
夏になると悩まされる虫刺されですが、「どの市販薬を選べばいいかわからない」と迷ってしまう方は多いのではないでしょうか。ドラッグストアには数多くの虫刺され薬が並んでおり、成分や剤形もさまざまです。症状に合った薬を選ぶことで、かゆみや腫れをより早く抑えることができます。この記事では、虫刺され薬の選び方から市販のおすすめ薬、症状が悪化したときの対処法まで、幅広く解説します。
目次
- 虫刺されで起こる症状とそのメカニズム
- 市販の虫刺され薬に含まれる主な成分
- 症状別の市販薬の選び方
- 市販のおすすめ虫刺され薬7選
- 薬の剤形(塗り薬・液体・スプレー)の違いと使い分け
- 子ども・妊婦・高齢者が使う際の注意点
- 虫刺されを悪化させないためのケア方法
- 市販薬では対処できないケース・病院を受診すべき症状
- まとめ
この記事のポイント
虫刺され市販薬はかゆみに抗ヒスタミン成分、腫れ・炎症にステロイド成分を症状別に選ぶことが基本。剤形や使用者の年齢に応じた選択が重要で、アナフィラキシーや市販薬で改善しない場合は速やかに医療機関を受診することが大切。
🎯 虫刺されで起こる症状とそのメカニズム
虫刺されによって起こる症状は、虫の種類や個人の体質によって異なります。主な症状としては、かゆみ、赤み、腫れ、熱感、痛みなどが挙げられます。これらの症状がなぜ起きるのかを理解しておくと、薬の選び方にも役立ちます。
虫に刺されると、虫の唾液や毒液に含まれる異物が皮膚に入り込みます。これに対して体の免疫システムが反応し、ヒスタミンをはじめとする化学伝達物質が放出されます。このヒスタミンが神経を刺激することで、かゆみや赤み、腫れといった炎症反応が引き起こされます。
虫刺されの反応には、大きく分けて「即時型反応」と「遅延型反応」の2種類があります。即時型反応は刺されてすぐ(数分以内)に現れるもので、腫れやかゆみが起きます。遅延型反応は刺されてから数時間〜数日後に現れるもので、硬いしこりや強いかゆみが生じることがあります。
一般的に、子どもは遅延型反応が強く出る傾向があり、大きく腫れることがあります。一方、大人になるほど即時型反応が中心になり、腫れは小さくなる傾向がありますが、蜂などに繰り返し刺された場合はアナフィラキシーショックのリスクが高まることもあります。
また、虫の種類によっても症状の出方が大きく異なります。蚊は一般的なかゆみと腫れが主体ですが、ブユ(ブヨ)はより強い腫れと痛みが特徴です。毛虫に触れた場合は皮膚炎が広範囲に広がることがあり、蜂は激しい痛みと腫れが起こります。
