ブヨに刺されたらどうする?症状・応急処置・受診の目安を解説

山や川など自然豊かな場所でアウトドアを楽しんでいるとき、気づかないうちに足首や手首が赤く腫れてしまった経験はないでしょうか。その原因のひとつとして挙げられるのが「ブヨ(ブユ)」という小さな昆虫による刺咬です。蚊に似た虫と思われがちですが、ブヨは皮膚を噛み切って吸血するため、刺された後の症状が蚊とは大きく異なります。強いかゆみや腫れが数日から数週間続くこともあり、「蚊に刺されたと思っていたら全然治らない」と驚く方も少なくありません。本記事では、ブヨに刺されたときに現れる症状の特徴、まず行うべき応急処置、市販薬の活用法、そして病院を受診すべき判断基準までを詳しく解説します。アウトドア前の予備知識として、ぜひお役立てください。


目次

  1. ブヨとはどんな虫か?蚊との違い
  2. ブヨに刺されたときの症状の特徴
  3. 刺された直後にすべき応急処置
  4. 市販薬の選び方と使い方
  5. 症状が悪化するケース・病院を受診すべき目安
  6. 病院では何科を受診すればよいか
  7. 病院での治療方法
  8. ブヨに刺されやすい場所・季節・時間帯
  9. ブヨに刺されないための予防策
  10. まとめ

この記事のポイント

ブヨに刺されると強いかゆみ・腫れが1〜2週間以上続く。応急処置は流水洗浄・冷却・掻かないこと。全身症状・化膿・1週間以上の改善なしは皮膚科受診が必要で、アイシークリニックではステロイド外用薬など適切な治療を提供している。

🎯 1. ブヨとはどんな虫か?蚊との違い

ブヨ(学名:Simuliidae)は、双翅目(ハエ目)ブユ科に属する小型の吸血昆虫です。日本では「ブヨ」と「ブユ」の両方の呼び方が使われており、地域によって「ブト」と呼ばれることもあります。体長は1〜5mm程度と非常に小さく、黒っぽい体色をしているため、野外ではなかなか気づきにくい存在です。

蚊が細長い口吻を皮膚に刺して吸血するのに対して、ブヨは鋭い口器で皮膚を傷つけて出血させ、その血液を吸うという方法をとります。このため、刺された部位には小さな傷口ができており、これがその後の強い炎症反応につながる大きな原因となっています。蚊に刺されたときよりも症状が強く、長引きやすいのはこの傷口と、唾液に含まれるアレルゲン物質が原因です。

ブヨのメスだけが吸血を行い、産卵のために必要なたんぱく質を得るために人や動物を刺します。オスは花の蜜などを餌としており、人を刺すことはありません。清流や渓流など、水質の良い場所に生息しており、幼虫期は水の中で過ごします。そのため、ブヨは山間部の渓流沿いやキャンプ場でよく見かけられます。

また、ブヨは非常に小さいため飛翔音がほとんどなく、刺されていることに気づかないケースが多いという点も蚊との大きな違いのひとつです。さらに、ブヨの唾液には局所麻酔に似た成分が含まれているとされており、刺されている最中は痛みや違和感を感じにくく、吸血が終わってしばらく経ってから症状が現れることが多いです。

Q. ブヨと蚊に刺された場合の症状の違いは?

ブヨに刺されると、数時間後から直径5〜10cm以上の強い腫れとかゆみが現れ、1〜2週間以上症状が続く。蚊は刺された直後から症状が出るが、通常1〜3日で落ち着く。刺された部位に小さな傷口や出血点が残る点もブヨの特徴で、水疱が形成されることもある。

📋 2. ブヨに刺されたときの症状の特徴

ブヨに刺された後の症状は、蚊に刺された場合と比べて明らかに強く、長く続く傾向があります。症状の現れ方には個人差がありますが、一般的な経過としては以下のような段階を経ることが多いです。

刺された直後は、ブヨの唾液に含まれる麻酔成分の影響で、痛みやかゆみをほとんど感じないことがほとんどです。多くの場合、外出から帰宅して初めて刺された部位に気づくというケースが見られます。刺された部位には、小さな出血点や傷口が残っていることがあります。

