夏に手の皮が剥ける原因と対処法|皮膚科医が解説

夏になると手の皮が剥けてきた、という経験をお持ちの方は多いのではないでしょうか。手のひらや指先の皮が薄く剥がれてきたり、水ぶくれができた後に皮が剥けたり、その症状はさまざまです。夏特有の気候や生活習慣が影響していることも多く、「なぜ夏になると手の皮が剥けるのだろう」と疑問に思っている方も少なくないはずです。この記事では、夏に手の皮が剥ける主な原因から、セルフケアの方法、医療機関を受診すべき目安まで、詳しく解説していきます。


目次

  1. 夏に手の皮が剥ける主な原因
  2. 汗疱(異汗性湿疹)とは?夏に多い水ぶくれと皮剥けの正体
  3. 接触皮膚炎(かぶれ)による手の皮剥け
  4. 日焼けによる皮剥け
  5. 手荒れ・乾燥による皮剥け
  6. 水虫(手白癬)が原因のケース
  7. その他の皮膚疾患との鑑別
  8. 夏の手の皮剥けに対するセルフケア
  9. 医療機関を受診すべき目安
  10. まとめ

この記事のポイント

夏の手の皮剥けは、汗疱・接触皮膚炎・日焼け・手荒れ・手白癬など原因が多様で、正確な診断なく市販薬を使うと悪化するリスクがある。2週間以上改善しない場合は皮膚科への受診が重要。

🎯 夏に手の皮が剥ける主な原因

夏に手の皮が剥ける原因は一つではありません。季節特有の気候変動や生活環境の変化、皮膚の病気など、さまざまな要因が絡み合っています。主な原因として挙げられるのは、以下のようなものです。

まず、夏の高温多湿な環境による発汗の増加です。汗が皮膚の表面に長時間留まることで、皮膚のバリア機能が低下しやすくなります。次に、紫外線による日焼けです。強い紫外線にさらされた皮膚は、ダメージを受けた細胞が剥がれ落ちる過程で皮剥けが起こります。また、冷房による室内外の温度差や、頻繁な手洗い・消毒による皮脂の喪失も、手の皮剥けを引き起こす要因として近年注目されています。

さらに、夏は汗疱(かんほう)と呼ばれる皮膚疾患が悪化しやすい時期でもあります。汗疱は手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが現れる疾患で、春から夏にかけて症状が出やすいことで知られています。水ぶくれが破れると、その後に皮剥けが起こることが多いため、夏に「手の皮が剥ける」と感じる方の中には汗疱が原因のケースが少なくありません。

それぞれの原因について、以下のセクションで詳しく解説していきます。

Q. 夏に汗疱が悪化しやすい理由と主な症状は?

汗疱(異汗性湿疹)は気温・湿度の上昇により春〜夏に悪化しやすい皮膚疾患です。手のひらや指の側面に小さな透明の水ぶくれが現れ、強いかゆみを伴います。水ぶくれが破れて乾燥する過程で皮剥けが起こるため、夏に手の皮が剥ける主な原因の一つとなっています。

📋 汗疱(異汗性湿疹)とは?夏に多い水ぶくれと皮剥けの正体

汗疱(かんほう)は、正式には「異汗性湿疹」とも呼ばれる皮膚の病気で、手のひら・足の裏・指の側面などに小さな水ぶくれが多数現れるのが特徴です。水ぶくれはとても小さく、皮膚の深いところにできるため、一見するとぽつぽつとした湿った感触の丘疹に見えることもあります。

汗疱は春から夏にかけて症状が悪化することが多く、気温や湿度の上昇とともに症状が出やすいとされています。名前に「汗」という文字が入っていることから汗が原因と思われがちですが、実際には汗腺の閉塞だけが原因ではなく、アレルギー反応や免疫の異常、ストレス、ニッケルなどの金属アレルギーとの関連も指摘されています。

汗疱の経過としては、最初に小さな水ぶくれが現れ、かゆみを伴うことが多いです。その後、水ぶくれが破れたり、自然に乾燥したりする過程で皮が剥けてきます。この「皮剥け」の段階で初めて汗疱に気づく方も多く、「夏になったら手の皮が剥けてきた」という訴えの背後に汗疱が隠れていることは珍しくありません。