Q. 虫刺され薬の成分は症状によってどう選ぶ?
虫刺され薬は症状に合わせた成分選びが基本です。かゆみが主な症状には抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)、腫れや炎症が強い場合はステロイド成分を含む薬、痛みを伴う場合は局所麻酔成分(リドカインなど)が配合された薬が効果的です。
📋 市販の虫刺され薬に含まれる主な成分
市販の虫刺され薬には、さまざまな成分が配合されています。それぞれの成分がどのような働きをするのかを知っておくと、自分の症状に合った薬を選びやすくなります。
🦠 かゆみを抑える成分
抗ヒスタミン成分は、虫刺されのかゆみの主な原因であるヒスタミンの働きをブロックすることで、かゆみを抑えます。代表的なものとして、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩などがあります。多くの虫刺され薬に配合されており、かゆみに対しては最も基本となる成分です。
局所麻酔成分は、皮膚の知覚神経に直接働きかけてかゆみや痛みの感覚を和らげます。リドカイン、アミノ安息香酸エチルなどが代表的な成分です。抗ヒスタミン成分と異なり、かゆみの原因をブロックするのではなく、感覚を麻痺させることで即効性のある効果をもたらします。
👴 炎症を抑える成分
ステロイド成分(副腎皮質ホルモン)は、炎症を引き起こす化学物質の産生を抑えることで、赤みや腫れ、かゆみを効果的に抑えます。ヒドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルなどが含まれる薬は、強い抗炎症作用を発揮します。ただし、顔面や粘膜付近、傷のある部位への使用は避ける必要があります。
非ステロイド性の抗炎症成分としては、インドメタシン、イブプロフェンピコノールなどがあります。ステロイドよりも作用は穏やかですが、副作用が少なく使いやすいという特徴があります。
🔸 その他の成分
メントールやカンフルは清涼感を与えることで、かゆみを一時的に和らげる効果があります。抗菌成分(クロルヘキシジン塩酸塩など)は、かき壊しによる二次感染を防ぐ目的で配合されることがあります。また、皮膚保護・修復成分として酸化亜鉛やアラントインが配合されている薬もあります。
💊 症状別の市販薬の選び方
虫刺されの症状はひとつではありません。かゆみが強い場合、腫れや炎症が主体の場合、痛みを伴う場合など、症状によって選ぶべき薬が異なります。
💧 かゆみが強い場合
かゆみが主な症状の場合は、抗ヒスタミン成分が入った薬を選びましょう。ジフェンヒドラミン塩酸塩を含む薬は、多くのドラッグストアで手に入れやすく、蚊に刺されたときのかゆみには十分な効果があります。かゆみが特に強い場合は、局所麻酔成分も配合されているものを選ぶと、より速やかに症状を和らげることができます。
✨ 腫れや炎症が強い場合
ブユ(ブヨ)やアブに刺された場合など、腫れや炎症が強い場合はステロイド成分を含む薬が効果的です。市販薬でも、弱いランクのステロイドが配合されているものがあり、炎症を素早く抑えることができます。ただし、ステロイドを含む薬は長期使用や顔面への使用に注意が必要です。
📌 痛みを伴う場合
蜂に刺されたときなど、痛みが強い場合は局所麻酔成分が入った薬が有効です。ただし、蜂に刺された場合はアナフィラキシーショックのリスクもあるため、市販薬の使用とともに体の状態をよく観察し、全身症状が出た場合はすぐに医療機関を受診してください。
▶️ 広範囲に症状が出ている場合
毛虫皮膚炎などで広い範囲に症状が出ている場合は、スプレー剤やローション剤が塗りやすくおすすめです。ただし、広範囲の炎症はセルフケアだけでは対処が難しいこともあるため、症状が強い場合は早めに皮膚科を受診することを検討してください。
🔹 子どもの虫刺されの場合
子ども用に設計された虫刺され薬を選ぶことが基本です。ステロイドを含まない抗ヒスタミン成分のみの薬や、刺激の少ない成分を使ったものを選びましょう。また、薬の使用年齢制限(「〇歳以上から使用可能」など)をしっかり確認することが大切です。
