
水虫(白癬)は日本人の約5人に1人が悩んでいるとされる、非常に身近な感染症です。市販薬の種類が多く「どれが一番効くのか」「本当に治るのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。水虫の市販薬には、医療用と同成分のものも数多く登場しており、正しく使えば十分な効果が期待できます。この記事では、市販薬の成分や剤形の選び方、効果的な使い方、そして市販薬では対処しきれないケースについて、医療的な観点から詳しく解説します。
目次
- 水虫(白癬)とはどんな病気か
- 水虫の種類と症状の違い
- 水虫の市販薬に含まれる有効成分とは
- 市販薬の剤形(クリーム・液体・スプレーなど)の特徴と選び方
- 水虫の市販薬として代表的な商品と特徴
- 市販薬を使うときの正しい塗り方・使い方
- 市販薬が効かない理由と注意すべきポイント
- 爪水虫(爪白癬)に市販薬は効くのか
- 病院を受診すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
水虫市販薬はテルビナフィン・ブテナフィン・ラノコナゾール配合品が高評価。症状タイプに合う剤形選択と4〜8週間の継続使用が完治の鍵。爪白癬・角質増殖型・改善しない場合は皮膚科受診が必要。
🎯 水虫(白癬)とはどんな病気か
水虫は「白癬菌(はくせんきん)」と呼ばれる真菌(カビの一種)が皮膚に感染して引き起こされる皮膚疾患です。正式名称は「足白癬(あしはくせん)」といい、足の指の間や足裏、かかとなどに発症することが多いですが、体や頭皮、爪に感染することもあります。
白癬菌は高温多湿の環境を好み、梅雨から夏にかけて感染リスクが高まります。ただし、冬でも靴を長時間履いている人は足が蒸れやすく、一年中感染の可能性があります。感染経路としては、白癬菌が付着したバスマットやスリッパ、プールや銭湯の床などを素足で歩くことが挙げられます。
白癬菌は皮膚に付着しても、すぐに感染するわけではありません。皮膚の角質層に定着するまでに数時間かかるとされており、その間に足をきれいに洗えば感染を防ぐことができます。しかし一度感染してしまうと、適切な治療を行わない限り自然には治りにくく、長年にわたって悩む方も少なくありません。
水虫は見た目の問題だけでなく、かゆみや皮膚のただれ、ひどい場合には二次感染(細菌感染)を引き起こすこともあります。また家族や周囲の人への感染源になるため、早めの対処が重要です。
Q. 水虫の市販薬はどの成分が入ったものを選ぶべきですか?
水虫市販薬はテルビナフィン塩酸塩・ブテナフィン塩酸塩・ラノコナゾール配合品が高く評価されています。これらは白癬菌への殺菌力と皮膚への浸透性に優れており、1日1回の使用で効果が持続しやすいのが特徴です。成分に加え、趾間型や小水疱型など自分の症状タイプに合った剤形を選ぶことも治療効果を高める重要なポイントです。
📋 水虫の種類と症状の違い
一口に「水虫」といっても、発症する場所や症状によっていくつかのタイプに分類されます。市販薬を選ぶ際にも、自分の水虫がどのタイプかを把握することが大切です。
🦠 趾間型(しかんがた)
水虫の中で最も一般的なタイプで、足の指と指の間に発症します。特に薬指と小指の間に起こりやすく、皮膚が白くふやけたり、じゅくじゅくと湿った状態になったりします。かゆみが強く出ることが多く、皮膚が剥がれたり亀裂が入ることもあります。ただし、かゆみがほとんどない場合もあるため、かゆくないから水虫ではないとは言い切れません。
👴 小水疱型(しょうすいほうがた)
