
「水虫かもしれないけど、そのうち治るだろう」と思ってそのまま放置していませんか。水虫は白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に感染して起こる疾患です。市販薬でケアできる軽症の段階から、皮膚が大きくただれたり爪が変形・変色したりする重症の段階まで、症状の幅はとても広くあります。特に治療をせずに長期間放置すると、足だけにとどまらず体のほかの部位や家族・周囲の人へ感染が広がるリスクがあります。この記事では、水虫が末期・重症化したときに現れる症状や見た目の変化について詳しく解説するとともに、なぜ早期受診が重要なのかをわかりやすくお伝えします。
目次
- 水虫とはどんな病気か
- 水虫の種類と初期症状
- 水虫が重症化・末期になるとはどういう状態か
- 末期・重症化した水虫の具体的な症状と見た目の特徴
- 爪水虫(爪白癬)が末期になるとどうなるか
- 水虫を放置するとどんなリスクがあるか
- 糖尿病など基礎疾患がある場合の注意点
- 水虫の重症化を防ぐために日常生活でできること
- 皮膚科での診断・治療について
- まとめ
この記事のポイント
水虫を放置すると皮膚のただれ・蜂窩織炎・爪の変形など重症化リスクが高まる。糖尿病患者は特に注意が必要で、症状改善後も処方通り治療を継続し、早期に皮膚科を受診することが完治の鍵となる。
🎯 水虫とはどんな病気か
水虫の正式名称は「足白癬(あしはくせん)」といいます。白癬菌と呼ばれる糸状菌(皮膚糸状菌)が皮膚の角質層に感染することで発症します。白癬菌はケラチンというタンパク質を栄養源とするため、ケラチンが豊富な皮膚や爪の角質部分に定着・増殖しやすい性質を持っています。
白癬菌は高温多湿の環境を好むため、靴の中のように蒸れやすい環境は菌にとって非常に好都合です。感染経路としては、感染者の皮膚から剥がれた角質(落屑)を踏んだり触れたりすることで菌が皮膚に付着し、そのまま洗い流さずに約24時間以上が経過すると感染が成立するといわれています。銭湯やスポーツジムの脱衣所・プールサイドなど、不特定多数が素足で歩く場所は特に感染リスクが高い環境です。
日本では成人の約5人に1人が水虫に罹患しているとも言われており、非常にありふれた疾患です。しかし、ありふれているがゆえに「大した病気ではない」と軽視されやすく、放置によって症状が慢性化・重症化するケースが後を絶ちません。
Q. 水虫を放置すると蜂窩織炎になることはありますか?
水虫を放置すると皮膚のバリア機能が損なわれ、黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などの細菌が侵入して蜂窩織炎を起こすことがあります。皮膚が赤く腫れて熱感・強い痛みを伴い、発熱や全身倦怠感が現れる場合もあります。重症例では入院して点滴による抗菌薬治療が必要です。
📋 水虫の種類と初期症状
水虫にはいくつかの種類があり、発症する場所や症状の現れ方が異なります。初期の段階でそれぞれの特徴を把握しておくことは、重症化を防ぐためにとても重要です。
🦠 趾間型(しかんがた)
水虫の中で最もよく見られる種類です。足の指と指の間(趾間)に発症します。初期症状としては、指の間の皮膚が白くふやけてジュクジュクする、皮膚がめくれてポロポロと剥がれる、強いかゆみを伴う、などが挙げられます。特に薬指と小指の間、または薬指と中指の間に多く発生します。初期はかゆみが主な症状ですが、掻きすぎると皮膚に傷がつき、そこから二次感染が起きやすくなります。