Q. 虫刺され薬の剤形はどう使い分ければいい?
クリーム・軟膏タイプは患部への密着性が高く炎症が強い箇所に適しています。液体(ローション)タイプはべたつきが少なく広範囲や外出時に便利です。スプレータイプは背中など手が届きにくい部位や、触れると痛い患部への使用に向いています。症状や使用部位に合わせて選ぶことが大切です。
🏥 市販のおすすめ虫刺され薬7選
ここでは、ドラッグストアなどで手に入れやすい代表的な市販薬を7つ紹介します。それぞれの特徴を参考に、自分の症状や状況に合ったものを選んでください。なお、薬の使用に際しては必ず添付文書をよく読み、用法・用量を守って使用してください。
📍 1. ムヒアルファEX(池田模範堂)
「ムヒ」シリーズの中でも特に人気の高い製品で、抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩)と局所麻酔成分(リドカイン)を配合しています。かゆみに対して速効性があり、刺激が少ないため比較的多くの方が使いやすい薬です。液体タイプで患部にサッと塗れるため、使い勝手も良好です。ステロイドを含まないため、顔や子どもにも使いやすい点が特徴です。
💫 2. キンカン(近江兄弟社)
長年にわたって親しまれてきた定番の虫刺され薬です。アンモニアが主成分で、アルカリ性の性質によって酸性の虫の毒素を中和する効果があるとされています。また、カンフルやメントールによる清涼感がかゆみを和らげます。特に蚊に刺されたときのかゆみへの対処に広く使われており、速効性が特徴です。コンパクトで携帯しやすい容器も人気の理由の一つです。ただし、傷口や炎症が強い部位への使用は避けてください。
🦠 3. ムヒS(池田模範堂)
抗ヒスタミン成分と清涼感成分(l-メントール)を配合したクリームタイプの薬です。クリーム状のため、液体タイプが苦手な方や患部をしっかりカバーしたい方に向いています。子どもから大人まで使いやすい設計になっており、ステロイドを含まないため安心して使いやすい薬といえます。かゆみが中程度の蚊刺されや軽い虫刺されに適しています。
👴 4. フルコートF(田辺三菱製薬)
ステロイド成分(フルオシノロンアセトニド)を含む塗り薬で、炎症が強いときに効果を発揮します。ブユ(ブヨ)やアブに刺されたときのような、強い腫れや炎症を伴う虫刺されに向いています。抗菌成分(フラジオマイシン硫酸塩)も配合されているため、かき壊しによる二次感染の予防にも役立ちます。ただし、ステロイドを含む薬のため、長期連用や広範囲への使用は避け、顔面や粘膜への使用は控えてください。また、妊婦や乳幼児への使用は医師・薬剤師に相談が必要です。
🔸 5. ベナスカルGX(第一三共ヘルスケア)
ステロイド成分(プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル)と抗ヒスタミン成分(クロルフェニラミンマレイン酸塩)の両方を配合したクリームタイプの薬です。かゆみと炎症の両方を強力に抑えることが期待できます。ブユ刺されや腫れが大きい虫刺されに特に向いており、大人の強い症状に対応できる成分が揃っています。使用に際してはステロイド系外用薬の注意事項(使用部位・連用期間など)を守ることが重要です。
💧 6. ダマリングランデX液(タマガワエーザイ)
液体タイプで広い範囲に素早く塗れるため、複数箇所を刺された場合や外出中でも使いやすい薬です。抗ヒスタミン成分と局所麻酔成分を配合し、かゆみや痛みに素早く対応します。携帯性に優れており、アウトドアやキャンプなど野外での活動時のお守り薬としてバッグに入れておくのにも便利です。
✨ 7. ロコイダンクリーム(佐藤製薬)
弱いランクのステロイド成分(ヒドロコルチゾン酢酸エステル)を配合しており、炎症が気になる虫刺されに向いています。ステロイドの中でも比較的マイルドな成分が使われているため、副作用のリスクが低めですが、やはり長期連用は避け、症状が改善したら使用を中止することが基本です。クリームの使用感がよく、肌に馴染みやすいとの声も多い薬です。2歳以上から使用できるとされていますが、子どもに使う場合は事前に薬剤師に相談することをおすすめします。
⚠️ 薬の剤形(塗り薬・液体・スプレー)の違いと使い分け
市販の虫刺され薬には、クリーム・軟膏・液体(ローション)・スプレーなどのさまざまな剤形があります。それぞれに特徴があり、症状や使用する場所、シーンによって使い分けることが大切です。
📌 クリーム・軟膏タイプ
クリームや軟膏タイプは皮膚への密着性が高く、成分が患部にしっかり留まるため、効果が持続しやすい特徴があります。腫れが出ている部位や炎症が強い部位に向いています。ただし、べたつく感触が苦手な方もいるかもしれません。傷がある場合は傷用の薬を別途使用し、虫刺され薬の軟膏は傷口に直接塗らないようにしましょう。
▶️ 液体(ローション)タイプ
液体タイプは塗りやすく、べたつきが少ないためすっきりした使用感が得られます。広い範囲や毛が生えている部位(頭皮など)にも塗りやすいのが利点です。速乾性があり、外出中でもさっと使えます。ただし、塗りムラができやすかったり、たれやすかったりするため、患部に均一に塗布するよう注意が必要です。
🔹 スプレータイプ
スプレータイプは手が届きにくい背中などの部位に使いやすく、患部に触れずに薬を塗布できるため、触れると痛い部位や毛虫皮膚炎で患部を触りたくない場合に便利です。また、広範囲に一気に使えるため、複数の虫刺されがある場合にも向いています。ただし、目や口への吸入には注意が必要で、顔に使う際は直接スプレーせず、手のひらに取ってから塗るようにしましょう。
📍 パッチ(シール)タイプ
比較的新しい剤形として、患部に貼るパッチタイプの虫刺され薬もあります。成分が徐々に放出されるため効果が持続し、貼ることでかき壊し防止にもなります。特に子どもが薬を塗ったそばからこすってしまうような場合に有効です。