足の裏や土踏まず、指の付け根あたりに小さな水疱(水ぶくれ)が多数できるタイプです。強いかゆみを伴うことが多く、水疱が破れると皮がめくれてきます。夏に悪化しやすく、季節性のある水虫です。趾間型と並んで発症頻度が高いタイプです。
🔸 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏全体や踵(かかと)の角質が分厚くなり、硬くなるタイプです。かゆみはほとんどなく、乾燥した肌荒れのように見えるため、水虫と気づかれにくいのが特徴です。白癬菌が角質層の深部まで侵入しているため、市販薬だけでは治りにくく、病院での治療が推奨されるタイプです。
💧 爪白癬(つめはくせん)
白癬菌が爪に感染したものです。爪が白や黄色に濁ったり、ぼろぼろと崩れたり、厚くなったりします。かゆみや痛みはほとんどなく、進行が非常にゆっくりなため放置されがちです。市販薬による治療が難しく、多くの場合は病院での処方薬が必要です。
💊 水虫の市販薬に含まれる有効成分とは
水虫の市販薬には、白癬菌の増殖を抑制・死滅させる「抗真菌薬」が有効成分として含まれています。現在の市販薬には複数の種類の成分が使われており、それぞれ作用の仕組みや特徴が異なります。
✨ テルビナフィン塩酸塩
現在の水虫市販薬の中で最も広く使われている成分の一つです。白癬菌の細胞膜成分(エルゴステロール)の合成を阻害することで、菌を死滅させる働きを持っています。殺菌力が高く、皮膚への浸透性にも優れているため、1日1回の塗布で効果が期待できる製品が多いです。もともと処方薬として使われていた成分で、スイッチOTC(市販薬として解禁された医療用成分)として注目されています。
📌 ラノコナゾール
イミダゾール系の抗真菌成分で、白癬菌の細胞膜の合成を阻害する作用があります。皮膚への浸透性が高く、角質層への定着性に優れているのが特徴です。1日1回の使用で効果が持続しやすく、日本で開発された成分です。
▶️ ビホナゾール
同じくイミダゾール系の成分で、白癬菌に対して高い抗真菌活性を示します。皮膚への浸透性が優れており、角質層に長時間とどまる特性があります。1日1回の使用で効果が持続し、多くの市販品に採用されています。
🔹 クロトリマゾール
イミダゾール系に属する抗真菌成分で、白癬菌だけでなく、カンジダなどの真菌にも効果を示します。水虫の市販薬に古くから使われている成分で、安全性についての知見が豊富です。
📍 ミコナゾール硝酸塩
広域の抗真菌スペクトルを持つイミダゾール系成分で、白癬菌・カンジダ・グラム陽性菌にも効果を示します。趾間型水虫のように細菌混合感染が疑われる場合にも対応できる成分です。
💫 ブテナフィン塩酸塩
ベンジルアミン系の抗真菌成分で、白癬菌に対して強い殺菌力を持ちます。テルビナフィン塩酸塩と同様に、エルゴステロールの生合成を阻害するメカニズムで作用します。皮膚への親和性が高く、塗布後も長時間効果が持続するとされています。
Q. 水虫の市販薬はどれくらいの期間使い続けるべきですか?
水虫の市販薬は一般的に4〜8週間の継続使用が推奨されています。症状が改善しても白癬菌が角質の奥に残っている場合があり、自己判断で途中でやめてしまうことが再発の最大の原因となります。症状が消えた後も製品に記載された使用期間を守り、根気よく塗り続けることが完治への鍵です。
🏥 市販薬の剤形(クリーム・液体・スプレーなど)の特徴と選び方
水虫の市販薬は有効成分だけでなく、剤形(製剤の形状)によっても使い勝手や適した症状が異なります。自分の症状や生活スタイルに合わせて選ぶことが治療成功のポイントです。
