。

🌟 注射療法(ステロイド以外)

ステロイド注射以外にも、5-フルオウラシル(5-FU)の局所注射が行われることがあります。5-FUは抗がん剤の一種ですが、低濃度で肥厚性瘢痕に局所注射することで、コラーゲンを産生する線維芽細胞の増殖を抑制する効果があります。ステロイドと5-FUを組み合わせた注射治療は、それぞれ単独で行うよりも高い効果が期待できるとされており、最近注目されている治療法の一つです。

💬 放射線療法

放射線療法は、主に難治性の肥厚性瘢痕やケロイドに対して使用されます。コラーゲンを産生する線維芽細胞を直接抑制することができます。外科的切除後の再発予防として用いられることが多く、単独での使用よりも外科的治療との組み合わせで効果を発揮します。ただし、放射線を使用することに対して不安を感じる方も多く、また若い方や広範囲の治療には適用が限られることもあります。

✅ ヒアルロン酸・PRPなどの注入療法

美容皮膚科では、肥厚性瘢痕の周囲にヒアルロン酸を注入して周辺との高低差を目立たなくする方法や、PRP(多血小板血漿)を注入して皮膚の再生を促す方法なども行われることがあります。これらは主に見た目の改善を目的とした治療で、他の治療と組み合わせて使用されます。

Q. 肥厚性瘢痕にはどんな治療法がありますか?

肥厚性瘢痕の主な治療法には、コラーゲン産生を抑えるステロイド局所注射、シリコンジェルシートによる圧迫療法、赤みや盛り上がりを改善するレーザー治療、難治例への外科的切除などがあります。アイシークリニックでは、症状の程度や経過期間に応じてこれらを単独または組み合わせて提案しています。

✨ 肥厚性瘢痕の予防策

肥厚性瘢痕は一度形成されると治療に時間と費用がかかるため、できる限り予防することが重要です。特にニキビが炎症を起こしている段階での対処が予防に直結します。

最も重要な予防策は、ニキビを自分でつぶさないことです。自分でニキビをつぶす行為は、炎症を深部に広げ、皮膚へのダメージを大きくします。どうしてもニキビが気になる場合でも、無理やりつぶすのではなく、医療機関で適切な処置を受けることをお勧めします。

炎症性ニキビに対しては早期に適切な治療を行うことが大切です。抗菌薬の外用薬や内服薬、アダパレンなどのレチノイド外用薬など、皮膚科で処方される薬を使用することで、炎症を早期に沈静化させ、皮膚ダメージを最小限に抑えることができます。

紫外線対策も重要です。紫外線は炎症後の色素沈着を悪化させるだけでなく、皮膚の修復過程にも悪影響を与える可能性があります。ニキビ跡がある部位は特に日焼け止めをしっかりと塗るようにしましょう。

肥厚性瘢痕やケロイドができやすい体質と自覚している方は、傷ができた段階でシリコンジェルシートを使用するなど、早期から予防的な対処を行うことが推奨されます。

栄養バランスの良い食事も皮膚の健康維持に貢献します。ビタミンC(コラーゲンの合成に必要)、ビタミンA(皮膚の修復に関与)、亜鉛(炎症の抑制に関与)などの栄養素を十分に摂取することが、皮膚の正常な修復プロセスをサポートします。

ストレス管理も見落とされがちですが重要な予防策です。ストレスはニキビを悪化させるホルモンの分泌を促進し、皮脂の分泌を増加させます。また、ストレスは免疫機能にも影響を与えるため、ニキビの炎症を長引かせる原因になり得ます。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーションなどでストレスを管理することもニキビ対策の一環として重要です。

🔍 日常生活でのセルフケア

肥厚性瘢痕の治療中および治療後の日常生活でのケアについても知っておくことが大切です。医療機関での治療と並行して適切なセルフケアを行うことで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。

スキンケアについては、刺激の少ないマイルドな洗顔料を使用し、こすらずに優しく洗うことが基本です。洗顔後はたっぷりと保湿を行いましょう。保湿は皮膚のバリア機能を維持し、炎症の予防にも役立ちます。敏感肌用やニキビ肌用のスキンケア製品を選ぶと良いでしょう。

メイクに関しては、肥厚性瘢痕の部位への厚塗りや、毛穴を塞ぎやすい製品の使用は避けることが推奨されます。コンシーラーで隠したい気持ちは理解できますが、ニキビ跡周辺のケアを優先することが長期的には見た目の改善につながります。

日焼け止めは毎日の習慣にすることをお勧めします。SPF30以上でPA+++以上の日焼け止めを選び、外出前に塗布してください。肥厚性瘢痕の部位は紫外線の影響を受けやすく、日焼けによって赤みや色素沈着が悪化することがあります。

医療機関でシリコンジェルシートを処方された場合は、指示通りに継続して使用することが大切です。シリコンジェルシートは数ヶ月間の継続使用が必要なため、途中でやめてしまわないようにしましょう。

