耳の付け根にしこりができる原因と対処法を徹底解説

耳の付け根にしこりを発見!それ、放置していませんか?

ある日ふと気づいたら、耳の付け根にしこりができていた――そんな経験をお持ちの方は少なくありません。触ってみると硬い、柔らかい、痛みがある、痛みがないなど、しこりの性状はさまざまです。

🗣️ こんな不安、ありませんか?

😟「しこりがあるけど、病院に行くほどじゃないかな…」

😨「悪いものだったらどうしよう…でも怖くて調べられない」

💡 この記事を読めばわかること

耳の付け根のしこりの原因(粉瘤・リンパ節・脂肪腫など)を一気に理解できる

✅ 自分でできるセルフチェックの方法がわかる

すぐに病院へ行くべきサインを見逃さずに済む

🚨 放置すると起こりうるリスク

🔸 感染・化膿して痛みが急激に悪化することがある

🔸 悪性腫瘍のサインを見逃してしまう可能性がある

🔸 早期発見なら簡単な治療で済むものが、手術が必要になるケースも

📌 多くの場合は良性ですが…

急速な増大・強い痛み・顔面神経麻痺・全身症状がある場合は早急な受診が必要です


目次

  1. 耳の付け根にしこりができる主な原因
  2. 粉瘤(アテローム)について
  3. リンパ節の腫れについて
  4. 脂肪腫について
  5. 耳下腺・唾液腺の病変について
  6. その他のしこりの原因
  7. しこりのセルフチェックポイント
  8. 病院を受診すべきタイミング
  9. 受診する診療科の選び方
  10. しこりの診断と治療の流れ
  11. 日常生活での注意点と予防
  12. まとめ

この記事のポイント

耳の付け根のしこりは粉瘤・リンパ節腫脹・脂肪腫・耳下腺腫瘍などが原因で、多くは良性だが、急速な増大・強い痛み・顔面神経麻痺・全身症状がある場合は早急に皮膚科や耳鼻科を受診すべきである。

💡 耳の付け根にしこりができる主な原因

耳の付け根というのは、解剖学的に見ると非常に複雑な構造をしている場所です。皮膚・皮下組織・リンパ節・唾液腺(耳下腺)・筋肉・神経・血管など、さまざまな組織が集まっており、それぞれの組織に由来するしこりが発生する可能性があります。

しこりができる場所を細かく確認すると、「耳たぶの後ろ(耳後部)」「耳の前方(耳前部)」「耳の下(耳下部)」など、少しずつ異なる位置にできることがあります。位置によっても原因として考えられる疾患が異なってくるため、自分のしこりがどの辺りにできているかを把握しておくことが大切です。

耳の付け根にできるしこりの主な原因としては、以下のものが挙げられます。

  • 粉瘤(アテローム)
  • リンパ節の腫れ(リンパ節炎・反応性リンパ節腫脹)
  • 脂肪腫
  • 耳下腺腫瘍(良性・悪性)
  • 皮膚線維腫
  • 石灰化上皮腫(毛母腫)
  • 耳介軟骨膜炎
  • ガングリオン
  • 悪性リンパ腫
  • 転移性リンパ節

このうち、特に頻度が高く多くの方が経験する疾患について、次のセクションから順番に詳しく説明していきます。

Q. 耳の付け根にできるしこりの主な原因は何ですか?

耳の付け根のしこりの主な原因には、粉瘤(アテローム)、リンパ節の腫れ、脂肪腫、耳下腺腫瘍などがあります。耳周辺には皮膚・リンパ節・唾液腺など多様な組織が集まるため、しこりの原因も多岐にわたります。多くは良性疾患ですが、悪性の場合もあるため注意が必要です。

📌 粉瘤(アテローム)について

耳の付け根にできるしこりの中で最もよく見られるもののひとつが、粉瘤(ふんりゅう)です。医学的にはアテロームとも呼ばれます。粉瘤は皮膚の良性腫瘍のひとつで、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂などが蓄積されてできます。

