耳の上を押すと痛い原因はリンパ?考えられる疾患と対処法を解説

耳の上あたりを押したらなんとなく痛みを感じた、あるいはしこりのようなものに触れた——そんな経験はありませんか?

🗣️ こんな症状、放置してませんか?
  • ✅ 耳の上を押すとズキッと痛む
  • ✅ 耳まわりにしこり・腫れがある
  • 2週間以上症状が続いている
  • ✅ 発熱・倦怠感も一緒に出ている

👆 1つでも当てはまるなら、この記事を読んでおくべきです。

🚨 読まないとこうなるかも…

帯状疱疹や悪性リンパ腫など、早期発見が命取りになる疾患が、「耳の上の痛み」として現れることがあります。放置すると顔面麻痺・難聴につながるケースも。

耳の周囲には多くのリンパ節が集まっており、体の免疫反応や炎症によって腫れることがあります。ただし原因はリンパ節だけではなく、皮膚・筋肉・神経・顎関節・中耳など多岐にわたります。

💡 この記事を読むとわかること

  • 📌 耳の上が痛い7つの原因疾患とその見分け方
  • 📌 すぐ病院に行くべき危険サイン
  • 📌 何科を受診すればいいか
  • 📌 日常生活でできるセルフケア

目次

  1. 耳の周辺にあるリンパ節の基礎知識
  2. 耳の上を押すと痛い原因①:リンパ節炎
  3. 耳の上を押すと痛い原因②:耳下腺炎・耳介周囲炎
  4. 耳の上を押すと痛い原因③:帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)
  5. 耳の上を押すと痛い原因④:顎関節症・咬筋の異常
  6. 耳の上を押すと痛い原因⑤:外耳炎・中耳炎による放散痛
  7. 耳の上を押すと痛い原因⑥:粉瘤(アテローム)・脂肪腫
  8. 耳の上を押すと痛い原因⑦:悪性リンパ腫・その他の腫瘍
  9. 症状から読み解く:痛みの特徴と考えられる疾患
  10. 何科を受診すればよいか
  11. 日常生活での注意点とセルフケア
  12. まとめ

この記事のポイント

耳の上を押すと痛い原因は、リンパ節炎・帯状疱疹・顎関節症・外耳炎・粉瘤など多岐にわたる。2〜4週間以上続く腫れや発熱・顔面麻痺を伴う場合は速やかに医療機関を受診すること。

💡 1. 耳の周辺にあるリンパ節の基礎知識

リンパ節は体内に約800個存在するといわれており、全身にわたって分布しています。その中でも耳の周辺は特にリンパ節が密集しているエリアです。耳の前方(耳珠の前)には「耳前リンパ節」、耳の後ろ側(乳様突起の周辺)には「耳後リンパ節(乳様突起リンパ節)」、顎の下には「顎下リンパ節」が存在します。さらに首の側面に沿って「頸部リンパ節」が連なっており、これらはすべて互いにつながった一連のリンパ系ネットワークを形成しています。

リンパ節の主な役割は、体内に侵入したウイルスや細菌、異物などを取り除くための免疫活動の拠点となることです。喉や耳、口腔内などで感染が起きると、その近くにあるリンパ節が活性化され、白血球を増殖させて病原体と戦います。このときリンパ節は腫れ、触ると痛みを感じる状態になります。これがいわゆる「リンパ節が腫れた」という状態です。

通常、風邪などによる一時的なリンパ節の腫れは数週間以内に自然に引いていきます。しかし、腫れや痛みが長引く場合や、発熱・体重減少・全身倦怠感などを伴う場合には、背後に別の疾患が隠れている可能性があるため、注意が必要です。耳の上を押すと痛いという症状の多くはリンパ節の反応性変化によるものですが、その原因となっている疾患を正しく把握することが重要です。

Q. 耳の周辺にはどのようなリンパ節がありますか?

耳の周辺には複数のリンパ節が密集しています。耳の前方には「耳前リンパ節」、耳の後ろ側には「耳後リンパ節(乳様突起リンパ節)」、顎の下には「顎下リンパ節」があり、首の側面に沿う「頸部リンパ節」と合わせて一連のリンパ系ネットワークを形成しています。

📌 2. 耳の上を押すと痛い原因①:リンパ節炎

耳の上を押すと痛みを感じる最も多い原因のひとつが「リンパ節炎」です。リンパ節炎とは、細菌やウイルスなどの感染によってリンパ節に炎症が生じた状態を指します。特に耳周辺のリンパ節は、頭皮・耳・鼻・喉などの感染症と密接に関連しているため、これらの部位に感染が起きると反応しやすい部位です。

