
🔍 鼻の中に違和感やできものを感じたら、この記事が役立ちます。
「鼻の中に何かある…これって病気?」
「放っておいたら悪化する?」
そんな不安、ありませんか?
この記事を読めば、原因・種類・受診タイミングがすべてわかります!自己判断で悪化させる前にチェックを。
🚨 こんな症状、放置は危険です!
- ⚡ 2週間以上続く片側の鼻づまり
- ⚡ 繰り返す鼻血
- ⚡ においがわからなくなってきた
これらは耳鼻咽喉科への早期受診が必要なサインです。
💡 この記事のポイント
鼻の中のできものは鼻茸・鼻せつ・粉瘤・腫瘍など原因が多岐にわたる。2週間以上続く片側の鼻づまり・繰り返す鼻血・嗅覚低下は耳鼻咽喉科への早期受診が必要なサインで、自己処置は重篤な合併症を招くリスクがある。
目次
- 鼻の中にできものができるとはどういう状態か
- 鼻の中のできものの主な原因
- 鼻の中にできるできものの種類と特徴
- 症状別にみる鼻のできもの
- 子どもに多い鼻のできもの
- 受診が必要なサインとは
- 診断・検査の流れ
- 治療方法の概要
- 日常生活での予防と注意点
- まとめ
💡 鼻の中にできものができるとはどういう状態か
鼻の中(鼻腔)は、外鼻孔(鼻の穴)から咽頭(のど)にかけての空洞部分で、粘膜に覆われています。鼻腔の内側には左右に鼻甲介という凸状の構造物があり、吸い込んだ空気を温め、加湿し、ウイルスや細菌などの異物を排除する役割を担っています。
この粘膜に何らかの原因で変化が生じると、腫れ・ふくらみ・こぶ状のものが形成されます。それが「鼻の中のできもの」として感じられるわけです。鼻づまりや痛み、出血といった症状をきっかけに気づくケースが多くみられます。
ひとくちに「できもの」といっても、炎症による一時的な腫れから、ポリープ(鼻茸)のような良性の組織増殖、嚢胞(のうほう)、さらには腫瘍性病変まで多岐にわたります。そのため、症状や経過、見た目だけで自己判断するのは難しく、気になる場合は専門医に相談することが重要です。
Q. 鼻の中にできものができる主な原因は何ですか?
鼻の中にできものができる主な原因は、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎による鼻茸(ポリープ)、細菌感染による鼻せつ、嚢胞、粉瘤、腫瘍性病変などです。中でも最も多いのは、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う鼻茸です。
📌 鼻の中のできものの主な原因
鼻の中にできものができる原因はひとつではありません。複数の要因が組み合わさって発症することも多く、以下のようなものが代表的な原因として挙げられます。
✅ 慢性的な炎症・アレルギー
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)は、鼻の中にできものができる最も一般的な原因のひとつです。アレルギー反応によって鼻の粘膜が繰り返し刺激を受けると、粘膜が慢性的に腫れた状態になります。さらに進行すると、粘膜が水ぶくれのようにふくらんで鼻茸(ポリープ)が形成されることがあります。
花粉症や通年性アレルギー性鼻炎のある人は、鼻茸ができやすいとされており、特に注意が必要です。慢性副鼻腔炎では、副鼻腔に膿がたまり続けることで粘膜組織が変化し、ポリープ状の変化が生じやすくなります。
📝 細菌・ウイルス感染
鼻毛の根元にある毛包(もうほう)に細菌が感染すると、毛包炎や鼻せつ(鼻の中のおできのようなもの)が生じることがあります。黄色ブドウ球菌が関与することが多く、鼻の入り口付近に赤みを帯びた痛みのある腫れが現れます。
鼻をほじる習慣がある人や、指で鼻を触ることが多い人は、皮膚の細菌が鼻腔内に持ち込まれやすく、感染のリスクが高まります。
🔸 異物・物理的刺激
鼻の中に繰り返し物理的な刺激を与えることで、粘膜が傷つき、炎症やできものの原因になることがあります。特に小さな子どもが自分で異物を鼻の中に入れてしまったケースでは、異物周囲に肉芽組織(炎症によって形成される組織)ができることがあります。
⚡ 嚢胞(のうほう)の形成
粘膜の中に液体がたまった袋状の構造(嚢胞)ができることがあります。副鼻腔の粘膜に生じる粘液嚢胞などがその例で、副鼻腔の出口が塞がれることで粘液が溜まって嚢胞状になります。痛みがなく、レントゲンやCTで偶然発見されることも少なくありません。
🌟 粉瘤(ふんりゅう)・表皮嚢腫