汗疱は再発を繰り返すことが多く、毎年夏になると同じ症状が出るという方も少なくありません。かゆみが強い場合は、掻きむしることで皮膚への二次感染が起こるリスクもあります。治療には、ステロイド外用薬が用いられることが多く、かゆみが強い場合には抗ヒスタミン薬の内服が処方されることもあります。

汗疱と似た症状を持つ疾患として、手白癬(手の水虫)や掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)などがあります。自己判断で市販薬を使用する前に、皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。特に、市販の水虫薬を汗疱に使用してしまうと、症状が悪化することもあるため注意が必要です。

💊 接触皮膚炎(かぶれ)による手の皮剥け

接触皮膚炎とは、皮膚に何らかの物質が触れることで起こるかぶれのことです。大きく分けて、皮膚への刺激によって起こる「刺激性接触皮膚炎」と、特定の物質へのアレルギー反応によって起こる「アレルギー性接触皮膚炎」の2種類があります。

夏に接触皮膚炎が起こりやすい原因としては、以下のものが挙げられます。まず、日焼け止めや虫除けスプレーなどの夏用スキンケア製品の使用機会が増えることです。これらの製品に含まれる成分にアレルギーを持つ場合、手に塗布した箇所に皮膚炎が起こり、その後に皮剥けが生じることがあります。

また、近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、手洗いや手指消毒の回数が増加しました。消毒用アルコールに含まれる成分に対する刺激性接触皮膚炎は、医療従事者だけでなく一般の方にも多く見られます。洗剤や漂白剤などの化学物質に触れる機会も、夏の大掃除やプールの管理などで増えることがあります。

植物による接触皮膚炎も夏に多く見られます。ウルシ科の植物(ハゼ、ウルシ、ヌルデなど)や、セリ科の植物(ニンジン、パセリなど)に触れた後に紫外線を浴びると、光接触皮膚炎と呼ばれる特殊なかぶれが起こることがあります。これは植物に含まれるフロクマリンという物質と紫外線が反応することで起こるもので、赤みや水ぶくれ、色素沈着を引き起こします。

接触皮膚炎による皮剥けは、原因となる物質との接触を避けることで改善が期待できます。原因物質が特定できない場合は、皮膚科でパッチテストを行い、アレルゲンを特定することが治療の第一歩となります。急性期の治療にはステロイド外用薬が使われることが多く、かゆみには抗ヒスタミン薬が処方されます。

Q. 接触皮膚炎が夏に起こりやすい原因物質は何ですか?

夏は日焼け止めや虫除けスプレーなどの使用増加、消毒用アルコールによる刺激性皮膚炎が起こりやすくなります。また、ウルシ科・セリ科植物に触れた後に紫外線を浴びると「光接触皮膚炎」が発症し、赤み・水ぶくれ・色素沈着を引き起こすことがあります。原因物質の特定には皮膚科でのパッチテストが有効です。

🏥 日焼けによる皮剥け

夏に手の皮が剥ける原因として、多くの方が思い浮かべるのが日焼けではないでしょうか。特に、海やプール、スポーツなどで長時間屋外にいた後に手の甲や指が赤くなり、数日後に皮が剥けてくる経験は夏の一般的な現象として知られています。

日焼けは医学的には「日光皮膚炎」と呼ばれる皮膚の炎症です。紫外線(主にUVB)が皮膚の細胞のDNAを傷つけることで炎症が起こり、赤み・腫れ・痛みが現れます。これが「サンバーン」と呼ばれる急性の日焼け反応です。皮膚は炎症を起こした細胞を排除しようとし、その過程で表皮の細胞が剥がれ落ちるため、皮剥けが起こります。

日焼けによる皮剥けは、通常は日焼けしてから3〜7日後に起こります。皮剥けしている間は新しい皮膚が再生される過程にあるため、無理に剥かないことが大切です。皮剥けを無理に剥がすと、新しい皮膚を傷つけてしまったり、色素沈着が残りやすくなったりすることがあります。