ウイルス性リンパ節炎では、風邪(上気道炎)・インフルエンザ・EBウイルス(伝染性単核球症)などが原因として多く挙げられます。EBウイルス感染症(伝染性単核球症)は「キス病」とも呼ばれ、若年層に多く、発熱・咽頭痛・全身のリンパ節腫脹が特徴的です。この際、耳後部のリンパ節が著明に腫れることがあります。

細菌性リンパ節炎は、ブドウ球菌や連鎖球菌などによる感染が多く、局所の赤みや熱感、押すと強い痛みを伴うことが特徴です。悪化すると膿が溜まる「リンパ節膿瘍」へと進展することもあり、この場合は外科的処置が必要になることがあります。

また、頭皮に湿疹や傷があり、そこから細菌が侵入してリンパ節炎を引き起こすケースもあります。耳後部リンパ節炎は、頭皮の炎症(脂漏性皮膚炎・毛包炎)とも関連することが知られており、特に耳の上や後ろ周辺に痛みとしこりを感じる場合にはこの可能性を考慮する必要があります。

✨ 3. 耳の上を押すと痛い原因②:耳下腺炎・耳介周囲炎

耳の前から下あたりに位置する耳下腺(唾液腺のひとつ)が炎症を起こす「耳下腺炎」も、耳周辺の痛みと腫れの原因となります。最もよく知られているのは「流行性耳下腺炎(おたふく風邪)」で、ムンプスウイルスによる感染症です。耳の前から下顎にかけて腫れ、触れると強い痛みがあります。発熱・食欲不振・嚥下時の痛みも伴うことが多く、成人が感染すると精巣炎・卵巣炎・難聴などの合併症を起こすことがあるため注意が必要です。

一方、細菌性の耳下腺炎は口腔内の細菌が耳下腺管を逆行して感染するもので、口腔内の衛生状態が悪いときや脱水状態のときに起こりやすいとされています。高齢者や術後の患者さんに見られることが多く、片側の耳下腺が赤く腫れ、押すと非常に強い痛みを感じます。

耳介(耳のひらひらした部分)の周囲の皮膚に炎症が起きる「耳介周囲炎」も耳上部の痛みの原因となります。毛包炎・せつ(おでき)・蜂窩織炎(ほうかしきえん)などが耳介周囲に発症すると、周辺のリンパ節が反応して腫れ、押すと痛む状態になります。これらは適切な抗生物質治療で改善することが多いですが、放置すると膿瘍形成や皮膚壊死に至ることもあるため、早めの受診が大切です。

Q. ラムゼイ・ハント症候群はどんな症状が出ますか?

ラムゼイ・ハント症候群は、水痘帯状疱疹ウイルスが顔面神経周囲で再活性化することで起こります。耳介や外耳道への水疱出現、耳周囲の強い神経痛、顔面神経麻痺、難聴、耳鳴りが主な症状です。発症後72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが重要なため、疑われる場合は速やかに受診してください。

🔍 4. 耳の上を押すと痛い原因③:帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)

帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)が再活性化することによって起こる疾患で、皮膚にピリピリとした痛みと水疱を伴う発疹が現れます。このウイルスが顔面神経(第VII脳神経)の周囲で再活性化すると、「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる特徴的な病態を引き起こします。

ラムゼイ・ハント症候群では、耳介や外耳道に水疱が出現し、耳周囲の強い痛み(神経痛)、顔面神経麻痺、難聴、耳鳴りなどを伴います。耳の上や後ろを押すとひどく痛む場合で、これらの症状が同時に現れている場合には、ラムゼイ・ハント症候群の可能性を念頭に置く必要があります。

帯状疱疹は免疫力が低下したときに発症しやすく、50歳以上に特に多く見られますが、過労やストレスが引き金となって若年者にも起こることがあります。発疹が出る前から数日間、ピリピリ感・かゆみ・痛みが先行することがあり、この段階では診断が難しいこともあります。帯状疱疹は発症後72時間以内に抗ウイルス薬を開始することが重要とされており、疑われる場合は早急に皮膚科または耳鼻咽喉科を受診してください。

なお、帯状疱疹ウイルスが頸部のリンパ節を刺激して腫れを引き起こすこともあります。耳上部のリンパ節が腫れて押すと痛いという状態と、帯状疱疹の皮膚症状が同時に見られる場合は、神経科・皮膚科・耳鼻咽喉科など複数の科での評価が必要になる場合があります。