Q. 子どもに虫刺され薬を使うときの注意点は?
子どもは皮膚のバリア機能が未熟で薬成分が吸収されやすいため、ステロイドを含む薬は使用可能年齢を確認した上で短期間・少量の使用にとどめることが重要です。生後6ヶ月未満の乳幼児には多くの市販薬が使用非推奨のため、小児科や皮膚科への相談をおすすめします。
🔍 子ども・妊婦・高齢者が使う際の注意点
虫刺され薬を使用する際、子ども・妊婦・高齢者には特別な注意が必要です。市販薬であっても成分によってはリスクがある場合があるため、慎重に選ぶことが大切です。
💫 子どもへの使用
子どもは皮膚のバリア機能が大人に比べて未熟なため、薬の成分が吸収されやすく、副作用が出やすい傾向があります。ステロイドを含む薬の場合は特に注意が必要で、使用可能年齢を確認した上で、なるべく短期間・少量の使用にとどめるよう心がけましょう。
小さい子どもに使用する場合は、塗った後に子どもが薬を舐めないよう、患部を覆うか目が届く状態で使用することが重要です。また、「子ども用」と表示されている薬を選ぶか、薬剤師に相談して適切なものを選んでもらうことをおすすめします。
なお、生後6ヶ月未満の乳幼児については、多くの虫刺され薬が使用を推奨していません。この時期の虫刺されは小児科や皮膚科に相談することをおすすめします。
🦠 妊婦への使用
妊娠中は胎児への影響を考慮する必要があります。ステロイドを含む薬は一般的に短期間・少量の使用であれば大きなリスクは低いとされていますが、妊娠中の薬の使用はなるべく医師・薬剤師に相談してから行うことが安心です。特に妊娠初期(器官形成期)は慎重さが求められます。
アンモニアを含む薬は刺激が強い場合があり、妊婦や敏感肌の方への使用には注意が必要です。なるべく成分がシンプルで刺激の少ない薬を選ぶようにしましょう。
👴 高齢者への使用
高齢者は皮膚が薄くなっており、薬の成分が吸収されやすい状態にあります。また、他の疾患で複数の薬を服用している場合、薬同士の相互作用が起きる可能性も考えられます。ステロイド入りの薬を使用する場合は特に短期間の使用にとどめ、皮膚の状態を観察しながら使いましょう。
なお、高齢者は皮膚のかゆみを感じにくくなることがある一方で、かいたことによる傷が治りにくい場合があります。虫刺されをかき壊してしまった場合は、傷のケアもあわせて行うことが大切です。
📝 虫刺されを悪化させないためのケア方法
市販薬の使用とあわせて、日常のケアを適切に行うことで、虫刺されの悪化を防ぐことができます。
🔸 かかないことが最優先

虫刺されのかゆみに対して、かいてしまうことは症状を大きく悪化させます。かくことで皮膚が傷つき、そこから細菌感染が起きる可能性があります。また、かく行為自体が肥満細胞を刺激して、さらにヒスタミンが放出されるため、かゆみが増悪するという悪循環に陥ることがあります。市販薬を使用して早めにかゆみを抑えることが、かき壊しを防ぐために大切です。
💧 冷やすことでかゆみを和らげる
冷やすことは、かゆみや腫れを一時的に和らげるのに効果的です。保冷剤などを清潔なタオルや布に包んで患部に当てると、ひんやりとした刺激によってかゆみの感覚が和らぎます。ただし、直接皮膚に当てると凍傷になる危険があるため、必ずタオルなどを介して使用してください。また、冷やしすぎも血行を悪化させる可能性があるため、長時間の冷却は避けましょう。
✨ 刺された直後の洗浄
刺された直後は患部を流水で優しく洗い流すことが大切です。これにより、皮膚表面に残った毒素や細菌を洗い流すことができます。石鹸を使って洗うとより効果的ですが、強くこすらず優しく洗うことがポイントです。洗浄後は水分をやさしく押さえて拭き取り、薬を塗布しましょう。
📌 保湿ケアも大切
虫刺されの患部は皮膚バリアが傷ついている状態です。薬の使用とあわせて、保湿ケアを行うことで皮膚の回復を促すことができます。ただし、炎症が強い急性期には保湿剤の使用は患部の状態を見ながら行い、分からない場合は薬剤師や医師に相談しましょう。