日焼けによる皮剥けへの対処としては、まず患部を冷やして炎症を鎮めることが有効です。水で冷やすか、冷たいタオルを当てるなどして熱感を和らげます。その後、保湿剤を塗って皮膚の乾燥を防ぎます。市販のアフターサンケア製品もこの目的に適しています。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤を使用することも一つの選択肢です。

手の甲は、屋外での活動中に特に紫外線を受けやすい部位です。日焼け止めは汗で落ちやすいため、定期的に塗り直すことも忘れないようにしましょう。手袋や長袖の着用、日傘や帽子で直射日光を避けることなど、日常的な紫外線対策が重要です。

⚠️ 手荒れ・乾燥による皮剥け

「手荒れは冬の問題」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実は夏も手荒れが起こりやすい季節です。夏特有の要因によって手の皮が乾燥し、皮剥けが起こることがあります。

夏の手荒れの主な原因の一つは、冷房による室内の乾燥です。オフィスや商業施設、電車内など、空調の効いた環境に長時間いると、空気が乾燥して皮膚の水分が奪われやすくなります。特に指先や手のひらは皮脂腺が少なく、もともと乾燥しやすい部位です。冷房で乾燥した室内にいながら、屋外では高温多湿という環境の繰り返しは、皮膚にとって大きなストレスとなります。

また、夏は水を使う機会が増えることも手荒れの原因になります。海やプール、シャワーの回数増加、汗を洗い流すための頻繁な洗浄など、水と皮膚が接する機会が増えると、皮脂が洗い流されて皮膚のバリア機能が低下します。洗剤や石鹸も皮膚の天然の保護膜を取り除く作用があるため、食器洗いや洗濯の際に素手で洗剤を使うことは皮膚への負担を高めます。

汗そのものも、実は手荒れの原因になることがあります。汗に含まれる塩分や尿素などの成分が皮膚に刺激を与え、汗をかいた後に十分に洗浄・保湿を行わないと皮膚の炎症を引き起こすことがあります。これは「汗かぶれ」とも呼ばれます。

手荒れによる皮剥けへの対処の基本は、保湿です。手を洗った後は水分が蒸発する前に保湿剤を塗る習慣をつけましょう。ヘパリン類似物質を含む保湿剤は医薬品として薬局で購入できます。洗剤を使う際は手袋を着用する、洗浄力の強い石鹸の使用を控えるなども手荒れ予防に有効です。

Q. 手白癬(手の水虫)の症状と診断方法を教えてください

手白癬は足白癬(水虫)との接触で感染することが多く、手のひら全体が乾燥してざらざらし皮が剥ける「角化型」が多い傾向にあります。かゆみが弱く手荒れと見分けにくいのが特徴です。診断には皮膚科での顕微鏡検査が必要で、自己判断で保湿剤や湿疹薬を使用しても改善しないため、専門医への受診が重要です。

🔍 水虫(手白癬)が原因のケース

「水虫は足だけの病気」と思っている方も多いですが、実は手にも水虫が起こることがあります。これを「手白癬(てはくせん)」といいます。手白癬は足白癬(足の水虫)を持っている方が手で足を触ったり、白癬菌に感染した道具を共有したりすることで感染することがあります。

夏は高温多湿な環境が白癬菌の繁殖に適しているため、足白癬が悪化しやすい季節です。足白癬がある方が足を手で掻いたりすることで、手への感染が広がることがあります。また、プールや銭湯などの共用施設での接触によって感染するケースもあります。

手白癬の症状は足白癬とは少し異なることが多く、手のひら全体が乾燥してざらざらし、皮が剥けてくることが多いです。足では趾間型(指の間がじゅくじゅくするタイプ)や水疱型(水ぶくれができるタイプ)が多いのに対し、手では角化型(皮膚が厚くなり、乾燥・皮剥けが起こるタイプ)が多い傾向にあります。かゆみは足白癬ほど強くないことも多く、手荒れと見分けがつきにくいケースがあります。

