
「最近、唇が荒れやすくなった気がする」「リップクリームを塗っても、すぐにカサカサになってしまう」――50代になって、こんな悩みを抱える方は決して少なくありません。唇の荒れは若い頃にも起こりますが、50代以降は原因が複合的になりやすく、なかなか改善しないケースも見られます。単なる乾燥だと思って放置していると、慢性的な口唇炎や口角炎に発展することもあります。この記事では、50代の唇荒れの原因から日常的なセルフケアの方法、医療機関への相談が必要なケースまで、幅広く丁寧に解説します。正しい知識を身につけて、健康的で潤いのある唇を取り戻しましょう。
目次
- 50代に唇荒れが増える理由
- 唇の構造と若い頃との違い
- 50代の唇荒れの主な原因
- 唇荒れの種類とそれぞれの特徴
- 日常でできるセルフケアと予防法
- リップケアアイテムの選び方
- 食生活・栄養素との関係
- ホルモン変化と唇の乾燥
- 医療機関を受診するべきサイン
- クリニックで受けられる治療の選択肢
- まとめ
この記事のポイント
50代の唇荒れは乾燥・ホルモン変化・栄養不足・アレルギー等の複合要因で生じる。保湿ケアや食生活改善が基本だが、2週間以上改善しない場合や水疱・腫れを伴う場合は皮膚科受診が必要。アイシークリニックでは原因に応じた治療を提案している。
🎯 50代に唇荒れが増える理由
50代という年齢は、身体のさまざまな部分で変化が生じやすい時期です。皮膚全体の老化が進むだけでなく、ホルモンバランスの変動、免疫機能の変化、唾液の分泌量の減少など、複数の要因が重なることで、唇の荒れが引き起こされやすくなります。
20代や30代の頃は、一時的に唇が荒れても、数日ケアをすれば回復することが多かったはずです。しかし50代になると、回復に時間がかかったり、同じ場所が繰り返し荒れたりするといった変化が現れてきます。これは皮膚のターンオーバー(細胞の生まれ変わり)のサイクルが遅くなっていること、皮脂や天然保湿因子の分泌が低下していることなどが影響しています。
また、更年期を迎える女性は特に、エストロゲンの減少によって皮膚全体の水分保持力が低下します。唇は皮脂腺がなく、もともと乾燥しやすい部位であるため、こうした変化の影響を受けやすいのです。
Q. 50代で唇荒れが悪化しやすい理由は?
50代では皮膚のターンオーバーが遅くなり、天然保湿因子や皮脂の分泌が低下します。特に更年期を迎える女性はエストロゲンの減少により皮膚の水分保持力が落ち、皮脂腺のない唇は乾燥の影響を受けやすくなります。若い頃より回復に時間がかかるのが特徴です。
📋 唇の構造と若い頃との違い
唇は医学的には「口唇」と呼ばれ、皮膚と粘膜の中間的な性質を持つ「半粘膜」で覆われています。皮脂腺や汗腺がほとんどなく、角層(皮膚の最外層)も非常に薄いため、乾燥や外部刺激の影響を受けやすい部位です。
若い頃は細胞の入れ替わりが活発で、唇の表面が傷んでもすぐに新しい細胞が生まれます。しかし加齢とともに、このターンオーバーのサイクルが長くなり、古い細胞が剥がれ落ちる前に新しい細胞が追いつかない状態になっていきます。その結果、唇の表面がごわつき、ひび割れや皮むけが起こりやすくなります。
さらに、唇に含まれるコラーゲンやヒアルロン酸の量も加齢によって減少し、ふっくらとした弾力が失われていきます。こうした構造的な変化が、50代の唇荒れの土台となっていると考えられます。
💊 50代の唇荒れの主な原因
50代の唇荒れには、年齢的な変化だけでなく、さまざまな要因が複合的に関わっています。以下に主な原因を詳しく見ていきましょう。
🦠 乾燥・低湿度環境
空気が乾燥する秋冬だけでなく、夏でもエアコンによる室内乾燥が原因で唇が荒れることがあります。50代になると皮膚の天然保湿因子(NMF)が減少しており、同じ乾燥環境でも若い頃よりダメージを受けやすくなっています。