👴 小水疱型(しょうすいほうがた)
土踏まずや足の側面・足指の腹部分に小さな水疱(水ぶくれ)が集まって現れるタイプです。強いかゆみを伴うことが多く、水疱が破れると皮膚がめくれます。季節的には春から夏にかけて症状が悪化しやすく、冬は症状が落ち着くことがありますが、菌自体がいなくなるわけではありません。
🔸 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏全体の皮膚が厚く硬くなり、白っぽく粉を吹いたような状態になるタイプです。かゆみがほとんどないため、水虫だと気づかないまま長期間放置されるケースが多いのが特徴です。高齢者や免疫機能が低下している方に多く見られ、また爪水虫(爪白癬)を合併していることも少なくありません。治療が難しく、抗真菌薬の内服が必要になることがあります。
💧 爪白癬(つめはくせん)
白癬菌が爪に感染したものを爪白癬といいます。爪が白や黄色、茶色に変色したり、厚く盛り上がったり、もろくボロボロと崩れたりします。かゆみがないためこれも放置されやすく、足の皮膚の水虫から進行して発症するケースが多く見られます。
💊 水虫が重症化・末期になるとはどういう状態か
水虫における「末期」や「重症化」という状態は、医学的に明確に定義された段階があるわけではありませんが、一般的には次のような状態を指すことが多いです。
まず、白癬菌が足の皮膚や爪だけにとどまらず、より深い組織へ侵食したり、二次感染(細菌感染)を引き起こしたりしている状態です。白癬菌自体は皮膚の表面(角質層)に寄生するカビですが、皮膚が大きく傷んでいたり免疫機能が著しく低下していたりする場合、抵抗力が弱まった部分にブドウ球菌や連鎖球菌などの細菌が侵入して二次感染を起こすことがあります。
次に、爪白癬が長期間放置され、爪の形や構造が大きく崩壊している状態も重症化の一形態です。爪がほぼ消失したり、爪床(つめどこ)の組織が変性してしまったりすると、治療後も爪が正常に再生されないことがあります。
さらに、足だけでなく体の広範囲に感染が広がった状態(体部白癬・股部白癬・頭部白癬など)も、広い意味での重症化と考えられます。免疫機能が低下した患者では、稀に深在性白癬(皮膚の深層や内臓に感染が及ぶ状態)を引き起こすこともあります。
Q. 爪水虫が末期になるとどのような状態になりますか?
爪白癬が末期まで進行すると、爪が著しく肥厚して白・黄・茶・黒に変色し、もろく崩れやすくなります。爪甲下に角質が大量に詰まり、靴を履くだけで圧迫痛が生じます。さらに悪化すると爪が自然脱落し、爪床組織が変性して正常な爪が再生されなくなることもあります。
🏥 末期・重症化した水虫の具体的な症状と見た目の特徴
水虫が末期や重症の段階に達すると、見た目にも明らかな変化が現れます。ここでは具体的にどのような症状が出るのかを詳しく説明します。
✨ 皮膚の広範囲にわたるただれと滲出液
趾間型水虫が重症化すると、足の指の間だけでなく足の裏全体や足背(足の甲)にまでただれが広がります。皮膚が深くえぐれたように見え、そこから黄色っぽい液体(滲出液)がにじみ出てくることがあります。この状態になると強い痛みを伴うことが多く、歩行が困難になることもあります。見た目としては皮膚が赤くただれて潤った状態になり、周囲の皮膚が白くふやけているのが特徴です。