治療中は処方された薬を正しく使用することが基本です。ステロイド外用薬が処方された場合は、指定の量と塗布する部位を守って使用してください。過剰に塗布すると副作用(皮膚萎縮など)のリスクが高まります。

食生活の面では、高血糖状態を引き起こしやすい食品(砂糖、精製炭水化物など)の過剰摂取を控えることが推奨されています。血糖値の急激な上昇は皮脂の過剰分泌を促し、ニキビを悪化させる可能性があります。野菜、果物、タンパク質をバランスよく摂取することが皮膚の健康維持に役立ちます。

定期的に専門医を受診することも重要です。肥厚性瘢痕の経過を適切にモニタリングし、必要に応じて治療方針を調整してもらうことが、良好な結果につながります。自己判断で治療を中断したり、インターネットの情報だけを頼りにすることは避けましょう。

睡眠の質を高めることも皮膚の修復に欠かせません。睡眠中に分泌される成長ホルモンは、皮膚の修復・再生に重要な役割を果たします。毎晩7〜8時間程度の質の良い睡眠をとるよう心がけましょう。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、ニキビ跡の盛り上がりを気にされて来院される患者様の多くが、肥厚性瘢痕とケロイドの違いを知らないままセルフケアを続けてしまい、症状が固定化してからご相談にいらっしゃるケースが少なくありません。最近の傾向として、早期にステロイド局所注射やレーザー治療を組み合わせることで、より効果的に改善が期待できるようになってきており、一人で悩まず早めにご相談いただくことが大切だと感じています。肥厚性瘢痕は時間が経つほど治療の難易度が上がる場合もありますので、盛り上がりが気になり始めた段階で、ぜひお気軽にご来院ください。

💪 よくある質問

肥厚性瘢痕とケロイドはどう見分ければよいですか?

最大の違いは、病変が元の傷の範囲を超えるかどうかです。肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまりますが、ケロイドは周囲の正常な皮膚にまで広がります。また、ケロイドは強いかゆみや痛みを伴いやすく、自然治癒しにくい傾向があります。見た目だけでの判断は難しいため、専門医への受診をお勧めします。

ニキビ跡が盛り上がっています。自然に治りますか?

肥厚性瘢痕は時間とともに色が薄くなったり硬さが和らいだりすることはありますが、放置しても完全に平坦に戻ることは少ないです。また、時間が経つほど治療の難易度が上がる場合もあります。盛り上がりが気になり始めた段階で、早めに専門医へご相談されることをお勧めします。

肥厚性瘢痕にはどのような治療法がありますか?

主な治療法として、コラーゲン産生を抑えるステロイド局所注射、シリコンジェルシートによる圧迫療法、赤みや盛り上がりを改善するレーザー治療、難治例に対する外科的切除などがあります。症状の程度や経過期間に応じて、これらを単独または組み合わせて行います。アイシークリニックでは患者様の状態に合わせた治療法をご提案しています。

ニキビを自分でつぶすと肥厚性瘢痕になりやすいですか?

はい、大きなリスク要因の一つです。自分でニキビをつぶす行為は炎症を深部に広げ、真皮層へのダメージを悪化させます。これが肥厚性瘢痕の形成につながりやすいため、どうしても気になる場合は自己処置せず、医療機関で適切な処置を受けることが重要です。

肥厚性瘢痕になりやすい人の特徴を教えてください。

遺伝的素因がある方、日本人を含むアジア系の方、10代〜30代の若い世代、過去に肥厚性瘢痕やケロイドができたことがある方はリスクが高いとされています。また、重症の炎症性ニキビ(嚢胞性・結節性)ができた方や、胸・肩・背中にニキビができやすい方も注意が必要です。

🎯 まとめ

肥厚性瘢痕は、炎症性ニキビの後に皮膚が盛り上がった状態で、コラーゲンの過剰産生が原因です。ニキビをつぶしたり、炎症が長期化したりすることでリスクが高まります。ケロイドとは異なり、傷の範囲を超えて広がらないことが特徴ですが、専門医による正確な鑑別が重要です。

治療にはステロイド局所注射、シリコンジェルシート、レーザー治療、外科的切除など複数の選択肢があり、症状や状態に応じて適切な方法が選ばれます。予防の観点では、ニキビを自分でつぶさないこと、早期に適切な治療を受けることが最も重要です。

肥厚性瘢痕は放置していても自然に完全に改善することは少なく、時間が経つほど治療が難しくなる場合もあります。ニキビ跡の盛り上がりが気になる方は、できるだけ早めに専門の医療機関を受診することをお勧めします。アイシークリニック新宿院では、患者様一人ひとりの状態に合わせた適切な治療法をご提案しています。お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 肥厚性瘢痕の定義・診断基準・ケロイドとの鑑別方法および治療ガイドラインに関する情報
  • 日本形成外科学会 – ケロイド・肥厚性瘢痕の病態・治療法(ステロイド注射・レーザー・外科的切除・放射線療法)に関する専門的情報
  • PubMed – 肥厚性瘢痕の発生メカニズム・コラーゲン産生過剰・5-FU併用療法など最新の臨床研究エビデンス

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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