👴 紫外線ダメージ
唇は顔の中でも紫外線を受けやすい部位のひとつです。長年にわたる紫外線ダメージの蓄積によって、唇の粘膜や周辺の皮膚がダメージを受け、荒れやすくなります。50代の方は若い頃から日焼け止めをリップに塗る習慣がなかったケースも多く、その影響が出やすい世代でもあります。
🔸 口呼吸や唾液による刺激
鼻詰まりやアレルギーなどで口呼吸が習慣になっていると、唇が乾燥しやすくなります。また、唇をなめる癖がある場合、唾液中に含まれる消化酵素が唇の粘膜を刺激し、荒れを引き起こす原因になります。唇がカサカサになるとついなめたくなりますが、これが悪循環を生むことになります。
💧 接触性皮膚炎(かぶれ)
リップクリームや口紅、歯磨き粉、食品などに含まれる成分にアレルギー反応を示すことがあります。使い慣れたはずのコスメでも、50代になってから突然アレルギーが発症することがあります。特定の成分(香料、防腐剤、着色料など)が原因で口唇炎を引き起こすケースは珍しくありません。
✨ 栄養不足
ビタミンB2・B6の不足は口唇炎や口角炎の大きな要因です。50代は消化吸収機能の低下や食事量の変化により、ビタミン類が不足しやすい世代でもあります。また、亜鉛や鉄分の不足も皮膚トラブルに関係しています。
📌 ストレスと免疫力の低下
慢性的なストレスは免疫機能を低下させ、口唇ヘルペスなどのウイルス感染が再活性化するリスクを高めます。ヘルペスウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、免疫が下がったタイミングで症状が出ることが多いため、50代以降は再発しやすくなる傾向があります。
▶️ 薬の副作用
50代になると、高血圧や糖尿病、コレステロールなどで内服薬を使用している方も増えます。一部の薬には口腔粘膜や唇の乾燥・荒れを引き起こす副作用があります。降圧薬(特にACE阻害薬)、抗ヒスタミン薬、利尿薬などが代表的です。
Q. 50代の唇荒れにはどんな種類がある?
主な種類として、乾燥が原因の「単純性口唇炎」、化粧品や食品成分への反応による「接触性口唇炎」、口角が切れる「口角炎」、ウイルス再活性化による「口唇ヘルペス」、長年の紫外線蓄積で生じる「日光口唇炎」があります。種類によって原因と治療法が異なります。
🏥 唇荒れの種類とそれぞれの特徴
唇荒れと一口に言っても、実はさまざまな種類があり、それぞれ原因や治療法が異なります。自分の症状がどのタイプに当てはまるかを把握することが、適切なケアへの第一歩です。
🔹 単純性口唇炎
最も一般的なタイプで、乾燥や紫外線、唇をなめる習慣などが原因で起こります。唇の表面が乾燥し、皮がむけたり、ひびが入ったりします。適切な保湿ケアで改善することが多いですが、慢性化すると皮膚が厚くなることもあります。
📍 接触性口唇炎
化粧品や食品、歯磨き粉などに含まれる特定の成分に対するアレルギー反応や刺激反応で起こります。赤み・腫れ・かゆみ・水疱などの症状が出ることがあります。原因となるものを特定して避けることが根本的な治療になります。
💫 口角炎
唇の端(口角)に亀裂が入ったり、赤くただれたりする状態です。ビタミンB2・B6不足や細菌・カンジダ菌感染が原因となることが多いです。50代では免疫力の低下や栄養不足によって口角炎が繰り返し起こるケースがあります。
🦠 口唇ヘルペス
単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)の感染・再活性化によって生じます。唇の周囲に小さな水疱が集まって現れ、かゆみや痛みを伴います。発症前にムズムズした違和感を感じることが多く、これを「前駆症状」と言います。抗ウイルス薬による治療が有効です。