📌 二次感染による炎症・膿
水虫によって皮膚のバリア機能が壊れた部位に細菌が侵入すると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や丹毒(たんどく)と呼ばれる細菌性皮膚感染症を合併することがあります。この状態では皮膚が赤く腫れ上がり、熱感や強い痛みを伴います。膿(うみ)が溜まることもあり、発熱・悪寒など全身症状が出ることもあります。特に足の指の間や足裏からの感染が多く、放置すると下腿(ふくらはぎ)や膝まで炎症が拡大することがあります。
▶️ 皮膚の亀裂と出血
角質増殖型水虫が重症化すると、足の裏の皮膚が非常に厚く硬くなり、その表面に深い亀裂(ひび割れ)が生じます。亀裂が真皮(皮膚の深い層)まで達すると出血を伴い、歩くたびに激しい痛みを感じるようになります。見た目は足の裏全体が白っぽく粉を吹いたような状態で、亀裂部分が赤く出血している様子が見られます。靴下や地面への接触だけで強い痛みが走るようになると、日常生活に大きな支障をきたします。
🔹 広範囲の落屑(皮膚の剥離)
重症化した水虫では、足の皮膚が大量に剥がれ落ちる落屑が目立ちます。白っぽい鱗屑(りんせつ)が足の裏全体に広がり、皮膚の表面がボロボロとした状態になります。これは角質増殖型や趾間型が悪化したケースに多く見られます。落屑した皮膚には白癬菌が含まれているため、感染源になりやすく衛生面でも注意が必要です。
📍 体の他の部位への感染拡大
水虫を放置していると、足から体の他の部位へ感染が広がることがあります。代表的なのは、鼠径部(そけいぶ:股)に発症する股部白癬(いんきんたむし)です。足の皮膚から剥がれた鱗屑が下着に付着し、鼠径部に感染が広がるルートが一般的です。また、手で足を触ることで手に感染(手白癬)したり、体幹や顔に体部白癬が現れることもあります。体の広範囲に白癬が広がると、それぞれの部位に発疹・かゆみ・皮膚の変色が現れます。
⚠️ 爪水虫(爪白癬)が末期になるとどうなるか
爪白癬は特に重症化しやすく、末期になると爪の形が大きく変形します。ここでは爪白癬の進行段階を追って説明します。
💫 初期から中期の変化
爪白癬の初期は、爪の先端や側縁から白や黄色の変色が始まります。この段階では見た目の変化は比較的軽度で、爪の表面の光沢が失われる程度です。中期になると変色の範囲が爪の根元側へと広がり、爪全体が白っぽく、または黄褐色・茶色に変色します。爪が厚くなり始め(肥厚)、表面がでこぼこしてきます。
🦠 重症・末期の変化
さらに進行すると、爪が著しく肥厚して盛り上がり、靴を履くだけで圧迫感や痛みが生じます。爪の色は白・黄・茶・黒と幅広く変化し、もろくボロボロと崩れやすくなります。末期になると爪の構造が大きく破壊され、爪と皮膚の間(爪甲下)に角質が大量に詰まった状態(爪甲下角質増殖)が著明になります。爪が変形して内側に巻き込む「巻き爪」になるケースもあります。さらに重篤な場合には、爪が自然に脱落したり爪床組織が変性したりして、正常な爪が生えてこなくなることもあります。
👴 爪白癬が足の水虫の感染源になる
爪白癬は単に爪の見た目が悪くなるだけでなく、足の皮膚の水虫の持続的な感染源になります。爪の中に潜む白癬菌は外部からの抗真菌薬が届きにくいため、足の皮膚の水虫を治療しても爪白癬を治療しなければ皮膚の水虫が再発を繰り返します。そのため、足の水虫と爪白癬が併発している場合は、両方を同時に治療することが重要です。
