
股間やお尻まわりのかゆみや赤みが続くとき、「これはいんきんたむし?それとも湿疹?」と悩む方は多くいます。どちらも似たような症状が出やすく、見た目だけで判断することは専門家でも難しい場合があります。しかし、原因がまったく異なるため、間違った対処をしてしまうと症状が悪化したり、長引いたりするリスクがあります。この記事では、いんきんたむしと湿疹それぞれの特徴や症状の違い、自宅でできる見分け方のポイント、そして正しい対処法について詳しく解説します。
❌ 間違った市販薬を使って症状が悪化・長期化するケースが後を絶ちません。
❌ いんきんたむしにステロイドを塗り続けると菌が増殖して広がるリスクがあります。
❌ 自己判断で放置すると、パートナーや家族へのうつしてしまうリスクも。
✅ この記事を読めば、いんきんたむしと湿疹の正しい見分け方がわかる!
✅ 自分でできるチェックポイントと、正しい対処法・受診タイミングが明確になります。
「かゆい=とりあえず市販薬」はNG!
原因によって使う薬がまったく違います。まずは正しく見分けることが治癒への近道です。
目次
- いんきんたむしとは?基本的な知識を整理しよう
- 湿疹(接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など)とは?
- いんきんたむしと湿疹の症状の違いを詳しく比較
- 画像でわかる見分け方のポイント
- 発症しやすい場所・広がり方の違い
- かゆみの特徴から見分けるヒント
- 市販薬で対処する場合の注意点
- 病院での診断・治療方法
- いんきんたむしを予防するための生活習慣
- 湿疹を悪化させないためのケア方法
- まとめ
この記事のポイント
いんきんたむし(股部白癬)は真菌感染症、湿疹は炎症性疾患で原因が異なり、治療薬も別物。輪状・境界明瞭な皮疹はいんきんたむしの特徴。誤ってステロイド薬を使うと悪化リスクがあるため、正確な診断に皮膚科受診が重要。
💡 いんきんたむしとは?基本的な知識を整理しよう
いんきんたむしは、医学的には「股部白癬(こぶはくせん)」と呼ばれる皮膚の感染症です。白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビの一種)が、股間や内もも、陰部周辺の皮膚に感染して繁殖することで起こります。白癬菌は高温多湿の環境を好むため、蒸れやすい股間部位は特に感染しやすい場所とされています。
白癬菌による皮膚感染症には、足に起こる「水虫(足白癬)」、爪に起こる「爪白癬」、体に起こる「体部白癬(タムシ)」などがあります。いんきんたむしはこの体部白癬の一種であり、足の水虫を持っている人が自分で感染を広げてしまうケースが非常に多く見られます。タオルや衣類を共有することで他者から感染することもあります。
いんきんたむしは主に成人男性に多い疾患ですが、女性にも発症することがあります。特に夏場の高温多湿な時期に症状が悪化しやすく、冬場は一時的に落ち着くことがある一方、菌自体は完全に消えているわけではないため再発を繰り返しやすいのが特徴です。適切な治療を続けることが根治のために重要です。
Q. いんきんたむしと湿疹の皮疹の形状の違いは?
いんきんたむし(股部白癬)は、境界がはっきりした輪状(リング状)の皮疹が特徴で、外側のふちに赤みや水疱が集中し、中心部は比較的きれいに見えます。一方、湿疹は境界がぼんやりとした赤みが広範囲に出ることが多く、この輪状の形態は見られません。
📌 湿疹(接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など)とは?