💪 5. 耳の上を押すと痛い原因④:顎関節症・咬筋の異常

「耳の上を押すと痛い」という感覚は、実際には耳そのものではなく、耳の前方にある顎関節(側頭下顎関節)や咀嚼筋(咬筋・側頭筋)の問題から来ていることもあります。顎関節症は、顎の関節や周囲の筋肉に痛みや機能障害が起きる疾患で、耳の前(耳珠の前方)あたりに痛みを感じることが典型的ですが、耳の上の側頭部にかけて痛みが広がることも少なくありません。

顎関節症の主な症状としては、口を開閉するときのカクカクとした音(クリック音)、口が大きく開かない、食事のときに顎が痛むなどがあります。歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方、ストレスが多い生活を送っている方、頬杖をつく癖がある方などに多く見られます。

側頭筋は頭蓋骨の側頭部(耳の上あたり)から下顎骨に伸びる咀嚼筋のひとつで、この筋肉が緊張・炎症を起こすと耳の上を押したときに痛みを感じることがあります。また、筋肉の過緊張(筋筋膜痛)は、押すと痛む「トリガーポイント」と呼ばれる箇所を形成することがあり、耳の上に触れると特定の部分だけが強く痛むという訴えにつながります。

顎関節症の治療は歯科・口腔外科が担当します。スプリント(マウスピース)療法・理学療法・薬物療法などが行われ、多くの場合は保存的な治療で改善が期待できます。リンパ節の腫れを伴わず、口の開閉に関連した痛みがある場合には、この方向での診察を受けることをお勧めします。

🎯 6. 耳の上を押すと痛い原因⑤:外耳炎・中耳炎による放散痛

外耳道(耳の入り口から鼓膜までの通路)に炎症が起きる「外耳炎」も、耳の周辺に痛みをもたらす原因のひとつです。外耳炎は、耳かきのやりすぎや水泳後の耳内の湿潤状態、アレルギーなどが引き金となって発症します。外耳道内の炎症は周辺の組織にも波及することがあり、耳珠(耳の前の出っ張り)を押すと痛みを感じることが外耳炎の典型的なサインとして知られています。

また、中耳炎は主に小児に多い疾患ですが、成人にも発症します。鼓膜の内側の中耳腔に細菌や液体が溜まることで、耳の痛み・耳閉感・聴力低下などが起こります。中耳炎の痛みは耳の奥から周囲に放散することがあり、耳の上部や後部に痛みを感じることがあります。さらに、中耳炎が重症化した場合(急性乳様突起炎)には、耳の後ろにある乳様突起という骨が炎症を起こし、耳後部に強い痛みと腫れが生じます

急性乳様突起炎は放置すると髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、耳の後ろが赤く腫れて強い痛みがある場合は速やかに耳鼻咽喉科を受診してください。外耳炎や中耳炎の場合、周囲のリンパ節(耳後リンパ節・耳前リンパ節)が反応して腫れることもあるため、耳の上を押すと痛いという症状と合わせてこれらの疾患の可能性を考慮する必要があります。

Q. 耳の上の痛みと顎関節症はどう関係しますか?

顎関節症では顎の関節や咀嚼筋に機能障害が生じ、耳の上の側頭部にかけて痛みが広がることがあります。耳の上付近に位置する側頭筋が緊張・炎症を起こすと、押したときに痛むトリガーポイントが形成されます。口の開閉時や食事中に痛みが強まる場合は、歯科・口腔外科への受診が適しています。

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💡 7. 耳の上を押すと痛い原因⑥:粉瘤(アテローム)・脂肪腫

耳の上を押すと痛いという症状の中には、皮下に発生した良性の腫瘤が原因となっているケースもあります。代表的なものとして「粉瘤(アテローム)」と「脂肪腫」があります。

粉瘤は、皮膚の下に角質や皮脂などが袋状に溜まってできる腫瘤です。頭皮は粉瘤が好発する部位のひとつで、耳の上の頭皮や耳介周囲にもよく発生します。通常は痛みがないことが多いですが、細菌感染を起こして炎症性粉瘤になると、赤く腫れ上がって押すと強い痛みを感じます。炎症が著しい場合は切開排膿処置が必要なことがあります。炎症が落ち着いたあとに、根本的な治療として腫瘤を摘出する手術(くりぬき法・切除法)を行うことが一般的です。