手白癬の診断には、皮膚科での顕微鏡検査(皮膚の一部を採取して白癬菌を確認する検査)が必要です。手白癬が疑われる場合は、自己判断で市販の保湿剤や湿疹の薬を使うのではなく、皮膚科を受診して適切な抗真菌薬による治療を受けることが重要です。治療せずに放置すると、爪白癬(爪の水虫)に発展することもあります。

また、足白癬と手白癬を同時に持っている場合は、両方を同時に治療することが再感染を防ぐ上で重要です。足白癬の治療が不十分だと、手白癬が再発するリスクがあります。

📝 その他の皮膚疾患との鑑別

夏の手の皮剥けには、ここまで述べてきた原因以外にも、いくつかの皮膚疾患が関与していることがあります。正確な診断のためには皮膚科を受診することが必要ですが、それぞれの疾患の特徴を知っておくことで、受診の際の参考にすることができます。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手のひらや足の裏に無菌性の膿疱(ウミを含む水ぶくれ)が繰り返し現れる皮膚疾患です。膿疱が破れた後に皮剥けが起こることが多く、汗疱と症状が似ているため見分けにくい場合があります。扁桃炎や歯の感染、喫煙、金属アレルギーなどとの関連が指摘されています。ステロイドなどの外用薬で治療しますが、慢性的に経過することが多い疾患です。

乾癬(かんせん)は、皮膚細胞の過剰な増殖によって起こる慢性的な皮膚疾患で、銀白色のうろこ状の鱗屑(りんせつ)を伴う赤い斑点が特徴的です。手のひらに乾癬が起こることもあり、皮剥けのような症状が見られることがあります。関節炎を合併することもあり、全身的な管理が必要な疾患です。

多形性紅斑は、皮膚や粘膜に多様な形態の発疹が現れる疾患で、手の甲や手のひらに「標的状」と呼ばれる特徴的な皮膚病変が現れることがあります。ウイルス感染(単純ヘルペスウイルスなど)や薬剤アレルギーが原因となることが多く、重症例では全身症状を伴うこともあります。

カワサキ病(川崎病)は主に4歳以下の乳幼児に起こる疾患ですが、回復期に手のひらや足の裏の皮が膜状に剥けることが特徴の一つです。発熱・両目の充血・口唇の発赤・首のリンパ節腫脹などを伴います。お子様の手の皮剥けで発熱などの全身症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。

このように、手の皮剥けの背景には多様な疾患が存在します。セルフケアで改善しない場合や、症状が強い場合は、自己診断をせずに皮膚科を受診することを強くお勧めします。

Q. 夏の手の皮剥けで皮膚科を受診すべき目安は?

セルフケアを続けても2週間以上改善しない場合、かゆみや痛みが日常生活に支障をきたす場合、水ぶくれの内容物が濁っている場合、発熱などの全身症状を伴う場合は早めに皮膚科を受診してください。また、足にも同様の症状がある場合は手白癬の疑いがあり、抗真菌薬による治療が必要なため、自己判断での市販薬使用は避けることが大切です。

💡 夏の手の皮剥けに対するセルフケア

夏の手の皮剥けに対して、自宅でできるセルフケアをいくつかご紹介します。ただし、セルフケアはあくまでも症状の緩和や予防を目的としたものであり、病気による皮剥けの根本的な治療には医師による診察と適切な治療が必要です。症状が重い場合や改善しない場合は皮膚科を受診してください。

保湿ケアを徹底することは、多くの原因による手の皮剥けに共通した基本的なケアです。皮膚のバリア機能を保つためには、適切な保湿が欠かせません。特に手洗いや水を使った後は、すぐに保湿剤を塗る習慣をつけましょう。保湿成分としては、ヘパリン類似物質、セラミド、グリセリン、尿素などを含むものが効果的とされています。ただし、尿素が含まれる保湿剤は傷がある皮膚に使用するとしみることがあるため、皮剥けが激しい時期は使用を控えるか、濃度の低いものを選びましょう。

皮剥けを無理に剥がさないことも大切です。剥けかけた皮を無理に引っ張ると、下にある新しい皮膚を傷つけ、炎症や感染のリスクを高めます。どうしても気になる場合は、入浴後に皮膚が柔らかくなったタイミングで、清潔なハサミで浮き上がった部分だけを丁寧に切り取る程度にとどめましょう。