刺された後、数時間から半日程度経過すると、強いかゆみとともに赤み・腫れが現れ始めます。このかゆみは非常に強烈で、蚊に刺されたときとは比べ物にならないほど強いと感じる方が多いです。腫れも顕著で、刺された部位を中心に直径5〜10cm以上に及ぶこともあります。特に足首や手首など皮膚が薄い部分は腫れが強く出やすい傾向があります。

症状のピークは刺された翌日から3日後ごろにかけてで、腫れがさらに拡大し、熱感や痛みを伴うこともあります。ひどい場合には水疱(みずぶくれ)が形成されることもあり、これは組織液が皮膚の下に溜まることで起こります。水疱が破れると浸出液が出て、二次感染のリスクも高まります。

かゆみや腫れは1〜2週間程度続くことが多く、人によっては3〜4週間以上症状が続くこともあります。蚊に刺された場合は通常1〜3日程度で症状が落ち着くことが多いため、症状の持続期間はブヨかどうかを判断する重要なヒントになります。

また、ブヨに繰り返し刺された経験がある方では、アレルギー反応が強まる「感作」が起こることがあります。感作が進むと、局所的な症状だけでなく、全身症状(じんましん、発熱、リンパ節の腫れなど)が現れることもあり、注意が必要です。稀ではありますが、アナフィラキシーショックのような重篤なアレルギー反応が起きるケースも報告されているため、過去に強いアレルギー反応を経験した方は特に注意が必要です。

💊 3. 刺された直後にすべき応急処置

ブヨに刺されたことに気づいたら、まずは落ち着いて適切な応急処置を行うことが大切です。早めに適切な処置をすることで、その後の症状の悪化をある程度抑えることができます。

最初に行うべきことは、刺された部位を流水でしっかりと洗い流すことです。傷口から細菌が入り込むと二次感染を起こす可能性があるため、清潔に保つことが非常に重要です。石けんを使って優しく洗い流し、清潔なタオルやガーゼで水気を拭き取りましょう。

次に、虫刺され用の市販薬(後述)を塗布することが推奨されます。ただし、刺された直後であればポイズンリムーバーを使用することも効果的とされています。ポイズンリムーバーとは、刺された部位に当てて陰圧をかけることで、皮膚に残った毒素(ブヨの場合は唾液成分)を吸い出す器具です。登山やアウトドアをよく楽しむ方であれば、携帯しておくと安心でしょう。ただし、刺されてから時間が経過している場合には効果が薄いため、できるだけ早い段階で使用することが重要です。

腫れや熱感が強い場合には、冷却することで症状を和らげることができます。氷嚢や保冷剤をタオルやハンカチで包んで患部に当て、10〜15分程度冷やしましょう。直接皮膚に氷を当てると凍傷の恐れがあるため、必ず布を介して使用してください。

かゆみが強くても、なるべく患部を掻かないようにすることが重要です。掻くと皮膚が傷つき、そこから細菌が入り込んで化膿(とびひや蜂窩織炎)を起こすリスクが高まります。また、掻くことで炎症が広がり、症状が悪化することもあります。爪を短く切っておくことや、部位によっては包帯やガーゼで覆って物理的に掻けないようにすることも有効な手段です。

なお、民間療法として「患部を熱いお湯で温めるとかゆみが和らぐ」という情報を目にすることがあります。高温でかゆみを感じるタンパク質(ヒスタミン)を分解するという考え方からきていますが、熱すぎると皮膚への刺激が強く、やけどや症状の悪化につながるリスクがあるため、専門家の指導なく行うことは推奨されていません。基本的には冷やして安静にすることが無難です。

Q. ブヨに刺された直後の正しい応急処置は?

ブヨに刺されたら、まず石けんと流水で患部を優しく洗い清潔に保つ。刺された直後であればポイズンリムーバーで唾液成分を吸い出すことが有効。腫れや熱感にはタオルで包んだ保冷剤を10〜15分当てて冷やす。かゆみが強くても掻きむしると化膿リスクが高まるため我慢することが重要。