脂肪腫は、皮下脂肪組織が増殖した良性の腫瘤で、柔らかく弾力があり、動きやすい特徴があります。多くの場合は無症状ですが、大きくなったり位置によっては押すと鈍い痛みを感じることがあります。耳の上の側頭部や後頭部に発生することがあり、触れるとしこりのように感じられます。脂肪腫は悪性化することはほとんどありませんが、見た目や感触が気になる場合、あるいは大きくなっている場合には手術による摘出が選択されます。

粉瘤や脂肪腫はリンパ節の腫れとは異なり、感染に対する反応として生じるものではありませんが、炎症を起こしている粉瘤はリンパ節炎と区別がつきにくい場合もあります。専門医(皮膚科・形成外科)による診察と必要に応じた超音波検査などで正確に診断することが大切です。

📌 8. 耳の上を押すと痛い原因⑦:悪性リンパ腫・その他の腫瘍

リンパ節の腫れが長期間(目安として2〜4週間以上)続いている場合や、痛みを伴わず徐々に大きくなっている場合、発熱・寝汗・体重減少(これらをB症状と呼びます)を伴う場合には、悪性リンパ腫などの悪性疾患の可能性を否定する必要があります。

悪性リンパ腫はリンパ組織(リンパ球)が腫瘍化した疾患で、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫に大別されます。頸部・腋窩・鼠径部などのリンパ節が腫れることが多く、痛みを伴わないことが多いのが特徴です。しかし炎症を伴う場合には押すと痛みを感じることもあり、単純な感染症によるリンパ節炎との区別が難しいことがあります。

また、頭頸部領域の悪性腫瘍(口腔がん・咽頭がん・喉頭がん・甲状腺がん・耳下腺がんなど)が転移してリンパ節腫脹を引き起こすこともあります。転移性のリンパ節は通常かたく、固定されて動きにくいことが多いとされています。

もちろん、耳の上の痛みのほとんどはこうした悪性疾患によるものではなく、感染症や良性の炎症が原因です。しかし以下のような症状がある場合には、躊躇せず医療機関を受診することをお勧めします。リンパ節の腫れが2〜4週間以上続く、腫れが大きくなっている、複数箇所のリンパ節が腫れている、発熱・体重減少・全身倦怠感を伴う、押しても動かないかたいしこりがあるといった場合です。

✨ 9. 症状から読み解く:痛みの特徴と考えられる疾患

耳の上を押すと痛いという症状をより詳しく把握するために、痛みや腫れの特徴から考えられる疾患を整理してみましょう。

押したときだけ痛い、安静時には痛みがない場合は、リンパ節炎(反応性)・粉瘤(非炎症期)・脂肪腫などが考えられます。感染症の治癒後にしばらくリンパ節が残ることもあり、押すと鈍痛があるが徐々に縮小しているという場合は経過観察で対応できることが多いです。

常に痛みがあり、押すとさらに強くなる場合は、急性のリンパ節炎・炎症性粉瘤・外耳炎・蜂窩織炎などの活動性の炎症が疑われます。赤みや熱感・腫脹を伴う場合は、細菌感染の可能性があるため早めの受診が必要です。

ピリピリとした神経痛のような痛みが耳の上から側頭部にかけて広がる場合は、帯状疱疹・三叉神経痛・後頭神経痛などが考えられます。神経痛は押すというよりも電気が走るような鋭い痛みが特徴で、皮膚に発疹が現れている場合は帯状疱疹の可能性が高くなります。

口を開閉したときや食事のときに耳の上あたりが痛む場合は、顎関節症や側頭筋の炎症が疑われます。このタイプの痛みは歯科・口腔外科での診察が有効です。

しこりが触れて、それが2〜4週間以上縮小しない場合や、だんだん大きくなっている場合は、悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患を除外するための精査が必要です。特に痛みがないのに腫れが続く場合は、血液内科・耳鼻咽喉科・頭頸部外科などでの検査を受けることをお勧めします。

Q. 耳の上のしこりが粉瘤かリンパ節の腫れか見分けられますか?

粉瘤(アテローム)とリンパ節の腫れは外見や触感が似ており、自己判断での見分けは困難です。特に粉瘤が細菌感染で炎症を起こすと赤く腫れて強い痛みが出るため、リンパ節炎と混同されやすくなります。アイシークリニックでは超音波検査を用いた鑑別診断を行っており、気になるしこりは専門医への受診をお勧めします。