Q. 糖尿病患者が水虫を放置すると危険なのはなぜですか?
糖尿病患者は免疫機能が低下して白癬菌への抵抗力が弱まるため、水虫が重症化しやすい状態にあります。神経障害によりかゆみや痛みを感じにくく発見が遅れやすいうえ、末梢血管障害で傷の治りも悪くなります。二次感染が起きると壊疽や足の切断が必要になることもあるため、毎日の足の観察と早期受診が非常に重要です。
🔍 水虫を放置するとどんなリスクがあるか
水虫を治療せずに放置することで生じるリスクは、単に症状が悪化するだけにとどまりません。複数の深刻なリスクがあることを知っておくことが大切です。
🔸 蜂窩織炎(ほうかしきえん)のリスク
水虫によって皮膚のバリア機能が損なわれると、そこから黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌などの細菌が侵入し、皮膚の深部組織(皮下組織)に広がる蜂窩織炎を起こすことがあります。蜂窩織炎は皮膚が赤く腫れて熱を持ち、強い痛みを伴います。発熱や全身倦怠感が現れることもあり、重症例では入院して点滴による抗菌薬治療が必要になります。高齢者や免疫機能が低下している人では特に重症化しやすいため、注意が必要です。
💧 家族や周囲への感染拡大
水虫に感染した人の足から剥がれた皮膚の鱗屑には白癬菌が含まれており、床・バスマット・スリッパ・爪切りなどを共有することで家族や同居人に感染が広がります。特に乳幼児や高齢者は皮膚のバリア機能が弱く感染しやすいため、家庭内感染のリスクが高まります。水虫を治療せずに放置することは、自分だけでなく周囲の人への感染リスクも高め続けることを意味します。
✨ 体の他の部位への自己感染
前述のように、足の水虫から手・股・体幹・頭部など体のさまざまな部位に感染が広がる可能性があります。特に股部白癬(いんきんたむし)は、足の水虫を持つ男性に多く見られます。足の皮膚を触った手や、感染した皮膚が触れた下着・タオルを介して感染が広がります。
📌 爪変形による歩行障害
爪白癬が末期まで進行すると爪が大きく変形・肥厚し、靴を履いた際の圧迫痛や歩行時の痛みが慢性化します。特に高齢者では、歩行が困難になることで活動量が減り、生活の質(QOL)が著しく低下することがあります。また、変形した爪が皮膚に食い込むことで傷ができ、そこから感染を起こすリスクも生じます。
📝 糖尿病など基礎疾患がある場合の注意点
糖尿病を持つ方は、水虫に対して特別な注意が必要です。糖尿病患者は血糖コントロールが不良の場合、免疫機能が低下して白癬菌への抵抗力が弱まり、水虫が感染しやすく重症化しやすい状態になっています。
また、糖尿病の合併症として神経障害(しびれや感覚の低下)が生じていると、足の痛みやかゆみを感じにくくなるため、水虫の発症に気づくのが遅れることがあります。さらに、糖尿病による末梢血管障害がある場合は血流が悪くなっているため、傷の治りが遅く、二次感染が起きると壊疽(えそ)や足の切断が必要になるほどの重症になることがあります。
糖尿病患者は毎日足の状態を確認する習慣をつけ、少しでも皮膚の変化を感じたら早めに皮膚科を受診することが非常に重要です。
免疫抑制剤を服用している方やステロイドを長期使用している方、臓器移植後の方、HIV感染者なども免疫機能が低下しているため、水虫の重症化リスクが高まります。これらの基礎疾患を持つ方は、足の皮膚の変化に対してより慎重に対処することが求められます。
Q. 水虫は症状が消えたら薬をやめても大丈夫ですか?
症状が消えても自己判断で薬をやめることは再発リスクが高いため危険です。見た目のかゆみや皮膚の剥がれが治まっても、皮膚の奥に白癬菌が残っていることが多く、外用薬は一般的に2〜4か月の継続使用が必要です。アイシークリニックでも自己判断で中断し症状が悪化してから来院される患者様が少なくないため、処方された期間は必ず継続することが重要です。
💡 水虫の重症化を防ぐために日常生活でできること
水虫を末期・重症化まで進行させないためには、日常生活での予防と早期対処が大切です。以下に具体的なポイントをまとめます。
▶️ 足を清潔に保つ
毎日入浴・シャワー時に足を丁寧に洗いましょう。特に足の指の間は汚れと湿気が溜まりやすいため、指の間まで丁寧に洗うことが重要です。ただし、強くゴシゴシこすると皮膚を傷つけてしまうため、泡立てた石鹸を使って優しく洗うようにしましょう。洗った後は指の間までしっかり乾かすことも大切です。