皮膚の角質や皮脂が皮膚の中にたまってできる粉瘤は、鼻の周囲や鼻の入り口付近にも発生することがあります。鼻の穴の内側の皮膚部分(前鼻孔周囲)にできた粉瘤は、鼻の中のできものとして感じられることがあります。
💬 腫瘍性病変
鼻腔や副鼻腔には良性・悪性両方の腫瘍が発生することがあります。良性腫瘍としては乳頭腫(にゅうとうしゅ)、血管腫、線維腫などが知られています。悪性腫瘍(鼻腔・副鼻腔がんなど)は頻度としては低いですが、症状が長引く場合や特定のサインがある場合は注意が必要です。
✨ 鼻の中にできるできものの種類と特徴
鼻の中に生じるできものにはいくつかの代表的な種類があります。それぞれの特徴を知っておくことで、症状への理解が深まります。
✅ 鼻茸(はなたけ・鼻ポリープ)
鼻茸は、鼻腔や副鼻腔の粘膜が慢性的な炎症によってふくらみ、ポリープ状になったものです。見た目は半透明または白っぽく、ぷよぷよとした柔らかい質感を持っています。痛みはほとんどなく、鼻づまりや嗅覚障害(においがわかりにくい)、鼻水が主な症状です。
鼻茸は慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、喘息(ぜんそく)を持つ人に多くみられます。特に「好酸球性副鼻腔炎」と呼ばれるタイプの慢性副鼻腔炎では、両側の鼻腔に多発する鼻茸が特徴的で、難治性の嗅覚障害を伴うことが多いです。
鼻茸は自然に消えることはほとんどなく、薬物療法(ステロイド点鼻薬など)や手術が治療の中心となります。また再発しやすいことが知られており、術後も継続的な管理が必要です。
📝 鼻せつ(鼻のおでき)
鼻せつとは、鼻毛の根元(毛包)に細菌が感染して化膿し、おできのようになった状態です。鼻の入り口付近(鼻前庭)に多く発生し、赤みを伴った腫れ、強い痛み、熱感などが特徴です。触れると痛みが強まり、膿が溜まってくると中心部が白っぽくなることもあります。
多くの場合、黄色ブドウ球菌による感染が原因です。自己判断で無理に絞ったり、つぶそうとしたりすると細菌が周囲に広がり、蜂窩織炎(ほうかしきえん)や、最悪の場合は海綿静脈洞血栓症(かいめんじょうみゃくどうけっせんしょう)という重篤な合併症を引き起こすリスクがあるため、絶対に自己処置は避けてください。
🔸 粉瘤(表皮嚢腫)
粉瘤は、皮膚の表皮細胞が皮膚の中に入り込み、角質や皮脂がたまって袋状になったものです。鼻の入り口付近の皮膚部分にも発生することがあります。触ると硬めのしこりとして感じられ、中心部に小さな開口部(へそ)が見られることもあります。通常は痛みがありませんが、細菌感染が起きると赤く腫れ、痛みを伴う炎症性粉瘤になります。
粉瘤は自然に消えることはなく、再発を防ぐためには袋ごと摘出する手術が必要です。炎症が起きている状態では、まず抗生剤や切開排膿で炎症を落ち着かせてから、改めて摘出手術を行うのが一般的です。
⚡ 血管腫
鼻腔内の血管が異常増殖してできる良性の腫瘍です。出血を繰り返す鼻血(鼻出血)として気づかれることが多く、鼻の中に赤みのある柔らかい腫れとして観察されます。鼻中隔(鼻を左右に分ける仕切り)や鼻甲介に発生することがあります。
🌟 乳頭腫(にゅうとうしゅ)
乳頭腫は、鼻腔や副鼻腔の粘膜から生じる良性の上皮性腫瘍です。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が関与することが知られています。見た目はいぼ状または乳頭状で、鼻づまりや出血を引き起こすことがあります。
中でも「内反性乳頭腫(ないはんせいにゅうとうしゅ)」は良性ではあるものの、再発率が高く、一部で悪性化するリスクがあることから特に注意が必要とされています。手術による切除が基本的な治療法ですが、術後も定期的な経過観察が不可欠です。
💬 線維腫・骨腫などその他の良性腫瘍
線維腫は結合組織から生じる良性腫瘍で、鼻腔内にできることがあります。骨腫は骨が異常増殖したもので、副鼻腔(特に前頭洞や篩骨洞)に好発します。いずれも症状がない場合は経過観察となることがありますが、症状に応じて手術が選択されることもあります。
✅ 悪性腫瘍(鼻腔・副鼻腔がん)
鼻腔や副鼻腔に発生する悪性腫瘍は比較的まれですが、存在します。扁平上皮がん、腺がん、悪性黒色腫(メラノーマ)などの種類があります。初期には無症状のことも多く、進行すると頑固な鼻づまり、繰り返す鼻血、顔面の痛みや腫れ、歯の痛み、視力変化などの症状が現れることがあります。