🏥 4. 市販薬の選び方と使い方

ブヨに刺された後の症状に対して、ドラッグストアなどで購入できる市販薬を活用することができます。ただし、市販薬はあくまでも軽度〜中等度の症状に対する一時的な対処として位置づけられており、症状が強い場合や長引く場合には医療機関への受診が優先されます。

市販の虫刺され薬には、大きく分けてかゆみを抑える抗ヒスタミン成分を含むもの、炎症を抑えるステロイド成分を含むもの、その両方を含む配合薬があります。

抗ヒスタミン成分(ジフェンヒドラミンなど)は、アレルギー反応によって放出されるヒスタミンの働きを抑え、かゆみを和らげる効果があります。ステロイド成分(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)は、炎症そのものを抑える作用があり、腫れや赤みを軽減する効果が期待できます。ブヨに刺された後のように、強い炎症反応を伴う場合には、ステロイドを含む製品の方がより効果的であることが多いです。

市販のステロイド外用薬は、その成分濃度により強さのランクが設定されており、市販品で使用できるステロイドは比較的弱いランクに限定されています。ブヨによる強い炎症反応には、市販薬では対応しきれないケースも多く、その場合は皮膚科でより強いステロイド外用薬を処方してもらう必要があります。

市販薬を使用する際の注意点として、顔や粘膜の近く、傷口の部分には使用しないこと、使用前に添付文書をよく読むこと、長期間の使用(1週間以上)は避けることが挙げられます。また、子どもや妊娠中の方は使用できない成分が含まれている場合があるため、薬剤師に相談することをお勧めします。

内服薬(飲み薬)として、アレルギーを抑える抗ヒスタミン薬(セチリジン、ロラタジンなど)の市販品を服用することも、かゆみの軽減に有効です。特にかゆみで眠れないほどつらい場合などには、内服薬と外用薬を組み合わせることで症状を和らげやすくなります。

⚠️ 5. 症状が悪化するケース・病院を受診すべき目安

ブヨに刺された後の症状は個人差が大きく、市販薬で対処できるケースもある一方で、早急に医療機関を受診すべき状況も存在します。以下のような症状や状況が見られる場合は、自己判断で様子を見続けることは避け、できるだけ早めに受診することをお勧めします。

まず、全身症状が現れた場合は要注意です。刺された部位の局所的な症状だけでなく、全身にじんましんが出る、呼吸が苦しくなる、動悸がする、意識が遠くなるような感覚がある、顔やのどが腫れるといった症状は、アナフィラキシーの可能性があります。このような場合は緊急性が高く、すぐに救急車を呼ぶか、最寄りの救急医療機関を受診してください。エピペン(アドレナリン自己注射薬)を処方されている方は、ただちに使用してください。

次に、患部の腫れがひどく広がっている場合や、腫れが顔・首・関節部位に及んでいる場合も受診が必要です。足首や手首が大きく腫れて歩行や日常生活に支障が出ている場合なども、早めの受診をお勧めします。

刺された部位が化膿(うみが出る、皮膚が赤く熱を持ってズキズキと痛む)している場合も、細菌感染が疑われるため医療機関への受診が必要です。放置すると感染が広がり、蜂窩織炎や敗血症などの重篤な状態に進展することがあります。

高熱(38度以上)を伴う場合や、リンパ節(脇の下や太ももの付け根など)が腫れて痛む場合も、感染症やアレルギー反応が進行していることが考えられるため、速やかに受診してください。

市販薬を1週間使用しても症状が改善しない、あるいは悪化しているという場合も、医師の診察を受けることをお勧めします。自己判断での市販薬の長期使用は、症状の悪化を見逃したり、適切な治療の開始が遅れたりするリスクがあります。

また、過去にブヨや他の虫に刺されて強いアレルギー反応を経験したことがある方は、今回も重篤な反応が起こる可能性があるため、早めに受診して適切な薬を処方してもらうことをお勧めします。

Q. ブヨに刺されて病院受診が必要な症状は?

以下の場合は速やかに医療機関を受診する必要がある。じんましん・呼吸困難・意識の変容などの全身症状はアナフィラキシーの疑いがあり救急対応が必要。また患部の化膿・38度以上の高熱・リンパ節の腫れ、さらに市販薬を1週間使用しても改善しない場合も、皮膚科への受診が推奨される。