🔍 10. 何科を受診すればよいか

耳の上を押すと痛いという症状に対して、どの診療科を受診すればよいか迷う方も多いでしょう。症状の種類や特徴によって受診先が変わりますので、以下を参考にしてください。

まず、発熱を伴う場合や風邪症状がある場合、リンパ節が腫れていると思われる場合は、内科または耳鼻咽喉科の受診が適しています。内科では全身状態の評価と血液検査による感染症・炎症の確認が行われます。耳鼻咽喉科では耳・鼻・喉・頸部のリンパ節を専門的に評価してもらえます。

耳に関連した症状(耳の痛み・耳鳴り・難聴・耳閉感)を伴う場合は、耳鼻咽喉科が最適です。外耳炎・中耳炎・急性乳様突起炎・ラムゼイ・ハント症候群なども耳鼻咽喉科で診断・治療が可能です。

皮膚に発疹・水疱・赤みがある場合は皮膚科を受診してください。帯状疱疹・湿疹・毛包炎・蜂窩織炎などの皮膚疾患の診断・治療は皮膚科が専門です。

しこりがある場合(粉瘤・脂肪腫が疑われる場合)は、皮膚科または形成外科を受診しましょう。超音波検査などで腫瘤の性質を評価したうえで、摘出手術が必要かどうかを判断してもらえます。

口を開けるときや食事のときに痛みが強まる場合は歯科または口腔外科への受診が有効です。顎関節症・咬筋の緊張・歯や歯周組織の問題が原因であることがあります。

リンパ節の腫れが長期間続く、体重が減ってきた、全身のリンパ節が複数腫れているなど、悪性疾患が疑われる場合は、血液内科・頭頸部外科(耳鼻咽喉科系)への受診が勧められます。必要に応じてCT・MRI・PET-CTなどの画像検査や、リンパ節生検(組織を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われます。

どの科を受診すればよいか迷う場合は、まずかかりつけ医(一般内科)に相談するのがよいでしょう。症状を評価したうえで適切な専門科に紹介してもらえます。

💪 11. 日常生活での注意点とセルフケア

耳の上を押すと痛いという症状がある場合、まず原因を特定することが最優先ですが、受診までの間や症状が軽い場合の日常生活での注意点についてもまとめておきます。

患部を強く押さない・刺激しないようにしましょう。腫れているリンパ節や炎症のある粉瘤などを強く揉んだり押したりすることは、炎症を悪化させたり、細菌感染が広がるリスクを高めるため、触りすぎないことが大切です。

十分な睡眠と休養を取ることが免疫力の維持につながります。リンパ節炎をはじめ多くの感染症は、体の免疫力が低下したときに悪化しやすくなります。過労や睡眠不足を避け、規則正しい生活を送ることが体の回復を助けます。

頭皮や耳まわりの清潔を保つことも大切です。頭皮の不衛生な状態は毛包炎や皮膚炎の原因となり、リンパ節への影響につながることがあります。適切なシャンプーと洗髪習慣を心がけましょう。ただし、炎症がある場合は刺激を最小限にしてください

耳かきのやりすぎには注意が必要です。耳かきで外耳道を傷つけると外耳炎の原因になります。綿棒での耳掃除も外耳道を刺激するため、月に1〜2回程度に留め、耳の入り口付近だけを軽くふき取る程度にしましょう

歯ぎしりや食いしばりに心当たりがある場合は、ストレスの管理が重要です。日中に気づいたら歯を離すよう意識し、就寝時のマウスピース使用については歯科医師に相談しましょう。側頭部の筋肉の緊張を和らげるために、温かいタオルを当てる温罨法が症状の緩和に役立つことがあります。

帯状疱疹のリスクを減らすために、50歳以上の方は帯状疱疹ワクチンの接種を検討することをお勧めします。帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと組換えサブユニットワクチンがあり、組換えサブユニットワクチンはより高い予防効果が期待されています。ワクチンについては、かかりつけ医や内科・皮膚科でご相談ください。