木工や皮革業など、特定の職業での粉塵への曝露が発症リスクを高めることが知られています。
Q. 鼻せつを自分でつぶしてはいけない理由は?
鼻せつを自己処置でつぶすと、細菌が周囲に広がり、蜂窩織炎や海綿静脈洞血栓症などの重篤な合併症を引き起こす危険があります。鼻は頭蓋内の静脈洞と血流がつながっているため、感染が広がると生命に関わるリスクもあり、必ず医療機関を受診してください。
🔍 症状別にみる鼻のできもの
鼻の中のできものは、その症状によってある程度原因を推測することができます。以下に代表的な症状と考えられる原因をまとめます。ただし、症状だけで診断することはできないため、あくまで参考としてください。
📝 鼻づまりが続く場合
鼻づまりは鼻の中のできもので最も多くみられる症状です。できものが鼻腔を塞いでしまうために起こります。鼻茸(鼻ポリープ)が最も多い原因ですが、腫瘍性病変でもみられます。片側のみの鼻づまりが続く場合は、腫瘍を疑って検査を受けることが重要です。
🔸 嗅覚が低下した場合
においをうまく感じられなくなる嗅覚障害は、鼻茸によって嗅裂(においを感知する部位)が塞がれることで起こることが多いです。好酸球性副鼻腔炎に伴う鼻茸では、嗅覚障害が特に顕著にみられます。新型コロナウイルス感染後の嗅覚障害とは原因が異なりますが、どちらも専門的な評価が必要です。
⚡ 鼻から出血する場合
できもの自体の表面の血管が傷ついて出血することがあります。血管腫は特に出血しやすく、軽い刺激でも出血することがあります。また、悪性腫瘍でも出血がみられることがあるため、繰り返す鼻血や原因不明の出血は注意が必要です。
🌟 痛みや熱感がある場合
炎症や感染を伴うできものでは、痛みや熱感が現れます。鼻せつや炎症性粉瘤では強い痛みを伴うことが多いです。痛みがある場合は、感染が関与していることが多く、早めに受診することが望ましいです。
💬 顔面に症状が広がる場合
顔の腫れ、頬や眼窩(がんか:目のまわり)周囲の痛み、歯の痛みなどを伴う場合は、副鼻腔への病変の広がりや、悪性腫瘍の可能性を考慮する必要があります。このような症状が現れた場合は、速やかに専門医を受診してください。
💪 子どもに多い鼻のできもの
子どもの場合、大人とは異なる原因でできものが生じることがあります。特に注意が必要なものを以下に挙げます。
✅ 鼻腔内異物
小さな子どもは好奇心から鼻の中に小石やビーズ、おもちゃの部品などを入れてしまうことがあります。異物が長期間放置されると、周囲の粘膜が炎症を起こして腫れたり、肉芽組織を形成したりすることがあります。片側だけの膿性(のうせい)鼻水が続く場合は、異物の存在を疑う重要なサインです。
📝 鼻腔の良性腫瘍
子どもにも鼻腔内に良性腫瘍が生じることがあります。鼻腔内に生じる肉芽腫や血管腫は小児でも報告されています。鼻づまりや繰り返す鼻血があれば、耳鼻咽喉科を受診して確認してもらうことが大切です。
🔸 アレルギー性鼻炎に伴う粘膜の腫れ
最近では幼い子どもでもアレルギー性鼻炎を持つ例が増えています。慢性的な鼻炎による粘膜の肥厚(ひこう)は、鼻の中に何かあるような感覚を引き起こすことがあります。適切な治療によって粘膜の状態を改善することが重要です。