湿疹とは、皮膚に炎症が起きた状態を指す総称であり、その原因や種類はさまざまです。股間周辺に発生しやすい湿疹としては、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、間擦疹(かんさつしん)などが挙げられます。それぞれ原因が異なり、治療方法も違ってきます。
接触性皮膚炎は、特定の物質が皮膚に触れることで起こるアレルギー反応や刺激反応です。下着のゴム素材、洗剤や柔軟剤、汗、便、尿などが原因となることがあります。皮膚が赤くなり、かゆみや水疱、皮むけなどの症状が現れます。
アトピー性皮膚炎は、遺伝的な要因や免疫の異常、皮膚のバリア機能の低下などが関与する慢性的な皮膚炎です。子どもに多いイメージがありますが、大人になってから発症したり、再発したりするケースもあります。
間擦疹は、皮膚と皮膚が擦れ合う部位(股間、脇の下、膝の裏など)に起こる炎症で、汗や摩擦が原因です。肥満の方や発汗が多い方に起こりやすい傾向があります。これらの湿疹はいずれも真菌が原因ではないため、抗真菌薬では改善しません。
✨ いんきんたむしと湿疹の症状の違いを詳しく比較
いんきんたむしと湿疹は見た目が似ているため混同されやすいですが、いくつかの重要な違いがあります。それぞれの特徴を細かく比較してみましょう。
まず、皮疹(皮膚の発疹)の形状に注目してください。いんきんたむしの場合、辺縁(ふち)が盛り上がり、境界がはっきりとした環状(リング状)の形をしていることが多いです。中心部は比較的きれいに見えることもあり、これが「輪状」「地図状」と表現される独特の形態です。時間が経つにつれて輪が外側に向かって広がっていく傾向があります。
一方、湿疹の場合は境界がはっきりしないことが多く、赤みやかゆみが広範囲にわたって均一に出ることが多いです。ただし、接触性皮膚炎では原因物質が触れた部分のみに限定された症状が出ることもあります。
次に、皮膚の表面の状態も違いを見分けるヒントになります。いんきんたむしでは、辺縁に小さな水疱(水ぶくれ)や丘疹(小さな盛り上がり)、鱗屑(りんせつ:皮膚のフケのようなもの)が見られることが多いです。湿疹の場合も水疱や鱗屑が見られることがありますが、いんきんたむしほど辺縁に集中していないことが多いです。
また、色の違いも参考になります。いんきんたむしは赤褐色から淡い茶色になることが多く、中心部は色素沈着を起こして褐色がかることもあります。湿疹は鮮やかな赤色であることが多く、急性期には特に赤みが強く出ます。
Q. ステロイド薬をいんきんたむしに使うとなぜ悪化するのか?
ステロイド薬は炎症を抑える一方、免疫を低下させる作用があるため、いんきんたむしの原因である白癬菌の繁殖を助けてしまいます。一時的にかゆみが治まっても菌は広がり続け、「ステロイド加白癬」という診断の難しい状態になるリスクがあります。いんきんたむしには必ず抗真菌薬を使用することが重要です。
🔍 画像でわかる見分け方のポイント
実際に皮膚症状を目で見て確認するとき、どのようなポイントに注目すればよいでしょうか。ここでは、画像を見るときに参考にしてほしいチェックポイントをまとめます。
チェックポイント①:輪郭の明瞭さ
いんきんたむしの皮疹は、周囲との境界がはっきりしており、辺縁が盛り上がって見えるのが特徴です。境界の外側と内側で見た目がはっきり異なります。対して湿疹では境界がぼんやりしており、周囲の正常な皮膚との境目がわかりにくいことが多いです。ただし、接触性皮膚炎の中でも刺激性のものは比較的境界がはっきりしていることがあるため、この点だけで確定的な判断はできません。
チェックポイント②:中心部と辺縁部の違い