👴 日光口唇炎(光線口唇炎)
長年の紫外線ダメージが蓄積して起こる慢性的な炎症で、下唇に生じやすいのが特徴です。乾燥・皮むけ・白みがかった変色などが見られ、まれに前がん病変(白板症など)に移行することもあるため、皮膚科での診察が重要です。
⚠️ 日常でできるセルフケアと予防法
唇荒れを防ぎ、改善するための日常ケアには、いくつかの基本的なポイントがあります。50代の肌の状態に合わせた方法を意識することが大切です。
🔸 こまめな保湿を習慣にする
唇は放置しているとすぐに水分が蒸発します。外出前、就寝前、食事後など、1日に何度もリップクリームなどで保湿することが基本です。特に就寝前のケアは、睡眠中に乾燥しやすい唇をしっかり保護するために重要です。厚めに塗っておくと翌朝の状態が変わってきます。
💧 唇をなめる・触る癖をやめる
唇がカサカサすると無意識になめてしまいがちですが、これは乾燥を悪化させます。唾液が蒸発する際に唇の水分も一緒に奪ってしまうためです。また、皮むけが気になって指で剥いてしまう癖も出血や炎症の原因になります。気になったらリップクリームを塗る習慣をつけましょう。
✨ マスクの影響に注意する
マスクの着用が習慣化している方は、マスク内の蒸れと外した際の急激な乾燥が交互に繰り返されることで、唇が荒れやすくなります。マスクをつける前にリップクリームで保護し、外した後にも保湿を心がけましょう。
📌 室内の湿度管理
室内の湿度が50〜60%を下回ると、皮膚や唇の乾燥が進みやすくなります。特に冬場やエアコンを使う季節は加湿器を活用し、適切な湿度を保つことが大切です。寝室での使用も効果的です。
▶️ UVカット機能のあるリップを使う
日中はSPFやPAの表示があるリップクリームを選ぶと、紫外線ダメージの蓄積を予防できます。50代の方は長年のUVダメージがすでに蓄積している場合が多いため、今からでも紫外線対策を続けることが大切です。
🔹 十分な水分摂取
体内の水分が不足すると、皮膚や粘膜の乾燥にもつながります。50代になると喉の渇きを感じにくくなる方も多いため、意識的に水分を摂ることが必要です。1日1.5〜2リットルを目安に、こまめに水や白湯を飲む習慣をつけましょう。
🔍 リップケアアイテムの選び方
市販のリップケアアイテムは非常に多岐にわたりますが、50代の唇荒れに対応するためには、成分の内容をしっかり確認して選ぶことが重要です。
📍 保湿成分を重視する
ヒアルロン酸、セラミド、スクワラン、ワセリン、シアバターなどは高い保湿効果が期待できる成分です。特にワセリンは皮膚科でも推奨されることが多く、刺激が少ないため敏感になった唇にも適しています。ヒアルロン酸やセラミドは水分保持力を高める働きがあり、乾燥による荒れ対策に役立ちます。
💫 香料・着色料が少ないものを選ぶ
50代以降は肌が敏感になりやすく、これまで使っていたリップでも突然アレルギー反応が出ることがあります。香料や着色料、防腐剤の少ないシンプルな成分構成のものを選ぶことで、接触性口唇炎のリスクを下げられます。「無香料・無着色」の表示を目安にしてみましょう。
🦠 メントール・カンフルには注意
スーッとした清涼感が特徴のメントールやカンフルが配合されたリップクリームは、使用直後は気持ちいい感覚がありますが、荒れている唇や敏感な唇には、こうした成分を含まないシンプルなものが向いています。
👴 薬用リップクリームの活用
ビタミンEやグリチルリチン酸ジカリウムなどが配合された薬用(医薬部外品)リップクリームは、荒れた唇の改善をサポートする効果が期待できます。薬局やドラッグストアで購入できるため、セルフケアの選択肢として取り入れてみましょう。