🦠 クリームタイプ
皮膚への密着性が高く、有効成分を角質層にしっかり届けることができます。乾燥した皮膚やかかとのひび割れにも使いやすく、刺激が少ないため敏感肌の方にも向いています。趾間型・小水疱型・角質増殖型の水虫に広く対応しており、汎用性が高い剤形です。足の指の間や細かい部分にも塗り込みやすいため、初めて市販薬を使う方にも使いやすいタイプです。
👴 液体(ローション・チンキ)タイプ
さらっとした使い心地で、べたつきが少ないのが特徴です。広い範囲に素早く塗れるため、足の裏全体に薬を広げたい方に向いています。ただし、じゅくじゅくした趾間型や亀裂がある皮膚に使うと、アルコール成分などによって刺激を感じることがあります。乾燥気味の症状や広範囲の塗布に適しています。
🔸 スプレータイプ
患部に直接触れずに薬を塗布できるため、かゆみや痛みがある場合に便利です。靴や靴下の中にも使えるタイプもあり、再感染予防として活用されることもあります。有効成分が皮膚にしっかり届くよう、塗布後しばらく乾かす必要があります。汎用性はクリームや液体に劣る部分がありますが、使い勝手の良さから選ぶ方も増えています。
💧 ゲルタイプ
クリームと液体の中間のような使用感で、べたつきが少なく肌なじみが良いのが特徴です。薄く塗りやすく、趾間型など狭い部位への塗布にも適しています。
✨ パウダータイプ
汗や湿気を吸収し、靴の中の環境を整える効果があります。有効成分が含まれているものは補助的な治療効果が期待できますが、単体での治療効果はクリームや液体に比べると限定的です。予防や補助として活用するのが適切です。
⚠️ 水虫の市販薬として代表的な商品と特徴
市販の水虫薬にはさまざまな種類がありますが、ここでは有効成分や特徴の観点から代表的なものを紹介します。なお、製品の効果には個人差があり、「最強」かどうかは症状の種類や使用環境によっても異なります。
📌 ラミシールAT(テルビナフィン塩酸塩配合)
テルビナフィン塩酸塩を1%配合したクリーム・液体・スプレーなど複数の剤形が展開されています。処方薬として長年使われてきた成分をもとにしており、殺菌力の高さから市販薬の中でも特に評価が高い製品です。1日1回の塗布で使いやすく、幅広いタイプの水虫に対応しています。
▶️ ダマリングランデX(ラノコナゾール配合)
ラノコナゾールを有効成分とした製品で、角質への浸透性と定着性を重視して設計されています。クリームタイプが一般的で、厚い角質にも成分が届きやすいとされています。
🔹 メンソレータムエクシブ(ビホナゾール配合)
ビホナゾールを有効成分とした製品で、クリームや液体などの剤形が揃っています。角質への浸透性が高く、長時間の抗菌効果が特徴とされています。長年市場に出回っており、知名度が高い製品の一つです。
📍 ブテナロック(ブテナフィン塩酸塩配合)
ブテナフィン塩酸塩を有効成分として配合しており、白癬菌に対して高い殺菌力を持つとされています。塗布後に皮膚への残留性が高く、効果が持続しやすいことが特徴です。クリーム・液体・スプレーなど複数の剤形が展開されています。
💫 フットリリーフ(クロトリマゾール配合)
クロトリマゾールを配合した製品で、幅広い真菌に対応しています。比較的刺激が少なく、初めて水虫薬を使用する方にも選ばれやすい製品です。
これらの製品を比較する際には、有効成分の種類や濃度、剤形、自分の症状のタイプなどを総合的に判断することが大切です。一般的には、テルビナフィン塩酸塩・ブテナフィン塩酸塩・ラノコナゾール配合のものが、高い殺菌力と皮膚浸透性から特に評価が高い傾向にあります。