いんきんたむしの特徴的なサインの一つは、「辺縁部に活動性があり、中心部は比較的落ち着いている」という点です。つまり、外側のふちに赤みや水疱・丘疹が集中しており、内側は皮膚の色が少し落ち着いて見えることがあります。これは菌が外側に向かって広がっているためです。湿疹では、このような中心と周囲の差が明確でないことが一般的です。
チェックポイント③:鱗屑(皮むけ)の有無と分布
いんきんたむしでは、辺縁部分を中心に細かい皮むけ(鱗屑)が見られることが多いです。これは白癬菌が皮膚のケラチン(たんぱく質)を分解することで起こります。湿疹でも皮むけが見られますが、慢性化した場合に多く、急性期は主に赤みや浸出液(ジュクジュク)が目立ちます。
チェックポイント④:左右対称性
アトピー性皮膚炎など一部の湿疹では、症状が左右対称に出ることが多いです。いんきんたむしは感染症であるため、必ずしも左右対称にはなりません。片側のみに症状が出ることも多く、左右の広がり方が異なることがよくあります。ただし、感染が両側に広がれば両側に症状が出ることもあります。
チェックポイント⑤:足の水虫との関連
同時に足の水虫症状(足の裏の皮むけ、指の間の白いふやけ、小水疱など)がある場合、いんきんたむしである可能性が高まります。足の白癬菌が手やタオルを介して股間に感染するのは非常によくあるパターンです。足に症状がない場合でも、過去に水虫を経験したことがある人は注意が必要です。
💪 発症しやすい場所・広がり方の違い
いんきんたむしと湿疹では、症状が出やすい場所にも傾向の違いがあります。
いんきんたむしは、主に鼠径部(そけいぶ:太ももの付け根)から始まることが多く、内ももや陰部周辺、お尻の割れ目の周辺へと広がっていきます。ただし、陰茎や陰嚢そのものには広がりにくいとされており、これもいんきんたむしの特徴的な分布パターンの一つです(ただし例外もあります)。症状は一般的に外側に向かって輪状に広がっていきます。
接触性皮膚炎の場合は、原因物質が接触した部位に限定して症状が出ます。例えば下着のゴムが当たる部分にのみ赤みが出る、紙おむつの当たる部分全体が赤くなるといったパターンです。アトピー性皮膚炎では、ひじの内側、膝の裏側、首まわりなどに出ることが多いですが、体全体に及ぶこともあります。
間擦疹は、皮膚同士が擦れ合う部分、つまり股間や脇の下、乳房の下、指の間などに発生します。皮膚が密着している部分全体が赤くなるのが特徴で、蒸れによる炎症が主な原因です。湿疹の場合、いんきんたむしのように明確な輪状の広がり方をすることはあまりありません。
また、いんきんたむしは放置すると症状が広がり続けますが、湿疹は原因を取り除くことで改善に向かうことが多いです。かゆみのある赤みが徐々に広がり、外側に向かって輪を描くように大きくなっている場合は、いんきんたむしの可能性を強く疑う必要があります。

🎯 かゆみの特徴から見分けるヒント
かゆみの感じ方も、いんきんたむしと湿疹を見分けるうえで参考になります。
いんきんたむしのかゆみは、比較的強く、じっとしているときでも気になることが多いです。特に運動後や入浴後など、皮膚が温まったり蒸れたりした後にかゆみが強くなる傾向があります。また、夜間のかゆみも強く、睡眠の妨げになることがあります。かゆみは辺縁部分(外側のふちのあたり)に集中することが多く、中心部はあまりかゆくないという方もいます。
湿疹のかゆみも強いことが多く、アトピー性皮膚炎では特に夜間のかゆみが著しいことで知られています。接触性皮膚炎のかゆみは、原因物質に接触している間や直後に強く出ることが多く、原因から離れると徐々に和らぐことがあります。間擦疹では、かゆみよりも痛みやヒリヒリ感を伴うことが多い傾向があります。
かゆみの強さだけでいんきんたむしか湿疹かを見分けることは難しいですが、「蒸れたときにかゆくなる」「外側のふちの部分がより強くかゆい」という特徴が重なる場合は、いんきんたむしの可能性が比較的高いといえます。ただし、最終的な診断は医師によるものであり、自己判断は危険です。