Q. 鼻のできもので早急に受診すべき症状は?
耳鼻咽喉科への早期受診が必要なサインは、2週間以上続く片側の鼻づまり、繰り返す鼻血、嗅覚の低下・消失、顔面の痛みや腫れ、短期間で急速に大きくなるできものです。これらは腫瘍性病変など重篤な疾患の可能性があるため、自己判断は避けてください。

🎯 受診が必要なサインとは
鼻の中のできものは、自然に治るものもあれば、放置することで悪化したり、重篤な病態につながる可能性があるものもあります。以下のようなサインがある場合は、早めに耳鼻咽喉科などの専門医を受診することを強くお勧めします。
⚡ 2週間以上続く片側の鼻づまり
通常の風邪や一時的な鼻炎であれば、2週間もすれば改善することがほとんどです。片側だけの鼻づまりが長期間続く場合は、腫瘍性病変が原因の可能性があるため、必ず受診して精密検査を受けてください。
🌟 繰り返す鼻血
鼻血は子どもから大人まで一般的に起こりますが、頻繁に繰り返す場合や、止まりにくい場合は注意が必要です。できものが原因の鼻血である可能性があり、専門的な評価が必要です。
💬 嗅覚の低下・消失
においを感じにくくなったり、まったく感じなくなったりした場合は、鼻腔内の病変(特に鼻茸)や神経の問題が疑われます。嗅覚は生活の質に大きく関わる感覚ですので、早期に評価・治療を受けることが重要です。
✅ 顔面の痛み・腫れ・変形
鼻周囲の顔面に痛みや腫れ、変形がある場合は、副鼻腔への病変の波及や、悪性腫瘍の可能性を考慮する必要があります。特に目の周囲が腫れたり、複視(ものが二重に見える)が生じたりする場合は緊急性が高い場合があります。
📝 強い痛みを伴うできもの
鼻の入り口付近に強い痛みを伴う腫れや赤みがある場合は、鼻せつ(毛包炎・化膿性炎症)の可能性があります。自己処置(絞ったり、つぶしたりする行為)は危険ですので、必ず医療機関を受診してください。鼻は血液が顔面の静脈から頭蓋内の静脈洞に直接流れ込む構造があるため、感染が広がると重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。
🔸 急速に大きくなるできもの
短期間のうちに急速に大きくなるできものは、悪性の病変や急性感染症の可能性があるため、速やかに受診が必要です。
💡 診断・検査の流れ
鼻の中のできものが疑われる場合、医療機関ではどのような検査が行われるのでしょうか。一般的な診断・検査の流れについて説明します。
⚡ 問診
まず、いつから症状があるか、どのような症状か、アレルギーや喘息の既往歴、職業歴(粉塵へ曝露するような仕事かどうか)、鼻の手術歴などについて詳しく聞き取りが行われます。症状の経過や生活背景は診断に重要な情報を提供します。
🌟 鼻鏡検査・前鼻鏡検査
医師が専用の器具(鼻鏡)を用いて鼻の中を直接観察します。鼻の入り口から奥までを確認できますが、奥深い部分や副鼻腔内は直接見ることが難しいため、内視鏡検査が追加されることもあります。
💬 鼻内視鏡検査(鼻ファイバースコープ)

細い内視鏡(ファイバースコープ)を鼻から挿入して、鼻腔の奥や副鼻腔の開口部を詳しく観察します。できものの場所・大きさ・性状をより詳細に確認することができます。鼻腔内にスプレーで局所麻酔薬を塗布してから行うため、比較的苦痛は少なく外来で実施できます。
✅ 画像検査(レントゲン・CT・MRI)
副鼻腔を含めた病変の広がりや骨への影響を確認するために、CT検査が広く用いられています。副鼻腔がより詳細に観察でき、病変の範囲把握や手術前の評価に欠かせない検査です。
MRI(磁気共鳴画像)は、軟部組織(粘膜・腫瘍など)の詳細な評価に優れており、特に腫瘍性病変が疑われる場合に追加されることがあります。
📝 組織生検(病理検査)
できものの一部を採取して顕微鏡で詳しく調べる検査です。良性か悪性か、どのような種類の病変かを確定的に診断するために行われます。局所麻酔下で比較的簡単に採取できることが多いですが、状況によっては全身麻酔が必要になる場合もあります。
🔸 アレルギー検査
鼻茸や慢性副鼻腔炎が疑われる場合は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を調べるための血液検査や皮膚テストが行われることがあります。アレルギーの有無や種類を把握することは、その後の治療方針を決める上で重要です。
Q. 鼻茸の治療法と再発予防について教えてください。