なお、以下の場合は速やかに医療機関を受診することを強くお勧めします。高熱(38度以上)を伴う場合、リンパ節の腫れや痛みが急速に悪化している場合、皮膚が赤く広がってきた場合(蜂窩織炎の可能性)、耳の後ろが著しく腫れている場合(乳様突起炎の可能性)、顔面に麻痺症状がある場合、呼吸や嚥下が困難な場合などは、緊急性が高いため迷わず受診してください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、耳の上のしこりや押すと痛いというお悩みでご来院される患者さんの多くが、粉瘤(アテローム)の炎症を原因とされており、気になりながらも長期間放置されているケースが少なくありません。粉瘤はリンパ節の腫れと見分けがつきにくいこともありますが、超音波検査などを用いて丁寧に診断したうえで、患者さん一人ひとりに適した治療をご提案しておりますので、耳まわりのしこりや違和感があればどうぞお気軽にご相談ください。また、発熱・顔面麻痺・急激な腫れの悪化などを伴う場合は緊急性が高いこともあるため、そのような症状がある場合は速やかに医療機関を受診されることを強くお勧めします。」

🎯 よくある質問

耳の上を押すと痛いのはリンパ節が原因ですか?

耳の上の痛みはリンパ節の腫れが原因であることが多いですが、それだけとは限りません。帯状疱疹、顎関節症、外耳炎・中耳炎、粉瘤(アテローム)、脂肪腫など、さまざまな疾患が原因となる可能性があります。痛みが続く場合は自己判断せず、医療機関への受診をお勧めします

耳の上のリンパ節の腫れはどのくらいで自然に治りますか?

風邪などウイルス感染による一時的なリンパ節の腫れは、通常数週間以内に自然に改善することが多いです。ただし、2〜4週間以上腫れが続く場合や、発熱・体重減少・全身倦怠感を伴う場合は、早めに医療機関を受診してください

耳の上が痛いとき、何科を受診すればよいですか?

症状によって受診科が異なります。発熱やリンパ節の腫れがある場合は内科または耳鼻咽喉科、皮膚に発疹がある場合は皮膚科、口の開閉時に痛む場合は歯科・口腔外科が適しています。しこりがある場合は皮膚科または形成外科が専門です。迷う場合はまずかかりつけ医に相談しましょう。

耳の上のしこりが粉瘤かリンパ節の腫れか見分ける方法はありますか?

粉瘤とリンパ節の腫れは自己判断での見分けが難しく、アイシークリニックでも超音波検査などを用いて丁寧に鑑別診断を行っています。粉瘤は感染すると赤く腫れて強い痛みが出ることがあり、リンパ節炎と混同されやすいため、気になるしこりがある場合は専門医への受診をお勧めします。

耳の上の痛みで、すぐに病院へ行くべき緊急サインはありますか?

以下の症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。38度以上の高熱を伴う場合、耳の後ろが著しく腫れている場合(乳様突起炎の疑い)、顔面に麻痺症状がある場合(ラムゼイ・ハント症候群の疑い)、皮膚の赤みが急速に広がる場合、呼吸や飲み込みが困難な場合などは、緊急性が高いため迷わず受診してください。

💡 まとめ

耳の上を押すと痛いという症状は、耳周辺に多く存在するリンパ節の反応が最も多い原因ですが、その背景にはさまざまな疾患が考えられます。リンパ節炎(細菌性・ウイルス性)、耳下腺炎、帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)、顎関節症、外耳炎・中耳炎による放散痛、粉瘤・脂肪腫、そして稀ながら悪性リンパ腫などの腫瘍性疾患まで、幅広い原因が存在します。

多くの場合は感染症や軽度の炎症が原因であり、安静・適切な治療によって改善しますが、症状が長引く・悪化する・全身症状を伴うなどの場合には、専門的な評価が必要です。耳の上の痛みをどの科で診てもらえばよいかわからない場合は、まずかかりつけ医に相談することが第一歩です。症状を放置せず、適切なタイミングで専門家に診てもらうことが、健康を守るうえで最も重要なことです。

アイシークリニック新宿院では、皮膚・皮下腫瘍(粉瘤・脂肪腫など)に関する相談・治療を行っております。耳の上にしこりがある・以前から気になっているという方は、ぜひお気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 国立感染症研究所 – リンパ節炎の原因となるEBウイルス(伝染性単核球症)、ムンプスウイルス(流行性耳下腺炎)、水痘帯状疱疹ウイルス(帯状疱疹・ラムゼイ・ハント症候群)などの感染症に関する疫学情報・診断基準の参照
  • 厚生労働省 – 帯状疱疹ワクチン接種に関する推奨情報、流行性耳下腺炎をはじめとする感染症の予防・対策に関する公的ガイダンスの参照
  • 日本皮膚科学会 – 粉瘤(アテローム)・帯状疱疹・蜂窩織炎・毛包炎など皮膚疾患の診断・治療に関する学会ガイドラインの参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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