🔹 足を乾燥した状態に保つ

白癬菌は高温多湿を好みます。靴下は吸湿性の高い素材を選び、仕事などで長時間同じ靴を履き続ける場合は、帰宅後に靴を乾燥させ、できれば毎日違う靴に替えることが理想的です。靴の中に市販の抗菌消臭スプレーを使用するのも効果的です。また、靴下は毎日洗濯するようにしましょう。
📍 感染源になりそうな場所での注意
銭湯・プール・スポーツジムなど、不特定多数が素足で歩く場所ではできるだけサンダルを使用し、帰宅後はすぐに足をよく洗うようにしましょう。これにより、白癬菌が皮膚に定着するリスクを大幅に減らすことができます。
💫 家庭内での感染予防
水虫の感染者がいる家庭では、バスマット・スリッパ・タオルの共有を避けましょう。バスマットは感染者が使用するものを分けるか、こまめに洗濯・乾燥させることが重要です。また、爪切りも共有しないようにしましょう。
🦠 症状が出たら早めに受診する
足の皮膚に少しでも異変を感じたら、市販薬で様子を見るよりも早めに皮膚科を受診することを強くお勧めします。水虫に似た症状を示す皮膚疾患(湿疹・かぶれ・乾癬など)もあるため、自己判断で市販の抗真菌薬を使用しても効果がない場合があります。また、水虫と確定診断されたとしても、種類や重症度によって適切な治療薬が異なるため、専門家による診断と処方を受けることが最善です。
✨ 皮膚科での診断・治療について
水虫が疑われる場合、皮膚科では主に皮膚の鱗屑(皮膚が剥がれた部分)や爪の破片を採取し、顕微鏡で白癬菌の有無を確認する「直接鏡検(KOH検査)」によって診断を確定します。この検査は数分から十数分で結果が出るため、その日のうちに診断がつくことが多いです。
👴 外用抗真菌薬による治療
軽度から中等度の足白癬(趾間型・小水疱型)には、外用抗真菌薬(塗り薬)が基本的な治療法です。クリームや液剤、スプレー剤などの剤形があり、患者の症状や生活スタイルに合わせて処方されます。主な成分としてはラノコナゾール・ルリコナゾール・テルビナフィン・エフィナコナゾールなどがあります。外用薬は症状が消えても約1か月以上継続して使用することが重要で、自己判断で中止すると再発のリスクが高まります。一般的には2〜4か月間の継続使用が必要です。
🔸 内服抗真菌薬による治療
角質増殖型の足白癬や爪白癬には、外用薬だけでは薬剤が十分に浸透しないため、内服の抗真菌薬が使用されます。代表的な薬剤としてはイトラコナゾール・テルビナフィン・ホスラブコナゾールなどがあります。内服薬は爪白癬に対して高い有効性を示しますが、服用期間が数か月に及ぶこと、肝臓への負担や薬物相互作用など副作用の問題があるため、定期的な血液検査が必要なこともあります。
💧 爪白癬専用の外用薬
近年では、爪に塗るタイプの外用抗真菌薬も登場しています。エフィナコナゾール(クレナフィン)やルリコナゾール(ルコナック)がこれにあたり、爪への浸透性が高く設計されています。内服薬が使いにくい方(肝機能障害がある方や服薬中の薬との相互作用が懸念される方など)にとっての選択肢となります。ただし、効果が出るまでに時間がかかり(1年程度の使用が必要なこともあります)、中等度以上の重症爪白癬では内服薬のほうが有効な場合もあります。
✨ 二次感染への対応
水虫に細菌感染が合併している場合は、抗真菌薬の治療に加えて抗菌薬の外用または内服が必要になります。蜂窩織炎など重篤な細菌感染を起こしている場合は、入院して点滴による抗菌薬治療が必要になることもあります。この場合、まず細菌感染を先に治療してから抗真菌薬治療を行うケースもあります。
📌 治療における注意点
水虫の治療で最も重要なのは「症状が消えても治療を継続すること」です。症状が改善されてかゆみや皮膚の剥がれが治まっても、皮膚の奥に白癬菌が残っていることが多く、薬の使用を途中でやめると再発します。また、水虫と似た疾患(湿疹・掌蹠膿疱症・乾癬など)に誤って抗真菌薬を使用しても効果がないため、自己診断・自己治療には限界があります。確実な診断のもとで適切な治療を受けることが、完治への最短ルートです。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「かゆみが落ち着いたから」と自己判断で治療を中断し、症状が悪化してから受診される患者様が少なくありません。水虫は白癬菌が皮膚の角質層に深く根を張っているため、見た目の症状が消えても菌が残っていることが多く、爪白癬を合併している場合には特に再発を繰り返しやすい傾向があります。足や爪に少しでも気になる変化がある場合は、まず皮膚科で正確な診断を受けていただき、処方された期間はしっかりと治療を続けることが、完治への一番の近道です。」