Q. いんきんたむしの治療期間と注意点を教えてください
いんきんたむしの治療は、抗真菌薬の外用薬を2〜4週間使用し、症状が消えた後もさらに2〜4週間継続することが推奨されます。かゆみが治まった段階で薬を中止すると再発の原因になります。症状が広範囲な場合や外用薬で改善しない場合は、内服の抗真菌薬が処方されることもあります。
💡 市販薬で対処する場合の注意点
股間のかゆみや赤みに対して、ドラッグストアで市販薬を購入して自己治療しようとする方は多くいます。しかし、ここに重大な落とし穴があります。
市販薬には大きく分けて、抗真菌薬(白癬菌などの真菌に効く薬)とステロイド薬(炎症を抑える薬)があります。いんきんたむしには抗真菌薬が有効ですが、ステロイド薬は逆効果になることがあります。ステロイド薬は炎症を抑える働きをするため、一時的にかゆみが治まることがありますが、免疫を低下させる作用もあるため、白癬菌の繁殖を助けてしまう可能性があります。その結果、症状が一見改善したように見えても実際には菌が広がり、「ステロイド加白癬(タムシ)」と呼ばれる診断の難しい状態になることがあります。
逆に、湿疹に対して抗真菌薬を使っても効果がないばかりか、湿疹によっては薬の成分が刺激となって症状を悪化させることがあります。湿疹には適切なステロイド薬や保湿剤の使用が効果的ですが、これを自己判断で行うことはリスクがあります。
市販薬を使用する場合は、いんきんたむしが強く疑われる場合のみ抗真菌薬を試し、2週間程度使用して改善が見られない場合はすぐに医療機関を受診することが大切です。また、市販の抗真菌薬は医療用のものと比べて濃度が低いことがあり、効果が不十分なまま症状が続いてしまうこともあります。症状が重い場合や、原因が不明な場合は最初から医師に相談することをおすすめします。
なお、「これはいんきんたむしかもしれない」と思って恥ずかしさから受診を躊躇する方もいますが、いんきんたむしは皮膚科でよく見られるごく一般的な疾患です。専門医に見てもらうことで、正確な診断と適切な治療を受けることができます。
📌 病院での診断・治療方法
いんきんたむしや湿疹が疑われる場合、皮膚科や泌尿器科、性感染症科(STDクリニック)などを受診することができます。医師は視診(目で見て確認する診察)だけでなく、より確実な検査を行って診断します。
いんきんたむしの診断で最も確実な方法は、皮膚の鱗屑(皮むけ部分)を採取して顕微鏡で観察する「直接鏡検(KOH検査)」です。採取した皮膚のサンプルをKOH(水酸化カリウム)溶液で処理し、顕微鏡で白癬菌の菌糸を確認します。この検査は痛みもなく、比較的短時間で結果が出るため、外来でよく行われます。検査の結果、白癬菌が確認されればいんきんたむしと診断され、確認されなければ湿疹などほかの疾患が考えられます。
いんきんたむしの治療には、抗真菌薬(外用薬)が第一選択となります。代表的なものにはテルビナフィン、ラノコナゾール、ルリコナゾール、ケトコナゾールなどが含まれます。これらを患部に毎日塗布することで、白癬菌の増殖を抑えて除菌します。治療期間は一般的に2〜4週間程度、症状が消えてからも2〜4週間継続することが推奨されます。「かゆみが治まったから」と途中で薬を止めると再発の原因になります。症状が広範囲であったり、外用薬で効果が得られない場合は、内服抗真菌薬が処方されることもあります。
湿疹の治療は原因によって異なります。接触性皮膚炎では原因物質を特定して避けることが基本であり、症状にはステロイド外用薬が使われます。アトピー性皮膚炎ではステロイド外用薬や非ステロイド系抗炎症薬、保湿剤の組み合わせが使われ、重症例では免疫抑制薬や生物学的製剤が用いられることもあります。間擦疹ではまず清潔と乾燥を保つことが大切で、必要に応じてステロイド外用薬を使用します。