🔍 6. 病院では何科を受診すればよいか

ブヨに刺された後の症状で病院を受診する場合、最も適した診療科は皮膚科です。皮膚科では、虫刺されによる皮膚症状の診断・治療に豊富な経験があり、症状の程度に応じた適切な薬を処方してもらうことができます。ブヨによるものかどうかの鑑別診断も行ってもらえるため、「本当にブヨに刺されたのかどうかわからない」という場合でも安心して相談できます。

アレルギー症状が強く現れている場合(じんましんや全身のかゆみなど)は、アレルギー科や内科でも対応してもらえます。かかりつけの内科やクリニックがある場合は、まずそちらに相談してみることも選択肢のひとつです。

患部が化膿したり、赤みや腫れが急速に広がっている場合には、皮膚科に加えて外科的な処置が必要になることもあります。近くに皮膚科がない場合や休日・夜間の場合は、内科や救急外来を受診することを検討してください。

また、全身症状(呼吸困難、意識障害、顔やのどの腫れなど)が現れているアナフィラキシー疑いの場合は、ためらわずに救急車を呼ぶか、救急病院に向かってください。このような緊急の場合には診療科を選んでいる余裕はありませんので、最寄りの救急医療機関を受診することが最優先です。

📝 7. 病院での治療方法

医療機関でブヨに刺された症状に対して行われる治療の中心となるのは、外用ステロイド薬(ステロイド外用薬)の処方です。市販薬よりも効果の強いランクのステロイド外用薬を使用することで、炎症を効果的に抑え、腫れやかゆみを早期に改善することが期待できます。症状の強さや部位に応じて、適切な強さのステロイド薬が選ばれます。

かゆみが強い場合には、抗ヒスタミン薬を内服薬として処方されることがあります。市販の抗ヒスタミン薬よりも効果が強い製剤が使用されることもあり、かゆみによる睡眠障害が起きているような場合には特に有効です。

腫れが非常に強い場合や、全身性のアレルギー反応が見られる場合には、ステロイドの内服薬(プレドニゾロンなど)が処方されることもあります。ステロイドの内服は炎症を強力に抑える効果がある一方、長期使用による副作用もあるため、医師の指示に従って適切な期間・用量で使用することが重要です。

患部が化膿している場合、つまり二次感染が起きている場合には、抗生物質(抗菌薬)の外用薬や内服薬が処方されます。感染の程度が重い場合は点滴による治療が行われることもあります。

アナフィラキシーショックが起きている場合には、緊急処置としてアドレナリンの注射、酸素投与、点滴など迅速な対応が行われます。過去に重篤なアレルギー反応を起こしたことがある方には、再度同様の反応が起きたときに備えてエピペン(アドレナリン自己注射薬)が処方されることがあります。

症状が改善した後も、完全に治るまでは自己判断で薬の使用を中断せず、医師の指示に従って治療を続けることが大切です。途中で症状が再燃することもあるため、処方された薬は使い切るようにしましょう。

Q. ブヨに刺されないための予防策は?

ブヨ対策の基本は肌の露出を最小限にする長袖・長ズボンの着用と、DEET(ジエチルトルアミド)またはイカリジン配合の虫よけスプレーの使用。ブヨは朝方・夕方に特に活発になるため渓流沿いや森林での活動時は注意が必要。蚊取り線香や携帯扇風機も有効で、万一に備えポイズンリムーバーの携帯も推奨される。

💡 8. ブヨに刺されやすい場所・季節・時間帯

ブヨの生息環境や活動時間帯を知っておくことは、刺される被害を防ぐための重要な知識です。ブヨの習性を理解することで、リスクが高い状況を事前に把握し、適切な予防策を講じることができます。

ブヨが多く生息するのは、清流や渓流のある山間部、湖や池の周辺、森林の中などです。ブヨの幼虫は水が清潔な流れのある場所を好むため、水質の良い自然豊かな場所ほどブヨが多く生息していることがあります。登山やハイキング、渓流釣り、沢登り、キャンプ、バーベキューなどを楽しむ際には、ブヨの存在を意識する必要があります。