📌 よくある質問
放置すると皮膚が広範囲にただれて滲出液が生じたり、細菌が侵入して蜂窩織炎(皮膚の深部に広がる細菌感染症)を起こすことがあります。発熱や強い痛みを伴い、入院が必要になるケースもあります。また爪が変形・崩壊したり、家族への感染拡大にもつながります。
爪の変色(白・黄・茶色)や肥厚は爪白癬(爪水虫)の典型的なサインです。進行すると爪がもろく崩れ、靴を履くだけで痛みが生じます。さらに悪化すると爪が脱落し正常に再生されないこともあります。早めに皮膚科を受診し、顕微鏡検査で正確な診断を受けることをお勧めします。
やめてしまうと再発するリスクが高いため、注意が必要です。症状が改善しても皮膚の奥に白癬菌が残っていることが多く、一般的に外用薬は2〜4か月の継続使用が必要です。アイシークリニックでも、自己判断で中断して症状が悪化してから来院される患者様が少なくありません。処方された期間は必ず継続しましょう。
糖尿病患者は免疫機能が低下しやすく、白癬菌への抵抗力が弱まるため水虫が重症化しやすい状態にあります。また神経障害でかゆみや痛みを感じにくく発見が遅れたり、末梢血管障害で傷の治りが悪くなったりします。最悪の場合、二次感染から壊疽に至ることもあるため、毎日の足の観察と早期受診が非常に重要です。
皮膚科では剥がれた皮膚や爪の破片を採取し、顕微鏡で白癬菌を確認する「KOH検査」で当日中に診断が可能です。軽症には外用抗真菌薬、角質増殖型や爪白癬には内服薬が処方されます。アイシークリニック新宿院でも水虫のご相談を受け付けていますので、足や爪の変化が気になる方はお気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
水虫は日本で非常に多くの人が罹患するありふれた皮膚疾患ですが、放置することで症状は着実に悪化し、末期・重症の状態になると日常生活に大きな支障をきたします。重症化した水虫では皮膚の広範囲にわたるただれや滲出液、二次感染による蜂窩織炎、爪の変形・崩壊など、深刻な状態に陥ることがあります。特に糖尿病などの基礎疾患を持つ方は、重症化するリスクが特に高いため、足の状態に普段から注意を払うことが重要です。
水虫を末期まで進行させないためには、早期発見・早期治療が何より大切です。足や爪に少しでも異変を感じたら、自己判断で市販薬を使い続けるのではなく、皮膚科を受診して正確な診断を受けましょう。皮膚科では顕微鏡検査によって短時間で診断がつき、症状に合った適切な治療薬を処方してもらえます。治療を開始したら、症状が改善した後も処方された期間は薬を継続することが完治の鍵です。
水虫は適切な治療を行えば完治できる疾患です。重症化した状態でも治療が遅いということはありませんが、より長い治療期間と負担が必要になります。早めに専門家に相談し、しっかりと治療を完了させることで、再発のない健康な足を取り戻しましょう。アイシークリニック新宿院では、皮膚のお悩みに関するご相談を受け付けています。水虫や爪の変化が気になる方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 白癬(水虫・爪白癬)の診断基準・治療ガイドライン。足白癬の種類・症状・抗真菌薬(外用・内服)の適応や治療期間に関する専門的根拠として参照
- 厚生労働省 – 水虫(白癬)の感染予防・市販薬の適切な使用方法・受診勧奨に関する公式情報。成人の約5人に1人が罹患しているという疫学データや感染経路の根拠として参照
- PubMed – 糖尿病患者における水虫重症化リスク・蜂窩織炎合併・末梢血管障害との関連性、および爪白癬の内服抗真菌薬(テルビナフィン・イトラコナゾール)の有効性に関する国際的な臨床研究の根拠として参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