Q. いんきんたむしを予防するための日常生活のポイントは?
いんきんたむしの予防には、入浴後に股間をしっかり乾燥させること、通気性の良い綿素材の下着を選ぶこと、足の水虫を放置しないことが重要です。また、足と股間に使うタオルを分けることも有効です。公衆浴場やジムではスリッパや専用タオルを使い、他人のものを共用しないよう心がけましょう。
✨ いんきんたむしを予防するための生活習慣
いんきんたむしは白癬菌による感染症であるため、菌を増やさない・持ち込まない環境を作ることが予防の基本です。日常生活の中でできる予防策をいくつか紹介します。
清潔と乾燥を保つことが最も重要です。毎日の入浴時に股間を丁寧に洗い、洗った後はしっかりと水分を拭き取って乾燥させましょう。湿った状態が続くと白癬菌が繁殖しやすくなります。入浴後に下着をすぐに着る前に、ドライヤーの冷風で乾かすことも効果的です。
通気性の良い下着・衣類を選ぶことも大切です。ナイロンやポリエステルなどの化学繊維よりも、綿素材の下着のほうが吸湿性・通気性が高く、蒸れにくい傾向があります。ゆったりとしたサイズの下着を選ぶことも、股間の蒸れを防ぐうえで有効です。
足の水虫がある場合は、並行して治療を受けることが重要です。足の白癬菌を放置していると、自分でいんきんたむしに感染させてしまうリスクが高くなります。足と股間のタオルを分けて使うことも効果的です。足を拭いたタオルで股間を拭くことは避けましょう。
公衆浴場やプール、スポーツジムなどの共用施設では、スリッパや専用のタオルを使用し、他人のものを借りないようにしましょう。バスマットや浴室の床も白癬菌が付着している可能性があるため、家族に水虫やいんきんたむしの人がいる場合は特に注意が必要です。
汗をかいたときは早めに着替えることも重要です。長時間汗で蒸れた状態を続けることは白癬菌の繁殖を助けます。特にスポーツをする方や汗をかきやすい方は、吸湿速乾性の高いインナーウェアを選んだり、こまめに着替えたりすることを心がけましょう。
肥満傾向にある方は、皮膚が重なりやすく蒸れやすいため、体重管理も間接的な予防策になります。また、免疫が低下している状態(過度な疲労、睡眠不足、糖尿病など)では感染しやすくなるため、全体的な健康管理も大切です。
🔍 湿疹を悪化させないためのケア方法

股間の湿疹を悪化させないためには、皮膚への刺激を最小限にし、皮膚バリア機能を守ることが基本的なアプローチになります。
入浴の際は、強くこすらないことが重要です。ナイロン製のタオルやスポンジで股間をゴシゴシ洗うことは、皮膚への刺激となり炎症を悪化させます。刺激の少ない低刺激性の石鹸や洗浄料を泡立てて、手で優しく洗うようにしましょう。洗い残しも刺激になるため、しっかりとすすぐことも重要です。
接触性皮膚炎が疑われる場合は、原因を特定して取り除くことが最優先です。下着のゴムが原因であれば素材を変える、洗剤が原因であれば無添加・低刺激のものに切り替えるなど、心当たりのある原因物質を避けてみましょう。
かゆみがあるときも、できるだけかきむしらないようにすることが大切です。かくことで皮膚がさらに傷つき、炎症が悪化したり二次感染(細菌感染)のリスクが高まったりします。かゆみが強い場合は、冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。清潔なタオルで包んだ保冷剤を患部に当てると楽になることがあります。
保湿ケアも大切です。乾燥した皮膚は刺激に対して弱く、かゆみも感じやすくなります。入浴後は皮膚が乾く前に保湿剤を塗ることで、皮膚バリア機能を維持することができます。ただし、湿疹が急性期でジュクジュクしている状態では保湿剤が症状を悪化させることもあるため、症状が安定してから使用するか、医師の指示に従いましょう。
ストレスや睡眠不足は、皮膚の免疫機能や回復力を低下させるため、湿疹を悪化させる要因になります。規則正しい生活リズムを保ち、十分な睡眠をとることも、皮膚の健康を維持するうえで重要です。