Q. 唇荒れに効果的な栄養素は何ですか?
ビタミンB2(レバー・納豆・卵)とB6(カツオ・鶏肉・バナナ)は口唇炎・口角炎の予防に重要です。ビタミンAは粘膜を健康に保ち、ビタミンCはコラーゲン生成を助けます。亜鉛は皮膚の再生を促すため、牡蠣や豆類も積極的に摂ることが勧められます。
📝 食生活・栄養素との関係
唇荒れの改善には、外からのケアだけでなく、体の内側からのアプローチも重要です。特定の栄養素が不足すると、唇や口周りの皮膚トラブルが起きやすくなることが知られています。
🔸 ビタミンB2(リボフラビン)
ビタミンB2は皮膚・粘膜の健康維持に欠かせない栄養素で、不足すると口唇炎や口角炎が起こりやすくなります。レバー、うなぎ、納豆、乳製品、卵などに多く含まれています。50代の女性は特に意識的に摂るようにしましょう。
💧 ビタミンB6(ピリドキシン)
皮膚や粘膜の代謝に関わるビタミンで、不足すると口角炎や皮脂分泌の乱れが起こりやすくなります。カツオ、マグロ、鶏肉、バナナ、ピスタチオなどに多く含まれています。
✨ ビタミンA
皮膚や粘膜の正常な状態を維持する役割があります。不足すると皮膚が乾燥し、唇の荒れにもつながります。にんじん、ほうれん草、かぼちゃ、レバーなどに多く含まれています。
📌 ビタミンC
コラーゲンの生成を助け、抗酸化作用によって皮膚細胞の老化を防ぎます。唇のふっくら感を支えるコラーゲン合成にも関与しているため、50代のリップケアにはビタミンCの摂取も欠かせません。ブロッコリー、パプリカ、キウイ、いちごなどが豊富な供給源です。
▶️ 亜鉛・鉄分

亜鉛は皮膚の再生に関わるミネラルで、不足すると皮膚トラブルが起きやすくなります。牡蠣、牛肉、豆類などに多く含まれています。鉄分不足による貧血も粘膜の状態に影響するため、小松菜、レバー、大豆製品なども積極的に摂りましょう。
50代では食事量が減る方も多く、ビタミンやミネラルが不足しがちです。バランスの良い食事を心がけるとともに、不足しやすい栄養素はサプリメントで補うことも選択肢のひとつです。
💡 ホルモン変化と唇の乾燥
50代の女性にとって、唇荒れを考える上で避けて通れないのがホルモン変化、特に更年期との関係です。
女性ホルモンであるエストロゲンは、皮膚のコラーゲン生成・水分保持・皮脂分泌のバランスなどに深く関わっています。閉経前後の更年期(一般的に45〜55歳頃)にエストロゲンが急激に減少すると、皮膚全体が薄く乾燥しやすくなります。唇も例外ではなく、保湿力の低下・ひび割れ・皮むけが起こりやすくなります。
また、更年期症状のひとつとして口腔乾燥(ドライマウス)が挙げられることがあります。唾液の分泌が減ることで口腔内や唇が乾燥しやすくなり、唇荒れを引き起こしやすい環境が生まれます。
さらに、更年期にはホットフラッシュ(ほてり・のぼせ)や発汗が増えることで、体全体の水分バランスが崩れやすくなることも乾燥に関係します。
ホルモン変化による唇荒れは、外からのケアだけでは対処しきれない場合があります。婦人科での更年期治療(ホルモン補充療法など)や漢方薬の処方が、皮膚状態の改善にも間接的に役立つことがあります。気になる症状があれば、婦人科や更年期外来への相談も検討してみてください。