Q. 爪が黄色く濁っている場合、市販薬で治すことはできますか?
爪の黄色い変色や肥厚は爪白癬(爪水虫)の可能性があります。爪は硬い組織のため、市販の外用薬では有効成分が奥まで浸透しにくく、完治が難しいケースがほとんどです。放置するほど治療が長期化するため、早めに皮膚科を受診し、顕微鏡検査で白癬菌の存在を確認したうえで適切な治療を受けることが推奨されます。
🔍 市販薬を使うときの正しい塗り方・使い方
市販薬を選んでも、使い方が誤っていると十分な効果が得られません。水虫を確実に治すためには、正しい使い方を継続することが非常に重要です。
🦠 塗布前に足を清潔にする
薬を塗る前に、足をよく洗って清潔な状態にしましょう。石鹸を使って指の間まで丁寧に洗い、その後しっかりと水気を拭き取ることが大切です。湿った状態で薬を塗ると、有効成分の浸透が妨げられることがあります。
👴 症状がある部分だけでなく広めに塗る
白癬菌は肉眼で見える範囲よりも広く感染していることがほとんどです。症状が出ている部分だけでなく、その周囲1〜2cmの皮膚にも薬を塗り広げることが効果的です。足の裏全体や指の間、かかとなど、感染しやすい部位全体に塗るように心がけましょう。
🔸 用法・用量を守って継続使用する
多くの市販薬は1日1〜2回の塗布を推奨しており、使用期間は4週間〜8週間程度とされています。症状が改善してきたとしても、自己判断で使用を中止してはいけません。白癬菌は角質の奥深くに潜んでいることがあり、症状が消えても菌が完全に除去されていない可能性があります。途中でやめると再発しやすくなるため、製品に記載された期間はしっかり使い続けましょう。
💧 塗布後は十分に乾燥させる
薬を塗った後は、靴下や靴を履く前に薬がしっかり乾くまで待つことが大切です。特に液体やスプレータイプは乾燥に時間がかかる場合があります。就寝前に塗布して一晩おくと、薬が皮膚に浸透しやすくなるため、寝る前に塗るのが効果的な方法の一つです。
✨ 靴や靴下の衛生管理も並行して行う
水虫の治療中は、足の衛生だけでなく靴や靴下の管理も重要です。靴は定期的に乾燥させ、同じ靴を毎日履き続けることを避けましょう。靴下は毎日交換し、できれば抗菌素材のものを選ぶとよいでしょう。バスマットも家族と共用せず、洗濯を頻繁に行うことが感染予防と再発防止につながります。
📝 市販薬が効かない理由と注意すべきポイント

「市販薬を使い続けているのに一向によくならない」という声は少なくありません。これにはいくつかの原因が考えられます。
📌 水虫ではない可能性
水虫に似た症状を起こす皮膚疾患は複数あります。例えば、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)、汗疱(かんほう)、接触性皮膚炎、乾癬などは、水虫と見分けがつきにくいことがあります。これらには抗真菌薬は効果がなく、誤った薬を使い続けることで症状が悪化する場合もあります。市販薬を2〜4週間使用しても改善しない場合は、水虫以外の疾患を疑って皮膚科を受診することを検討してください。
▶️ 使用期間が不十分
市販薬を短期間で使用中止してしまうことも、効果が得られない原因になります。症状が改善されると「治った」と勘違いして薬をやめてしまうケースは非常に多いですが、これが再発の最大の原因です。白癬菌を完全に除去するには、目に見える症状が消えた後も一定期間使用を継続することが必要です。
🔹 塗る範囲が狭すぎる
症状が出ている部分だけに薬を塗り、周囲の皮膚に塗っていない場合も効果が不十分になります。前述のとおり、白癬菌は症状が現れている範囲よりも広く広がっていることが多いため、広めに塗布することが大切です。
📍 角質増殖型や爪白癬には市販薬が届きにくい
角質が著しく厚くなっている角質増殖型や、爪に感染している爪白癬は、外用の市販薬の有効成分が奥まで浸透しにくいため、市販薬だけでは治療効果が限定的です。これらのタイプには、病院での処方薬(内服薬や医療用外用薬)が必要になる場合がほとんどです。
💫 再感染が起きている
薬を正しく使っていても、感染源が取り除かれていない場合は再感染が繰り返されます。家族に未治療の水虫患者がいる場合や、バスマット・スリッパの共用が続いている場合は感染が再び起こりやすくなります。治療と並行して環境を整えることが再発防止の鍵です。