市販の塗り薬を使用する場合は、必ず湿疹用のものを選ぶようにしましょう。繰り返しになりますが、いんきんたむし用の抗真菌薬を湿疹に使用しても効果はなく、場合によっては刺激になることがあります。症状が改善しない場合や悪化する場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、股間のかゆみや赤みを訴えて受診される患者様のなかに、ご自身でステロイド系の市販薬を使い続けてしまい、症状が複雑化した状態でいらっしゃるケースが少なくありません。いんきんたむしと湿疹は見た目が似ていても原因がまったく異なるため、正しい診断なしに薬を選ぶことは症状悪化のリスクにつながります。「恥ずかしい」とお感じになる必要はまったくありませんので、気になる症状があれば早めにご相談いただき、適切な治療で一日も早い改善を一緒に目指しましょう。」
💪 よくある質問
最も分かりやすい特徴は皮疹の形状です。いんきんたむしは境界がはっきりした輪状(リング状)の皮疹で、外側のふちに赤みや水疱が集中し、内側が比較的きれいに見えます。一方、湿疹は境界がぼんやりした赤みが広範囲に出ることが多いです。ただし、確実な診断には医師による検査が必要です。
ステロイド薬は炎症を抑える一方で免疫を低下させる作用があるため、白癬菌の繁殖を助けてしまいます。一時的にかゆみが治まって改善したように見えても、実際には菌が広がり「ステロイド加白癬」と呼ばれる診断の難しい状態になるリスクがあります。いんきんたむしには必ず抗真菌薬を使用することが重要です。
深い関係があります。足の白癬菌を手やタオルを介して股間に広げてしまうケースが非常に多く見られます。股間の症状と同時に足の皮むけや水疱などの水虫症状がある場合は、いんきんたむしである可能性が高まります。足の水虫を放置するといんきんたむしの再発リスクも高まるため、並行して治療することが重要です。
一般的に抗真菌薬の外用薬を2〜4週間使用し、症状が消えた後もさらに2〜4週間継続することが推奨されます。「かゆみが治まったから」と途中で薬を止めると再発の原因になります。症状が広範囲の場合や外用薬で改善しない場合は、内服の抗真菌薬が処方されることもあります。
皮膚科への受診が最もおすすめです。医師は視診に加えて、皮膚の鱗屑を採取して顕微鏡で白癬菌を確認する「KOH検査」で正確に診断します。当院(アイシークリニック新宿院)でもいんきんたむしを含む皮膚トラブルの診察を行っています。「恥ずかしい」と感じる必要はなく、皮膚科ではよく見られる一般的な疾患です。
🎯 まとめ
いんきんたむしと湿疹は、どちらも股間周辺にかゆみや赤みをもたらす皮膚のトラブルですが、その原因はまったく異なります。いんきんたむしは白癬菌という真菌による感染症であり、湿疹はアレルギー反応や刺激、摩擦などによる炎症です。原因が違うため、治療薬も異なります。いんきんたむしには抗真菌薬が必要であり、湿疹にはステロイド外用薬や原因物質の除去が主な対処法となります。間違った薬を使用すると症状が悪化したり、診断が難しい状態になったりするリスクがあります。
見分け方のポイントとしては、輪状で境界がはっきりした皮疹、辺縁部への症状の集中、外側への広がり、足の水虫との合併などがいんきんたむしを疑うサインです。一方、境界がぼんやりした赤み、特定の素材が当たった部位のみの発疹、左右対称の分布などは湿疹を疑うサインになります。
しかし、最終的な診断は医師による検査なしには確定できません。自己判断で市販薬を使い続けることには限界があり、改善が見られない場合や症状が広がっている場合は、早めに皮膚科や専門のクリニックを受診することが重要です。アイシークリニック新宿院では、いんきんたむしを含む皮膚のトラブルに関する診察を行っています。股間の気になる症状がある場合は、恥ずかしがらずにご相談ください。適切な診断と治療で、症状の早期改善を目指しましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会による白癬(水虫・いんきんたむし)の診断基準・治療ガイドラインおよび湿疹・皮膚炎の分類と治療方針に関する公式情報
- 厚生労働省 – 厚生労働省による皮膚疾患に対するステロイド外用薬・抗真菌薬の適正使用に関する情報および市販薬の使用上の注意に関する公式見解
- 国立感染症研究所 – 国立感染症研究所による白癬菌の感染経路・疫学・予防方法に関する科学的知見(足白癬からの自己感染メカニズムを含む)
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