Q. 唇荒れでクリニック受診が必要なのはいつ?
セルフケアを続けても2週間以上改善しない場合、唇周囲に水疱やじゅくじゅくした傷がある場合、強い腫れやかゆみがある場合、唇の色や形に変化が見られる場合は早めの受診が必要です。アイシークリニックでは原因を見極めた上で、一人ひとりに合った治療プランを提案しています。
✨ 医療機関を受診するべきサイン
セルフケアで改善しない唇荒れや、特定の症状が見られる場合は、皮膚科や美容皮膚科への受診を検討する必要があります。以下のようなサインがある場合は、自己判断でのケアに限界があるかもしれません。
🔹 2週間以上改善しない場合
一般的な乾燥による唇荒れであれば、適切なケアをすれば1〜2週間以内に改善してくることが多いです。それ以上経っても症状が続く場合は、接触性口唇炎や慢性口唇炎、あるいはほかの皮膚疾患が関わっている可能性があります。
📍 水疱・じゅくじゅくした傷がある
唇やその周囲に小さな水疱が複数集まって出てきた場合、口唇ヘルペスの可能性があります。ヘルペスは抗ウイルス薬の早期使用が効果的なため、症状が出たらなるべく早く皮膚科を受診することが大切です。
💫 腫れや強いかゆみを伴う場合
唇が著しく腫れたり、強いかゆみが続いたりする場合は、接触性皮膚炎(アレルギー性または刺激性)や、まれに血管性浮腫などが考えられます。アレルギーの原因を特定するためには医療機関でのパッチテストが有効です。
🦠 唇の色や形に変化がある
唇の一部が白くなる(白板症)、赤みの強い斑点が出る(紅板症)、しこりや潰瘍ができるなどの変化は、粘膜疾患や前がん病変のサインである可能性があります。これらは見た目だけでは判断が難しく、皮膚科や口腔外科での診察・生検が必要なことがあります。
👴 口角が繰り返し切れる
口角炎が繰り返し起こる場合は、ビタミン不足だけでなく、カンジダ菌(真菌)感染や細菌感染が関わっていることがあります。この場合は抗真菌薬や抗生物質の外用薬が必要になります。
📌 クリニックで受けられる治療の選択肢
医療機関を受診することで、セルフケアでは対処しきれない唇荒れに対して、より的確な治療を受けることができます。症状や原因に応じた治療法を選択することが大切です。
🔸 皮膚科での治療
皮膚科では、問診と視診をもとに口唇炎の種類を判断し、必要に応じてパッチテストや培養検査などを行います。治療としては、炎症が強い場合にステロイド外用薬が処方されることがあります。カンジダ感染が確認された場合は抗真菌薬、細菌感染には抗生物質の外用薬や内服薬が使われます。口唇ヘルペスには抗ウイルス薬の内服や外用が行われます。
💧 アレルギー検査(パッチテスト)
接触性口唇炎が疑われる場合、パッチテストによって原因物質を特定することができます。化粧品成分・歯磨き粉成分・食品添加物など、日常的に触れるさまざまな物質に対するアレルギーの有無を調べることができます。原因が分かれば、その物質を避けることで再発を防ぐことができます。
✨ 美容皮膚科での治療
美容皮膚科では、唇の乾燥・ひび割れ・くすみ・縦じわなど、加齢によるさまざまな唇の悩みに対応しています。
ヒアルロン酸注射は、唇にヒアルロン酸を注入することで、失われたボリュームを補い、ふっくらとした唇を取り戻す治療です。同時に保湿力も高まるため、慢性的な乾燥による荒れの改善にも役立ちます。施術時間が短く、ダウンタイムも少ないのが特徴です。
また、唇周りの縦じわ(唇の縦筋)にはボツリヌストキシン注射が行われることもあります。これは筋肉の動きを一時的に抑えることで、縦じわを目立ちにくくする治療です。
レーザー治療やケミカルピーリングは、紫外線ダメージや色素沈着、唇のくすみなどに対して用いられることがあります。唇の日光口唇炎や、荒れによる色素沈着の改善を目的として行われるケースがあります。
📌 ビタミン点滴・内服療法
ビタミンB群やビタミンC、亜鉛などの栄養素が不足している場合、内服薬の処方やビタミン点滴によって効率的に補給する方法もあります。特にビタミンB2・B6の内服は口唇炎・口角炎の改善に用いられることがあり、皮膚科や内科で処方可能です。