Q. 市販薬を使っても水虫が治らない場合、どうすれば良いですか?
市販薬を2〜4週間使用しても改善しない場合、水虫ではなく汗疱・接触性皮膚炎・掌蹠膿疱症など別の皮膚疾患の可能性があります。アイシークリニックを含む皮膚科では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確認し、症状に合った治療法を提案します。誤った薬を使い続けると悪化する恐れもあるため、早めに専門医へ相談することが大切です。
💡 爪水虫(爪白癬)に市販薬は効くのか
爪白癬は足白癬が進行して爪に感染が広がったものです。日本では水虫患者のうち約半数が爪白癬を合併していると言われており、非常に多い疾患です。爪が白・黄・茶色に変色し、爪が厚くなったり崩れやすくなったりといった症状が現れます。
爪白癬の治療は従来、内服の抗真菌薬(イトラコナゾール、テルビナフィンなど)が中心でした。これは爪という硬い組織の奥深くに白癬菌が存在するため、外から塗る薬では成分が十分に届かなかったためです。
しかし近年、爪白癬専用の外用抗真菌薬(クレナフィン®・ルコナック®)が医療機関で使われるようになり、内服薬が使えない患者への選択肢が広がりました。これらは医療用の製品ですが、同様の成分を含む市販薬として「クリアネイル」などが発売されており、入手しやすくなっています。
ただし、市販の爪白癬用外用薬の効果には限界があります。爪の面積が広い場合や感染が進行している場合、爪の根元まで感染が及んでいる場合などは、市販薬のみでは完治が難しいことがあります。爪白癬が疑われる場合は、まず皮膚科を受診して顕微鏡検査で白癬菌の存在を確認し、適切な治療方針を立てることが最も確実です。
内服抗真菌薬は効果が高い反面、肝臓への負担や薬物相互作用のリスクがあるため、医師の管理のもとで使用することが必要です。自己判断で使用することは避けてください。
✨ 病院を受診すべきタイミング
市販薬で対処できるケースも多い水虫ですが、以下のような状況では早めに皮膚科を受診することを強くおすすめします。
🦠 市販薬を4週間以上使用しても改善しない場合
正しく使用しているにもかかわらず症状が改善しない場合は、水虫ではなく別の皮膚疾患である可能性や、使用している薬が症状に合っていない可能性があります。皮膚科では顕微鏡検査(KOH直接鏡検)を行い、白癬菌の存在を確認したうえで適切な薬を処方します。
👴 患部がひどくただれていたり、腫れや痛みを伴う場合
水虫が悪化して二次感染(細菌感染)が合併した場合、患部が赤く腫れ上がったり、膿が出たり、強い痛みを伴うことがあります。これはリンパ管炎や蜂窩織炎に発展することもあり、抗菌薬による治療が必要です。自己判断で抗真菌薬だけを塗り続けることは危険ですので、速やかに受診してください。
🔸 爪の変色や変形がある場合
爪白癬が疑われる場合は、市販薬での対応には限界があるため、早めに医療機関を受診することが望ましいです。放置するほど治療が長期化するため、爪の異常に気づいたら早めに対処しましょう。
💧 糖尿病など基礎疾患がある場合
糖尿病の方は免疫機能が低下しており、水虫が重症化しやすい傾向があります。また、足の感覚が鈍くなっていることで水虫の発見が遅れ、重篤な感染症につながるリスクもあります。基礎疾患のある方は、水虫の症状が軽くても早めに専門医に相談することが重要です。
✨ 子どもや高齢者の水虫
子どもや高齢者は皮膚が繊細で、市販薬による刺激が強く出る場合があります。また高齢者は複数の薬を服用していることが多く、内服薬を使う場合には相互作用への注意が必要です。これらの年齢層の方は自己判断で治療するより、医療機関での診断・治療が安全です。
📌 妊娠中・授乳中の方
妊娠中や授乳中は使用できる薬の種類が制限されることがあります。市販の外用薬であっても、妊娠中や授乳中の安全性が確立されていないものがあるため、使用前に医師や薬剤師に相談することが必要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、市販薬を長期間使用しても改善しないまま来院される患者様が少なくなく、診察してみると水虫ではなく汗疱や接触性皮膚炎だったというケースも珍しくありません。水虫は自己判断で治療を続けやすい疾患ですが、「症状が消えたから治った」と判断して途中で薬をやめてしまうことが再発の大きな原因となるため、正しい知識を持って取り組むことがとても大切です。爪の変色や角質の肥厚など市販薬では対処しにくい症状が見られる場合は、まず皮膚科で顕微鏡検査を受け、ご自身の状態に合った治療法を確認されることをお勧めします。」