粉瘤は体のあらゆる場所にできますが、耳の周囲や耳の付け根は特にできやすい場所として知られています。その理由は、耳周辺の皮膚には皮脂腺や毛穴が多く存在しており、毛穴が詰まることで粉瘤が形成されやすい環境にあるためです。

粉瘤の特徴的な症状としては、以下の点が挙げられます。

まず、しこりの表面をよく観察すると、中心部に小さな黒い点(コメド様の開口部)が見えることがあります。これは毛穴が詰まった部分であり、粉瘤を見分ける大きな手がかりになります。しこりは丸みを帯びており、皮膚の下でコロコロと動く感触があることが多いです。

大きさは数ミリから数センチまでさまざまで、ゆっくりと時間をかけて大きくなっていく傾向があります。通常の粉瘤は痛みを伴いませんが、感染を起こすと赤く腫れ上がり、強い痛みや熱感を生じることがあります。これを炎症性粉瘤(感染性粉瘤)と呼び、この状態になると急を要する処置が必要になることがあります。

粉瘤は自然に治癒することはほとんどなく、むしろ放置すると徐々に大きくなる傾向があります。治療は外科的な摘出手術が基本となります。手術では袋ごと完全に取り除くことが重要で、袋を残してしまうと再発のリスクが高くなります。

炎症が起きていない状態であれば、比較的短時間(多くは局所麻酔下で30分程度)の日帰り手術で対応できることが多いです。一方、感染している状態では、まず抗生剤の投与や切開排膿によって炎症を鎮めてから、後日改めて摘出手術を行うのが一般的です。

✨ リンパ節の腫れについて

耳の付け根には、複数のリンパ節が存在しています。特に耳の後ろ側(乳様突起の周辺)には後耳介リンパ節、耳の前方には前耳介リンパ節があります。これらのリンパ節は通常小さくて触れないか、触れてもわからない程度のものですが、さまざまな原因によって腫れ(リンパ節腫脹)が生じることがあります。

リンパ節が腫れる最も一般的な原因は感染症です。風邪などの上気道感染、中耳炎、外耳炎、頭皮の感染症などがあると、その周辺のリンパ節が反応して腫れます。これを反応性リンパ節腫脹またはリンパ節炎と呼びます。この場合のリンパ節腫脹は、感染症が改善するとともに徐々に縮小していくことが多いです。

感染症に伴うリンパ節の腫れの特徴としては、圧痛(触ると痛い)があること、発熱や喉の痛みなど他の感染症症状を伴うことが多いこと、しこりがある程度柔らかく可動性があること(動かせること)などが挙げられます。

一方、感染症以外の原因でリンパ節が腫れることもあります。アレルギー反応や、自己免疫疾患に関連したリンパ節腫脹も起こり得ます。また、悪性疾患(悪性リンパ腫や転移性リンパ節など)でもリンパ節が腫れることがあるため、注意が必要です。

風疹ウイルスへの感染でも耳の付け根のリンパ節が腫れることが知られています。風疹の場合は発疹と発熱を伴い、特に後耳介リンパ節・後頚部リンパ節が腫れるという特徴があります。

リンパ節の腫れは多くの場合、原因となる感染症の治療によって自然に解消されますが、数週間以上にわたって腫れが続く場合や、腫れが大きくなり続ける場合、複数のリンパ節が同時に腫れている場合などは、専門医による詳しい検査が必要です。

Q. 粉瘤が感染した場合はどのように治療しますか?

粉瘤が感染して炎症を起こした場合は、まず抗生剤の投与や切開排膿によって炎症を鎮めることが優先されます。炎症が落ち着いた後、改めて袋ごと摘出する手術を行うのが一般的です。炎症のない状態であれば、局所麻酔による日帰り手術で対応できるケースがほとんどです。

🔍 脂肪腫について

脂肪腫は、皮膚の下にある脂肪組織が異常に増殖してできる良性の腫瘍です。体のあらゆる部位にできますが、首や肩、背中などに多く見られ、耳の付け根周辺にも発生することがあります。