▶️ 虫刺され跡(色素沈着)への対処
虫刺されをかき壊してしまったり、炎症が長期化したりすると、色素沈着(黒ずみ)が残ることがあります。この色素沈着は時間の経過とともに薄くなることが多いですが、日焼けによってより目立つようになることがあるため、患部のUV対策も行いましょう。気になる場合は皮膚科で相談することをおすすめします。
Q. 蜂に刺された後に救急を呼ぶべき症状は?
蜂に刺された後、じんましん・顔や喉の腫れ・呼吸困難・血圧低下・意識の混濁・嘔吐などの全身症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があり命に関わる緊急事態です。症状は刺されてから15〜30分以内に現れることが多いため、すぐに119番へ連絡してください。
💡 市販薬では対処できないケース・病院を受診すべき症状
市販の虫刺され薬で対処できる症状には限界があります。以下のような場合は、速やかに医療機関を受診してください。特に緊急性の高い症状については、ためらわず救急を利用することが重要です。
🔹 アナフィラキシーショック(緊急!)
蜂(特にスズメバチ、アシナガバチ、ミツバチ)に刺された後に、じんましん、顔や喉の腫れ、呼吸困難、血圧低下、意識の混濁、嘔吐などの全身症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。これは命に関わる緊急事態であり、すぐに119番に連絡して救急搬送を求めてください。エピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方されている方は、直ちに使用してください。
アナフィラキシーは、蜂に刺された経験がある方が再度刺されたときに起こりやすく、刺されてから15〜30分以内に症状が現れることが多いとされています。蜂に刺されたら30分程度はその場で安静にし、全身の様子を観察することが大切です。
📍 市販薬を使っても症状が改善しない・悪化する
市販薬を適切に使用しても数日経過しても症状が改善しない場合や、腫れや赤みが広がる、熱が出てきた、痛みが増すなどの場合は、感染症を起こしている可能性や、より専門的な治療が必要な状態になっている可能性があります。このような場合は皮膚科を受診してください。
💫 広範囲の腫れ・発熱を伴う症状
虫刺されの患部を超えて腫れが広がる蜂窩織炎(ほうかしきえん)という皮膚の感染症は、抗菌薬による治療が必要です。刺された部分を中心に赤みと腫れが広がり、触ると温かく、発熱を伴う場合はすぐに医療機関を受診してください。
🦠 マダニに刺された場合
マダニは刺されると皮膚に食い込んで長時間寄生します。マダニは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病などの感染症を媒介することがあるため、無理に取り除かず、医療機関(皮膚科)で適切に除去してもらうことが必要です。刺された後数週間以内に高熱、頭痛、筋肉痛、皮疹などが現れた場合は速やかに受診してください。
👴 乳幼児の顔や目の周囲が大きく腫れた場合
子ども、特に乳幼児が顔や目の周囲を刺されて大きく腫れた場合は、視野の妨げになることもあるため、小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。子どもは免疫反応が強く出やすく、大人が驚くほど大きく腫れることがありますが、多くは適切な治療で改善します。
🔸 ダニ刺されによる赤い輪(遊走性紅斑)
刺された部位に赤い輪が広がってくる「遊走性紅斑」が現れた場合は、ライム病の可能性があります。ライム病は抗菌薬での治療が必要であり、市販薬での対処はできません。早期治療が重要なため、速やかに医療機関を受診してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、虫刺されで受診される患者様の多くが、市販薬を使用しても症状が改善しないケースや、ブユ・マダニなど蚊以外の虫による強い腫れや炎症でお困りになって来院されます。症状や虫の種類に合わせた薬の選択はとても大切ですが、数日経っても改善が見られない場合や、発熱・腫れの拡大など気になる症状が出た場合は、早めにご相談いただくことをおすすめします。特にアナフィラキシーの疑いがある際はためらわず救急を受診していただき、患者様ご自身と大切なご家族の安全を最優先にお考えください。」