📌 よくある質問
多くの市販薬は4〜8週間の使用が推奨されています。症状が改善しても白癬菌が角質の奥に残っている可能性があるため、自己判断で途中で使用を中止することは避けてください。途中でやめてしまうことが再発の最大の原因となります。製品に記載された使用期間を守り、根気よく使い続けることが大切です。
はい、あります。汗疱・掌蹠膿疱症・接触性皮膚炎・乾癬など、水虫と見分けがつきにくい皮膚疾患が複数存在します。これらには抗真菌薬は効果がなく、誤って使い続けると症状が悪化する場合もあります。市販薬を2〜4週間使用しても改善しない場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることをおすすめします。
テルビナフィン塩酸塩・ブテナフィン塩酸塩・ラノコナゾールを配合した製品は、白癬菌への殺菌力と皮膚への浸透性が高く、特に評価されています。ただし、成分だけでなく自分の水虫のタイプ(趾間型・小水疱型など)に合った剤形(クリーム・液体・スプレーなど)を選ぶことも、治療効果を高めるうえで重要なポイントです。
爪の変色・肥厚は爪白癬(爪水虫)の可能性があります。爪という硬い組織の奥深くに白癬菌が潜んでいるため、一般的な市販の外用薬では有効成分が十分に届きにくく、完治が難しいケースがほとんどです。放置するほど治療が長期化するため、早めに皮膚科を受診し、顕微鏡検査で確認したうえで適切な治療を受けることをおすすめします。
糖尿病の方は免疫機能が低下しているため、水虫が重症化しやすく、足の感覚が鈍くなることで発見が遅れるリスクもあります。悪化すると重篤な感染症につながる恐れがあるため、症状が軽くても自己判断での市販薬治療は避け、早めに皮膚科専門医へご相談ください。アイシークリニックでも水虫を含む皮膚疾患のご相談を受け付けています。
🎯 まとめ
水虫の市販薬には、医療用と同成分を含む高品質な製品が数多く揃っており、正しく使えば十分な治療効果が期待できます。特にテルビナフィン塩酸塩・ブテナフィン塩酸塩・ラノコナゾールを含む製品は、殺菌力と皮膚浸透性の高さから多くの方に選ばれています。
ただし「最強の市販薬」を選ぶだけでなく、自分の水虫のタイプに合った剤形を選ぶこと、正しい範囲と方法で塗り続けること、途中でやめないことが治癒のカギとなります。症状が出ている部分だけに塗る・すぐにやめてしまうといった使い方では、再発を繰り返しやすくなるため注意が必要です。
一方で、爪白癬・角質増殖型・市販薬で改善しないケース・基礎疾患がある場合などは、市販薬での対応に限界があります。このような場合は、皮膚科での正確な診断と処方薬による治療が不可欠です。皮膚科では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確認したうえで、症状に合った最適な治療法を提案してもらえます。
水虫は適切な治療を続ければ治る病気です。「またか」と諦めず、正しい知識と適切な薬で根気よく治療に取り組んでください。市販薬で改善が見られない場合や、症状が気になる場合は、ぜひ専門医へのご相談をおすすめします。アイシークリニック新宿院では、水虫を含む皮膚疾患に関するご相談を受け付けています。一人で悩まず、お気軽にご相談ください。
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- 垢が溜まった皮膚の原因と正しいケア方法|放置するとどうなる?
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が策定した「白癬(水虫)診療ガイドライン」。足白癬・爪白癬の診断基準、治療方針(外用薬・内服薬の選択基準)、再発予防に関する医学的根拠に基づいた情報を参照
- 厚生労働省 – スイッチOTC医薬品(テルビナフィン塩酸塩等の市販薬転用成分)に関する承認情報および一般用医薬品の適正使用に関する情報を参照。市販薬の有効成分の位置づけや安全性評価の根拠として活用
- PubMed – 足白癬(Tinea pedis)に対する抗真菌薬(テルビナフィン・ブテナフィン・ラノコナゾール等)の有効性・安全性・皮膚浸透性に関する国際的な臨床研究・比較試験の論文を参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