脂肪腫の特徴は、触ると柔らかくて弾力があり、皮膚の下でよく動く(可動性が良い)ことです。表面は滑らかで、大きさはさまざまですが、数センチになることもあります。通常は痛みを伴わず、成長も非常にゆっくりしているため、気づかないうちにかなり大きくなっていることもあります。

脂肪腫は良性の腫瘍であるため、基本的に命に関わるものではありません。しかし、大きくなって外見が気になる場合や、周囲の神経や組織を圧迫して不快感が生じる場合には、外科的摘出が検討されます。

なお、脂肪腫に見た目が似ているものに「脂肪肉腫」という悪性腫瘍があります。急速に大きくなる、硬い感触がある、痛みがあるなどの特徴がある場合は注意が必要です。自己判断せずに医療機関で診てもらうことが大切です。

💪 耳下腺・唾液腺の病変について

耳の前方から下にかけての領域には耳下腺(じかせん)があります。耳下腺は三大唾液腺のひとつで、唾液を分泌する器官です。この耳下腺に腫瘍や炎症が生じると、耳の付け根付近にしこりが感じられることがあります。

耳下腺に生じる腫瘍の中で最も多いのが、多形腺腫(たけいせんしゅ)という良性腫瘍です。多形腺腫は耳下腺腫瘍の約70〜80%を占めると言われており、ゆっくりと成長する、無痛性の硬いしこりとして現れます。良性腫瘍ですが、長期間放置すると悪性化するリスクがあるとされており、外科的切除が推奨されることが多いです。

ワルチン腫瘍(腺リンパ腫)も耳下腺に多い良性腫瘍のひとつです。中高年の男性に多く、喫煙との関連が指摘されています。柔らかくて弾力のあるしこりとして触れることが多いです。

耳下腺に悪性腫瘍が発生することもあります。悪性の耳下腺腫瘍は、顔面神経麻痺(顔が動かしにくくなる)を引き起こすことがあり、これは悪性を示唆する重要なサインとなります。また、しこりが硬く、皮膚や周囲組織と癒着して動かしにくいことも特徴です。

耳下腺炎(じかせんえん)はウイルスや細菌による感染によって耳下腺が炎症を起こす病態です。おたふく風邪(流行性耳下腺炎)はムンプスウイルスによる耳下腺炎の代表例で、耳下腺の腫れと痛みを主症状とし、両側性に起こることが多いです。この場合のしこりというよりは、耳全体が腫れるような感覚になることが一般的です。

🎯 その他のしこりの原因

耳の付け根にしこりができる原因は、前述した疾患以外にもいくつか考えられます。

石灰化上皮腫(毛母腫)は、毛母細胞から発生する良性腫瘍で、子どもや若い人に多く見られます。触ると硬く(石のような硬さ)、皮膚の表面は少し凸凹していることがあります。耳の周囲や顔、首などによくできます。悪性化することはほぼなく、治療は外科的切除です。

皮膚線維腫は皮膚の中にできる硬いしこりで、繊維成分が増殖したものです。虫刺されや軽微な外傷がきっかけで生じることがあります。痛みはほとんどなく、良性のものですが、徐々に大きくなる場合は切除を検討します。

外傷性のしこりも考えられます。耳ピアス(ピアッシング)による瘢痕組織やケロイドが、耳の付け根付近にしこりとして触れることがあります。特にケロイド体質の方では、ピアスの穴の周囲に硬く盛り上がったしこりが形成されることがあります。

稀ではありますが、耳の付け根付近に生じるしこりが悪性リンパ腫の一症状であることもあります。悪性リンパ腫では、複数のリンパ節が同時に腫れることが多く、発熱・寝汗・体重減少といった全身症状を伴うことがあります。また、頭頸部の悪性腫瘍(咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がんなど)が耳周辺のリンパ節に転移してしこりとして現れることもあります。