紫外線対策を行うことも重要です。日焼けによる皮剥けを防ぐためには、外出時に手の甲にも日焼け止めを塗ることが効果的です。日焼け止めはSPF30以上、PA++以上のものを選び、2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されます。また、手袋や長袖の着用、日傘の活用なども紫外線対策として有効です。

洗剤や化学物質から手を守るためにゴム手袋を着用することも、手の皮剥けの予防に役立ちます。食器洗いや掃除など、洗剤を使う際は必ず手袋を着用する習慣をつけましょう。ただし、長時間手袋をしていると手が蒸れてかゆみを増すことがあるため、こまめに外して風を当てることが大切です。

栄養バランスの良い食事も、皮膚の健康維持に重要です。皮膚の再生に必要なビタミンA・C・E、皮膚のバリア機能に関わる亜鉛や必須脂肪酸などを食事からしっかり摂取することで、皮膚の回復力を高めることができます。夏は食欲が落ちがちですが、偏食や栄養不足が皮膚の状態悪化につながることもあるため、バランスの良い食事を心がけましょう。

十分な睡眠と休養を取ることも、皮膚の回復に欠かせません。睡眠中は成長ホルモンが分泌され、皮膚の細胞修復が行われます。睡眠不足や過度のストレスは皮膚の状態を悪化させることがあるため、規則正しい生活を心がけましょう。

かゆみが強い場合は、市販の抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)の内服や、弱いステロイド外用薬を一時的に使用することも選択肢の一つです。ただし、ステロイド外用薬の使用は適応と使用期間を守ることが重要であり、長期使用は皮膚の菲薄化などの副作用を招くことがあります。市販薬を使用しても改善しない場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。

✨ 医療機関を受診すべき目安

手の皮剥けの中には、セルフケアで対処できるものと、医師による治療が必要なものがあります。以下のような状況に当てはまる場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。

まず、症状が2週間以上改善しない場合です。市販薬を使ったり保湿ケアを続けたりしても症状が続く場合は、何らかの皮膚疾患が原因である可能性があります。早めに皮膚科を受診して適切な診断と治療を受けることが大切です。

次に、かゆみや痛みが強く日常生活に支障をきたしている場合です。夜もかゆみで眠れない、仕事や家事に影響が出るほど症状がひどい場合は、医師に相談して適切な薬を処方してもらいましょう。

水ぶくれが多数できている場合や、水ぶくれの内容物が濁っている場合も受診のサインです。透明な水ぶくれであれば汗疱などが疑われますが、黄色く濁っている場合は細菌感染や掌蹠膿疱症が疑われます。これらは適切な治療が必要です。

皮剥けの範囲が広がっている場合や、皮剥けが全身に及んでいる場合も要注意です。特に、発熱や全身倦怠感などの全身症状を伴う場合は、重篤な皮膚疾患や全身疾患の可能性があるため、速やかに医療機関を受診してください。

お子様(特に乳幼児・幼児)の手の皮剥けで、発熱・目の充血・口唇の赤みなどの症状を伴う場合は、川崎病の可能性を考慮して急いで医療機関を受診してください。川崎病は早期治療が重要な疾患です。

足にも同様の症状がある場合は、手白癬(水虫)の可能性があります。白癬の治療には抗真菌薬が必要であり、市販の湿疹の薬では効果がないため、皮膚科を受診して顕微鏡検査で白癬菌を確認してもらうことが必要です。

また、市販の水虫薬を使っても改善しない場合も要注意です。水虫だと思っていた症状が実は汗疱や接触皮膚炎だった、という場合もあります。逆に、汗疱だと思って保湿ケアをしていたら実は水虫だった、というケースもあります。自己判断での治療には限界があるため、改善が見られない場合は皮膚科を受診しましょう。

アイシークリニック新宿院では、手の皮剥けや皮膚のトラブルに対して、丁寧な診察と適切な治療を提供しています。「なんだかいつもと違う」と感じたら、ぜひ一度ご相談ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、夏になると「手の皮が剥けてきた」というご相談が増える傾向にあり、汗疱や接触皮膚炎など、一見似た症状でも原因が異なるケースが多く見られます。水虫だと思って市販薬を使い続けていたが実は汗疱だった、というように自己判断での対処が症状を長引かせてしまうこともあるため、2週間以上改善しない場合や症状が強い場合はお早めにご相談いただくことをお勧めします。正確な診断のもと、お一人おひとりの症状に合った適切な治療を丁寧にご提案いたしますので、気になることがあれば遠慮なくお声がけください。」

📌 よくある質問

夏に手の皮が剥けるのはなぜですか?