▶️ 漢方薬による体質改善
更年期に伴う乾燥や炎症体質の改善を目的として、漢方薬が処方されることがあります。体質や症状によって適した処方が異なるため、漢方専門医や婦人科、皮膚科での診察が必要です。長期的な体質改善を目指す方に向いています。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「50代の方から「リップクリームを使っても改善しない」「同じ箇所が繰り返し荒れる」といったご相談を多くいただいています。最近の傾向として、単純な乾燥だけでなく、更年期によるホルモン変化やアレルギーが複合的に絡み合っているケースが少なくなく、原因をきちんと見極めることが適切なケアへの近道です。」
🎯 よくある質問
50代では皮膚のターンオーバーの遅化、天然保湿因子の減少、女性ホルモン(エストロゲン)の低下など複数の要因が重なります。特に更年期を迎える女性は皮膚の水分保持力が低下しやすく、皮脂腺のない唇はその影響を受けやすい部位です。若い頃より回復に時間がかかるのも特徴です。
ヒアルロン酸・セラミド・ワセリン・シアバターなど保湿成分を含むものを選びましょう。50代の肌は敏感になりやすいため、香料・着色料・メントールが少ないシンプルな成分構成がおすすめです。日中はUVカット機能付きを使用すると、紫外線ダメージの蓄積予防にもなります。
口角炎の繰り返しには、ビタミンB2・B6の不足、免疫力の低下、カンジダ菌や細菌感染などが関わっている場合があります。栄養補給や保湿だけでは改善しないケースでは、抗真菌薬や抗生物質が必要なこともあるため、症状が続く場合は皮膚科への受診をおすすめします。
以下の場合は早めの受診をおすすめします。①セルフケアを続けても2週間以上改善しない、②唇周囲に水疱やじゅくじゅくした傷がある(口唇ヘルペスの疑い)、③強い腫れやかゆみがある、④唇の色・形に変化がある、⑤口角炎を繰り返す。アイシークリニックでも丁寧な診察を行っています。
関係しています。更年期にエストロゲンが減少すると、皮膚のコラーゲンや水分保持力が低下し、唇も乾燥・ひび割れしやすくなります。また、口腔乾燥(ドライマウス)を引き起こすこともあります。外からのケアだけで改善しない場合は、婦人科でのホルモン補充療法や漢方薬も選択肢のひとつです。
📋 まとめ
50代の唇荒れは、乾燥・紫外線・ホルモン変化・栄養不足・アレルギー・感染症など、さまざまな要因が複合的に絡み合って起こります。若い頃とは異なる原因が加わっているため、同じケアをしていても改善しないことがあるのはそのためです。
まず大切なのは、自分の唇荒れの原因を正しく把握することです。単純な乾燥であれば、保湿ケアの徹底・生活習慣の見直し・栄養バランスの改善で対処できますが、接触性口唇炎・口唇ヘルペス・カンジダ感染などが関わっている場合は、医療機関での診断と治療が必要です。
また、50代女性にとってはホルモン変化の影響も無視できません。更年期に伴う皮膚の乾燥や粘膜の弱化が背景にある場合は、婦人科との連携も視野に入れるとよいでしょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口唇炎・口角炎・接触性皮膚炎・口唇ヘルペスなど、記事で解説している唇荒れの種類や皮膚疾患の診断・治療方針に関する学会公式情報
- 厚生労働省 – ビタミンB2・B6・ビタミンA・ビタミンC・亜鉛・鉄分など、口唇炎・口角炎と関連する栄養素の摂取基準および食事バランスに関する公式情報
- 国立感染症研究所 – 記事内で言及している口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス1型/HSV-1)の感染・再活性化メカニズム、免疫低下との関係、治療方針に関する公式情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