耳介軟骨膜炎は耳介(耳の外に見える部分)の軟骨に感染や炎症が起きる病態で、耳が赤く腫れ、痛みを伴います。しこりというよりも腫れとして感じることが多いですが、耳の付け根付近に硬い腫脹が生じることもあります。

Q. 耳の付け根のしこりで今すぐ受診すべき症状は?

耳の付け根のしこりで早急な受診が必要なのは、①しこりが急速に大きくなる、②強い痛み・赤み・熱感がある、③顔面神経麻痺(顔が動かしにくい)を伴う、④発熱・体重減少などの全身症状がある、⑤2〜3週間以上しこりが消えない場合です。これらは悪性疾患や重篤な感染症のサインとなり得ます。

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💡 しこりのセルフチェックポイント

耳の付け根にしこりに気づいたとき、まずは自分でいくつかの点を確認してみましょう。もちろん、自己判断には限界がありますが、医療機関を受診する際に医師へ伝える情報として役立ちます。

確認すべきポイントのひとつ目は、しこりの位置です。耳たぶの後ろにあるのか、耳の前方にあるのか、耳の下にあるのかによって、疑われる疾患が異なります。例えば、耳の後ろのしこりはリンパ節や粉瘤が多く、耳の前方から下にかけてのしこりは耳下腺の病変が疑われます。

二つ目は、しこりの大きさと形状です。大まかな大きさ(1センチ未満か、それ以上か)と、形(丸いか、いびつか)を確認しておきましょう。また、時間の経過とともに大きくなっている感じがあるかどうかも重要な情報です。

三つ目は、しこりの硬さと可動性です。触ったときに柔らかいか硬いか、また皮膚の下でコロコロと動くかどうかを確認します。硬くて動かない(周囲と癒着している)しこりは、悪性疾患の可能性を示唆するサインのひとつです。

四つ目は、痛みの有無です。触ったときに痛みがあるか、安静にしていても痛みがあるかを確認します。感染性のしこりや炎症性粉瘤は痛みを伴いやすく、良性の腫瘍は通常無痛です。

五つ目は、しこりができた時期と経過です。いつ頃から気になるようになったか、最初に気づいてから大きくなっているか、変化はないかなどを振り返ってみましょう。

六つ目は、随伴する全身症状の有無です。発熱、倦怠感、体重減少、発疹、喉の痛みなどがないかを確認します。これらの症状を伴う場合は、感染症や全身性疾患が関係している可能性があります。

七つ目は、皮膚表面の変化です。しこりの上の皮膚が赤くなっている、熱を持っている、または中心部に小さな黒い点が見えるかどうかを確認します。赤みや熱感は炎症のサイン、黒い点は粉瘤の特徴です。

これらの情報をメモしておくと、受診時に医師が診断を進めるうえで非常に役立ちます。なお、しこりを強く押したり、無理に潰したりすることは絶対に避けてください。特に粉瘤の場合は、無理に押し出そうとすると内容物が周囲に漏れ出して強い炎症を引き起こす可能性があります。

📌 病院を受診すべきタイミング

耳の付け根のしこりは多くの場合、良性疾患であることが多いですが、以下に挙げるような状況では早めに医療機関を受診することをお勧めします。

まず、しこりが急速に大きくなっている場合です。数日から1〜2週間という短期間でしこりが明らかに大きくなっているときは、感染症や悪性疾患の可能性を考える必要があります。

次に、しこりに強い痛みや赤み、熱感がある場合です。これらは炎症や感染のサインです。特に粉瘤が感染した場合は、放置すると周囲組織に炎症が広がる可能性があるため、早めの対処が必要です。

しこりが硬く、皮膚や周囲組織に固着していて動かない場合も受診が必要です。このような特徴は悪性腫瘍を示唆する可能性があります。

発熱、体重減少、極度の倦怠感などの全身症状を伴う場合も、速やかに受診してください。これらの症状と共にリンパ節が腫れている場合は、悪性リンパ腫などの全身疾患が疑われます。