夏の手の皮剥けには複数の原因が考えられます。高温多湿による発汗増加、紫外線による日焼け、冷房による乾燥、頻繁な手洗い・消毒による皮脂の喪失などが主な要因です。また、汗疱(異汗性湿疹)という皮膚疾患が原因となっているケースも少なくありません。

汗疱と水虫(手白癬)の症状はどう見分けますか?

汗疱は小さな透明な水ぶくれとかゆみが特徴で、春〜夏に悪化しやすい疾患です。一方、手白癬は手のひら全体が乾燥してざらざらし皮が剥ける症状が多く見られます。見た目での判別は難しく、自己判断での市販薬使用は症状を悪化させる恐れがあるため、皮膚科での顕微鏡検査による正確な診断が必要です。

日焼けで手の皮が剥けた場合、どうケアすればよいですか?

まず冷水や冷たいタオルで患部を冷やし、炎症を鎮めることが大切です。その後、保湿剤を塗って皮膚の乾燥を防ぎましょう。剥けかけた皮を無理に引っ張ると新しい皮膚を傷つけ、色素沈着が残るリスクがあります。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤の使用も選択肢の一つです。

手の皮剥けに対して自宅でできるセルフケアを教えてください。

基本は徹底した保湿ケアです。手洗い後はすぐに保湿剤を塗る習慣をつけましょう。また、皮剥けを無理に剥がさない、手の甲への日焼け止め塗布、洗剤使用時のゴム手袋の着用も有効です。栄養バランスの良い食事と十分な睡眠も皮膚の回復を助けます。

手の皮剥けで皮膚科を受診すべきタイミングはいつですか?

以下の場合は早めに皮膚科を受診することをお勧めします。①セルフケアを続けても2週間以上改善しない、②かゆみや痛みが強く日常生活に支障がある、③水ぶくれが多数ある・内容物が濁っている、④発熱などの全身症状を伴う、⑤足にも同様の症状がある場合です。当院でも丁寧に診察いたしますのでお気軽にご相談ください。

🎯 まとめ

夏に手の皮が剥ける原因は、汗疱(異汗性湿疹)・接触皮膚炎・日焼け・乾燥による手荒れ・手白癬(水虫)など、さまざまなものがあります。それぞれの原因によって治療法や対処法が異なるため、症状の特徴をよく観察することが大切です。

セルフケアとしては、こまめな保湿、皮剥けを無理に剥がさない、紫外線対策の徹底、手袋による刺激からの保護、栄養バランスの良い食事と十分な睡眠などが有効です。

一方で、2週間以上改善しない場合、症状が強い場合、水ぶくれが多数ある場合、全身症状を伴う場合などは、皮膚科への受診をためらわないことが重要です。特に、水虫とその他の皮膚疾患の見分けは専門的な検査が必要であり、誤った自己治療は症状を長引かせたり悪化させたりするリスクがあります。

夏の手の皮剥けは「よくあること」として放置されがちですが、適切なケアと必要に応じた医療機関への受診で、快適な夏を過ごすことができます。気になる症状がある場合は、ぜひ専門医に相談してみてください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 汗疱(異汗性湿疹)・接触皮膚炎・手白癬・掌蹠膿疱症などの診断基準および治療ガイドラインの参照
  • 厚生労働省 – 皮膚疾患(白癬・接触皮膚炎など)に関する公式情報および紫外線対策・手洗い・消毒に関する健康指導情報の参照
  • PubMed – 汗疱・手白癬・接触皮膚炎・掌蹠膿疱症に関する最新の学術論文および臨床研究データの参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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