鼻茸の治療はステロイド点鼻薬などの薬物療法が基本で、効果不十分な場合は内視鏡下鼻副鼻腔手術が行われます。鼻茸は再発しやすいため術後も継続的な管理が必要です。重症例では生物学的製剤も保険適用となっており、アイシークリニックでは症状に応じた治療を提案しています。
📌 治療方法の概要
鼻の中のできものの治療は、原因や種類によって大きく異なります。ここでは代表的な治療法について説明します。
⚡ 薬物療法
アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎に伴う鼻茸に対しては、ステロイド点鼻薬が第一選択薬とされています。点鼻ステロイドは鼻腔内の炎症を抑え、鼻茸を縮小させる効果があります。全身への影響が少ない局所製剤が主流です。
感染(鼻せつなど)に対しては抗生剤が用いられます。感染の原因菌に応じた適切な抗生剤を選択することが重要です。
近年、難治性の好酸球性副鼻腔炎に対しては、デュピルマブなどの生物学的製剤(バイオ製剤)が保険適用となり、重症例での有効性が示されています。
🌟 手術療法
薬物療法で改善しない場合や、腫瘍性病変・粉瘤など手術が必要な病変には外科的治療が行われます。
現在の鼻の手術の多くは、内視鏡を用いた「内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)」という方法で行われます。鼻の外から切開することなく、鼻孔(鼻の穴)から内視鏡を挿入し、モニターを見ながら精密に病変を切除します。出血・傷跡・回復期間の観点で従来の手術より患者への負担が少ない術式です。
粉瘤の摘出は皮膚科や形成外科で行われることが多く、再発防止のために嚢腫の袋ごと切除することが基本です。
💬 経過観察
症状がない小さな粘液嚢胞や、リスクの低い良性病変では、経過観察が選択されることもあります。その場合も定期的な受診で変化がないかを確認することが大切です。
✅ アレルゲン免疫療法(減感作療法)
アレルギー性鼻炎が原因で鼻茸が再発しやすい場合、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)によってアレルギーの体質を根本から改善する治療が有効なこともあります。長期的な治療が必要ですが、根本的な体質改善を目指すことができます。
✨ 日常生活での予防と注意点
鼻の中のできものの一部は、生活習慣や環境の見直しによってリスクを減らすことができます。以下の点に気をつけることが予防につながります。
📝 鼻をほじる習慣をやめる
指で鼻の中を触る習慣は、粘膜を傷つけたり、細菌を持ち込んだりするリスクがあります。鼻の中に違和感がある場合も、指で触れることは避け、生理食塩水によるネティポット(鼻うがい)などを適切に活用することが望ましいです。
🔸 アレルギーを適切にコントロールする
アレルギー性鼻炎のある方は、花粉・ダニ・カビ・ペットの毛などのアレルゲンをできるだけ避け、処方された薬を正しく使うことが大切です。アレルギーをコントロールすることで、慢性副鼻腔炎や鼻茸の発生・再発リスクを下げることができます。
⚡ 室内の環境を整える
乾燥した環境は鼻の粘膜を傷つけやすくします。加湿器を活用して適度な湿度(40〜60%程度)を保つことが、鼻の粘膜の健康維持につながります。また、こまめな掃除によってほこりやダニの数を減らすことも重要です。
🌟 喫煙を避ける
タバコの煙は鼻の粘膜に強い刺激を与え、慢性炎症を引き起こします。喫煙は慢性副鼻腔炎や鼻茸の悪化因子とされており、また鼻腔・副鼻腔がんのリスクを高める可能性があります。禁煙は鼻の健康を守るうえで非常に重要です。
💬 粉塵への曝露を減らす
木工、皮革加工、金属加工などの職業では、特定の粉塵が鼻腔・副鼻腔がんのリスクを高めることが知られています。マスクや換気など、適切な防護対策を講じることが大切です。
✅ 定期的な受診
慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などで鼻茸を繰り返す方、以前に鼻の手術を受けた方は、定期的に耳鼻咽喉科を受診して状態を確認してもらうことが大切です。早期に変化を察知することで、大きな治療が必要になる前に対処できます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、鼻の中のできものを主訴にご来院される患者様の多くが、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う鼻茸(鼻ポリープ)であるケースが多く見られます。ただし、片側だけの鼻づまりや繰り返す鼻血、嗅覚の低下など気になる症状がある場合は、自己判断せずお早めにご相談いただくことが大切です。鼻内視鏡やCT検査を組み合わせることで原因を正確に把握し、患者様お一人おひとりに合った治療法をご提案できますので、どうぞ遠慮なくお越しください。」