顔面神経麻痺(顔が思うように動かない、片側の口角が下がるなど)を伴う場合は特に緊急性が高いです。耳下腺の悪性腫瘍が顔面神経を圧迫している可能性があるため、早急に専門医を受診してください。

2〜3週間以上経過してもしこりが消えない場合も、一度受診することが推奨されます。感染症に伴うリンパ節の腫れであれば、通常は数週間以内に縮小していきます。それ以上続く場合は、別の原因を考える必要があります。

子どもの場合、大人と比べてリンパ節が腫れやすい傾向がありますが、腫れが長く続く場合や複数箇所に腫れが見られる場合は、小児科や専門科を受診することが大切です。

クリニックで診察を受ける患者と女性医師

✨ 受診する診療科の選び方

耳の付け根のしこりを診てもらう際、どの診療科を受診すればよいかわからないという方も多いかと思います。以下を参考に、状況に応じた診療科を選んでみてください。

皮膚科は、しこりが皮膚に近い浅い場所にある場合の第一選択となります。粉瘤、脂肪腫、石灰化上皮腫、皮膚線維腫などの皮膚・皮下腫瘍を専門としており、これらの診断と治療(摘出手術)に対応しています。耳の付け根のしこりで最も相談しやすい診療科のひとつです。

耳鼻咽喉科(耳鼻科)は、耳・鼻・のどを専門とする診療科で、耳の付け根のしこりに対しては特に適した診療科のひとつです。耳下腺腫瘍、リンパ節の腫れ、外耳道や中耳の炎症に関連したしこりなど、頭頸部領域の疾患を幅広く診察します。

形成外科・美容外科は、皮下腫瘍の摘出手術を専門的に行う診療科です。粉瘤や脂肪腫などの摘出において、傷跡を目立ちにくくする縫合技術にも長けており、特に顔や耳周辺など目立つ部位の手術を検討している場合に適しています。

頭頸部外科は、頭頸部(頭部・首)の腫瘍専門の外科です。耳下腺腫瘍や頸部リンパ節の腫瘍など、より複雑な病変に対応できます。大学病院や総合病院に設置されていることが多い診療科です。

内科・総合診療科は、どの科に行けばよいかわからない場合の入口として利用できます。症状を聞いて適切な専門科へ紹介してくれることも多く、まずかかりつけ医に相談するのもひとつの方法です。

迷った場合は、まずかかりつけ医や皮膚科、耳鼻科に相談するのが良いでしょう。受診した医師が必要と判断した場合は、適切な専門科へ紹介状を書いてもらえます。

Q. 耳の付け根のしこりは何科を受診すればよいですか?

耳の付け根のしこりは、皮膚に近い浅い場所にある場合は皮膚科、耳下腺腫瘍やリンパ節の腫れが疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しています。迷う場合はかかりつけ医への相談も有効で、必要に応じて専門科へ紹介してもらえます。アイシークリニック新宿院では粉瘤や脂肪腫などの皮下腫瘍の診察・治療を行っています。

🔍 しこりの診断と治療の流れ

医療機関を受診すると、まず問診と視診・触診(診察)が行われます。いつからしこりに気づいたか、大きさの変化はあるか、痛みはあるか、他に症状はないかなどを確認します。

触診では、しこりの大きさ・硬さ・可動性・表面の状態・皮膚との癒着の有無などを確認します。経験豊富な医師であれば、触診だけである程度の診断をつけられることも多いです。

より詳しい検査が必要な場合は、画像検査が行われます。超音波検査(エコー検査)は放射線を使わずにしこりの内部構造を確認できる検査で、多くのクリニックでも実施可能です。しこりが液体成分を含むのか固形成分なのか、内部の血流はあるかなどを確認できます。