季節としては、春から秋(主に4月〜10月ごろ)がブヨの活動時期とされていますが、特に活動が活発になるのは初夏から夏にかけて(5月〜8月ごろ)です。気温や地域によっても差があり、山岳地帯では夏の間もブヨの活動が続くことがあります。

一日の中でブヨが最も活発に活動するのは、朝方(日の出後〜午前中)と夕方(日没前後)の時間帯です。特に曇りの日や風が弱い日、水辺や日陰になっている場所では一日中活動していることもあります。反対に、真夏の日中の強い日差しの下では活動が弱まる傾向があります。

刺されやすい身体の部位としては、足首、手首、耳の後ろ、首筋など、皮膚が薄く露出しやすい部分が挙げられます。靴下の上からでも刺されることがあるため、厚手の靴下を履くだけでは完全には防げません。露出している肌を極力少なくすることが基本的な予防策となります。

✨ 9. ブヨに刺されないための予防策

ブヨに刺される被害を防ぐためには、事前の予防策が非常に重要です。以下に、効果的な予防策をまとめます。

まず、ブヨが活動する屋外では肌の露出を最小限にすることが基本です。長袖・長ズボンを着用し、足首は靴下と靴でしっかりと覆いましょう。ブヨは非常に小さく、衣服の隙間から侵入することもあるため、袖口や裾口を閉じておくことも効果的です。帽子を着用して首元も守ることをお勧めします。

虫よけスプレー(忌避剤)の使用も有効な予防策です。ブヨに対して特に効果的とされているのは、DEET(ジエチルトルアミド)またはイカリジン(ピカリジン)を主成分とする忌避剤です。これらの成分を一定濃度以上含む製品は、ブヨに対しても比較的高い忌避効果があるとされています。露出している皮膚に適切に塗布し、汗や時間経過によって効果が薄れてきたら塗り直すことが重要です。ただし、子どもへの使用は年齢に応じた適切な製品を選ぶ必要があります。

活動する時間帯の選択も予防に役立ちます。前述の通り、ブヨは朝方と夕方に特に活発に活動するため、これらの時間帯にリスクの高い場所(渓流沿いや森林内)での活動を避けるか、その時間帯は特に念入りな対策をとることをお勧めします。

ブヨは風が苦手なため、扇風機などで風を起こすことで、屋外の定位置での活動(釣りやバーベキューなど)の際に接近を防ぐ効果が期待できます。また、蚊取り線香なども忌避効果があるとされており、特に風のない曇りの日や夕方には積極的に使用するとよいでしょう。

携帯用の防虫ネット(頭からかぶるタイプのもの)は、ブヨが多い場所での作業や釣りなどの際に非常に効果的です。顔全体を覆うことができるため、特に顔への刺咬を防ぐのに優れています。

アウトドアで使用するテントには、出入口をきちんとファスナーで閉じておきましょう。小さなブヨがテント内に侵入することがあるため、就寝時の安全のためにも大切です。

登山やアウトドアの際にポイズンリムーバーをあらかじめ携帯しておくことも、万が一刺された際の応急処置として有効です。前述の通り、刺されてすぐに使用することで毒素を除去し、その後の症状を軽減できる可能性があります。

また、ブヨが活動しやすい場所に行く際は、市販のかゆみ止め薬や消毒薬などの救急セットを持参しておくと安心です。特に登山やキャンプなど、すぐに病院に行くことが難しい環境では、応急処置ができる準備をしておくことが重要です。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、アウトドアシーズンになるとブヨに刺されたと思われる症状で来院される患者様が増える傾向があり、「蚊に刺されたと思っていたのに、なかなか治らなくて心配になった」とおっしゃる方が少なくありません。ブヨに刺された場合は市販薬では対処しきれないほど強い炎症反応が現れることも多く、特に腫れや水疱が生じている場合や症状が1週間以上続く場合は、早めにご受診いただくことで適切なステロイド外用薬などを処方し、症状を早期に改善できるケースが多いです。アナフィラキシーのような全身症状は命に関わることもあるため、少しでも不安に感じたらためらわずにご相談ください。」

📌 よくある質問

ブヨに刺されたかどうか、蚊との見分け方はありますか?