🔍 よくある質問
主な原因は、アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎による鼻茸(ポリープ)、細菌感染による鼻せつ、嚢胞、粉瘤、腫瘍性病変などです。最もよくみられるのは、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う鼻茸です。原因によって症状や治療法が異なるため、自己判断は避け、専門医への相談をお勧めします。
絶対に避けてください。特に鼻せつ(鼻の中のおでき)を自己処置すると、細菌が周囲に広がり、蜂窩織炎や海綿静脈洞血栓症といった重篤な合併症を引き起こすリスクがあります。鼻は頭蓋内の静脈洞と血流がつながっているため、感染が広がると非常に危険です。必ず医療機関を受診してください。
以下の症状がある場合は早めに耳鼻咽喉科を受診してください。①2週間以上続く片側の鼻づまり、②繰り返す鼻血、③嗅覚の低下・消失、④顔面の痛みや腫れ、⑤短期間で急速に大きくなるできもの。これらは腫瘍性病変や重篤な疾患のサインである可能性があります。
鼻茸が自然に消えることはほとんどありません。治療の基本はステロイド点鼻薬などの薬物療法で、効果が不十分な場合は内視鏡を用いた手術が行われます。また鼻茸は再発しやすいため、術後も継続的な管理が必要です。重症例では生物学的製剤(バイオ製剤)が保険適用となっており、当院でも症状に応じた治療をご提案しています。
子どもの場合、片側だけの膿性(黄色・緑色)鼻水が続くときは、鼻腔内に異物が入っている可能性があります。小さな子どもがビーズや小石などを鼻に入れてしまうケースがあり、放置すると周囲の粘膜に炎症や肉芽組織が生じます。思い当たる場合は自己対処せず、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。
💪 まとめ
鼻の中にできものができる原因は、アレルギーや慢性副鼻腔炎、細菌感染、嚢胞、良性・悪性腫瘍など多岐にわたります。最もよくみられるのは慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎に伴う鼻茸(鼻ポリープ)ですが、症状や経過によっては腫瘍性病変を念頭に置いた検査が必要な場合もあります。
特に、2週間以上続く片側の鼻づまり、繰り返す鼻血、嗅覚の低下、顔面の痛みや腫れなどの症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科などの専門医を受診することをお勧めします。鼻せつのような感染症では、絞ったりつぶしたりする自己処置が重篤な合併症につながるリスクがあるため、絶対に避けてください。
診断は問診・鼻内視鏡検査・CT検査などを組み合わせて行われ、病変の種類に応じて薬物療法や手術療法が選択されます。日常生活では、アレルギーの管理、禁煙、適切な加湿、鼻をほじる習慣をなくすことなどが予防につながります。気になる症状があればひとりで悩まず、専門医に相談することが大切です。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – 鼻腔・副鼻腔がんを含む各種がんに関する情報、および慢性副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎などの疾患に関する公的医療情報の参照
- 日本皮膚科学会 – 粉瘤(表皮嚢腫)の診断・治療方針、および鼻前庭部に生じる皮膚疾患(毛包炎・鼻せつ・粉瘤)に関するガイドラインや診療指針の参照
- PubMed – 鼻茸(鼻ポリープ)・好酸球性副鼻腔炎・内反性乳頭腫・鼻腔悪性腫瘍・生物学的製剤(デュピルマブ)の有効性に関する国際的な医学的エビデンスおよび査読済み論文の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