CT検査やMRI検査は、より詳細な情報が必要な場合や、しこりが深部にある場合に行われます。周囲への広がりや、リンパ節への転移の有無なども確認できます。

確定診断のためには、病理検査(組織検査)が行われることがあります。細胞診や生検と呼ばれる方法で、しこりから細胞や組織を採取して顕微鏡で観察します。これにより、良性か悪性かを確定することができます。

治療については、診断によって大きく異なります。粉瘤や脂肪腫などの良性腫瘍は、外科的摘出が根本治療となります。手術は多くの場合、局所麻酔下での日帰り手術が可能です。しこりの大きさや位置によって手術の方法は異なりますが、一般的には切開して腫瘍を摘出し、縫合するという流れです。

感染症に伴うリンパ節腫脹の場合は、原因疾患(風邪や中耳炎など)の治療が優先されます。抗生剤や抗ウイルス薬の投与によって感染症が改善すれば、リンパ節の腫れも自然に解消されることが多いです。

耳下腺腫瘍が疑われる場合は、手術的摘出が選択されることが多いですが、顔面神経の近くに位置するため、高度な技術が必要です。頭頸部外科や耳鼻咽喉科の専門医による手術が行われます。

悪性腫瘍が疑われる場合は、手術・放射線治療・化学療法など、がんの種類や進行度に応じた集学的治療が行われます。いずれにしても、早期に発見して適切な治療を受けることが最善の転帰につながります。

💪 日常生活での注意点と予防

耳の付け根にしこりができた場合、日常生活でいくつかの点に注意することが大切です。また、しこりの予防や早期発見のためにできることもあります。

しこりを触りすぎない、押しつぶそうとしないことは非常に重要です。無理な刺激を与えると炎症や感染が悪化する可能性があります。特に粉瘤は絶対に自分で潰そうとしないでください。内容物が周囲に広がり、強い炎症を引き起こす可能性があります。

日頃から耳周辺を清潔に保つことが大切です。耳の後ろや耳の付け根は、汗や皮脂が溜まりやすい場所です。入浴時にはしっかりと洗い流しましょう。ただし、強くこすりすぎると皮膚に傷がつき、感染のリスクが高まるため、優しく洗うようにしてください。

ピアスをつけている方は、ピアスホールを清潔に保つことが重要です。ピアスの素材によってはアレルギー反応が起きることがあり、ケロイドや肉芽腫の形成につながることがあります。ピアスを開けた後は適切なアフターケアを行い、不調を感じたら早めに皮膚科を受診しましょう。

免疫力の維持も大切です。疲労や睡眠不足、ストレスが蓄積すると免疫機能が低下し、感染症にかかりやすくなります。十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動を心がけることが、感染症予防、ひいてはリンパ節の腫れの予防につながります。

定期的なセルフチェックを習慣にすることも勧められます。月に一度程度、鏡で耳周辺を確認したり、触って異常がないかを確認したりする習慣をつけておくと、しこりの早期発見につながります。

また、ワクチン接種も感染症予防に役立ちます。風疹やおたふく風邪(ムンプス)のワクチン接種を受けることで、これらのウイルスに関連したリンパ節腫脹や耳下腺炎を予防できます。特にワクチン未接種の方や抗体価が低い方は、接種を検討する価値があります。

しこりに気づいたとき、「様子を見よう」と思って長期間放置してしまうケースは少なくありません。しかし、良性の腫瘍でも放置すれば大きくなり、手術の難易度が上がる可能性があります。また、悪性疾患であれば早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。気になるしこりがあれば、早めに専門家に診てもらうことが最善の対応です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「耳の付け根のしこりは「触ってみたら気になってしまうけれど、病院に行くほどのことかどうか…」とためらわれる患者様が多く、当院でも受診のきっかけをお聞きすると長期間様子を見ていたというケースが少なくありません。最も多く診察するのは粉瘤(アテローム)で、感染を起こして痛みが強くなってから来院される方もいらっしゃいますが、炎症が起きる前にご相談いただけると、より短時間・低侵襲な日帰り手術で対応できることがほとんどです。しこりの性状によっては耳下腺腫瘍や悪性疾患の可能性も否定できないため、「まだ小さいから大丈夫」と自己判断せず、気になった時点でお早めにご相談いただくことが、結果的に患者様ご自身の負担を最小限に抑えることにつながります。

🎯 よくある質問

耳の付け根のしこりは放置しても大丈夫ですか?