✨ よくある質問
症状によって選ぶ成分が異なります。かゆみが主な症状には抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミン塩酸塩など)、腫れや炎症が強い場合はステロイド成分を含む薬が効果的です。痛みを伴う場合は局所麻酔成分が入ったものを選びましょう。自分の症状に合った成分を確認して選ぶことが大切です。
子どもは皮膚のバリア機能が未熟で薬の成分が吸収されやすいため、ステロイドを含む薬は特に注意が必要です。使用可能年齢を必ず確認し、「子ども用」と表示された薬や刺激の少ないものを選びましょう。生後6ヶ月未満の乳幼児には多くの市販薬が使用非推奨のため、小児科や皮膚科への相談をおすすめします。
クリーム・軟膏は患部への密着性が高く炎症が強い箇所に向いています。液体(ローション)はべたつきが少なく広い範囲や外出時に便利です。スプレーは背中など手が届きにくい部位や、触れると痛い患部に適しています。症状や使用する部位、シーンに合わせて剤形を選ぶと効果的に使用できます。
蜂に刺された後、じんましん・顔や喉の腫れ・呼吸困難・血圧低下・意識の混濁・嘔吐などの全身症状が現れた場合は、アナフィラキシーショックの可能性があります。命に関わる緊急事態のため、すぐに119番へ連絡してください。症状は刺されてから15〜30分以内に現れることが多く、刺された後はしばらく全身の状態を注意深く観察することが重要です。
市販薬を適切に使用しても数日経過しても改善しない場合や、腫れ・赤みが広がる、発熱・痛みが増すといった症状が出た場合は、感染症を起こしている可能性があります。早めに皮膚科を受診することをおすすめします。当院(アイシークリニック新宿院)でも虫刺されによる皮膚トラブルのご相談を受け付けていますので、お気軽にご相談ください。
📌 まとめ
虫刺されの市販薬は、症状の種類や強さ、使う人の年齢・状態によって選び方が異なります。かゆみが主な症状であれば抗ヒスタミン成分が入った薬を、腫れや炎症が強い場合はステロイド成分を含む薬を選ぶのが基本的な考え方です。剤形(クリーム・液体・スプレーなど)も症状や使用箇所、生活シーンに合わせて選んでください。
子どもや妊婦、高齢者には特別な注意が必要であり、迷ったときは必ず薬剤師に相談することをおすすめします。また、アナフィラキシーショックや感染症、マダニ刺されなど、市販薬での対処が難しいケースでは、迷わず医療機関を受診することが最も大切です。
市販薬を上手に活用しながら、症状が悪化したり改善が見られない場合は早めに皮膚科に相談することで、虫刺されによる不快な症状を最小限に抑えることができます。アイシークリニック新宿院では、虫刺されによる皮膚トラブルについてのご相談も受け付けています。気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚症状(かゆみ・腫れ・炎症)のメカニズム、ステロイド外用薬を含む治療方針、蜂窩織炎や毛虫皮膚炎などの診療ガイドラインの参照
- 国立感染症研究所 – マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)・ライム病の感染情報、遊走性紅斑の症状説明、感染症としての虫刺され対処に関する情報の参照
- 厚生労働省 – 市販の虫刺され薬(一般用医薬品)に含まれる成分(抗ヒスタミン薬・ステロイド等)の承認情報、添付文書の読み方、子ども・妊婦への使用上の注意に関する規制情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