主な見分け方は症状の強さと持続期間です。ブヨに刺された場合、数時間後から強いかゆみと直径5〜10cm以上の腫れが現れ、1〜2週間以上続くことが多いです。一方、蚊は刺された直後から症状が出て、通常1〜3日で落ち着きます。刺された部位に小さな傷口や出血点がある場合もブヨの特徴です。

ブヨに刺された直後にすべき応急処置を教えてください。

まず流水と石けんで患部を優しく洗い、清潔に保つことが最優先です。ポイズンリムーバーがあれば、刺された直後に使用すると唾液成分を吸い出す効果が期待できます。腫れや熱感には保冷剤をタオルで包んで10〜15分程度冷やしましょう。症状悪化を防ぐため、かゆくても掻きむしらないことが重要です。

市販薬で対処できますか?どんな薬が効果的ですか?

軽度〜中等度の症状であれば、ステロイド成分(ヒドロコルチゾン酢酸エステルなど)と抗ヒスタミン成分の両方を含む市販の虫刺され薬が比較的効果的です。かゆみがひどい場合は抗ヒスタミン薬の内服も有効です。ただし市販薬のステロイドは効果が弱く、ブヨの強い炎症に対応しきれないケースも多いため、1週間改善しない場合は皮膚科への受診をお勧めします。

どんな症状が出たら病院に行くべきですか?

以下の場合は速やかに受診してください。①じんましん・呼吸困難・意識の変容など全身症状が出た場合(救急対応が必要)②患部が化膿している、または腫れが急速に広がっている場合③38度以上の高熱やリンパ節の腫れを伴う場合④市販薬を1週間使用しても改善しない場合。アイシークリニックでも、こうした症状のご相談を承っています。

ブヨに刺されないための効果的な予防策はありますか?

主な予防策は以下の通りです。①長袖・長ズボンで肌の露出を最小限にする②DEET(ジエチルトルアミド)またはイカリジン配合の虫よけスプレーを使用し、汗で薄れたら塗り直す③ブヨが特に活発な朝方・夕方の渓流沿いや森林での活動に注意する④蚊取り線香や携帯扇風機で接近を防ぐ。登山やキャンプの際はポイズンリムーバーも携帯しておくと安心です。

🎯 まとめ

ブヨに刺されたときは、蚊に刺されたときと比べて症状が強く長引くことが多いため、適切な対応を知っておくことが非常に重要です。刺された直後は流水で洗い、ポイズンリムーバーがあれば使用し、かゆみや腫れには市販の虫刺され薬や抗ヒスタミン薬を活用しましょう。患部は冷やして安静に保ち、掻きむしらないようにすることが症状悪化を防ぐ基本です。

全身症状が現れた場合(じんましん、呼吸困難、意識の変容など)はアナフィラキシーの可能性があり、緊急の対応が必要です。患部の化膿、ひどい腫れ、高熱、市販薬で1週間以上改善しない場合なども、皮膚科などの医療機関を受診することをお勧めします。医療機関ではステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬など、市販薬より効果的な治療を受けることができます。

予防策としては、露出を減らす服装、DEET・イカリジン含有の忌避剤の使用、ブヨが活発な時間帯や場所での注意が基本となります。アウトドアシーズンには事前の準備と知識を持って、安全に自然を楽しんでいただければと思います。症状が心配な方や治療についてご不明な点がある方は、お気軽にアイシークリニック新宿院へご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚症状の診断・治療方針、ステロイド外用薬の選択基準、アレルギー反応への対処法など、ブヨ刺咬による皮膚炎の医学的根拠として参照
  • 厚生労働省 – 吸血昆虫による健康被害・感染症リスクに関する公的情報、忌避剤(DEET・イカリジン)の安全な使用基準、応急処置の推奨事項として参照
  • 国立感染症研究所 – ブユ(ブヨ)の生態・生息環境・吸血習性・活動時期に関する科学的情報、刺咬による症状や感染リスクの疫学的根拠として参照

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

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佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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