多くの場合は良性疾患ですが、放置はお勧めできません。粉瘤などの良性腫瘍でも放置すると徐々に大きくなり、手術の難易度が上がる可能性があります。また、悪性疾患であれば早期発見・早期治療が予後を大きく左右します。気になるしこりがあれば、早めに皮膚科や耳鼻科などの専門医に相談することが大切です。

耳の付け根のしこりは何科を受診すればよいですか?

しこりが皮膚に近い浅い場所にある場合は皮膚科、耳下腺腫瘍やリンパ節の腫れが疑われる場合は耳鼻咽喉科が適しています。どの科に行けばよいか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談するのも一つの方法です。受診した医師が必要と判断した場合は、適切な専門科へ紹介してもらえます。

耳の付け根のしこりを自分で潰してもよいですか?

絶対に避けてください。特に粉瘤の場合、無理に潰そうとすると内容物が周囲に漏れ出し、強い炎症を引き起こす危険性があります。しこりへの過度な刺激は感染や炎症の悪化につながるため、触りすぎず、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることが重要です。

耳の付け根のしこりで、すぐに病院へ行くべき症状は何ですか?

以下の場合は早急に受診してください。①しこりが急速に大きくなっている、②強い痛み・赤み・熱感がある、③顔面神経麻痺(顔が動かしにくい)を伴う、④発熱・体重減少などの全身症状がある、⑤2〜3週間以上経過してもしこりが消えない。これらは感染症や悪性疾患の可能性を示すサインです。

耳の付け根にできた粉瘤の治療はどのように行われますか?

粉瘤の根本治療は外科的摘出手術です。袋ごと完全に取り除くことが重要で、袋を残すと再発リスクが高まります。炎症がない状態であれば、局所麻酔による日帰り手術で対応できることがほとんどです。一方、感染している場合はまず抗生剤投与や切開排膿で炎症を鎮めてから、後日改めて摘出手術を行うのが一般的です。アイシークリニック新宿院でも粉瘤の診察・治療を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

💡 まとめ

耳の付け根にできるしこりの原因は、粉瘤・リンパ節腫脹・脂肪腫・耳下腺腫瘍など多岐にわたります。多くの場合は良性疾患ですが、中には早めの対処が必要なものも存在します。

しこりを発見したときは、位置・大きさ・硬さ・痛みの有無・経過などを確認してメモしておくと、受診時に役立ちます。しこりを無理に刺激したり潰そうとしたりすることは避け、気になる場合は早めに皮膚科や耳鼻科などの専門医に相談することが大切です。

特に、しこりが急速に大きくなる、強い痛みや赤み・熱感がある、顔面神経麻痺を伴う、全身症状(発熱・体重減少など)を伴う場合は、早急に医療機関を受診してください。早期発見・早期治療が、より良い治療結果につながります。

アイシークリニック新宿院では、粉瘤や脂肪腫などの皮下腫瘍に対する診察・治療を行っています。耳の付け根にしこりを見つけてご不安な方は、お気軽にご相談ください。適切な診察と検査を通じて、皆様の不安に寄り添いながら最適な治療方法をご提案いたします。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)・脂肪腫・石灰化上皮腫などの皮膚・皮下腫瘍の診断基準や治療ガイドラインの参照
  • 国立感染症研究所 – 風疹・おたふく風邪(流行性耳下腺炎)などのウイルス感染症によるリンパ節腫脹の疫学・感染症情報の参照
  • 厚生労働省 – 感染症予防(風疹・ムンプスワクチン接種を含む)に関する公式情報および国民向け健康・医療情報の参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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